JPH08325718A - 成膜方法 - Google Patents

成膜方法

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JPH08325718A
JPH08325718A JP13442895A JP13442895A JPH08325718A JP H08325718 A JPH08325718 A JP H08325718A JP 13442895 A JP13442895 A JP 13442895A JP 13442895 A JP13442895 A JP 13442895A JP H08325718 A JPH08325718 A JP H08325718A
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JP
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magnet
target
magnetic
backing plate
film
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JP13442895A
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Katsuro Sasahara
勝郎 笹原
Yukihiro Kojika
行広 小鹿
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ターゲット5が載置されたバッキングプレー
ト6の背面側にマグネットを配設してスパッタリング法
により膜形成を行うマグネトロンスパッタ方式におい
て、上記バッキングプレート6の背面側にマグネット溝
8を設け、このマグネット溝8にマグネット7を嵌合し
て配設する。 【効果】 マグネット上部とターゲットの最表部との距
離が短くなり、その分ターゲット上における磁場強度が
大きくなる。この結果、ターゲットの使用効率が向上す
るとともに成膜速度が高速化する。したがって、本発明
によれば、磁気記録媒体の製造等、マグネトロンスパッ
タリング方式を用いる製造工程において製造効率の向上
を図ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マグネトロンスパッタ
リング方式による成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体としては、非磁
性支持体上に酸化物磁性粉末或いは合金磁性粉末等の磁
性粉末材料と有機バインダーを主体とする磁性層が形成
されてなる、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が広く使用
されている。一方、高密度磁気記録への要求の高まりと
ともに、Co−Ni合金、Co−Cr合金、Co−O等
の金属磁性材料を、メッキ法や真空薄膜形成手段(真空
蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法
等)によってポリエステルフィルムやポリアミド、ポリ
イミドフィルム等の非磁性支持体上に直接被着した、い
わゆる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体が提案され注目を
集めている。
【0003】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、抗
磁力や角形比等に優れ、磁性層の厚みを極めて薄くでき
る為、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さく短波
長での電磁変換特性に優れるばかりでなく、磁性層中に
非磁性材であるバインダーを混入する必要がないため磁
性材料の充填密度を高めることができる等、数々の利点
を有している。即ち、この金属磁性薄膜型の磁気記録媒
体は、磁気特性的な優位さ故に高密度磁気記録の主流に
なると考えられる。
【0004】更に、電磁変換特性に優れ、より大きな出
力が得られるものとして、金属磁性材料を斜め方向から
蒸着することで磁性層が形成された斜方蒸着タイプの磁
気記録媒体も提案され実用化されている。ところで、更
なる高密度化の流れからスペーシング損失を少なくする
為に、上述のような蒸着テープ等の金属磁性薄膜型の磁
気記録媒体においては、媒体表面が平滑化される傾向に
ある。
【0005】しかし、このように媒体表面の平滑化が進
むと、それに伴ってヘッドと媒体間の摩擦力が増大し、
媒体に生ずる剪断応力は大きくなる。そこで、このよう
な摺動耐久性が厳しくなる状況下にあっては、耐久性を
向上させる目的で、例えば上記非磁性支持体の表面に微
小の突起を形成する方法等が提案されている。これによ
り、ヘッドとの実質的な接触面積が減少し、著しく耐久
性が向上する。
【0006】また、例えばハイバンド8ミリビデオテー
プ(Hi8)等に応用されている金属磁性薄膜型の磁気
記録媒体では、磁性層上に潤滑剤を塗布し、低摩擦性を
確保することにより、実用的に問題のない耐久性が得ら
れるようになっている。ところが、デジタルVTR(ビ
デオテープレコーダ)等においては、高記録密度化とと
もにデータの転送レートも高速となるため、ヘッドと媒
体の相対スピードはアナログ記録の場合の2倍以上とな
る。
【0007】このように、ヘッドが高速回転するような
VTRでは、媒体が受けるダメージも大きくなるため、
媒体自身の耐久性を更に向上させなければならない。こ
のような状況に対して、上記磁性層表面にカーボン膜や
石英(SiO2 )膜、ジルコニア(ZrO2 )膜等から
なる保護膜を形成する技術が検討されており、特にスチ
ルモードでの耐久性を向上させるには非常に大きな効果
が得られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記カーボ
ン膜のような保護膜の成膜方法としては、例えばスパッ
タリング法等が使用されている。スパッタリング法で
は、電場や磁場を利用してArガス等の不活性ガスの電
離(プラズマ化)を行い、電離されたArイオン(プラ
ズマ粒子)を加速することによってターゲット原子をは
じき出す。はじき出された原子は上記ターゲットと対向
配設される基板上に堆積し、目的とする膜が形成され
る。
【0009】しかしながら、このプロセスにより上記保
護膜を形成した場合、一般的に成膜速度が遅く、工業的
見地からは問題がある。このため、マグネトロンスパッ
タリング法の採用も検討されている。このマグネトロン
スパッタリング法は、ターゲットの背面側にバッキング
プレートを介してマグネットを配設し、これによってタ
ーゲット表面に磁界が形成されるようにしたものであ
る。この方式では、ターゲット表面に形成された磁界に
よってターゲット近傍にプラズマ粒子が拘束され、プラ
ズマ粒子がターゲットに効率良く衝突する。したがっ
て、基本的なスパッタリング方式に比べて高速成膜がな
されることになる。
【0010】しかしながら、ターゲットの背面側に配置
されたマグネットからの磁束は、バッキングプレート、
ターゲットを透過してターゲット表面に磁界を形成する
ため、その間で磁界強度が弱くなり、期待する程には成
膜速度が上げられないのが実情である。
【0011】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであって、スパッタ膜が高速成膜
できる成膜方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、ターゲットが載置されたバッキングプ
レートの背面側にマグネットを配設してスパッタリング
法により膜形成を行う成膜方法において、上記バッキン
グプレートにマグネット溝が設けられていることを特徴
とするものである。
【0013】本発明では、スッパタリング法、特にマグ
ネトロンスパッタ方式の成膜方法に適用されるものであ
る。このマグネトロンスパッタリング方式は、ターゲッ
トが載置されたバッキングプレートの背面側にマグネッ
トを配設することで、ターゲット表面に磁界が形成され
るようにし、この磁界によってターゲット近傍にプラズ
マ粒子が拘束されるようにしたものである。ターゲット
近傍に拘束されたプラズマ粒子は効率良くターゲットに
衝突することから、高速成膜がなされることになる。
【0014】本発明では、このようなマグネトロンスパ
ッタリング方式において、ターゲットが載置されるバッ
キングプレートにマグネット溝を設け、このマグネット
溝内に、マグネットを嵌合させて配設するようにする。
マグネット溝内にマグネットを嵌合させて配置すると、
マグネット上部からターゲットの最表部までの距離が溝
深さ分だけ短縮される。その結果、ターゲット上にはよ
り強度の大きな磁場が形成され、ターゲットの使用効率
が向上するとともに、より一層の高速成膜化が実現する
ことになる。
【0015】なお、上記マグネット溝は、上記バッキン
グプレートの背面側に所定の深さを有する溝として形成
されても良く、上記バッキングプレートを貫通し、更に
は該バッキングプレート上に載置された上記ターゲット
の背面に及んで形成されても良い。
【0016】いずれにしても、上記マグネットの上部
(即ち、上記マグネット溝の底部)と上記ターゲットの
最表部間の距離が4〜16mmとなるように、溝深さを
設定することが望ましい。このような成膜方法は、たと
えば磁気記録媒体の保護膜の成膜方法として使用され
る。保護膜は、例えばカーボン膜や石英(SiO2
膜、ジルコニア(ZrO2 )膜等である。この成膜方法
を使用すると、これら各種材料膜が高速成膜され、磁気
記録媒体の製造効率が向上することになる。
【0017】なお、磁気記録媒体において、磁性層は例
えば真空薄膜形成技術によって形成される金属磁性薄膜
である。この金属磁性薄膜を構成する金属磁性材料は従
来よりこの種の磁気記録媒体において使用されているも
のがいずれも使用可能であり、特に限定されるものでは
ない。
【0018】具体的に例示するならば、Fe,Co,N
i等の強磁性金属、Fe−Co,Co−O,Fe−Co
−Ni,Fe−Cu,Co−Cu,Co−Au,Co−
Pt,Mn−Bi,Mn−Al,Fe−Cr,Co−C
r,Ni−Cr,Fe−Co−Cr,Co−Ni−C
r,Fe−Co−Ni−Cr等の強磁性合金等が挙げら
れる。磁性層は、これらの単層膜であっても良いし、多
層膜であっても良い。
【0019】また、上記非磁性支持体と上記金属磁性薄
膜間、或いは多層膜の場合には、各層間の付着力の向
上、並びに抗磁力の制御等のために、下地層、又は中間
層を設けても良い。更に、例えば磁性層表面近傍が耐食
性の改善等のために酸化物となっていても良い。
【0020】この金属磁性薄膜を形成する真空薄膜形成
技術としては、真空下で上述の金属磁性材料を加熱蒸発
させ上記非磁性支持体上に被着せしめる真空蒸着法や、
上記金属磁性材料の蒸発を放電中で行うイオンプレーテ
ィング法、アルゴンを主成分とする雰囲気中でグロー放
電を起こし生じたアルゴンイオンでターゲット表面の原
子をたたき出すスパッタリング法等、いわゆるPVD技
術がいずれも使用可能である。
【0021】勿論、本発明が適用される磁気記録媒体の
構成としては、これに限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲での変更、例えば必要に応じて
バックコート層を形成したり、上記非磁性支持体上に下
塗り層を形成したり、潤滑剤層等の各種層を形成するこ
とはなんら差し支えない。この場合、上記バックコート
層に含まれる非磁性顔料、樹脂結合剤、或いは上記潤滑
剤層に含まれる材料等としては、従来公知のものがいず
れも使用可能である。
【0022】
【作用】ターゲットが載置されたバッキングプレートの
背面側にマグネットを配設してスパッタリングを行う成
膜方法において、バッキングプレートの背面側にマグネ
ット溝を設け、このマグネット溝内に、マグネットを嵌
合させて配設するようにすると、マグネット上部からタ
ーゲットの最表部までの距離が短縮される。その結果、
ターゲット上にはより強度の大きな磁場が形成され、タ
ーゲットの使用効率が向上するとともにより一層の高速
成膜化が実現することになる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明がこの実施例に限定されるものでないこと
は言うまでもない。なお、本実施例は磁気記録媒体の保
護膜の成膜に本発明を適用した例である。
【0024】まず、本実施例で保護膜の形成に用いたマ
グネトロンスパッタリング装置について説明する。上記
マグネトロンスパッタリング装置は、図1に示すよう
に、頭部に設けられた排気孔12より排気されることで
内部が所定の真空度となされた真空槽13内において、
被処理体であるテープ状の非磁性支持体1が、図1中の
反時計回り方向に定速回転する送りロール3から反時計
回り方向に定速回転する巻き取りロール4に向かって順
次走行するようになされている。
【0025】これら送りロール3側から巻き取りロール
4側に亘って上記非磁性支持体1が走行する中途部に
は、該非磁性支持体1を図1中下方に引き出すように設
けられるとともに、上記各ロール3,4の径よりも大径
となされた円筒キャン11が図1中時計回り方向に定速
回転するように設けられている。
【0026】なお、上記送りロール3、巻き取りロール
4及び円筒キャン11は、それぞれ上記非磁性支持体1
の幅と略同じ長さからなる円筒状をなすものである。従
って、このマグネトロンスパッタリング装置において
は、上記非磁性支持体1が、上記送りロール3から順次
送り出され、上記円筒キャン11の外周面に沿って通過
し、更に上記巻き取りロール4に巻き取られていくよう
になされている。
【0027】一方、上記真空槽13内には、上記円筒キ
ャン11の下方に角型のターゲット5(厚さ8mm)が
設けられている。上記非磁性支持体1には、これら円筒
キャン11とターゲット5の間を通過する際に上記ター
ゲットからのターゲット原子が被着し、保護膜が形成さ
れる。
【0028】このターゲット5は、図2に示すように、
背面側にマグネット7が配置されたバッキングプレート
6(厚さ20mm)上に載置固定されている。上記マグ
ネット7を模式的に図3及び図4に示す。なお、図3は
マグネットを上から見た平面図であり、図4はマグネッ
トの側面図である。このマグネットは、このように略中
央にアイランド状に配設された直方体型の内マグネット
7b(幅25mm、高さ40mm)と、該内マグネット
7bを囲むように形成されてなる外マグネット7c(外
形寸法:縦195mm×横855mm×高さ40mm、
肉厚30mm)とからなる。この内マグネット7b及び
外マグネット7cは、図2に示すようにマグネット支持
プレート7dによって垂直に支持され、箱型の外枠9
(外形寸法:縦250mm×横900mm×高さ65m
m)内に収納されるかたちで配設される。
【0029】上記内マグネット7bと外マグネット7c
は、互いに異なる極性を有する磁石であり、これら内マ
グネット7bと外マグネット7c間に発生する磁界が上
記バッキングプレート6を介して配置された上記ターゲ
ット5の上側に現れるようになされている。なお、ここ
では、上記内マグネット7bがN極、上記外マグネット
7cがS極とされる。
【0030】また、上記バッキングプレート6にはマグ
ネット溝8が貫通し、さらにこのバッキングプレート6
上に載置されたターゲット5の裏面に及んで、当該マグ
ネット溝8が形成されている。そして、上記マグネット
7は、これらマグネット溝8内に嵌合配設されている。
したがって、この装置では、このマグネット溝8の深さ
分だけ、上記マグネット7の上部から上記ターゲット5
の表面5aまでの距離dが短くなり、上記ターゲット5
の表面5aにおける磁場強度が大きくなる。この結果、
該ターゲット5の使用効率が向上し、成膜速度の向上が
図られる。
【0031】なお、上記マグネット7の上部から上記タ
ーゲット5の表面5aまでの距離dは、4〜16mmと
されることが望ましい。また、この例では、マグネット
溝8がバッキングプレートを貫通し、さらにターゲット
の裏面にまで及んで形成されているが、ターゲットに溝
加工を施すのが困難であるような場合には、図5に示す
ように、マグネット溝8を、バッキングプレート6の裏
面に所定の深さを有する溝として設けるようにしても良
い。この場合、マグネット溝の深さが浅い分若干効果は
緩和であるが、それでも十分に成膜速度を向上できる。
【0032】次に、実際に磁気記録媒体の製造工程で上
記マグネトロンスパッタリング装置を採用し、バッキン
グプレートにマグネット溝を設ける効果を検討した。
【0033】実施例1 先ず、厚さ10μmのポリエチレンテレフタレートから
なるベースフィルム上に、斜め蒸着法によりCo80Ni
20(但し、数値は組成比である。)合金からなる膜厚2
00nmの金属磁性薄膜を形成し、磁性層を設けた。
【0034】続いて、上記マグネトロンスパッタリング
装置を用いて、金属磁性薄膜上に膜厚10nmの硬質カ
ーボン保護膜を形成し、磁気テープを作製した。但し、
ここで用いたマグネトロンスパッタリング装置は、図5
に示すようにマグネット溝8がバッキングプレート6の
裏面に所定の深さを有する溝として形成されたタイプの
ものである。マグネットの上部からターゲットの表面ま
での距離dは16mmである。また、その他のスパッタ
条件は以下の通りである。
【0035】 ガス圧 : 0.8Pa 基板間距離 : 80mm 投入パワー : 10W/cm2
【0036】実施例2 保護膜を形成するに際して、図4に示すようにマグネッ
ト溝8がバッキングプレート6を貫通し、さらにターゲ
ット5の裏面にまで及んで形成されたタイプのマグネト
ロンスパッタリング装置を用いたこと以外は実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。なお、マグネットの
上部からターゲットの表面までの距離dは4mmであ
る。
【0037】比較例 保護膜を形成するに際して、図6に示すようにバッキン
グプレート6,ターゲット5のいずれにもマグネット溝
が形成されておらず、マグネット7の上部がバッキング
プレート6の背面に接したタイプのマグネトロンスパッ
タリング装置を用いたこと以外は実施例1と同様にして
磁気テープを作製した。なお、マグネットの上部からタ
ーゲットの表面までの距離dは28mmである。
【0038】以上の実施例1及び実施例2、比較例で保
護膜の成膜に用いたマグネトロンスパッタリング装置に
ついて、ターゲット上に形成される磁場の強度及び成膜
速度を表1に示す。但し、磁場強度は、図4,図5及び
図6にそれぞれ示すx点での水平磁場強度である。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示すように、マグネトロンスパッタ
リング装置のバッキングプレートにマグネット溝を形成
した実施例1では、マグネット上部からターゲット表面
までの距離dが16mmと短いことからターゲット上に
300Oeと強度の大きな磁場が形成される。このた
め、成膜速度が200nm/分と高速化されている。ま
た、マグネット溝をバッキングプレートからターゲット
に及んで形成した実施例2では、ターゲット上の磁場強
度が500Oeとさらに大きく、成膜速度も280nm
/分と非常に速い。
【0041】これに対して、バッキングプレート,ター
ゲットのいずれにもマグネット溝8を形成していない比
較例では、マグネット上部からターゲット表面までの距
離dが28mmである。このため、ターゲット上に水平
磁場強度を十分に確保することができずに、成膜速度も
150nm/分と他に比べて遅い。
【0042】このことから、マグネトロンスパッタリン
グ方式において、バッキングプレート、さらにはターゲ
ットに及んでマグネット溝を形成することは、成膜速度
の向上を図る上で有効であることがわかった。
【0043】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明においては、ターゲットが載置されたバッキングプレ
ートの背面側にマグネットを配設してスパッタリング法
により膜形成を行うマグネトロンスパッタ方式におい
て、上記バッキングプレートの背面側にマグネット溝を
設け、このマグネット溝にマグネットを嵌合して配設す
るので、マグネット上部とターゲットの最表部との距離
が短くなり、その分ターゲット上における磁場強度が大
きくなる。この結果、ターゲットの使用効率が向上する
とともに成膜速度が高速化する。したがって、本発明に
よれば、磁気記録媒体の製造等、マグネトロンスパッタ
リング方式を用いる各種製造分野において製造効率の向
上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したマグネトロンスパッタリング
装置の一構成例を示す模式図である。
【図2】上記マグネトロンスパッタリング装置におい
て、マグネット溝が形成されたバッキングプレート及び
ターゲットを示す断面図である。
【図3】マグネット溝に嵌合して配置されたマグネット
を示す平面図である。
【図4】上記マグネットの模式図である。
【図5】マグネット溝が形成されたバッキングプレート
を示す模式図である。
【図6】マグネット溝が形成されていないバッキングプ
レートを示す模式図である。
【符号の説明】
1 非磁性支持体(被処理体) 3 送りロール 4 巻き取りロール 5 ターゲット 6 バッキングプレート 7 マグネット 8 マグネット溝 11 円筒キャン 12 排気系 13 真空槽

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターゲットが載置されたバッキングプレ
    ートの背面側にマグネットを配設してスパッタリング法
    により膜形成を行う成膜方法において、 上記バッキングプレートの背面側にマグネット溝が設け
    られていることを特徴とする成膜方法。
  2. 【請求項2】 上記マグネット溝が上記バッキングプレ
    ートを貫通して設けられていることを特徴とする請求項
    1記載の成膜方法。
  3. 【請求項3】 上記ターゲットの背面側にマグネット溝
    が設けられていることを特徴とする請求項2記載の成膜
    方法。
  4. 【請求項4】 上記マグネットの上部から上記ターゲッ
    トの最表部までの距離が4〜16mmであることを特徴
    とする請求項1記載の成膜方法。
  5. 【請求項5】 上記ターゲットが保護膜材料であり、磁
    気記録媒体の保護膜が形成される請求項1記載の成膜方
    法。
JP13442895A 1995-05-31 1995-05-31 成膜方法 Pending JPH08325718A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010222698A (ja) * 2009-02-26 2010-10-07 Canon Anelva Corp マグネトロンスパッタカソード、マグネトロンスパッタ装置及び磁性デバイスの製造方法

Cited By (2)

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US8778150B2 (en) 2009-02-26 2014-07-15 Canon Anelva Corporation Magnetron sputtering cathode, magnetron sputtering apparatus, and method of manufacturing magnetic device

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