JPH1199370A - 重金属含有廃棄物用処理剤及び重金属含有廃棄物の安定化処理法 - Google Patents

重金属含有廃棄物用処理剤及び重金属含有廃棄物の安定化処理法

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JPH1199370A
JPH1199370A JP9279340A JP27934097A JPH1199370A JP H1199370 A JPH1199370 A JP H1199370A JP 9279340 A JP9279340 A JP 9279340A JP 27934097 A JP27934097 A JP 27934097A JP H1199370 A JPH1199370 A JP H1199370A
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containing waste
waste
treatment
water
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JP9279340A
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Koichi Ikeda
浩一 池田
Wakako Tamura
和佳子 田村
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】重金属含有廃棄物を安定化処理した場合、重金
属イオンの溶出を基準値以下に安定化でき、しかもその
重金属イオンの安定化の効果を持続させて完全に2次公
害を防ぐことができる処理剤及び処理法を提供するこ
と。 【解決手段】潜在水硬性物質及びホウ素化合物を含有す
ることを特徴とする重金属含有廃棄物用処理剤及び該処
理剤と重金属含有廃棄物及び必要により水を混合、混練
することを特徴とする重金属含有廃棄物の安定化処理
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般廃棄物並びに
産業廃棄物中に含有される重金属を不溶化し、安定化処
理するのに有効な廃棄物の処理剤、及びその処理法に関
する。更に詳細には、都市ゴミ、産業廃棄物、汚泥等の
焼却炉、及び溶融炉などから発生する焼却灰や飛灰、廃
棄物に含まれる重金属を不溶化し、安定化処理するのに
有効な廃棄物の処理剤、及びその処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市及び工場等から発生する廃棄
物が増大するなか、重金属を含有する廃棄物は、環境対
策上、十分な無害化処理が必要になっている。特に重金
属を含有する都市ゴミの焼却灰、飛灰や産業廃棄物は、
特別管理廃棄物としてその処理、処分に際して厳しい規
制が設けられている。
【0003】従来、重金属を含有する廃棄物を処分する
場合には、セメントと混合し、必要により水を添加して
混練し重金属などの溶出を防ぎ安定化する方法が採られ
ている。しかしながら、平成7年度から適用された埋め
立て処理を行う廃棄物からの重金属の溶出基準値は、最
も安定化処理が難しいとされる鉛の場合、環境庁告示1
3号に基づく溶出試験で0.3mg/l以下に安定化す
ることを義務付けているが、セメントのみでこの基準を
クリヤーするには難しい状況にある。
【0004】これは、代表的なセメントである普通ポル
トランドセメントと廃棄物を混合、硬化させる場合を例
にとると、水和過程において生成する水酸化カルシウム
はセメントの硬化を促進する反面、過剰に生成した水酸
化カルシウムが廃棄物とセメントとの混合物のpHを高
め、両性元素である鉛等の重金属イオンの溶解度を増大
させるため、本来セメントが有していると考えられる重
金属安定化効果が大きく損なわれるためであると考えら
れる。
【0005】また、セメントを使用した場合、連続で使
用している場合はよいが、処理を中断する場合は混合機
や混練機等の設備を洗浄しないと残留している処理物が
前記機械の器壁で固化してしまうというメンテナンス作
業性等の問題がある。
【0006】また更に、硫黄含有キレート剤等によって
薬剤処理して重金属イオンを捕捉し、安定化する事も試
みられておりこれによれば前記溶出基準値以下に安定化
することも可能である。しかしながら、このような薬剤
は高価であるばかりか、安定化処理後の重金属イオンの
保持の持続性が不十分なため、処理直後は充分な重金属
安定化の効果を発現しても、経時的に重金属イオンの溶
出量が増大するといった問題点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述の様に従来の重金
属含有廃棄物用処理剤及び処理法では、溶出基準以下に
重金属イオンを安定化することが困難であるばかりでな
く、安定化ができても、その保持の持続性、耐久性に問
題があり経時的に2次公害が懸念されるのが現状であ
る。
【0008】本発明の目的は、重金属含有廃棄物を安定
化処理する祭、重金属イオンの溶出を基準値以下に安定
化出来、しかもその重金属イオン安定化の効果を持続さ
せて完全に2次公害を防ぐことができる処理剤及び処理
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこうした実
情に鑑み、重金属含有廃棄物を完全に安定化できる処理
剤及び処理法を求めて鋭意検討した結果、本発明を完成
させるに至った。即ち、本発明は、
【0010】(1)潜在水硬性物質及びホウ素化合物を
含有することを特徴とする重金属含有廃棄物用処理剤、
(2)潜在水硬性物質が高炉水砕スラグである上記
(1)に記載の処理剤、(3)ホウ素化合物がホウ酸化
合物である上記(1)または(2)に記載の処理剤、
(4)更に分散剤及び水を含有する上記(1)〜(3)
のいずれか1項に記載の処理剤、(5)重金属含有廃棄
物、上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の処理
剤、及び必要に応じて水を加えて、混合、混練すること
を特徴とする重金属含有廃棄物の処理法、(6)重金属
含有廃棄物、上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載
の処理剤、及び必要に応じて水を加えて混合、混練した
後40℃以上に加熱することを特徴とする重金属含有廃
棄物の処理法、(7)重金属含有廃棄物がゴミ焼却場の
焼却灰、飛灰、汚染土壌、又は、総理府令第5号に定め
る判定基準を満足しなければならない金属などを含む産
業廃棄物である上記(5)または(6)に記載の重金属
含有廃棄物の処理法、(8)環境庁告示第13号に基づ
く溶出試験後の溶出液のpHが塩基性である重金属含有
廃棄物に上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の処
理剤及び酸性物質を添加し処理する上記(5)〜(7)
のいずれか1項に記載の処理法、(9)環境庁告示第1
3号に基づく溶出試験後の溶出液のpHが中性または酸
性である重金属含有廃棄物に上記(1)〜(4)のいず
れか1項に記載の処理剤及び塩基性物質を添加し処理す
る上記(5)〜(8)のいずれか1項に記載の処理法、
(10)上記(5)〜(9)のいずれか1項に記載の処
理法で得られた処理物に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で必須成分として用いる潜在水硬性物質とは、水
とのみでは水和反応しないもので、例えば刺激剤等の添
加で水和反応するものである。用いうる潜在水硬性物質
の具体例としては、高炉水砕スラグ、転炉スラグ等を挙
げることが出来る。これら潜在水硬性物質のうち高炉水
砕スラグが好ましい。これら潜在水硬性物質は、単独で
用いることもできるし、1種以上を併用して用いること
もできる。
【0012】潜在水硬性物質として高炉水砕スラグを用
いる場合、その粒度がブレーン比表面積で2,000c
2 /g以上のものが使用できるが、好ましくは4,0
00cm2 /g以上のものが使用できる。ブレーン比表
面積の大きいものほど重金属を安定化する効果は大きい
が、製造コストが高く経済的に不利になる。
【0013】潜在水硬性物質の重金属イオン安定化効果
の機構は必ずしも明らかでないが、それ自身が重金属イ
オンの吸着能等をもっていると考えられる。また、重金
属含有廃棄物に含有されるアルカリイオンにより潜在水
硬性物質の硬化反応が進行し、その結果生ずる各種水和
生成物が、重金属のイオンの交換能、拡散抑制能や吸着
能をより強固に且つ持続的に発現するとも考えられる。
【0014】本発明の重金属安定化処理剤(以下、本発
明の処理剤と称す)は必須成分として更にホウ素化合物
を含有する。ホウ素化合物は水の存在化で生成するホウ
素イオンやホウ酸イオンが重金属含有廃棄物中の金属イ
オンと反応し、水に難溶性のホウ化重金属塩やホウ酸化
重金属塩となり、重金属を安定化すると推測される。ホ
ウ素化合物と潜在水硬性物質と併用することにより、従
来得られなかった重金属の安定化効果が得られる。即
ち、重金属化合物及び重金属イオンは潜在水硬性物質の
水和物中に強固に封止されるため長期にわたって重金属
の溶出を抑制でき、しかも酸性雨に晒されても重金属が
溶出することがない。
【0015】本発明で用いるホウ素化合物は、特に限定
されないが、具体的には、B2 6、B4 10、B5
9 、B5 11、B6 10、B1014等の水素化ホウ素及
びこれらの誘導体、並びにホウ酸化合物、並びにBO、
4 5 、B2 3 、ボリル化合物等の酸素化合物及び
これらの誘導体、並びにBF3 、BCl3 、BBr3
BI3 、B2 Cl4 、B2 Br4 、B2 4 、テトラフ
ルオロホウ素酸塩等のホウハロゲン化物及びこれらの誘
導体、並びにB2 3 等のホウ硫化物、B4 C等のホウ
炭化物、窒化ホウ素、ボラザン、ボラゼン、ボラジン、
ボラゾール、ボリノアミノボリン、ホウ素アミド、ホウ
素イミド等のホウ窒化化合物及びこれらの誘導体を挙げ
ることができる。前記において、ホウ酸化合物として
は、次ホウ酸及びこれらの塩類、四ホウ酸及び四ホウ酸
カリウム、四ホウ酸カルシウム、四ホウ酸銀、四ホウ酸
ストロンチウム、四ホウ酸ナトリウム、ホウ砂、四ホウ
酸リチウム等の四ホウ酸塩類、ペルオクソホウ酸及びペ
ルオクソホウ酸ナトリウム等のペルオクソホウ酸塩類、
各種ホウ酸エステル等が挙げられる。これらのホウ素化
合物のうちホウ酸化合物が好ましく、四ホウ酸ナトリウ
ムが重金属安定化効果及び経済性の面から特に好まし
い。これらホウ素化合物は2種以上を併用しても良い。
【0016】ホウ素化合物の使用量は、潜在水硬性物質
の種類や粒度及び廃棄物の種類、特に重金属の溶出量に
よって適宜決めなければならないが、概ね潜在水硬性物
質100重量部に対して、1〜500重量部、好ましく
は5〜150重量部である。
【0017】本発明の処理剤は通常粉末の状態である
が、スラリー状の液状組成物としても取り扱う事が出来
る。すなわち、潜在水硬性物質とホウ素化合物に分散剤
と水を含んだ水溶液を添加し、必要により増粘剤として
水溶性高分子を加えて、混合、混練することにより、ス
ラリー状の本発明の処理剤を得ることが出来る。
【0018】この液状組成物を調製する際に使用する分
散剤は、粒子を均一に分散する役割を果たす。分散剤と
しては、水溶性で潜在水硬性物質やホウ素化合物を均一
に分散できるものであれば良いが、ホウ素化合物と反応
して錯化合物を形成するものは避けることが好ましく、
例えば、ナフタリンスルホン酸のホルマリン縮合物、メ
ラミンスルホン酸ホルマリン縮合物、リグニンスルホン
酸縮合物等のセメント、コンクリートの分散剤として一
般に知られているもの等が使用出来る。これらの分散剤
は2種以上を併用しても良い。
【0019】これらの分散剤の使用量は、使用する潜在
水硬性物質の種類、粒度や添加量、ホウ素化合物の種類
や添加量等により異なるが、潜在水硬性物質とホウ素化
合物の合計量100重量部に対して通常0.1〜10重
量部、好ましくは0.3〜7重量部、特に好ましくは
0.5〜5重量部である。分散剤の使用量が0.1重量
部より少ないと、添加する水の量にもよるが、分散性が
悪くなり好ましくない。10重量部以上用いても添加量
に見合った効果が得られず、経済的に不利である。
【0020】水の使用量は、使用する潜在水硬性物質の
種類、粒度や添加量、ホウ素化合物の種類や添加量等に
より異なるが、潜在水硬性物質とホウ素化合物の合計量
100重量部に対して通常10〜60重量部、好ましく
は15〜40重量部、更に好ましくは18〜30重量部
である。10重量部より少ないと液状にすることが困難
となり好ましくない。また60重量部以上使用すると分
散性は得られるが、長期安定性が悪くなり好ましくな
い。通常、分散剤の添加量を増大させると、分散させる
のに必要な水の量は少なくて良い傾向にある。
【0021】本発明の処理剤が液状組成である場合、本
発明の処理剤は必要により増粘剤を含有する。増粘剤
は、液状組成物の粘性を向上させ、分散された潜在水硬
性物質の粉体粒子の沈降を抑制させる(保存安定性の向
上の)作用がある。増粘剤としては、水溶性のものであ
れば特に制限はないが、ホウ素化合物の種類によっては
錯化物を形成するものがあり、このような増粘剤は避け
ることが好ましく、ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリ
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸・(メ
タ)アクリルアミド共重合物塩、メチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロ
ース誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレン
オキサイド、ポリビニールピロリドン、ポリビニルアル
コール、キサンタンガム等の比較的高分子量のものが用
いうる具体例として挙げられるが、これらに限定される
ものではない。また、これらの増粘剤は2種以上を併用
しても良い。
【0022】使用する増粘剤の分子量は、増粘剤の種
類、使用する潜在水硬性物質の種類や粒度によって異な
り一律に述べることは出来ないがその水溶液の粘度を選
択の目安とすることが出来る。例えば、増粘剤の0.2
重量%水溶液を例にとれば、この水溶液の粘度が50c
ps以上となる増粘剤が好ましく、100cps以上と
なるものがより好ましく、150cps以上となるもの
特に好ましい。また、増粘剤の使用量は、増粘剤の種
類、使用する潜在水硬性物質の種類や粒度によって異な
り一律に述べることは出来ないが、概ね、添加する水1
00重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは
0.02〜3重量部である。
【0023】本発明の重金属用処理剤は潜在水硬性物質
とホウ素化合物を主成分としているため、セメントを使
用した場合のように使用中または保存中に吸湿して固化
し使用できなくなるといった欠点がなく、また使用後数
時間で水洗しなければ装置の内壁に固化物が付着して装
置そのものが使用できなくなるといったことが無いため
設備メンテナンス上有利である。また更に、粉体でも取
り扱うことができるが粉体作業を嫌う場合は上記のよう
なスラリー状の液状組成物として取り扱うことができる
といった利点を有している。この液状組成物として取り
扱える利点は他に、粉体で保存するよりも体積が小さく
なるためサイロなどの大型の設備を必要としない、重金
属含有廃棄物との混合、混練が容易になるという点を挙
げることができる。
【0024】重金属含有廃棄物の環告13号の溶出試験
の溶出液が高アルカリ性である都市ゴミ焼却飛灰等の場
合は、鉛化合物のような両性重金属化合物が溶解しやす
くなるため塩酸、硫酸、硝酸、ポリ塩化アルミニウム、
塩化第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸アルミニウム等の無機酸
性物質、酢酸、クエン酸等の有機酸性物質等の酸性物質
を添加してpHを弱アルカリ性にコントロールすると本
発明の処理剤の重金属安定化効果が増強する。また、環
告13号の溶出試験の溶出液が中性または酸性である電
炉灰、溶融飛灰、汚染土壌等の重金属含有廃棄物の場合
は、本発明の処理剤に水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等のアルカリ
土類金属の水酸化物、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、
メタ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウム等のアルカ
リ金属の珪酸塩、燐酸1ナトリウム、燐酸2ナトリウム
等のアルカリ金属の燐酸塩、セメント、セメントクリン
カー等のような塩基性物質を添加してpHを弱アルカリ
性にコントロールすると本発明の処理剤の重金属安定化
効果を増強する。
【0025】これらの酸性物質または塩基性物質の使用
量は、環告13号における溶出試験後の溶出液のpHが
8〜12に調製できる量が好ましい。また、塩基性物質
または酸性物質は予め本発明の処理剤中に添加しておい
ても良いが、後述する本発明の安定化処理法において使
用しても良い。
【0026】また、本発明の処理剤には、処理した重金
属含有廃棄物の成形性を向上させる等の目的で必要に応
じて種々の混和材を使用しても良い。用いうる混和材の
具体例としては、粉砕された徐冷スラグ、フェロクロム
スラグ、シリカ、アルミナ、タルク、硅砂、硅石粉、ク
レー、カオリン、炭酸カルシウム、陶磁器粉砕物、チタ
ニア、ジルコニア、川砂等の無機充填材、ガラス繊維、
カーボン繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、アラミド
繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ポリエステ
ル等の繊維、セルロース繊維、スチール繊維、アルミナ
繊維等の繊維類が挙げられる。また、砂糖、グルコース
等の硬化遅延剤、シランカップリング剤のような表面処
理剤、顔料等を必要に応じて使用しても良い。
【0027】本発明の処理剤は上記各成分を所定の割合
で均一に混合して得ることができる。粉状の本発明の処
理剤を得る場合、各成分を公知の混合方法で粉体混合す
ればよい。又、液状の本発明の処理剤を得る場合の混合
の仕方は特に限定はされないが、分散剤、水、及び必要
に応じて使用する増粘剤を所定量混合して水溶液とした
後、予め混合しておいた潜在水硬性物質及びホウ素化合
物等の粉体成分に添加する方法が、全体が容易に均一に
なるので好ましい。
【0028】本発明の重金属含有廃棄物の安定化処理法
(以下、本発明の処理法と称す)は、本発明の処理剤、
重金属含有廃棄物、必要に応じて水を混合、混練する。
重金属含有廃棄物が水を含有していない場合、又は含有
していても混合混練するのに不十分な場合は水を添加す
る。水の使用量は、重金属含有廃棄物の含水状態、及び
その粒度によって異なるが、概ね重金属含有廃棄物10
0重量部(乾燥状態で換算)に対して5〜80重量部、
好ましくは10〜50重量部である。しかし、この量は
安定化処理を行った後の処理体の形状をどのようにする
か、すなわちペレット状にするか、顆粒状にするか、泥
状にするかということによっても、異なってくる。処理
に要する時間(混合、混練時間)は、特に制限はなく、
廃棄物と処理剤が均一に混練できればよい。 これらを
混合、混練する設備やこれらの添加順序等は特に限定さ
れない。また、予め混合した本発明の処理剤を重金属含
有廃棄物と混合してもよいし、本発明の処理剤を構成す
る各成分を重金属含有廃棄物と混合してもよい。混合の
方法は、例えば、バッチ式で処理を行う場合はニーダー
ルーダータイプや撹拌機の付いたアイリッヒタイプの混
合混練機等が使用でき、連続的に処理を行う場合は、空
気や液体輸送中に動力学的な手法を利用した混合方法、
一軸または二軸のパドル型の混練機、パン型ミキサーや
バイブロミキサー等を使用することができる。
【0029】また、本発明の処理法において、本発明の
処理剤、重金属含有廃棄物及び任意成分である水を混
合、混練中、または混合、混練後、混練物を加熱処理す
ると重金属溶出を抑える効果が著しく向上したり、安定
化に要する時間を短縮できるので好ましい。加熱処理
は、混練に伴って発生する熱を利用しても良いし、混練
の終わった混練物をそのまま或いは混練しながら加熱し
てもよい。加熱温度は、40℃以上、好ましくは50℃
以上である。加熱方法は、機械的な方法や前記したよう
な物理化学的な方法等公知の方法でよい。加熱時間は、
混練物あるいは処理物の熱伝導率、大きさ、加熱方法な
どによって異なり一義的には言えないが、通常5分以上
であり、好ましくは10分以上であり、処理物の均一性
や作業性の面から最大24時間も行えば十分である。
【0030】本発明の処理剤及び処理法で重金属イオン
を安定化処理できる廃棄物に特に制限はなく、例えば、
都市ゴミ焼却灰や飛灰、汚染土壌、汚泥、または総理府
令第5号に定める判定基準を満足しなければならない金
属などを含む産業廃棄物等を単独で或いは混合して処理
することができる。本発明の処理法で都市ゴミ焼却飛灰
を安定化処理する場合、煙道に消石灰や活性炭とともに
本発明の処理剤を添加すると、HClやダイオキシン等
の排ガス処理と同時に煙道の熱を利用した重金属の安定
化処理が出来るため好都である。この場合、本発明の処
理剤は予め消石灰や活性炭と混合してあってもよいし、
煙道中に粉末状または液状の本発明の処理剤を噴霧して
もよい。
【0031】本発明の処理剤及び処理法によれば、重金
属含有廃棄物中の重金属が安定化され、処理後の混練物
から重金属が溶出する事がほとんどなくなり、環境庁告
示13号及び46号に定められた産業廃棄物に含まれる
有害物質の検定方法による金属溶出試験では、重金属イ
オンの溶出量はいずれも総理府令第5号の埋立規制値以
下となる。
【0032】こうして得られた本発明の処理物は、その
まま或いは必要により粉砕してセメント・コンクリート
用の骨材や道路の舗装材用骨材として利用したり、必要
に応じて、板状、ブロック状に成形して土木・建設資材
としても利用可能である。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0034】実施例1〜5 ブレーン比表面積4,000cm2 /gの高炉水砕スラ
グ100重量部に対して、四ホウ酸ナトリウムを表1に
示した各量を粉体混合して処理剤( 以下処理剤と称す)
を得た。都市ゴミの焼却場から得た焼却飛灰(鉛含有量
1960mg/kg,環境告示13号に基づく鉛の溶出量5
3.4ppm)以下A飛灰と称す)100重量部と上記
処理剤5重量部を添加して混合し、水を33重量部添加
し混練した後、24時間室温養生して環境庁告示13号
に基づく溶出試験をおこなった結果を表1に示した。ま
た、1週間以上室温養生した時の鉛の溶出量を表1に示
した。
【0035】
【表1】 表1 四ホウ酸ナトリウム 環告13号鉛溶出量(ppm) の含有量( 重量部) 1日後 1週後 4週後 8週後 実施例1 5 0. 27 0. 25 0. 10 0. 02 実施例2 10 0. 21 0. 20 0. 08 0. 01 実施例3 50 0. 15 0. 10 0. 01 N.D. 実施例4 100 0. 12 0. 08 N.D. N.D. 実施例5 300 0. 08 0. 05 N.D. N.D. 尚、表1においてN.D.は0. 01ppm以下である
ことを示す(以下同様)。
【0036】実施例6〜10 表2に示した重金属含有廃棄物100重量部に、予め粉
体混合した高炉水砕スラグ2.5重量部と四ホウ酸銀
1.5重量部を添加し、表2に示した量の水を添加し混
練した後、24時間養生して環境庁告示13号に基づく
鉛の溶出試験をおこなった。結果を表2に併せて示す。
【0037】
【表2】 表2 廃棄物の 水添加量 環告13号 鉛溶出量 (重量部) 鉛溶出量 (ppm) (ppm) 実施例6 B飛灰 42. 3 25 0. 19 実施例7 C焼却灰 0. 9 8 N.D. 実施例8 D焼却灰+飛灰 26. 1 12 0. 23 実施例9 E濃縮廃液 12. 3 0 0. 28 実施例10 F汚泥 8. 3 5 0. 12
【0038】実施例11〜16 A飛灰100重量部と、表3に示したブレーン比表面積
の高炉水砕スラグ50重量部に対して各種ホウ素化合物
50重量部を粉体混合して得られた処理剤を10重量部
添加して混合し、水を32重量部添加し混練した後、表
3に示した処理条件で養生して環境庁告示13号に基づ
く溶出試験をおこなった結果を表3に併せて示した。
【0039】
【表3】 表3 ブレーン ホウ素化合物 処理条件 環告13号 比表面積 の種類 (℃- 時間) 鉛溶出量(ppm) (cm2/g) 実施例11 2,000 四ホウ酸 40- 18 0. 12 ナトリウム 実施例12 4,000 四ホウ酸 55- 12 0. 18 カルシウム 実施例13 6,000 ホウ砂 60- 8 0. 27 実施例14 8,000 ホウ酸エチル 80- 4 0. 09 実施例15 10,000 B2 3 90- 2 0. 12 実施例16 15,000 BPO4 40- 24 0. 06
【0040】実施例17〜20 ブレーン比表面積4,000cm2 /gの高炉水砕スラ
グ70重量部と四ホウ酸カリウム30重量部に、アクリ
ル酸と無水マレイン酸の共重合体のナトリウム塩(平均
分子量45,000)2重量部と水20重量部、及び平
均分子量2,000,000のポリアクリルアミド0.
1重量部を添加混合し液状の本発明の重金属含有廃棄物
用処理剤を得た。この処理剤の調製後の粘度は2,50
0cps(B型粘度計)であった。容器に入れて静置後
一週間、又は一ヶ月後には擬凝結を起こしていたが、振
動を与えると液状に回復し、粘度を測定するとそれぞれ
2,400cps、2,200cpsであった。また、
調製後、容器に入れた状態で絶えず攪拌しても、又、2
日〜3日毎に断続的に攪拌することにより、一ヶ月以上
調製後の液状を維持していた。調製後一週間を経たこの
液状の本発明の重金属含有廃棄物用処理剤と水とをそれ
ぞれ表4に示す量を用い、A飛灰と混練した後、24時
間室温養生して環境庁告示13号に基づく鉛の溶出試験
を行った。結果を表4に併せて示す。
【0041】
【表4】 表4 処理剤 の添加量 水の添加量 環告13号鉛溶出量(ppm) (重量部) (重量部) 1日後 1週間後 13週間後 実施例17 5 28 0.27 0.11 N.D. 実施例18 8 26 0.16 0.10 N.D. 実施例19 10 25 0.09 0.03 N.D. 実施例20 15 21 N.D. N.D. N.D.
【0042】実施例21〜23 G精鋼会社で発生する電炉灰100重量部に対して、ブ
レーン比表面積4,000の高炉水砕スラグ3重量部、
四ホウ酸ナトリウム3重量部及び表5に示した量の水酸
化カルシウムからなる本発明の処理剤と水を添加し、混
練した後24時間後の鉛の溶出量を環告示13号に基づ
く鉛の溶出試験を行った。結果を表5に併せて示す。
【0043】
【表5】 表5 本発明の処理剤中の 水添加量 溶出液 環告13号 水酸化カルシウムの (重量部) のpH 鉛溶出量(ppm) 配合量(重量部) 未処理灰 0 25 7.2 9.6 実施例21 1.5 26 9.8 0.02 実施例22 2 26 10.3 0.04 実施例23 2.5 27 11.1 0.07
【0044】
【発明の効果】本発明の重金属含有廃棄物用処理剤は、
重金属含有廃棄物を安定化処理するのに適しており、重
金属イオンの溶出を高度に安定化させることができ、そ
の効果は持続的である。また、本発明の処理法は特殊な
装置を使用することなく、容易に重金属含有化合物の安
定化を行うことができる。更に、本発明の処理法で得ら
れた処理物はセメント固化以上の強度を付与できるため
骨材や舗装材などの土木建築資材としてリサイクル可能
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B09C 1/08 B09B 3/00 304K C09K 17/02 // C09K 103:00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潜在水硬性物質及びホウ素化合物を含有す
    ることを特徴とする重金属含有廃棄物用処理剤。
  2. 【請求項2】潜在水硬性物質が高炉水砕スラグである請
    求項1記載の処理剤。
  3. 【請求項3】ホウ素化合物がホウ酸化合物である請求項
    1または2記載の処理剤。
  4. 【請求項4】更に分散剤及び水を含有する請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の処理剤。
  5. 【請求項5】重金属含有廃棄物、請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の処理剤、及び必要に応じて水を加えて、
    混合、混練することを特徴とする重金属含有廃棄物の処
    理法。
  6. 【請求項6】重金属含有廃棄物、請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の処理剤、及び必要に応じて水を加えて混
    合、混練した後40℃以上に加熱することを特徴とする
    重金属含有廃棄物の処理法。
  7. 【請求項7】重金属含有廃棄物がゴミ焼却場の焼却灰、
    飛灰、汚染土壌、又は、総理府令第5号に定める判定基
    準を満足しなければならない金属などを含む産業廃棄物
    である請求項5または6記載の重金属含有廃棄物の処理
    法。
  8. 【請求項8】環境庁告示第13号に基づく溶出試験後の
    溶出液のpHが塩基性である重金属含有廃棄物に請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の処理剤及び酸性物質を添
    加し処理する請求項5〜7のいずれか1項に記載の処理
    法。
  9. 【請求項9】環境庁告示第13号に基づく溶出試験後の
    溶出液のpHが中性または酸性である重金属含有廃棄物
    に請求項1〜4のいずれか1項に記載の処理剤及び塩基
    性物質を添加し処理する請求項5〜8のいずれか1項に
    記載の処理法。
  10. 【請求項10】請求項5〜9のいずれか1項に記載の処
    理法で得られた処理物。
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