JPH09128744A - 磁気記録媒体の製造装置 - Google Patents
磁気記録媒体の製造装置Info
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- JPH09128744A JPH09128744A JP7284187A JP28418795A JPH09128744A JP H09128744 A JPH09128744 A JP H09128744A JP 7284187 A JP7284187 A JP 7284187A JP 28418795 A JP28418795 A JP 28418795A JP H09128744 A JPH09128744 A JP H09128744A
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- magnetic recording
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 いわゆる反応管を用いるタイプのプラズマC
VD装置において、装置の機械的改良を加えるまでもな
く、走行耐久性が高く高精度の磁気記録媒体を製造す
る。 【解決手段】 非磁性支持体上に磁性層が形成されてな
る磁気記録媒体に対してプラズマCVDにより保護膜の
形成を行う磁気記録媒体の製造装置において、反応管6
内の電極8と対向電極3との距離Hが40mm以上23
0mm未満となされている。
VD装置において、装置の機械的改良を加えるまでもな
く、走行耐久性が高く高精度の磁気記録媒体を製造す
る。 【解決手段】 非磁性支持体上に磁性層が形成されてな
る磁気記録媒体に対してプラズマCVDにより保護膜の
形成を行う磁気記録媒体の製造装置において、反応管6
内の電極8と対向電極3との距離Hが40mm以上23
0mm未満となされている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強磁性金属薄膜型
の磁気記録媒体に対して、プラズマCVDにより保護膜
を形成して磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体の製造
装置に関する。
の磁気記録媒体に対して、プラズマCVDにより保護膜
を形成して磁気記録媒体を製造する磁気記録媒体の製造
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体としては、酸化
物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等の粉末磁性材料を塩
化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、
ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機結合剤中に分
散せしめた磁性塗料を非磁性支持体上に塗布、乾燥する
ことにより作成される塗布型の磁気記録媒体が広く使用
されている。
物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等の粉末磁性材料を塩
化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、
ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機結合剤中に分
散せしめた磁性塗料を非磁性支持体上に塗布、乾燥する
ことにより作成される塗布型の磁気記録媒体が広く使用
されている。
【0003】これに対して、ビデオテープレコーダー
(VTR)等の分野においては、高画質化を図るため
に、高密度磁気記録化が一層強く要求されており、これ
に対応する磁気記録媒体として、Co−Ni系合金、C
o−Cr系合金、Co−O系等の金属磁性材料を、メッ
キや真空薄膜形成技術(真空蒸着法やスパッタリング
法、イオンプレーティング法等)によってポリエステル
フィルムやポリアミド、ポリイミドフィルム等の非磁性
支持体上に磁性層として直接被着した、いわゆる強磁性
金属薄膜塗布型の磁気記録媒体が提案され注目を集めて
いる。
(VTR)等の分野においては、高画質化を図るため
に、高密度磁気記録化が一層強く要求されており、これ
に対応する磁気記録媒体として、Co−Ni系合金、C
o−Cr系合金、Co−O系等の金属磁性材料を、メッ
キや真空薄膜形成技術(真空蒸着法やスパッタリング
法、イオンプレーティング法等)によってポリエステル
フィルムやポリアミド、ポリイミドフィルム等の非磁性
支持体上に磁性層として直接被着した、いわゆる強磁性
金属薄膜塗布型の磁気記録媒体が提案され注目を集めて
いる。
【0004】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は抗磁
力や角形比等に優れ、短波長での電磁変換特性に優れる
ばかでなく、磁性層の厚みをきわめて薄くできるため、
記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいこと、磁性
層中に非磁性材であるそのバインダー(結合剤)を混入
する必要が無いため磁性材料の充填密度を高めることが
出来ることなど、数々の利点を有している。したがっ
て、このような金属薄膜媒体は、磁気特性的な優位さ故
に今後の高密度磁気記録媒体の主流となると考えられ
る。
力や角形比等に優れ、短波長での電磁変換特性に優れる
ばかでなく、磁性層の厚みをきわめて薄くできるため、
記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいこと、磁性
層中に非磁性材であるそのバインダー(結合剤)を混入
する必要が無いため磁性材料の充填密度を高めることが
出来ることなど、数々の利点を有している。したがっ
て、このような金属薄膜媒体は、磁気特性的な優位さ故
に今後の高密度磁気記録媒体の主流となると考えられ
る。
【0005】さらに、この種の磁気記録媒体の電磁変換
特性を向上させ、より大きな出力を得ることが出来るよ
うにするために、該磁気記録媒体の磁性層を形成する場
合、磁性層を斜めに蒸着するいわゆる斜方蒸着が提案さ
れ実用化されている。
特性を向上させ、より大きな出力を得ることが出来るよ
うにするために、該磁気記録媒体の磁性層を形成する場
合、磁性層を斜めに蒸着するいわゆる斜方蒸着が提案さ
れ実用化されている。
【0006】今後更なる高密度化の流れからスペーシン
グ損失を少なくするため磁気記録媒体は平滑化される傾
向にある。この磁気記録媒体の平滑化が進むと、それに
伴い磁気ヘッドと磁気記録媒体の間の摩擦力が増大し、
磁気記録媒体に生じる剪断応力は大きくなる。
グ損失を少なくするため磁気記録媒体は平滑化される傾
向にある。この磁気記録媒体の平滑化が進むと、それに
伴い磁気ヘッドと磁気記録媒体の間の摩擦力が増大し、
磁気記録媒体に生じる剪断応力は大きくなる。
【0007】そこで、このような摺動耐久性として厳し
くなる状況の中にあっては、耐久性を向上させる目的
で、磁性層表面に保護膜層を形成する技術の検討がなさ
れている。
くなる状況の中にあっては、耐久性を向上させる目的
で、磁性層表面に保護膜層を形成する技術の検討がなさ
れている。
【0008】このような保護膜としては、カーボン膜、
石英(SiO2)膜、ジルコニア(Al2O3)膜等が検
討されており、ハードディスクにおいては実用化され生
産化されているものもある。特に、最近はカーボン膜に
おいてもより硬度な膜であるダイヤモンド状カーボン
(DLC)膜等の膜形成の検討も行われ、このダイヤモ
ンド状カーボン(DLC)膜は今後主流になると思われ
る保護膜である。
石英(SiO2)膜、ジルコニア(Al2O3)膜等が検
討されており、ハードディスクにおいては実用化され生
産化されているものもある。特に、最近はカーボン膜に
おいてもより硬度な膜であるダイヤモンド状カーボン
(DLC)膜等の膜形成の検討も行われ、このダイヤモ
ンド状カーボン(DLC)膜は今後主流になると思われ
る保護膜である。
【0009】ところで、このダイヤモンド状カーボン
(DLC)膜の膜形成方法はスパッタリング法、CVD
法が用いられている。
(DLC)膜の膜形成方法はスパッタリング法、CVD
法が用いられている。
【0010】まず、スパッタリング法とは、電場と磁場
を利用してArガス等の不活性ガスの電離(プラズマ
化)を行い、電離されたアルゴンイオンを加速すること
により、その運動エネルギーによりターゲットの原子を
はじき出して、そのはじき出された原子が対向する基板
上に堆積し、目的とする膜を形成する物理的プロセスで
ある。
を利用してArガス等の不活性ガスの電離(プラズマ
化)を行い、電離されたアルゴンイオンを加速すること
により、その運動エネルギーによりターゲットの原子を
はじき出して、そのはじき出された原子が対向する基板
上に堆積し、目的とする膜を形成する物理的プロセスで
ある。
【0011】このスパッタリング法は、上記DLC膜の
形成速度は一般に遅いために、工業的見地からは生産性
に劣る膜形成手段であるといわれる。
形成速度は一般に遅いために、工業的見地からは生産性
に劣る膜形成手段であるといわれる。
【0012】これに対し、上記CVD法は、電場や磁場
を用いて発生させたプラズマのエネルギーを利用して原
料となる気体の分解、合成等の化学反応をおこさせ、保
護膜を形成する化学的プロセスである。
を用いて発生させたプラズマのエネルギーを利用して原
料となる気体の分解、合成等の化学反応をおこさせ、保
護膜を形成する化学的プロセスである。
【0013】このCVD法による成膜方法は、スパッタ
リング法に比べ膜形成速度が早いために、今後DLC膜
の形成に期待されている。
リング法に比べ膜形成速度が早いために、今後DLC膜
の形成に期待されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】プラズマCVD装置の
中には、反応管を用いるタイプのプラズマCVD装置が
ある。この装置は、非磁性支持体が搬送される円筒状の
対向電極と、内部に電極を有するとともに成膜ガスが導
入される反応管とを備え、これら対向電極と反応管内の
電極との間で放電が生じるようになされている。
中には、反応管を用いるタイプのプラズマCVD装置が
ある。この装置は、非磁性支持体が搬送される円筒状の
対向電極と、内部に電極を有するとともに成膜ガスが導
入される反応管とを備え、これら対向電極と反応管内の
電極との間で放電が生じるようになされている。
【0015】しかし、この反応管を用いるタイプのプラ
ズマCVD装置においては、スパッタリング法に比べて
保護膜の形成上困難な点があり、実用化が難しかった。
すなわち、この反応管を用いるタイプのプラズマCVD
装置は、順次搬送される非磁性支持体のために真空室内
と反応管内の圧力差を得ることが難しく、真空室内に単
に電極が配された装置とは異なり、安定したプラズマを
起こすことが困難であること等の理由による膜形成上問
題点を有していた。
ズマCVD装置においては、スパッタリング法に比べて
保護膜の形成上困難な点があり、実用化が難しかった。
すなわち、この反応管を用いるタイプのプラズマCVD
装置は、順次搬送される非磁性支持体のために真空室内
と反応管内の圧力差を得ることが難しく、真空室内に単
に電極が配された装置とは異なり、安定したプラズマを
起こすことが困難であること等の理由による膜形成上問
題点を有していた。
【0016】したがって、このような従来装置により、
ダイヤモンド状カーボンからなる保護膜が形成された磁
気記録媒体を製造は、早く膜形成が行われるとしても、
製造された磁気記録媒体は高精度のものが得られなかっ
た。特に、走行耐久性に欠けると言う問題を有してい
た。このため、装置に機械的改良を加えることにより、
かかる問題点を解決することが当然考えられる。しか
し、これでは、コストアップにつながり好ましくない。
ダイヤモンド状カーボンからなる保護膜が形成された磁
気記録媒体を製造は、早く膜形成が行われるとしても、
製造された磁気記録媒体は高精度のものが得られなかっ
た。特に、走行耐久性に欠けると言う問題を有してい
た。このため、装置に機械的改良を加えることにより、
かかる問題点を解決することが当然考えられる。しか
し、これでは、コストアップにつながり好ましくない。
【0017】そこで、本発明は、このような実情に鑑み
て提案されたものであって、いわゆる反応管を用いるタ
イプのプラズマCVD装置において、装置の機械的改良
を加えるまでもなく、走行耐久性が高く高精度の磁気記
録媒体を製造することができる磁気記録媒体の製造装置
を提供することを目的とする。
て提案されたものであって、いわゆる反応管を用いるタ
イプのプラズマCVD装置において、装置の機械的改良
を加えるまでもなく、走行耐久性が高く高精度の磁気記
録媒体を製造することができる磁気記録媒体の製造装置
を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明等等は、上記の目
的を達成するために鋭意研究した結果、装置の機械的改
良を加えなくとも、電極間の距離を一定に規定するだけ
で走行耐久性の高く高精度の磁気記録媒体が製造できる
ことを見い出した。
的を達成するために鋭意研究した結果、装置の機械的改
良を加えなくとも、電極間の距離を一定に規定するだけ
で走行耐久性の高く高精度の磁気記録媒体が製造できる
ことを見い出した。
【0019】すなわち、本発明にかかる磁気記録媒体の
製造装置は、非磁性支持体上に磁性層が形成されてなる
磁気記録媒体に対してプラズマCVDにより保護膜の形
成を行う磁気記録媒体の製造装置において、非磁性支持
体が搬送される円筒状の対向電極と、内部に電極を有す
るとともに成膜ガスが導入される反応管とを有し、上記
反応管内の電極と対向電極との距離を40mm以上23
0mm未満となされていることを特徴とする。
製造装置は、非磁性支持体上に磁性層が形成されてなる
磁気記録媒体に対してプラズマCVDにより保護膜の形
成を行う磁気記録媒体の製造装置において、非磁性支持
体が搬送される円筒状の対向電極と、内部に電極を有す
るとともに成膜ガスが導入される反応管とを有し、上記
反応管内の電極と対向電極との距離を40mm以上23
0mm未満となされていることを特徴とする。
【0020】そして、前記保護膜が硬質カーボンである
ことを特徴とする。
ことを特徴とする。
【0021】本発明によれば、反応管内の電極と対向電
極との間で発生されたプラズマにより化学反応が起こり
非磁性支持体上に形成された磁性層上に保護膜が形成さ
れるが、上記反応管内の電極と対向電極との距離を40
mm以上230mm未満とすることにより、良好な走行
耐久性の磁気記録媒体を製造することができる。
極との間で発生されたプラズマにより化学反応が起こり
非磁性支持体上に形成された磁性層上に保護膜が形成さ
れるが、上記反応管内の電極と対向電極との距離を40
mm以上230mm未満とすることにより、良好な走行
耐久性の磁気記録媒体を製造することができる。
【0022】このように本発明によれば、電極間の距離
を一定に規定するだけで走行耐久性が高い高精度な磁気
記録媒体を製造することができ、プラズマCVD法が持
つ早い成膜が得られるという特徴が有効に発揮されるこ
ととなって、生産性の向上が図られる。
を一定に規定するだけで走行耐久性が高い高精度な磁気
記録媒体を製造することができ、プラズマCVD法が持
つ早い成膜が得られるという特徴が有効に発揮されるこ
ととなって、生産性の向上が図られる。
【0023】そして、上記保護膜を硬質カーボン膜とす
ることにより、薄膜の保護膜であっても良好な走行耐久
性が得られる磁気記録媒体を製造することができる。
ることにより、薄膜の保護膜であっても良好な走行耐久
性が得られる磁気記録媒体を製造することができる。
【0024】保護膜の材料は硬質カーボン、すなわち、
ダイヤモンドライクカーボンと呼ばれるアモルファス状
の保護膜である。
ダイヤモンドライクカーボンと呼ばれるアモルファス状
の保護膜である。
【0025】上記強磁性金属薄膜を構成する強磁性金属
材料としては、一般的に使用されているものであればい
ずれでも良い。例示すれば、Fe,Co,Niなどの強
磁性金属、Fe−Co,Co−NI,Fe−Co−N
i,Fe−Cu,Co−Cu,Cb−Au,Co−P
t,Mn−Bi,Mn−AI,Fe−Cr,Co−C
r,Ni−Cr,Fe−Co−Cr,Co−Ni−C
r,Fe−Co−Ni−Cr等の強磁性合金が挙げられ
る。これらの単層膜であってもよいし多層膜であっても
よい。さらには、非磁性支持体と金属磁性薄膜間、ある
いは多層膜の場合には、各層間の付着力向上、並びに抗
磁力の制御等のため、下地層または、中間層を設けても
よい。また、例えば磁性層表面近傍が耐蝕性改善等のた
めに酸化物となっていてもよい。
材料としては、一般的に使用されているものであればい
ずれでも良い。例示すれば、Fe,Co,Niなどの強
磁性金属、Fe−Co,Co−NI,Fe−Co−N
i,Fe−Cu,Co−Cu,Cb−Au,Co−P
t,Mn−Bi,Mn−AI,Fe−Cr,Co−C
r,Ni−Cr,Fe−Co−Cr,Co−Ni−C
r,Fe−Co−Ni−Cr等の強磁性合金が挙げられ
る。これらの単層膜であってもよいし多層膜であっても
よい。さらには、非磁性支持体と金属磁性薄膜間、ある
いは多層膜の場合には、各層間の付着力向上、並びに抗
磁力の制御等のため、下地層または、中間層を設けても
よい。また、例えば磁性層表面近傍が耐蝕性改善等のた
めに酸化物となっていてもよい。
【0026】金属磁性薄膜形成の手段としては、真空下
で強磁性材料を加熱蒸発させ非磁性支持体上に沈着させ
る真空蒸着法や、強磁性金属材料の蒸発を放電中で行う
イオンプレーティング法、アルゴンを主成分とする雰囲
気中でグロー放電を越こし生じたアルゴンイオンでター
ゲット表面の原子をたたき出すスパッタ法等、いわゆる
PVD技術によればよい。
で強磁性材料を加熱蒸発させ非磁性支持体上に沈着させ
る真空蒸着法や、強磁性金属材料の蒸発を放電中で行う
イオンプレーティング法、アルゴンを主成分とする雰囲
気中でグロー放電を越こし生じたアルゴンイオンでター
ゲット表面の原子をたたき出すスパッタ法等、いわゆる
PVD技術によればよい。
【0027】もちろん、本発明にかかる装置により製造
される磁気記録媒体の構成は、これに限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更、例え
ば必要に応じて非磁性支持体上に下塗層を形成したり、
潤滑剤、防錆剤などの層を形成することは何等差し支え
ない。この場合、バックコート塗料に含まれる非磁性顔
料、あるいは潤滑剤、防錆剤に含まれる材料としては従
来公知のものがいずれも使用できる。
される磁気記録媒体の構成は、これに限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更、例え
ば必要に応じて非磁性支持体上に下塗層を形成したり、
潤滑剤、防錆剤などの層を形成することは何等差し支え
ない。この場合、バックコート塗料に含まれる非磁性顔
料、あるいは潤滑剤、防錆剤に含まれる材料としては従
来公知のものがいずれも使用できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施の形
態に基づいて説明する。
態に基づいて説明する。
【0029】本磁気記録媒体の製造装置は、図1に示す
ように、頭部に設けられた真空排気系10によって内部
が高真空状態となされた真空室9内に、図中の反時計回
り方向に定速回転する送りロール4と、図中の時計回り
方向に定速回転する巻取りロール5とが設けられ、これ
ら送りロール4から巻取りロール5にテープ状の非磁性
支持体であるベースフィルム1が順次走行するようにな
されている。
ように、頭部に設けられた真空排気系10によって内部
が高真空状態となされた真空室9内に、図中の反時計回
り方向に定速回転する送りロール4と、図中の時計回り
方向に定速回転する巻取りロール5とが設けられ、これ
ら送りロール4から巻取りロール5にテープ状の非磁性
支持体であるベースフィルム1が順次走行するようにな
されている。
【0030】これら送りロール4から巻取りロール5側
に上記ベースフィルム1が走行する中途部には、各ロー
ル4,5の径よりも大径となされ対向電極3が設けられ
ている。この対向電極3は、非磁性支持体1を図中下方
に引き出すように設けられ、図中の時計回り方向に定速
回転する構成とされる。なお、上記送りロール4、巻取
りロール5、及び、対向電極3は、それぞれベースフィ
ルム1の幅と略同じ長さからなる円筒状をなすものであ
る。
に上記ベースフィルム1が走行する中途部には、各ロー
ル4,5の径よりも大径となされ対向電極3が設けられ
ている。この対向電極3は、非磁性支持体1を図中下方
に引き出すように設けられ、図中の時計回り方向に定速
回転する構成とされる。なお、上記送りロール4、巻取
りロール5、及び、対向電極3は、それぞれベースフィ
ルム1の幅と略同じ長さからなる円筒状をなすものであ
る。
【0031】したがって、ベースフィルム1は、送りロ
ール4から順次送り出され、さらに対向電極3の周面を
通過し、巻取りロール5に巻取られていくようになされ
ている。なお、上記送りロール4と対向電極3との間及
び該対向電極3と上記巻取りロール5との問にはそれぞ
れガイドロール11、12が配設され、上記送りロール
13から対向電極3及び該対向電極3から券取りロール
5にわたって走行するベースフィルム1に所定のテンシ
ョンをかけ、該ベースフィルム1が円滑に走行するよう
になされている。
ール4から順次送り出され、さらに対向電極3の周面を
通過し、巻取りロール5に巻取られていくようになされ
ている。なお、上記送りロール4と対向電極3との間及
び該対向電極3と上記巻取りロール5との問にはそれぞ
れガイドロール11、12が配設され、上記送りロール
13から対向電極3及び該対向電極3から券取りロール
5にわたって走行するベースフィルム1に所定のテンシ
ョンをかけ、該ベースフィルム1が円滑に走行するよう
になされている。
【0032】また、上記真空室12内には、上記対向電
極3の下方に、該対向電極3と対向してパイレックスガ
ラス、プラスチック等よりなる反応管6が設けられてい
る。この反応管6は、一方の端部が真空室9の底部を貫
通しており、この端部から成膜ガスが当該反応管6内に
導入されるようになっている。
極3の下方に、該対向電極3と対向してパイレックスガ
ラス、プラスチック等よりなる反応管6が設けられてい
る。この反応管6は、一方の端部が真空室9の底部を貫
通しており、この端部から成膜ガスが当該反応管6内に
導入されるようになっている。
【0033】そして、この反応管6内の中途部には金属
メッシュよりなる電極8が取り付けられ、この電極8と
対向電極3との間にグロー放電が生じるようになされて
いる。反応管6に導入された成膜ガスは、この生じたグ
ロー放電によって分解し、非磁性支持体上に被着される
こととなる。
メッシュよりなる電極8が取り付けられ、この電極8と
対向電極3との間にグロー放電が生じるようになされて
いる。反応管6に導入された成膜ガスは、この生じたグ
ロー放電によって分解し、非磁性支持体上に被着される
こととなる。
【0034】この場合、対向電極3が接地電位となり、
電極8とこの対向電極3の間に生じせしめる電位は正電
500から2000Vが適当である。
電極8とこの対向電極3の間に生じせしめる電位は正電
500から2000Vが適当である。
【0035】このようににして、これらの反応管6内の
電極8と対向電極3との間で放電が生じるようになさ
れ、これら電極8と対向電極3との間で発生されたプラ
ズマにより、導入される成膜ガスの分解、合成等の化学
反応が起こり、これが上記反応管6と対向電極3の間を
上記ベースフィルム1が通過する際に、ベースフィルム
1に形成された磁性層上に保護膜が形成されるようにな
されている。
電極8と対向電極3との間で放電が生じるようになさ
れ、これら電極8と対向電極3との間で発生されたプラ
ズマにより、導入される成膜ガスの分解、合成等の化学
反応が起こり、これが上記反応管6と対向電極3の間を
上記ベースフィルム1が通過する際に、ベースフィルム
1に形成された磁性層上に保護膜が形成されるようにな
されている。
【0036】上記電極8としては、成膜ガスを通しやす
く、且つ電解を均一にかけることができ、柔軟性に富ん
だ材質であることが要求され、例えば金網のような金属
メッシュ等が好適である。このような電極8を構成する
金属としては、例えば銅等が代表的であるが、導電性か
ら言えば、ステンレスや真鍮、金等も使用可能である。
この電極8の形状は、ベースフィルム1の幅と同一幅の
表面を有する。
く、且つ電解を均一にかけることができ、柔軟性に富ん
だ材質であることが要求され、例えば金網のような金属
メッシュ等が好適である。このような電極8を構成する
金属としては、例えば銅等が代表的であるが、導電性か
ら言えば、ステンレスや真鍮、金等も使用可能である。
この電極8の形状は、ベースフィルム1の幅と同一幅の
表面を有する。
【0037】そして特に、反応管6内の電極8と対向電
極3との距離が40mm以上230mm未満となされて
いる。すなわち、ここで、上記電極間の距離Hとは、図
1に示すよに、対向電極3の最も反応管6に近い側と上
記電極8の表面との距離Hを言う。
極3との距離が40mm以上230mm未満となされて
いる。すなわち、ここで、上記電極間の距離Hとは、図
1に示すよに、対向電極3の最も反応管6に近い側と上
記電極8の表面との距離Hを言う。
【0038】このような反応管6を用いるタイプの装置
においては、従来、順次搬送される非磁性支持体のため
に真空室9内と反応管6内の圧力差を得ることが難し
く、真空室内に単に電極が配された装置とは異なり、安
定したプラズマを起こすことが困難であったが、上記電
極3,8間の距離Hとすることにより、走行耐久性に優
れた磁気記録媒体を製造することができる。
においては、従来、順次搬送される非磁性支持体のため
に真空室9内と反応管6内の圧力差を得ることが難し
く、真空室内に単に電極が配された装置とは異なり、安
定したプラズマを起こすことが困難であったが、上記電
極3,8間の距離Hとすることにより、走行耐久性に優
れた磁気記録媒体を製造することができる。
【0039】なお、本実施の形態においては、反応管6
内の電極8と対向電極3との距離Hが40mm以上23
0mm未満であるが、後述する実験では、上記距離H
が、0mmから300mmの範囲内で行った。
内の電極8と対向電極3との距離Hが40mm以上23
0mm未満であるが、後述する実験では、上記距離H
が、0mmから300mmの範囲内で行った。
【0040】そこで次に、上記構成の装置を使用して、
実際に、以下の用にして蒸着テープを作製した。そのサ
ンプルと実験結果について説明する。
実際に、以下の用にして蒸着テープを作製した。そのサ
ンプルと実験結果について説明する。
【0041】まず、本実施例に用いた蒸着テープは以下
の表に示すものである。
の表に示すものである。
【0042】 ベースフィルム:ポリエンエチレンテレフタレート(P
ET)10mm 磁性層:厚さ200nm 200nm組成Co80Ni20
単層 入射角 45°〜90° 導入ガス:酸素ガス 蒸着時真空度:2×10-2Pa また、本装置を用いて前述蒸着テープ上にDLC膜(ダ
イヤモンド状カーボン膜:Diamond Like Carbon)を形
成したときの条件は次のようにした。
ET)10mm 磁性層:厚さ200nm 200nm組成Co80Ni20
単層 入射角 45°〜90° 導入ガス:酸素ガス 蒸着時真空度:2×10-2Pa また、本装置を用いて前述蒸着テープ上にDLC膜(ダ
イヤモンド状カーボン膜:Diamond Like Carbon)を形
成したときの条件は次のようにした。
【0043】 導入ガス:トルエン 反応圧力:10Pa 導入電力;DC2.0kV DCL膜厚;6nm この試作条件の下で、電極と対向電極との距離を変化さ
せて、試作サンプルを作製して、その評価を行った。評
価としては、いわゆるシャトル走行性による。具体的に
は、常温常湿環境下で20min記録を行った後、50
回再生を行う試験方法であり、再生出力の減衰量(−3
dB)を持って走行耐久性の評価とした。この評価に
は、ソニー社製VTRデッキ(商品名;Hi−8 EV
O9500)を使用した。その結果を図2に示す。この
図2は、出力の変化をdB表示にして示している。
せて、試作サンプルを作製して、その評価を行った。評
価としては、いわゆるシャトル走行性による。具体的に
は、常温常湿環境下で20min記録を行った後、50
回再生を行う試験方法であり、再生出力の減衰量(−3
dB)を持って走行耐久性の評価とした。この評価に
は、ソニー社製VTRデッキ(商品名;Hi−8 EV
O9500)を使用した。その結果を図2に示す。この
図2は、出力の変化をdB表示にして示している。
【0044】この図2に示すように、再生出力の70%
(−3dB)の範囲に入るのは、上記電極間距離Hが4
0mm以上230mm未満であるが、再生出力が初期出
力の70%程度の減少であれば、上記VTRデッキに搭
載されているAGC(Auto Gain Contorl)回路の信号
増幅機により補正されるので画像の劣化の問題はない。
したがって、上記電極間距離Hが40mm以上230
mm未満である必要がある。
(−3dB)の範囲に入るのは、上記電極間距離Hが4
0mm以上230mm未満であるが、再生出力が初期出
力の70%程度の減少であれば、上記VTRデッキに搭
載されているAGC(Auto Gain Contorl)回路の信号
増幅機により補正されるので画像の劣化の問題はない。
したがって、上記電極間距離Hが40mm以上230
mm未満である必要がある。
【0045】このような結果が得られた原因としては、
上記電極間距離Hでは、高硬度が得られることが挙げら
れる。また、上記電極間距離Hが40mm未満であると
電圧が高くなりテープダメージが大きくなり、他方、2
30mm以上あると良好なプラズマが得られないこと等
が考えられる。
上記電極間距離Hでは、高硬度が得られることが挙げら
れる。また、上記電極間距離Hが40mm未満であると
電圧が高くなりテープダメージが大きくなり、他方、2
30mm以上あると良好なプラズマが得られないこと等
が考えられる。
【0046】以上の結果、上記電極間距離Hが40mm
以上230mm未満であり、保護膜としてダイヤモンド
状カーボン膜を形成することにより、磁気ヘッドと磁気
テープ間の摺動耐久性に優れた磁気記録媒体が製造され
る。
以上230mm未満であり、保護膜としてダイヤモンド
状カーボン膜を形成することにより、磁気ヘッドと磁気
テープ間の摺動耐久性に優れた磁気記録媒体が製造され
る。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、プラズマCVDにより
保護膜の形成を行う磁気記録媒体の製造方法において、
上記反応管内の電極と対向電極との距離を40mm以上
230mm未満とすることにより、装置の機械的な改良
を加えるまでもなく良好な走行耐久性を得ることが可能
な磁気記録媒体を製造することが可能となる。したがっ
て、従来装置を使用して電極間距離を規定するだけで、
安価に高信頼性の磁気記録媒体を提供することができ
る。
保護膜の形成を行う磁気記録媒体の製造方法において、
上記反応管内の電極と対向電極との距離を40mm以上
230mm未満とすることにより、装置の機械的な改良
を加えるまでもなく良好な走行耐久性を得ることが可能
な磁気記録媒体を製造することが可能となる。したがっ
て、従来装置を使用して電極間距離を規定するだけで、
安価に高信頼性の磁気記録媒体を提供することができ
る。
【0048】また、上記保護膜を硬質カーボン膜とする
ことにより、薄膜の保護膜でも良好な走行耐久性を得る
ことができるとともに、保護膜を薄くすることができ
る。これにより、プラズマCVD法が持つ早い成膜が得
られるという特徴が有効に発揮されることとなって、信
頼性の高い磁気記録媒体の生産性の向上が大きく期待で
きる。
ことにより、薄膜の保護膜でも良好な走行耐久性を得る
ことができるとともに、保護膜を薄くすることができ
る。これにより、プラズマCVD法が持つ早い成膜が得
られるという特徴が有効に発揮されることとなって、信
頼性の高い磁気記録媒体の生産性の向上が大きく期待で
きる。
【図1】本発明のプラズマCVD装置の構成を示す模式
図である。
図である。
【図2】上記プラズマCVD装置により製造された磁気
記録媒体の再生出力と電極間距離との関係を示す図であ
る。
記録媒体の再生出力と電極間距離との関係を示す図であ
る。
1 非磁性支持体(ベースフィルム) 3 対向電極 6 反応管 8 電極 H 反応管内の電極と対向電極との距離
Claims (2)
- 【請求項1】 非磁性支持体が搬送される円筒状の対向
電極と、内部に電極を有して対向電極との間で放電が生
じるようになされた反応管とを備え、非磁性支持体上に
磁性層が形成されてなる磁気記録媒体に対してプラズマ
CVDにより保護膜の形成を行う磁気記録媒体の製造装
置において、 上記反応管内の電極と対向電極との距離が40mm以上
230mm未満となされていることを特徴とする磁気記
録媒体の製造装置。 - 【請求項2】 前記保護膜が硬質カーボンであることを
特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7284187A JPH09128744A (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 磁気記録媒体の製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7284187A JPH09128744A (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 磁気記録媒体の製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09128744A true JPH09128744A (ja) | 1997-05-16 |
Family
ID=17675307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7284187A Pending JPH09128744A (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 磁気記録媒体の製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09128744A (ja) |
-
1995
- 1995-10-31 JP JP7284187A patent/JPH09128744A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030506 |