JP3843177B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、短繊維の配合により異方性を持たせたアンダートレッドをトレッド部に設けた空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、アンダートレッドにエネルギー損失が小さいゴムを使用してタイヤの転動抵抗を低減するに際し、未加硫時のゴム流れによるゲージの不均一性を改善すると共に、操縦安定性を向上することを可能にした空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の車両の低燃費化要求に対し、タイヤの転動抵抗を低減するために種々の試みがされており、その中でも低燃費化とウェット路面上での走行性能(ウェット性能)を両立させる技術として、トレッド部をキャップトレッドとアンダートレッドとの2層構造にし、エネルギー損失が大きいキャップトレッドの体積を減らすことが行われている。つまり、キャップトレッドにはウェット性能に優れたゴムを使い、アンダートレッドにはエネルギー損失が小さいゴムを使う手法が用いられている。
【0003】
しかしながら、アンダートレッドのエネルギー損失を小さくしようとして、アンダートレッドにおけるカーボンブラックの配合量を減少させると、加硫後のゴムが柔らかくなることにより操縦安定性が低下し、またアンダートレッドに反発弾性に優れたブタジエンゴムなどを配合すると、未加硫時の粘度が低くなるためタイヤ加硫成形時にモールド内面の溝成形骨がトレッドに押し付けられる際にゴムが容易に流れてしまい、アンダートレッドのゲージが溝下部分では薄く、ブロック下では厚くなって、摩耗末期にアンダートレッドが露出してグリップ性能が悪化するという問題があった。
【0004】
また、アンダートレッドを硬くすれば操縦安定性が良くなることが知られており、発熱性を抑えたままアンダートレッドの硬度を高めるために、ナイロンやアラミドなどの短繊維を配合する技術が多数開示されている(特開昭54-132904 号、特開昭57-41201号、特開昭59-204637 号、特開平8-3369号など)。
しかしながら、上記短繊維のうちナイロン短繊維は小さい変形時の補強性に劣るため多量に配合する必要があるので、未加硫粘度が著しく上昇して加工性を悪化させてしまい、その他の短繊維も補強性が不十分だったり、ゴムとの混練中に絡まって分散性に劣るなどの欠点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、アンダートレッドにエネルギー損失が小さいゴムを使用してタイヤの転動抵抗を低減するに際し、タイヤ加硫成形時のゴム流れによるゲージの不均一性を改善すると共に、操縦安定性を向上することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明空気入りタイヤは、トレッド部をキャップトレッドとアンダートレッドとを含む少なくとも2層構造にした空気入りタイヤにおいて、前記アンダートレッドを構成するゴム中に、少なくとも2種類のポリマーが横断面で海島構造をなす短繊維(A)がフィブリル化した短繊維(A’)と、主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーからなる短繊維(B)がゴム及び/又はポリオレフィンからなるマトリックス中に分散して結合した組成物とを、それぞれゴム100重量部に対して前記短繊維(A’)が1〜12重量部、前記短繊維(B)が1〜10重量部となるように配合し、これら短繊維(A’)及び短繊維(B)をタイヤ周方向に配向させて、前記アンダートレッドのタイヤ幅方向のモジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラスbの比b/aを1.5以上にしたことを特徴とするものである。
【0008】
このようにアンダートレッドを構成するゴム中に、少なくとも2種類のポリマーが横断面で海島構造をなす短繊維(A)がフィブリル化した短繊維(A’)を特定量配合し、その短繊維(A’)をタイヤ周方向に配向させて、アンダートレッドのタイヤ幅方向のモジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラスbの比b/aを1.5以上にすることにより、アンダートレッドにエネルギー損失が小さいゴムを使用してタイヤの転動抵抗を低減する場合であっても、タイヤ加硫成形時のゴム流れを抑制してゲージの不均一性を改善することができ、しかも加硫後はフィブリル化した短繊維(A’)がタイヤ周方向に配向しながら強大な補強効果を発揮するので操縦安定性を向上することができる。
【0009】
上記フィブリル化した短繊維(A’)は従来のナイロン短繊維やカーボンブラックに比べて優れた特長を有している。即ち、アンダートレッドを硬くするためにカーボンブラックの配合量を増加させると硬度の上昇に伴ってtanδも大きくなってしまうが、短繊維(A’)の配合量を増加させてアンダートレッドの硬度を高めてもtanδの上昇が少ない。また、従来のナイロン短繊維は配合量を増加させると未加硫時の粘度が増大して混練時や押出時における加工性が低下してしまうが、フィブリル化した短繊維(A’)は配合量を増加させても未加硫時の粘度が高くならず、列理方向(繊維配向方向)ばかりでなく反列理方向(繊維配向と垂直方向)のグリーンモジュラスを高めることができる。従って、フィブリル化した短繊維(A’)をアンダートレッドに配合することにより、硬くしても発熱性が少ないアンダートレッドを構成し、従来のナイロン短繊維と比較して加工性が良好であるにも拘らず、グリーンタイヤの強度が高いため加硫時のゴム流れを抑制することができ、更にはコンパウンド貯蔵時のコールドフローも抑えることができる。
【0010】
本発明において、加硫済タイヤにおけるモジュラスは20℃における20%伸長時のモジュラス(以下、20%モジュラスという)を意味する。タイヤは通常50%以下の歪み域で使用されるため、20%モジュラスに基づく低伸長時のゴム特性はタイヤ性能と相関しやすく、この20%モジュラスについて異方性を持たせることによりタイヤを効果的に補強することができる。
【0011】
20%モジュラスは、JIS K6301に規定される低伸長応力試験法によって測定することが可能である。この低伸長応力試験法では、幅5mm、長さ100mm、厚さ2mm、標線間40mmの試験片を用い、予備荷加として試験しようとする伸長率(20%)の1.5倍の伸長を2回、45±15mm/分の速度で行った後、本試験を予備荷加と同一速度で20%伸長させて停止し、30秒後に荷重を測定する。20%伸長応力(モジュラス)は以下の式により求めることができる。なお、測定は通常4回行い、その平均値を用いる。
【0012】
σ20=F20/S
σ20:20%伸長応力(MPa)
20:20%伸長時の荷重(N)
S :試験片の断面積
上記フィブリル化した短繊維(A’)は、アンダートレッドの20%モジュラスを飛躍的に増大させることが可能である。また、フィブリル化した短繊維(A’)に加えて、主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーからなる短繊維(B)がゴム及び/又はポリオレフィンからなるマトリックス中に分散して結合したゴム組成物を特定量配合し、これら短繊維(A’)及び短繊維(B)をタイヤ周方向に配向させるようにしたハイブリッド配合とする
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを例示するものである。図において、左右一対のビード部1,1間には複数本の補強コードをラジアル方向に配列させたカーカス層2が装架されており、このカーカス層2のタイヤ幅方向両端部がそれぞれビードコア3の廻りにタイヤ内側から外側へ巻き上げられている。トレッド部4におけるカーカス層2の外側には、それぞれ複数本の補強コードからなる2層のベルト層5,5が設けられている。これらベルト層5,5は、その補強コードがタイヤ周方向に対して傾斜し、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。
【0014】
トレッド部4はタイヤ外側に配置したキャップトレッド4aとタイヤ内側に配置したアンダートレッド4bとを含む少なくとも2層構造になっており、キャップトレッド4aにはウェット性能に優れたゴムを使い、アンダートレッド4bには転動抵抗を低減するためにエネルギー損失が小さいゴムを使うようになっている。アンダートレッド4bのエネルギー損失を小さくするには、カーボンブラックの配合量を減少させたり、反発弾性に優れたゴム配合にすればよい。
【0015】
アンダートレッド4bを構成するゴム中には、少なくとも2種類のポリマーが横断面で海島構造をなす短繊維(A)がフィブリル化した短繊維(A’)を配合し、また、主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーからなる短繊維(B)を配合し、これらハイブリッド配合した短繊維(A’)と短繊維(B)をタイヤ周方向に配向させることにより、アンダートレッド4bのタイヤ幅方向のモジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラスbの比b/aが1.5以上になるように設定されている。
【0016】
このようにアンダートレッド4bを構成するゴム中に、少なくとも2種類のポリマーが横断面で海島構造をなす短繊維(A)がフィブリル化した短繊維(A’)を特定量配合することにより、アンダートレッド4bにエネルギー損失が小さいゴムを使用してタイヤの転動抵抗を低減する場合であっても、タイヤ加硫成形時のゴム流れを抑制してゲージの不均一性を改善することができる。また、短繊維(A’)をタイヤ周方向に配向させることにより、加硫後はフィブリル化した短繊維(A’)が強大な補強効果を発揮するので操縦安定性を向上することができる。
【0017】
アンダートレッド4bのタイヤ幅方向のモジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラスbの比b/aは1.5以上、好ましくは2.0以上にする必要がある。この比b/aが1.5未満であるとタイヤ周方向のタガ効果が不十分になり、操縦安定性の向上効果が得られなくなる。また、比b/aはゴムの硬さ、短繊維の配合量及びシートの押出方法等によって決まるものであり、その上限は10程度である。
【0018】
また、本発明ではタイヤ加硫成形時にゴム流れを生じにくいので、アンダートレッド4bの厚さを従来に比べて厚くすることができ、それによって転がり抵抗を更に低減することができる。トレッド部4におけるアンダートレッド4bの体積比は25〜40%にすることが好ましい。このアンダートレッド4bの体積比が25%未満では転がり抵抗の低減効果が不十分になり、逆に40%を超えるとトレッドの溝深さとりもキャップコンパウンドの厚さが薄くなってしまい、摩耗末期にアンダートレッドが露出してしまう。ここでアンダートレッドの体積比は、(キャップトレッド+アンダートレッド)の全体積に占めるアンダートレッド体積の比率として定められる。
【0019】
本発明において、アンダートレッド4bは少なくとも1種のゴムから構成されている。このゴムとしては特に限定されるものではないが、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(高シスBR及び低シスBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR〕、各種エラストマー、例えば、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体〕、含ハロゲン系ゴム〔例えば、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロスルホン化ポリエチレン(CMS)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM)〕、熱可塑性エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー〕等を挙げることができる。特に、アンダートレッド4bを構成するゴムとして、エネルギー損失が小さい天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体ゴムから選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましい。
【0020】
また、アンダートレッド4bを構成するゴム中には、ヨウ素吸着量が30〜60mg/gであるカーボンブラックをゴム100重量部に対して25〜60重量部配合することが好ましい。このように粗いカーボンブラックを上記配合量で使用することによりtanδの上昇を抑制することができる。また、ゴム中に短繊維、カーボンブラック及び他の添加剤等を配合した状態でのムーニー粘度は80以下にすることが好ましい。このムーニー粘度を80以下にすることにより良好な加工性を確保することができる。
【0021】
一方、短繊維(A)を構成するポリマーは特に限定されるものではないが、少なくとも2種類のポリマーが相溶することなく繊維横断面で海島構造を形成し、機械的剪断力によって海成分と島成分とが少なくとも部分的にバラバラに分離してフィブリル化可能な特性を持っていることが必要である。短繊維(A)を構成するポリマーとしては、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、ポリブタジエン、芳香族ポリアミド、レーヨン、ポリアリレート、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール、ポリパラフェニレンベンズビスチアゾール等を挙げることができる。
【0022】
上述のようにフィブリル化可能な短繊維(A)を用いることにより、繊維添加時には短繊維のアスペクト比(繊維長を繊維断面積相当の円の直径で割った値)を低くし、繊維の絡み合いを抑制してゴムへの分散性を良好にし、その後に機械的剪断力を与えて短繊維の海成分と島成分とをバラバラに分離させてフィブリル化し、そのフィブリル化後の短繊維(A’)とゴムとの接触面積を増大させることにより、アンダートレッド4bの補強効果を向上することができる。なお、短繊維(A)はフィブリル化によって全断面で分割・細径化していてもよく、或いは幹部を残して周囲や両端部だけが細径化していてもよい。
【0023】
短繊維(A)の平均長は1〜5000μmであることが好ましい。短繊維(A)の平均長が1μm未満であるとゴムの異方性が十分に得られず、逆に5000μmを超えると混練時及び押出時における加工性が著しく低下する。また、フィブリル化した短繊維(A’)の平均直径は0.05〜5.0μm、より好ましくは0.1〜2μmにすることが好ましい。フィブリル化した短繊維(A’)の平均直径を0.05μm未満にすると混練時間が長くなり、それ以上に細径化しても補強効果の向上は得られなくなり、逆に5.0μmを超えた状態にするとフィブリル化が不十分であるためゴムとの親和性が不十分になり、アンダートレッド4bに亀裂を生じやすくなる。
【0024】
本発明に使用される短繊維(A)の好ましい一例として、少なくともポリビニルアルコール系ポリマー(X)と水不溶性ポリマー(Y)からなり、重量比X/Yを90/10〜20/80として、いずれか一方が島成分、他方が海成分となる海島構造を形成する短繊維を使用することができる。この短繊維は、水溶性ポリマーであるポリビニルアルコール系ポリマー(X)と、酢酸セルロースや澱粉等のように常温水中に浸漬しても溶解しない水不溶性ポリマー(Y)との組み合わせによって海島構造を形成するものである。ポリビニルアルコール系ポリマーは高強度であると共に、ゴムとの親和性が優れている。上記短繊維においてポリビニルアルコール系ポリマー(X)が90重量%を超えるとゴム混練によって機械的剪断力を与えても繊維が分割せず、逆に20重量%未満であると繊維補強効果が得られない。
【0025】
また、上記ポリビニルアルコール系ポリマー(X)と共に、水不溶性ポリマー(Y)としてアクリロニトリル系ポリマーを用いてもよい。このようなポリビニルアルコール系ポリマーとアクリロニトリル系ポリマーの組み合わせは、繊維の分割・細径化や高強度の点で好ましく、さらにポリビニルアルコール系繊維の製造方法として湿式紡糸方法で代表される溶剤紡糸方法が用いられるが、その際の紡糸原液の溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)が用いられる場合には、アクリロニトリル系ポリマーもDMSOに可溶性であるため、製造の点からもポリビニルアルコール系ポリマーとアクリロニトリル系ポリマーの組み合わせが好ましい。
【0026】
ポリビニルアルコール系ポリマーとしては、完全ケン化されたものであっても、部分ケン化されたものであっても、さらに他のモノマーを共重合したものであってもよい。一方、アクリロニトリル系ポリマーとしては、アクリロニトリルを70モル%以上含有していればよく、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニルや酪酸ビニルなどのビニルエステル類、塩化ビニルなどのビニル化合物類、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸類、スルホン酸含有ビニル化合物などのモノマーや、ブタジエン、イソプレンなどのゴムと共加硫し得るモノマーなどで共重合されていてもよい。また、原液溶媒に対する溶解性を向上させるためには、PANホモポリマーよりも、他のモノマーを0.5〜10モル%、さらに好ましくは2〜8モル%共重合させたアクリロニトリル系ポリマーが好ましい。
【0027】
ンダートレッド4bを構成するゴムに対して、フィブリル化した短繊維(A’)を単独で使用する場合、ゴム100重量部に対して1〜15重量部配合するようにする。短繊維(A’)の配合量が1重量部未満であるとアンダートレッド4bのタイヤ幅方向のモジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラスbの比b/aを1.5以上にすることが困難になり、逆に15重量部を超えると混練時及び押出時における加工性が著しく低下してしまう。なお、短繊維(A)の配合量はフィブリル化した短繊維(A’)の配合量と実質的に同一である。
【0028】
短繊維(A)をゴムに配合する際、繊維の収束性を高めてゴムへの分散を促進するために、短繊維(A)の表面に、例えばゴムラテックス、液状ゴム、液状樹脂、水溶性樹脂、熱可塑性樹脂などで適当な浸漬処理を施しても良い。また、短繊維(A)とゴムとの加硫接着性を向上するために、ゴムにフェノール系化合物とメチレン供与体のような接着性化合物を配合しても良い。
【0029】
フェノール系化合物としては、レゾルシン、β−ナフトール、レゾルシンとアルデヒド類との縮合物(レゾルシン樹脂)、m−クレゾールとアルデヒド類との縮合物(m−クレゾール樹脂)、フェノールとアルデヒド類との縮合物(フェノール樹脂)、その他フェノール性有機化合物とアルデヒド類との縮合物が挙げられる。一方、メチレン供与体としては、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサメトキシメチロールメラミン、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドアンモニア、α−ポリオキシメチレン、多価メチロールアセチレン尿素及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0030】
フィブリル化した短繊維(A’)は、ゴムとの親和性に優れるため、これらを配合しなくても問題とはならないが、配合する場合はフェノール性化合物をゴム100重量部に対して10重量部以下、好ましくは6重量部以下とし、メチレン供与体をゴム100重量部に対して10重量部以下、好ましくは5重量部以下とすることが好ましい。これら配合量を超えると加工性が低下したり、破断伸びが著しく低下するので好ましくない。これら配合剤のほか、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、不飽和カルボン酸及びその誘導体、エポキシ樹脂、エポシキ基変性液状オリゴマー又はポリマー、無水マレイン酸変性液状オリゴマー又はポリマー、ブロックイソシアネートなどの接着性化合物を配合するようにしても良い。
【0031】
また、上記フィブリル化した短繊維(A’)は特に低伸長時におけるモジュラスを増大させる作用は大きいが、高伸長時におけるモジュラスを増大させる作用は小さい。そのため、フィブリル化した短繊維(A’)に加えて、主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーからなる短繊維(B)を配合するこの短繊維(B)は高伸長時におけるモジュラスを増大させる作用が大きいため、短繊維(A’)と短繊維(B)とのハイブリッド配合にすることにより、低伸長時と高伸長時におけるモジュラスを同時に増大させることが可能になる。高伸長時におけるモジュラスを増大させることにより、屈曲疲労に対する亀裂の発生及び亀裂成長を抑制することが可能になるので、耐亀裂成長性を向上することができる。
【0032】
このようにハイブリッド配合とした場合、フィブリル化した短繊維(A’)の配合量をゴム100重量部に対して1〜12重量部にすると共に、主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーからなる短繊維(B)の配合量をゴム100重量部に対して1〜10重量部にする。短繊維(A’)と短繊維(B)の配合量の和が2重量部未満であるとアンダートレッド4bのタイヤ幅方向のモジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラスbの比b/aを1.5以上にすることが困難になり、逆に22重量部を超えると混練時及び押出時における加工性が著しく低下してしまう。
【0033】
上述の短繊維(B)は主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーから構成されている。短繊維(B)の平均直径は0.05〜5.0μmの範囲にすることが好ましい。この短繊維(B)をアンダートレッド4bのゴム中に配合するに当たって、短繊維(B)がゴム及び/又はポリオレフィンからなるマトリックス中に分散しており、かつ短繊維(B)がマトリックスと結合している組成物を作製し、この組成物をアンダートレッド4bのゴム中に配合するようにする。短繊維(B)を含む組成物の例としては、下記の(i)、(ii) 、(iii) を挙げることができる。
【0034】
(i)加硫可能なゴム100重量部にポリマーの分子中アミド基を有する熱可塑性ポリマーの微細な短繊維1〜100重量部が埋封されており、かつ該繊維の界面において前記ポリマーと加硫可能なゴムとがノボラック型フェノールホルムアルデヒド系樹脂の初期縮合物を介してグラフトしている強化ゴム組成物(特開昭59−43041号公報参照)。
【0035】
ノボラック型フェノールホルムアルデヒド系樹脂の初期縮合物は、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、シュウ酸などの酸を触媒として、フェノール、ビスフェノール類などのフェノール類とホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒドでもよい)とを縮合反応させることよって得られる可溶可融の樹脂およびその変形物(変性物)である。
【0036】
(ii) ポリオレフィンとエラストマーからなるマトリックス中に、熱可塑性ポリアミドが微細繊維状に分散しており、該微細繊維がシランカップリング剤を介してマトリックスと結合している繊維強化熱可塑性組成物(特開平7−278360号公報参照)。
シランカップリング剤としては、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルアルコキシシラン、ビニルトリアセチルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−〔N−(β−メタクリロキシエチル)−N、N−ジメチルアンモニウム(クロライド)〕プロピルメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びスチリルジアミノシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
【0037】
(iii)加硫可能なゴム100重量部に平均径0.05〜0.8μmのナイロンの微細な繊維1〜70重量部が埋封されており、かつ該繊維の界面においてナイロンと加硫可能なゴムとがレゾール型アルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂の初期縮合物を介してグラフト結合している強化ゴム組成物(特開昭58−79037号公報参照)。
【0038】
レゾール型アルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂の初期縮合物は、例えば、クレゾールのようなアルキルフェノールとホルムアルデヒドあるいはアトセアルデヒドとをアルカリ触媒の存在下に反応させて得られるレゾール型初期縮合物およびその変性物が挙げられる。特に、アルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂として、分子中にメチロール基を2個以上有するものが好適に使用できる。
【0039】
上記(i)、(iii) における加硫可能なゴム、上記(ii) におけるエラストマーは、それぞれアンダートレッド4bを構成するゴムと同様なものである。また、上記(i)におけるアミド基を有する熱可塑性ポリマー、上記(ii)における熱可塑性ポリアミドとしては、熱可塑性ポリアミド及び尿素樹脂が挙げられる。これらのうち好ましいものとしては、融点が135℃から350℃のものが挙げられ、特に好ましいものとして融点が150℃から300℃の熱可塑性ポリアミドが挙げられる。
【0040】
熱可塑性ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6−ナイロン66共重合体、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、キシリレンジアミンとアジピン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとピメリン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとスペリン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとアゼライン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとセバシン酸との重縮合体、テトラメチレンジアミンとテレフタル酸の重縮合体、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の重縮合体、オクタメチレンジアミンとテレフタル酸の重縮合体、トリメチルヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の重縮合体、デカメチレンジアミンとテレフタル酸の重縮合体ウンデカメチレンジアミンとテレフタル酸の重縮合体、ドデカメチレンジアミンとテレフタル酸の重縮合体、テトラメチレンジアミンとイソフタル酸の重縮合体ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の重縮合体、オクタメチレンジアミンとイソフタル酸の重縮合体、トリメチルヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の重縮合体、デカメチレンジアミンとイソフタル酸の重縮合体、ウンデカメチレンジアミンとイソフタル酸の重縮合体、及びドデカメチレンジアミンとイソフタル酸の重縮合体等が挙げられる。
【0041】
これらの熱可塑性ポリアミドのうち、特に好ましいものとしては、融点160〜265℃の熱可塑性ポリアミドが挙げられ、具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン6−ナイロン66共重合体、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン11、及びナイロン12等が挙げられる。
上記(ii)におけるポリオレフィンは、80〜250℃の融点を有するものである。また、50℃以上の軟化点、特に50〜200℃軟化点をもつものも好ましく用いられる。このようなポリオレフィンとしては、C2 〜C8 のオレフィンの単独重合体や共重合体、及び、C2 〜C8 のオレフィンとスチレンやクロロスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物との共重合体、C2 〜C8 のオレフィンと酢酸ビニルとの共重合体、C2 〜C8 のオレフィンとアクリル酸或いはそのエステルとの共重合体、C2 〜C8 のオレフィンとメタアクリル酸或いはそのエステルとの共重合体、及びC2 〜C8 のオレフィンとビニルシラン化合物との共重合体が好ましく用いられるものとして挙げられる。
【0042】
具体的には、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレンプロピレンランダム共重合体、線状低密度ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリブテン−1、ポリヘキセン−1、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸プロピル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、エチレン・アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体、エチレン・ビニルトリメトキシシラン共重合体、エチレンビニルトリエトキシシラン共重合体、エチレン・ビニルシラン共重合体、エチレン・スチレン共重合体、及びプロピレン・スチレン共重合体等がある。また、塩素化ポリエチレンや臭素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のハロゲン化ポリオレフィンも好ましく用いられる。これらのポリオレフィンは1種のみ用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
【0043】
次に、本発明におけるアンダートレッドの成形方法について説明する。先ず、ゴム中にカーボンブラック、加硫剤、加硫促進剤、プロセスオイル等を配合したゴム組成物に、少なくとも2種類のポリマーが横断面で海島構造をなす短繊維(A)を所定量配合し、更に必要に応じて、主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーからなる短繊維(B)がマトリックス中に分散して結合した組成物を所定量配合し、これをバンバリーで素練りすることにより、ゴム中に短繊維(A)及び短繊維(B)を均一に分散させる。
【0044】
次に、素練りした組成物を更に一対のオープンロール間で機械的剪断力を与えながら混練することにより短繊維(A)をフィブリル化し、フィブリル化後における短繊維(A’)の平均径を0.05〜5.0μmにする。このようにして得た組成物を押出機等を使用してタイヤ周方向に押し出してシート状に成形することにより、短繊維(A’)及び短繊維(B)をタイヤ周方向に配向させて、アンダートレッドのタイヤ幅方向のモジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラスbの比b/aを1.5以上にすることができる。
【0045】
【実施例】
タイヤサイズを185/65R14 86Hとし、トレッド部をキャップトレッドとアンダートレッドとの2層構造にした空気入りタイヤにおいて、アンダートレッドを構成するゴム中に、ポリビニルアルコールと酢酸セルロースからなる横断面で海島構造の短繊維(A)がフィブリル化した短繊維(A’)を配合し、更に必要に応じて、主鎖にアミド基を有するナイロン6からなる短繊維(B)がゴムマトリックス中に分散して結合した組成物を配合し、短繊維(A’)及び短繊維(B)をタイヤ周方向に配向させて、アンダートレッドのタイヤ幅方向のモジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラスbの比b/aを種々異ならせた参考例1〜3及び実施例1〜2と、短繊維未配合の従来例及び比較例1〜3と、短繊維を配合した比較例4〜6とを製作した。参考例1〜3、実施例1〜2及び比較例4〜6において、短繊維(A)及び短繊維(B)の配合量をゴム100重量部に対して種々異ならせた。
【0046】
これら試験タイヤについて、下記試験方法により転がり抵抗、操縦安定性、高速耐久性を評価し、その結果を表1に示した。また、アンダートレッドのより具体的な配合を表2に示した。なお、表1において、短繊維(B)の配合量のかっこ内の数値はナイロンの量を示す。
転がり抵抗:
各試験タイヤをリムサイズ14×5・1/2JJのホイールに組付けて空気圧210kPaとしてドラム試験機に装着し、ロードセルにより転がり抵抗を測定した。評価結果は、従来例を100とする指数で示した。この指数値が小さいほど転がり抵抗が小さいことを示す。
【0047】
操縦安定性:
各試験タイヤをリムサイズ14×5・1/2JJのホイールに組付けて空気圧210kPaとして排気量1800ccの乗用車に装着し、5人のテストドライバーによるフィーリングテストを行って操縦安定性を評価した。評価結果は5段階評価により示した。この評価値が大きいほど操縦安定性が優れている。
【0048】
高速耐久性:
各試験タイヤをリムサイズ14×5・1/2JJのホイールに組付けて空気圧210kPaとしてドラム試験機に装着し、JIS D4230に準拠して高速耐久性試験を行った。なお、表1において、「◎」は優、「○」は良、「△」は可、「×」は不可を意味する。
【0049】
【表1】
Figure 0003843177
【0050】
【表2】
Figure 0003843177
【0051】
表1から明らかなように、比較例1では、従来例に比べてカーボンを減らしたため操縦安定性が悪くなり、ゴム流れの悪化でゲージのバラツキが大きくなった。比較例2では、反発弾性が大きいブタジエンゴムを使用したため転がり抵抗が低下したものの、ゴム流れと操縦安定性が悪くなった。比較例3では、カーボンを増やしたため操縦安定性が向上したものの、転がり抵抗が増加し、高速耐久性が悪くなった。
【0052】
参考例1では、短繊維(A)を配合したためゴム流れが改善され、操縦安定性を維持しながら転がり抵抗を減らすことができた。参考例2及び参考例3では、短繊維(A)の配合を増やしたためゴム流れがさらに改善され、操縦安定性がさらに向上した。また、比較例4では、ナイロン短繊維(B)だけを配合しているので、操縦安定性が低下していた。比較例5では、ナイロン短繊維(B)の配合量を多量にしたためムーニー粘度が高くなり押し出し加工性が低下した。
【0053】
実施例及び実施例では、短繊維(A)の添加によりムーニー粘度が低くなるので、ナイロン短繊維(B)とハイブリッド配合することが可能になり、高速耐久性を向上することができた。また、比較例6では、短繊維(A)の配合量が多すぎることにより押出し加工性が低下した。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、トレッド部をキャップトレッドとアンダートレッドとを含む少なくとも2層構造にした空気入りタイヤにおいて、前記アンダートレッドを構成するゴム中に、少なくとも2種類のポリマーが横断面で海島構造をなす短繊維(A)がフィブリル化した短繊維(A’)を特定量配合し、更に、主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーからなる短繊維(B)がゴム及び/又はポリオレフィンからなるマトリックス中に分散して結合した組成物を特定量配合し、前記短繊維(A’)と短繊維(B)をタイヤ周方向に配向させて、アンダートレッドのタイヤ幅方向のモジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラスbの比b/aを1.5以上にしたことにより、アンダートレッドにエネルギー損失が小さいゴムを使用してタイヤの転動抵抗を低減するに際し、タイヤ加硫成形時のゴム流れによるゲージの不均一性を改善すると共に、操縦安定性を向上することができる。
【0055】
また、上記フィブリル化した短繊維(A’)を用いれば、硬くしても発熱性が少ないアンダートレッドを構成することができ、しかも加工性や分散性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線半断面図である。
【符号の説明】
1 ビード部
2 カーカス層
3 ビードコア
4 トレッド部
4a キャップトレッド
4b アンダートレッド
5 ベルト層

Claims (5)

  1. トレッド部をキャップトレッドとアンダートレッドとを含む少なくとも2層構造にした空気入りタイヤにおいて、前記アンダートレッドを構成するゴム中に、少なくとも2種類のポリマーが横断面で海島構造をなす短繊維(A)がフィブリル化した短繊維(A’)と、主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーからなる短繊維(B)がゴム及び/又はポリオレフィンからなるマトリックス中に分散して結合した組成物とを、それぞれゴム100重量部に対して前記短繊維(A’)が1〜12重量部、前記短繊維(B)が1〜10重量部となるように配合し、これら短繊維(A’)及び短繊維(B)をタイヤ周方向に配向させて、前記アンダートレッドのタイヤ幅方向のモジュラスaに対するタイヤ周方向のモジュラスbの比b/aを1.5以上にした空気入りタイヤ。
  2. 前記アンダートレッドを構成するゴムが天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体ゴムから選ばれた少なくとも1種である請求項に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記短繊維(A’)がポリビニルアルコール系ポリマーを含む請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記トレッド部における前記アンダートレッドの体積比を25〜40%にした請求項1乃至のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記アンダートレッドを構成するゴム中に、ヨウ素吸着量が30〜60mg/gであるカーボンブラックをゴム100重量部に対して25〜60重量部配合した請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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