JPH1186275A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JPH1186275A
JPH1186275A JP9249147A JP24914797A JPH1186275A JP H1186275 A JPH1186275 A JP H1186275A JP 9249147 A JP9249147 A JP 9249147A JP 24914797 A JP24914797 A JP 24914797A JP H1186275 A JPH1186275 A JP H1186275A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
recording medium
protective film
magnetic recording
carbon protective
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9249147A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryoichi Hiratsuka
亮一 平塚
Yuka Itou
由佳 伊藤
Kazuo Hoshi
一男 星
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP9249147A priority Critical patent/JPH1186275A/ja
Priority to US09/149,863 priority patent/US6110584A/en
Publication of JPH1186275A publication Critical patent/JPH1186275A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/72Protective coatings, e.g. anti-static or antifriction
    • G11B5/727Inorganic carbon protective coating, e.g. graphite, diamond like carbon or doped carbon
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/26Web or sheet containing structurally defined element or component, the element or component having a specified physical dimension
    • Y10T428/263Coating layer not in excess of 5 mils thick or equivalent
    • Y10T428/264Up to 3 mils
    • Y10T428/2651 mil or less
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/30Self-sustaining carbon mass or layer with impregnant or other layer

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動耐久性に優れた磁気記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 非磁性支持体上に金属磁性薄膜からなる
磁性層が形成され、磁性層上にカーボン保護膜が形成さ
れてなり、磁気ヘッドが摺動することにより、記録及び
/又は再生が行われる磁気記録媒体であって、上記カー
ボン保護膜は、波長514.5nmのアルゴンイオンレ
ーザーを用いたラマンスペクトル分析により得られるラ
マンスペクトルにおいて、波数1550cm-1付近に現
れる主ピーク強度Aのバックグランド強度Bに対する強
度比A/Bが2以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッドが摺動
することにより記録及び/又は再生が行われる金属磁性
薄膜型磁気記録媒体に関し、特にカーボン保護膜の改良
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体としては、酸化
物磁性粉末或いは合金磁性粉末等の粉末磁性材料を、塩
化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、
ウレタン樹脂等の有機バインダー中に分散せしめた磁性
塗料を非磁性支持体上に塗布乾燥することにより作製さ
れる、いわゆる塗布型磁気記録媒体が広く使用されてい
る。
【0003】これに対して、高密度記録への要求の高ま
りとともに、Co−Ni合金、Co−Cr合金、Co−
O合金等の金属磁性材料を、メッキや真空薄膜形成手段
(真空蒸着法、スパッタリング、イオンプレーティング
法等)によって直接被着せしめた、いわゆる金属磁性薄
膜型磁気記録媒体が提案され注目を集めている。
【0004】この金属磁性薄膜型磁気記録媒体は、抗磁
力や角形比等に優れ、磁性層の厚みを極めて薄くできる
ため、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さく短波
長での電磁変換特性に優れるばかりではなく、磁性層中
に非磁性材であるバインダー等を混入する必要がないた
め磁性材料の充填密度を高めることができる等、数々の
利点を有している。したがって、金属磁性薄膜型磁気記
録媒体は、この磁気特性的な優位さ故に高密度磁気記録
の主流になると考えられる。
【0005】さらに、この種の磁気記録媒体の電磁変換
特性を向上させ、より短波長での高出力化を図るため
に、いわゆる斜方蒸着媒体が提案され実用化されてい
る。この斜方蒸着媒体は、移動走行する非磁性支持体上
に斜め方向から磁性金属を堆積させる、いわゆる斜方蒸
着法により磁性層を形成した磁性金属薄膜型の磁気記録
媒体である。
【0006】一方、今後更なる高密度記録化の流れか
ら、磁気記録媒体はスペーシングロスを少なくするため
に平滑化される傾向にある。磁気記録媒体の平滑化に伴
って、ヘッド−媒体間の摩擦力は増大し、媒体に生ずる
せん断応力は大きくなる。そこで、このような摺動耐久
性を向上させる目的で、磁性層表面に保護膜を形成する
技術の検討がなされている。
【0007】このような保護膜としては、カーボン膜、
石英(SiO2)膜、ジルコニア(ZrO2)膜等が検討
され、ハードディスクにおいては実用化され生産されて
いるものもある。特に、カーボン保護膜においては、よ
り硬度な膜であるダイヤモンドライクカーボン(以下、
DLCと称す。)膜も検討されている。DLC膜の形成
には、スパッタリング法、化学的気相成長(以下、CV
Dと称す。)法等が用いられている。
【0008】スパッタリング法とは、まず電場や磁場を
利用してアルゴンガス等の不活性ガスの電離(プラズマ
化)を行い、さらに電離されたアルゴンイオンを加速す
ることにより、その運動エネルギーでターゲットの原子
をはじき出す。そして、そのはじき出された原子が対向
する基板上に堆積し、目的とする膜が形成される物理的
プロセスである。このスパッタリング法は、上記DLC
膜の形成速度が一般的に遅く、工業的見地からは生産性
に劣る膜形成手段である。
【0009】これに対し、CVD法は、電場や磁場を用
いて発生させたプラズマのエネルギーを利用して、原料
となる気体の分解、合成等の化学反応をおこさせ、膜を
形成する化学的プロセスであり、スパッタリング法より
DLC膜の形成速度が速い。
【0010】このように、上述した方法にてカーボン保
護膜が設けられることにより、磁気記録媒体の摺動耐久
性の著しい向上がみられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
磁気記録装置の小型化、大容量化が進み、特に高信頼性
が必要とされるデータストレージ用途への拡大に伴い、
さらに優れた摺動耐久性が求められている。
【0012】また、磁気記録再生装置の磁気ヘッドの浮
上量も低下の一途をたどっており、浮上量の極限とし
て、磁気ヘッドを磁気記録媒体表面に常時接触させなが
ら記録再生を行う方式、いわゆるコンタクト方式も提唱
されている。
【0013】このように、磁気ヘッドと磁気記録媒体面
とが接触摺動することにより、記録及び/又は再生が行
われる磁気記録媒体においては、よりいっそう低摩擦
化、摺動耐久性の向上を図る必要がある。
【0014】本発明は、このような実情に鑑みて提案さ
れたものであり、よりいっそう摺動耐久性に優れた磁気
記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、ラマンスペクト
ル分析により得られるラマンスペクトルにおいて、波数
1550cm-1付近に現れる主ピーク強度の強度比が2
以上であるカーボン保護膜が、低摩擦で摺動耐久性に優
れることを見いだした。
【0016】すなわち、本発明に係る磁気記録媒体は、
非磁性支持体上に金属磁性薄膜からなる磁性層が形成さ
れ、磁性層上にカーボン保護膜が形成されてなり、磁気
ヘッドが摺動することにより、記録及び/又は再生が行
われる磁気記録媒体であって、上記カーボン保護膜は、
波長514.5nmのアルゴンイオンレーザーを用いた
ラマンスペクトル分析により得られるラマンスペクトル
において、波数1550cm-1付近に現れる主ピーク強
度のバックグランド強度に対する強度比が2以上である
ことを特徴とする。
【0017】本発明に係る磁気記録媒体は、カーボン保
護膜のラマンスペクトル分析により得られるラマンスペ
クトルのパターン(強度比)を規定することによって、
低摩擦で、シャトル特性及びスチル特性に優れるカーボ
ン保護膜を得ることができる。その結果、摺動耐久性に
優れた磁気記録媒体を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
について、詳細に説明する。
【0019】本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持
体上に金属磁性薄膜からなる磁性層が形成され、磁性層
上にカーボン保護膜が形成されてなり、このカーボン保
護膜が以下のような条件を満たしていることを特徴とす
る。
【0020】すなわち、上記カーボン保護膜は、波長5
14.5nmのアルゴンイオンレーザーを用いたラマン
スペクトル分析により得られるラマンスペクトルにおい
て、図1に示すように、波数1550cm-1付近に現れ
る主ピーク強度Aのバックグランド強度Bに対する強度
比A/Bが2以上であることを特徴とする。
【0021】ここで、バックグランド強度Bは、波数1
550cm-1付近に現れる主ピークの両端の極小値を結
んだベースラインをバックグランドとするものである。
このベースラインの傾きは、カーボン保護膜中の水素濃
度(原料ガス組成)や電極に印加される電圧条件等によ
って左右される。
【0022】上記強度比A/Bは、2以上、より好まし
くは2.5〜4.2である。強度比A/Bが2未満の場
合には、アモルファスカーボンの生成がほとんどなされ
ていないと考えられる。また、強度比A/Bが4.2を
越える場合には、CVD装置に印加する電圧が大きくな
るため、非磁性支持体が熱負けを起こす等の問題を生じ
る虞がある。
【0023】このカーボン保護膜は、例えば、原料を気
相化学反応させたのち非磁性支持体上に堆積させるCV
D法やスパッタリング法等の真空薄膜形成技術によって
形成するとよい。特に、CVD法は、高速成膜が可能で
あることから好ましく用いられる。
【0024】また、この場合、カーボン保護膜は、アモ
ルファス構造の硬質カーボン膜、いわゆるDLC膜とし
て形成されることが好ましい。DLC膜は、一般に薄膜
領域(10nm程度)にて高硬度,低摩擦が実現できる
ことから、摺動媒体のテープ等の保護膜として好まし
い。
【0025】カーボン保護膜の膜厚は、1〜20nmに
成膜されるのが好ましい。カーボン保護膜の膜厚が1n
m未満の場合には、保護膜を設ける効果が十分に得られ
ない。また、カーボン保護膜の膜厚が厚すぎると、磁性
層の保磁力が低下するため、またカセット内に収納でき
る磁気テープの長尺化を図る点からも、カーボン保護膜
の厚さは、20nm以下が好ましい。
【0026】このように、波数1550cm-1付近の主
ピーク強度Aのバックグランド強度Bに対する強度比A
/Bが2以上であるカーボン保護膜は、低摩擦で、摺動
耐久性に優れたものとなる。
【0027】したがって、本発明の磁気記録媒体は、磁
気ヘッドが摺動することにより記録及び/又は再生が行
われる磁気記録媒体であって、特に信頼性が必要とされ
るデータストリーマーや、ビデオライブラリ等の特別な
用途に使用される磁気記録媒体に適用されて好適であ
る。また、本発明の磁気記録媒体は、ディスク状、テー
プ状でもよいが、ケースに内蔵されるディスク状媒体と
異なり、外に露出する機会が多いテープ状媒体等のよう
に、耐環境特性が厳しく要求される磁気記録媒体にも適
用されて好適である。
【0028】ところで、本発明は、いわゆる金属磁性薄
膜型の磁気記録媒体に関するものであるが、非磁性支持
体や金属磁性薄膜の材料や構成等は特に限定されない。
【0029】非磁性支持体としては、通常この種の磁気
記録媒体の非磁性支持体として用いられるものであれば
何れも使用可能であり、例示すれば、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート等のポ
リエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン類、セルローストリアセテート、セルロース
ダイアセテート、セルローストリアセテートブチレート
等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
デリン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート類、ポリア
ミド類、ポリイミド類に代表されるような高分子材料
や、アルミナガラス、セラミックス等により形成される
支持体等が挙げられる。
【0030】磁性層は、強磁性金属材料を成膜すること
により形成されるものであるが、該強磁性金属材料は、
通常の蒸着テ−プに使用されるものであれば如何なるも
のであってもよい。例示すれば、Fe,Co,Niなど
の強磁性金属、Fe−Co,Co−Ni,Fe−Co−
Ni,Fe−Cu,Co−Cu,Co−Au,Co−P
t,Mn−Bi,Mn−Al,Fe−Cr,Co−C
r,Ni−Cr,Fe−Co−Cr,Co−Ni−C
r,Fe−Co−Ni−Cr等の強磁性合金があげられ
る。これら強磁性金属からなる磁性層は、これらの単層
膜であってもよいし多層膜であってもよい。
【0031】これら磁性層の形成手段としては、真空下
で強磁性金属材料を加熱蒸発させ、非磁性支持体上に蒸
着させる真空蒸着法や、蒸発粒子をイオン化し電界によ
り加速してから非磁性支持体上に付着させるイオンプレ
ーティング法、アルゴンを主成分とする雰囲気中でグロ
ー放電を越こし生じたアルゴンイオンでターゲット表面
の原子をたたき出すスパッタリング法等、いわゆるPV
D技術によればよい。
【0032】なお、このうち、真空蒸着法によって磁性
層を形成する場合には、高密度記録領域での特性改善を
目的として、磁性金属材料を蒸着源とし、移動走行する
非磁性支持体上に斜め方向から磁性金属粒子を蒸着せし
める、斜方蒸着法により成膜するのが好ましい。
【0033】この時、この磁性層の磁化容易軸の傾き角
は、非磁性支持体の表面に対して20〜90°であるこ
とが望ましい。この磁化容易軸の傾き角が高角度になる
ほど、高密度記録領域における特性が改善される。な
お、磁性層の磁化容易軸の傾き角は、磁性層を蒸着形成
するに際して、非磁性支持体に対する蒸着粒子の入射角
を変化させることにより制御することができる。
【0034】なお、この蒸着法に際しては、蒸着雰囲気
下に酸素ガスを導入し、例えば、Co−O系薄膜、Co
−Ni−O系薄膜といったような酸素を含有したかたち
で形成するのがよい。これにより、磁性層の結晶粒子が
微細化し、媒体ノイズが低減できる。また、結晶粒子が
柱状構造となることで、斜め方向の形状異方性を増大す
る。
【0035】以上が、本発明に係る磁気記録媒体の基本
的な構成であるが、この磁気記録媒体には、この種の磁
気記録媒体で通常用いられている付加的な構成を持た
せ、さらなる特性の改善を図るようにしてもよい。
【0036】例えば、上記非磁性支持体と磁性層との
間、或いは多層膜の間に、各層間の付着力向上、抗磁力
の制御等のため、下地層或いは中間層を設けてもよい。
更に、この非磁性支持体においては、必要に応じて、そ
の表面性をコントロールするために、微細な凹凸が形成
されるような表面処理を施しても良い。
【0037】また、磁性層となる金属磁性薄膜の上に、
潤滑剤や防錆剤等によりなるトップコート層を設けても
よい。また、非磁性支持体の磁性層を形成した側とは反
対側の面に、磁気記録媒体の走行耐久性の向上や帯電防
止及び転写防止等を目的として、非磁性顔料、結合剤、
潤滑剤等によりなるバックコート層を形成するようにし
てよい。これらの材料には、従来用いられているものが
いずれも使用可能である。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例を実験結果を基づいて
詳細に説明する。
【0039】実施例1 まず、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム上に、酸素ガスを導入しながらCoを蒸着
源に用いた真空蒸着を行うことにより、膜厚200nm
の金属磁性薄膜(Co−O単層)を成膜した。金属磁性
薄膜の成膜条件は下記のとおりである。
【0040】金属磁性薄膜に成膜条件 蒸着粒子の入射角 : 45〜90° 蒸着時の真空度 : 2×10-2 Pa 次に、上記金属磁性薄膜上にDLC膜よりなる保護膜を
成膜するが、これに先立って、成膜に用いたプラズマC
VD装置について説明する。
【0041】図2に示されるように、このプラズマCV
D装置は、真空排気系1によって排気されて内部が真空
状態となされた真空槽2内に、送りロール3,巻き取り
ロール4とが配設されており、これら送りロール3から
巻き取りロール4に向かって、上述したようにフィルム
上に金属磁性薄膜が成膜されてなるテープ5が順次走行
されるようになされている。
【0042】これら送りロール3から巻き取りロール4
側に上記テープ5が走行する中途部には、上記各ロール
3,4よりも大径となされた円筒キャン5が配設されて
いる。
【0043】この円筒キャン6は、上記テープ5を図中
下方に引き出すように設けられている。この円筒キャン
6には、内部に図示しない冷却装置が設けられており、
上記テープ5の温度上昇による変形等を抑制し得るよう
になされている。
【0044】以上のような構成を有するプラズマCVD
装置において、上記テープ5は、上記送りロール3から
順次送り出され、上記円筒キャン6の周面に沿って移動
走行され、更に上記巻き取りロール4に順次巻き取られ
ることとなる。
【0045】また、上記送りロール3と上記円筒キャン
6との間、及び該円筒キャン6と上記巻き取りロール4
との間には、各ロール3,4より小径のガイドロール
7,8がそれぞれ配設され、上記送りロール3から上記
円筒キャン6、該円筒キャン6から上記巻き取りロール
4に亘って走行する上記テープ5に所定のテンションを
かけ、該テープ5が円滑に走行するようになされてい
る。
【0046】また、上記円筒キャン6の下方には、該円
筒キャン6の周面に略平行となるように曲面化された開
口を有するガス反応管9が設けられ、その内部に金属よ
りなるメッシュ状の電極10が配されている。この電極
10には、所定の直流電源により電流が供給され、電極
10と円筒キャン6との間に所定の直流電圧が印加でき
るようになされている。また、ガス反応管9には、この
内部にガスを供給するためのガス供給口11が設けられ
ている。なお、ガス反応管9は、これに対向する円筒キ
ャン5と略同じ幅を有するものである。
【0047】このように構成されたプラズマCVD装置
を用い、真空槽2内の圧力を30Paとし、電極10と
円筒キャン6との間に電圧0.8kVを印加し、放電を
生じさせた状態にてガス供給口11から原料ガスとして
エチレンとアルゴンの混合ガス(エチレン:アルゴン=
85:15)を供給した。これにより、円筒キャン6の
周面を走行するテープ5の金属磁性薄膜上に厚さ8nm
なるカーボン保護膜が成膜された。
【0048】以上のようにして金属磁性薄膜上にカーボ
ン保護膜を成膜した後、6.35mm幅に裁断すること
により磁気テープを完成し、これを実施例1のサンプル
テープとした。
【0049】実施例2〜実施例5、比較例1、比較例2 表1に示す、反応ガス組成、電圧条件により、カーボン
保護膜を成膜し、他は実施例1と同様にしてサンプルテ
ープを作製した。
【0050】
【表1】
【0051】特性評価 実施例及び比較例のサンプルテープに対して、ラマンス
ペクトル分析、シャトル走行試験、スチル耐久性試験、
摩擦試験を行った。試験方法は、以下の通りである。
【0052】ラマンスペクトル分析:カーボン膜に波長
514.5nmのアルゴンイオンレーザーを照射し、こ
れにより励起された散乱光をスペクトル測定する方法で
あり、カーボン保護膜を評価する方法として、代表的な
手法により行った。そして、1550cm-1付近に現れ
る主ピーク強度Aのバックグランドの強度比Bに対する
強度比A/Bを求めた。
【0053】シャトル走行試験:デジタルビデオカメラ
(ソニー社製、商品名;DVC−700)を用い、温度
40℃相対湿度30%の環境下で10分間1回記録した
後、99回再生させ、初期出力に対する100パス回目
の出力を調べた。このレベルダウン量は、−3dB以内
であれば、デジタルビデオテープレコーダに内蔵される
信号増幅回路により画質に影響を与えない。
【0054】スチル耐久試験:デジタルビデオカメラ
(ソニー社製、商品名;DVC−700)を用い、温度
−5℃の環境下でスチル状態のまま保持し、結果を初期
出力に対して−3dBになる時間を調べた。
【0055】摩擦試験:温度40℃相対湿度80%の環
境下で摺動摩擦試験を用いて行い、結果を摩擦係数で表
した。
【0056】これらの結果を表2に示す。また、実施例
のラマンスペクトルを図3に示す。
【0057】
【表2】
【0058】表2の結果から、カーボン保護膜のラマン
強度比が2以上である実施例のサンプルテープにおいて
は、良好なシャトル特性、スチル特性、低摩擦を示し、
摺動耐久性に優れていることがわかる。
【0059】これに対して、カーボン保護膜のラマン強
度比が2以下である比較例1及び比較例2のサンプルテ
ープにおいては、いずれも満足のいく特性が得られなか
った。一方、カーボン保護膜のラマン強度比が4.5で
ある比較例3のサンプルテープにおいては、成膜時にフ
ィルムが熱負けを起こして各試験を行うことができなか
った。
【0060】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、ラマンスペクトル分析により得られるラマ
ンスペクトルにおいて、波数1550cm-1付近に現れ
る主ピーク強度のバックグランドの強度比に対する強度
比が2以上であるカーボン保護膜を有してなることか
ら、摺動耐久性に優れ、高信頼性を有する磁気記録媒体
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気記録媒体のカーボン保護
膜のラマンスペクトルを示す特性図である。
【図2】本発明を適用した磁気記録媒体のカーボン保護
膜の成膜に用いるプラズマCVD装置の概略構成図であ
る。
【図3】本発明を適用した磁気記録媒体のカーボン保護
膜のラマンスペクトルを示す特性図である。
【符号の説明】
1 真空排気系、2 真空槽、3 送りロール、4 巻
取りロール、5 テープ、6 円筒キャン、9 ガス反
応管、10 電極、11 ガス供給口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に金属磁性薄膜からなる
    磁性層が形成され、磁性層上にカーボン保護膜が形成さ
    れてなり、磁気ヘッドが摺動することにより、記録及び
    /又は再生が行われる磁気記録媒体であって、 上記カーボン保護膜は、波長514.5nmのアルゴン
    イオンレーザーを用いたラマンスペクトル分析により得
    られるラマンスペクトルにおいて、波数1550cm-1
    付近に現れる主ピーク強度のバックグランド強度に対す
    る強度比が2以上であることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 上記カーボン保護膜は、化学的気相成長
    法により成膜されてなるダイヤモンドライクカーボンで
    あることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記カーボン保護膜は、波長514.5
    nmのアルゴンイオンレーザーを用いたラマンスペクト
    ル分析により得られるラマンスペクトルにおいて、波数
    1550cm-1付近に現れる主ピーク強度のバックグラ
    ンド強度に対する強度比が2.5〜4.2であることを
    特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
JP9249147A 1997-09-12 1997-09-12 磁気記録媒体 Pending JPH1186275A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9249147A JPH1186275A (ja) 1997-09-12 1997-09-12 磁気記録媒体
US09/149,863 US6110584A (en) 1997-09-12 1998-09-09 Magnetic recording medium

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9249147A JPH1186275A (ja) 1997-09-12 1997-09-12 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1186275A true JPH1186275A (ja) 1999-03-30

Family

ID=17188621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9249147A Pending JPH1186275A (ja) 1997-09-12 1997-09-12 磁気記録媒体

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6110584A (ja)
JP (1) JPH1186275A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6881475B2 (en) 2001-06-13 2005-04-19 Sumitomo Electric Industries, Ltd Amorphous carbon coated tool and fabrication method thereof
US6962751B2 (en) * 2001-06-13 2005-11-08 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Amorphous carbon coated tools and method of producing the same
EP2000560A1 (en) 1999-07-08 2008-12-10 Sumitomo Electric Industries, Ltd Hard coating and coated member

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6589641B1 (en) * 1998-06-04 2003-07-08 Seagate Technology Llc Thin films of crosslinked fluoropolymer on a carbon substrate
US6617011B2 (en) * 1999-05-07 2003-09-09 Seagate Technology Llc Elastomeric lubricants for magnetic recording media
US6680079B1 (en) 2000-06-02 2004-01-20 Seagate Technology Llc Planarization and corrosion protection of patterned magnetic media
US6849304B1 (en) 2001-03-16 2005-02-01 Seagate Technology Llc Method of forming lubricant films
JP3733878B2 (ja) * 2001-06-29 2006-01-11 ソニー株式会社 金属薄膜型磁気記録媒体及びその製造方法
US6776438B2 (en) 2001-08-01 2004-08-17 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Magnetic printing media for inkjet and laserjet

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5045165A (en) * 1990-02-01 1991-09-03 Komag, Inc. Method for sputtering a hydrogen-doped carbon protective film on a magnetic disk
JPH06195691A (ja) * 1992-10-28 1994-07-15 Fuji Electric Co Ltd 磁気記録媒体およびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2000560A1 (en) 1999-07-08 2008-12-10 Sumitomo Electric Industries, Ltd Hard coating and coated member
US6881475B2 (en) 2001-06-13 2005-04-19 Sumitomo Electric Industries, Ltd Amorphous carbon coated tool and fabrication method thereof
US6962751B2 (en) * 2001-06-13 2005-11-08 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Amorphous carbon coated tools and method of producing the same

Also Published As

Publication number Publication date
US6110584A (en) 2000-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000248365A (ja) 薄膜形成装置および薄膜形成方法ならびに案内ガイドロール
JPH1186275A (ja) 磁気記録媒体
JP2000207735A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2004046928A (ja) 磁気記録媒体
JP2833444B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2951892B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2729544B2 (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPH1046344A (ja) 成膜装置
JP2001143236A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JPH10255262A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH10195664A (ja) 成膜方法及び成膜装置
JPH103650A (ja) 磁気記録媒体
JPH09128744A (ja) 磁気記録媒体の製造装置
JPH11279765A (ja) 薄膜形成装置および薄膜形成方法ならびに円筒キャン
JP2005346812A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH10255263A (ja) 磁気記録媒体
JPH09320044A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JP2003132521A (ja) 磁気テープ
JP2005129157A (ja) 磁気記録媒体とその製造方法および製造装置
JPH1196541A (ja) 磁気記録媒体
JPH08129747A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JP2000123360A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2005222639A (ja) 磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法
JPH08129741A (ja) 磁気記録媒体
JP2001118238A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051202

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060912

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061113

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20061122

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20070302

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071204