JPH1192730A - ゴムとポリエステル繊維の接着剤用共重合体ラテックス - Google Patents

ゴムとポリエステル繊維の接着剤用共重合体ラテックス

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JPH1192730A
JPH1192730A JP27809397A JP27809397A JPH1192730A JP H1192730 A JPH1192730 A JP H1192730A JP 27809397 A JP27809397 A JP 27809397A JP 27809397 A JP27809397 A JP 27809397A JP H1192730 A JPH1192730 A JP H1192730A
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彰 上村
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利恭 西岡
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 1,3−ブタジエン40〜75重量%、
2−ビニルピジン5〜20重量%およびスチレン5〜5
5重量%を乳化重合して得られる共重合体ラテックスで
あって、ゲル含有量が40重量%以下であり、かつ、ゾ
ル部分の重量平均分子量が7万以上の共重合体ラテック
スをゴムとポリエステル繊維の接着剤に用いる。 【効果】 高温加硫後のコード強力の低下が少なく、ゴ
ムとポリエステル繊維との良好な接着力が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴムとポリエステ
ル繊維との接着剤用共重合体ラテックスに関するもので
ある。さらに詳しくは、タイヤ、ベルト、ホース等のゴ
ム製品に含まれるポリエステル繊維とゴムとの接着に適
した、改良された接着剤用共重合体ラテックスに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維はナイロン繊維と比較
して伸びが少なく寸法安定性に優れているため、ラジア
ルタイヤのカーカス用コード等の用途を中心にゴム補強
用繊維として広く用いられている。
【0003】しかしながら、ゴム補強用のポリエステル
繊維はナイロン繊維やレーヨン繊維に比べゴムとの接着
に不活性であるため、通常加硫後の繊維/ゴム間の接着
力(初期接着力)が低いという問題がある。このため、
ブタジエン−スチレン−ビニルピリジン共重合体ラテッ
クス単独またはそれとブタジエン−スチレン−共重合体
ラテックスとの混合物、およびレゾルシン−ホルマリン
樹脂(RFレジン)からなる接着剤組成物(RFL)を
用いて接着処理するだけでは、実用的な接着力が得られ
ず、あらかじめポリエステル繊維をエポキシ樹脂やイソ
シアネート化合物で前処理した後RFL処理したり、R
FLにP−クロロフェノール、ホルムアルデヒド、レゾ
ルシノールの縮合物のアンモニア溶液(ナガセ化成工業
社製:デナボンド)等の接着助剤を添加した接着処理液
を用いる等して実用に供されている。
【0004】また、ポリエステル繊維は耐熱性が劣るた
め、高温加硫後や高温履歴後の繊維/ゴム間の接着力
(耐熱接着力)および繊維強度(コード強力)の低下が
激しいという問題がある。
【0005】このため、RFLに使用するラテックスに
ついても改良がなされており、例えば、特公平7−58
71号公報では、特定の共重合体ラテックスをRFLに
使用することが提案されている。
【0006】
【本発明が解決使用とする課題】しかしながら、近年の
タイヤの高性能化に対応するためや、或いは、タイヤの
生産性向上を目的とした高温加硫など、ますます耐熱接
着力に対する品質要求は厳しくなっており、さらなる改
良が望まれている。即ち、高温加硫後のコード強力の低
下が少なく、また、初期接着力、耐熱接着力にも優れた
ゴムとポリエステル繊維との接着剤用共重合体ラテック
スが求められている。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明者等は、ポリエステル繊
維が有する上記の問題を解決するために鋭意検討を重ね
た結果、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、(a)脂肪族共役ジ
エン系単量体40〜75重量%、(b)ビニルピリジン
5〜20重量%および(c)これらと共重合可能な他の
単量体5〜55重量%(ただし、(a)+(b)+
(c)=100重量%)を乳化重合して得られる共重合
体ラテックスであって、該共重合体ラテックスの乾燥フ
ィルムのトルエン不溶部が40重量%以下であり、か
つ、該共重合体ラテックスの乾燥フィルムのテトラヒド
ロフランに可溶なゾル部分の重量平均分子量が7万以上
であることを特徴とするゴムとポリエステル繊維の接着
剤用共重合体ラテックスを提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳しく説明
する。本発明の共重合体ラテックスに使用される(a)
脂肪族共役ジエン系単量体としては例えば、1,3−ブ
タジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−
ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられ、これらを
1種もしくは2種以上使用することができる。これらの
中で1,3−ブタジエンが好ましい。
【0010】本発明の共重合体ラテックスにおいて、
(a)脂肪族共役ジエン系単量体が40重量%未満では
初期接着力が低下し、75重量%を越えると耐熱接着力
とコード強力が低下する。好ましくは45〜70重量%
である。
【0011】本発明の共重合体ラテックスに使用される
(b)ビニルピリジンとしては、2−ビニルピリジン、
3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル
−5−ビニルピリジン等があげられ、これらを1種もし
くは2種以上使用することができる。これらの中で2−
ビニルピリジンが好ましい。
【0012】本発明の共重合体ラテックスにおいて、
(b)ビニルピリジン5重量%未満では初期接着力およ
び耐熱接着力共に低下し、20重量%を越えると初期接
着力が低下する。好ましくは8〜18重量%である。
【0013】本発明の共重合体ラテックスに使用するこ
とのできる(c)これらと共重合可能な他の単量体とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、モノクロロスチ
レン等の芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸等のエチレ
ン系不飽和カルボン酸単量体およびメチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート等のエチレン系不飽和カルボン酸ア
ルキルエステル系単量体、β−ヒドロキシエチルアクリ
レート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒド
ロキシアルキル基を含有する不飽和単量体およびアクリ
ルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミ
ド単量体等が挙げられ、それぞれ1種もしくは2種以上
使用することができる。
【0014】(C)これら共重合可能な単量体は、5〜
55重量%使用されるが、5重量%未満では、耐熱接着
力が低下し、55重量%を超えると初期接着力、耐熱接
着力共に低下する。
【0015】本発明の共重合体ラテックスの乾燥フィル
ムのトルエン不溶部(以下、ゲル含有量という)は40
重量%以下であることが必要である。ゲル含有量が40
重量%を越えると、初期接着力が低下する。好ましくは
5〜35%である。
【0016】本発明でいうゲル含有量とは、具体的に
は、共重合体ラテックスを乾燥し、重量既知の共重合体
ラテックスフィルムをトルエンに浸漬後濾過して、乾燥
重量を秤量し、共重合体ラテックスフィルムの乾燥重量
に対する、共重合体ラテックスフィルムのトルエン不溶
部の乾燥重量の割合を計算することにより求められる値
である。
【0017】本発明の共重合体ラテックスの乾燥フィル
ムのテトラヒドロフランに可溶なゾル部の重量平均分子
量は7万以上であることが必要である。重量平均分子量
が7万未満では初期接着力、耐熱接着力が共に低下す
る。重量平均分子量が10万以上であることが、特に好
ましい。
【0018】本発明でいう共重合体ラテックスの乾燥フ
ィルムのテトラヒドロフランに可溶なゾル部の重量平均
分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
によって測定した値である。具体的には、室温乾燥で共
重合体ラテックスからフィルムを作製し、該フィルムを
テトラヒドロフランに漬浸した後に、テトラヒドロフラ
ンに可溶なゾル部をゲルパーミエーションクロマトグラ
フィーによって測定したポリスチレン換算の重量平均分
子量である。
【0019】本発明の共重合体ラテックスの重量平均粒
子径が80〜180nmであることが好ましい。重量平
均粒子径が80nm未満では、ラテックス粘度が上が
り、ラテックスの輸送やRFL作製時に支障をきたす可
能性がある。また、180nmを越えると共重合体ラテ
ックスの製造時に凝集物を発生させやすく、安定に重合
することが困難となる。共重合体ラテックスの重量平均
粒子径は、90〜160nmであることがさらに好まし
い。
【0020】本発明の共重合体ラテックスのムーニー粘
度(ML1+4 100℃)は、130以下であること
が好ましい。ムーニー粘度が130を越えると、初期接
着力が低下する傾向にある。本発明の効果を上げるため
には、ムーニー粘度が110以下であることが更に好ま
しい。
【0021】本発明の共重合体ラテックス製造時におけ
る単量体の添加方法としては、従来公知の方法、例えば
一括添加方法、二段階添加方法、パワーフィードのいず
れでもよいが、特に二段階添加方法が好ましい。
【0022】本発明の共重合体ラテックスの重合に際し
ては、乳化剤として、ロジン酸石鹸、脂肪酸石鹸、高級
アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、脂
肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、非イオン性界
面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤あ
るいはポリエチレングリコールのアルキルエステル型、
アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等の
ノニオン性界面活性剤が挙げられ、これらを1種又は2
種以上使用することができる。
【0023】また、本発明の共重合体ラテックスの重合
に際しては、従来公知の連鎖移動剤、重合開始剤、電解
質、重合促進剤、キレート剤等、さらには炭化水素系溶
剤を使用することができる。
【0024】連鎖移動剤としてはα−メチルスチレンダ
イマー、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメル
カプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメ
ルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリ
ルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、ジメチルキ
サントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲ
ンジサルファイド等のキサントゲン化合物、ターピノレ
ンや、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチ
ルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノス
ルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等の
フェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合
物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等の
ハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレ
ン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジ
ルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェ
ニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メ
タアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2
−エチルヘキシルチオグリコレート等が挙げられ、これ
らを1種または2種以上使用することができる。
【0025】これらの連鎖移動剤は、通常、単量体10
0重量部に対して0〜10重量部にて使用される。共重
合体ラテックスフィルムのテトラヒドロフランに可溶な
ゾル部の重量平均分子量は、この連鎖移動剤量により調
整できる。
【0026】重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過
硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開
始剤、レドックス系重合開始剤、過酸化ベンゾイル等の
油溶性重合開始剤を適宜用いることができる。特に水溶
性重合開始剤の使用が好ましい。
【0027】また、重合に際して、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプ
タン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテ
ン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテ
ン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキ
セン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物を使用して
も良い。
【0028】本発明の共重合体ラテックスは、適宜、レ
ゾルシン−ホルマリン樹脂と混合することにより接着剤
組成物(RFL)として使用される。該接着剤組成物に
おける共重合体ラテックスとレゾルシン−ホルマリン樹
脂の使用比率は特に限定されないが、通常、共重合体ラ
テックス100重量部(固形分)に対してレゾルシン−
ホルマリン樹脂を5重量部〜100重量部(固形分)使
用することが好ましい。
【0029】また、本発明の共重合体ラテックスを含有
する接着剤組成物には、イソシアネート、ブロックドイ
ソシアネート、エチレン尿素、2,6−ビス(2,4−
ジヒドロキシフェニルメチル)−4−クロロフェノー
ル、一塩化イオウとレゾルシンの縮合物及びレゾルシン
−ホルマリン縮合物との混合物などの変性レゾルシン−
ホルマリン樹脂、ポリエポキシド、変性ポリ塩化ビニ
ル、カーボンブラックといった接着助剤、充填剤、架橋
剤、加硫剤、加硫促進剤等を必要に応じて配合しても差
し支えない。
【0030】本発明の共重合体ラテックスを含有する接
着剤組成物が使用されるポリエステル繊維はコード、ケ
ーブル、織物、帆布、短繊維等いずれの形態であっても
良い。
【0031】また、本発明の共重合体ラテックスを含有
する接着剤組成物で処理された繊維と接着に供されるゴ
ムとしては、天然ゴム、SBR、NBR、クロロプレン
ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、更に
はそれらの各種変性ゴム等が挙げられるが、特にこれら
に限定されるものではない。
【0032】また、該接着剤組成物を製造するに際し
て、必要に応じて、スチレン−ブタジエン共重合体ラテ
ックス、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体
ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラ
テックス、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体ラテックス、クロロプレンラテックス、イソ
プレンラテックス等に代替しても良いが、それらは本発
明の共重合体ラテックス100重量部に対して、100
重量部未満であることが好ましく、さらに好ましくは6
0重量部未満である。
【0033】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限される
ものではない。なお、実施例中の部および%は断りのな
い限り全て重量部および重量%を意味する。
【0034】(共重合体ラテックス1の製造)攪拌機付
きオートクレーブに、水90部、ナフタレンスルホン酸
ナトリウム・ホルマリン縮合物1部、水酸化ナトリウム
0.1部とロジン酸カリウム3.5部を加え溶解させる。
これに、さらに1,3−ブタジエン37.0部、2−ビ
ニルピリジン7.0部、スチレン26.0部とt−ドデ
シルメルカプタン0.35部を仕込み、乳化させる。次
いで、過硫酸カリウム0.4部を加え、全体を50℃に
保ち重合を行う。重合転化率が仕込み単量体の83%に
達したならば、1,3−ブタジエン10.0部、2−ビ
ニルピリジン7.0部、スチレン13.0部とt−ドデ
シルメルカプタン0.2部及びロジン酸カリウム1.2
部、過硫酸カリウム0.2部、水40部を仕込み、重合
を継続した。重合転化率が、全単量体の94%に達した
ら、ハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させ
る。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反
応単量体を除去し、共重合体ラテックス1を得た。
【0035】(共重合体ラテックス2の製造)攪拌機付
きオートクレーブに、水130部、ナフタレンスルホン
酸ナトリウム・ホルマリン縮合物1部、水酸化ナトリウ
ム0.2部とロジン酸カリウム4.5部を加え溶解させ
る。これに、さらに1,3−ブタジエン30.0部、2
−ビニルピリジン14.0部、スチレン13.0部、ア
クリロニトリル3.0部とt−ドデシルメルカプタン
0.45部を仕込み、乳化させる。次いで、過硫酸カリ
ウム0.5部を加え、全体を55℃に保ち重合を行う。
重合転化率が上記仕込み単量体の66%に達したなら
ば、1,3−ブタジエン20.0部、スチレン20.0
部とt−ドデシルメルカプタン0.1部を仕込み、重合
を継続した。重合転化率が、全単量体の94%に達した
ら、ハイドロキノン0.1部を加え、重合を停止させ
る。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留により未反
応単量体を除去し、共重合体ラテックス2を得た。
【0036】(共重合体ラテックス3、6、7の製造)
表−1、2に示したt−ドデシルメルカプタン量
(部)、単量体(部)を用いる以外は、共重合体ラテッ
クス1と全く同様にして、共重合体3、6、7を得た。
【0037】(共重合体ラテックス4の製造)表−1に
示したt−ドデシルメルカプタン量(部)、単量体
(部)を用いる以外は、共重合体ラテックス2と全く同
様にして、共重合体4を得た。
【0038】(共重合体ラテックス5の製造)攪拌機付
きオートクレーブに、水100部、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル6.0部と1,3−ブタジエン60.
0部、スチレン6.0部、アクリロニトリル2.0部、
アクリル酸2.0部、t−ドデシルメルカプタン0.3
5部、および水酸化ナトリウム0.2部、エチレンジア
ミン四酢酸ナトリウム0.05部、過硫酸カリウム0.
3部を仕込み、全体を50℃に保ち重合を行う。重合転
化率が仕込み単量体の74%に達したならば、1,3−
ブタジエン10.0部、2−ビニルピリジン8.0部、
スチレン12.0.部、t−ドデシルメルカプタン0.
12部及び、ポリオキシエチレンラウリルエーテル1.
5部、水40部を仕込み、重合を継続した。重合転化率
が、全単量体の94%に達したら、ハイドロキノン0.
1部を加え、重合を停止させる。得られた共重合体ラテ
ックスは減圧蒸留により未反応単量体を除去し、共重合
体ラテックス5を得た。
【0039】(共重合体ラテックス8の製造)攪拌機付
きオートクレーブに、水130部、ナフタレンスルホン
酸ナトリウム・ホルマリン縮合物1部、水酸化ナトリウ
ム0.2部とロジン酸カリウム4.5部を加え溶解させ
る。これに、さらに1,3−ブタジエン80.0部、2
−ビニルピリジン15.0部、スチレン5.0部とt−
ドデシルメルカプタン0.60部を仕込み、乳化させ
る。次いで、過硫酸カリウム0.5部を加え、全体を5
5℃に保ち重合を行う。重合転化率が、全単量体の94
%に達したら、ハイドロキノン0.1部を加え、重合を
停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留に
より未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス8を得
た。
【0040】(共重合体ラテックス9の製造)攪拌機付
きオートクレーブに、水90部、ナフタレンスルホン酸
ナトリウム・ホルマリン縮合物1部、水酸化ナトリウム
0.1部とロジン酸カリウム3.5部を加え溶解させる。
これに、さらに1,3−ブタジエン50.0部、2−ビ
ニルピリジン10.0部、スチレン15.0部とt−ド
デシルメルカプタン0.10部を仕込み、乳化させる。
次いで、過硫酸カリウム0.4部を加え、全体を50℃
に保ち重合を行う。重合転化率が仕込み単量体の94%
に達したならば、1,3−ブタジエン10.0部、スチ
レン12.0部、メチルメタクリレート3.0部とt−
ドデシルメルカプタン0.05部及びロジン酸カリウム
1.2部、過硫酸カリウム0.2部、水40部を仕込
み、重合を継続した。重合転化率が、全単量体の93%
に達したら、ハイドロキノン0.1部を加え、重合を停
止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留によ
り未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス9を得
た。
【0041】(共重合体ラテックス10、11の製造)
表−2に示したt−ドデシルメルカプタン量(部)、単
量体(部)を用い、重合中の温度を65℃に保ち重合を
行う以外は、共重合体ラテックス9と全く同様にして、
共重合体10、11を得た。
【0042】(共重合体ラテックス12の製造)攪拌機
付きオートクレーブに、水90部、ナフタレンスルホン
酸ナトリウム・ホルマリン縮合物1部、水酸化ナトリウ
ム0.1部とロジン酸カリウム3.0部を加え溶解させ
る。これに、さらに1,3−ブタジエン55.0部、2
−ビニルピリジン15.0部、スチレン5.0部、アク
リロニトリル10.0重量部とt−ドデシルメルカプタ
ン0.10部を仕込み、乳化させる。次いで、過硫酸カ
リウム0.4部を加え、全体を50℃に保ち重合を行
う。重合転化率が仕込み単量体の94%に達したなら
ば、2−ビニルピリジン10.0部、スチレン5.0部
とt−ドデシルメルカプタン0.2部及びロジン酸カリ
ウム1.0部、過硫酸カリウム0.2部、水40部を仕
込み、重合を継続した。重合転化率が、全単量体の93
%に達したら、ハイドロキノン0.1部を加え、重合を
停止させる。得られた共重合体ラテックスは減圧蒸留に
より未反応単量体を除去し、共重合体ラテックス12を
得た。
【0043】
【表―1】
【0044】
【表―2】
【0045】(共重合体ラテックスのゲル含有量の測
定)室温乾燥で共重合体ラテックスからフィルムを作製
する。その後フィルム約1gを正確に秤量後400cc
のトルエンに入れ48時間放置浸せきする。その後あら
かじめ精秤した300メッシュの金網で濾過し、金網に
残った残留物を秤量する。さらに充分乾燥した後、金網
に残った残留物を秤量する。次式により共重合体ラテッ
クスのゲル含有量を求める。 ゲル含有量(%)=(トルエン浸せき後の金網残留物の
乾燥重量)÷(トルエン浸せき前のフィルムの重量)×
100 前述の方法で測定した共重合体ラテックスのゲル含有量
を表−1、2示す。
【0046】(共重合体ラテックスのゾル部の分子量測
定)室温乾燥でラテックスからフィルムを作製した。フ
ィルムをテトラヒドロフランに溶解した後に0.45ミ
クロンのフィルターで濾過し、GPC(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー)用のサンプルとした。ポリ
スチレンを用いて作製した較正曲線を用い、テトラヒド
ロフランを移動相とし、検出器としては紫外吸収検出器
を用いて測定を行い、重量平均分子量を得た。前述の方
法で測定した共重合体ラテックスのゾル部の分子量を表
−1、2示す。
【0047】(共重合体ラテックスの重量平均粒子径の
測定)共重合体ラテックスの重量平均粒子径を動的光散
乱法により測定した。尚、測定に際しては、LPA−3
000/3100(大塚電子製)を使用した。前述の方
法で測定した共重合体ラテックスの重量平均粒子径を表
−1、2示す。
【0048】(共重合体ラテックスのムーニー粘度の測
定)共重合体ラテックスから凝固、乾燥して回収した共
重合体を用いてJIS K―6300に従って、ムーニ
ー粘度(ML1+4 100℃)を測定した。前述の方
法で測定した共重合体ラテックスのムーニー粘度を表−
1、2示す。
【0049】[実施例−1、比較例−1] 〈RFL液の調整〉水229部に水酸化ナトリウム0.
41部を加え攪拌後、65%のレゾルシン−ホルマリン
樹脂(住友化学工業社製:スミカノール700S)2
4.2部を加え攪拌後、さらに37%ホルマリン6.3
部を加え攪拌混合し25℃にて4時間熟成することによ
り、RFレジンを作成する。次いで、表−1、2に示す
共重合体ラテックスそれぞれ100部(固形分)中に、
得られたRFレジンを18.5部と、25%アンモニア
水14部を加え、水にて固形分20.0%に調整後、2
5℃にて40時間熟成させる。その後、P−クロロフェ
ノール、ホルムアルデヒド、レゾルシノールの縮合物の
アンモニア溶液(ナガセ化成工業社製:デナボンド)を
50部添加し、表−3に示すRFL液A−1〜A−12
を得た。
【0050】(タイヤコード浸漬処理、コード強力およ
び接着力測定)試験用シングルコードディッピングマシ
ンを用いて、得られたRFL液にて各々、ポリエステル
・タイヤコード(1500D/2)を浸漬処理し、12
0℃で120秒間乾燥したのち、230℃で60秒間、
焼き付けを行った。浸漬処理された各々のタイヤコード
を表―4のゴム配合処方に基くゴム配合物ではさみ、1
70℃で30分間の条件にて加硫プレスした。加硫され
たゴム配合物からタイヤコードを取り出し、JIS L
―1017に従いコード強力を測定した。結果を表―3
に示す。また、浸漬処理されたタイヤコードを表−4の
配合処方に基づくゴム配合物ではさみ、160℃で20
分、および170℃で100分の各々の条件にて加硫プ
レスした。ASTM、D2138−67(H Pull
Test)に従い初期接着力および高温覆歴による接
着力を測定した。結果を表−3に示す。また、第1図に
示すように表−4のゴム配合物1の表層に処理コード2
を等間隔にて4本埋め込み、180℃、60分間の条件
にて加硫プレスし、耐熱剥離接着力測定用の試験片を作
製した。この試験片を用いて、第2図に示すようにコー
ド4本の先端を粘着テープ3にて固定し、ゴム配合物1
より矢印の方向に剥離し、耐熱剥離接着力を測定した。
また、剥離後のコードへのゴム付着状態を肉眼にて判定
し、優れるもの5点〜劣るもの1点として相対的に評価
した。結果を表−3に示す。
【0051】
【表―3】
【0052】
【表―4】 *:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルースルフ
ェンアミド
【0053】[実施例−2、比較例−2] (前処理液の調製〉水916部に70%サンモール G
S−1(日華化学社製)1.7重量部とデナコールEX
−611(ナガセ化成社製)6.0重量部を加え攪拌
後、27%SU−125F(明成化学社製)60.0重
量部を加え攪拌し、さらに表−1、2に示す共重合体ラ
テックス100重量部(固形分)を加え、攪拌混合し前
処理液を作成する。
【0054】〈2浴目RFL液の調製〉水229部に水
酸化ナトリウム0.41部を加え攪拌後、65%のレゾ
ルシン−ホルマリン樹脂(住友化学工業社製:スミカノ
ール700S924.2部を加え攪拌後、さらに37%
ホルマリン6.3部を加え攪拌混合し25℃にて4時間
熟成することにより、RFレジンを作成する。次いで、
表−1、2に示す共重合体ラテックスそれぞれ100部
(固形分)中に、得られたRFレジンを18.5部と、
25%アンモニア水14部を加え、水にて固形分20.
0%に調整後、25℃にて40時間熟成させ表−5に示
すRFL液B−1〜B−12を得た。
【0055】〈タイヤコード浸漬処理、コード強力およ
び接着力測定〉試験用シングルコードディッピングマシ
ンを用いて、得られた前処理液にて各々、ポリエステル
・タイヤコード(1500D/2)の浸漬処理を120
℃で60秒間乾燥したのち、230℃で120秒間、焼
き付けを行った。その後、前処理されたポリエステル・
タイヤコード(1500D/2)を得られたRFL液に
て浸漬処理し、120℃で120秒間乾燥したのち、2
30℃で60秒間、焼き付けを行った。浸漬処理された
各々のタイヤコードを表―4のゴム配合処方に基くゴム
配合物ではさみ、170℃で30分間の条件にて加硫プ
レスした。加硫されたゴム配合物からタイヤコードを取
り出し、JIS L―1017に従いコード強力を測定
した。結果を表―5に示す。また、浸漬処理されたタイ
ヤコードを表−3の配合処方に基づくゴム配合物ではさ
み、160℃で20分、および170℃で90分の各々
の条件にて加硫プレスした。ASTM,D2138−6
7(H−PullTest)に従い接着力および高温覆
歴による接着力を測定した。結果を表−5に示す。ま
た、第1図に示すように表−4のゴム配合物1の表層に
処理コード2を等間隔にて4本埋め込み、180℃、4
0分間の条件にて加硫プレスし、耐熱剥離接着力測定用
の試験片を作製した。この試験片を用いて、第2図に示
すようにコード4本の先端を粘着テープ3にて固定し、
ゴム配合物1より矢印の方向に剥離し、耐熱剥離接着力
を測定した。また、剥離後のコードへのゴム付着状態を
肉眼にて判定し、優れるもの5点〜劣るもの1点として
相対的に評価した。結果を表−5に示す。
【0056】
【表―5】
【0057】(発明の効果)本発明の接着剤組成物は、
従来のものに比べて高温加硫後のポリエステル繊維の強
力低下が少なく、かつゴムとポリエステル繊維との間に
良好な接着力を与える。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における耐熱剥離接着力測定用の斜視図
である。
【図2】本発明における耐熱剥離接着力測定後の斜視図
である。
【符号の説明】
1…ゴム配合物、2…処理コード、3…粘着テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹中 俊 愛媛県新居浜市菊本町2丁目10番2号 住 化エイビーエス・ラテックス株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)脂肪族共役ジエン系単量体40〜7
    5重量%、(b)ビニルピリジン5〜20重量%および
    (c)これらと共重合可能な他の単量体5〜55重量%
    (ただし、(a)+(b)+(c)=100重量%)を
    乳化重合して得られる共重合体ラテックスであって、該
    共重合体ラテックスの乾燥フィルムのトルエン不溶部が
    40重量%以下であり、かつ、該共重合体ラテックスの
    乾燥フィルムのテトラヒドロフランに可溶なゾル部分の
    重量平均分子量が7万以上であることを特徴とするゴム
    とポリエステル繊維の接着剤用共重合体ラテックス。
  2. 【請求項2】共重合体ラテックスの重量平均粒子径が8
    0〜180nmであり、かつ、ムーニー粘度が130以
    下である請求項1に記載のゴムとポリエステル繊維の接
    着剤用共重合体ラテックス。 【0001】
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