JP2000123360A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JP2000123360A
JP2000123360A JP10288555A JP28855598A JP2000123360A JP 2000123360 A JP2000123360 A JP 2000123360A JP 10288555 A JP10288555 A JP 10288555A JP 28855598 A JP28855598 A JP 28855598A JP 2000123360 A JP2000123360 A JP 2000123360A
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Yuka Ito
由佳 伊藤
Ryoichi Hiratsuka
亮一 平塚
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体の表面に突起を容易に且つ均一
に形成する。 【解決手段】 磁気記録媒体1のベースとしての非磁性
支持体2を、電圧を印加した第1の導電性ロール23と
第2の導電性ロール24との間に掛け渡して走行させ
る。これにより、非磁性支持体2の表面に、磁気記録媒
体1の摺動耐久性を向上させるための突起が形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属磁性薄膜型の
磁気記録媒体の製造方法に関し、詳しくは耐久性を向上
した磁気記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体としては、従来より、塗布
型の磁気記録媒体が広く使用されている。この塗布型の
磁気記録媒体は、粉末磁性材料を有機バインダー中に分
散した磁性材料を、非磁性支持体上に塗布して乾燥させ
ることにより作製される。塗布型の磁気記録媒体におい
ては、粉末磁性材料として、酸化物磁性粉末あるいは合
金磁性粉末等が用いられており、有機バインダーとし
て、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリエステル
樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂等が用いられて
いる。
【0003】一方、磁気記録媒体としては、高密度磁気
記録への要求の高まりに伴い、Co−Ni合金、Co−
Cr合金、Co−O等の金属磁性材料を、鍍金あるいは
真空薄膜形成手段(真空蒸着法やスパッタリング法、イ
オンプレーティング法等)等によって、ポリエステルフ
ィルム、ポリアミドフィルムあるいはポリイミドフィル
ム等の非磁性支持体上に直接被着した、いわゆる金属磁
性薄膜型の磁気記録媒体が実用化されている。
【0004】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、抗
磁力、角形比等に優れ、短波長での電磁変換特性に優れ
るばかりでなく、磁性層の厚みを極めて薄くすることが
できる。また、この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、
磁性層中に非磁性材であるバインダーを混入する必要が
ないために、磁性材料の充填密度を高めることができ
る。したがって、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、こ
れら数々の利点によって、高密度磁気記録に対して十分
に対応することが可能である。
【0005】金属磁性薄膜型の磁気記録媒体において
は、電磁変換特性を向上させ、より大きな出力を得るこ
とができるように図るために、磁性層を成膜する方法と
して、この磁性層を斜めに蒸着する斜方蒸着法が提案さ
れ、実用化されている。
【0006】ところで、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体
は、記録信号のアナログ化からデジタル化への技術移行
に伴って、より一層の高密度記録化が要求されている。
金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、この更なる高密度記
録化に対する要求に対応してスペーシング損失を少なく
するために、その表面が平滑化される傾向にある。
【0007】ところが、磁気記録媒体は、その表面が平
滑化されると、摺動する記録再生ヘッドとの摩擦力が増
大してしまうために、記録信号を記録再生する際に生じ
る剪断応力も大きくなってしまう。そのため、磁気記録
媒体は、このような厳しい条件における摺動耐久特性等
の耐久性の向上が必要とされる。
【0008】そこで、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体
は、耐久性を付与することを目的として、その磁性層上
に保護膜を形成することが検討され、実用化されてい
る。
【0009】この保護膜としては、カーボン膜、石英
(SiO2)膜、ジルコニア(ZrO2)膜等が実用化さ
れている。特に、注目されているカーボン膜としては、
より硬度の高い膜であるダイヤモンド状カーボン膜(以
下、DLC膜と称する。)である。このDLC膜の膜形
成方法としては、スパッタリング法、化学気相成長法
(以下、CVD法と称する。)等が用いられる。
【0010】スパッタリング法は、先ず、電場や磁場を
利用してArガス等の不活性ガスの電離(プラズマ化)
を行う。次に、電離されたArイオンを加速して、その
運動エネルギーによりターゲットの原子をはじき出す。
そして、はじき出された原子が、対向する基板上に堆積
して膜を形成する物理的プロセスである。このスパッタ
リング法は、DLC膜の膜形成速度が一般に遅いため
に、工業的な見地からみて、生産性に劣る。
【0011】一方、CVD法は、電場や磁場を用いて発
生させたプラズマのエネルギーを利用して、原料となる
炭化水素ガス等の気体の分解、合成等の化学反応を起こ
し、膜を形成する化学的プロセスである。
【0012】金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、これら
方法によって形成されたカーボン保護膜によって、摺動
耐久性が著しく改善された。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、金属磁性薄
膜型の磁気記録媒体は、上述したように、その磁性層上
に保護膜を形成する方法とともに、磁性層のベースとな
る非磁性支持体の表面に微小な突起を形成することによ
って、ヘッドとの摩擦を低減し、耐久性を向上させる方
法も検討され、実用化されている。
【0014】この場合、第1の方法としては、フィルム
状の非磁性支持体を製造する際に微粒子を混入すること
で、この非磁性支持体の表面に突起を形成する方法があ
る。
【0015】また、第2の方法としては、平滑なフィル
ム状の非磁性支持体に対して、その表面に微粒子を塗布
することで、この非磁性支持体の表面に突起を形成する
方法がある。
【0016】しかしながら、上述した第1の方法及び第
2の方法は、非磁性支持体の表面に対して微粒子が平均
的に分散されずに凝集等が生じた場合に、表面粗度が悪
くなり、出力の低下や耐久性の低下といったテープ特性
の劣化につながってしまうという問題があった。
【0017】そこで、本発明は、このような問題を解決
して、非磁性支持体の表面に対して、耐久性を向上させ
るための突起を、容易に且つ均一に形成する磁気記録媒
体の製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明に係る磁気記録媒体の製造方法は、非磁
性支持体上に少なくとも磁性層を形成してなる磁気記録
媒体の製造方法において、上記非磁性支持体を、少なく
とも2つの導電性ロールの間に掛け渡して走行させ、こ
れら導電性ロールの間に電圧を印加する突起形成工程を
経ることによって、上記磁気記録媒体の最上層に突起を
形成してなる。
【0019】したがって、本発明に係る磁気記録媒体の
製造方法によれば、非磁性支持体を、電圧を印加した少
なくとも2つの導電性ロールの間に掛け渡して走行させ
るだけで、磁気記録媒体の最上層に突起を形成すること
ができる。そのため、係る磁気記録媒体の製造方法によ
れば、この磁気記録媒体の耐久性を向上させるための突
起を、容易に且つ均一に形成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明に係る
磁気記録媒体の製造方法は、図1に示すような磁気記録
媒体1を製造するものである。そこで、先ず、磁気記録
媒体1について説明する。
【0021】磁気記録媒体1は、図1に示すように、非
磁性支持体1と、この非磁性支持体1上に形成された金
属磁性薄膜からなる磁性層2とにより構成される。
【0022】非磁性支持体2としては、通常この種の磁
気記録媒体の非磁性支持体として用いられるものであれ
ば何れも使用可能であり、例示すれば、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等
のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロ
ースダイアセテート、セルローストリアセテートブチレ
ート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニデリン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート類、ポ
リアミド類、ポリイミド類に代表されるような高分子材
料や、アルミナガラス、セラミックス等により形成され
る支持体等が挙げられる。
【0023】磁性層3は、強磁性金属材料を成膜するこ
とにより形成されるものである。この強磁性金属材料
は、通常の蒸着テープに使用されるものであればいかな
るものであってもよい。例示すれば、Fe,Co,Ni
などの強磁性金属、Fe−Co,Co−Ni,Fe−C
o−Ni,Fe−Cu,Co−Cu,Co−Au,Co
−Pt,Mn−Bi,Mn−Al,Fe−Cr,Co−
Cr,Ni−Cr,Fe−Co−Cr,Co−Ni−C
r,Fe−Co−Ni−Cr等の強磁性合金が挙げられ
る。磁性層3は、これら強磁性金属材料から選ばれる少
なくとも一種の材料を成膜して形成され、単層膜であっ
てもよいし多層膜であってもよい。
【0024】これら磁性層3の形成手段としては、真空
下で強磁性金属材料を加熱蒸発させ、非磁性支持体2上
に蒸着させる真空蒸着法や、蒸発粒子をイオン化して電
解により加速してから非磁性支持体2上位付着させるイ
オンプレーティング法、アルゴンを主成分とする雰囲気
中でグロー放電を起こして生じたアルゴンイオンでター
ゲット表面の原子を叩き出すスパッタリング法等、いわ
ゆるPVD技術によればよい。
【0025】なお、このうち、真空蒸着法によって磁性
層3を形成する場合には、高密度記録領域での特性改善
を目的として、磁性金属材料を蒸着源とし、移動走行す
る非磁性支持体2上に斜め方向から磁性金属粒子を蒸着
せしめる、斜方蒸着法により成膜するのが好ましい。
【0026】この時、この磁性層3の磁化容易軸の傾き
角は、非磁性支持体2の表面に対して20〜90度であ
ることが望ましい。この磁化容易軸の傾き角が広角度に
なるほど、高密度記録領域における特性が改善される。
なお、磁性層3の磁化容易軸の傾き角は、磁性層3を蒸
着形成するに際して、非磁性支持体2に対する蒸着粒子
の入射角を変化させることにより制御することができ
る。
【0027】なお、磁性層3は、この蒸着法に際して、
蒸着雰囲気下に酸素ガスを導入し、例えば、Co−O系
薄膜、Co−Ni−O系薄膜といったような酸素を含有
したかたちで形成することが望ましい。これにより、磁
性層3の結晶粒子が微細化し、媒体ノイズを低減でき
る。また、これにより、磁性層3の結晶粒子が柱状構造
となることで、斜め方向の形状異方性が増大する。
【0028】本実施の形態においては、以下に示す条件
の下で、非磁性支持体2に対して磁性層3としての金属
磁性薄膜層を真空蒸着法により蒸着した。
【0029】蒸着条件 インゴット : Co,Co80−Ni−20wt% 入射角 : 45〜90度 テープ速度 : 0.17m/s 磁性層厚 : 0.2μm 酸素導入量 : 3.3×10-6〜4.0×10-6.3
/s 蒸着時圧力 : 7×10-4Pa また、磁気記録媒体1は、図1に示すように、上述した
非磁性支持体2及び磁性層3の他に、保護膜層4を備え
て形成されてもよい。これにより、磁気記録媒体1は、
磁気ヘッドの摺動耐久性等が向上したものとなる。
【0030】保護膜層4は、磁性層3上に、例えばCV
D法によりカーボンを成膜されてなる。以下では、この
保護膜層4の成膜方法について説明する。
【0031】保護膜層4は、図2に示すようなプラズマ
CVD連続膜形成装置10を用いて成膜する。プラズマ
CVD連続膜形成装置10は、十分に減圧された真空槽
11の内部に、非磁性支持体2を巻き出す巻出しロール
12と、保護膜層4を成膜後の非磁性支持体2を巻き取
る巻取りロール13と、非磁性支持体2の走行路に配置
される回転支持体14と、回転しながら非磁性支持体2
を送る円筒状の電極15と、この電極15に対向して配
置される反応管16とを備えて構成される。また、この
反応管16には、直流電源17により+500〜200
0V程度の電圧を印加された電極18が組み込まれてい
る。
【0032】プラズマCVD連続膜形成装置10は、非
磁性支持体12を、図2中矢印Aで示すように、巻出し
ロール12から巻き出して電極15の外周面上を走行さ
せ、巻取りロール13に巻き取る。一方、プラズマCV
D連続膜形成装置10においては、図2中矢印Bで示す
ように、反応管16の内部にエチレン等の有機ガスが導
入されてプラズマ化される。プラズマCVD連続膜形成
装置10は、このプラズマ化された有機ガスを、電極1
8と電極15とに印加された電圧によって、電極15の
外周面を走行する非磁性支持体12に対して衝突分解さ
せ、この非磁性支持体12に形成された磁性層3上に保
護膜層4を成膜する。
【0033】本実施の形態においては、エチレンを導入
ガスとして用いて、反応圧力10Pa、印加電圧1.5
kVにて保護膜層4を成膜した。
【0034】なお、保護膜層4は、上述したようにカー
ボンを成膜する方法に限定されるものではなく、例えば
スパッタリング法等によって石英(SiO2)膜、ジル
コニア(ZrO2)膜等を成膜してもよい。
【0035】また、磁気記録媒体1には、上述した非磁
性支持体2、磁性層3及び保護膜層4の他に、図1に示
すように、潤滑剤や防錆剤等よりなるトップコート層5
を設けてもよい。また、磁気記録媒体1には、非磁性支
持体2の磁性層3を形成した側とは反対側の面に、走行
耐久性の向上や帯電防止及び転写防止等を目的として、
非磁性顔料、結合材、潤滑剤等よりなるバックコート層
6を設けてもよい。これらトップコート層5及びバック
コート層6には、従来から用いられている材料が何れも
使用可能である。
【0036】本実施の形態においては、トップコート層
5及びバックコート層6として、パーフルオロポリエー
テルをトルエンに溶解させ、それぞれ非磁性支持体2に
形成された保護膜層4上と、非磁性支持体2の磁性層3
が形成された面と反対側の面上とに塗布した。
【0037】また、磁気記録媒体1には、上述した非磁
性支持体2と磁性層3との間、あるいは多層膜の間に、
各層間の付着力向上、抗磁力の制御等のために、下地層
あるいは中間層を設けてもよい。
【0038】次に、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法について説明する。以下の説明においては、図3に示
すような突起発生装置20を用いる場合について説明す
ることとする。
【0039】突起発生装置20は、図3に示すように、
十分に減圧された真空槽21の内部に、非磁性支持体2
を巻き出す巻出しロール22と、巻き出された非磁性支
持体2の主面に接して電圧を印加する第1の導電性ロー
ル23及び第2の導電性ロース24と、突起が形成され
た非磁性支持体2を巻き取る巻取りロール25とにより
構成される。また、突起発生装置20は、第1の導電性
ロール23と第2の導電性ロール24との間に、可変電
源26によって所定の電圧が印加されるよう構成されて
いる。
【0040】突起発生装置20は、巻出しロール22か
ら巻き出した非磁性支持体2を、第1の導電性ロール2
3と第2の導電性ロール24との間に掛け渡して走行さ
せ、巻取りロール25によって巻き取る。
【0041】一方、突起発生装置20は、第1の導電性
ロール23と第2の導電性ロール24との間に、可変電
源26によって所定の電圧を印加する。このとき、非磁
性支持体2には、第1の導電性ロール23及び第2の導
電性ロール24と接する側の面に、図4に示すような突
起が形成される。
【0042】この突起形成工程においては、第1の導電
性ロール23と第2の導電性ロール24との間に対して
印加する電圧及び供給する電流の大きさによって、形成
される突起の高さ及び直径を制御することができる。
【0043】ところで、磁気記録媒体1においては、非
磁性支持体2が、他の各層と比較して、その厚みを非常
に厚く形成されている。そのため、磁気記録媒体1の表
面形状は、非磁性支持体2の表面形状によって大きく左
右され、特徴づけられる。
【0044】したがって、この突起形成工程は、磁気記
録媒体1の製造工程において、特定の段階で施されるべ
きものではなく、各層が形成される前の非磁性支持体2
に対して突起を形成してもよいし、非磁性支持体2上に
各層を形成した後で突起を形成してもよい。
【0045】すなわち、この突起形成工程では、導電性
を有する非磁性支持体2を用いることにより、上述した
ように、第1の導電性ロール23と第2の導電性ロール
24とを介してこの非磁性支持体2に電圧を印加するこ
とで、この非磁性支持体2の表面に突起を形成してもよ
い。この場合には、非磁性支持体2に対して突起が形成
された後に、上述した各層を形成することにより、非磁
性支持体2の表面形状が磁気記録媒体1の表面に反映さ
れ、最上層に突起が形成された磁気記録媒体1を製造す
ることができる。
【0046】また、非磁性支持体2上に、上述したよう
に、磁性層3として金属磁性薄膜層を形成した後に、こ
の金属磁性薄膜層が形成された非磁性支持体2に対して
上述した突起形成工程を施してもよい。この場合には、
この突起形成工程において、第1の導電性ロール23と
第2の導電性ロール24とを介して、金属磁性薄膜層に
電圧を印加することで、この金属磁性薄膜層が形成され
た非磁性支持体2の表面に突起が形成される。この後、
この非磁性支持体2に対して、さらに他の各層を形成し
てもよい。これにより、この非磁性支持体2の表面形状
が磁気記録媒体1の表面に反映され、最上層に突起が形
成された磁気記録媒体1を製造することができる。
【0047】以上説明したように、突起形成工程を経る
ことによって、非磁性支持体2の表面に微小な突起を形
成することによって、磁気記録媒体1は、ヘッドとの摩
擦が低減され、耐久性が向上したものとなる。
【0048】また、この突起形成工程を経て非磁性支持
体2の表面に微小な突起を形成することによって、従来
の方法のような非磁性支持体2に対して微粒子を混入し
たり、非磁性支持体2の表面に微粒子を塗布したりとい
った方法に比べて、これら微粒子が凝集等を生じてしま
うことがないために、容易に且つ均一に突起を形成する
ことができる。
【0049】したがって、本発明に係る磁気記録媒体の
製造方法によれば、非磁性支持体2の表面に突起を形成
する際の生産効率を向上させることができる。
【0050】さらに、この突起形成工程を経て非磁性支
持体2の表面に微小な突起を形成することによって、従
来の突起形成方法で用いられていたような、不純物とし
ての微粒子を不要とするため、より高密度、高出力、低
ノイズである磁気記録媒体1を製造することができる。
【0051】したがって、本発明に係る磁気記録媒体の
製造方法によれば、優れた電磁変換特性を有するととも
に、信頼性を向上させた磁気記録媒体1を製造すること
ができる。
【0052】
【実施例】以下では、本発明に係る磁気記録媒体を実際
に作製した実施例について説明するが、本発明はこれに
限定されるものではないことは言うまでもない。また、
これら実施例を比較するために比較例の磁気記録媒体も
作製し、これら実施例と比較例との特性を評価した。
【0053】実施例1 実施例1では、本実施の形態に基づいて、ポリエチレン
テレフタレート(PET)を材料として層厚6μmに形
成された非磁性支持体上に、磁性層3としてCo−Ni
を真空蒸着法により層厚0.2μmで成膜した後、上述
した突起形成工程を経て突起を形成した。その後、磁性
層上に、保護膜層としてカーボンを層厚10μmで成膜
して、磁気記録媒体とした。この保護膜層を成膜後にお
ける磁気記録媒体の表面での突起の高さと直径とについ
ては表1に示す。
【0054】なお、突起の高さと直径とは、磁気記録媒
体の表面32mm2内で無作為に選んだ10点を原子間
力顕微鏡(AFM)で測定し、それぞれ平均値を求め
た。また、突起の高さは、非磁性支持体の基準面からの
最大高さとし、突起の直径は、突起の中心を通る断面上
における非磁性支持体からの盛り上がり境界間の距離と
した。
【0055】実施例2〜5 突起形成工程で印加する電圧を変えることによって、突
起の高さと直径とを変えた他は、実施例1と同様にして
実施例2〜5を作製した。
【0056】比較例1〜4 突起形成工程で印加する電圧を変えることによって、突
起の高さと直径とを変えた他は、実施例1と同様にして
比較例1〜4を作製した。
【0057】以上のように作製した実施例1〜実施例5
と、比較例1〜比較例4とに関して、以下のような摩擦
係数測定、シャトル測定、スチル測定を行い、それぞれ
の特性を評価した。
【0058】摩擦係数測定 恒温高湿槽により温度40℃、湿度80%に保たれた雰
囲気中で、磁気記録媒体に対して磁気ヘッドを100回
走行させ、100回目の摩擦係数を測定して、表1に示
した。
【0059】スチル測定 恒温槽により温度−5℃に保たれた雰囲気中で、磁気記
録媒体に対して磁気ヘッドを同じ位置に連続して走行さ
せ、再生出力が3dB落ちるまでの時間を測定して、表
1に示した。
【0060】シャトル測定 室温に保たれた雰囲気中で、磁気記録媒体に対して磁気
ヘッドを100回走行させ、100回目の再生出力が初
期再生出力から何dB落ちたかを測定して、表1に示し
た。
【0061】
【表1】
【0062】この表1から明らかなように、実施例1〜
実施例5に示した磁気記録媒体では、走行特性及び耐久
特性に優れたものとなる。また、実施例3及び実施例4
の測定結果から、突起の高さが45nm程度で直径が
5.3μm程度である場合には、摩擦係数、スチル特
性、シャトル特性共に、より優れた結果を示すことが分
かる。
【0063】これに対して、比較例1及び比較例2に示
すように、突起の高さ及び直径が小さい場合には、磁気
記録媒体の表面が平滑となりすぎるために、摩擦係数が
高くなってしまう。また、比較例3及び比較例4に示す
ように、突起の高さ及び直径が大きい場合には、磁気記
録媒体の表面起伏が大きくなりすぎるために、磁気ヘッ
ドとの良好な接触状態を確保できず、特にスチル特性に
劣ったものとなってしまう。また、この場合には、シャ
トル特性においても、再生出力波形が不安定となってし
まうことも確認された。
【0064】したがって、表1から明らかなように、本
発明に係る磁気記録媒体の製造方法においては、磁気記
録媒体の最上層における表面の突起の直径φが、1.3
nm≦φ≦9.8nmの範囲で形成された場合、又は突
起の高さTが20nm≦T≦72.6nmの範囲で形成
された場合において、摩擦係数特性、スチル特性、シャ
トル特性共に、良好な結果が得られた。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る磁気
記録媒体の製造方法は、磁気記録媒体のベースとなる非
磁性支持体を、少なくとも2つの導電性ロールの間に掛
け渡して走行させ、これら導電性ロールの間に電圧を印
加することによって、この磁気記録媒体の最上層に突起
を形成することにより、耐久性を向上させるための突起
を、容易に且つ均一に形成することができる。したがっ
て、係る磁気記録媒体の製造方法によれば、磁気記録媒
体の表面に突起を形成する際の生産効率を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の製造方法により製
造される磁気記録媒体を示す概略断面図である。
【図2】同磁気記録媒体に保護膜層を形成するプラズマ
CVD連続膜形成装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明に係る磁気記録媒体の製造方法に使用す
る突起発生装置を示す概略構成図である。
【図4】同製造方法によって形成される突起を示す要部
拡大断面図である。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体、2 非磁性支持体、3 磁性層、4
保護膜層、20 突起発生装置、21 真空槽、22
巻出しロール、23 第1の導電性ロール、24 第
2の導電性ロール、25 巻取りロール、26 可変電
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D006 AA04 BB02 BB03 BB04 BB05 CB02 CB03 EA03 FA02 5D112 AA02 AA05 AA07 AA22 BA01 BB02 BB05 BC05 FA02 FA04 FA06 FA09 FB25 GA02 KK05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に少なくとも磁性層を形
    成してなる磁気記録媒体の製造方法において、 上記非磁性支持体を、少なくとも2つの導電性ロールの
    間に掛け渡して走行させ、これら導電性ロールの間に電
    圧を印加する突起形成工程を経ることによって、上記磁
    気記録媒体の最上層に突起を形成することを特徴とする
    磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記導電性ロールを介して導電性を有す
    る非磁性支持体に電圧を印加することによって、当該非
    磁性支持体の表面に突起を形成する上記突起形成工程
    と、 上記非磁性支持体の突起が形成された面に上記磁性層を
    形成する磁性層形成工程とを経ることによって、上記磁
    気記録媒体の最上層に突起を形成することを特徴とする
    請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記非磁性支持体上に、上記磁性層とし
    て、金属磁性薄膜層を形成する磁性層形成工程と、 上記導電性ロールを介して上記金属磁性薄膜層に電圧を
    印加することによって、当該金属磁性薄膜層が形成され
    た上記非磁性支持体の表面に突起を形成する上記突起形
    成工程とを経ることによって、上記磁気記録媒体の表面
    に突起を形成することを特徴とする請求項1記載の磁気
    記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記非磁性支持体上に上記磁性層を形成
    した後に、この磁性層上に、さらに保護膜層を形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 上記突起は、その直径φが 1.3nm
    ≦φ≦9.8nm の範囲で形成されることを特徴とす
    る請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記突起は、その高さTが 20nm≦
    T≦72.6nm の範囲で形成されることを特徴とす
    る請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
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