JP3826996B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス浄化用の触媒の上流側と下流側にそれぞれ空燃比センサ(リニアA/Fセンサ)又は酸素センサを設置して内燃機関の空燃比をフィードバック制御する内燃機関の空燃比制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日の自動車は、排気管に三元触媒を設置して排ガスを浄化するようにしているが、触媒の排ガス浄化率を高めるためには、排ガスの空燃比を触媒の浄化ウインド内(目標空燃比付近)に制御する必要がある。そこで、触媒の上流側と下流側にそれぞれ排ガスセンサ(空燃比センサ又は酸素センサ)を設置し、上流側排ガスセンサで検出される排ガスの空燃比が上流側目標空燃比となるように燃料噴射量をフィードバック制御すると共に、下流側排ガスセンサで検出される排ガスの空燃比が下流側目標空燃比となるように上流側目標空燃比を補正するサブフィードバック制御を実施するようにしたものがある。
【0003】
このようなメイン/サブフィードバックシステムでは、特許第2518247号公報に示すように、下流側排ガスセンサの検出空燃比と下流側目標空燃比との偏差が大きくなるほど、空燃比フィードバック制御定数(例えばスキップ量)の更新量を大きくすることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、触媒の動特性は、触媒の劣化度合、触媒内のリーン/リッチ成分吸着状態、エンジン運転状態によって変化するが、上記従来のメイン/サブフィードバックシステムでは、触媒の動特性の変化に対するサブフィードバック制御の応答性が十分とは言えない。このため、触媒の動特性の変化に対してサブフィードバック制御の応答遅れが発生して触媒下流側の空燃比(下流側排ガスセンサの出力)が不安定となり、ハンチングが発生する可能性がある。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、触媒の動特性の変化に対するサブフィードバック制御の応答性を向上でき、安定した空燃比制御を行うことができる内燃機関の空燃比制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の内燃機関の空燃比制御装置は、触媒の上流側と下流側にそれぞれ排ガスセンサを設け、上流側排ガスセンサの検出空燃比が上流側目標空燃比となるように燃料噴射量を空燃比フィードバック制御手段によりフィードバック制御すると共に、下流側排ガスセンサの検出空燃比が下流側目標空燃比となるように上流側目標空燃比をサブフィードバック制御手段により補正するシステムにおいて、下流側排ガスセンサの検出空燃比と現在制御されるべき最終的な下流側目標空燃比とに基づいて当該検出空燃比と最終的な下流側目標空燃比との間に位置する中間目標値を中間目標値設定手段により設定し、前記サブフィードバック制御手段は、下流側排ガスセンサの検出空燃比と前記中間目標値とに基づいて上流側目標空燃比の補正量を算出する。このようにすれば、触媒の動特性の変化に対するサブフィードバック制御の応答性が向上し、触媒下流側の空燃比(下流側排ガスセンサの出力)が安定して、触媒の動特性の変化によるハンチングが発生しなくなり、安定した空燃比制御を行うことが可能となる。
【0007】
この場合、請求項2のように、中間目標値は、前回演算時(又は所定演算回数前)の下流側排ガスセンサの検出空燃比と最終的な下流側目標空燃比との間に収まるように設定するようにすると良い。このようにすれば、触媒下流側の空燃比(下流側排ガスセンサの出力)の中間目標値への収束性が良くなる。
【0008】
また、請求項3のように、前回演算時(又は所定演算回数前)の下流側排ガスセンサの検出空燃比と最終的な下流側目標空燃比との偏差に1未満の正の係数を乗算した値と、最終的な下流側目標空燃比とを加算して中間目標値を求めるようにすると良い。このようにすれば、前回演算時(又は所定演算回数前)の下流側排ガスセンサの検出空燃比と最終的な下流側目標空燃比との間に収まる中間目標値を簡単な演算処理で設定することができ、中間目標値を求める演算処理を簡略化することができる。
【0009】
また、請求項4のように、上流側目標空燃比の補正量を算出する式には、中間目標値と下流側排ガスセンサの検出空燃比との偏差が大きくなるほど、大きくなる項(例えば比例項)を含ませるようにしても良い。このようにすれば、触媒の動特性の変化を上流側目標空燃比の補正量に迅速に反映させることができ、触媒の動特性の変化に対するサブフィードバック制御の応答性を更に向上することができる。
【0010】
また、請求項5のように、上流側目標空燃比の補正量を算出する式には、中間目標値と下流側排ガスセンサの検出空燃比との偏差の積算値が大きくなるほど、大きくなる項(例えば積分項)を含ませるようにしても良い。このようにすれば、制御系が安定しているときの触媒下流側の空燃比(下流側排ガスセンサの出力)と中間目標値との定常偏差(オフセット量)が少なくなり、触媒下流側の空燃比の中間目標値への収束性が良くなる。
【0011】
また、請求項6のように、上流側目標空燃比の補正量を算出する式には、下流側排ガスセンサの検出空燃比がリッチかリーンかによって切り換えられる項を含ませるようにしても良い。つまり、下流側排ガスセンサの出力がリーンからリッチに変化する応答性と、その反対方向に変化する応答性とが異なるため、下流側排ガスセンサの出力がリッチかリーンかによって切り換えれる項を持てば、リッチ/リーンによる応答性の相違を補償した高精度な空燃比制御を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側には、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、スロットルバルブ15が設けられている。
【0013】
更に、スロットルバルブ15の下流側にはサージタンク17が設けられ、このサージタンク17に、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド19が設けられている。各気筒の吸気マニホールド19の吸気ポート近傍には、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁20が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、気筒毎に点火プラグ21が取り付けられている。
【0014】
一方、エンジン11の排気管22の途中には、排ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する三元触媒等の触媒23が設置されている。この触媒23の上流側と下流側には、それぞれ排ガス空燃比又はリッチ/リーンを検出する排ガスセンサ24,25が設置されている。本実施形態では、上流側排ガスセンサ24は、排ガス空燃比に応じたリニアな空燃比信号を出力する空燃比センサ(リニアA/Fセンサ)が用いられ、下流側排ガスセンサ25は、排ガスの空燃比が理論空燃比に対してリッチかリーンかによって出力電圧が反転する酸素センサが用いられている。従って、下流側排ガスセンサ25は、空燃比がリーンの時には0.1V程度の出力電圧を発生し、空燃比がリッチの時には0.9V程度の出力電圧を発生する。尚、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する水温センサ26や、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ27が取り付けられている。
【0015】
エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)28は、ROM29、RAM30、CPU31、バッテリ32でバックアップされたバックアップRAM33、入力ポート34、出力ポート35等からなるマイクロコンピュータを主体として構成されている。入力ポート34には、回転速度センサ27の出力信号が入力されると共に、エアフローメータ14、上流側及び下流側排ガスセンサ24,25、水温センサ26の出力信号が、それぞれA/D変換器36を介して入力される。また、出力ポート35には、駆動回路39を介して燃料噴射弁20、点火プラグ21等が接続されている。
【0016】
ECU28は、ROM29に記憶された燃料噴射制御プログラムや点火制御プログラムをCPU31で実行することで、燃料噴射弁20や点火プラグ21の動作を制御すると共に、空燃比制御プログラムを実行することで、排ガスの空燃比が目標空燃比となるように空燃比(燃料噴射量)をフィードバック制御する。
【0017】
以下、本実施形態の空燃比フィードバック制御システムについて図2及び図3に基づいて説明する。ここで、図2はCPU31の演算処理機能で実現する空燃比制御手段40の機能を示すブロック図、図3は空燃比フィードバック制御システム全体の機能を示すブロック図である。
【0018】
空燃比制御手段40は、燃料噴射量フィードバック制御部41と目標空燃比計算部42とから構成され、更に、目標空燃比計算部42は、負荷目標空燃比計算部43と目標空燃比補正部44とから構成されている。
【0019】
燃料噴射量フィードバック制御部41は、上流側排ガスセンサ24の検出空燃比AFが上流側目標空燃比AFref に収束するように、燃料噴射弁20の燃料噴射時間Tinj を算出する。この燃料噴射時間Tinj の算出は、制御対象のモデルの線形方程式に対して構築された最適レギュレータにより行われる。この燃料噴射量フィードバック制御部41が、特許請求の範囲でいう空燃比フィードバック制御手段に相当する役割を果たす。
【0020】
一方、負荷目標空燃比計算部43は、ROM29に記憶された関数式又はマップにより吸入空気量(又は吸気管圧力)とエンジン回転速度に応じた負荷目標空燃比AFbaseを算出する。この負荷目標空燃比AFbaseを算出するための関数式又はマップは、下流側排ガスセンサ25の出力O2out(検出空燃比)が定常的にほぼ最終目標値O2targ (最終的な下流側目標空燃比)と等しいときに、上流側目標空燃比AFref を負荷目標空燃比AFbaseに維持すれば、下流側排ガスセンサ25の出力O2outが最終目標値O2targ 付近に維持されるように予め試験等によって設定されている。
【0021】
また、目標空燃比補正部44は、下流側排ガスセンサ25の出力O2outに基づいて、後述する中間目標値O2midtargを用いて上流側目標空燃比AFref の補正量AFcompを算出する。そして、この補正量AFcompを負荷目標空燃比AFbaseに加算することにより、上流側目標空燃比AFref を求め、この上流側目標空燃比AFref を燃料噴射量フィードバック制御部41に入力する。
AFref =AFbase+AFcomp
尚、上式に代えて、次式により上流側目標空燃比AFref を算出しても良い。
AFref =(1+AFcomp)×AFbase
【0022】
この場合、目標空燃比計算部42(負荷目標空燃比計算部43と目標空燃比補正部44)が、特許請求の範囲でいうサブフィードバック制御手段に相当する役割を果たす。
【0023】
次に、目標空燃比補正部44で中間目標値O2midtargを用いて上流側目標空燃比AFref の補正量AFcompを算出する方法を図3に基づいて説明する。
【0024】
制御対象を燃料噴射量フィードバック制御部41、燃料噴射弁20、エンジン11、触媒23、下流側排ガスセンサ25等からなる系とする。目標空燃比補正部44は、時間遅れ要素(1/z)45と中間目標値計算部46と補正量計算部47とから構成され、時間遅れ要素45は、前回演算時の下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i-1) を中間目標値計算部46に入力する。
【0025】
一方、中間目標値計算部46は、特許請求の範囲でいう中間目標値設定手段に相当する役割を果たし、前回演算時の下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i-1) と最終目標値O2targ(i)(最終的な下流側目標空燃比)とに基づいて中間目標値O2midtarg(i) を図4のマップ又は下記の(1)式を用いて計算する。これにより、前回演算時の下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i-1) と最終目標値O2targ(i)との間に中間目標値O2midtarg(i) が設定される。
【0026】
この中間目標値O2midtarg(i) を設定する図4のマップは、非線型単調増加関数によって表される。この非線型単調増加関数は、前回演算時の下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i-1) が最終目標値O2targ(i)よりも小さいとき、すなわちリーン時には、中間目標値O2midtarg(i) が傾き1、接片0の直線よりも上方に位置し、反対に、前回演算時の下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i-1) が最終目標値O2targ(i)よりも大きいとき、すなわち、リッチ時には、中間目標値O2midtarg(i) が傾き1、接片0の直線よりも下方に位置するように設定されている。この非線型単調増加関数のカーブ形状は、下流側排ガスセンサ25の静特性により決定しても良い。
【0027】
一方、中間目標値O2midtarg(i) を数式で演算する場合は、次の(1)式を用いれば良い。
O2midtarg(i) =O2targ(i)+Kdec ×{O2out(i-1) −O2targ(i)}……(1)
【0028】
上式において、O2targ(i)は今回の最終目標値、O2out(i-1) は前回演算時の下流側排ガスセンサ25の出力である。Kdec は1未満の正の係数(以下「減衰率」という)であり、0<Kdec <1の範囲内で設定される。この減衰率Kdec は、演算処理の簡略化のために固定値としても良いが、例えば、エンジン運転状態(例えば吸入空気量、エンジン回転速度等)に応じてマップ又は数式により設定するようにしても良い。
【0029】
また、下流側排ガスセンサ25(酸素センサ)の出力変化特性は、リーンからリッチに変化する応答性と、その反対方向に変化する応答性とが同一ではなく、前者の応答性が速く、後者の応答性が遅いという特性がある。この特性を考慮して、最終目標値O2targ(i)に対してリッチ時とリーン時とで減衰率Kdec を図5のマップ又は数式により算出するようにしても良い。このようにすれば、リッチ/リーンによる応答性の相違を補償した高精度な中間目標値O2midtarg(i) を求めることができる。
【0030】
尚、図5のマップは、現在の下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i) と最終目標値O2targ(i)との偏差の絶対値が小さくなるほど、減衰率Kdec が大きくなるように設定されることで、下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i) の最終目標値O2targ(i)への収束性を向上させるようになっているが、演算処理の簡略化のために、最終目標値O2targ(i)に対してリッチ時とリーン時とで減衰率Kdec を単純に2段階に切り換えるだけにしても良い。
【0031】
以上のようにして、中間目標値O2midtarg(i) を図4のマップ又は前記(1)式を用いて計算した後、この中間目標値O2midtarg(i) を用いて次式により上流側目標空燃比AFref の補正量AFcomp(i) を算出する。
【0032】
上式において、Fsat は図6に示すような特性の飽和関数であり、補正量AFcomp(i) は、K1 ×ΔO2(i)+K2 ×Σ(ΔO2(i))の演算値を上限ガード値と下限ガード値でガード処理して求められる。上式において、K1 は比例ゲイン、K2 は積分ゲインである。K1 ×ΔO2(i)は比例項であり、中間目標値O2midtarg(i) と下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i) との偏差ΔO2(i)が大きくなるほど、大きくなる。また、K2 ×ΣΔO2(i)は積分項であり、中間目標値O2midtarg(i) と下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i) との偏差ΔO2(i)の積算値が大きくなるほど、大きくなる。補正量AFcomp(i) は、比例項と積分項を加算して求めた値を上限ガード値と下限ガード値でガード処理して求められる。
【0033】
以上説明した目標空燃比補正部44による補正量AFcomp(i) の算出は、図7の補正量算出プログラムに従って行われる。本プログラムは、所定時間又は所定クランク角毎に実行される。本プログラムが起動されると、まずステップ101で、現在の下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i) を読み込み、次のステップ102で、前回演算時の下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i-1) と最終目標値O2targ(i)(最終的な下流側目標空燃比)とに基づいて中間目標値O2midtarg(i) を図4のマップ又は前記(1)式を用いて算出する。これにより、前回演算時の下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i-1) と最終目標値O2targ(i)との間に中間目標値O2midtarg(i) が設定される。
【0034】
この後、ステップ103に進み、中間目標値O2midtarg(i) と下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i) との偏差ΔO2(i)を算出する。
ΔO2(i)=O2midtarg(i) −O2out(i)
そして、次のステップ104で、前回までの偏差ΔO2 の積算値ΣΔO2(i-1)に今回の偏差ΔO2(i)を積算して、今回までの偏差ΔO2 の積算値ΣΔO2(i)を求める。
ΣΔO2(i)=ΣΔO2(i-1)+ΔO2(i)
【0035】
この後、ステップ105に進み、上流側目標空燃比AFref の補正量AFcomp(i) を次式により算出する。
AFcomp(i) =Fsat (K1 ×ΔO2(i)+K2 ×ΣΔO2(i))
これにより、上流側目標空燃比AFref の補正量AFcomp(i) は比例項(K1 ×ΔO2(i))と積分項(K2 ×ΣΔO2(i))を加算して求めた値を上限ガード値と下限ガード値でガード処理して求められる。
そして、次のステップ106で、今回のΔO2(i)とΣΔO2(i)をそれぞれ前回のΔO2(i-1)とΣΔO2(i-1)として記憶して本プログラムを終了する。
【0036】
エンジン運転中は、吸入空気量(又は吸気管圧力)とエンジン回転速度に応じた負荷目標空燃比AFbaseを算出し、上記図7の補正量算出プログラムで算出した補正量AFcompを負荷目標空燃比AFbaseに加算することで、上流側目標空燃比AFref を求め、上流側排ガスセンサ24の検出空燃比AFが上流側目標空燃比AFref に収束するように燃料噴射時間Tinj (燃料噴射量)を算出する。
【0037】
以上説明した実施形態によれば、前回演算時の下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i-1) と最終目標値O2targ(i)とに基づいて中間目標値O2midtarg(i) を算出し、下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i) と中間目標値O2midtarg(i) とに基づいて上流側目標空燃比AFの補正量AFcomp(i) を算出するようにしたので、触媒23の動特性の変化に対するサブフィードバック制御の応答性が向上し、触媒23下流側の空燃比(下流側排ガスセンサ25の出力)が安定して、触媒23の動特性の変化によるハンチングが発生しなくなり、安定した空燃比制御を行うことが可能となる。
【0038】
尚、下流側排ガスセンサ25は、酸素センサに代えて、空燃比センサ(リニアA/Fセンサ)を用いても良く、また、上流側排ガスセンサ24は、空燃比センサ(リニアA/Fセンサ)に代えて、酸素センサを用いても良い。
【0039】
また、上記実施形態では、中間目標値O2midtarg(i) を算出する際に前回演算時の下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i-1) を用いたが、所定演算回数前の下流側排ガスセンサ25の出力O2out(i-n) を用いても良い。
【0040】
その他、本発明は、中間目標値O2midtarg(i) の算出式や補正量AFcomp(i) の算出式を適宜変更しても良い等、種々変更して実施できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すエンジン制御システム全体の概略構成図
【図2】ECUのCPUの演算処理機能で実現する空燃比制御手段の機能を示すブロック図
【図3】空燃比フィードバック制御システム全体の機能を示す機能ブロック図
【図4】前回演算時の下流側排ガスセンサの出力O2out(i-1) に応じて中間目標値O2midtarg(i) を設定するマップを概念的に示す図
【図5】現在の下流側排ガスセンサの出力O2out(i) と最終目標値O2targ(i)との偏差に応じて減衰率を設定するマップを概念的に示す図
【図6】補正量AFcomp(i) を算出する飽和関数を説明する図
【図7】補正量算出プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、20…燃料噴射弁、22…排気管、23…触媒、24…上流側排ガスセンサ、25…下流側排ガスセンサ、28…ECU(空燃比フィードバック制御手段,サブフィードバック制御手段,中間目標値設定手段)、31…CPU、40…空燃比制御手段、41…燃料噴射量フィードバック制御部(空燃比フィードバック制御手段)、42…目標空燃比計算部(サブフィードバック制御手段)、43…負荷目標空燃比計算部、44…目標空燃比補正部、45…時間遅れ要素(1/z)、46…中間目標値計算部(中間目標値設定手段)、47…補正量計算部。
Claims (6)
- 内燃機関の排ガスを浄化する触媒と、
前記触媒の上流側と下流側でそれぞれ排ガスの空燃比又はリッチ/リーンを検出する上流側排ガスセンサ及び下流側排ガスセンサと、
前記上流側排ガスセンサの検出空燃比が上流側目標空燃比となるように燃料噴射量をフィードバック制御する空燃比フィードバック制御手段と、
前記下流側排ガスセンサの検出空燃比が下流側目標空燃比となるように前記上流側目標空燃比を補正するサブフィードバック制御を行うサブフィードバック制御手段と
を備えた内燃機関の空燃比制御装置において、
前記下流側排ガスセンサの検出空燃比と現在制御されるべき最終的な下流側目標空燃比とに基づいて当該検出空燃比と最終的な下流側目標空燃比との間に位置する中間目標値を設定する中間目標値設定手段を備え、
前記サブフィードバック制御手段は、前記下流側排ガスセンサの検出空燃比と前記中間目標値とに基づいて前記上流側目標空燃比の補正量を算出することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 前記中間目標値設定手段は、前記中間目標値を前回演算時又は所定演算回数前の前記下流側排ガスセンサの検出空燃比と前記最終的な下流側目標空燃比との間に収まるように設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記中間目標値設定手段は、前回演算時又は所定演算回数前の前記下流側排ガスセンサの検出空燃比と前記最終的な下流側目標空燃比との偏差に1未満の正の係数を乗算した値と、最終的な下流側目標空燃比とを加算して前記中間目標値を求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記上流側目標空燃比の補正量を算出する式には、前記中間目標値と前記下流側排ガスセンサの検出空燃比との偏差が大きくなるほど、大きくなる項が含まれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記上流側目標空燃比の補正量を算出する式には、前記中間目標値と前記下流側排ガスセンサの検出空燃比との偏差の積算値が大きくなるほど、大きくなる項が含まれていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
- 前記上流側目標空燃比の補正量を算出する式には、前記下流側排ガスセンサの検出空燃比がリッチかリーンかによって切り換えられる項が含まれていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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