JP2008279841A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】転がり抵抗が小さく操縦安定性に優れ、ロードノイズ(車内騒音)、高速耐久性を大幅に向上した空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】少なくとも2層のコード交差層からなるベルト6と、該ベルト6の外周に沿ってタイヤ周方向に対して実質的に0度の角度で配列したPENコードよりなるベルト補強層7、8とを備える空気入りラジアルタイヤTにおいて、前記PENコードの強度が5.0cN/dtex以上、22℃における2%伸張モジュラスが1.0cN/dtex以上を有し、前記2%伸張モジュラスに対する150℃における2%伸張モジュラスの比が0.20〜0.33であり、かつ、170℃×120分加硫での剥離接着力が、140℃×40分加硫での剥離接着力の80%以上を保持し、140℃×40分加硫での剥離接着試験後のゴム被覆率が90%以上、170℃×120分加硫での剥離接着試験後のゴム被覆率が80%以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、転がり抵抗が小さく操縦安定性に優れ、高速耐久性とロードノイズ(車内騒音)を大きく向上した空気入りラジアルタイヤに関する。
空気入りラジアルタイヤにおいて、高速耐久性や転がり抵抗、ロードノイズの改善を目的として、ベルト層の外周側に補強コードをタイヤ周方向に配列してなるベルト補強層を配置することが行われている。
このようなベルト補強層の補強コードとしては、ナイロンコードが使用され、ポリエステルコードを使用することも提案されている(例えば、特許文献1〜2)。しかしながら、近年では車両の高級化に伴って、高速耐久性、操縦安定性と乗り心地、ロードノイズなど諸性能とのバランスの良い両立の改善要求が益々強くなっており、従来のナイロン、ポリエステルコードを用いた場合、その要求特性を必ずしも満足することができないのが現状である。
ナイロンコードの代わりにアラミド繊維、炭素繊維等の高弾性繊維コードを使用することが、例えば、特開平2−147407号公報、特開平1−145203号公報等において提案されているが、この場合、前記ロードノイズ(車内騒音)は改善されるものの、高剛性であるため加硫時におけるモールドへのフィッティングが十分でないため、加硫成形性に劣る上、特に300〜500Hzの比較的高周波数帯域でのロードノイズ(車内騒音)が十分に低減できず、接地性も不均一となり操縦安定性や耐偏摩耗性が悪化してしまうという問題がある。
また、前記ベルト補強層のコードとしてポリエステルコードが注目されてきており、中でも比較的高弾性なポリエチレン−2,6−ナフタレートをベルト補強層での配置を工夫することにより、転がり抵抗、ロードノイズなどを改善し得ることが記載されている(例えば、特許文献3、4)。しかし、ポリエステルコードはゴムとの接着性、特に高速走行時の発熱に伴う耐熱接着性がナイロンコードより劣り、この改良が求められている。
特開平9−66705号公報 特開2001−63312号公報 特開2002−79806号公報 特開2006−192914号公報
本発明は、従来における上記の問題を解決し、転がり抵抗が小さく操縦安定性に優れ、高速耐久性とロードノイズ(車内騒音)を大幅に向上した空気入りラジアルタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、ベルト補強層の補強コードとしては、従来のナイロンコードは2%伸張モジュラスが低過ぎ、アラミド、炭素繊維は加硫温度に於ける2%伸張モジュラスが高すぎて好ましくなく、ポリエステル系コードが適し、その中でもポリエチレン−2,6−ナフタレートコードをそのコード特性を特定範囲とすることで最も適したものとなり、さらにポリエチレン−2,6−ナフタレートコードのゴム材料との接着性を改良することで上記課題が解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の空気入りラジアルタイヤは、ラジアルカーカスのクラウン部外周に設けた少なくとも2層のコード交差層からなるベルトと、該ベルトの外周に沿ってタイヤ周方向に対して実質的に0度の角度で配列したポリエチレン−2,6−ナフタレートコードよりなるベルト補強層とを備える空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ポリエチレン−2,6−ナフタレートコードの強度が5.0cN/dtex以上、22℃における2%伸張モジュラスが1.0cN/dtex以上を有し、前記2%伸張モジュラスに対する150℃における2%伸張モジュラスの比が0.20〜0.33であり、かつ、170℃×120分加硫での剥離接着力が、140℃×40分加硫での剥離接着力の80%以上を保持し、140℃×40分加硫での剥離接着試験後のゴム被覆率が90%以上、170℃×120分加硫での剥離接着試験後のゴム被覆率が80%以上であることを特徴とする。
本発明においては、前記ベルト補強層をタイヤ幅方向の中央部と両端部とに区分し、前記中央部のベルト補強層は1または2層の補強層で構成され、前記両端部のベルト補強層は1〜3層の補強層で構成されることが好ましい。
また、前記ベルト補強層は、ポリエチレン−2,6−ナフタレートコードを複数本含むゴム引きされた幅狭のストリップを前記コードがタイヤ周方向に対して実質上0度になるようにラセン状にエンドレスに巻きつけることにより形成することができる。
そして、本発明の空気入りラジアルタイヤは、JATMA規定の速度記号が「V」以上の乗用車用タイヤに好適である。
本発明の空気入りラジアルタイヤによれば、転がり抵抗が小さく操縦安定性に優れ、高速耐久性とロードノイズ(車内騒音)を大きく向上した空気入りラジアルタイヤを提供することができる。
図1は本発明の一実施形態に係る乗用車用の空気入りラジアルタイヤ(以下、ラジアルタイヤという)Tの概略半断面図である。
ラジアルタイヤTは、一対のビード部1およびサイドウォール部2と、その両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とからなり、ビード部1に埋設したビードコア4、4間にわたり補強する2プライのラジアルカーカス5が、カーカス5の端部をビードコア4の周りにタイヤ内側から外側に折り返されビードフィラー9に沿って巻き上げられサイドウォール部2で係止されている。ラジアルカーカス5のクラウン部外周に設けられる2層のコード交差層からなるベルト6、該ベルト6の外周に沿って巻回した有機繊維コードよりなるベルト補強層7、8を備えている。
カーカス5としては、ポリエステル、ナイロン、レーヨンなどの有機繊維コードが、またベルト2には、フィラメント径が0.20〜0.30mm程度の1×4、1×5、2+2、2+1構造などのスチールコード、あるいはアラミドコードなどの剛直な有機繊維コードが使用されている。
ベルト補強層7、8は、ベルト6の外周上においてベルト補強7はベルト6の全幅(A+B)を、ベルト補強層8はベルト6の両端部Bを覆っている。ベルト補強層7、8はポリエチレン−2,6−ナフタレートコード(以下、「PENコード」という)をタイヤ周方向に対してほぼ0°の角度でスパイラル状に巻回することで、ベルト6を周方向に締め付け、タイヤ周方向及び径方向の剛性やベルト拘束力を高めるタガ効果を得て、高速走行時の遠心力によるベルトのせり上がりや径成長、ベルト端部の歪みを抑制し、高速で耐久性能と操縦安定性を良好にしている。
上記PENコードは、その強度が5.0cN/dtex以上、22℃における2%伸張モジュラスが1.0cN/dtex以上を有し、前記2%伸張モジュラスに対する150℃における2%伸張モジュラスの比(150℃モジュラス/22℃モジュラス)が0.20〜0.33であり、かつ、170℃×120分加硫での剥離接着力が、140℃×40分加硫での剥離接着力の80%以上を保持し、140℃×40分加硫での剥離接着試験後のゴム被覆率が90%以上、170℃×120分加硫での剥離接着試験後のゴム被覆率が80%以上である特性を有している。
コード強度が5.0cN/dtex未満であると、ベルト補強7、8の強度を確保するためにコードの使用量が多くなり、そのためにコードの打ち込み本数や補強層数を増加すると接着性、発熱性に不利となって耐久性に影響する。また、タイヤ軽量化にも影響し、転がり抵抗を悪化させ燃費性に不利となる。
PENコードの22℃における2%伸張モジュラスが1.0cN/dtex未満では、タガ効果が十分得られず、ベルトの浮き上がりを防止するにはコードの打ち込み本数や補強層数を増やす必要がある。2%伸張モジュラスは、好ましくは1.25cN/dtex以上でありタガ効果を向上し、高速耐久性、操縦安定性などを良好にする。
また、22℃における2%伸張モジュラスに対する150℃における2%伸張モジュラスの比が0.20未満であると、加硫成形後のポストキュアインフレーション工程においてタイヤ径方向のコードの伸びが大きくなって部分的にコード伸びに異同を生じるようになり、ユニフォミティーが悪化し操縦安定性、乗り心地を低下させる。また、この値が0.33を超えるとタイヤ加硫工程において加硫温度付近でのコード伸びが不足し、ベルト補強層が十分拡張できず加硫モールド内面へのフィッティングが不十分となり成形不良を起こし、結果としてユニフォミティー、高速耐久性が悪化する。なお、強度、2%伸張モジュラスはJIS L1017に準拠する引張試験により測定される。
また、170℃×120分加硫での剥離接着力(耐熱接着力)が、140℃×40分加硫での剥離接着力(初期接着力)の80%未満、170℃×120分加硫での剥離接着試験後のゴム被覆率(耐熱接着ゴム被覆率)が80%未満であると、高速走行に伴う発熱により接着性が除々に低下し耐久性が維持できない。さらに、140℃×40分加硫での剥離接着試験後のゴム被覆率(初期接着ゴム被覆率)が90%未満であると、高速走行時に早期の接着故障を生じやすくすることがある。
前記PENコードに上記コード物性と耐熱接着性を付与する手法は、特に限定されず、コードのデニール数、撚り数、接着処理条件(接着液配合、処理温度、張力、時間など)などにより調整することができる。
特に、耐熱接着性を付与するには、接着処理液配合が大きく寄与することが知られており、例えば、従来のエポキシ系などのポリエステル系コード用接着処理液に代えて特定の処理液を使用し、少なくとも2回の接着液処理を施すことでPENコードの耐熱接着特性を改良することができる。
この接着処理液の例としては、第1回接着処理は、(A)キャリアーを含む処理液と(B)ブロックドイソシアネート水溶液とを含む第1処理液、第2回の接着処理は、(B)ブロックドイソシアネート水溶液と(C)エポキシ化合物の分散液及び(D)レゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス(RFL)混合液を含む第2処理液が挙げられる。第3回接着処理として第2回接着処理と同内容の処理を繰り返し行ってもよい。
上記(A)キャリアーを含む処理液としては、キャリアーを水に溶解、分散または乳化させたものであり、キャリアー以外の溶剤、分散液、乳化剤あるいは安定剤等の助剤や紡糸油剤等が含有されていてもよい。
キャリアーとして好ましいものは、p−クロルフェノール、o−フェニルフェノール等のフェノール誘導体類、モノクロルベンゼン、トリクロルベンゼン等のハロゲン化ベンゼン類およびレゾルシンとp−クロルフェノールとホルムアルデヒドとの反応生成物等が挙げられる。特に好ましい例はレゾルシンとp−クロルフェノールとホルムアルデヒドとの反応生成物である。
(B)ブロックドイソシアネートが水溶液は、含まれるイソシアネート成分としては特に限定されないが、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート系のポリイソシアネートが好ましく、更には、ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合体が耐熱性能に優れ好ましい。
(C)エポキシ化合物の分散液に含まれるエポキシ化合物は特に限定されないが、好ましくは2官能以上の多官能エポキシを用いることで、樹脂の架橋密度が高くなり、優れた耐熱接着性が得られる。エポキシ化合物の好ましい例としては、グリセロール・ポリグリシジルエーテル、ジグリセロール・ポリグリシジルエーテル、ポリグリセロール・ポリグリシジルエーテル、ソルビトール・ポリグリシジルエーテル等、脂肪族多価アルコールのポリグリシジルエーテル化合物が挙げられる。
(D)RFL混合液はレゾルシンとホルマリンを酸またはアルカリ触媒下で反応させて得られる初期縮合物とスチレンブタジエンラテックス、カルボキシ変性スチレンブタジエンラテックス、スチレンブタジエンビニルピリジンラテックス、カルボキシ変性スチレンブタジエンビニルピリジンラテックス、天然ゴム、ポリブタジエンラテックス等の1種または2種以上の混合水溶液が用いられる。好ましくはスチレンブタジエンビニルピリジンラテックス、カルボキシ変性スチレンブタジエンビニルピリジンラテックスを用いることで、優れた耐熱接着性を得ることが出来る。レゾルシン、ホルマリン、ラテックスの配合比率は公知技術のいずれを適用してもよい。
上記第1処理液で処理することで、イソシアネートによるアミンバリア層が、キャリアー効果で繊維と強固に結合し、繊維および繊維と隣接する接着剤層およびそれらの界面の劣化を著しく抑制させ、次いで、第2処理液は、イソシアネートおよびエポキシによるラテックスの架橋改質効果により、RFL樹脂の耐熱性が向上し、これら全体の効果により優れた耐熱接着性および強力保持率が得られるものとなる。
第1処理液は、総固形分100重量部に対し、(B)ブロックドイソシアネート固形分が40〜95重量部配合されていることが好ましい。40重量部より少ないと樹脂の架橋が不十分であり充分な耐熱接着性が得られず、95重量部より多いとキャリアー成分が少なくなり、この場合も充分な耐熱接着性が得られない。
また、第2処理液は、総固形分100重量部に対し、(B)ブロックドイソシアネート固形分が5〜40重量部配合されていることが好ましい。5重量部より少ないと、樹脂の架橋が不十分であり充分な耐熱接着性が得られず、40重量部より多いとRFL成分が少なくなり過ぎるため充分な初期接着性が得られない。更に第2処理液は、総固形分100重量部に対して、(C)エポキシ化合物固形分が0.5〜10重量部配合されていることが好ましい。この範囲より少なくても多くても、良好な接着性は得られない。
ラジアルタイヤTのベルト補強層7、8は、上記PENコードをタイヤ周方向に対して実質的に0度の角度で配列してなっている。例えば、処理済みPENコードを所定間隔で引き揃えてゴム引きされた幅狭のストリップをタイヤ2nd成型の際に成型ドラム上で該コードがタイヤ周方向に対して実質上0度になるようにラセン状にエンドレスに巻き付けることにより形成される。また、処理済みのシングルコードをタイヤ幅方向にずらせながら2nd成型タイヤのベルト上に所定間隔でラセン状にエンドレスに巻き付けたものでもよいが、前記した方法がタイヤ成型効率や製造設備の点で有利であり、補強層7、8のコードの配列乱れを防ぐことでユニフォミティーを向上し好ましい。
本発明において、前記ベルト補強層7、8をタイヤ幅方向の中央部Aと両端部Bとに区分し、前記中央部Aのベルト補強層7は1または2層の補強層で構成され、前記両端部Bのベルト補強層8は1〜3層の補強層で構成されることが好ましい。
中央部Aにベルト補強層7が無い場合は、トレッド中央部でせり上がり、径成長が生じ操縦安定性、高速耐久性が低下し、3層以上になると乗り心地の悪化や発熱による耐久力低下を招くようになる。また、両端部Bのベルト補強層8が無い場合はベルト6の端部の押さえが利かずベルト6の層間に歪みがかかりベルト6端部やベルト6層間の接着故障を起こし、4層以上になるとロードノイズの悪化、発熱による耐久力低下を招くようになる。
前記中央部Aと両端部Bとの領域は、特に限定されることはないが、両端部Bのタイヤ幅方向に占める領域は、ベルト端部6aを覆うベルト両端領域と、該ベルト両端部6aよりベルト幅方向内方に入った1.5cmの位置から最大ベルト幅Wの1/8〜1/3の位置の間で終端する領域であることが好ましい。
そして、本発明のラジアルタイヤTは、JATMA規定の速度記号が「V」以上、すなわち速度記号V、W、Yの乗用車用タイヤに好適である。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本実施例により限定されるものではない。
タイヤサイズが225/45R17 94W、図1に示す中央部1層、両端部2層(層幅は片側1/6W)ベルト補強層を設けたタイヤ構造を有する空気入りラジアルタイヤを試作した。カーカスはレーヨン1840dtex/3(エンド数24本/25mm)の1プライ、ベルトはスチールコード2+2×0.25(エンド数23本/25mm)の2プライ(コード角度22度)とし、ベルト補強層以外は共通の構造、部材とした。
ベルト補強層に使用した補強コードの種類、コード特性、接着試験結果、及びタイヤの高速耐久性、ロードノイズの試験結果を表1に示す。なお、ナイロンコード(Ny66)は旭化成(株)製の「レオナ66」1400dtex/2、ポリエステルコード(PET)は東洋紡績(株)製の「エステル」1100dtex/2、ポリエチレン−2,6−ナフタレートコード(PEN)は帝人(株)製の「テオネックス」1100dtex/2及び1670dtex/2を使用した。
コード強度、2%伸張モジュラスはJIS L1017に準じる引張試験により、島津製作所(株)「オートグラフ AG−5KNI」を用いて22℃、150℃雰囲気中で測定した。剥離接着試験は接着処理コードをエンド数22本/25mmで配列しゴム被覆したものをコード方向を平行に積層し、140℃×40分(初期接着)、170℃×120分(耐熱接着)加硫した後、幅25mmの剥離接着試験片に調製し、島津製作所(株)「オートグラフ AG−5KNI」を用いて22℃雰囲気中で層間を50mm/分の速度で剥離試験を行い、剥離力(N/25mm)、と剥離面のゴム被覆率を評価した。ゴム被覆率はコードが完全にゴムで覆われているものを100%、ゴムが全く付いていない状態を0%として目視評価した。
なお、ベルト補強層の補強コードの接着剤処理に使用した処理液は下記の通りであり、(株)市金工業社製のシングルタイヤコード処理機を使用して処理条件(コード張力、処理温度、時間)を調整し各コードを得た。
[処理液組成A](耐熱性改良処理液)
・第1処理液:キャリアー(p−クロルフェノール・ホルマリンレゾルシン縮合物のアンモニア水溶液;ナガセケムテックス(株)デナボンド)を含む処理液及びブロックドイソシアネート水溶液(ポリウレタンプレポリマーブロック化体、固形分30%;第一工業製薬(株)エラストロンBN−27)を含む処理液。
・第2処理液:ブロックドイソシアネート水溶液(ポリウレタンプレポリマーブロック化体、固形分30%;第一工業製薬(株)エラストロンBN−27)、エポキシ化合物の分散液(ソルビトール・ポリグリシジル・エーテル;ナガセケムテックス(株)デナコールEX−614)、界面活性剤(ジアルキルスルホコハク酸エステルソーダ塩、固形分75%;第一工業製薬(株)ネオコールP)及びレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)の混合液を含む処理液。
[処理液組成B](公知のナイロン用処理液)
・RFLの混合液。
[処理液組成C](従来のポリエステルコード用エポキシ系処理液)
・第1処理液:エポキシ化合物の分散液(ソルビトール・ポリグリシジル・エーテル;ナガセケムテックス(株)デナコールEX−614)を含む処理液。
・第2処理液:RFLの混合液。
[高速耐久性]
ドラム試験機により、FMVSS109に規定される高速耐久性試験を終了した後、さらに30分毎に速度を8km/hずつ増加させて、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。従来例(コントロール)を100とする指数で示した。値が大きいほど良好である。
[ロードノイズ]
試作タイヤを標準リムを用いて、内圧220kPaに調整し実車(排気量2500cc、セダン)に装着し、車室内運転席窓側耳の位置にマイクロフォンを設置し、2名乗車でロードノイズ測定用テストコースを60km/hの速度で走行したときの音圧を測定した。評価結果は測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数で示した。値が大きいほどロードノイズ低減効果が大きく良好である。
Figure 2008279841
表1に示す結果から明らかなように、本発明にかかる実施例1、2のタイヤはベルト補強層にNy66コードを使用した従来例タイヤに対して、コードモジュラスを高めることでタガ効果とトレッド剛性を向上し、高速耐久性とロードノイズのバランスよい性能が得られる。
これに対して、従来のPETコードを使用した比較例1は、処理液Aを使用しても耐熱接着性は十分でなく、高速耐久性とロードノイズが向上しない。また、処理液CではPENコードの耐熱接着が劣り高速耐久性が向上しない。PENのコード強度の低い比較例3では、コード使用量増により接着破壊が起こりやすくなり耐久性が低下し、2%伸張モジュラスの小さい比較例4ではタガ効果が十分発揮できず高速耐久性の延びが少ない。またモジュラス比の大きい比較例5は、加硫成形不良からユニフォミティーが悪くなり耐久性が低下し、耐熱接着性が改善されていない比較例6では高速耐久性の向上代が少ない。
以上の通り、本発明の空気入りラジアルタイヤは、高速耐久性とロードノイズを向上することができ、乗用車用のラジアルタイヤ、特に速度記号が「V」レンジ以上の高性能タイヤに好適である。
実施形態の空気入りラジアルタイヤの半断面図である。
符号の説明
3……トレッド部
5……カーカス
6……ベルト
7、8……ベルト補強層
T……空気入りラジアルタイヤ

Claims (4)

  1. ラジアルカーカスのクラウン部外周に設けた少なくとも2層のコード交差層からなるベルトと、該ベルトの外周に沿ってタイヤ周方向に対して実質的に0度の角度で配列したポリエチレン−2,6−ナフタレートコードよりなるベルト補強層とを備える空気入りラジアルタイヤにおいて、
    前記ポリエチレン−2,6−ナフタレートコードの強度が5.0cN/dtex以上、22℃における2%伸張モジュラスが1.0cN/dtex以上を有し、
    前記2%伸張モジュラスに対する150℃における2%伸張モジュラスの比が0.20〜0.33であり、かつ、
    170℃×120分加硫での剥離接着力が、140℃×40分加硫での剥離接着力の80%以上を保持し、140℃×40分加硫での剥離接着試験後のゴム被覆率が90%以上、170℃×120分加硫での剥離接着試験後のゴム被覆率が80%以上である
    ことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記ベルト補強層をタイヤ幅方向の中央部と両端部とに区分し、前記中央部のベルト補強層は1または2層の補強層で構成され、前記両端部のベルト補強層は1〜3層の補強層で構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記ベルト補強層が、ポリエチレン−2,6−ナフタレートコードを複数本含むゴム引きされた幅狭のストリップを前記コードがタイヤ周方向に対して実質上0度になるようにラセン状にエンドレスに巻きつけることにより形成される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. JATMA規定の速度記号が「V」以上の乗用車用タイヤである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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