JP2003214230A - 内燃機関のアイドル回転速度制御装置 - Google Patents

内燃機関のアイドル回転速度制御装置

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JP2003214230A
JP2003214230A JP2002010852A JP2002010852A JP2003214230A JP 2003214230 A JP2003214230 A JP 2003214230A JP 2002010852 A JP2002010852 A JP 2002010852A JP 2002010852 A JP2002010852 A JP 2002010852A JP 2003214230 A JP2003214230 A JP 2003214230A
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rotation speed
idle
speed
idle rotation
internal combustion
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Application number
JP2002010852A
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English (en)
Inventor
Hisamitsu Yamazoe
久光 山添
Satoyuki Takagawa
智行 高川
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アイドル回転速度制御に要求される高応答
性、収束性、安定性、機種展開の容易性を全てに渡って
高次元で満足させる。 【解決手段】 現在の実アイドル回転速度NE(i) と最
終目標アイドル回転速度NEtg(i) との偏差ΔNE
(i) を算出すると共に、この偏差の前回値ΔNE(i-1)
に減衰率Kdec を乗算して、偏差の中間目標値ΔNEm
idtg(i) を求める(ステップ104、105)。こ
の後、偏差の今回値ΔNE(i) と中間目標値ΔNEmi
dtg(i) との偏差Eを用いてISC補正量NEcomp
(i) を次式により算出する(ステップ106、10
7)。 NEcomp(i) =Kp ×E+f( NEtg(i) ) ここで、Kp は比例ゲインであり、f( NEtg(i) )
は、最終目標アイドル回転速度NEtg(i) をパラメー
タとするマップ又は数式により算出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のアイド
ル回転速度を目標アイドル回転速度にフィードバック制
御する内燃機関のアイドル回転速度制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関のアイドル回転速度
制御は、スロットルバルブをバイパスするバイパス空気
量をアイドル回転速度制御バルブ(以下「ISCバル
ブ」と略記する)で制御するバイパスエア方式を採用し
たり、或は、スロットルバルブをモータで駆動する電子
スロットルシステムでは、アイドル運転時にスロットル
バルブの開度を制御して吸入空気量を調整するようにし
ている。これらいずれの方式のものでも、アイドル運転
時に内燃機関に供給する吸入空気量(ISCバルブ開度
又はスロットル開度)を、実アイドル回転速度と目標ア
イドル回転速度との偏差が小さくなるようにフィードバ
ック制御することで、実アイドル回転速度を目標アイド
ル回転速度付近に制御するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アイドル回
転速度制御装置は、次の〜の特性を全てに渡って高
次元で満足させることが理想である。
【0004】目標アイドル回転速度の急変に対して実
アイドル回転速度を応答良く追従させるための「高応答
性」 実アイドル回転速度をできるだけ短時間で目標アイド
ル回転速度に収束させるための「収束性」 アイドル運転時の内燃機関の負荷急変時や運転条件の
急変時にオーバーシュートやアンダーシュートを発生さ
せないようにするための「安定性」 内燃機関の機種展開時に基本的な制御ロジックを変更
することなく容易に適用できるようにするための「機種
展開の容易性」
【0005】しかし、アイドル回転速度制御では、IS
Cバルブ(又はスロットルバルブ)を通過した空気が筒
内に吸入されるまでの空気系の遅れやISCバルブ(又
はスロットルバルブ)の応答遅れ等によるむだ時間が大
きく、しかも、そのむだ時間がエンジン運転状態や制御
系の経時劣化等によって変化する。このため、上記従来
のアイドル回転速度制御は、むだ時間の変化の影響を受
けやすく、応答性を速くするために、高ゲイン化する
と、フィードバック制御が不安定になって、ハンチング
が発生する可能性がある。このため、上記従来のフィー
ドバック制御では、高ゲイン化(高応答性)と安定性と
を両立させることが困難である。
【0006】特に、アイドル運転時の負荷急変時に該負
荷急変を事前に予測する手段を持たないシステム(例え
ばパワーステアリングの負荷投入を予測するパワーステ
アリング負荷検出スイッチを持たないシステム)におい
ては、予測できない負荷急変が発生した場合に、上述し
た〜の要求を全てに渡って高次元で満足させること
ができない。
【0007】また、従来のアイドル回転速度制御は、一
般にPI制御が用いられるが、PI制御では、外乱等の
影響に対する制御の安定性が低いため、近年、例えば、
特開2000−110656号公報に示すように、スラ
イディングモード制御を用いることで、外乱等の影響に
対する制御の安定性を高めることが提案されている。し
かし、スライディングモード制御では、安定性を高める
と、収束性が低下する欠点があり、しかも、内燃機関の
機種を展開する際にその機種に合わせて基本的な制御ロ
ジックを変更する必要があり、その作業が面倒で、機種
展開の容易性という要求を満たすことができない。
【0008】また、従来のアイドル回転速度制御の過渡
時の応答性を改良するために、特許第2505018号
公報、特許第2623759号公報に示すように、制御
量又は制御補正量に微分項(以下「D項」という)を含
ませることが提案されている。しかし、単なるD項を含
むアイドル回転速度制御では、アイドル時のエンジン負
荷の急変時などの制御応答性は改善されるが、却って制
御の収束性・安定性が損なわれてしまう。しかも、機種
展開の容易性も得られない。従って、アイドル回転速度
制御に単なるD項を含ませただけでは、アイドル回転速
度制御の応答性・収束性・安定性・機種展開の容易性の
要求を全てに渡って高次元で満足させることができな
い。
【0009】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、アイドル回転速度制
御に要求される高応答性、収束性、安定性、機種展開の
容易性を全てに渡って高次元で満足させることができる
内燃機関のアイドル回転速度制御装置を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の内燃機関のアイドル回転速度制
御装置は、アイドル運転時に、回転速度検出手段により
実アイドル回転速度を検出し、中間目標アイドル回転速
度設定手段により、実アイドル回転速度と最終目標アイ
ドル回転速度とに基づいて中間目標アイドル回転速度を
設定し、フィードバック制御手段により、実アイドル回
転速度と中間目標アイドル回転速度とに基づいて吸入空
気量制御手段の制御量を補正するようにしたものであ
る。
【0011】このように、最終目標アイドル回転速度の
他に、中間目標アイドル回転速度を設定すれば、アイド
ル回転速度制御のむだ時間(遅れ要素)の変化やモデル
化誤差の影響を受けにくくなり、フィードバック制御の
安定性を維持しながら、高ゲイン化(高応答性)が可能
となり、フィードバック制御の高応答性と安定性とを両
立させることができると共に、収束性も高めることがで
きる。しかも、内燃機関の機種を展開する際に機種が変
わっても基本的な制御ロジックを変更する必要がないた
め、機種展開の容易性という要求も満たすことができ
る。更に、アイドル運転時の負荷急変時に該負荷急変を
事前に予測する手段を持たないシステム(例えばパワー
ステアリングの負荷投入を予測するパワーステアリング
負荷検出スイッチを持たないシステム)に本発明を適用
すれば、予測できない負荷急変が発生した場合でも、上
述した4つの要求を全てに渡って高次元で満足させるこ
とができる。その結果、アイドル運転中の負荷急変を事
前に予測する手段(例えばパワーステアリング負荷検出
スイッチ)を設ける必要がなくなり、その分、低コスト
化できるという利点もある。
【0012】この場合、請求項2のように、アイドル回
転速度を調整する吸入空気量制御手段は、内燃機関の吸
気通路に設けられた電子制御式のスロットルバルブ、又
は該スロットルバルブをバイパスするバイパス吸気通路
に設けられたアイドル回転速度制御バルブ(ISCバル
ブ)のいずれであっても良い。
【0013】また、請求項3のように、中間目標アイド
ル回転速度を設定する際に、中間目標アイドル回転速度
を前回演算時又は所定演算回数前の実アイドル回転速度
と最終目標アイドル回転速度との間に収まるように設定
するようにすると良い。このようにすれば、中間目標ア
イドル回転速度への追従性を向上することができる。
【0014】更に、請求項4のように、中間目標アイド
ル回転速度を前回演算時又は所定演算回数前の実アイド
ル回転速度と最終目標アイドル回転速度との偏差に1未
満の正の係数を乗算した値と、最終目標アイドル回転速
度とを加算して前記中間目標アイドル回転速度を求める
ようにしても良い。このようにすれば、前回演算時(又
は所定演算回数前)の実アイドル回転速度と最終目標ア
イドル回転速度との間に収まる中間目標アイドル回転速
度を簡単な演算処理で設定することができ、中間目標ア
イドル回転速度を求める演算処理を簡略化することがで
きる。
【0015】また、請求項5のように、吸入空気量制御
手段の制御補正量を算出する式には、中間目標アイドル
回転速度と実アイドル回転速度との偏差が大きくなるほ
ど、大きくなる項(例えば比例項)を含ませるようにし
ても良い。このようにすれば、むだ時間(遅れ要素)の
変化を吸入空気量制御手段の制御補正量に迅速に反映さ
せることができ、むだ時間の変化の変化に対するフィー
ドバック制御の応答性を更に向上することができる。
【0016】また、請求項6のように、吸入空気量制御
手段の制御補正量を算出する式には、中間目標アイドル
回転速度と実アイドル回転速度との偏差の積算値が大き
くなるほど、大きくなる項(例えば積分項)を含ませる
ようにしても良い。このようにすれば、制御系が安定し
ているときの実アイドル回転速度と中間目標アイドル回
転速度との定常偏差(オフセット量)が少なくなり、中
間目標アイドル回転速度への収束性を向上することがで
きる。
【0017】本発明は、実アイドル回転速度に対して中
間目標値を設定しても良いが、実アイドル回転速度と最
終目標アイドル回転速度との偏差に対して中間目標値を
設定しても良い。例えば、請求項7のように、実アイド
ル回転速度と最終目標アイドル回転速度との偏差の前回
値に基づいて、偏差の中間目標値を設定し、現在の実ア
イドル回転速度と最終目標アイドル回転速度との偏差と
中間目標値とに基づいて吸入空気量制御手段の制御補正
量を算出するようにしても良い。このように、実アイド
ル回転速度と最終目標アイドル回転速度との偏差に対し
て中間目標値を設定しても、実アイドル回転速度に対し
て中間目標値を設定した場合と同様の効果を得ることが
できる。
【0018】
【発明の実施の形態】[実施形態(1)]以下、本発明
の実施形態(1)を図1乃至図4に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略
構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管
12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、こ
のエアクリーナ13の下流側には、吸入空気量を検出す
るエアフロメータ14が設けられている。このエアフロ
メータ14の下流側には、DCモータ等のモータ31に
よって駆動されるスロットルバルブ15(吸入空気量制
御手段)が設けられ、このスロットルバルブ15の開度
(スロットル開度)がスロットル開度センサ16によっ
て検出される。エンジン運転中は、スロットル開度セン
サ16によって検出した実スロットル開度を、アクセル
操作量等に応じて設定された目標スロットル開度に一致
させるようにスロットルバルブ15の駆動モータ31の
制御量をフィードバック制御する。
【0019】また、スロットルバルブ15の下流側に
は、サージタンク17が設けられ、このサージタンク1
7に、吸気圧力を検出する吸気圧力センサ18が設けら
れている。また、サージタンク17には、エンジン11
の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が設け
られ、各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート近傍
に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り付け
られている。
【0020】一方、エンジン11の排気管21の途中に
は、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒22が設置さ
れている。この触媒22の上流側には、排出ガスの空燃
比(又は酸素濃度)を検出する空燃比センサ(又は酸素
センサ)23が設けられている。また、エンジン11の
シリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温セ
ンサ24や、エンジン回転速度を検出する回転速度セン
サ25(回転速度検出手段)が取り付けられている。
【0021】これら各種のセンサ出力は、エンジン制御
回路(以下「ECU」と表記する)30に入力される。
このECU30は、マイクロコンピュータを主体として
構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された
エンジン制御用の各プログラムを実行することで、燃料
噴射弁20の燃料噴射量(空燃比)を制御すると共に、
点火プラグ26の点火時期を制御する。更に、ECU3
0は、アイドル運転中に後述する図3のISC補正量算
出プログラムを実行することで、アイドル回転速度制御
(ISC)を実行し、回転速度センサ25で検出した実
アイドル回転速度を最終目標アイドル回転速度に一致さ
せるようにスロットル開度をフィードバック制御する。
【0022】次に、このアイドル回転速度制御の具体的
な内容を説明する。図2に示すように、アイドル回転速
度制御の制御対象は、アイドル運転時の吸入空気量を制
御するスロットルバルブ15、エンジン11、実アイド
ル回転速度NE(i) を検出する回転速度センサ25等か
らなる系である。この制御対象の入力は、基本ISC制
御量に各種の補正量を加算(又は各種の補正係数を乗
算)したISC制御量を、本実施形態のフィードバック
制御で算出したISC補正量NEcomp(i) で補正して求
めたISC制御量であり、基本ISC制御量は、エンジ
ン運転状態に応じてマップ又は数式により算出される。
また、制御対象の出力は、回転速度センサ25で検出し
た実アイドル回転速度NE(i) である。
【0023】本実施形態(1)のアイドル回転速度制御
の特徴は、現在の実アイドル回転速度NE(i) と最終目
標アイドル回転速度NEtg(i) との偏差(アイドル回
転速度偏差)ΔNE(i) を算出すると共に、このアイド
ル回転速度偏差の前回値ΔNE(i-1) に基づいて、アイ
ドル回転速度偏差の中間目標値ΔNEmidtg(i)を
算出し、アイドル回転速度偏差の今回値ΔNE(i) と中
間目標値ΔNEmidtg(i) とに基づいてISC補正
量NEcomp(i) を算出する。
【0024】このISC補正量NEcomp(i) の算出は、
図3のISC補正量算出プログラムによって所定時間毎
又は所定クランク角毎に実行される。本プログラムが起
動されると、まず、ステップ101で、アイドル回転速
度制御(ISC)の実行条件が成立しているか否かを、
例えばアクセルオフ且つ車両停止であるか否かによって
判定し、もし、このISC実行条件が成立していなけれ
ば、以降の処理を行うことなく、本プログラムを終了す
る。
【0025】これに対し、ステップ101で、ISC実
行条件が成立していると判定されれば、ステップ102
に進み、回転速度センサ25で検出した現在の実アイド
ル回転速度NE(i) を読み込み、次のステップ103
で、冷却水温やエアコン等の外部負荷に応じて設定した
最終目標アイドル回転速度NEtg(i) を読み込む。
【0026】この後、ステップ104に進み、現在のア
イドル回転速度NE(i) と最終目標アイドル回転速度N
Etg(i) との偏差(アイドル回転速度偏差)ΔNE
(i) を算出する。 ΔNE(i) =NE(i) −NEtg(i)
【0027】この後、ステップ105に進み、前回演算
時のアイドル回転速度偏差ΔNE(i-1) に減衰率Kdec
を乗算して、アイドル回転速度偏差の中間目標値ΔNE
midtg(i) を求める。 ΔNEmidtg(i) =Kdec ×ΔNE(i-1)
【0028】ここで、減衰率Kdec は、0<Kdec <1
の範囲内で設定され、演算処理の簡略化のために固定値
としても良いが、例えば、エンジン運転状態に応じてマ
ップ又は数式により設定するようにしても良い。これら
ステップ102〜105の処理が特許請求の範囲でいう
中間目標値設定手段としての役割を果たす。
【0029】この後、ステップ106に進み、中間目標
値ΔNEmidtg(i) とアイドル回転速度偏差ΔNE
(i) との偏差Eを算出する。 E=ΔNEmidtg(i) −ΔNE(i)
【0030】そして、次のステップ107で、偏差Eを
用いてISC補正量NEcomp(i) を次式により算出す
る。 NEcomp(i) =Kp ×E+f( NEtg(i) )
【0031】ここで、Kp は比例ゲインであり、f( N
Etg(i) )は、最終目標アイドル回転速度NEtg
(i) をパラメータとするマップ又は数式により算出され
る。これらステップ106、107の処理が特許請求の
範囲でいうフィードバック制御手段としての役割を果た
す。
【0032】この後、ステップ108に進み、今回のΔ
NE(i) を前回のΔNE(i-1) として記憶して本プログ
ラムを終了する。
【0033】エンジン運転中は、エンジン運転状態に応
じて基本ISC制御量をマップ又は数式により算出する
と共に、この基本ISC制御量に各種補正量を加算して
ISC制御量を求め、このISC制御量にISC補正量
NEcomp(i) を乗算して最終的なISC制御量を求め、
このISC制御量でスロットルバルブ15の駆動モータ
31を駆動して、実アイドル回転速度を最終目標アイド
ル回転速度NEtg(i) にフィードバック制御する。
【0034】図4は、パワーステアリングの負荷投入を
予測するパワーステアリング負荷検出スイッチを持たな
いシステムについて、本実施形態(1)のアイドル回転
速度制御を行った場合の一例を示している。パワーステ
アリング負荷検出スイッチを持たないシステムでは、パ
ワーステアリング負荷の急変を事前に予測できないた
め、従来のアイドル回転速度制御では、パワーステアリ
ング負荷が急変しても、ISC補正量が0のままであ
る。このため、従来のアイドル回転速度制御では、パワ
ーステアリング負荷が急変すると、実アイドル回転速度
が最終目標アイドル回転速度から大きく変動し、しか
も、実アイドル回転速度が最終目標アイドル回転速度に
戻るまでの時間が長くなる。
【0035】これに対し、本実施形態(1)のアイドル
回転速度制御では、パワーステアリング負荷が急変する
と、それに応じてISC補正量が発生し、このISC補
正量によってISC制御量が実アイドル回転速度の変動
を少なくする方向に補正される。このため、パワーステ
アリング負荷検出スイッチを持たないシステムでも、パ
ワーステアリング負荷が急変したときの実アイドル回転
速度の変動量が少なくなると共に、実アイドル回転速度
が最終目標アイドル回転速度に戻るまでの時間が短くな
り、アイドル回転速度制御に要求される高応答性、収束
性、安定性を確保できる。しかも、エンジン機種を展開
する際にエンジン機種が変わっても基本的な制御ロジッ
クを変更する必要がないため、機種展開の容易性という
要求も満たすことができる。更に、アイドル運転中の負
荷急変を事前に予測する手段(例えばパワーステアリン
グ負荷検出スイッチ)を設ける必要がなくなるため、そ
の分、低コスト化できるという利点もある。
【0036】[実施形態(2)]上記実施形態(1)で
は、現在の実アイドル回転速度NE(i) と最終目標アイ
ドル回転速度NEtg(i) との偏差の前回値ΔNE(i-
1) に対して中間目標値ΔNEmidtg(i) を設定
し、アイドル回転速度偏差の今回値ΔNE(i) と中間目
標値ΔNEmidtg(i) との偏差に基づいてISC補
正量NEcomp(i) を算出するようにしたが、図5乃至図
7に示す本発明の実施形態(2)では、現在の実アイド
ル回転速度NE(i) と最終目標アイドル回転速度NEt
g(i) とに基づいて中間目標アイドル回転速度NEmi
dtg(i) を設定し、実アイドル回転速度NE(i) と中
間目標アイドル回転速度NEmidtg(i) とに基づい
てISC補正量NEcomp(i) を算出するようにしてい
る。
【0037】このISC補正量NEcomp(i) の算出は、
図5のISC補正量算出プログラムによって所定時間毎
又は所定クランク角毎に実行される。本プログラムが起
動されると、まず、ステップ201で、アイドル回転速
度制御(ISC)の実行条件が成立しているか否かを、
例えばアクセルオフ且つ車両停止であるか否かによって
判定し、もし、このISC実行条件が成立していなけれ
ば、以降の処理を行うことなく、本プログラムを終了す
る。
【0038】これに対し、ステップ201で、ISC実
行条件が成立していると判定されれば、ステップ202
に進み、回転速度センサ25で検出した現在の実アイド
ル回転速度NE(i) を読み込み、次のステップ203
で、冷却水温やエアコン等の外部負荷に応じて設定した
最終目標アイドル回転速度NEtg(i) を読み込む。
【0039】この後、ステップ204に進み、前回演算
時の実アイドル回転速度NE(i-1)と最終目標アイドル
回転速度NEtg(i) とに基づいて中間目標アイドル回転
速度NEmidtg(i)を図6のマップを用いて算出する。こ
の図6のマップは、非線型単調増加関数によって表され
る。この非線型単調増加関数は、前回演算時の実アイド
ル回転速度NE(i-1) が最終目標アイドル回転速度NE
tg(i) よりも小さい領域では、中間目標アイドル回転速
度NEmidtg(i)が傾き1、接片0の直線よりも上方に位
置し、反対に、前回演算時の実アイドル回転速度NE(i
-1) が最終目標アイドル回転速度NEtg(i) よりも大き
い領域では、中間目標アイドル回転速度NEmidtg(i)が
傾き1、接片0の直線よりも下方に位置するように設定
されている。これにより、前回演算時の実アイドル回転
速度NE(i-1) と最終目標アイドル回転速度NEtg(i)
との間に中間目標アイドル回転速度NEmidtg(i)が設定
される。
【0040】尚、中間目標アイドル回転速度NEmidtg
(i)は、次式により算出するようにしても良い。 NEmidtg(i)=NEtg(i) +Kdec ×{NE(i-1) −N
Etg(i) }
【0041】上式において、Kdec は減衰率であり、0
<Kdec <1の範囲内で設定される。この減衰率Kdec
は、演算処理の簡略化のために固定値としても良いが、
例えば、エンジン運転状態(例えば吸入空気量、実アイ
ドル回転速度等)に応じてマップ又は数式により設定す
るようにしても良い。上記ステップ202〜204の処
理が特許請求の範囲でいう中間目標アイドル回転速度設
定手段としての役割を果たす。
【0042】中間目標アイドル回転速度NEmidtg(i)の
算出後、ステップ205に進み、中間目標アイドル回転
速度NEmidtg(i)と実アイドル回転速度NE(i) との偏
差ΔNE(i) を算出する。 ΔNE(i) =NEmidtg(i)−NE(i)
【0043】そして、次のステップ206で、前回まで
の偏差ΔNEの積算値ΣΔNE(i-1) に今回の偏差ΔN
E(i) を積算して、今回までの偏差ΔNEの積算値ΣΔ
NE(i) を求める。 ΣΔNE(i) =ΣΔNE(i-1) +ΔNE(i)
【0044】この後、ステップ207に進み、ISC補
正量NEcomp(i) を次式により算出する。 NEcomp(i) =Fsat (K1 ×ΔNE(i) +K2 ×ΣΔ
NE(i) )+f( NEtg(i) )
【0045】上式において、Fsat は図7に示すような
特性の飽和関数であり、ISC補正量NEcomp(i) は、
K1 ×ΔNE(i) +K2 ×Σ(ΔNE(i) )の演算値を
上限ガード値と下限ガード値でガード処理して求められ
る。
【0046】上式において、K1 は比例ゲイン、K2 は
積分ゲインである。従って、K1 ×ΔNE(i) は比例項
であり、中間目標アイドル回転速度NEmidtg(i)と実ア
イドル回転速度NE(i) との偏差ΔNE(i) が大きくな
るほど、大きくなる。また、K2 ×ΣΔNE(i) は積分
項であり、中間目標アイドル回転速度NEmidtg(i)と実
アイドル回転速度NE(i) との偏差ΔNE(i) の積算値
が大きくなるほど、大きくなる。また、f( NEtg(i)
)は、最終目標アイドル回転速度NEtg(i) をパラメ
ータとするマップ又は数式により算出される。これらス
テップ205〜207の処理が特許請求の範囲でいうフ
ィードバック制御手段としての役割を果たす。
【0047】ISC補正量NEcomp(i) の算出後、ステ
ップ208に進み、今回のΔNE(i) とΣΔNE(i) を
それぞれ前回のΔNE(i-1) とΣΔNE(i-1) として記
憶して本プログラムを終了する。
【0048】以上説明した本実施形態(2)によれば、
前回演算時の実アイドル回転速度NE(i-1) と最終目標
アイドル回転速度NEtg(i) とに基づいて中間目標アイ
ドル回転速度NEmidtg(i)を算出し、この中間目標アイ
ドル回転速度NEmidtg(i)と実アイドル回転速度NE
(i) との偏差ΔNE(i) に基づいてISC補正量NEco
mp(i) を算出するようにしたので、制御対象のむだ時間
(遅れ要素)の変化やモデル化誤差の影響を受けにくく
なり、アイドル回転速度制御の安定性を維持しながら、
高ゲイン化(高応答性)が可能となり、空燃比フィード
バック制御の高ゲイン化と安定性とを両立させることが
できると共に、収束性も高めることができる。
【0049】尚、本実施形態(2)では、中間目標アイ
ドル回転速度NEmidtg(i)を算出する際に前回演算時の
実アイドル回転速度NE(i-1) を用いたが、所定演算回
数前の実アイドル回転速度NE(i-n) を用いても良い。
【0050】また、各実施形態(1),(2)のアイド
ル回転速度制御システムは、アイドル運転時にスロット
ルバルブ15の開度を制御してアイドル運転時の吸入空
気量を調整してアイドル回転速度を制御するようにした
が、スロットルバルブ15をバイパスするバイパス通路
を流れる空気量を調整するアイドル回転速度制御バルブ
(ISCV)によってアイドル回転速度を制御するよう
にしても良い。
【0051】その他、スライディングモード制御を利用
したアイドル回転速度制御に本発明を応用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)を示すエンジン制御シ
ステム全体の概略構成図
【図2】実施形態(1)のアイドル回転速度制御システ
ムの機能を概略的に示すブロック図
【図3】実施形態(1)のISC補正量算出プログラム
の処理の流れを示すフローチャート
【図4】実施形態(1)のアイドル回転速度制御の挙動
を示すタイムチャート
【図5】実施形態(2)のISC補正量算出プログラム
の処理の流れを示すフローチャート
【図6】前回演算時の実アイドル回転速度NE(i-1) に
応じて中間目標アイドル回転速度NEmidtg(i)を設定す
るマップを概念的に示す図
【図7】ISC補正量NEcomp(i) を算出する飽和関数
を説明する図
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、14…エ
アフローメータ、15…スロットルバルブ(吸入空気量
制御手段)、16…スロットル開度センサ、20…燃料
噴射弁、21…排気管、22…触媒、25…回転速度セ
ンサ(回転速度検出手段)、30…ECU(中間目標ア
イドル回転速度設定手段,中間目標値設定手段,フィー
ドバック制御手段)、31…モータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G065 AA11 CA00 DA05 EA03 FA08 FA12 GA01 GA05 GA10 GA41 KA36 3G084 BA05 BA06 CA03 DA05 EA11 EB08 EB12 FA29 FA33 3G301 JA14 KA07 KA28 LA03 LA04 LB01 LC03 NA03 NA04 NA08 NB14 NB15 NC02 ND02 NE17 NE19 PA01Z PA07Z PA11Z PD03Z PE01A PE01Z PE08Z PF01Z PF13Z PF14Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のアイドル運転時の吸入空気量
    を制御する吸入空気量制御手段と、内燃機関の実アイド
    ル回転速度を検出する回転速度検出手段とを備え、アイ
    ドル運転時に前記回転速度検出手段で検出した実アイド
    ル回転速度を最終目標アイドル回転速度に一致させるよ
    うに前記吸入空気量制御手段をフィードバック制御する
    内燃機関のアイドル回転速度制御装置において、 アイドル運転時に前記回転速度検出手段で検出した実ア
    イドル回転速度と前記最終目標アイドル回転速度とに基
    づいて中間目標アイドル回転速度を設定する中間目標ア
    イドル回転速度設定手段と、 アイドル運転時に前記実アイドル回転速度と前記中間目
    標アイドル回転速度とに基づいて前記吸入空気量制御手
    段の制御量を補正するフィードバック制御手段とを備え
    ていることを特徴とする内燃機関のアイドル回転速度制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記吸入空気量制御手段は、内燃機関の
    吸気通路に設けられた電子制御式のスロットルバルブ、
    又は、該スロットルバルブをバイパスするバイパス吸気
    通路に設けられたアイドル回転速度制御バルブであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のアイドル回
    転速度制御装置。
  3. 【請求項3】 前記中間目標アイドル回転速度設定手段
    は、前記中間目標アイドル回転速度を前回演算時又は所
    定演算回数前の前記実アイドル回転速度と前記最終目標
    アイドル回転速度との間に収まるように設定することを
    特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のアイドル
    回転速度制御装置。
  4. 【請求項4】 前記中間目標アイドル回転速度設定手段
    は、前記中間目標アイドル回転速度を前回演算時又は所
    定演算回数前の前記実アイドル回転速度と前記最終目標
    アイドル回転速度との偏差に1未満の正の係数を乗算し
    た値と、最終目標アイドル回転速度とを加算して前記中
    間目標アイドル回転速度を求めることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関のアイドル回転
    速度制御装置。
  5. 【請求項5】 前記吸入空気量制御手段の制御補正量を
    算出する式には、前記中間目標アイドル回転速度と前記
    実アイドル回転速度との偏差が大きくなるほど、大きく
    なる項が含まれていることを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれかに記載の内燃機関のアイドル回転速度制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記吸入空気量制御手段の制御補正量を
    算出する式には、前記中間目標アイドル回転速度と前記
    実アイドル回転速度との偏差の積算値が大きくなるほ
    ど、大きくなる項が含まれていることを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれかに記載の内燃機関のアイドル回転
    速度制御装置。
  7. 【請求項7】 内燃機関のアイドル運転時の吸入空気量
    を制御する吸入空気量制御手段と、内燃機関の実アイド
    ル回転速度を検出する回転速度検出手段とを備え、アイ
    ドル運転時に前記回転速度検出手段で検出した実アイド
    ル回転速度を最終目標アイドル回転速度に一致させるよ
    うに前記吸入空気量制御手段をフィードバック制御する
    内燃機関のアイドル回転速度制御装置において、 アイドル運転時に前記回転速度検出手段で検出した実ア
    イドル回転速度と前記最終目標アイドル回転速度との偏
    差の前回値に基づいてその偏差の中間目標値を設定する
    中間目標値設定手段と、 アイドル運転時に前記実アイドル回転速度と前記最終目
    標アイドル回転速度との偏差と前記中間目標値とに基づ
    いて前記吸入空気量制御手段の制御量を補正するフィー
    ドバック制御手段とを備えていることを特徴とする内燃
    機関のアイドル回転速度制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007162479A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Toyota Motor Corp 内燃機関のバルブ特性制御装置
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JP6980067B1 (ja) * 2020-08-06 2021-12-15 三菱電機株式会社 アイドリング回転数制御装置

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