JPH1190394A - 重金属含有廃棄物用処理剤及び重金属含有廃棄物の安定化処理法 - Google Patents
重金属含有廃棄物用処理剤及び重金属含有廃棄物の安定化処理法Info
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- JPH1190394A JPH1190394A JP9274957A JP27495797A JPH1190394A JP H1190394 A JPH1190394 A JP H1190394A JP 9274957 A JP9274957 A JP 9274957A JP 27495797 A JP27495797 A JP 27495797A JP H1190394 A JPH1190394 A JP H1190394A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】重金属含有廃棄物を安定化処理した場合、重金
属イオンの溶出を基準値以下に安定化でき、しかもその
重金属イオンの安定化の効果を持続させて完全に2次公
害を防ぐことができる処理剤及び処理法を提供するこ
と。 【解決手段】常温で固体であるポゾラン活性物質及び包
接化合物または多糖類から選ばれる1種を以上含有する
ことを特徴とする重金属含有廃棄物用処理剤及び該処理
剤と重金属含有廃棄物及び必要により水を混合、混練す
ることを特徴とする重金属含有廃棄物の安定化処理法。
属イオンの溶出を基準値以下に安定化でき、しかもその
重金属イオンの安定化の効果を持続させて完全に2次公
害を防ぐことができる処理剤及び処理法を提供するこ
と。 【解決手段】常温で固体であるポゾラン活性物質及び包
接化合物または多糖類から選ばれる1種を以上含有する
ことを特徴とする重金属含有廃棄物用処理剤及び該処理
剤と重金属含有廃棄物及び必要により水を混合、混練す
ることを特徴とする重金属含有廃棄物の安定化処理法。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般廃棄物並びに
産業廃棄物中に含有される重金属を不溶化し、安定化処
理するのに有効な廃棄物の処理剤、及びその処理法に関
する。更に詳細には、都市ゴミ、産業廃棄物、汚泥等の
焼却炉、及び溶融炉などから発生する焼却灰や飛灰、廃
棄物等に含まれる重金属を不溶化し、安定化処理するの
に有効な廃棄物の処理剤、及びその処理法に関する。
産業廃棄物中に含有される重金属を不溶化し、安定化処
理するのに有効な廃棄物の処理剤、及びその処理法に関
する。更に詳細には、都市ゴミ、産業廃棄物、汚泥等の
焼却炉、及び溶融炉などから発生する焼却灰や飛灰、廃
棄物等に含まれる重金属を不溶化し、安定化処理するの
に有効な廃棄物の処理剤、及びその処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市及び工場等から発生する廃棄
物が増大するなか、重金属を含有する廃棄物は、環境対
策上、十分な無害化処理が必要になっている。特に重金
属を含有する都市ゴミの焼却灰や産業廃棄物は、特別管
理廃棄物としてその処理、処分に際して厳しい規制が設
けられている。
物が増大するなか、重金属を含有する廃棄物は、環境対
策上、十分な無害化処理が必要になっている。特に重金
属を含有する都市ゴミの焼却灰や産業廃棄物は、特別管
理廃棄物としてその処理、処分に際して厳しい規制が設
けられている。
【0003】従来、重金属を含有する廃棄物を処分する
場合には、セメントと混合し、必要により水を添加して
混練し重金属などの溶出を防ぎ安定化する方法が採られ
ている。しかしながら、平成7年度から適用された埋め
立て処理を行う廃棄物からの重金属の溶出基準値は、最
も安定化処理が難しいとされる鉛の場合、環境庁告示第
13号(以下環告13号と称す)に基づく溶出試験で
0.3mg/l以下に安定化することを義務付けている
が、セメントのみでこの基準をクリヤーするには難しい
状況にある。
場合には、セメントと混合し、必要により水を添加して
混練し重金属などの溶出を防ぎ安定化する方法が採られ
ている。しかしながら、平成7年度から適用された埋め
立て処理を行う廃棄物からの重金属の溶出基準値は、最
も安定化処理が難しいとされる鉛の場合、環境庁告示第
13号(以下環告13号と称す)に基づく溶出試験で
0.3mg/l以下に安定化することを義務付けている
が、セメントのみでこの基準をクリヤーするには難しい
状況にある。
【0004】これは、代表的なセメントである普通ポル
トランドセメントと廃棄物を混合、固化させる場合を例
にとると、水和過程において生成する水酸化カルシウム
はセメントの硬化を促進する反面、過剰に生成した水酸
化カルシウムが廃棄物とセメントとの混合物のpHを高
め、両性金属である鉛等の重金属化合物の溶解度を増大
させるため、本来セメントが有していると考えられる重
金属安定化効果が大きく損なわれるためと考えられる。
トランドセメントと廃棄物を混合、固化させる場合を例
にとると、水和過程において生成する水酸化カルシウム
はセメントの硬化を促進する反面、過剰に生成した水酸
化カルシウムが廃棄物とセメントとの混合物のpHを高
め、両性金属である鉛等の重金属化合物の溶解度を増大
させるため、本来セメントが有していると考えられる重
金属安定化効果が大きく損なわれるためと考えられる。
【0005】また、セメントを使用した場合、連続で使
用している場合はよいが、メンテナンスなどで処理を中
断する場合はセメントサイロ、配管、混合機や混練機等
の設備を洗浄しないと残留している処理物が前記機械の
器壁で固化してしまうというメンテナンス作業性等の問
題もある。
用している場合はよいが、メンテナンスなどで処理を中
断する場合はセメントサイロ、配管、混合機や混練機等
の設備を洗浄しないと残留している処理物が前記機械の
器壁で固化してしまうというメンテナンス作業性等の問
題もある。
【0006】また更に、硫黄含有キレート剤等によって
薬剤処理して重金属イオンを捕捉し安定化する事も試み
られているが、これによれば前記溶出基準値以下に安定
化することも可能である。しかしながら、このような薬
剤は高価であるばかりか、安定化処理後の重金属イオン
の保持の持続性が不十分なため、処理直後は充分な重金
属安定化の効果を発現しても、経時的に重金属イオンの
溶出量が増大するといった問題点を有している。
薬剤処理して重金属イオンを捕捉し安定化する事も試み
られているが、これによれば前記溶出基準値以下に安定
化することも可能である。しかしながら、このような薬
剤は高価であるばかりか、安定化処理後の重金属イオン
の保持の持続性が不十分なため、処理直後は充分な重金
属安定化の効果を発現しても、経時的に重金属イオンの
溶出量が増大するといった問題点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記したとおり、従来
の重金属含有廃棄物用処理剤及び処理法では、溶出基準
以下に重金属イオンを安定化することが困難であるばか
りでなく、安定化ができても、その保持の持続性、耐久
性に問題があり経時的に2次公害が懸念される。
の重金属含有廃棄物用処理剤及び処理法では、溶出基準
以下に重金属イオンを安定化することが困難であるばか
りでなく、安定化ができても、その保持の持続性、耐久
性に問題があり経時的に2次公害が懸念される。
【0008】本発明の目的は、重金属含有廃棄物を安定
化処理した場合、重金属イオンの溶出を基準値以下に安
定化出来、しかもその重金属イオン安定化の効果を持続
させて完全に2次公害を防ぐことができる処理剤及び処
理法を提供することにある。
化処理した場合、重金属イオンの溶出を基準値以下に安
定化出来、しかもその重金属イオン安定化の効果を持続
させて完全に2次公害を防ぐことができる処理剤及び処
理法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこうした実
情に鑑み、重金属含有廃棄物を完全に安定化できる処理
剤及び処理法を求めて鋭意検討した結果、本発明を完成
させるに至った。即ち、本発明は、
情に鑑み、重金属含有廃棄物を完全に安定化できる処理
剤及び処理法を求めて鋭意検討した結果、本発明を完成
させるに至った。即ち、本発明は、
【0010】(1)常温で固体であるポゾラン活性物質
並びに包接化合物及び多糖類から選ばれる1種以上を含
有することを特徴とする重金属含有廃棄物用処理剤、
(2)ポゾラン活性物質中のシリカ成分をSiO2換算した
場合のシリカ成分含有量が40重量%以上である上記
(1)記載の処理剤、(3)ポゾラン活性物質中のアル
ミナ成分をAl2O3 換算した場合のアルミナ成分含有量が
0. 2重量%以上40重量%未満である上記(1)また
は(3)記載の処理剤、(4)ポゾラン活性物質の粒径
が30μm以下である上記(1)〜(3)のいずれか1
項に記載の処理剤、(5)ポゾラン活性物質の比表面積
が5,000〜3,000,000cm2/g である上記
(1)〜(4)のいずれか1項に記載の処理剤、(6)
包接化合物がβ−シクロデキストリンである上記(1)
〜(5)のいずれか1項に記載の処理剤、(7)多糖類
が単一多糖類またはその誘導体である上記(1)〜
(6)のいずれか1項に記載の処理剤、(8)多糖類が
α−スターチである上記(1)〜(7)のいずれか1項
に記載の処理剤、(9)更に分散剤及び水を含有する上
記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の処理剤、(1
0)重金属含有廃棄物、上記(1)〜(9)のいずれか
1項に記載の処理剤、及び必要に応じて水を加えて、混
合、混練することを特徴とする重金属含有廃棄物の処理
法、(11)重金属含有廃棄物、上記(1)〜(9)の
いずれか1項に記載の処理剤、及び必要に応じて水を加
えて混合、混練した後40℃以上に加熱することを特徴
とする重金属含有廃棄物の処理法、(12)重金属含有
廃棄物がゴミ焼却場の焼却灰や飛灰、汚染土壌、又は、
総理府令第5号に定める判定基準を満足しなければなら
ない金属などを含む産業廃棄物である上記(10)また
は(11)記載の重金属含有廃棄物の処理法、(13)
環告13号に基づく溶出試験後の溶出液のpHが中性ま
たは酸性である重金属含有廃棄物に上記(1)〜(9)
のいずれか1項に記載の処理剤及び塩基性物質を添加し
処理する上記(10)〜(12)のいずれか1項に記載
の処理法、(14)環告13号に基づく溶出試験後の溶
出液のpHが塩基性である重金属含有廃棄物に上記
(1)〜(9)のいずれか1項に記載の処理剤及び酸性
物質を添加し処理する上記(10)〜(13)のいずれ
か1項に記載の処理法、(15)上記(11)〜(1
4)のいずれか1項に記載の処理法で得られた処理物に
関する。
並びに包接化合物及び多糖類から選ばれる1種以上を含
有することを特徴とする重金属含有廃棄物用処理剤、
(2)ポゾラン活性物質中のシリカ成分をSiO2換算した
場合のシリカ成分含有量が40重量%以上である上記
(1)記載の処理剤、(3)ポゾラン活性物質中のアル
ミナ成分をAl2O3 換算した場合のアルミナ成分含有量が
0. 2重量%以上40重量%未満である上記(1)また
は(3)記載の処理剤、(4)ポゾラン活性物質の粒径
が30μm以下である上記(1)〜(3)のいずれか1
項に記載の処理剤、(5)ポゾラン活性物質の比表面積
が5,000〜3,000,000cm2/g である上記
(1)〜(4)のいずれか1項に記載の処理剤、(6)
包接化合物がβ−シクロデキストリンである上記(1)
〜(5)のいずれか1項に記載の処理剤、(7)多糖類
が単一多糖類またはその誘導体である上記(1)〜
(6)のいずれか1項に記載の処理剤、(8)多糖類が
α−スターチである上記(1)〜(7)のいずれか1項
に記載の処理剤、(9)更に分散剤及び水を含有する上
記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の処理剤、(1
0)重金属含有廃棄物、上記(1)〜(9)のいずれか
1項に記載の処理剤、及び必要に応じて水を加えて、混
合、混練することを特徴とする重金属含有廃棄物の処理
法、(11)重金属含有廃棄物、上記(1)〜(9)の
いずれか1項に記載の処理剤、及び必要に応じて水を加
えて混合、混練した後40℃以上に加熱することを特徴
とする重金属含有廃棄物の処理法、(12)重金属含有
廃棄物がゴミ焼却場の焼却灰や飛灰、汚染土壌、又は、
総理府令第5号に定める判定基準を満足しなければなら
ない金属などを含む産業廃棄物である上記(10)また
は(11)記載の重金属含有廃棄物の処理法、(13)
環告13号に基づく溶出試験後の溶出液のpHが中性ま
たは酸性である重金属含有廃棄物に上記(1)〜(9)
のいずれか1項に記載の処理剤及び塩基性物質を添加し
処理する上記(10)〜(12)のいずれか1項に記載
の処理法、(14)環告13号に基づく溶出試験後の溶
出液のpHが塩基性である重金属含有廃棄物に上記
(1)〜(9)のいずれか1項に記載の処理剤及び酸性
物質を添加し処理する上記(10)〜(13)のいずれ
か1項に記載の処理法、(15)上記(11)〜(1
4)のいずれか1項に記載の処理法で得られた処理物に
関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で必須成分として用いるポゾラン活性物質は、水
と酸化カルシウム、水酸化カルシウム又は水酸化アルミ
ニウム等と反応して硬化する物質であり、前記性質を備
えている限り特に限定されない。用いうるポゾラン活性
化物質の具体例としては、シリカダスト、珪藻土、タル
ク、アエロジル、ホワイトカーボン、カオリン、メタカ
オリン、活性白土、酸性白土等を挙げることが出来る。
また、これらポゾラン活性物質は、ポゾラン活性物質中
のシリカ成分をSiO2換算した場合のシリカ成分含有量が
40重量%以上、好ましくは50重量%であるものまた
はポゾラン活性物質中のアルミナ成分をAl2O3 換算した
場合のアルミナ成分含有量が0. 2重量%以上40重量
%未満であるものを使用するのが好ましい。これらポゾ
ラン活性物質は、単独で用いることもできるし、1種以
上を併用して用いることもできる。
本発明で必須成分として用いるポゾラン活性物質は、水
と酸化カルシウム、水酸化カルシウム又は水酸化アルミ
ニウム等と反応して硬化する物質であり、前記性質を備
えている限り特に限定されない。用いうるポゾラン活性
化物質の具体例としては、シリカダスト、珪藻土、タル
ク、アエロジル、ホワイトカーボン、カオリン、メタカ
オリン、活性白土、酸性白土等を挙げることが出来る。
また、これらポゾラン活性物質は、ポゾラン活性物質中
のシリカ成分をSiO2換算した場合のシリカ成分含有量が
40重量%以上、好ましくは50重量%であるものまた
はポゾラン活性物質中のアルミナ成分をAl2O3 換算した
場合のアルミナ成分含有量が0. 2重量%以上40重量
%未満であるものを使用するのが好ましい。これらポゾ
ラン活性物質は、単独で用いることもできるし、1種以
上を併用して用いることもできる。
【0012】また、ポゾラン活性物質は、非晶質である
ほうが反応性が高く重金属に対する安定化効果が高い。
また、ポゾラン活性物質は、微細で比表面積の大きいも
のある程反応性が高くまた吸着能が大きいため重金属に
対する安定化効果が高い。その粒径は通常30μm以
下、好ましくは20μm以下、特に好ましくは5nm〜1
0μmであり、その比表面積は通常5,000〜3,0
00,000cm2/g 、好ましくは10,000〜3,0
00,000cm2/g 、特に好ましくは30,000〜
3,000,000cm2/g である。
ほうが反応性が高く重金属に対する安定化効果が高い。
また、ポゾラン活性物質は、微細で比表面積の大きいも
のある程反応性が高くまた吸着能が大きいため重金属に
対する安定化効果が高い。その粒径は通常30μm以
下、好ましくは20μm以下、特に好ましくは5nm〜1
0μmであり、その比表面積は通常5,000〜3,0
00,000cm2/g 、好ましくは10,000〜3,0
00,000cm2/g 、特に好ましくは30,000〜
3,000,000cm2/g である。
【0013】重金属含有廃棄物をポゾラン活性物質で安
定化処理する場合のポゾラン活性物質の配合量は、使用
するポゾラン活性物質の種類と重金属含有廃棄物中に含
まれる重金属の種類や量、特に鉛の含有量に左右される
が、概ね重金属含有廃棄物100重量部に対し、0.1
〜60重量部、好ましくは1〜40重量部、より好まし
くは1.5〜20重量部である。
定化処理する場合のポゾラン活性物質の配合量は、使用
するポゾラン活性物質の種類と重金属含有廃棄物中に含
まれる重金属の種類や量、特に鉛の含有量に左右される
が、概ね重金属含有廃棄物100重量部に対し、0.1
〜60重量部、好ましくは1〜40重量部、より好まし
くは1.5〜20重量部である。
【0014】本発明の重金属含有廃棄物用処理剤(以
下、本発明の処理剤と称す)は、ポゾラン活性物質の他
に包接化合物及び/または多糖類を用いる。これらはそ
れぞれ単独でまた必要により2種以上を適宜選択して用
いることができる。包接化合物は、分子の連なりによる
3次元骨格構造とそれによって形成される格子内に適当
な大きさの隙間を持つ様な構造を形成している物質であ
る。包接化合物(ホスト)は水素結合、ファンデルワー
ルス力等によって重金属化合物や重金属イオンをゲスト
化合物として取り込みホスト−ゲスト化合物として安定
化する事ができる。また、多糖類は水の存在下で吸水−
膨潤挙動を呈したり糊状に変化したりするが、これらの
変化が重金属化合物と自由水との隔離作用によって重金
属化合物を封じ込めたり、接着効果によって重金属化合
物を封じ込めたりして重金属含有廃棄物の安定化に寄与
しているものと推察される。これらはポゾラン活性物質
と併用することにより、従来得られなかった重金属の安
定化効果が得られる。
下、本発明の処理剤と称す)は、ポゾラン活性物質の他
に包接化合物及び/または多糖類を用いる。これらはそ
れぞれ単独でまた必要により2種以上を適宜選択して用
いることができる。包接化合物は、分子の連なりによる
3次元骨格構造とそれによって形成される格子内に適当
な大きさの隙間を持つ様な構造を形成している物質であ
る。包接化合物(ホスト)は水素結合、ファンデルワー
ルス力等によって重金属化合物や重金属イオンをゲスト
化合物として取り込みホスト−ゲスト化合物として安定
化する事ができる。また、多糖類は水の存在下で吸水−
膨潤挙動を呈したり糊状に変化したりするが、これらの
変化が重金属化合物と自由水との隔離作用によって重金
属化合物を封じ込めたり、接着効果によって重金属化合
物を封じ込めたりして重金属含有廃棄物の安定化に寄与
しているものと推察される。これらはポゾラン活性物質
と併用することにより、従来得られなかった重金属の安
定化効果が得られる。
【0015】用いうる包接化合物は特に限定されない
が、具体例としては、α−シクロデキストリン、β−シ
クロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ポリ−β
−シクロデキストリン等のシクロデキストリン及びこれ
らの誘導体、12−クラウン4−エーテル、15−クラ
ウン5−エーテル、18−クラウン6−エーテル、1−
アザ−18−クラウン6−エーテル、4,13−ジアザ
−18−クラウン6−エーテル、18−クラウン6−チ
オエーテル、クリプタンド等のクラウンエーテル類及び
これらの誘導体、5,10,15,20−テトラキス
(ρ−スルホフェニル)ポルフィン等のポルフィン類及
びこれらの誘導体、37,38,39,40,41,4
2−ヘキサヒドロキシカリックス[6]アレン等のカリ
ックスアレン類及びこれらの誘導体、1,3,5,2,
4,6−トリアザトリホスホリン等のホスファゼン類及
びこれらの誘導体、デオキシコール酸、アポコール酸等
のコール酸類及びこれらの誘導体を挙げることができ
る。これらの包接化合物のうちシクロデキストリン類ま
たはその誘導体が好ましく、β−シクロデキストリンが
更に好ましい。これら包接化合物は1種類でも、また2
種以上を併用しても良い。
が、具体例としては、α−シクロデキストリン、β−シ
クロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ポリ−β
−シクロデキストリン等のシクロデキストリン及びこれ
らの誘導体、12−クラウン4−エーテル、15−クラ
ウン5−エーテル、18−クラウン6−エーテル、1−
アザ−18−クラウン6−エーテル、4,13−ジアザ
−18−クラウン6−エーテル、18−クラウン6−チ
オエーテル、クリプタンド等のクラウンエーテル類及び
これらの誘導体、5,10,15,20−テトラキス
(ρ−スルホフェニル)ポルフィン等のポルフィン類及
びこれらの誘導体、37,38,39,40,41,4
2−ヘキサヒドロキシカリックス[6]アレン等のカリ
ックスアレン類及びこれらの誘導体、1,3,5,2,
4,6−トリアザトリホスホリン等のホスファゼン類及
びこれらの誘導体、デオキシコール酸、アポコール酸等
のコール酸類及びこれらの誘導体を挙げることができ
る。これらの包接化合物のうちシクロデキストリン類ま
たはその誘導体が好ましく、β−シクロデキストリンが
更に好ましい。これら包接化合物は1種類でも、また2
種以上を併用しても良い。
【0016】これら包接化合物の使用量は、ポゾラン活
性物質の種類、粒度や比表面積、あるいは重金属含有廃
棄物の種類、特に重金属イオンの溶出量によって適宜決
めなければならないが、概ねポゾラン活性物質100重
量部に対して、1〜100重量部、好ましくは1〜20
重量部である。包接化合物は一般に高価であるため配合
割合が少ない方が経済的には好ましいが、少なすぎると
充分な重金属安定化効果を発現し難くなり好ましくな
い。
性物質の種類、粒度や比表面積、あるいは重金属含有廃
棄物の種類、特に重金属イオンの溶出量によって適宜決
めなければならないが、概ねポゾラン活性物質100重
量部に対して、1〜100重量部、好ましくは1〜20
重量部である。包接化合物は一般に高価であるため配合
割合が少ない方が経済的には好ましいが、少なすぎると
充分な重金属安定化効果を発現し難くなり好ましくな
い。
【0017】また、本発明で用いうる多糖類の具体例と
しては、アガロース、α−アミロース、β−アミロー
ス、アミロペクチン、スターチ、α−スターチ、マンナ
ン、アミロデキストリン、エリスロデキストリン、アク
ロデキストリン、グリコーゲン、セルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
デキストラン、イヌリン、ガラクタン、キチン、キトサ
ン、アルギン酸等の単一多糖類及びこれらの誘導体、ペ
クチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン
等の複合多糖類及びこれらの誘導体を挙げることがで
き、2種以上を併用しても良い。これらの多糖類のうち
α−スターチ、デキストリン、アルギン酸、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースを使
用することが重金属安定化効果及び経済性の面から好ま
しく、α−スターチが特に好ましい。
しては、アガロース、α−アミロース、β−アミロー
ス、アミロペクチン、スターチ、α−スターチ、マンナ
ン、アミロデキストリン、エリスロデキストリン、アク
ロデキストリン、グリコーゲン、セルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
デキストラン、イヌリン、ガラクタン、キチン、キトサ
ン、アルギン酸等の単一多糖類及びこれらの誘導体、ペ
クチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン
等の複合多糖類及びこれらの誘導体を挙げることがで
き、2種以上を併用しても良い。これらの多糖類のうち
α−スターチ、デキストリン、アルギン酸、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースを使
用することが重金属安定化効果及び経済性の面から好ま
しく、α−スターチが特に好ましい。
【0018】多糖類の使用量は、ポゾラン活性物質の種
類、粒度や比表面積、あるいは重金属含有廃棄物の種
類、特に重金属イオンの溶出量の多少により異なるが、
概ねポゾラン活性物質100重量部に対して、5〜10
00重量部、好ましくは10〜800重量部、更に好ま
しくは10〜500重量部である。
類、粒度や比表面積、あるいは重金属含有廃棄物の種
類、特に重金属イオンの溶出量の多少により異なるが、
概ねポゾラン活性物質100重量部に対して、5〜10
00重量部、好ましくは10〜800重量部、更に好ま
しくは10〜500重量部である。
【0019】本発明の処理剤は通常粉末の状態である
が、スラリー状の液状組成物としても取り扱う事が出来
る。すなわち、ポゾラン活性物質及び包接化合物及び/
または多糖類に分散剤と水或いは酸及び酸性塩を含んだ
水溶液を添加し、必要により増粘剤として水溶性高分子
を加えて、混合、混練することにより、スラリー状の本
発明の処理剤を得ることが出来る。
が、スラリー状の液状組成物としても取り扱う事が出来
る。すなわち、ポゾラン活性物質及び包接化合物及び/
または多糖類に分散剤と水或いは酸及び酸性塩を含んだ
水溶液を添加し、必要により増粘剤として水溶性高分子
を加えて、混合、混練することにより、スラリー状の本
発明の処理剤を得ることが出来る。
【0020】この液状組成物を調製する際に使用する分
散剤は、粒子を均一に分散する役割を果たす。分散剤と
しては、水溶性でポゾラン活性物質、包接化合物や多糖
類を均一に分散できるものであれば良く、例えば、ナフ
タリンスルホン酸のホルマリン縮合物、メラミンスルホ
ン酸ホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸縮合物等の
セメント、コンクリートの分散剤として一般に知られて
いるもの等が使用出来る。これらの分散剤は2種以上を
併用しても良い。
散剤は、粒子を均一に分散する役割を果たす。分散剤と
しては、水溶性でポゾラン活性物質、包接化合物や多糖
類を均一に分散できるものであれば良く、例えば、ナフ
タリンスルホン酸のホルマリン縮合物、メラミンスルホ
ン酸ホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸縮合物等の
セメント、コンクリートの分散剤として一般に知られて
いるもの等が使用出来る。これらの分散剤は2種以上を
併用しても良い。
【0021】これらの分散剤の使用量は、使用するポゾ
ラン活性物質の種類、粒度や比表面積、包接化合物や多
糖類の種類や添加量等により異なるが、ポゾラン活性物
質の合計量100重量部に対して通常0.1〜10重量
部、好ましくは0.3〜7重量部、特に好ましくは0.
5〜5重量部である。分散剤の使用量が0.1重量部よ
り少ないと、添加する水の量にもよるが、分散性が悪く
なり好ましくない。10重量部以上用いても添加量に見
合った効果が得られず、経済的に不利である。
ラン活性物質の種類、粒度や比表面積、包接化合物や多
糖類の種類や添加量等により異なるが、ポゾラン活性物
質の合計量100重量部に対して通常0.1〜10重量
部、好ましくは0.3〜7重量部、特に好ましくは0.
5〜5重量部である。分散剤の使用量が0.1重量部よ
り少ないと、添加する水の量にもよるが、分散性が悪く
なり好ましくない。10重量部以上用いても添加量に見
合った効果が得られず、経済的に不利である。
【0022】水の使用量は、使用するポゾラン活性物質
の種類、粒度や比表面積、包接化合物や多糖類の種類や
添加量等により異なるが、ポゾラン活性物質の合計量1
00重量部に対して通常10〜60重量部、好ましくは
15〜40重量部、更に好ましくは18〜30重量部で
ある。10重量部より少ないと液状にすることが困難と
なり好ましくない。また60重量部以上使用すると分散
性は得られるが、長期安定性が悪くなり好ましくない。
通常、分散剤の添加量を増大させると、分散させるのに
必要な水の量は少なくて良い傾向にある。
の種類、粒度や比表面積、包接化合物や多糖類の種類や
添加量等により異なるが、ポゾラン活性物質の合計量1
00重量部に対して通常10〜60重量部、好ましくは
15〜40重量部、更に好ましくは18〜30重量部で
ある。10重量部より少ないと液状にすることが困難と
なり好ましくない。また60重量部以上使用すると分散
性は得られるが、長期安定性が悪くなり好ましくない。
通常、分散剤の添加量を増大させると、分散させるのに
必要な水の量は少なくて良い傾向にある。
【0023】本発明の処理剤はポゾラン活性物質を主成
分としているため、セメントを使用した場合のように使
用中または保存中に吸湿して固化し使用できなくなると
いった欠点がなく、また使用後数時間で水洗しなければ
装置の内壁に固化物が付着して装置そのものが使用でき
なくなるといったことが無いため設備メンテナンスが軽
微である。また更に、粉体でも取り扱うことができるが
粉体作業を嫌う場合は上記のようなスラリー状の液状組
成物として取り扱うことができるといった利点を有して
いる。この液状組成物として取り扱える利点は他に、粉
体で保存するよりも体積が小さくなるため貯蔵のための
サイロなどの大型の設備を必要としない、重金属含有廃
棄物との混合、混練が容易になる等という利点を有して
いる。このようにセメントを使用する場合に比べて重金
属安定化効果や作業性のメリットが大きく、必要に応じ
て液体状処理剤とすることも可能なため、セメント固化
施設のような大型の施設を必要としないメリットもあ
る。
分としているため、セメントを使用した場合のように使
用中または保存中に吸湿して固化し使用できなくなると
いった欠点がなく、また使用後数時間で水洗しなければ
装置の内壁に固化物が付着して装置そのものが使用でき
なくなるといったことが無いため設備メンテナンスが軽
微である。また更に、粉体でも取り扱うことができるが
粉体作業を嫌う場合は上記のようなスラリー状の液状組
成物として取り扱うことができるといった利点を有して
いる。この液状組成物として取り扱える利点は他に、粉
体で保存するよりも体積が小さくなるため貯蔵のための
サイロなどの大型の設備を必要としない、重金属含有廃
棄物との混合、混練が容易になる等という利点を有して
いる。このようにセメントを使用する場合に比べて重金
属安定化効果や作業性のメリットが大きく、必要に応じ
て液体状処理剤とすることも可能なため、セメント固化
施設のような大型の施設を必要としないメリットもあ
る。
【0024】重金属含有廃棄物が環告13号の溶出試験
の溶出液が高アルカリ性である都市ゴミ焼却飛灰等の場
合は、鉛化合物のような両性重金属化合物が溶解しやす
くなるため塩酸、硫酸、硝酸、ポリ塩化アルミニウム、
塩化第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸アルミニウム等の無機酸
性物質、酢酸、クエン酸等の有機酸性物質等の酸性物質
を添加してpHを弱アルカリ性にコントロールすると本
発明の処理剤の重金属安定化効果が増強する。また、環
告13号の溶出試験の溶出液が中性または酸性である電
炉灰、溶融飛灰、汚染土壌等の重金属含有廃棄物の場合
は、本発明の処理剤に水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等のアルカリ
土類金属の水酸化物、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、
メタ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウム等のアルカ
リ金属の珪酸塩、燐酸1ナトリウム、燐酸2ナトリウム
等のアルカリ金属の燐酸塩、セメント、セメントクリン
カー等のような塩基性物質を添加してpHを弱アルカリ
性にコントロールすると本発明の処理剤の重金属安定化
効果を増強する。但し、重金属含有廃棄物を安定化する
とともに固形化(強度付与)する目的で本発明の処理剤
を使用する場合は、水酸化カルシウムのようなポゾラン
反応を促進する化合物を添加することが好ましい。
の溶出液が高アルカリ性である都市ゴミ焼却飛灰等の場
合は、鉛化合物のような両性重金属化合物が溶解しやす
くなるため塩酸、硫酸、硝酸、ポリ塩化アルミニウム、
塩化第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸アルミニウム等の無機酸
性物質、酢酸、クエン酸等の有機酸性物質等の酸性物質
を添加してpHを弱アルカリ性にコントロールすると本
発明の処理剤の重金属安定化効果が増強する。また、環
告13号の溶出試験の溶出液が中性または酸性である電
炉灰、溶融飛灰、汚染土壌等の重金属含有廃棄物の場合
は、本発明の処理剤に水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等のアルカリ
土類金属の水酸化物、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、
メタ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウム等のアルカ
リ金属の珪酸塩、燐酸1ナトリウム、燐酸2ナトリウム
等のアルカリ金属の燐酸塩、セメント、セメントクリン
カー等のような塩基性物質を添加してpHを弱アルカリ
性にコントロールすると本発明の処理剤の重金属安定化
効果を増強する。但し、重金属含有廃棄物を安定化する
とともに固形化(強度付与)する目的で本発明の処理剤
を使用する場合は、水酸化カルシウムのようなポゾラン
反応を促進する化合物を添加することが好ましい。
【0025】これらの酸性物質または塩基性物質の使用
量は、環告13号における溶出試験後の溶出液のpHが
8〜12に調製できる量が好ましい。また、塩基性物質
または酸性物質は予め本発明の処理剤中に添加しておい
ても良いが、後述する本発明の安定化処理法において使
用しても良い。
量は、環告13号における溶出試験後の溶出液のpHが
8〜12に調製できる量が好ましい。また、塩基性物質
または酸性物質は予め本発明の処理剤中に添加しておい
ても良いが、後述する本発明の安定化処理法において使
用しても良い。
【0026】また、本発明の処理剤には、処理した重金
属含有廃棄物の成形性を向上させる等の目的で必要に応
じて種々の混和材を使用しても良い。用いうる混和材の
具体例としては、粉砕された徐冷スラグ、フェロクロム
スラグ、シリカ、アルミナ、タルク、硅砂、硅石粉、ク
レー、カオリン、炭酸カルシウム、陶磁器粉砕物、チタ
ニア、ジルコニア、川砂等の無機充填材、ガラス繊維、
カーボン繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、アラミド
繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ポリエステ
ル等の繊維、セルロース繊維、スチール繊維、アルミナ
繊維等の繊維類が挙げられる。また、砂糖、グルコース
等の硬化遅延剤、シランカップリング剤のような表面処
理剤、顔料等を必要に応じて使用しても良い。
属含有廃棄物の成形性を向上させる等の目的で必要に応
じて種々の混和材を使用しても良い。用いうる混和材の
具体例としては、粉砕された徐冷スラグ、フェロクロム
スラグ、シリカ、アルミナ、タルク、硅砂、硅石粉、ク
レー、カオリン、炭酸カルシウム、陶磁器粉砕物、チタ
ニア、ジルコニア、川砂等の無機充填材、ガラス繊維、
カーボン繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、アラミド
繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ポリエステ
ル等の繊維、セルロース繊維、スチール繊維、アルミナ
繊維等の繊維類が挙げられる。また、砂糖、グルコース
等の硬化遅延剤、シランカップリング剤のような表面処
理剤、顔料等を必要に応じて使用しても良い。
【0027】本発明の処理剤は上記各成分を所定の割合
で均一に混合して得ることができる。粉状の本発明の処
理剤を得る場合、各成分を公知の混合方法で粉体混合す
ればよい。又、液状の本発明の処理剤を得る場合の混合
の仕方は特に限定はされないが、分散剤、水を所定量混
合して水溶液とした後、予め混合しておいたポゾラン活
性物質等の粉体成分に添加する方法が、全体が容易に均
一になるので好ましい。
で均一に混合して得ることができる。粉状の本発明の処
理剤を得る場合、各成分を公知の混合方法で粉体混合す
ればよい。又、液状の本発明の処理剤を得る場合の混合
の仕方は特に限定はされないが、分散剤、水を所定量混
合して水溶液とした後、予め混合しておいたポゾラン活
性物質等の粉体成分に添加する方法が、全体が容易に均
一になるので好ましい。
【0028】本発明の重金属含有廃棄物の安定化処理法
(以下、本発明の処理法と称す)は、本発明の処理剤、
重金属含有廃棄物、必要に応じて水を混合、混練する。
重金属含有廃棄物が水を含有していない場合、又は含有
していても混合混練するのに不十分な場合は水を添加す
る。水の使用量は、重金属含有廃棄物の含水状態、及び
その粒度によって異なるが、概ね重金属含有廃棄物10
0重量部(乾燥状態で換算)に対して5〜80重量部、
好ましくは10〜50重量部である。しかし、この量は
安定化処理を行った後の処理体の形状をどのようにする
か、すなわちペレット状にするか、顆粒状にするか、泥
状にするかということによっても、異なってくる。処理
に要する時間(混合、混練時間)は、特に制限はなく、
廃棄物と処理剤が均一に混練できればよい。 これらを
混合、混練する設備やこれらの添加順序等は特に限定さ
れない。また、予め混合した本発明の処理剤を重金属含
有廃棄物と混合しても良いし、本発明の処理剤を構成す
る各成分を重金属含有廃棄物と混合しても良い。混合の
方法は、例えばバッチ式で処理を行う場合はニーダール
ーダータイプや撹拌機の付いたアイリッヒタイプの混合
混練機等が使用でき、連続的に処理を行う場合は、空気
や液体輸送中に動力学的な手法を利用した混合方法、一
軸または二軸のパドル型の混練機、パン型ミキサーやバ
イブロミキサー等を使用することができる。
(以下、本発明の処理法と称す)は、本発明の処理剤、
重金属含有廃棄物、必要に応じて水を混合、混練する。
重金属含有廃棄物が水を含有していない場合、又は含有
していても混合混練するのに不十分な場合は水を添加す
る。水の使用量は、重金属含有廃棄物の含水状態、及び
その粒度によって異なるが、概ね重金属含有廃棄物10
0重量部(乾燥状態で換算)に対して5〜80重量部、
好ましくは10〜50重量部である。しかし、この量は
安定化処理を行った後の処理体の形状をどのようにする
か、すなわちペレット状にするか、顆粒状にするか、泥
状にするかということによっても、異なってくる。処理
に要する時間(混合、混練時間)は、特に制限はなく、
廃棄物と処理剤が均一に混練できればよい。 これらを
混合、混練する設備やこれらの添加順序等は特に限定さ
れない。また、予め混合した本発明の処理剤を重金属含
有廃棄物と混合しても良いし、本発明の処理剤を構成す
る各成分を重金属含有廃棄物と混合しても良い。混合の
方法は、例えばバッチ式で処理を行う場合はニーダール
ーダータイプや撹拌機の付いたアイリッヒタイプの混合
混練機等が使用でき、連続的に処理を行う場合は、空気
や液体輸送中に動力学的な手法を利用した混合方法、一
軸または二軸のパドル型の混練機、パン型ミキサーやバ
イブロミキサー等を使用することができる。
【0029】また、本発明の処理法において、本発明の
処理剤、重金属含有廃棄物及び任意成分である水を混
合、混練中、または混合、混練後、混練物を加熱処理す
ると重金属溶出を抑える効果が著しく向上したり、安定
化に要する時間を短縮できるので好ましい。加熱処理
は、混練に伴って発生する熱を利用しても良いし、混練
の終わった混練物をそのまま或いは混練しながら加熱し
てもよい。加熱温度は、40℃以上、好ましくは50℃
以上である。加熱方法は、機械的な方法や前記したよう
な物理化学的な方法等公知の方法でよい。加熱時間は、
混練物の熱伝導率などにもよるが、通常5分以上であ
り、好ましくは10分以上であり、処理物の均一性や作
業性の面から最大24時間も行えば十分である。
処理剤、重金属含有廃棄物及び任意成分である水を混
合、混練中、または混合、混練後、混練物を加熱処理す
ると重金属溶出を抑える効果が著しく向上したり、安定
化に要する時間を短縮できるので好ましい。加熱処理
は、混練に伴って発生する熱を利用しても良いし、混練
の終わった混練物をそのまま或いは混練しながら加熱し
てもよい。加熱温度は、40℃以上、好ましくは50℃
以上である。加熱方法は、機械的な方法や前記したよう
な物理化学的な方法等公知の方法でよい。加熱時間は、
混練物の熱伝導率などにもよるが、通常5分以上であ
り、好ましくは10分以上であり、処理物の均一性や作
業性の面から最大24時間も行えば十分である。
【0030】本発明の処理剤及び処理法で重金属イオン
を安定化処理できる廃棄物に特に制限はなく、例えば、
都市ゴミ焼却灰や飛灰、汚染土壌、汚泥、または総理府
令第5号に定める判定基準を満足しなければならない金
属などを含む産業廃棄物等を単独で或いは混合して処理
することができる。本発明の処理法で都市ゴミ焼却飛灰
を安定化処理する場合、煙道に消石灰や活性炭とともに
本発明の処理剤を添加すると、HClやダイオキシン等
の排ガス処理と同時に煙道の熱を利用した重金属の安定
化処理が出来るため好都合である。この場合、本発明の
処理剤は予め消石灰や活性炭に混合してあってもよい
し、液状または粉末状の本発明の処理剤を煙道に噴霧し
てもよい。
を安定化処理できる廃棄物に特に制限はなく、例えば、
都市ゴミ焼却灰や飛灰、汚染土壌、汚泥、または総理府
令第5号に定める判定基準を満足しなければならない金
属などを含む産業廃棄物等を単独で或いは混合して処理
することができる。本発明の処理法で都市ゴミ焼却飛灰
を安定化処理する場合、煙道に消石灰や活性炭とともに
本発明の処理剤を添加すると、HClやダイオキシン等
の排ガス処理と同時に煙道の熱を利用した重金属の安定
化処理が出来るため好都合である。この場合、本発明の
処理剤は予め消石灰や活性炭に混合してあってもよい
し、液状または粉末状の本発明の処理剤を煙道に噴霧し
てもよい。
【0031】本発明の処理剤及び処理法によれば、重金
属含有廃棄物中の重金属が安定化され、処理後の混練物
から重金属が溶出する事がほとんどなくなり、環告13
号に定められた産業廃棄物に含まれる有害物質の検定方
法による金属溶出試験では、重金属イオンの溶出量はい
ずれも規制値以下となる。
属含有廃棄物中の重金属が安定化され、処理後の混練物
から重金属が溶出する事がほとんどなくなり、環告13
号に定められた産業廃棄物に含まれる有害物質の検定方
法による金属溶出試験では、重金属イオンの溶出量はい
ずれも規制値以下となる。
【0032】こうして得られた本発明の処理物は、その
まま或いは必要により粉砕してセメント・コンクリート
用の骨材や道路の舗装材用骨材として利用したり、必要
に応じて、板状、ブロック状に成形して土木・建設資材
としても利用可能である。
まま或いは必要により粉砕してセメント・コンクリート
用の骨材や道路の舗装材用骨材として利用したり、必要
に応じて、板状、ブロック状に成形して土木・建設資材
としても利用可能である。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】実施例1〜5 都市ゴミの焼却場から得た焼却飛灰(鉛含有量2800
mg/kg )100重量部と、活性白土(SiO2 含有量7
9.5wt%、Al2 O3 含有量10wt%、平均粒径5μ
m、比表面積500,000cm2/g )とβ−シクロデキ
ストリンを表1に示した量を混合して調製した本発明の
処理剤とを混合し、水を表1に示した量添加し混練した
後、環境庁告示13号に基づく鉛の溶出試験をおこなっ
た。結果を表1に併せて示す。なお、使用した焼却飛灰
のPb溶出試験結果は72.5ppmであった。
mg/kg )100重量部と、活性白土(SiO2 含有量7
9.5wt%、Al2 O3 含有量10wt%、平均粒径5μ
m、比表面積500,000cm2/g )とβ−シクロデキ
ストリンを表1に示した量を混合して調製した本発明の
処理剤とを混合し、水を表1に示した量添加し混練した
後、環境庁告示13号に基づく鉛の溶出試験をおこなっ
た。結果を表1に併せて示す。なお、使用した焼却飛灰
のPb溶出試験結果は72.5ppmであった。
【0035】
【表1】 表1 活性白土 β−シクロ 水添加量 環告13号 デキストリン 添加量( 重量部) 添加量( 重量部) (重量部) 鉛溶出量(ppm) 実施例1 4 0.5 31 0.19 実施例2 4 1 32 0.05 実施例3 5 1 33 0.03 実施例4 6 1 32 N.D. 実施例5 8 1 33 N.D. 尚、表1においてN.D.は検出限界(0.01ppm )
以下であることを示す。(以下同様)
以下であることを示す。(以下同様)
【0036】実施例6〜14 都市ゴミの焼却場から得た焼却飛灰(鉛含有量1700
mg/kg )100重量部と、ホワイトカーボン(SiO2
含有量96wt%、平均粒径2μm、比表面積2,00
0,000cm2/g )5重量部と表2に示した包接化合
物、多糖類をそれぞれ5重量部とを混合して調製した本
発明の処理剤と混合し、水を33重量部添加し混練した
後、表2に示した処理条件で養生して環告13号に基づ
く鉛の溶出試験をおこなった。結果を表2に併せて示
す。なお、使用した焼却飛灰のPb溶出試験結果は5
3.8ppmであった。
mg/kg )100重量部と、ホワイトカーボン(SiO2
含有量96wt%、平均粒径2μm、比表面積2,00
0,000cm2/g )5重量部と表2に示した包接化合
物、多糖類をそれぞれ5重量部とを混合して調製した本
発明の処理剤と混合し、水を33重量部添加し混練した
後、表2に示した処理条件で養生して環告13号に基づ
く鉛の溶出試験をおこなった。結果を表2に併せて示
す。なお、使用した焼却飛灰のPb溶出試験結果は5
3.8ppmであった。
【0037】
【表2】 表2 添加物の種類 処理条件 環告13号 (温度、養生時間) 鉛溶出量(ppm) 実施例6 β−シクロデキストリン 40℃、24時間 N.D. 実施例7 α−シクロデキストリン 50℃、18時間 0.21 実施例8 15−クラウン5 室温 、24時間 0.11 ーエーテル 実施例9 デオキシコール酸 80℃、 8時間 0.07 実施例10 α−でんぷん 室温 、36時間 N.D. 実施例11 デキストリン 70℃、12時間 0.18 実施例12 アルギン酸 50℃、24時間 0.10 実施例13 カルボキシメチル 室温 、 7日 0.05 セルロース 実施例14 ヒドロキシプロピル 90℃、 3時間 0.12 セルロース
【0038】実施例15〜19 表3に示した各種重金属含有廃棄物100重量部、シリ
カダスト(SiO2 含有量94wt%、Al2 O3 含有量
1.5wt%、平均粒径1μm、比表面積700,000
cm2/g )5重量部、α−スターチ10重量部及び必要に
応じて表3に示した塩基性物質または酸性物質を表3に
示した量添加し混合した本発明の処理剤と水を表3に示
した量添加し混練した後、環告13号に基づく鉛の溶出
試験をおこなった。結果を表4に示す。
カダスト(SiO2 含有量94wt%、Al2 O3 含有量
1.5wt%、平均粒径1μm、比表面積700,000
cm2/g )5重量部、α−スターチ10重量部及び必要に
応じて表3に示した塩基性物質または酸性物質を表3に
示した量添加し混合した本発明の処理剤と水を表3に示
した量添加し混練した後、環告13号に基づく鉛の溶出
試験をおこなった。結果を表4に示す。
【0039】
【表3】 表3 廃棄物 廃棄物の 塩基性または酸性物質 水 鉛溶出量(ppm) (重量部) (重量部) 実施例15 高アルカリ 32 ポリ塩化 10 28 飛灰 アルミニウム 実施例16 高アルカリ 63 硫酸第一鉄 5 32 飛灰 実施例17 電炉飛灰 25 水酸化カルシウム 7 20 実施例18 焼却灰 2.5 − 10 実施例19 汚泥 8.3 水酸化カルシウム 2 0
【0040】
【表4】 表4 環告13号1日後 環告13号鉛溶出量(ppm) 鉛溶出量(ppm) 溶出液pH 1週後 4週後 13週後 実施例15 0.15 11.5 0.10 0.02 N.D. 実施例16 0.06 11.2 0.03 N.D. N.D. 実施例17 0.02 10.2 N.D. N.D. N.D. 実施例18 0.20 11.9 0.14 0.05 0.02 実施例19 N.D. 9.8 N.D. N.D. N.D.
【0041】本発明の重金属含有廃棄物用処理剤は、重
金属含有廃棄物を安定化処理するのに適しており、重金
属イオンの溶出を高度に安定化させることができ、その
効果は持続的である。また、液状組成物で保存すること
ができるため、従来のセメント固化と薬剤処理のそれぞ
れの欠点を補い、それぞれの長所を有する従来にない重
金属用処理剤である。また、本発明の処理法は特殊な装
置を使用することなく、容易に重金属含有化合物の安定
化を行うことができる。更に、本処理法で得られた処理
物はセメント固化以上の強度を付与できるため骨材や舗
装材などの土木建築資材としてリサイクル可能である。
金属含有廃棄物を安定化処理するのに適しており、重金
属イオンの溶出を高度に安定化させることができ、その
効果は持続的である。また、液状組成物で保存すること
ができるため、従来のセメント固化と薬剤処理のそれぞ
れの欠点を補い、それぞれの長所を有する従来にない重
金属用処理剤である。また、本発明の処理法は特殊な装
置を使用することなく、容易に重金属含有化合物の安定
化を行うことができる。更に、本処理法で得られた処理
物はセメント固化以上の強度を付与できるため骨材や舗
装材などの土木建築資材としてリサイクル可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 17/08 B09B 3/00 ZAB 17/12 304K 17/32 // C09K 103:00
Claims (15)
- 【請求項1】常温で固体であるポゾラン活性物質並びに
包接化合物及び多糖類から選ばれる1種以上を含有する
ことを特徴とする重金属含有廃棄物用処理剤。 - 【請求項2】ポゾラン活性物質中のシリカ成分をSiO2換
算した場合のシリカ成分含有量が40重量%以上である
請求項1記載の処理剤。 - 【請求項3】ポゾラン活性物質中のアルミナ成分をAl2O
3 換算した場合のアルミナ成分含有量が0. 2重量%以
上40重量%未満である請求項1または2記載の処理
剤。 - 【請求項4】ポゾラン活性物質の粒径が30μm以下で
ある請求項1〜3のいずれか1項に記載の処理剤。 - 【請求項5】ポゾラン活性物質の比表面積が5,000
〜3,000,000cm2 /gである請求項1〜4のいず
れか1項に記載の処理剤。 - 【請求項6】包接化合物がβ−シクロデキストリンであ
る請求項1〜5のいずれか1項に記載の処理剤。 - 【請求項7】多糖類が単一多糖類またはその誘導体であ
る請求項1〜6のいずれか1項に記載の処理剤。 - 【請求項8】多糖類がα−スターチである請求項1〜7
のいずれか1項に記載の処理剤。 - 【請求項9】更に分散剤及び水を含有する請求項1〜8
のいずれか1項に記載の処理剤。 - 【請求項10】重金属含有廃棄物、請求項1〜9のいず
れか1項に記載の処理剤、及び必要に応じて水を加え
て、混合、混練することを特徴とする重金属含有廃棄物
の処理法。 - 【請求項11】重金属含有廃棄物、請求項1〜9のいず
れか1項に記載の処理剤、及び必要に応じて水を加えて
混合、混練した後40℃以上に加熱することを特徴とす
る重金属含有廃棄物の処理法。 - 【請求項12】重金属含有廃棄物がゴミ焼却場の焼却灰
や飛灰、汚染土壌、又は、総理府令第5号に定める判定
基準を満足しなければならない金属などを含む産業廃棄
物である請求項10または11記載の重金属含有廃棄物
の処理法。 - 【請求項13】環境庁告示第13号に基づく溶出試験後
の溶出液のpHが中性または酸性である重金属含有廃棄
物に請求項1〜9のいずれか1項に記載の処理剤及び塩
基性物質を添加し処理する請求項10〜12のいずれか
1項に記載の処理法。 - 【請求項14】環境庁告示第13号に基づく溶出試験後
の溶出液のpHが塩基性である重金属含有廃棄物に請求
項1〜9のいずれか1項に記載の処理剤及び酸性物質を
添加し処理する請求項10〜13のいずれか1項に記載
の処理法。 - 【請求項15】請求項10〜14のいずれか1項に記載
の処理法で得られた処理物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9274957A JPH1190394A (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | 重金属含有廃棄物用処理剤及び重金属含有廃棄物の安定化処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP9274957A JPH1190394A (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | 重金属含有廃棄物用処理剤及び重金属含有廃棄物の安定化処理法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1190394A true JPH1190394A (ja) | 1999-04-06 |
Family
ID=17548928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9274957A Pending JPH1190394A (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | 重金属含有廃棄物用処理剤及び重金属含有廃棄物の安定化処理法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH1190394A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1997
- 1997-09-24 JP JP9274957A patent/JPH1190394A/ja active Pending
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