JP4759150B2 - タイヤ - Google Patents

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    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤに関し、特に一般路(乾燥路及び湿潤路)での優れた操縦安定性、乗心地及びタイヤの転がり抵抗をすべて兼ね備えたタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、操縦安定性、乗心地及びタイヤの転がり抵抗を改善するために、ドレッドの改良が行われている。例えばトレッドゴムに短繊維を配合し、上記性能を改良する技術は数多く提案されている(特開平9−58206号公報、特開平10−315717号公報、特開平11−78420号公報、特開平11−99806号公報、特開平11−222012号公報等)。
【0003】
しかしながら、上記のような従来技術によるトレッドを適用したタイヤは、転がり抵抗は低下するものの操縦安定性はあまり改善されなかった。また、操縦安定性と乗心地は互いに相反する特性であるため、操縦安定性を改良すると乗心地が悪くなってしまうという問題があった。
【0004】
一方、従来から、溶融短繊維は氷上性能向上の手段として発泡ゴム組成物に配合されている(特開平10−58918号公報、特開平11−60811号公報、特開平11−80422号公報等)。これらの提案は、短繊維が離脱することにより形成された溝状の凹部が設地面内の水を吸収することにより氷上μを高めることができ、氷雪路面上での使用に適したものであるが、一般路(乾燥路及び湿潤路)での操縦安定性、乗心地及びタイヤの転がり抵抗をすべて改善することは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、溶融短繊維とゴムマトリックスとを含む非発泡系のゴム組成物をタイヤトレッドに用いることにより、一般路(乾燥路及び湿潤路)での優れた操縦安定性、乗心地及びタイヤの転がり抵抗をすべて兼ね備えた高性能なタイヤを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、溶融短繊維とゴムマトリックスとを含む非発泡系ゴム組成物をトレッドに用いることにより、この溶融短繊維の周囲が加硫中に溶け出し、加硫後にはゴムマトリックスと相溶し、短繊維の性能を維持したまま強固に埋設されるため、トレッドのブロック剛性が向上し、従来からの課題であった一般路(乾燥路及び湿潤路)での優れた操縦安定性、乗心地及びタイヤの転がり抵抗をすべて兼ね備えた高性能なタイヤが得られることを見出し、本発明を完成したものである。
【0007】
即ち、本発明は、前記課題を解決するため、下記のタイヤを提供する。
請求項1の発明は、一対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有するタイヤであって、前記トレッドがゴムマトリックスと溶融短繊維を含有する非発泡系ゴム組成物を含むと共に、タイヤ周方向のゴム組成物の弾性率A(MPa)と、このゴム組成物から溶融短繊維を除いたタイヤ周方向のゴム組成物の弾性率B(MPa)との比率〔(A/B)×100〕が110%以上であることを特徴とするタイヤである。
請求項2の発明は、一対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有するタイヤであって、前記トレッドがゴムマトリックスと溶融短繊維を含有する非発泡系ゴム組成物を含むと共に、該溶融短繊維が、加硫時には前記ゴムマトリックスの温度が加硫最高温度に達するまでの間にその粘度が該ゴムマトリックスよりも低くなり、加硫後には短繊維の周囲が溶けてゴムマトリックスと相溶し、該ゴムマトリックス中に短繊維形状を維持した状態で埋設されていることを特徴とするタイヤである。
請求項3の発明は、一対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有するタイヤであって、前記トレッドがゴムマトリックスと溶融短繊維を含有する非発泡系ゴム組成物を含むと共に、該ゴム組成物に100%の歪みをかけた際に溶融短繊維がゴムマトリックスから剥離しないことを特徴とするタイヤである。
請求項4の発明は、一対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有するタイヤであって、前記トレッドがゴムマトリックスと溶融短繊維を含有する非発泡系ゴム組成物を含むと共に、該ゴム組成物に100%の歪みをかけた際に溶融短繊維がゴムマトリックスから剥離しないことを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤである。
請求項5の発明は、溶融短繊維が、ゴム組成物の押出温度以上乃至加硫温度以下の融点を有する請求項1乃至4のいずれか1項記載のタイヤである。
請求項6の発明は、溶融短繊維の融点が100℃以上190℃以下である請求項5記載のタイヤである。
請求項7の発明は、溶融短繊維が、炭素数2〜8のオレフィン単量体から選ばれる1種又は2種以上を重合したポリオレフィン系繊維である請求項1乃至6のいずれか1項記載のタイヤである。
請求項8の発明は、ポリオレフィン系繊維が、ポリエチレン又はポリプロピレンである請求項7記載のタイヤである。
請求項9の発明は、溶融短繊維が、タイヤの周方向に沿って配向された請求項1乃至8のいずれか1項記載のタイヤである。
請求項10の発明は、ゴム成分100質量部に対し、溶融短繊維を0.5〜20質量部配合した請求項1乃至9のいずれか1項記載のタイヤである。
請求項11の発明は、ゴムマトリックスに水酸化アルミニウムを配合した請求項1乃至10のいずれか1項記載のタイヤである。
請求項12の発明は、溶融短繊維の太さが0.5〜50dtex、長さが0.5〜10mmである請求項1乃至11のいずれか1項記載のタイヤである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明のタイヤ4は、図1に一例を示したように、一対のビード部1,1と、該ビード部1にトロイド状をなして連なるカーカス2と、該カーカス2のクラウン部をたが締めするベルト3と、トレッド5とを順次配置したラジアル構造を有する。なお、トレッド5以外の内部構造は一般のラジアルタイヤと同様であるのでその説明を省略する。
【0009】
トレッド5には、図2に示すように、複数本の周方向溝7及びこの周方向溝7と交差する複数本の横溝8とによって複数のブロック9が形成されている。図2では、タイヤの幅方向に4個のブロック9が配列されている。ブロック9のサイズは、タイヤの周方向の寸法が35mmであり、タイヤの幅方向の寸法が30mmである。このトレッドの構造は、直接路面に接する上層のキャップ部と、このキャップ部の下層に配置されるベース部とからなる所謂キャップ・ベース構造をとることが好ましいが、これに制限されるものではない。なお、トレッドがキャップ・ベース構造をとる場合には、少なくともキャップ部が本発明の非発泡系ゴム組成物で形成することが好ましい。
前記タイヤは、内部に気体を充填して用いることができ、該気体としては、特に制限はないが、例えば、空気、窒素などが挙げられる。
【0010】
本発明においては、前記トレッド5が、ゴムマトリックスと溶融短繊維を含有する非発泡系ゴム組成物を含むと共に、タイヤ周方向のゴム組成物の弾性率A(MPa)と、このゴム組成物から溶融短繊維を除いたタイヤ周方向のゴム組成物の弾性率B(MPa)との比率〔(A/B)×100〕が110%以上であり、好ましくは115%以上、より好ましくは120%以上、更に好ましくは125%以上であることを特徴とし、このようにトレッドを形成するゴム組成物のブロック剛性が高まることによって、操縦安定性が維持され、かつ乗心地が向上し、転がり抵抗が低下するものである。
【0011】
ここで、ゴム組成物の弾性率は、ゴム組成物を加硫成形したサンプルを弾性率測定装置を用いて、所定の条件で測定したものであり、本発明の非発泡系ゴム組成物のタイヤ周方向の弾性率Aは5〜40MPa、好ましくは7〜30MPaである。
【0012】
また、本発明においては、トレッド5が、ゴムマトリックスと溶融短繊維を含有する非発泡系ゴム組成物を含むと共に、この溶融短繊維が、加硫時には前記ゴムマトリックスの温度が加硫最高温度に達するまでの間にその粘度が該ゴムマトリックスよりも低くなり、加硫後には短繊維の周囲が溶けてゴムマトリックスと相溶し、該ゴムマトリックス中に短繊維形状を維持した状態で埋設されていることを特徴とし、非発泡系ゴム組成物の短繊維が上記のような熱特性を有していることにより、トレッドのブロック剛性が高まり、操縦安定性が維持され、かつ乗心地が向上するものである。
【0013】
ここで、加硫最高温度とは、前記ゴム組成物の加硫時における前記ゴムマトリックスが達する最高温度を意味する。例えば、モールド加硫の場合には、ゴム組成物がモールド内に入ってからモールドを出て冷却されるまでにゴムマトリックスが達する最高温度を意味する。この加硫最高温度は、例えば、前記ゴムマトリックス中に熱電対を埋め込むこと等により測定することができる。
【0014】
なお、前記ゴムマトリックスの粘度は流動粘度を意味し、前記溶融短繊維の粘度は溶融粘度を意味し、これらは、例えばコーンレオメーター、キャピラリーレオメーター等を用いて測定することができる。
【0015】
本発明において、「加硫後には短繊維の周囲が溶けてゴムマトリックスと相溶し、該ゴムマトリックス中に短繊維形状を維持した状態で埋設されている」とは、加硫後においても短繊維としての性能を維持することができる状態でゴムマトリックス中に短繊維が存在していることを意味する。また、「埋設」には、溶融短繊維全体がゴムマトリックス中にある状態以外にも、溶融短繊維の一部が露出している状態も含まれる。
【0016】
更に、本発明においては、上記のような状態で溶融短繊維がゴムマトリックス中に埋設されていることによって、ゴムマトリックスと溶融短繊維とが強固に接着し得、ゴム組成物に100%の歪みをかけた際に溶融短繊維がゴムマトリックス中から剥離することがないものである。
【0017】
ここで、溶融短繊維の剥離状態は、加硫ゴム組成物から短繊維の断面が見える方向で縦5mm×横10mm×厚さ2mmのサンプルを切り出し、このサンプルを引っ張り治具に固定し、100%の歪みを与えた際の短繊維とゴム界面の状態で評価する。
【0018】
上記のようなトレッドは、ゴムマトリックスと溶融短繊維を含有する非発泡系ゴム組成物を含ませることにより得ることができる。なお、ゴム組成物には、未加硫のもの及び加硫後のものが含まれる。
【0019】
本発明の非発泡系ゴム組成物の溶融短繊維としては、炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜6のオレフィン単量体を重合したポリオレフィン系繊維を用いることが好ましく、例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどから選ばれる1種又は2種以上の単量体を重合したものが好ましい。この場合、ポリオレフィン系繊維の重量平均分子量(Mw)は1.0×10〜3.0×10、好ましくは1.5×10〜2.5×10である。
【0020】
このようなポリオレフィン系繊維としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、シンジオタクティック−1,2−ポリブタジエン(SPB)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)などが挙げられ、これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのポリオレフィン系繊維の中でも、融点からみてポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)が好適である。
【0021】
溶融短繊維が、ゴム組成物の押出温度以上乃至加硫温度以下の融点を有することが好ましく、具体的には溶融短繊維の融点が100℃以上190℃以下、好ましくは110℃以上175℃以下である。
溶融短繊維の融点が押出温度未満であると短繊維が加硫前に溶け出してしまうため、短繊維の性能を発揮することができない場合がある。一方、融点が加硫温度を超えると加硫時に短繊維が溶融しないため、ゴムマトリックスと相溶せず、短繊維の剥離が生じる場合がある。
【0022】
溶融短繊維の太さは0.5〜50dtexであることが好ましく、更に好ましくは1〜20dtexである。また、長さは0.5〜10mmであることが好ましく、更に好ましくは1〜5mmである。
溶融短繊維の太さ及び長さが上記範囲を下回ると短繊維としての性能を十分発揮できない場合があり、一方、上記範囲を上回ると短繊維のゴムマトリックス中での分散性が問題となる場合がある。
【0023】
溶融短繊維の添加量は、ゴム成分100質量部に対し、0.5〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。
溶融短繊維の添加量が多すぎると押出し作業性、肌荒れなどの問題が生じる場合がある。一方、少なすぎると短繊維を添加したことによる効果が発揮できない場合がある。
【0024】
次に、本発明の非発泡系ゴム組成物のゴムマトリックスは、天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分と、充填剤、軟化剤、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤等の添加剤等の他、通常ゴム業界で用いる各種配合剤などを適宜使用することができる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0025】
ゴム成分としては、天然ゴム(NR)及びジエン系合成ゴムが挙げられ、ジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体又はこれらの混合物などが挙げられる。また、その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化スズのような変性剤を用いることにより分岐構造を有しているものであってもよい。
【0026】
充填剤としては、従来ゴム組成物において慣用されているものの中から、任意のものを選択して用いることができるが、特にカーボンブラック、シリカ、及び水酸化アルミニウムから選ばれる1種又は2種以上が好適である。この場合、充填剤の粒径が10μm以下のものが好ましく、3μm以下であることが更に好ましい。また、ゴムマトリックスに水酸化アルミニウムを配合することにより、乾燥路操縦安定性が更に向上する。
【0027】
カーボンブラックとしては、製造方法によりチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック及びサーマルブラックなどがあるが、いずれのものも使用することができる。また、このカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(BET)が70m/g以上であり、かつジブチルフタレート吸油量(DBP)が90ミリリットル/100g以上のものが好適である。
【0028】
このBET値が70m/g未満では充分な耐摩耗性が得られにくく、耐摩耗性を考慮すると、このBET値のより好ましい範囲は、90m/g〜180m/gである。なお、このBET値はASTM D3037−88に準拠して測定した値である。更に、DBP値が90ミリリットル/100g未満では充分な耐摩耗性が得られにくく、また、このDBP値があまり大きすぎるとゴム組成物の破断時伸びが悪化する原因となる。耐摩耗性及び破断時伸びを考慮すると、このDBP値のより好ましい範囲は、100〜180ミリリットル/100gである。なお、このDBP値は、JIS K6221−1982(A法)に準拠して測定した値である。
【0029】
シリカとしては、特に制限はなく、従来ゴム補強用として慣用されているもの、例えば乾式法シリカ、湿式法シリカ(含水ケイ酸)などの中から適宜選択して用いることができるが、湿式法シリカが好適である。このシリカは、窒素吸着比表面積(BET)が100m/g〜300m/gの範囲にあるものが好適である。なお、BET値は、300℃で1時間乾燥後、ASTM D4820−93に準拠して測定した値である。
【0030】
具体的には、日本シリカ工業(株)製の「ニップシールAQ」、デグサAG製の「ULTRASIL VN3」、「BV3370GR」、ローディア製の「Zeosil 1165MP」、「Zeosil 165GR」、「Zeosil175P」、PPG社製の「Hisil 233」、「Hisil 210」、「Hisil 255」等の市販品を用いることができるが、特に限定されるものではない。
充填剤の配合量は、ゴム成分100質量部当たり、通常5〜100質量部、好ましくは5〜80質量部である。
【0031】
なお、充填剤としてシリカを用いた場合には、所望によりシランカップリング剤を配合することが望ましい。
ここで、シラン系カップリング剤の例としては、一般式(RO)Si−S−Si(OR)又はXSi(OR)〔但し、RはORが加水分解可能になるような基(例えばメチル基、エチル基等)であり、Xは有機物と反応する官能基(例えばメルカプトアルキル基、アミノアルキル基、ビニル基、エポキシ基、グリシドキシアルキル基、ベンゾチアゾリル基、N,N−ジメチルカルバモイル基等)であり、mは0<m≦9を満たす整数である。〕で表される化合物が挙げられる。
【0032】
具体的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフィドなどが挙げられる。
【0033】
本発明においては、この所望により用いられるカップリング剤は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その含有量は、前記充填剤に対して、通常15質量%以下の範囲で選ばれる。このカップリング剤の好ましい含有量は10質量%以下の範囲である。
【0034】
軟化剤としては、特に制限はなく、従来ゴム用軟化剤として慣用されているものの中から適宜選択して用いることができる。この軟化剤には、鉱物油系,植物油系,合成油系などがあり、鉱物油系としては、例えばナフテン系,パラフィン系などのプロセス油が挙げられる。植物油系としては、例えばひまし油,綿実油,あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、ヤシ油、落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油などが挙げられる。また、合成油系としては、例えばポリイソブチレン系オイルなどが挙げられる。
【0035】
これらの軟化剤は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その総配合量は、ゴム成分100質量部当たり、通常30質量部以下、好ましくは10〜30質量部である。
【0036】
老化防止剤としては、例えば、ナフチルアミン系、p−フェニレンジアミン系、ヒドロキノン誘導体、ビス,トリス,ポリフェノール系、ジフェニルアミン系、キノリン系、モノフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダード・フェノール系などを挙げることができるが、これらの中でもジフェニルアミン系老化防止剤、p−フェニレンジアミン系老化防止剤が更なる老化防止効果向上の点で好ましい。
【0037】
ジフェニルアミン系老化防止剤としては、例えば、4,4’−(α−メチルベンジル)ジフェニルアミン、4,4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエン・スルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルアミンなどが挙げられ、これらの中で更なる老化防止効果の点で4,4’−(α−メチルベンジル)ジフェニルアミンが最も好ましい。また、p−フェニレンジアミン系老化防止剤としては、例えば、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられ、これらの中で更なる老化防止効果及びコスト面から、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンが最も好ましい。
【0038】
これら老化防止剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1〜5.0質量部の範囲で用いられ、好ましくは0.2〜4.0質量部である。上記老化防止剤が0.1質量部未満では、更に高い老化防止効果を発揮できない場合があり、一方、5.0質量部を超えると効果が飽和するばかりでなく、経済的でない場合がある。
【0039】
本発明に用いうる加硫促進剤としては、特に制限はなく、公知のものを任意に使用し得るが、ベンゾチアゾール類、ベンゾチアゾリルスルフェンアミド類、ベンゾチアゾリルスルフェンイミド類、チオウレア類、グアニジン類、アルデヒドアミン類、ジチオリン酸塩類、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類、チウラム類などが好適なものとして挙げられ、これらは1種のみを用いてもよく、目的に応じて2種以上を併用してもよい。
【0040】
具体的には、ベンゾチアゾール類、ベンゾチアゾリルスルフェンアミド類、ベンゾチアゾリルスルフェンイミド類に属する加硫促進剤としては、ジベンゾチアジルジスルフィド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−ジ(2−ベンゾチアゾチアゾリルスルフェン)イミド、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィドなどが挙げられる。また、ジチオリン酸亜鉛類に属する加硫促進剤としては、ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオリン酸亜鉛、ジ−イソブチルジチオリン酸亜鉛などが挙げられる。チウラム類に属する加硫促進剤としては、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドなどが挙げられる。ジチオリン酸ポリスルフィド類に属する加硫促進剤としては、ビス(ジ−イソプロピルチオホスホリル)ジスルフィド、ビス(ジ−イソブチルチオホスホリル)ジスルフィドなどが挙げられる。ジチオカルバミン酸亜鉛類に属する加硫促進剤としては、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛などが挙げられる。
これら加硫促進剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部、好ましくは0.2〜3質量部である。
【0041】
次に、本発明の非発泡系ゴム組成物は、以上の各成分を適宜選択した条件、手法にて混練り、熱入れ、押出等することにより調製される。
【0042】
前記ゴム組成物の混練り中の最高温度、熱入れ中の最高温度、及び押出直後の最高温度を、それぞれ該溶融短繊維の融点未満に、好ましくは該融点よりも5℃以上低く設定して、前記混練り、熱入れ及び押出を行うことが好ましい。こうすると、前記混練り、熱入れ及び押出の後においても、ゴム組成物中において溶融短繊維の形態を保持することができる。
【0043】
前記混練り中の最高温度、前記熱入れ中の最高温度、又は前記押出直後の最高温度が、前記溶融短繊維の融点を越える温度であると、該溶融短繊維の形態を保持できない場合がある。
【0044】
前記混練りは、混練り装置への投入体積、ローターの回転速度、ラム圧等、混練り温度、混練り時間、混練り装置等の諸条件について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記混練り装置としては、市販品を好適に使用することができる。
【0045】
前記熱入れ又は押出は、熱入れ又は押出の時間、熱入れ又は押出の装置等の諸条件について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記熱入れ又は押出の装置としては、市販品を好適に使用することができる。ただし、熱入れ又は押出の温度は、目的に応じて適宜選択される。なお、前記押出温度は、一般的には90〜110℃程度である。
【0046】
前記ゴム組成物においては、前記溶融短繊維が押出方向に配向しているため、タイヤのトレッドにおける地面と接触する表面に平行な方向、より好ましくは該タイヤの周方向に、前記溶融短繊維を配向させた状態で用いることが、タイヤ走行時の剛性感を向上させることができる点で好ましい。
【0047】
前記ゴム組成物の加硫の条件乃至方法等については、特に制限はなく、前記ゴム成分の種類等に応じて適宜選択することができるが、前記トレッドを製造する場合にはモールド加硫が好ましい。前記加硫の温度としては、一般に前記加硫中の前記ゴム組成物の加硫最高温度が前記溶融短繊維の融点以上になるように選択される。前記加硫最高温度が前記溶融短繊維の融点未満であると、前記溶融短繊維の周囲が溶融せず、ゴムマトリックスと相溶せず短繊維の剥離が生じてしまう。なお、前記加硫を行う装置としては、特に制限はなく、市販品を好適に使用することができる。
【0048】
前記加硫前の前記ゴム組成物においては、該ゴム組成物よりも前記溶融短繊維の方が粘度が高い。該ゴム組成物の加硫開始後であって前記ゴム組成物が加硫最高温度に達するまでの間に、前記ゴムマトリックスは加硫によりその粘度が上昇していき、前記溶融短繊維はその周囲から溶融して粘度が大幅に低下していく。そして、加硫途中において、前記ゴムマトリックスよりも該溶融短繊維の方が粘度が低くなる。即ち、加硫前の前記ゴムマトリックスと該溶融短繊維との間における粘度の関係が、加硫途中の段階で逆転する現象が生ずる。
【0049】
従って、本発明の非発泡系ゴム組成物は、短繊維の周囲が溶けてゴムマトリックスと相溶し、該ゴムマトリックス中に短繊維形状を維持した状態(短繊維の性能を十分発揮し得る状態)で埋設されている。
【0050】
本発明のタイヤは、その製造方法については特に制限されないが、前記非発泡系ゴム組成物を調製する。このゴム組成物においては、前記溶融短繊維を一方向に配向させておく。該ゴム組成物を、生タイヤケースのクラウン部に予め貼り付けられた未加硫のトレッドのベース部の上に貼り付ける。このとき、前記溶融短繊維の配向の方向を、タイヤの周方向と一致させておく。そして、所定のモールドで所定温度、所定圧力の下で加硫成形する。その結果、本発明の非発泡系ゴム組成物で形成されたトレッドのキャップ部を、加硫されたトレッドのベース部上に有してなるタイヤが得られる。
【0051】
本発明のタイヤは、所謂乗用車用のみならず、トラック・バス用等の各種の乗物にも好適に適用できるものである。
【0052】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0053】
参考例1、3、実施例2、4、比較例1,2〕
表1に示した配合処方にて常法によりゴム組成物を調製し、加硫した。この場合、各ゴム組成物の押出温度はすべて110℃、加硫最高温度はすべて175℃であった。
得られた各ゴム組成物について、下記方法に従って弾性率及び剥離試験を行った。結果を表1に示す。
【0054】
また、得られたゴム組成物を用いて、図2に示した、タイヤの幅方向Bに4個のブロック9(タイヤの周方向Aの寸法が35mmであり、タイヤの幅方向Bの寸法が30mm)が配列されているトレッドを形成し、通常のタイヤ製造条件に従って、図1に示した一対のビード部1,1と、該ビード部1にトロイド状をなして連なるカーカス2と、該カーカス2のクラウン部をたが締めするベルト3と、トレッド5とを順次配置したラジアル構造を有する、サイズ175/65 R14の各種空気入りラジアルタイヤを製造した。
得られた各空気入りタイヤについて、下記方法で乗心地、乾燥路操縦安定性及び転がり抵抗を評価した。結果を表1に示す。
【0055】
<弾性率の評価>
ゴム組成物を加硫成形して円筒形サンプルを作製し、このサンプルを粘弾性スペクトロメーター(東洋精機(株)社製)を用いて、動的歪振幅1%、周波数52Hz、測定温度30℃の条件で弾性率(E’)を測定した。結果は比較例の弾性率を100とした場合の指数で表した。なお、数値が大きいほど良好であることを示す。
【0056】
<剥離試験>
加硫ゴム組成物から短繊維の断面が見える方向で縦5mm×横10mm×厚さ2mmのサンプルを切り出し、このサンプルを引っ張り治具に固定し、100%の歪みを与えた際の短繊維とゴム界面の剥離状態を下記基準で評価した。
○:短繊維の剥離なし
△:短繊維の剥離少しあり
×:短繊維の剥離多くあり
【0057】
<乗心地の評価>
得られた各タイヤを乗用車の4輪に取り付け、テストドライバー2人が乗車し、テストコースにて実車走行を行い、良路及び悪路での乗心地、振動(ハーシュネス、ロードノイズ等)を総合評価した。結果は比較例を100とした時の指数で示した。なお、数値が大きいほど良好である。
【0058】
<乾燥路操縦安定性>
得られた各タイヤを乗用車の4輪に取り付け、テストドライバー2人が乗車し、テストコースにて実車走行を行い、駆動性、制動性、ハンドル応答性、操縦時のコントロール性を総合評価した。結果は比較例を100とした時の指数で示した。なお、数値が大きいほど良好である。
【0059】
<転がり抵抗>
得られた各タイヤをホイールに取り付けて空気圧210kPaとしてドラム試験機に装着し、ロードセルにより転がり抵抗を測定した。結果は比較例を100としたときの指数で示した。なお、数値が小さいほど転がり抵抗が小さいことを示す。
【0060】
【表1】
*SBR1712:商標、ジェイエスアール(株)製、スチレン−ブタジエン共重合体、油展量37.5質量%
*カーボン N220:カーボンブラック(旭カーボン(株)製)
*老化防止剤6C:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(大内新興化学工業(株)製、ノクラック6(商標))
*溶融短繊維:ポリエチレン、融点135℃、繊維直径20μm、繊維長2mm
*DPG:加硫促進剤、ジフェニルグアニジン
*DM:加硫促進剤、ジベンゾチアゾリルジサルファイド
【0061】
表1の結果から明らかなように、溶融短繊維を添加していない比較例1,2に比べて、溶融短繊維を添加し、該短繊維がゴムマトリックス中に強固に接着された参考例1、3、実施例2、4はいずれも溶融短繊維の剥離がなく、高い弾性率を有し、乗心地、乾燥路操縦安定性及び転がり抵抗のすべてが向上することが認められる。
また、参考例1と実施例2、参考例3と実施例4とを対比した結果から、水酸化アルミニウムを添加すると、更に乾燥路操縦安定性が向上することが認められる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、溶融短繊維とゴムマトリックスとを含む非発泡系ゴム組成物をタイヤトレッドに用いることにより、一般路(乾燥路及び湿潤路)での優れた操縦安定性、乗心地及びタイヤの転がり抵抗をすべて兼ね備えたタイヤを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤの一部断面概略説明図である。
【図2】本発明のタイヤの周面の一部概略説明図である。
【符号の説明】
1 ビード部
2 カーカス
3 ベルト
4 タイヤ
5 トレッド
7 周方向溝
8 横溝
9 ブロック

Claims (10)

  1. 一対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有するタイヤであって、前記トレッドがゴムマトリックスと溶融短繊維を含有する非発泡系ゴム組成物を含むと共に、タイヤ周方向のゴム組成物の弾性率A(MPa)と、このゴム組成物から溶融短繊維を除いたタイヤ周方向のゴム組成物の弾性率B(MPa)との比率〔(A/B)×100〕が110%以上であり、前記溶融短繊維が、前記ゴム組成物の押出温度以上乃至加硫温度以下の融点を有し、ゴム成分100質量部に対し、前記溶融短繊維を0.5〜20質量部配合し、前記ゴムマトリックスに水酸化アルミニウムを配合したことを特徴とするタイヤ。
  2. 一対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有するタイヤであって、前記トレッドがゴムマトリックスと溶融短繊維を含有する非発泡系ゴム組成物を含むと共に、該溶融短繊維が、加硫時には前記ゴムマトリックスの温度が加硫最高温度に達するまでの間にその粘度が該ゴムマトリックスよりも低くなり、加硫後には短繊維の周囲が溶けてゴムマトリックスと相溶し、該ゴムマトリックス中に短繊維形状を維持した状態で埋設されており、前記溶融短繊維が、前記ゴム組成物の押出温度以上乃至加硫温度以下の融点を有し、ゴム成分100質量部に対し、前記溶融短繊維を0.5〜20質量部配合し、前記ゴムマトリックスに水酸化アルミニウムを配合したことを特徴とするタイヤ。
  3. 一対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有するタイヤであって、前記トレッドがゴムマトリックスと溶融短繊維を含有する非発泡系ゴム組成物を含むと共に、該ゴム組成物に100%の歪みをかけた際に溶融短繊維がゴムマトリックスから剥離せず、前記溶融短繊維が、前記ゴム組成物の押出温度以上乃至加硫温度以下の融点を有し、ゴム成分100質量部に対し、前記溶融短繊維を0.5〜20質量部配合し、前記ゴムマトリックスに水酸化アルミニウムを配合したことを特徴とするタイヤ。
  4. 一対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有するタイヤであって、前記トレッドがゴムマトリックスと溶融短繊維を含有する非発泡系ゴム組成物を含むと共に、該ゴム組成物に100%の歪みをかけた際に溶融短繊維がゴムマトリックスから剥離しないことを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤ。
  5. 非発泡系ゴム組成物が、混練り、熱入れ、及び押出をして調製され、混練り中の最高温度、熱入れ中の最高温度、及び押出直後の最高温度が、それぞれ溶融短繊維の融点未満である請求項1乃至4のいずれか1項記載のタイヤ。
  6. 溶融短繊維の融点が100℃以上190℃以下である請求項1乃至5のいずれか1項記載のタイヤ。
  7. 溶融短繊維が、炭素数2〜8のオレフィン単量体から選ばれる1種又は2種以上を重合したポリオレフィン系繊維である請求項1乃至6のいずれか1項記載のタイヤ。
  8. ポリオレフィン系繊維が、ポリエチレン又はポリプロピレンである請求項7記載のタイヤ。
  9. 溶融短繊維が、タイヤの周方向に沿って配向された請求項1乃至8のいずれか1項記載のタイヤ。
  10. 溶融短繊維の太さが0.5〜50dtex、長さが0.5〜10mmである請求項1乃至9のいずれか1項記載のタイヤ。
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