JPH1191320A - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りラジアルタイヤ

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JPH1191320A
JPH1191320A JP9254010A JP25401097A JPH1191320A JP H1191320 A JPH1191320 A JP H1191320A JP 9254010 A JP9254010 A JP 9254010A JP 25401097 A JP25401097 A JP 25401097A JP H1191320 A JPH1191320 A JP H1191320A
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毅 ▲功▼刀
Takeshi Kunugi
Daisuke Kanari
大輔 金成
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビード部におけるゴムボリュームを削減しつ
つ耐久性を向上するようにした重荷重用空気入りラジア
ルタイヤを提供する。 【解決手段】 左右一対のビード部1,1間に複数本の
カーカスコードをタイヤ径方向に配列してなるカーカス
層2を装架し、カーカス層2のタイヤ幅方向両端部をビ
ードコア3の廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げた重
荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、少なくともカ
ーカス層2の巻き上げ端部に短繊維補強層6を配置し、
短繊維補強層6を構成するゴム中に、少なくとも2種類
のポリマーが横断面で海島構造をなす短繊維(A)がフ
ィブリル化した短繊維(A’)をゴム100重量部に対
して0.5〜15重量部配合し、短繊維(A’)をタイ
ヤ周方向に配向させて、短繊維補強層6のタイヤ径方向
のモジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラスbの
比b/aを1.2以上にする。更に必要に応じて、主鎖
にアミド基を有する熱可塑性ポリマーからなる短繊維
(B)がゴム及び/又はポリオレフィンからなるマトリ
ックス中に分散して結合した組成物を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラック・バス等
の重荷重車両に使用される重荷重用空気入りラジアルタ
イヤに関し、さらに詳しくは、ビード部におけるゴムボ
リュームを削減しつつ耐久性を向上するようにした重荷
重用空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高速道路の発達及び自動車性能の
向上に伴って、重荷重車両による高速・高荷重での長時
間走行が増加している。そのため、重荷重用空気入りラ
ジアルタイヤも長時間の高速走行に耐え得るように耐久
性を大幅に向上することが要求されている。また、重荷
重用空気入りラジアルタイヤでは、上記耐久性の向上に
加えて、燃費の低減のために軽量化が要求されている。
【0003】従来、耐久性に優れた重荷重用空気入りラ
ジアルタイヤとして、ビード部にスチールコードからな
る補強層や有機繊維コードからなる補強層を付加したも
のが提案されている。しかしながら、上記のような補強
構造を形成した場合であっても、カーカス層の巻き上げ
端部に生じるコード間の剥離を抑制することはできなか
った。
【0004】即ち、図4(a)に示すように、カーカス
層の巻き上げ端部にはカーカスコード11とゴム12と
の未接着部分が存在するため、図4(b)のように未接
着部分を起点として亀裂C1 を生じやすく、この亀裂C
1 が図4(c)のように大きな亀裂C2 に成長してカー
カスコード11,11間に剥離を生じるのである。ま
た、カーカス層の巻き上げ端部をゴム補強層によって補
強することも可能であるが、ゴム補強層では効果的な補
強を行なうことができず、単に重量増加を招くだけであ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ビー
ド部におけるゴムボリュームを削減しつつ耐久性を向上
するようにした重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤは、左右一
対のビード部間に複数本のカーカスコードをタイヤ径方
向に配列してなるカーカス層を装架し、該カーカス層の
タイヤ幅方向両端部をビードコアの廻りにタイヤ内側か
ら外側へ巻き上げた重荷重用空気入りラジアルタイヤに
おいて、少なくとも前記カーカス層の巻き上げ端部に短
繊維補強層を配置し、該短繊維補強層を構成するゴム中
に、少なくとも2種類のポリマーが横断面で海島構造を
なす短繊維(A)がフィブリル化した短繊維(A’)を
ゴム100重量部に対して0.5〜15重量部配合し、
前記短繊維(A’)をタイヤ周方向に配向させて、前記
短繊維補強層のタイヤ径方向のモジュラスaに対するタ
イヤ周方向のモジュラスbの比b/aを1.2以上にし
たことを特徴とするものである。
【0007】また、上記目的を達成するための本発明の
他の重荷重用空気入りラジアルタイヤは、左右一対のビ
ード部間に複数本のカーカスコードをタイヤ径方向に配
列してなるカーカス層を装架し、該カーカス層のタイヤ
幅方向両端部をビードコアの廻りにタイヤ内側から外側
へ巻き上げた重荷重用空気入りラジアルタイヤにおい
て、少なくとも前記カーカス層の巻き上げ端部に短繊維
補強層を配置し、該短繊維補強層を構成するゴム中に、
少なくとも2種類のポリマーが横断面で海島構造をなす
短繊維(A)がフィブリル化した短繊維(A’)と、主
鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーからなる短繊維
(B)がゴム及び/又はポリオレフィンからなるマトリ
ックス中に分散して結合した組成物とを、それぞれゴム
100重量部に対して前記短繊維(A’)が0.5〜1
0重量部、前記短繊維(B)が1〜15重量部となるよ
うに配合し、これら短繊維(A’)及び短繊維(B)を
タイヤ周方向に配向させて、前記短繊維補強層のタイヤ
径方向のモジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラ
スbの比b/aを1.2以上にしたことを特徴とするも
のである。
【0008】このようにタイヤ周方向のモジュラスbを
タイヤ径方向のモジュラスaに比べて特定の比率以上に
大きくした異方性ゴムからなる短繊維補強層をカーカス
層の巻き上げ端部に配置することにより、タイヤ径方向
に配列したコードのタイヤ周方向の動きを効果的に抑制
することが可能になるので、ビード部におけるゴムボリ
ュームを削減しつつ巻き上げ端部における応力集中を緩
和し、コード間の剥離を抑制してタイヤの耐久性を向上
することができる。また、複数本のスチールコードをタ
イヤ径方向に配列してなるスチールコード補強層をビー
ド部におけるカーカス層に沿うように配置した場合は、
該スチールコード補強層の上端部に上記短繊維補強層を
配置するようにすれば、スチールコード補強層に上端部
におけるコード間の剥離も抑制することができる。
【0009】本発明において、モジュラスは20℃にお
ける20%伸長時のモジュラス(以下、20%モジュラ
スという)を意味する。タイヤは通常50%以下の歪み
域で使用されるため、20%モジュラスに基づく低伸長
時のゴム特性はタイヤ性能と相関しやすく、この20%
モジュラスについて異方性を持たせることによりタイヤ
を効果的に補強することができる。
【0010】20%モジュラスは、JIS K6301
に規定される低伸長応力試験法によって測定することが
可能である。この低伸長応力試験法では、幅5mm、長
さ100mm、厚さ2mm、標線間40mmの試験片を
用い、予備荷加として試験しようとする伸長率(20
%)の1.5倍の伸長を2回、45±15mm/分の速
度で行った後、本試験を予備荷加と同一速度で20%伸
長させて停止し、30秒後に荷重を測定する。20%伸
長応力(モジュラス)は以下の式により求めることがで
きる。なお、測定は通常4回行い、その平均値を用い
る。
【0011】σ20=F20/S σ20:20%伸長応力(MPa) F20:20%伸長時の荷重(N) S :試験片の断面積 上記短繊維補強層の異方性は、ゴム中に少なくとも2種
類のポリマーが横断面で海島構造をなす短繊維(A)が
フィブリル化した短繊維(A’)を特定量配合し、この
短繊維(A’)をタイヤ周方向に配向させることにより
得られる。このフィブリル化した短繊維(A’)は、短
繊維補強層の20%モジュラスを飛躍的に増大させるこ
とが可能である。また、フィブリル化した短繊維
(A’)に加えて、主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポ
リマーからなる短繊維(B)がゴム及び/又はポリオレ
フィンからなるマトリックス中に分散して結合したゴム
組成物を特定量配合し、これら短繊維(A’)及び短繊
維(B)をタイヤ周方向に配向させるようにしたハイブ
リッド配合であってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について添付
の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施
形態からなる重荷重用空気入りラジアルタイヤのビード
部を例示するものであり、図2はそのカーカス層の巻き
上げ部を示すものである。図において、左右一対のビー
ド部1,1間には複数本のカーカスコードをタイヤ径方
向に配列してなるカーカス層2が装架されており、この
カーカス層2のタイヤ幅方向両端部がビードコア3の廻
りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられている。また、
ビードコア3の径方向外側には硬質ゴムからなるビード
フィラー4が取り付けられており、カーカス層2の巻き
上げ部がビードフィラー4を包み込むようになってい
る。
【0013】ビード部1には複数本のスチールコードを
タイヤ径方向に配列してなるスチールコード補強層5が
カーカス層2に沿うように配置されており、このスチー
ルコード補強層5のタイヤ外側の上端部がカーカス層2
の巻き上げ部の近傍で終端している。カーカス層2の巻
き上げ部及びスチールコード補強層5の上端部には、こ
れら端部を被覆するエッジカバーとして短繊維補強層6
が取り付けられている。また、ビード部1において、カ
ーカス層2の巻き上げ部及びスチールコード補強層5の
上端部のタイヤ外側には、複数本の有機繊維コード(ナ
イロンコード等)をタイヤ径方向に対して傾斜するよう
に配列してなる有機繊維コード補強層7が配置されてい
る。
【0014】短繊維補強層6を構成するゴム中には、少
なくとも2種類のポリマーが横断面で海島構造をなす短
繊維(A)がフィブリル化した短繊維(A’)を配合
し、また必要に応じて、主鎖にアミド基を有する熱可塑
性ポリマーからなる短繊維(B)を配合し、短繊維
(A’)又はハイブリッド配合した短繊維(A’)と短
繊維(B)をタイヤ周方向に配向させることにより、短
繊維補強層6のタイヤ径方向のモジュラスaに対するタ
イヤ周方向のモジュラスbの比b/aが1.2以上にな
るように設定されている。
【0015】このように異方性を持たせた短繊維補強層
6をカーカス層2の巻き上げ部とスチールコード補強層
5の上端部に配置することにより、タイヤ径方向に配列
したコードのタイヤ周方向の動きを効果的に抑制するこ
とが可能になるので、ビード部1におけるゴムボリュー
ムを削減しつつカーカス層2の巻き上げ端部とスチール
コード補強層5の上端部における応力集中を緩和し、コ
ード間の剥離を抑制してタイヤの耐久性を向上すること
ができる。
【0016】図3は本発明の他の実施形態からなる重荷
重用空気入りラジアルタイヤのビード部を例示するもの
である。なお、本実施形態において、図1と同一物には
同一符号を付してその詳細な説明は省略する。図におい
て、カーカス層2の巻き上げ端部には短繊維補強層6が
配置されている。この短繊維補強層6は、ビードフィラ
ー4と有機繊維コード補強層7との間に位置し、かつス
チールコード補強層5の上端部からタイヤ径方向外側へ
60mm以内の領域にビード部1の補強体として配置さ
れている。
【0017】このようにカーカス層2の巻き上げ端部近
傍からタイヤ径方向外側へ延長する領域に異方性を持た
せた短繊維補強層6を配置することにより、上記実施形
態と同様にタイヤ耐久性の向上が可能であると共に、ビ
ード部1のゴムボリュームを削減しつつ優れた操縦安定
性を確保することができる。本発明では、短繊維補強層
6を少なくともカーカス層2の巻き上げ端部近傍に配置
することが必要であるが、その配置形態は特に限定され
ることはなく、エッジカバーとして使用したり、操縦安
定性を確保するための補強体として使用することが可能
である。
【0018】本発明において、短繊維補強層6のタイヤ
径方向のモジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラ
スbの比b/aは1.2以上、好ましくは1.5以上に
する必要がある。この比b/aが1.2未満であると有
効な補強効果を得ることが困難になる。また、比b/a
はゴムの硬さ、短繊維の配合量及び短繊維補強層6の押
出方法等によって決まるものであり、その上限は10程
度である。
【0019】短繊維補強層6は少なくとも1種のゴムか
ら構成されている。このゴムとしては特に限定されるも
のではないが、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物
〔例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(I
R)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、スチレン−ブタ
ジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム
(高シスBR及び低シスBR)、ニトリルゴム(NB
R)、水素化NBR、水素化SBR〕、各種エラストマ
ー、例えば、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロ
ピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチ
レンプロピレンゴム(M−EPM)、ブチルゴム(II
R)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマ
ー共重合体〕、含ハロゲン系ゴム〔例えば、臭素化ブチ
ルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−I
IR)、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭
素化物(Br−IPMS)、クロロスルホン化ポリエチ
レン(CMS)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイ
ン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM)〕、熱可塑性
エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレ
フィン系エラストマー、エステル系エラストマー〕等を
挙げることができる。
【0020】一方、短繊維(A)を構成するポリマーは
特に限定されるものではないが、少なくとも2種類のポ
リマーが相溶することなく繊維横断面で海島構造を形成
し、機械的剪断力によって海成分と島成分とが少なくと
も部分的にバラバラに分離してフィブリル化可能な特性
を持っていることが必要である。短繊維(A)を構成す
るポリマーとしては、ポリエステル、ポリビニルアルコ
ール、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、セル
ロース、ポリブタジエン、芳香族ポリアミド、レーヨ
ン、ポリアリレート、ポリパラフェニレンベンズビスオ
キサゾール、ポリパラフェニレンベンズビスチアゾール
等を挙げることができる。
【0021】上述のようにフィブリル化可能な短繊維
(A)を用いることにより、繊維添加時には短繊維のア
スペクト比(繊維長を繊維断面積相当の円の直径で割っ
た値)を低くし、繊維の絡み合いを抑制してゴムへの分
散性を良好にし、その後に機械的剪断力を与えて短繊維
の海成分と島成分とをバラバラに分離させてフィブリル
化し、そのフィブリル化後の短繊維(A’)とゴムとの
接触面積を増大させることにより、短繊維補強層6の補
強効果を向上することができる。なお、短繊維(A)は
フィブリル化によって全断面で分割・細径化していても
よく、或いは幹部を残して周囲や両端部だけが細径化し
ていてもよい。
【0022】短繊維(A)の平均長は1〜5000μm
であることが好ましい。短繊維(A)の平均長が1μm
未満であるとゴムの異方性が十分に得られず、逆に50
00μmを超えると混練時及び押出時における加工性が
著しく低下する。また、フィブリル化した短繊維
(A’)の平均直径は0.05〜5.0μm、より好ま
しくは0.1〜2μmにすることが好ましい。フィブリ
ル化した短繊維(A’)の平均直径を0.05μm未満
にすると混練時間が長くなり、それ以上に細径化しても
補強効果の向上は得られなくなり、逆に5.0μmを超
えた状態にするとフィブリル化が不十分であるためゴム
との親和性が不十分になり、短繊維補強層6に亀裂を生
じやすくなる。
【0023】本発明に使用される短繊維(A)の好まし
い一例として、少なくともポリビニルアルコール系ポリ
マー(X)と水不溶性ポリマー(Y)からなり、重量比
X/Yを90/10〜20/80として、いずれか一方
が島成分、他方が海成分となる海島構造を形成する短繊
維を使用することができる。この短繊維は、水溶性ポリ
マーであるポリビニルアルコール系ポリマー(X)と、
酢酸セルロースや澱粉等のように常温水中に浸漬しても
溶解しない水不溶性ポリマー(Y)との組み合わせによ
って海島構造を形成するものである。ポリビニルアルコ
ール系ポリマーは高強度であると共に、ゴムとの親和性
が優れている。上記短繊維においてポリビニルアルコー
ル系ポリマー(X)が90重量%を超えるとゴム混練に
よって機械的剪断力を与えても繊維が分割せず、逆に2
0重量%未満であると繊維補強効果が得られない。
【0024】本発明において、短繊維補強層6を構成す
るゴムに対して、フィブリル化した短繊維(A’)を単
独で使用する場合、ゴム100重量部に対して0.5〜
15重量部配合するようにする。短繊維(A’)の配合
量が0.5重量部未満であると短繊維補強層6のタイヤ
径方向のモジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラ
スbの比b/aを1.2以上にすることが困難になり、
逆に15重量部を超えると混練時及び押出時における加
工性が著しく低下してしまう。なお、短繊維(A)の配
合量はフィブリル化した短繊維(A’)の配合量と実質
的に同一である。
【0025】短繊維(A)をゴムに配合する際、繊維の
収束性を高めてゴムへの分散を促進するために、短繊維
(A)の表面に、例えばゴムラテックス、液状ゴム、液
状樹脂、水溶性樹脂、熱可塑性樹脂などで適当な浸漬処
理を施しても良い。また、短繊維(A)とゴムとの加硫
接着性を向上するために、ゴムにフェノール系化合物と
メチレン供与体のような接着性化合物を配合しても良
い。
【0026】フェノール系化合物としては、レゾルシ
ン、β−ナフトール、レゾルシンとアルデヒド類との縮
合物(レゾルシン樹脂)、m−クレゾールとアルデヒド
類との縮合物(m−クレゾール樹脂)、フェノールとア
ルデヒド類との縮合物(フェノール樹脂)、その他フェ
ノール性有機化合物とアルデヒド類との縮合物が挙げら
れる。一方、メチレン供与体としては、ヘキサメチレン
テトラミン、ヘキサメトキシメチロールメラミン、パラ
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドアンモニア、α−
ポリオキシメチレン、多価メチロールアセチレン尿素及
びそれらの誘導体が挙げられる。
【0027】フィブリル化した短繊維(A’)は、ゴム
との親和性に優れるため、これらを配合しなくても問題
とはならないが、配合する場合はフェノール性化合物を
ゴム100重量部に対して10重量部以下、好ましくは
6重量部以下とし、メチレン供与体をゴム100重量部
に対して10重量部以下、好ましくは5重量部以下とす
ることが好ましい。これら配合量を超えると加工性が低
下したり、破断伸びが著しく低下するので好ましくな
い。これら配合剤のほか、シランカップリング剤、チタ
ネートカップリング剤、不飽和カルボン酸及びその誘導
体、エポキシ樹脂、エポシキ基変性液状オリゴマー又は
ポリマー、無水マレイン酸変性液状オリゴマー又はポリ
マー、ブロックイソシアネートなどの接着性化合物を配
合するようにしても良い。
【0028】また、上記フィブリル化した短繊維
(A’)は特に低伸長時におけるモジュラスを増大させ
る作用は大きいが、高伸長時におけるモジュラスを増大
させる作用は小さい。そのため、フィブリル化した短繊
維(A’)に加えて、主鎖にアミド基を有する熱可塑性
ポリマーからなる短繊維(B)を配合することが好まし
い。この短繊維(B)は高伸長時におけるモジュラスを
増大させる作用が大きいため、短繊維(A’)と短繊維
(B)とのハイブリッド配合にすることにより、低伸長
時と高伸長時におけるモジュラスを同時に増大させるこ
とが可能になる。高伸長時におけるモジュラスを増大さ
せることにより、屈曲疲労に対する亀裂の発生及び亀裂
成長を抑制することが可能になるので、耐屈曲疲労性を
向上することができる。
【0029】このようにハイブリッド配合とした場合、
フィブリル化した短繊維(A’)の配合量をゴム100
重量部に対して0.5〜10重量部にすると共に、主鎖
にアミド基を有する熱可塑性ポリマーからなる短繊維
(B)の配合量をゴム100重量部に対して1〜15重
量部にする。短繊維(A’)と短繊維(B)の配合量の
和が1.5重量部未満であると短繊維補強層6のタイヤ
径方向のモジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラ
スbの比b/aを1.2以上にすることが困難になり、
逆に25重量部を超えると混練時及び押出時における加
工性が著しく低下してしまう。
【0030】上述の短繊維(B)は主鎖にアミド基を有
する熱可塑性ポリマーから構成されている。短繊維
(B)の平均直径は0.05〜5.0μmの範囲にする
ことが好ましい。この短繊維(B)を短繊維補強層6の
ゴム中に配合するに当たって、短繊維(B)がゴム及び
/又はポリオレフィンからなるマトリックス中に分散し
ており、かつ短繊維(B)がマトリックスと結合してい
る組成物を作製し、この組成物を短繊維補強層6のゴム
中に配合するようにする。短繊維(B)を含む組成物の
例としては、下記の(i)、(ii) 、(iii) を挙げるこ
とができる。
【0031】(i)加硫可能なゴム100重量部にポリ
マーの分子中アミド基を有する熱可塑性ポリマーの微細
な短繊維1〜100重量部が埋封されており、かつ該繊
維の界面において前記ポリマーと加硫可能なゴムとがノ
ボラック型フェノールホルムアルデヒド系樹脂の初期縮
合物を介してグラフトしている強化ゴム組成物(特開昭
59−43041号公報参照)。
【0032】ノボラック型フェノールホルムアルデヒド
系樹脂の初期縮合物は、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、
シュウ酸などの酸を触媒として、フェノール、ビスフェ
ノール類などのフェノール類とホルムアルデヒド(パラ
ホルムアルデヒドでもよい)とを縮合反応させることよ
って得られる可溶可融の樹脂およびその変形物(変性
物)である。
【0033】(ii) ポリオレフィンとエラストマーから
なるマトリックス中に、熱可塑性ポリアミドが微細繊維
状に分散しており、該微細繊維がシランカップリング剤
を介してマトリックスと結合している繊維強化熱可塑性
組成物(特開平7−278360号公報参照)。シラン
カップリング剤としては、具体的には、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルアルコキシ
シラン、ビニルトリアセチルシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−〔N−(β−メタ
クリロキシエチル)−N、N−ジメチルアンモニウム
(クロライド)〕プロピルメトキシシラン、N−β(ア
ミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
及びスチリルジアミノシラン、γ−ウレイドプロピルト
リエトキシシラン等を挙げることができる。
【0034】(iii)加硫可能なゴム100重量部に平均
径0.05〜0.8μmのナイロンの微細な繊維1〜7
0重量部が埋封されており、かつ該繊維の界面において
ナイロンと加硫可能なゴムとがレゾール型アルキルフェ
ノールホルムアルデヒド系樹脂の初期縮合物を介してグ
ラフト結合している強化ゴム組成物(特開昭58−79
037号公報参照)。
【0035】レゾール型アルキルフェノールホルムアル
デヒド系樹脂の初期縮合物は、例えば、クレゾールのよ
うなアルキルフェノールとホルムアルデヒドあるいはア
トセアルデヒドとをアルカリ触媒の存在下に反応させて
得られるレゾール型初期縮合物およびその変性物が挙げ
られる。特に、アルキルフェノールホルムアルデヒド系
樹脂として、分子中にメチロール基を2個以上有するも
のが好適に使用できる。
【0036】上記(i)、(iii) における加硫可能なゴ
ム、上記(ii) におけるエラストマーは、それぞれ短繊
維補強層6を構成するゴムと同様なものである。また、
上記(i)におけるアミド基を有する熱可塑性ポリマ
ー、上記(ii)における熱可塑性ポリアミドとしては、
熱可塑性ポリアミド及び尿素樹脂が挙げられる。これら
のうち好ましいものとしては、融点が135℃から35
0℃のものが挙げられ、特に好ましいものとして融点が
150℃から300℃の熱可塑性ポリアミドが挙げられ
る。
【0037】熱可塑性ポリアミドとしては、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン6−ナイロン66共重合
体、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、
ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、キシ
リレンジアミンとアジピン酸との重縮合体、キシリレン
ジアミンとピメリン酸との重縮合体、キシリレンジアミ
ンとスペリン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとア
ゼライン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとセバシ
ン酸との重縮合体、テトラメチレンジアミンとテレフタ
ル酸の重縮合体、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル
酸の重縮合体、オクタメチレンジアミンとテレフタル酸
の重縮合体、トリメチルヘキサメチレンジアミンとテレ
フタル酸の重縮合体、デカメチレンジアミンとテレフタ
ル酸の重縮合体ウンデカメチレンジアミンとテレフタル
酸の重縮合体、ドデカメチレンジアミンとテレフタル酸
の重縮合体、テトラメチレンジアミンとイソフタル酸の
重縮合体ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の重縮
合体、オクタメチレンジアミンとイソフタル酸の重縮合
体、トリメチルヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸
の重縮合体、デカメチレンジアミンとイソフタル酸の重
縮合体、ウンデカメチレンジアミンとイソフタル酸の重
縮合体、及びドデカメチレンジアミンとイソフタル酸の
重縮合体等が挙げられる。
【0038】これらの熱可塑性ポリアミドのうち、特に
好ましいものとしては、融点160〜265℃の熱可塑
性ポリアミドが挙げられ、具体的にはナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン6−ナイロン66共重合体、ナイロ
ン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン1
1、及びナイロン12等が挙げられる。上記(ii)におけ
るポリオレフィンは、80〜250℃の融点を有するも
のである。また、50℃以上の軟化点、特に50〜20
0℃軟化点をもつものも好ましく用いられる。このよう
なポリオレフィンとしては、C2 〜C8 のオレフィンの
単独重合体や共重合体、及び、C2 〜C8 のオレフィン
とスチレンやクロロスチレン、α−メチルスチレン等の
芳香族ビニル化合物との共重合体、C2 〜C8 のオレフ
ィンと酢酸ビニルとの共重合体、C2 〜C8 のオレフィ
ンとアクリル酸或いはそのエステルとの共重合体、C2
〜C8 のオレフィンのオレフィンとメタアクリル酸或い
はそのエステルとの共重合体、及びC2 〜C8 のオレフ
ィンとビニルシラン化合物との共重合体が好ましく用い
られるものとして挙げられる。
【0039】具体的には、例えば、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・
プロピレンブロック共重合体、エチレンプロピレンラン
ダム共重合体、線状低密度ポリエチレン、ポリ4−メチ
ルペンテン−1、ポリブテン−1、ポリヘキセン−1、
エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸
共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチ
レン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル
酸プロピル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重
合体、エチレン・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合
体、エチレン・アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体、
エチレン・ビニルトリメトキシシラン共重合体、エチレ
ンビニルトリエトキシシラン共重合体、エチレン・ビニ
ルシラン共重合体、エチレン・スチレン共重合体、及び
プロピレン・スチレン共重合体、等がある。また、塩素
化ポリエチレンや臭素化ポリエチレン、クロロスルホン
化ポリエチレン等のハロゲン化ポリオレフィンも好まし
く用いられる。これらのポリオレフィンは1種のみ用い
てもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
【0040】次に、本発明における短繊維補強層の成形
方法について説明する。先ず、ゴム中にカーボンブラッ
ク、加硫剤、加硫促進剤、プロセスオイル等を配合した
ゴム組成物に、少なくとも2種類のポリマーが横断面で
海島構造をなす短繊維(A)を所定量配合し、更に必要
に応じて、主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーか
らなる短繊維(B)がマトリックス中に分散して結合し
た組成物を所定量配合し、これをバンバリーで素練りす
ることにより、ゴム中に短繊維(A)及び短繊維(B)
を均一に分散させる。
【0041】次に、素練りした組成物を更に一対のオー
プンロール間で機械的剪断力を与えながら混練すること
により短繊維(A)をフィブリル化し、フィブリル化後
における短繊維(A’)の平均径を0.05〜5.0μ
mにする。このようにして得た組成物を押出機等を使用
してタイヤ周方向に押し出してシート状に成形すること
により、短繊維(A’)及び短繊維(B)をタイヤ周方
向に配向させて、短繊維補強層のタイヤ径方向のモジュ
ラスaに対するタイヤ周方向のモジュラスbの比b/a
を1.2以上にすることができる。
【0042】
【実施例】タイヤサイズを11R22.5 14PRと
し、左右一対のビード部間に複数本のカーカスコードを
タイヤ径方向に配列してなるカーカス層を装架し、該カ
ーカス層のタイヤ幅方向両端部をビードコアの廻りにタ
イヤ内側から外側へ巻き上げた重荷重用空気入りラジア
ルタイヤにおいて、少なくともカーカス層の巻き上げ端
部に短繊維補強層を配置した本発明タイヤ1〜7と、短
繊維補強層の替わりにゴム補強層を配置した従来タイヤ
を製作した。
【0043】本発明タイヤ1〜7において、短繊維補強
層を構成するゴム中に、ポリビニルアルコールと酢酸セ
ルロースからなる横断面で海島構造の短繊維(A)がフ
ィブリル化した短繊維(A’)を配合し、更に必要に応
じて、主鎖にアミド基を有するナイロン6からなる短繊
維(B)がゴムマトリックス中に分散して結合した組成
物を配合し、短繊維(A’)及び短繊維(B)をタイヤ
周方向に配向させて、短繊維補強層のタイヤ径方向のモ
ジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラスbの比b
/aを種々異ならせた。また、本発明タイヤ1〜7にお
いて、短繊維(A)及び短繊維(B)の配合量をゴム1
00重量部に対して種々異ならせた。
【0044】これら試験タイヤについて、下記試験方法
により高速耐久性を評価し、その結果を表1に示した。 高速耐久性:試験タイヤを空気圧700kPaとしてド
ラム試験機に装着し、JIS D4230に準拠して高
速耐久性試験を行ない、ビード部に故障を生じるまでの
走行距離を測定した。評価結果は従来タイヤを100と
する指数で示した。この指数値が大きいほど高速耐久性
が優れている。
【0045】
【表1】
【0046】この表1から明らかなように、本発明タイ
ヤ1〜7は、いずれもビード部におけるゴムボリューム
が従来タイヤと同等でありながら、従来タイヤに比べて
高速耐久性を大幅に向上することができた。特に、本発
明タイヤ4〜7のように短繊維(A)と短繊維(B)と
をハイブリッド配合とした場合に耐久性の向上が顕著に
現れていた。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、左
右一対のビード部間に複数本のカーカスコードをタイヤ
径方向に配列してなるカーカス層を装架し、該カーカス
層のタイヤ幅方向両端部をビードコアの廻りにタイヤ内
側から外側へ巻き上げた重荷重用空気入りラジアルタイ
ヤにおいて、少なくとも前記カーカス層の巻き上げ端部
に短繊維補強層を配置し、該短繊維補強層を構成するゴ
ム中に、少なくとも2種類のポリマーが横断面で海島構
造をなす短繊維(A)がフィブリル化した短繊維
(A’)を特定量配合し、更に必要に応じて、主鎖にア
ミド基を有する熱可塑性ポリマーからなる短繊維(B)
がゴム及び/又はポリオレフィンからなるマトリックス
中に分散して結合した組成物を特定量配合し、前記短繊
維(A’)と短繊維(B)をタイヤ周方向に配向させ
て、前記短繊維補強層のタイヤ径方向のモジュラスaに
対するタイヤ周方向のモジュラスbの比b/aを1.2
以上にしたことにより、タイヤ径方向に配列したコード
のタイヤ周方向の動きを効果的に抑制することが可能に
なるので、ビード部におけるゴムボリュームを削減しつ
つ巻き上げ端部における応力集中を緩和し、コード間の
剥離を抑制してタイヤの耐久性を向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる重荷重用空気入りラ
ジアルタイヤのビード部を例示する断面図である。
【図2】図1におけるカーカス層の巻き上げ部を示す斜
視図である。
【図3】本発明の他の実施形態からなる重荷重用空気入
りラジアルタイヤのビード部を例示する断面図である。
【図4】(a)〜(c)は従来の重荷重用空気入りラジ
アルタイヤのカーカス層の巻き上げ端部におけるコード
間剥離の発生メカニズムを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ビード部 2 カーカス層 3 ビードコア 4 ビードフィラー 5 スチールコード補強層 6 短繊維補強層 7 有機繊維コード補強層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 21/00 C08L 21/00 23/00 23/00 //(C08L 21/00 77:00 29:04 1:00)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対のビード部間に複数本のカーカ
    スコードをタイヤ径方向に配列してなるカーカス層を装
    架し、該カーカス層のタイヤ幅方向両端部をビードコア
    の廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げた重荷重用空気
    入りラジアルタイヤにおいて、少なくとも前記カーカス
    層の巻き上げ端部に短繊維補強層を配置し、該短繊維補
    強層を構成するゴム中に、少なくとも2種類のポリマー
    が横断面で海島構造をなす短繊維(A)がフィブリル化
    した短繊維(A’)をゴム100重量部に対して0.5
    〜15重量部配合し、前記短繊維(A’)をタイヤ周方
    向に配向させて、前記短繊維補強層のタイヤ径方向のモ
    ジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラスbの比b
    /aを1.2以上にした重荷重用空気入りラジアルタイ
    ヤ。
  2. 【請求項2】 左右一対のビード部間に複数本のカーカ
    スコードをタイヤ径方向に配列してなるカーカス層を装
    架し、該カーカス層のタイヤ幅方向両端部をビードコア
    の廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げた重荷重用空気
    入りラジアルタイヤにおいて、少なくとも前記カーカス
    層の巻き上げ端部に短繊維補強層を配置し、該短繊維補
    強層を構成するゴム中に、少なくとも2種類のポリマー
    が横断面で海島構造をなす短繊維(A)がフィブリル化
    した短繊維(A’)と、主鎖にアミド基を有する熱可塑
    性ポリマーからなる短繊維(B)がゴム及び/又はポリ
    オレフィンからなるマトリックス中に分散して結合した
    組成物とを、それぞれゴム100重量部に対して前記短
    繊維(A’)が0.5〜10重量部、前記短繊維(B)
    が1〜15重量部となるように配合し、これら短繊維
    (A’)及び短繊維(B)をタイヤ周方向に配向させ
    て、前記短繊維補強層のタイヤ径方向のモジュラスaに
    対するタイヤ周方向のモジュラスbの比b/aを1.2
    以上にした重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記短繊維(A’)の平均直径が0.0
    5〜5.0μmである請求項1又は2に記載の重荷重用
    空気入りラジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記短繊維(B)の平均直径が0.05
    〜5.0μmである請求項2又は3に記載の重荷重用空
    気入りラジアルタイヤ。
  5. 【請求項5】 複数本のスチールコードをタイヤ径方向
    に配列してなるスチールコード補強層を前記ビード部に
    おいてカーカス層に沿うように配置し、該スチールコー
    ド補強層の上端部に前記短繊維補強層を配置した請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の重荷重用空気入りラジア
    ルタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記短繊維補強層を、前記カーカス層の
    巻き上げ端部を被覆するエッジカバーとした請求項1〜
    5のいずれか1項に記載の重荷重用空気入りラジアルタ
    イヤ。
  7. 【請求項7】 前記短繊維補強層を、前記スチールコー
    ド補強層の上端部を被覆するエッジカバーとした請求項
    5又は6に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100504070B1 (ko) * 2002-10-01 2005-07-27 한국타이어 주식회사 비드 내구성을 향상시킨 공기입 타이어
JP2009274574A (ja) * 2008-05-14 2009-11-26 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2012076669A (ja) * 2010-10-05 2012-04-19 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2016120832A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

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