JPH1193083A - スェード調人工皮革の製造方法 - Google Patents

スェード調人工皮革の製造方法

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JPH1193083A
JPH1193083A JP25062897A JP25062897A JPH1193083A JP H1193083 A JPH1193083 A JP H1193083A JP 25062897 A JP25062897 A JP 25062897A JP 25062897 A JP25062897 A JP 25062897A JP H1193083 A JPH1193083 A JP H1193083A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソフトでチョークマーク性の良いスエード調
人工皮革の製造方法を提供することである。 【解決手段】 極細繊維とポリウレタンからなるスエー
ド調人工皮革の製造方法において、繊維質シート基材
に、皮膜形成性のないフッ素系撥水剤及び/または柔軟
剤を基材に対して0.1〜10%含浸させ、乾燥させた
後、基材の巾方向に基材巾の0.5%以上拡布伸長させ
ながら、基材の上下から叩解することを特徴とするスェ
ード調人工皮革の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスェード調人工皮革
の製造方法に関する。特に0.3de以下のポリアミド
及び/またはポリエステル極細繊維とポリウレタンから
なるスェード調人工皮革を揉み加工して、表面の繊維ま
たは繊維束同士の膠着を解除すると同時に、基材層に柔
軟性を付与して、ソフトでチョークマーク性の良いスェ
ード調人工皮革を製造しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】繊維にポリウレタンを付与した複合材料
は、特に人工皮革として、極めて多岐な分野に使用さ
れ、好評を博している。例えば、スポーツシューズ、鞄
袋物、衣料分野などに銀付人工皮革、スェード調人工皮
革として近年需要は益々増大している。その中で0.3
de以下の極細繊維使いのスェード調人工皮革は強度
面、柔軟性、しなやかさまたチョークマーク性の点で特
に優れているため、開発が盛んに行われている。特に柔
軟性とチョークマーク性に対する要求は高い。
【0003】柔軟性については基材の構造面からソフト
化を達成しようとするものが提案されている。例えば特
公昭51―32681号公報では、溶解性の異なる2種
の高分子物質を混合紡糸して得た繊維を用いて不織布を
作り、その不織布にポリビニルアルコールを付与し、次
に両末端に水酸基を持つ平均分子量1200〜2500
のポリマーグリコール、P,P′―ジフェニルメタンジ
イソシアネート及び鎖伸長剤としてのジオール化合物よ
り得られた窒素含有率3.0〜4.0%のポリウレタン
エラストマーの溶液を含浸させ、凝固した後ポリビニル
アルコールを除去し、さらに混合紡糸繊維中の少くとも
一つの高分子物質を抽出除去することを特徴とする柔軟
なシート状物の製造方法が提示されている。この方法は
確かに極細繊維とポリウレタンの間に空間を生じさせる
ことができるので、有効な方法であり、靴、鞄などの用
途であれば十分満足するものである。しかし衣料や衣料
付属等の超ソフト性を要求する分野には、揉み加工が避
けられなかった。
【0004】また、特開昭60―126384号公報で
は繊維状物と高分子弾性体を主体とするシート状物を柔
軟化する方法として、繊維状物に化学結合可能な薬剤を
付与し反応させることによって、柔軟性の高いシート状
物を得ることができることが示されている。しかしこの
方法では薬剤によって繊維状物が溶解してしまう欠点が
あり、また柔軟性もそれほど優れるものではない。その
ため処理後の揉み加工は必要である。このように基材構
造面での検討では限界があった。
【0005】一方、揉み加工で柔軟化する方法が種々提
案されている。例えばタンブラー方式や、空気流搬送に
よって無緊張状態で揉む方式、が提案されている。特公
平6―37752号公報では、スェード調シートを水中
あるいは染料水溶液中で処理し、乾燥後シートの構成材
料を溶解しない有機液体中、揉布機構を有する処理装置
で処理し、処理液を除去後、揉布作用を与えながら乾燥
する方法が提案されている。この揉布作用を与える方法
として実施例ではいわゆるタンブラー方式が提案されて
いる。
【0006】この方法でかなりの程度まで柔軟化できる
が、この方法はそれ以前の加工工程で生じた緊張状態を
緩和し、基材をむしろ収縮させながら揉み加工をするも
のであり、歩留り的にも低下し、シワの発生は避けられ
ない。
【0007】また両端を把持して揉み加工するいわゆる
ヤマサ揉み方式も、柔軟化するには適しているが、処理
速度が遅い、表面にシワが残るという欠点がある。また
基材の表面をステークで叩く方式も天然皮革等で行われ
ている。この方式は揉みの力が弱いため、人工皮革に処
理した場合、処理後徐々に硬くなってくるという欠点が
あった。またチョークマーク性を付与、向上する方法と
して、揉み加工を施した後スェード面をブラシ掛けする
方法が一般に行われている。しかし0.3de以下の極
細繊維である場合、特に染色後では繊維が膠着、絡まり
が生じ、ブラシ掛けが何回も必要となるとか、ブラシ掛
けのみでは商品価値のあるものが得られず、さらに再研
磨してチョークマーク性を向上させたりしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、こうし
た点に鑑み、0.3de以下のポリアミド及び/または
ポリエステルとポリウレタンからなる少くとも片面に極
細繊維の立毛を有する繊維基材シートを簡単な加工方法
で柔軟でしなやかな、チョークマーク性の優れたスェー
ド調人工皮革する方法を鋭意検討した。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、0.3de以
下のポリアミド及び/またはポリエステルとポリウレタ
ンからなる繊維基材シートを揉み加工する前に、皮膜形
成性のないフッ素系撥水剤及び/または柔軟剤を基材に
対して0.1〜10%含浸させ、乾燥させた後、基材の
巾方向に基材巾の0.5%以上拡布伸長させながら、基
材の上下から叩解することによって、従来にない柔軟で
しなやかでシワなどのない、チョークマーク性の優れた
スェード調人工皮革とすることができることを見いだし
た。以下本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明で使用できる繊維として、ポリアミ
ドでは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、
ナイロン12等を用いることができる。好ましくはナイ
ロン6である。ポリエステルとしてはポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートなどを用いる
ことができる。
【0011】こうした繊維を0.3de以下の極細繊維
とする方法として、ポリアミド及び/またはポリエステ
ルを紡糸、延伸、捲縮をかけてスーパードロー方式で
0.3deとする方法や、ポリアミド及び/またはポリ
エステルと溶剤溶解性の異なる、例えばポリオレフィン
のような繊維形成性高分子と海島繊維とした後、ポリア
ミド及び/またはポリエステル以外の成分を溶剤で抽出
して0.3de以下の繊維束とする方法がある。またポ
リアミドとポリエステルを貼り合わせタイプの複合繊維
とし不織布化後、表面から高圧水流によって0.3de
以下に分解して極細化する方法などがある。
【0012】繊維の細さとして、0.3de以上では、
本発明で提案する。皮膜形成性の無い撥水剤及び/また
は柔軟剤を処理した基材に巾方向への0/5%以上の拡
布伸長しながら上下から叩解することでの柔軟性向上や
チョークマーク性向上は少ない。0.3de以下の極細
繊維である柔軟性向上チョークマーク性向上は少ない。
0.3de以下の極細繊維であるほど本発明の効果は大
きい。好ましくは0.1〜0.001deの極細繊維で
ある。0.001de以下ではスェードの場合表面の繊
維が脱落し、堅牢度が悪くなる。
【0013】通常これらの繊維はポリウレタンを含浸、
あるいは2成分系繊維の場合は、1成分を抽出する前に
不織布とする。不織布とする方法としては、原綿をカー
ド、ランダムウェーバー、クロスレーヤー等によりウェ
ブ化し、800〜3000本/cm2のニードルパンチ
を施して不織布としたり、ウェブ化した後、ニードルパ
ンチの代わりに高圧水流で表面繊維を分割するとともに
絡合させる方法等さまざま方法がある。これらすべて本
発明の方法が用いられる。
【0014】不織布に含浸させるポリウレタンは、平均
分子量500〜2500のポリエステルジオール、ポリ
エーテルジオール、ポリエステルエーテルジオール、ポ
リラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、の群
から選ばれた少なくとも1種類のポリマージオールと芳
香環を含むジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート
などの群から選ばれた少なくとも1種類の有機ジイソシ
アネートと活性水素原子を2個有する化合物を鎖伸長剤
として反応させて得たポリウレタンである。100%M
dが40〜150kg/cm2 のものが使用できる。好
ましくは60〜100kg/cm2である。40kg/
cm2以下では柔らかいものとなる耐溶剤性が低下し、
150kg/cm2以上では揉みの効果が低下する。
【0015】不織布に対するポリウレタンの割合は重要
で、特に繊維質層のポリウレタン(PU)と繊維(F)
の比率を一定範囲であることが必要である。
【0016】PU/F×100=30〜65の範囲が適
切である。30以下では繊維の比率が大でバインダーと
してのポリウレタンが少ないため、腰がなくなったり、
揉み加工で物性が低下してしまう。逆に65より大とな
るポリウレタンの比率が大で揉み加工してもゴム弾性が
強く、柔らかさは得られない。好ましくは45〜55の
範囲である。
【0017】スェードとする場合は不織布の表面の樹脂
を除去するため厚さの70〜80%で絞ることができ
る。
【0018】次にポリウレタンを繊維質中で凝固させ
る。凝固方法としては湿式凝固法がソフト性を付与する
面で好ましい。しかし近年水系ウレタンの品質が向上し
ており、マイグレーションを防止する処方により水系ウ
レタンを含浸し、乾燥によって風合の良い凝固構造とす
ることもできる。
【0019】こうして不織布とポリウレタンの複合され
た繊維質シートができあがるが、必要に応じて、繊維の
極細化処理を行うことができる。使用する繊維の種類に
よって溶剤は異なるが、残存繊維成分とポリウレタンは
溶解しない溶剤組成で行う。
【0020】スェード調とする場合は、さらに凝固面に
ポリウレタンを溶解する液体を塗布した後、表面を研磨
することができる。ポリウレタンの溶剤としては、ジメ
チルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジエチルア
セワトアミド、ジメチルスルホキサイド、テトラヒドロ
フラン等の溶剤を、またはこれらに水、アルコール、メ
チルエチルケトン等を混合したものも用いることができ
る。塗布する方法としては、グラビアコーター、スプレ
ー等が使用できる。通常グラビアロールで基材をニップ
しながら行うことが望ましい。
【0021】研磨としては、短い立毛を望む場合はメッ
シュの細かいサンドペーパー、長い立毛を望む場合はメ
ッシュの粗いサンドペーパーを適宜選択して、組み合わ
せる。通常150〜800メッシュのものを使用して1
〜3回研磨する。
【0022】これらの基材は必要に応じて、染色するこ
とができる。繊維としてポリアミドを使用する場合、含
金染料を主体に、酸性染料を併用して80℃以上で染色
することができる。
【0023】ポリエステルの場合は、分散染料を用い
て、高圧染色することができる。染色方法としては、サ
ーキュラー、ジッガー、ウインズ、パッドジッグ法など
様々な方法があるが適宜用途、ロッドサイズにより方法
を選択する。表面の染色の均一性、安定性としてはサー
キュラーが好ましい。
【0024】こうして得た繊維質シートを本発明の方法
によって加工する。すなわち、0.3de以下のポリア
ミド及び/またはポリエステル極細繊維とポリウレタン
からなる繊維質シート基材に、皮膜形成性のないフッ素
系撥水剤及び/または柔軟剤を基材に対して、それぞれ
0.1〜10%含浸させ、乾燥させた後、基材の巾方向
に基材巾の0.5%以上拡布伸長させながら、基材の上
下から叩解する方法である。
【0025】ここで皮膜形成性の無いフッ素系撥水剤及
び/または柔軟剤をそれぞれ0.1〜10%付与してお
くことが必要である。
【0026】皮膜形成性の無いとは、100℃で乾燥後
の固形分が、液状であるか、あるいは手で簡単に粉末状
にできるような隗状であるものをさす。フッ素系撥水剤
としてはパーフロロアクリレートのようなフッ素撥水剤
(旭硝子、大日本インキ、住友3M等の撥水剤)がある
が、これらを入手し、乾燥すれば簡単に判断できる。柔
軟剤としては、一般の柔軟剤であればどれでも良いが、
例えばアミン塩型柔軟剤、第4級アンモニウム塩型柔軟
剤、シリコーン系柔軟剤、ラノリン系柔軟剤、リン酸エ
ステル系柔軟剤等があるが、皮膜形成性がないことが必
要である。また巾方向の拡布率としては、基材巾の0.
5%以上が必要で、これより少ないと、柔軟性、チョー
クマーク性とも満足のいくものは得られない。
【0027】以上の本発明の方法で揉み加工を行うな
ら、スェート調シートは、繊維質層が適度に揉みこなさ
れ非常に柔軟性がアップするのみならず、立毛繊維が表
面から叩解の衝撃によってバラケることによりチョーク
マーク性が一気に向上する。
【0028】このような効果を与えるものとして、例え
ばCARTIGLIANOの社製のストレッチングマシ
ンを使用して達成することができる。
【0029】さらにブラシ掛けするなら、乱れが整えら
れ優美なスェード調表面が得られる。何故に本発明の方
法が効果があるかについて、推定してみるとまず柔軟性
皮膜形成性のない撥水剤及び/または柔軟剤が含浸され
た繊維質シートは、叩解と同時に巾方向に伸長されるた
め、繊維/繊維、繊維/ポリウレタンの界面が引き伸ば
され、接着点が外れるとともに上記撥水剤及び/または
柔軟剤が接着点を覆うため柔軟性が向上するものと考え
られる。また0.3de以下の極細繊維であるため、少
ない力で接着点が外れやすく、そのため通常繊維では得
られない効果が出ていると推定できる。特に巾方向に力
を加えることによって、繊維/繊維、繊維/ポリウレタ
ンの接着点が切れて柔軟化する効果が大きいと考えられ
ている。タンブラー方式や空気流搬送による揉み加工で
は、この巾方向への伸長力が働かないため、柔軟性は限
度がある。
【0030】またチョークマーク性については0.3d
e以下の極細繊維は繊維のモジュラスが大幅に低いた
め、特に染色後では立毛繊維が表面に伏せられた状態に
なっていたり、あるいはあたかも使用後の筆の先のよう
に、膠着する傾向がある。このような状態のものに巾方
向に0.5%以上拡布伸長しながら、表面から叩解作用
を及ぼすなら、簡単に毛羽だてたり、バラケさせること
ができる。特に皮膜形成性の無いフッ素系撥水剤や柔軟
剤を処理しておくことによって、毛羽間の摩擦係数が低
下するのでチョークマーク性が向上すると考えられる。
【0031】以上のように、本発明の方法によって加工
を行うなら柔軟性とチョークマーク性の優れたスェード
調人工皮革が得られるのである。
【0032】本発明の方法は、現在までスェード調人工
皮革では行われていない方法であり、全く予想できない
ものであり、新規な着想にもとずいて行われたものであ
る。
【0033】
【実施例】次に具体的に実施例によって説明するが、こ
れら限定されるものではない。ここで使用する%は基材
重量に対するものである。
【0034】[実施例1]ナイロン6と低密度ポリエチ
レンのチップを50:50の比率で熔融混合紡糸し、延
伸、捲縮、カットし、7.5de×51mmの原綿を作
った。カード及びクロスレイヤーで積層し、3バーブの
ニードル針で1400本/cm2 の針密度でニードルパ
ンチして、目付570g/m2、厚さ2.5mmの不織
布を作成した。この不織布を150℃の乾燥機で加熱
し、90℃の金属ロールで冷却ニップし固定化した。こ
のものの目付は565g/m2、厚さ1.75mmであ
った。
【0035】次に100%Md=110kg/cmのポ
リウレタン15%濃度に凝固調整剤を添加したポリウレ
タンDMF溶液を920g/cm2 含浸し、表面を基材
厚さの75%でしごいて、ポリウレタン樹脂を除去した
後、10%DMF濃度の水バスで凝固し、140℃で乾
燥した。この後80℃のトルエンでディプ、ニップを繰
り返し、ポリエチレンを抽出した。目付は440g/c
2 であった。このもののPU/F×100=48であ
った。
【0036】この基材の両面にDMFを200メッシュ
で1ロール塗布し、乾燥後両面を320メッシュのサン
ドペーパーで研磨し、さらに180メッシュのサンドペ
ーパーで逆方向から研磨し、表面に緻密な極細ナイロン
繊維が立毛したスェード調基材を作成した。
【0037】この基材を厚さの半分にスライスし、スラ
イス面にDMF/MEK=70/30の溶剤を200メ
ッシュのビラビアロールで1ロール塗布した。
【0038】このものを、含金染料でベージュ色に染色
した。しかし骨張っておりペーパーライクで、チョーク
マーク性はほとんど無かった。さらにこのものにフッ素
系撥水剤として、ディックガードF―90C(大日本イ
ンキ株製)とシリコーン系柔軟剤として、シルコートF
ZS(松本油脂製薬株製)をそれぞれ基材に対して0.
35%、0.9%となるように付着させ乾燥した。この
基材をCARTIGLIANO社製ストレッチングマシ
ンにかけ、拡布伸長とともに、表面から叩解し、次のよ
うになるように条件をセットした。 加工処理前の巾=138cm 処理後の巾=140cm 拡布率=1.4% このものにブラシ掛けしたところ、柔軟性が良く、チョ
ークマーク性も非常に良いものとなった。
【0039】[比較例1]染色〜撥水剤、柔軟剤処理、
乾燥までは実施例1と同様の方法で行い、ストレッチマ
シンをとうさず、ブラシ掛けした。このものは骨張りが
残り、チョークマーク性もほとんど発生しないものであ
った。
【0040】[比較例2]ナイロン6と低密度ポリエチ
レンのチップを50:50の比率で熔融混合紡糸し、延
伸、捲縮、カットし、8de×51mmの原綿を作っ
た。カード及びクロスレイヤーで積層し、3バーブのニ
ードル針で1400本/cm2 の針密度でニードルパン
チして、目付650g/m2 、厚さ3.5mmの不織布
を作成した。この不織布を150℃の乾燥機で加熱し、
90℃の金属ロールで冷却ニップし固定化した。このも
のの目付は653g/m2、厚さ1.60mmであっ
た。
【0041】次に100%Md=270kg/cmのポ
リウレタン15%濃度に凝固調整剤を添加したポリウレ
タンDMF溶液を1050g/cm2含浸し、表面を基
材厚さの75%でしごいて、ポリウレタン樹脂を除去し
た後、10%DMF濃度の水バスで凝固し、140℃で
乾燥した。この後80℃のトルエンでディプ、ニップを
繰り返し、ポリエチレンを抽出した。目付は480g/
cm2であった。このもののPU/F×100=48で
あった。
【0042】この基材の両面にDMFを200メッシュ
で2ロール塗布し、乾燥後両面を600メッシュのサン
ドペーパーで研磨し、さらに1000メッシュのサンド
ペーパーで逆方向から研磨し、表面に緻密な極細ナイロ
ン繊維が立毛したスェード調基材を作成した。
【0043】このものを、含金染料でブラウン色に染色
した。さらにこのものにフッ素系撥水剤として、ディッ
クガードF―90C(大日本インキ株製)と柔軟剤とし
て、シルコートFZS(松本油脂製薬株製)をそれぞれ
基材に対して0.3%、1.0%となるようにディッ
プ、ニップして付着させ乾燥した。
【0044】この基材をストレッチングマシンにかけ、
拡布伸長とともに、表面から叩解し、実施例1と同一の
条件で加工した。そのものの加工結果は次のとうりであ
った。 加工処理前の巾=140cm 処理後の巾=140.5cm 拡布率=0.35% このものにブラシ掛けしたところ、柔軟性が少なく、チ
ョークマーク性も良くないものであった。
【0045】[比較例3]実施例1と同様な方法で、目
付560g/m2、厚さ1.90mmの不織布を作成し
た。次に100%Md=110kg/cmのポリウレタ
ン15%濃度に白トーナー、シリコーン系の凝固調整剤
を添加したポリウレタンDMF溶液を1060g/cm
2含浸し、表面を基材厚さの70%でしごいて、ポリウ
レタン樹脂を除去した後、10%DMF濃度の水バスで
凝固し、140℃で乾燥した。この後80℃のトルエン
でディプ、ニップを繰り返し、ポリエチレンを抽出し
た。目付は445g/cm2であった。この基材の表面
にDMFを200メッシュで2ロール塗布し、乾燥後3
20メッシュのサンドペーパーで研磨し、さらに400
メッシュのサンドペーパーで逆方向から研磨し、表面に
緻密な極細ナイロン繊維が立毛したスェード調基材を作
成した。このものに皮膜形成性の有る、テフロンZON
YL7040/ベッカミンAMP/キャタリスト376
の水分散液を調整し、ディプ、ニップで70%〜80%
付着率になるように含浸した。テフロンZONYL70
40の固着量は1.6%であった。このものを150℃
の乾燥機で4分乾燥した。このものは表面が膠着し、ス
ェード感のないものであった。このものを実施例1と同
様な条件で揉み加工を行ったが、柔軟性は無く、チョー
クマーク性もほとんど回復しなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明の方法で加工処理を行うなら、
0.3de以下のポリアミド及び/またはポリエステル
繊維とポリウレタンからなる極細繊維立毛シートは、表
面の極細繊維の膠着が解除されるだけでなく、柔軟性が
大幅に向上し、超ソフトで、チョークマーク性の良いス
ェード超人工皮革とすることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.3de以下のポリアミド及び/また
    はポリエステル極細繊維とポリウレタンからなる少なく
    とも片面に立毛を有する繊維質シート基材を揉み加工し
    て柔軟でチョークマーク性のよいスェード調人工皮革を
    製造する方法において、揉み加工する前の立毛を有する
    繊維質シート基材に、皮膜形成性のないフッ素系撥水剤
    及び/または柔軟剤を基材に対して0.1〜10%含浸
    させ、乾燥させた後、基材の巾方向に基材巾の0.5%
    以上拡布伸長させながら、基材の上下から叩解すること
    を特徴とするスェード調人工皮革の製造方法。
  2. 【請求項2】 揉み加工する前の基材のポリウレタン
    (以下「PU」という。)と繊維(以下「F」とい
    う。)の重量比率(以下PU/F×100とする。)が
    30〜65であることを特徴とする請求項1記載のスェ
    ード調人工皮革の製造方法。
  3. 【請求項3】 揉み加工する前の基材に含浸されている
    ポリウレタンの100%伸長モジュラス(以下「Md」
    という。)が40〜150kg/cm2であることを特
    徴とする請求項1〜2記載のスェード調人工皮革の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 揉み加工前の基材が、染色基材であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3記載のスェード調人工皮革
    の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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