JPH1187481A - 熱伝達レギュレータパッドを有する静電チャック - Google Patents

熱伝達レギュレータパッドを有する静電チャック

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JPH1187481A
JPH1187481A JP10182701A JP18270198A JPH1187481A JP H1187481 A JPH1187481 A JP H1187481A JP 10182701 A JP10182701 A JP 10182701A JP 18270198 A JP18270198 A JP 18270198A JP H1187481 A JPH1187481 A JP H1187481A
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electrostatic chuck
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Ralph M Wadensweiler
エム. ワデンスワイラー ラルフ
Ajay Kumar
クマール アジェイ
Shashank C Deshmukh
シー. デッシュムック シャシェインク
Weinan Jiang
ジャン ウィーナン
Rolf A Guenther
エー. ギュンター ロルフ
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 プロセス・チャンバ20内に基板25を
保持するための静電チャック75は、基板25を受容す
るための受容面98と、電極95とを有する絶縁体を含
む静電部材80を含む。ベース85は、静電部材80を
支持し、第1の熱抵抗RB を有し、下面102を有す
る。熱パッド100が、静電部材80の受容面98とベ
ース85の下面102との間に配置される。この熱パッ
ド100は、ベース85の熱抵抗RB とは充分に異なる
第2の熱抵抗RP を含み、プロセス・チャンバ20にお
ける処理中に基板25の処理表面にわたる所定の温度を
与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロセス・チャン
バ内で基板を保持するための静電チャックに関する。本
発明は更に、に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造プロセスにおいては、処理
(processing)中に半導体基板を保持して基板の移動あ
るいはミスアライメントを防止するために、チャックが
使用される。静電引力を利用して基板を保持するような
静電チャックは、メカニカルチャックおよび真空吸着チ
ャックよりも多くの(several)利点を有する。静電チ
ャックは、機械的なクランプによってよく発生するスト
レスによる亀裂を減少させ、基板表面をより広く利用す
ることを可能にし、基板に堆積する腐食(corrosion)
粒子の形成を抑制し、真空プロセスにおけるチャックの
使用を可能にする。
【0003】典型的な静電チャックは、プロセス・チャ
ンバ内に熱伝導性ベースによって支持される静電部材を
含む。この静電部材は、電気的な絶縁体ないし誘電体に
よって被覆されるか、あるいはその誘電体に埋め込まれ
た(embedded)少なくとも1つの電極を含む。この静電
部材の電極は、基板を基準にしてある電圧にバイアスさ
れ、静電荷を静電部材に蓄積させる。単極性(monopola
r)静電チャックにおいては、プロセス・チャンバにお
けるプラズマは、基板に蓄積される荷電化学種(charge
d species)を与える。基板に蓄積された電荷は、静電
部材に蓄積された電荷とは反対の極性を有し、基板をチ
ャックに保持する静電引力を発生させる。2極性(bipo
lar)静電チャックにおいては、複数の電極は異なった
電位に帯電され、基板がチャックに静電気的に保持され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】処理中に、基板および
その下にあるチャックは高い温度に加熱され、それは、
基板表面にわたる(across)好ましくない温度勾配を生
じさせる可能性がある。従来のチャックにおいては、静
電部材は、典型的には、熱伝導性ベースに直接に接着
(bonded)され、基板からの熱は静電部材を介してベー
スに伝わる。従来のチャックにおける熱伝導の相違ある
いは発熱の差は、基板の処理表面にわたる温度勾配を生
じさせる可能性がある。例えば、基板周辺部における温
度は、たいてい、基板中心部における温度よりも高いか
あるいは低い。プラズマ処理においては、基板の中心部
および周辺部におけるプラズマ密度の差によってこの温
度差が発生し得る。処理中に、プラズマから基板への熱
エネルギーの放出は、基板温度を上昇させる。基板の一
部分におけるより高いプラズマ密度は、より大きな熱放
出およびより高い基板温度をもたらす。
【0005】また、基板にわたる温度差は、基板にわた
る異なる電気インピーダンスから生じるRFエネルギ
ー、および電界電束における差によっても発生する。例
えば、高周波エネルギー場は、基板周辺部(perimete
r)に沿った低インピーダンス領域に集まる傾向があ
り、基板の中心部よりもその周辺部で基板温度を上昇さ
せる。また、基板周辺部が、チャックの熱伝導性ベース
に直接には熱接触していない張り出し部分(overhang)
を形成する場合にも、基板周辺部でのより高い温度が発
生する。その結果として、基板周辺部から散逸する熱
は、基板中心部からよりも少ない率で散逸する。その結
果として、基板処理中に、基板の周辺部および中心部に
おける定常状態の温度は、5〜10℃ほども異なる場合
がある。
【0006】基板表面にわたる温度勾配は、一般的に
は、好ましくないものであるが、例えば、ある種の製造
プロセスにおいては、プロセス・ガス流量あるいは高周
波プラズマエネルギー等の基板表面にわたる処理条件の
中の他の変化を補償するために、基板において所定の温
度プロファイルを維持することが好ましい場合もある。
しかしながら、基板の処理表面における調整されない、
ないしは絶えず変動する(fluctuating)温度勾配は好
ましいものではない。堆積(deposition)プロセスにお
いては、このような変動する温度差によって、堆積され
た膜の電気特性を変化させるような基板にわたる膜構
造、種々の粒度、または表面の粗さを有する膜が堆積さ
れることになる。エッチングプロセスにおいては、変動
する温度勾配は、エッチング造作(etched feature)
のプロファイルを基板表面にわたって変化させ、基板の
ある部分は実質的にストレートの壁が形成されたエッチ
ング造作を有し、ある部分はテーパーのある側壁を含み
たエッチング造作を有するようになる。さらに、より低
い温度は、不活性高分子堆積(passivating polymeric
deposit)による過度の堆積を引き起こし(高分子堆積
の固着係数(stickingcoefficient)はより大きいた
め)、基板のある部分においては、より大きなテーパー
のあるエッチング造作を発生させる可能性がある。この
エッチング造作のプロファイルにおける変動は好ましい
ものではなく、このような過度の不活性化堆積を基板か
ら取り除くのは困難なことである。
【0007】上述したように、基板の処理表面にわたる
所定の温度プロファイルを維持することのできる静電チ
ャックのニーズがある。ある種の処理形態(processing
application)においては、基板周辺部に比較して基板
中心部をより高い温度かまたはより低い温度に維持し
て、例えば、プラズマ密度またはインピーダンスにおけ
る差等の、基板表面にわたる処理条件の中の他の変化を
補償することは好ましいことである。別のプロセスにお
いては、基板の中心部から周辺部にわたって実質的に均
一かつ安定な(consistent)温度プロファイルを与える
ことのできる静電チャックのニーズがある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板を保持
し、基板の処理表面にわたる所定の温度を維持するため
の静電チャックを与える。この静電チャックは、少なく
とも1つの電極をその中に含みた絶縁体と、基板を受容
するための受容面とを有する静電部材を含む。ベース
は、静電部材を支持し、第1の熱抵抗RB を有し、下面
を有する。パッドが、静電部材の受容面とベースの下面
との間に配置され(positioned)、ベースの熱抵抗RB
より充分に大きいかまたは充分に小さい第2の熱抵抗R
Pを含み、プロセス・チャンバにおける基板の処理中に
基板にわたり所定の温度を与える。パッドは、熱伝達率
を基板にわたって調整する熱伝達レギュレータパッドを
含み、より好ましくは、基板の選択された部分の下から
伝達される熱の断熱層(thermal barrier)として機能
する熱バリア・パッドを含む。
【0009】この静電チャックは、チャンバにプロセス
・ガスを送り込むためのガスディストリビュータおよび
プロセス・ガスからプラズマを形成するためのプラズマ
発生装置を有するプロセス・チャンバ内に静電気的に基
板を保持するときに、基板にわたる同一の温度、あるい
は、基板にわたる温度プロファイル等の所定の温度を与
えるのに有用である。
【0010】他の側面においては、本発明は、静電気的
に基板を保持し、基板にわたって所定の温度を維持する
方法を与える。この方法は、静電部材の受容面上に静電
気的に基板を保持するステップを含む。熱抵抗RB を有
する第1の熱経路が、基板のある部分の下に維持され
る。熱抵抗RP を有する第2の熱経路が、基板の別の部
分の下に維持され、この熱抵抗RP は、熱抵抗RB とは
充分に異なるものであり、基板の処理中に基板にわたる
所定の温度を与える。
【0011】本発明のこれらの、そして、その他の特
徴、側面、および、利点は、以下の説明、添付の請求
項、および、本発明の実施の形態を示す添付の図面によ
ってより詳細に理解できるであろう。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、プロセス・チャンバ内
に基板を保持し、基板の中心部から周辺部にわたって所
定の温度プロファイルを維持するための静電チャックシ
ステムを与える。半導体基板のプラズマ処理に適した本
発明による好ましいプロセス・チャンバが図1に示され
る。ここに示される特定の実施の形態であるプロセス・
チャンバ20は、ただ単に本発明の動作を説明するため
のものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
このプロセス・チャンバ20は、例えば化学的気相成長
によって材料を基板25上に堆積し、基板から材料をエ
ッチングし、あるいは、基板に材料を注入するのに使用
することができる。基板25に膜を堆積するために、こ
の装置においてなされてもよい化学的気相成長(CV
D)プロセスに関しては、ここにレファレンスとして組
み込まれるニューヨークのマグローヒル社のSze著
「VLSI技術(VLSI Technology)」第2版の第9章
に一般的に説明されている。例えば、基板25にSiO
2 を堆積するためのCVDプロセスは、(i)SiH4
またはSiCl22 等のシリコン源(source)ガス、
および、CO2 またはN2 O等の酸素源ガス、あるい
は、(ii)Si(OC254 等のシリコンおよび酸
素の両方を含んだ単一のガス、等のプロセス・ガスを使
用する。Si34 を堆積するためのCVDプロセス
は、典型的には、SiH4、および、NH3またはN2
のガスを使用する。その他の良く使用される(conventi
onal)CVDプロセス・ガスは、NH3 、AsH3 、B
26 、KCl、PH3、およびSiH4等を包含する。
また、本発明による装置は、ここにレファレンスとして
組み込まれるニューヨークのマグローヒル社のS.M.
Sze著「VLSI技術(VLSI Technology)1988
年」第2版の第5章に一般的に記述されるようなプラズ
マ・エッチングプロセスに使用することもできる。金属
層をエッチングするための典型的なエッチングプロセス
は、BCl3、Cl2 、SF6 、CF4 、CFCl3
CF2 Cl2 、CF3 Cl、CHF3、HCl、あるい
は、C2 ClF5 等のプロセス・ガスを使用する。レジ
ストエッチングプロセスは、典型的には、基板25上の
高分子レジストをエッチングするのに酸素ガスを使用す
る。
【0013】基板25上に材料を堆積し、エッチング
し、あるいは、基板25中に材料を注入するのに使用さ
れるプロセス・ガスは、プロセス・ガスをチャンバに分
配するガスディストリビュータ30を介してチャンバ2
0に送り込まれ、チャンバ20から使用済みプロセス・
ガスおよびプロセス・ガス副産物を回収するために排気
マニホルド35が与えられる。チャンバ20内のプロセ
ス・ガスは、コイル電源45および高周波整合ネットワ
ーク50を用いて動作させられるチャンバのまわりに巻
かれた誘導コイル40を用いて、誘導結合されてプラズ
マを形成することができる。また、プロセス・ガスは、
チャンバ20内のプロセス電極55および60によって
容量結合されることが可能である。ここに示される例に
おいては、一方のプロセス電極55は基板25の下に配
置され、もう一方のプロセス電極60はプロセス・チャ
ンバ20の壁を電気的に接地することによって形成され
る。プロセス電極55に高周波バイアス電圧を供給し、
お互いに関してこれらのプロセス電極を電気的にバイア
スし、チャンバ20において高周波バイアス容量結合プ
ラズマを形成するためにプロセス電極バイアス電圧源6
5が使用される。適切な電圧源65は、プロセス・チャ
ンバ20のインピーダンスを線間電圧(line voltage)
のインピーダンスに整合させる高周波インピーダンスを
分離コンデンサに直列に含む。誘導結合と容量結合とを
組み合わせて使用することによって、より均一で制御さ
れた(directed)プラズマをチャンバ20において形成
することができる。さらに、プロセス・チャンバ20に
結合された磁界発生器(図示しない)を用いてプラズマ
を増強する(enhanced)ことも可能である。
【0014】図2(a)〜図2(d)を参照して、静電
チャック75は、プロセス・チャンバ20においてベー
ス85上に支持された静電部材80を含む。この静電部
材80は、誘電体すなわち絶縁体90を含み、この絶縁
体90は、少なくとも1つの電極95を被覆するか、あ
るいは、少なくとも1つの電極95がそこに埋め込まれ
ており、また、その上に基板25を受容するための受容
面98を有する。熱伝達レギュレータパッド100が、
静電部材80の受容面98とベース85の下面102と
の間に配置され、基板25からの熱の伝達または流れを
調整する。好ましくは、熱伝達レギュレータパッド10
0は、チャックアセンブリ全体を容易に交換することが
できるように、静電チャック75内に配置される。より
好ましくは、熱伝達レギュレータパッド100は、静電
部材80とベース85との間に配置され、基板25から
静電部材80およびベース85を介しての熱の伝達また
は流れを調整する。あるいは、熱伝達レギュレータパッ
ド100は、基板25に直接に熱接触している静電部材
80の上面部分を形成してもよい。
【0015】チャック電圧源105は、チャック75の
電極95を動作させるのに適した電圧を与える。典型的
には、チャックの電極95に印加される電圧は、約10
00〜3000VのDC電圧である。また、チャック電
圧源105は、チャック75の2つ以上の電極95を異
なった電圧に維持する複数の電圧源を含み、電極をバイ
ポーラ電極(bipolar electrode)として動作させても
よい。このような電圧源は、例えば、ここにレファレン
スとして組み入れられる米国特許出願第08/381,
786号に記載されるように一般的(conventional)な
ものである。
【0016】ヘリウム、アルゴン、または、ネオン等の
熱伝達流体が、基板25からの熱伝達を促進し、処理中
に基板をほぼ一定の温度に維持するために使用されてし
てもよい。例えば、ヘリウムガスが、基板25と静電部
材80との間に導入されて、基板とチャック75との間
の熱結合(thermal coupling)を容易としてもよい。こ
のガス結合がなければ、基板25の温度は、基板表面に
わたって不均一であるか、あるいは、時間がたつにつれ
て徐々に増加するかもしれない。熱伝達流体は、熱伝達
流体供給源110によって与えられ、従来のガス流量レ
ギュレータおよび圧力調整器を用いて調整される。図3
に示されるように、好ましくは、熱伝達流体は、静電部
材80の表面の熱伝達流体溝115に保持され、この熱
伝達流体溝115は、静電部材の厚さの全体かまたは一
部分に伸長する。溝115は、典型的には、放射状の溝
と同心円状の溝とを含むネットワークを含み、好ましく
は、これらの溝が、お互いに連絡されて(joined)基板
25の下に熱伝達流体を保持する切れ目のない(contin
uous)ネットワークを形成する。
【0017】本発明の静電チャック75は、基板25の
異なる部分から静電チャック75を通る熱伝達率を調整
して、基板の処理表面にわたる所定の温度プロファイル
を与える。静電部材80の下にあるベース85は、第1
の熱抵抗RB を含み、熱伝達レギュレータパッド100
は、第1の熱抵抗RB とは異なる第2の熱抵抗RP を含
む。熱抵抗の差ΔR=RP −RB は、チャック75上に
保持される基板25の処理表面にわたる所定の温度プロ
ファイルを与えるように選択される。熱抵抗は、R=L
/kAであり、ここで、Lは厚さ、kは熱伝導率、Aは
ベース85かまたはパッド100の表面積である。ベー
ス85の第1の熱抵抗RB は、ベースの厚さLB に沿
った平均熱抵抗である。ベース85の部分が直接に基板
25に接触する場合、熱抵抗RB は、ベースの部分に直
接に接触している部分の下にあるベースの厚さに沿った
熱抵抗である。パッド100は、パッドの厚さLP に沿
った平均熱抵抗である第2の熱抵抗RP を含む。パッド
100が厚さにテーパーを有する場合、熱抵抗RP は、
パッドのより厚い部分に沿った平均熱抵抗である。好ま
しくは、熱抵抗の差ΔRは、約10〜約1000k/W
である。
【0018】パッド100の熱抵抗RP とベース85の
熱抵抗RB との差ΔRは、充分に大きくなるように選択
されてチャック75上に保持された基板25の表面にわ
たる所定のないし予め規定された温度プロファイルを与
える。パッド100の適切な構造(configuration)を
決定するためには、一組の所定の処理条件で基板を処理
中に基板25の表面にわたる第1の定常(steady)温度
プロファイルが測定される。基板25における温度プロ
ファイルとは、基板の中心部から周辺部までの処理表面
にわたる異なる位置での温度である。定常温度勾配と
は、ある特定の組の処理条件で基板を処理中に発生する
比較的にコンスタントな温度勾配を意味する。基板25
における温度プロファイルは、温度スキャンセンサを用
いて基板表面にわたって温度を測定することによって決
定され、この温度スキャンセンサには、スキャンから温
度プロファイルを記録する適切なコンピュータシステム
に結合された(coupled)赤外線センサシステム、光高
温計(pyrometer)、熱電対、あるいは、抵抗温度検出
器(resistance temperature detector)等がある。赤
外線センサシステムは、それの小さい熱質量(thermal
mass)、較正後の高い精度、および、スキャンの容易さ
のために、好ましいものである。温度センサシステム
は、基板25が定常状態の平衡温度に到達すると、基板
表面にわたって温度データを測定して記憶する。典型的
には、温度センサシステムは、基板25の中心部から周
辺部までをスキャンして温度スキャンを得る。基板表面
にわたる温度プロファイルは、典型的には、基板25の
中心部から周辺部まで対称であり、温度勾配は、基板表
面にわたって同心円状に発生する。
【0019】定常温度プロファイル、すなわち、基板表
面の中心部から周辺部までの温度の範囲ないし分布ΔT
は、基板表面にわたる処理速度または特性において観測
される変動と相関させられる。基板表面にわたる処理変
化(例えば、堆積膜の厚さ、または、エッチング特徴
(etched features)の特性等)は、例えば、処理後の
基板の切断面の走査電子顕微鏡写真、基板表面にわたる
抵抗測定、あるいは、その他の従来の検査方法等の従来
の技術を用いて測定される。例えば、エッチングプロセ
スにおいては、処理された基板の切断面をマウントし
て、基板上のエッチング特徴の断面プロファイルを観察
することができ、また、エッチング造作の寸法(dimens
ions)を測定して、側壁のテーパー角、高さ、あるい
は、エッチング特徴の臨界寸法(critical dimensio
n)におけるロスなどの変化または変動のグラフまたは
表を、それらの基板表面上における位置の関数として与
える。
【0020】そして、与えられた一組の処理条件に対し
て観測された処理変化および定常温度勾配が、熱パッド
100の熱伝導率、形状、寸法(size)、および、位置
を選択するのに使用される。特に、第1の熱抵抗RB
第2の熱抵抗RP との差ΔRは、基板表面にわたる加
熱、冷却、または均一な温度勾配を選択的に与えて、基
板表面にわたる処理速度または不均一性における変化を
実質的に抑制する複数の熱伝達経路を与えるように選択
される。そして、選択されたパッド100が基板25に
わたり所望の温度勾配を与えることができるかどうかを
判定するために、さらなるプルーフ型の実験が実施され
る。これらの実験およびパッド構成は、一組の特定の処
理条件に対して、パッド100の選択された特性、形
状、および、位置が、基板25にわたる所望の温度プロ
ファイルをもたらす熱抵抗の差ΔRを与えるまで反復さ
れる。
【0021】チャック75に保持された基板25の処理
中に、チャック75あるいはベース85の介装された
(interlying)パッド100がない部分は、第1の熱抵
抗RBを有する第1の熱流路を含み、ベースのパッド1
00に接触する部分は、第2の熱抵抗RBを有する第2
の熱流路を含む。基板25の表面にわたる所定の温度プ
ロファイル(これはチャックの異なる部分にある第1の
熱流路および第2の熱流路の熱抵抗の差に対応する)
は、特に、処理中に基板表面にわたり定常温度差が発生
するような処理に対しては、基板表面にわたる顕著に
(significantly)改善された処理均一性を与える。
【0022】1つの形態(version)においては、本発
明の静電チャック75は、基板25の中心部および周辺
部をほぼ等しい温度に維持する。中心部と周辺部との温
度差は、テーパーのあるエッチング・プロファイルを発
生させ、あるいは、基板25の温度が低い領域に不活性
高分子を堆積させて基板の不均一なエッチングをもたら
す。基板25の中心部における温度は、基板の周辺部に
おける温度よりも高いかまたは低い可能性がある。さら
に、温度勾配は、典型的には、基板表面にわたって対称
である。したがって、パッド100は、好ましくは、図
2(a)および図2(d)に示されるように、基板25
の中心部分の下に広がる中実の(solid)円板等の対称
な円の形状を有し、あるいは、図2(b)および図2
(c)に示されるように、基板の下に位置するように形
状および寸法を与えられたリング間に円形の間隙部分を
含みた一連の環状リング100等の対称な円の形状を有
する。
【0023】図2(a)に示される好ましい形態におい
ては、パッド100は、パッド100を受容するような
形状および寸法を与えられたチャック75の中央の凹部
(depression)120に嵌まり込む(fit)円板を含
む。このパッド100は、静電部材80の中心部分と同
一の広がりを有し(coextensive)、静電部材の一部分
は、パッド100の外周を越えて広がる。チャック75
のベース85に設けられた凹部120は、パッド100
の直径および厚さに適合するように選択された直径およ
び深さを有する円筒状の形状を含む。この形態において
は、パッド100は、ベース85の直径DB よりも小さ
い直径DPを有し、また、ベースの熱伝導率KB よりも
大きいかまたは小さい熱伝導率KPを有していてもよ
く、それはパッド100とベース85との所望の熱抵抗
差ΔRに依存する。
【0024】例えば、定常温度が基板25の中心部にお
いて基板の周辺部よりも低い場合、パッド100は、ベ
ースよりも断熱性のある断熱材か、またはベース85の
熱伝導率KB よりも小さい熱伝導率KP を有する断熱材
を含む。パッド100は、基板25の下の中央に配置さ
れ、基板25の中央部分からの熱移動を抑制して基板の
中央部分における実質的な(effective)定常温度を高
める(raise)。パッド100とベース85との直径の
差およびパッドの形状は、基板25にわたる温度プロフ
ァイルに依存して選択され、基板25の中央部から周辺
部にわたる所望の温度プロファイルを維持する。基板2
5上の特定の位置からの熱伝達率は、パッド100が基
板のその特定の位置の下に広がっているかどうかに依存
し、そして、その位置におけるパッドの熱伝導率KP
よび厚さLP に依存する。したがって、基板25にわた
る特定の温度プロファイルを得るためには、円形バリア
・パッド100の直径DP 、熱伝導率KP 、および厚さ
P は、所望の熱抵抗分布を与えるように選択される。
ベース85は、パッド100の外周を越えて広がる静電
部材80の一部分に直接に熱接触するだけであり、基板
から熱をより急速に散逸させることによって、基板25
の周辺部におけるより速い熱伝達率を与える。熱抵抗パ
ッド100は、ベース85の熱抵抗RB よりも高い熱抵
抗RP を有するので、基板25の中央領域からの熱伝達
を抑制して、基板の中心部を周辺部における定常温度に
実質的に等価な定常温度に維持する。
【0025】静電チャック75のもう1つの実施の形態
は、基板の処理中に、基板25の異なる部分において
(典型的には、基板の中心部および周辺部において)異
なる定常温度を維持することが望ましいようなプロセス
に有効である。例えば、パッド100の熱抵抗RP 、形
状、寸法、および位置は、基板25の中心部または周辺
部からの熱伝達率を増大または減少させるように選択さ
れることができる。例えば、基板の中心部におけるより
高い温度が所望される場合には、基板25の中心部にお
ける温度を周辺部における温度より約1℃〜約10℃だ
け高く維持するために、パッド100は、ベース85の
熱抵抗RB よりも充分に高い熱抵抗RP を有する中央に
配置された円形パッドを含んでいてもよい。また、基板
の中央部分におけるより熱い温度は、図2(b)に示さ
れるように、周辺部に配置された環状リング形パッド1
00を用いて得られてもよく、このパッド100は、ベ
ース85の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する熱伝導
体を含み、基板中心部に比較して基板周辺部からの熱伝
達率を増加させる。
【0026】あるいは、基板の周囲(periphery)また
は周辺部(perimeter)を中心部よりも高い温度に維持
するために、パッド100の熱抵抗RP 、形状、寸法、
および相対位置は、基板25の周辺部分における熱伝達
率を減少させるように選択されてもよい。これは、基板
25の周囲の下にある小さい熱伝導率を有する環状リン
グ形パッド100かまたは基板25の中央部分の下にあ
る大きい熱伝導率を有する円板形パッド100を用いて
実現することができる。この形態においては、環状リン
グパッド100の熱抵抗RPは、ベース85の熱抵抗RB
よりも充分に大きいかまたは小さいように維持され、
基板25の中心部における温度を周辺部における温度よ
り約0℃〜約10℃だけ低く維持する。
【0027】もう1つの構成においては、例えば、図2
(c)に示されるように、パッド100は、基板表面に
わたる所望の温度プロファイルに基づいて形状を与えら
れチャック75に配置された複数のセグメントないし環
状リングを含んでいてもよい。このセグメント化された
パッド100は、均一な厚さの部分、より厚い部分、お
よび、より薄い部分を含んでいてもよく、あるいは、異
なる直径において階段状の高さ(stepped height)を有
する1つ以上のパッドから構成されてもよい。例えば、
図2(c)に示される構成においては、熱パッド100
は、ベースの外周および内周に配置された2つの環状リ
ングを含む。このセグメント化されたパッド100は、
基板25の中心部から周辺部にわたる階段状の温度勾配
を与える。パッド100は、それに適合する断面プロフ
ァイルを有するベース75の凹部120に配置される。
【0028】図2(d)に例として示されるさらにもう
1つの構成においては、パッド100の厚さは、基板表
面にわたる所望の温度プロファイルに応じて変化するよ
うに特別に製造される(tailored)。例えば、パッド1
00は、その中央においてより厚く、周囲においてより
薄くてもよく、あるいは、その逆でもよく、あるいは、
異なる直径において階段状の高さを含んでいてもよい。
例えば、熱パッド100は、より厚い中央部分と、それ
の外周における断面において、あるいは、それの中心部
から周辺部までの断面において、なだらかなテーパーを
持つより薄い周辺部分とを含んでいてもよい。この形態
においては、パッド100の厚さは、パッドの中心部か
ら周辺部まで徐々に減少してパッドの熱抵抗RP を徐々
に減少(または、増加)させる。テーパーのあるパッド
100は、それに適合するテーパーのある断面を有する
チャック75の凹部120に配置され、この凹部120
は、パッドを受容するように形状および寸法が与えら
れ、パッドの上面は基板25の下面に平行になる。好ま
しくは、パッド100のテーパー角あるいは曲率は、基
板25の中心部から周辺部にわたる滑らかで徐々に変化
する温度勾配を与えるように選択される。例えば、パッ
ド100全体またはパッド100のセグメントの熱抵
抗、テーパー角、または厚さの変化は、基板25の処理
表面上の所望される温度プロファイルに応じて変化する
パッドの直径にわたる熱抵抗の差ΔRP =RP1−RP2
与えるように選択されてもよい。1つの好ましい実施の
形態においては、パッド100は、パッドの中心部にお
ける約300μmの厚さが、パッドの周辺部において2
5μmの厚さにまで徐々に減少するようなテーパーを有
し、基板25の処理表面にわたる滑らかな温度勾配を与
える。テーパーのあるパッドは、テーパーのある断面を
有する円板または1つ以上の環状リングから構成されて
もよい。
【0029】ここで、静電チャック75およびチャンバ
20の部品の製造について説明する。プロセス・チャン
バ20の種々の部品およびチャンバそのものは、従来の
機械加工技術および成形技術を用いて、金属、セラミッ
ク、ガラス、ポリマー、および、複合材料などの種々の
材料から製造されてもよい。プロセス・チャンバ20お
よび部品を製造するのに使用される好ましい金属には、
アルミニウム、アルマイト、“HAYNES242”、
“Al−6061”、“SS304”、“SS31
6”、および、“INCONEL”などが含まれる。
【0030】静電部材80を支持するチャック75のベ
ース85は、金属等の熱伝導性および電気伝導性のある
材料から、あるいは、ポリマーまたはセラミック等の熱
絶縁物から製造されてもよい。高い熱抵抗のベースは、
典型的には、セラミック材料またはポリマー材料から製
造され、低い熱抵抗のベースは、アルミニウムまたはス
テンレス鋼等の金属から製造される。金属ベースの熱伝
導率は、典型的には、約150ワット/m°K 〜約2
50ワット/m°K であり、アルミニウムの場合に
は、熱伝導率は、約202ワット/m°Kである。ベー
ス85は、チャック75に保持される基板25の形状お
よび寸法に適合するように形状および寸法を与えられ
る。例えば、半導体基板に適したベース85(これは、
典型的には、直径が約127〜203mmの範囲にある
円である)は、厚さが約15mm 〜約18mmで直径
が約100mm 〜約300mmの直円柱の形状を有す
る。また、ベース85は流路を含んでいてもよく、この
流路にはベースを加熱または冷却するために熱伝達流体
が維持される。ベース85の上面および下面は、約1μ
m以下の表面粗さを有するように磨き仕上げがなされて
いるので、ベースが、パッド100および静電部材80
に均一に接触することができ、基板25とベースとの間
に効果的な熱伝達を与えることができる。好ましくは、
ベース85は、パッド100を保持するような寸法を与
えられた中央の凹部120を含み、パッドの上面は、ベ
ースの上面と同一平面をなして(flush with)静電部材
80に均一に接触し、均一な熱伝達を与える。
【0031】静電部材80は、誘電体または電気的な絶
縁体90を含み、この絶縁体90は、1つ以上の電極9
5を被覆するか、または、その中に1つ以上の電極95
が埋め込まれている。電極95は、例えば、銅、ニッケ
ル、クロム、アルミニウム、鉄、タングステン、およ
び、これらの合金等の導電性のある材料から製造され、
典型的には、約1μm 〜約1000μmの厚さであ
る。絶縁体90は、アルミニウム酸化物、チタン酸化
物、シリコン窒化物、または、これらの混合物、およ
び、これらに等価なもののモノリシックセラミック体を
含み、低い導電性を有するドープドセラミックを含んで
いる。絶縁体90の絶縁破壊の強さは、好ましくは、少
なくとも約4V/μmであり、より好ましくは、40V
/μmである。絶縁体90の厚さは、それの絶縁破壊の
強さおよび誘電率に依存する。典型的には、誘電率は、
少なくとも約2であり、より好ましくは、少なくとも約
3である。誘電率が3.5の絶縁体90の場合には、適
切な厚さは、約1μm 〜約100μmである。
【0032】好ましい形態においては、静電部材80
は、2つの絶縁体または2つの誘電体の層の間に挟まれ
た導電性のある材料を含む層を含む。この形態において
は、絶縁体90は、(i)チャック75のベース85上
の下側絶縁層と、(ii)電極95を被覆する上側絶縁
層と、を含む。この静電部材80は、ポリマーフィルム
上に導電性のある銅層かまたはアルミニウム層を有する
多層フィルムから製造されてもよい。市販されている適
切な多層フィルムには、例えば、銅層を含みた厚さが2
5〜125μmのポリイミドフィルムを含む“R/FL
EX1100”、エイブルスティック社(Ablestik Co
rporation)から販売されている商標がエイブルスティ
ック(Ablestik)のアルミニウム添加(alumin
um-filled)ポリイミド、あるいは、銅箔に(接着剤を
用いずに)直接に接着されたポリイミドを含むパラルッ
クス(Paralux;登録商標)APフィルムなどが
ある。2つの絶縁フィルムの間に埋め込まれた電極95
を形成するために、第2の絶縁フィルムが多層フィルム
の導電性のある層に接着される。別の方法として、絶縁
体は、モノリシックセラミック体(piece)として、粉
末の(powered)セラミック材料または層状のセラミッ
ク材料から製造されてもよい。
【0033】熱伝達レギュレータパッド100は、基板
25の表面にわたる所望の温度プロファイルに応じて選
択された材料特性を有する。高い熱抵抗RP が必要な場
合には、パッド100は、例えば、ポリイミド、ポリケ
トン、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、ポリカーボ
ネート、ポリスチレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポ
リプロピレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスル
ホン、ポリエチレンテレフタレート、フルオロエチレン
プロピレン・コポリマー、セルロース、トリアセテー
ト、シリコーン、ゴム、あるいは、これらの混合物等の
熱絶縁材料を含む。好ましくは、熱伝達レギュレータパ
ッド100は、日本の宇部興産(株)から市販されてい
る0.31ワット/mKの熱伝導率と約300μmの厚
さとを有するUPILEX、デラウェア州ウィルミント
ン(Wilmington,Delaware)のデュポンドヌムール社(D
uPont de Nemours Company)から市販されている
0.12ワット/mKの熱伝導率と150〜300μm
の厚さとを有するKAPTON、あるいは、0.17ワ
ット/mKの熱伝導率と約200μmの厚さとを有する
AURUM(商標)、等のポリマー層から製造される。
低い熱抵抗パッド100は、高い熱伝導率を有するポリ
マー等の高い熱伝導率を有する材料を含む。パッド10
0の厚さは、典型的には、約0.23mm(0.00
8″)〜約1.02mm(0.040″)であり、その
直径および形状は所望の温度プロファイルに依存する。
パッド100は、例えば、メタクリレート、ポリエステ
ル、ポリイミド、ポリウレタン、エポキシ、シリコーン
含有接着剤、および、これらの混合物、等の接着剤を用
いてベース85に接着されてもよく、また、熱伝導性接
着剤を用いて接着されてもよい。
【0034】実施例1および2は、本発明の静電チャッ
クの利点を実証するものである。これらの実施例におい
ては、熱抵抗パッド100を有する静電チャック75に
保持された基板の定常温度が、赤外線センサシステムを
用いて測定された。いずれの実施例においても、ポリイ
ミドから製造された熱パッド100は、図2(a)に示
されるように、チャックのアルミニウムベース85に設
けられた中央の凹部120内に配置された。ベース85
は、直径が約7.8インチで熱伝導率が約202ワット
/m°Kのアルミニウム円板から構成された。静電チャ
ック75は、ポリシリコン層を有する半導体基板25を
静電気的に保持するのに使用された。135sccmの
HBrおよび45sccmのCl2 を含むプロセス・ガ
スを用いてポリシリコン層をエッチングするために、基
板25がチャンバ20において処理された。チャンバ2
0内の圧力は、約200mトルに維持された。525ワ
ットの高周波バイアスが、プロセス電極55、60に印
加された。処理の後、基板25は、切断され(cross-se
ctioned)、走査電子顕微鏡によって検査され、断面プ
ロファイルおよびエッチング特徴の角度が測定された。
断面測定は、基板25の上側部分、中間部分、および、
下側部分にわたってなされた。
【0035】両方の実施例において、基板25は、約2
0℃〜約70℃の処理温度でエッチングされた。基板表
面にフォーカスされた赤外線センサシステムを用いて、
基板表面にわたる温度が測定された。表1は、基板25
の中心部および周辺部における温度の測定結果を示す。
実施例1においては、直径が0.1143m(4.
5″)で厚さが約0.305×10-3m(0.01
2″)の円形UPILEXパッド100が、基板25の
中央領域の下に配置された。実施例2においては、直径
が約0.1143m(4.5″)で厚さが0.762×
10-3m(0.030″)の円形KAPTONパッド1
00が、基板25の中央領域の下に配置された。“KA
PTON”は、デラウェア州ウィルミントンのデュポン
ドヌムール社によって製造されたポリイミドであり、
“UPILEX”は、日本の宇部興産(株)によって製
造されたポリイミドである。
【0036】
【表1】 表1に示されるように、UPILEXパッド100は、
基板25の中心部を周辺部より3〜6℃だけ高い温度に
維持した。同様に、KEPTONパッド100は、基板
25の中心部を周辺部より11〜12℃だけ高い温度に
維持した。KEPTON熱パッド100の熱伝導率は、
0.12ワット/mKであり、UPILEX熱パッド1
00では0.31ワット/mKであった。どちらの熱パ
ッド100もベース85(202ワット/mK)より小
さい熱伝導率を有していたので、基板25の中心部分か
らの熱の散逸を効果的に抑制し、基板の中心部における
温度を周辺部よりも高い温度に維持した。
【0037】実施例3〜5においては、静電チャックが
熱伝達パッドを有する場合、および、静電チャックが熱
伝達パッドを有しない場合の温度勾配とそれによって生
じる処理変化が比較された。実施例3は、熱伝達レギュ
レータパッド100を有しない静電チャック75を含ん
でいたが、実施例4および5の静電チャック75は、断
熱層として機能する多層熱パッド100を含んでいた。
すべての実施例は、熱伝導性のある直径が約195mm
のアルミニウムベース85を使用した。実施例4および
5においては、ベース85は、パッド100を受容する
ように形状および寸法を与えられた中央の凹部120を
含み、この凹部120は、約0.1143m(4.
5″)の直径と約250〜約300μmの深さとを有す
るほぼ円筒状の形状であった。凹部120の中にある熱
パッド100の上面は、チャックの凹部のまわりのベー
ス85の上面と同一平面を形成した。
【0038】実施例4においては、熱伝達レギュレータ
パッド100は2つの円形UPILEX層から構成さ
れ、そのそれぞれは、直径が約0.1143m(4.
5″)で厚さが約0.127×10-3m(0.00
5″)であった。約25〜50μm(1〜2ミル)の厚
さを有する接着剤層によって、これらのUPILEX層
がお互いに接着され、そして、ベース85に接着され
た。パッド100の全体の厚さは、接着剤層の厚さも含
めて、約250〜300μm(10〜15ミル)であっ
た。
【0039】実施例5においては、パッド100は2つ
の円形KAPTON層から構成され、そのそれぞれは、
直径が約0.1143m(4.5″)で厚さが約300
μm(0.014インチ)であった。約25μm(0.
001インチ)の厚さを有する接着剤層によって、これ
らのKAPTON層がお互いに接着された。この多層パ
ッド100が、約25μm(0.001インチ)の厚さ
を有する接着剤層によって、ベース85に接着された。
パッド100の全体の厚さは、ベース85とパッド10
0との間の接着剤層の厚さも含めて、約750μm
(0.030インチ)であった。
【0040】どの実施例においても、ポリシリコン層を
有する半導体基板25を静電気的に保持するために静電
チャック75が使用された。コンデンサおよびゲートを
形成するために、前の実施例と同一のプロセス・ガス組
成および処理条件を用いて、ポリシリコン層がエッチン
グされた。基板25は、約20℃〜約70℃の処理温度
でエッチングされ、基板表面にフォーカスされた赤外線
センサシステムを用いて、基板表面にわたる温度が測定
された。
【0041】チャック75が熱パッド100を含んでい
なかった実施例3においては、基板25の中心部と周辺
部の温度差は10℃を超えていた。実際に、基板25の
中心部において測定された温度は、典型的には、基板の
周辺部の温度よりも約11℃低いものであった。この温
度変化は、基板25の中心部分における85°から基板
の周辺部分における87°までの範囲にわたる断面角度
を有するエッチング特徴をもたらした。さらに、エッチ
ング・プロファイルは、基板中心におけるより低い温度
のために、基板25の中心においてより大きなテーパー
を有するものであった。エッチング・プロファイルにお
ける変化およびテーパーのあるエッチング・プロファイ
ル形状は、基板25にわたって不均一な電気的特性を有
する集積回路をもたらす。
【0042】実施例4においては、現場(in−sit
u)における基板温度測定が、基板25の中心部におけ
る温度は平均すると約62℃であり、基板の周辺部にお
ける温度は平均すると約56℃であることを示した。し
たがって、基板25の中心部は、基板の周辺部における
平均温度より約5〜6℃だけ高い平均温度に維持され
た。このより高い温度は、基板25の表面に対して約8
9〜90°の角度で側壁を有するほぼ均一なエッチング
・プロファイルを有するエッチング特徴を与えた。
【0043】実施例5においては、赤外線温度センサが
ペデスタルの中心部における温度を測定し、それは、基
板25の周辺部における温度よりも約11℃だけ熱いも
のであった。基板25の稠密な(dense;多数のエッチ
ング特徴がある)領域におけるエッチング特徴の断面プ
ロファイル、およびまばらな(isolated;少数のより間
隔のあいたエッチング特徴がある)領域におけるエッチ
ング特徴の断面プロファイルが、走査顕微鏡によって検
査された。稠密な領域において、断面プロファイルは、
基板25の上側部分において約87°から88°まで変
化し、基板の中央部分において約87°から88°まで
変化し、基板の下側部分においては約80°であった。
まばらな領域においては、エッチング・プロファイル角
度は、基板の上側部分において約77°から78°まで
変化し、基板の中心部分は80°の角度でエッチングさ
れ、基板の下側部分は77°の角度でエッチングされて
いた。したがって、まばらな領域は、稠密な領域とは逆
の傾向を示し、静電チャック75は、基板25の中心部
よりも周辺部においてより大きなテーパーを有するエッ
チング特徴を与えた。これらの結果は、まばらな領域に
おいては理想的なものではなかったが、エッチング特徴
プロファイルにおけるこのような変化は、例えば、プロ
セス・ガスの流量、圧力、プラズマの電力等のプロセス
パラメータを調整することによって最適化することがで
きる。
【0044】本発明が、その好ましい形態に関してかな
り詳細に説明されたが、別の形態も可能である。例え
ば、熱伝達レギュレータパッド100は、静電チャック
75の上、チャック75の内部(inside)ないし中(wi
thin)、あるいは、チャックのベースの下に配置されて
もよい。あるいは、静電部材、ベース、および、パッド
は、複合多層構造として製造されてもよい。すなわち、
添付のクレームは、ここに記載された好ましい形態に限
定されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプロセス・チャンバの模式断面図
である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明の静電チャックの種
々の形態(versions)の模式断面図である。
【図3】本発明の静電チャックの模式的上面図であり、
チャック中の熱伝達流体の溝を示す。
【図4】本発明の静電チャックの実施の形態の部分模式
断面図であり、静電部材および熱伝達レギュレータパッ
ドの詳細を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アジェイ クマール アメリカ合衆国, カリフォルニア州, サニーヴェイル, ケニルワース コート 510 (72)発明者 シャシェインク シー. デッシュムック アメリカ合衆国, カリフォルニア州, サニーヴェイル, リード テラス 10754, ナンバー3 (72)発明者 ウィーナン ジャン アメリカ合衆国, カリフォルニア州, サン ノゼ, エトラスカン ドライヴ 3089 (72)発明者 ロルフ エー. ギュンター アメリカ合衆国, カリフォルニア州, モンテ セレノ, ヴァインランド アヴ ェニュー 17801

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロセス・チャンバ内において基板を保
    持するための静電チャックであって、 基板を受容するための受容面を有し、電極を被覆する誘
    電体を含む静電部材と、 静電部材の下に配置され、プロセス・チャンバにおいて
    基板を処理中に基板からの熱伝達率をコントロールする
    パッドと、 を含む静電チャック。
  2. 【請求項2】 更に、静電部材の下にベースを含み、前
    記ベースは第1の熱抵抗RB を有し、且つ、前記パッド
    は、ベースの熱抵抗RB よりも充分に大きいかまたは小
    さい第2の熱抵抗RP を有し、基板表面にわたって所定
    の温度を与える請求項1に記載の静電チャック。
  3. 【請求項3】 前記第2の熱抵抗RP は、熱抵抗の差Δ
    R=RP −RB が、基板表面にわたりほぼ同一温度を維
    持するのに充分に高い熱抵抗を与えるものである請求項
    2に記載の静電チャック。
  4. 【請求項4】 前記第2の熱抵抗RP は、熱抵抗の差Δ
    R=RP −RB が、基板表面にわたり0〜10℃の温度
    差を有する温度プロファイルを与えるのに充分に高い熱
    抵抗を与えるものである請求項2に記載の静電チャッ
    ク。
  5. 【請求項5】 熱抵抗の差ΔR=RP −RB が、約10
    〜約1000K/Wの範囲にある請求項2に記載の静電
    チャック。
  6. 【請求項6】 前記熱抵抗RB が0.2×10-3〜20
    ×10-3K/Wの範囲にあり、熱抵抗RP が50×10
    -3〜400×10-3K/Wの範囲にある請求項2に記載
    の静電チャック。
  7. 【請求項7】 前記ベースは20〜2000ワット/m
    Kの範囲にある熱伝導率を有し、前記パッドは0.01
    〜3.0ワット/mKの範囲にある熱伝導率を有する請
    求項2に記載の静電チャック。
  8. 【請求項8】 前記パッドが、ベースの直径DB よりも
    小さい直径DP を有する円形(circular)部材を含む請
    求項2に記載の静電チャック。
  9. 【請求項9】 前記パッドが円板(disc)または環状
    (annular)リングを含む請求項8に記載の静電チャッ
    ク。
  10. 【請求項10】 前記円形部材が、ベース中の凹部内に
    配置される請求項8に記載の静電チャック。
  11. 【請求項11】 (a)プロセス・ガスをプロセス・チ
    ャンバに導入するためのガスディストリビュータシステ
    ムと、 (b)該プロセス・ガスからプラズマを形成するための
    プラズマ発生装置と、 (c)前記プロセス・チャンバ内に基板を保持するため
    の請求項1に記載の静電チャックと、 を含むプロセス・チャンバ。
  12. 【請求項12】 静電気的に基板を保持し、基板表面に
    わたり所定の温度を維持する方法であって、 (a)静電部材の受容面に静電気的に基板を保持するス
    テップと、 (b)基板の一部分(portions)の下に熱抵抗RB を有
    する第1の熱経路(thermal pathways)を維持するステ
    ップと、 (c)基板の他の部分(portions)の下に熱抵抗RB
    は充分に異なる熱抵抗RP を有する第2の熱経路を維持
    し、基板の処理中に基板表面にわたり所定の温度を与え
    るステップと、 を含む方法。
  13. 【請求項13】 前記第1の熱経路は、下面を有し静電
    部材を支持するベースを与えることによって維持され、
    前記第2の熱経路は、静電部材の受容面とベースの下面
    との間にパッドを与えることによって維持される請求項
    12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記第1の熱伝達経路は基板の周辺部
    分(perimeter)の下にある環状領域を含み、前記第2
    の熱伝達経路は基板の中心部分の下にある中央領域を含
    む請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 熱抵抗の差ΔR=RP −RB が、基板
    表面にわたるほぼ同一の温度を維持するように選択され
    る請求項12に記載の方法。
  16. 【請求項16】 熱抵抗の差ΔR=RP −RB が、基板
    の周辺部における温度よりも0〜10℃だけ高い基板の
    中心部における温度を維持するように選択される請求項
    12に記載の方法。
  17. 【請求項17】 (1)基板の処理中に基板表面にわた
    る定常温度プロファイルを測定する初期ステップと、 (2)該定常温度プロファイルを基板表面にわたる処理
    特性の変化(variations)と相関させる初期ステップ
    と、 (3)基板表面にわたる処理特性の変化を実質的に抑制
    する第1および第2の熱経路の熱抵抗の差ΔR=RP
    B を選択する初期ステップと、 を含む請求項12に記載の方法。
JP10182701A 1997-06-27 1998-06-29 熱伝達レギュレータパッドを有する静電チャック Withdrawn JPH1187481A (ja)

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