JP2883334B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は強磁性金属薄膜を磁性層とする磁気記録媒体
の製造方法に関する。
(ロ) 従来の技術 近年、高密度磁気記録の要求に対応して、真空蒸着、
スパッタリング、イオンレーティング等の方法により非
磁性基板上に強磁性金属薄膜を形成した磁気記録媒体の
開発が進められており、特に非磁性基板上にCo−Ni系金
属薄膜を真空蒸着した磁気記録媒体がよく知られてい
る。このCo−Ni系の磁気記録媒体は磁気特性、耐久性に
優れている反面、Coを主成分とする合金が磁性層として
用いられているため、錆が発生し易いという欠点を有す
る。
上述のCo−Ni系の磁気記録媒体の錆が発生し易いとい
う欠点を解消するために、例えば、特開昭60−85439号
公報(G11B5/85)では、磁性層に鉄と窒化鉄とを主成分
とする磁性材料を用いた磁気記録媒体が提案されてい
る。この窒化鉄系の磁気記録媒体は磁気特性に優れ、ま
たCo−Ni系の磁気記録媒体と比較して格段に優れた耐食
性を有することからも研究開発が進められている。
第3図は従来の窒化鉄系磁気記録媒体の製造に用いら
れる製造装置の概略断面図である。
図中、(1)は排気系(11)により内部が、1×10-4
Torr以下の高真空に保たれた真空槽で、該真空槽(1)
の内部にはるつぼ(2)、冷却ローラ(3)、送出しロ
ーラ(5)、巻取りローラ(4)、イオン銃(6)が配
設されている。前記るつぼ(2)内には蒸発源である鉄
(7)が収納されている。前記冷却ローラ(3)には送
出しローラ(5)から送出され巻取りローラ(4)に巻
取られるフイルム基板(8)が巻付けられている。前記
イオン銃(6)はガス導入管(14)からの窒素ガスをイ
オン化して、窒素イオンを前記フィルム基板(8)に向
けて照射する。(9)は遮へい板である。
前記るつぼ(2)より蒸発した鉄の蒸気(10)は前記
冷却ローラ(3)上のフィルム基(8)上に最小入射角
θで斜め蒸着すると同時に、前記イオン銃(6)から
窒素イオンビーム(12)を前記フィルム基板(8)に照
射して該フィルム基板(8)上に窒化鉄の薄膜を形成す
る。
この窒化鉄系の磁気記録媒体は上述したように磁気特
性及び耐食性の点で優れているが、耐久性及び耐摩耗性
の点では十分ではない。一方、Co−Ni系の磁気記録媒体
の場合、Co−Ni系の合金を非磁性基板上に蒸着する際、
酸素ガスを導入し、磁性層内にCoの酸化物を含有させる
ことで耐久性を向上させ、磁性層の表面に潤滑剤を100
〜200Å程度の厚みで塗布することにより摩擦係数を低
減させている。しかし乍ら、窒化鉄系の磁気記録媒体の
場合、純鉄を窒化させても耐久性はほとんど向上せず、
また磁性層の表面に潤滑剤を塗布しても耐摩擦・摩耗特
性は改善されず、実用上大きな問題である。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 本発明は上記従来例の欠点に鑑みなされたものであ
り、耐久性及び耐摩耗性に優れた磁気記録媒体の製造方
法を提供することを目的とする。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明の磁気記録媒体の製造方法は、非磁性基板上に
強磁性金属薄膜よりなる磁性層を形成した後、前記磁性
層上に不活性ガスイオン或いは不活性ガスのプラズマを
照射しながら炭素原子を蒸着し、その後何も照射せずに
炭素原子を蒸着してアモルファスカーボン層を形成する
ことを特徴とする。
(ホ) 作用 上記の磁気記録媒体の製造方法に依れば、アモルファ
スカーボン層の深層側の炭素原子が磁性層の柱状の結晶
構造間の隙間に埋まり、磁性層の強度が向上し、また、
前記アモルファスカーボン層の表層側は摩擦係数が非常
に小さく、摩耗が低減する。
(ヘ) 実施例 以下、本発明に係る磁気記録媒体について説明する。
本発明に係る磁気記録媒体は、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリイミド等の非磁性基板上に被着された窒化
鉄の強磁性金属薄膜によりなる磁性層上にアモルファス
カーボン層を備えている。前記アモルファスカーボン層
の炭素原子間の結合状態は、深層側ではダイヤモンドと
同様にSP3混成軌道での共有結合が主体であり、表層側
に行く程SP3混成軌道での共有結合の数が減少すると共
にSP2混成軌道での共有結合が増加し、表層部ではグラ
ファイトと同様にSP2混成軌道での共有結合が主体とな
る。
次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法、特にアモル
ファスカーボン層の製造方法について詳細に説明する。
先ず、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等の
非磁性のフィルム基板上に、第3図の製造装置により膜
厚2000Åの窒化鉄の薄膜よりなる磁性層を形成する。
尚、この磁性層は保磁力Hcが900Oe、飽和磁化Msが400em
u/ccである。
次に、第1図に示す製造装置を用いて、磁性層上に膜
厚150Åのアモルファスカーボン層を形成する。
第1図中、(31)は排気系(32)により内部が1×10
-5Torr以下の高真空に保たれた真空槽で、該真空槽(3
1)の内部にはるつぼ(33)、冷却ローラ(34)、送出
しローラ(35)、巻取りローラ(36)、カウフマン型の
イオン源(37)が配設されている。前記るつぼ(33)内
には蒸発源である純度99.9%のグラファイトのインゴッ
ト(38)が収納されている。(41)は開口部(43)を備
える遮へい板であり、蒸着角度θを規定する。(39)
は前述の工程でフィルム基板上に窒化鉄の磁性層が形成
された磁性フィルムであり、該磁性フィルム(39)は送
出しローラ(35)から送出され冷却ローラ(34)を介し
て巻取りローラ(36)に巻取られる。前記イオン源(3
7)はガス導入管(40)からの純度99.999%のArガスを
イオン化し、Arイオン(44)を前記遮へい板(41)の開
口部(43)、磁性フィルム送出側を通して磁性フィルム
(39)に照射する。尚、Arイオン照射中の真空槽(31)
内の真空度は1×10-4Torrである。
この真空蒸着装置によるカーボン槽の形成は、先ず前
記イオン源(37)から300Vの加速電圧でイオン電流密度
が1mA/cm2のArイオンを引き出し前記磁性フィルム(3
9)に向けて照射した状態で、グラファイトのインゴッ
ト(38)を昇華させ、炭素の気体(42)を前記遮へい板
(41)の開口部(43)を通して前記冷却ローラ(34)上
の磁性フィルム(39)の磁性層上に炭素原子を蒸着す
る。この蒸着層の結晶構造はアモルファス的であり、炭
素原子間の結合はグラファイトと同じSP2混成軌道の共
有結合である。しかし乍ら、この蒸着層は最初前記イオ
ン源(37)からのArイオンの衝突を受け、この衝突によ
り炭素原子間の結合状態はSP2混成軌道の共有結合から
ダイヤモンドと同じSP3混成軌道の共有結合に変わる。
そして、前記磁性フィルム(39)が移動するに従って前
記蒸着層はイオン源(37)から離れて行き、Arイオンの
照射量が減る。これにより上述の結合状態の変化を伴う
炭素原子の数は減少し、蒸着層中の炭素原子のSP3混成
軌道での共有結合の数が減少していく。そして最終的に
は、Arイオンが照射されなくなり、蒸着層中の炭素原子
間の結合状態はグラファイトと同じSP2混成軌道の共有
結合が主体となる。尚、この時の成膜速度は30Å/sec.
で、テープ速度を一定にし、水晶振動式膜厚計をモニタ
ーしながらインゴット(38)を昇華させる電子ビームの
投入電力を変化させることにより調整可能である。
このようにして製造された磁気記録媒体では、初期に
形成された深層側のダイヤモンド的アモルファスカーボ
ン層が磁性層の窒化鉄の柱状の結晶構造間の隙間を埋
め、磁性層の表面を覆うことにより磁性層の強度が向上
し、後期に形成された表層側のグラファイト的アモルフ
ァスカーボン層は摩擦係数が非常に小さいため、ヘッド
−媒体間の摩耗が低減する。
次に、上述の方法により磁性層上に膜厚150Åのカー
ボン層を形成した本発明の実施例の試料と、磁性層上に
何も形成していない比較例1の試料と、磁性層上にArイ
オンを照射せずにグラファイト的カーボン層を形成した
比較例2の試料とを夫々形成し、各々の試料について直
径10mmのアルミナ球の荷重を5〜100gまで変化させて、
試料の表面を引っかくスクラッチテストを行い、表面状
態を観察した。その結果を下記の第1表に示す。
上表から判るように、カーボン層を形成しなかった比
較例1の試料の表面は5gの荷重でアルミナ球をすべらし
ただけで傷が発生したのに対して、実施例の試料の表面
は100gの荷重でも傷は発生せず耐久性が大幅に向上し
た。また、Arイオンを照射せずに炭素原子を蒸着して磁
性層上全域にグラファイト的カーボン層を形成した比較
例2の試料は比較例1の試料に比べて傷は発生しにくく
なったが、40g以上の荷重で傷が発生し、実施例の試料
ほど効果は得られなかった。
次に、上述の実施例、比較例1、2の試料について、
各々の試料の表面上に荷重20gで直径10mmのアルミナ球
をすべらして摩擦係数を測定した。その結果を下記の第
2表に示す。
上表から判るように、磁性層上に本発明のアモルファ
スカーボン層を形成した実施例の試料及び磁性層上にグ
ラファイト的カーボン層を形成した比較例2の試料の摩
擦係数は共に0.13、0.14と低く、潤滑性に優れている。
尚、磁性層上に何も形成しなかった比較例1の試料では
傷が付くため、摩擦係数は測定出来なかった。
尚、前述の耐久性、摩擦係数の測定は気温25℃、相対
湿度80%の環境下で行った。
また、本発明の磁気記録媒体のアモルファスカーボン
層の膜厚を変えた場合、50〜300Åの範囲では何も問題
はなかったが、400Å以上になるとカールが発生した。
また、前記イオン源(37)の代りに第2図に示すよう
なプラズマ生成室(13)を前記遮へい板(41)の開口部
の磁性フィルム送出側近傍部に配置して、炭素原子の蒸
着層の深層側にArイオン(24)と電子(25)とからなる
プラズマを照射しても前述と同様の効果を得ることが出
来る。
前記プラズマ生成室(13)は第2図に示すように内部
に交流電源(17)に接続されたフィラメント(18)と、
直流電源(19)により正に印加されたアノード電極(2
0)(20)とが配設されている。
上述のようなプラズマ生成室では、ソレノイドコイル
(15)により破線で示す磁力線(21)が形成される。一
方、ガス導入管(14)より導入されたArガス(22)は、
フィラメント(18)から放出されアノード電極(20)に
よって加速される熱電子(23)と衝突することによりイ
オン化される。そして、この時発生した低エネルギーの
Arイオン(24)と電子(25)とからなるプラズマは前記
磁力線(21)により磁場勾配及びグリッド(16)による
気圧差によってプラズマ生成室(13)から外部に放射状
に引き出され、遮へい板(41)の開口部(43)の磁性フ
ィルム送出側に照射される。
また、炭素原子間の結合がSP3混成軌道での共有結合
が主体であるダイヤモンド的アモルファスカーボン層
は、前述のArプラズマ、若しくはArイオンを照射する方
法以外に、CVD法、レーザー蒸着法等によっても形成出
来る。尚、Arプラズマ若しくはArイオンを照射する方法
は、CVD法、レーザー蒸着に比べて高速でダイヤモンド
的カーボン層を形成することが出来る。
(ト) 発明の効果 本発明によれば、耐久性及び耐摩耗性が大幅に向した
磁気記録媒体の製造方法を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明に係り、第1図は磁気記録媒
体の製造装置の概略断面図、第2図はプラズマ生成室の
概略断面図である。第3図は従来の磁気記録媒体の製造
装置の概略断面図である。 (38)……グラファイトのインゴット、(39)……磁性
フィルム、(42)……炭素の気体、(44)……Arイオ
ン。
フロントページの続き (72)発明者 平 正明 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 京泉 孝浩 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 久米 実 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−109220(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基板上に強磁性金属薄膜よりなる磁
    性層を形成した後、前記磁性層上に不活性ガスイオン或
    いは不活性ガスのプラズマを照射しながら炭素原子を蒸
    着し、その後何も照射せずに炭素原子を蒸着してアモル
    ファスカーボン層を形成することを特徴とする磁気記録
    媒体の製造方法。
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