JPH1182362A - 複数ポンプを用いた給水システムの制御装置 - Google Patents

複数ポンプを用いた給水システムの制御装置

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JPH1182362A
JPH1182362A JP24111497A JP24111497A JPH1182362A JP H1182362 A JPH1182362 A JP H1182362A JP 24111497 A JP24111497 A JP 24111497A JP 24111497 A JP24111497 A JP 24111497A JP H1182362 A JPH1182362 A JP H1182362A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポンプの制御に必要なパラメータの設定の簡
単化が充分に図れるようにした複数ポンプを用いた給水
システムの制御装置を提供すること。 【解決手段】 ポンプ駆動用のモータ61、62を制御
するためのマイコンからなる演算手段μにディップスイ
ッチDS1〜DS9を設け、制御に必要な複数のパラメ
ータHI、HK、HT、H3、a、b、e、d、NMAX
に基づいて、他のパラメータが自動設定されるように
し、これにより特定のパラメータでも任意に設定変更で
きるようにすると共に、速度パラメータは用いず、圧力
パラメータのみで設定できるようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のポンプを用
いた給水システムにおける制御装置に係り、特に管路の
抵抗曲線を予測して、近似末端圧力一定制御を行う場合
の制御定数(パラメータ)を自動生成するようにしたポン
プの運転制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、給水末端での給水圧力をほぼ一定
に保って安定した給水を行い、さらには省エネルギー化
を図るため、給水管路の抵抗曲線に沿って圧力制御を行
う推定末端圧力一定制御方式のポンプ運転制御装置が盛
んに採用されており、その例を特開昭61−24789
1号の公報に見ることができる。
【0003】ところで、この推定末端圧力一定制御方式
により複数のポンプを運転するためには、各種の制御定
数(パラメータ)を設定し、制御装置の記憶部に記憶して
おく必要がある。そこで、以下、この点について、上記
した従来技術により説明する。
【0004】図6は、上記従来技術による推定末端圧力
一定制御方式が適用された給水システムを示したもの
で、図において、1は受水槽、22、23は吸込管、3
1〜34は仕切弁、41、42はポンプ、51、52は
逆止め弁、61、61はポンプ駆動用のモータ、7は給
水管、8は圧力タンク、9は圧力センサ、10は流量セ
ンサであり、また、AUは関数演算器、CPは比較器、
そしてCTLは制御装置である。なお、これらのモータ
61、62としては、誘導電動機を用いるのが通例であ
り、これをインバータで駆動することにより、ポンプの
可変速運転が得られるようになっている。
【0005】図7は、この給水システム(図6)における
ポンプの特性曲線で、縦軸に圧力Hを、横軸に水量Qを
取って示してあり、ここで、まず曲線Dは、ポンプを1
台、運転速度NMAX で運転したときのQ−H特性で、同
様に、曲線E、G、Iは、それぞれポンプの運転速度が
1、N2、NMIN のときのQ−H特性である。ここで、
運転速度NMIN は最低運転速度を表わす。
【0006】次に、曲線Aは、回転速度NC で運転され
るポンプと、最高速度NMAX で運転するポンプの2台並
列運転時のQ−H特性で、同様に、曲線B、C、Jは、
回転速度NC で運転されるポンプと、運転速度がそれぞ
れN1、N2、NMIN のポンプの2台並列運転時でのQ−
H特性である。ここで、この回転速度NC とは所定の一
定速度を表わし、従って、この回転速度NC で運転され
るポンプとは、定速運転されるポンプのことである。
【0007】一方、曲線Fは各種の弁などを含む給水管
路の抵抗曲線で、Haは実揚程、Hpは水栓の所要末端
圧力、そしてHtは全揚程であり、従って、この全揚程
Htは、水量Qがイの点における諸損失Hfに、実揚程
Haと所要末端圧力Hpを加算した揚程のことになる。
【0008】そして、この給水システムでは、先行ポン
プ、例えばポンプ41は、給水圧力がHON となったと
き、運転速度NMIN で始動し、始動した後はポンプ吐出
圧力が管路の抵抗曲線F上にくるように制御するように
なっており、この制御方式を推定末端圧力一定制御方式
と呼んでいるのである。
【0009】そして、この状態のとき、使用量が増大
し、先行ポンプ41だけでは供給不足となると、この先
行ポンプの運転速度が最高速度NMAX に到達し、給水圧
力が追従ポンプ42の始動圧力H1 以下になったとき、
追従ポンプが始動し、並列運転になるように制御する。
【0010】一方、この状態で、今度は使用水量が減少
すると、供給過多になるので、先行ポンプの運転速度が
MIN’に下がり、給水圧力が追従ポンプ停止圧力H2
に達したとき、追従ポンプが停止する。そして、さら
に、使用量が減少すると最低速度NMIN に到達し、この
使用量の少ない状態が一定時間続いたとき、先行ポンプ
は運転速度をNOFF まで高め、給水圧力がHOFF になっ
たところで先行ポンプが停止されることになる。
【0011】ところで、このような給水システムの制御
には、上記したように、動作点となる各種の圧力データ
HI、HK、HT、HON、HOFF、H1、H2 と、同じく
各種の速度データNMIN、NMIN'、NMAX、NOFF などの
データが用いられているが、これらのデータは制御定数
(以下、パラメータと記す)と呼ばれるものであり、これ
らは、予め制御装置CTLのメモリに記憶しておく必要
がある。
【0012】そこで、従来技術では、まず、圧力のパラ
メータについては、基準点となる圧力動作点HIを外部
のスイッチにより設定し、他の圧力パラメータは、この
圧力動作点HIを基準にした加減演算により自動設定し
てモリに格納し、次に、速度のパラメータについては、
同じく基準点となる速度NMIN を外部のスイッチなどに
より設定し、他の速度パラメータは、この速度NMIN
基準にして加減演算により自動設定し、メモリに格納す
るようにしていた。
【0013】そして、従来技術では、これらパラメータ
は、例えば給水システムを現場に据付けるときなどに、
以下のようにして設定されていた。まず、設置対象とな
る給水系で所望される使用水量と所定圧力、その系の管
路抵抗曲線、及び使用するポンプの性能に基づいて、図
7に示すポンプ運転特性図を求め、描画する。
【0014】次に、ディップスイッチなどの設定手段に
よりパラメータHIを設定する。すなわち、このパラメ
ータHIは、実揚程Haと水栓の所要末端圧力Hpの和
であるから、給水システムが決れば、それの仕様から求
められるので、これを設定するのである。
【0015】一方、パラメータNMIN については、図7
に示す締切圧力H3を読取り、最高速度NMAX と締切時
パラメータHIに基づいて、次の演算式により求め、デ
ィップスイッチDA2により設定する。 NMIN=NMAX(HI/H3)1/2 ここで、締切圧力H3 と最高速度NMAX はポンプ特性を
表わす固有値で、ポンプの機種により仕様値として知る
ことができ、従って、パラメータNMIN を演算すること
ができるのである。
【0016】ところで、据付後の試運転時において、ポ
ンプの吸込側条件が計画値と大きく違ってしまっている
場合がある。この場合には、具体的には、手動で操作し
て実際に運転を行い、締切圧力H3を測定してから前述
した演算によりパラメータNMIN を求めたり、締切時に
給水圧力が基準値HIとなるようにポンプの運転速度を
操作し、このときの運転速度をNMIN として求めてやれ
ばよい。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術には、次
の問題点があった。圧力のパラメータについては、デ
ィップスイッチDS1で設定したデータHIを基準に
し、例えば、HON=HI+a、HOFF=HI+b……な
ど、所定の定数を加減演算して自動設定するようになっ
ている。
【0018】しかして、このためのパラメータである定
数a、b、……については、プログラム内の即値データ
として扱っており、同様に、速度のパラメータは、ディ
ップスイッチで設定したデータNMIN を基準にし、同じ
くプログラム内に設定してある所定の定数を加減演算し
て自動設定している。このため、特定のパラメータを任
意に変更したいという要求に際しては、制御装置の一部
を取替えなければならないので、対応が困難であり、対
応を可能にするためには、コスト高になる。
【0019】速度パラメータNMIN は、締切時の圧力
3と最高速度NMAX に基づいて演算して求めなければ
ならず、吸込条件が大きく変動した場合には、データN
MIN、又はデータH3 を計測せねばならず、設定作業が
困難、且つ面倒で、多くの手間が必要であった。
【0020】本発明の目的は、以上の問題点を解消し、
パラメータの設定が容易に得られるようにした複数ポン
プを用いた給水システムの制御装置を提供することにあ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的は、複数台のポ
ンプと、このポンプに連結した給水管路上に設けた圧力
センサを備え、この圧力センサの検出値に応じて少なく
とも1台のポンプを可変速運転して給水を行なうように
した給水システムの制御装置において、ポンプの運転制
御に必要なパラメータの自動生成のための基準となる複
数の圧力パラメータと、ポンプ性能を特定する所定運転
速度と、この速度での締切圧力とを設定するための設定
手段を設け、この設定手段から取り込んだデータに基づ
いて、上記パラメータが自動設定されるようにして達成
される。
【0022】例えば、これらのパラメータとしては、 HI :水量0時目標圧力を表わすパラメータ HK :所定運転速度NMAX 時目標圧力を表わすパラメ
ータ HT :ポンプ2台運転時目標圧力を表わすパラメータ H3 :所定運転速度NMAX 時締切圧力を表わすパラメ
ータ NMAX :所定運転速度を表わすパラメータ HON :先行ポンプ始動圧力を表わすパラメータ HOFF :先行ポンプ停止圧力を表わすパラメータ H1 :追従ポンプ始動圧力を表わすパラメータ H2 :追従ポンプ停止圧力を表わすパラメータ a :HIとHON との距離を表わすパラメータ b :HIとHOFF との距離を表わすパラメータ c :HKとH1 との距離を表わすパラメータ d :HKとH2 との距離を表わすパラメータ NMIN :水量0の時目標圧力HIを与えるための最低速
度を表わすパラメータ NMIN':ポンプ2台運転時目標圧力がHKを与えるため
の最低速度を表わすパラメータ の各パラメータがあるが、本発明では、これらのパラメ
ータを格納するためのメモリ(RAM)が用意してある。
【0023】ここで、パラメータH3、NMAX は、使用
するポンプ固有の性能を表わすパラメータである。そし
て、これらのパラメータの内、まずパラメータHI、H
K、HT、H3、NMAX については、それぞれを絶対量
として、ディップスイッチ(コンソール等でも良い)で設
定したものを直接前記メモリに格納する。
【0024】次に、パラメータHON、HOFF、H1、H2
については、同じくディップスイッチ(コンソール等で
も良い)で既に設定してある各パラメータa、b、c、
dの値を用い、 HON =HI+a HOFF=HI+b H1 =HK−c H2 =HK+d として演算して求め、結果を相対量として前記メモリに
格納する。
【0025】そして、パラメータNMIN、NMIN’につい
は、既に絶対量としてディップスイッチなどで設定さ
れ、メモリに格納されている各パラメータNMAX、H3
HI、HKを読出し、これらから、 NMIN =NMAX(HI/H3)1/2MIN'=NMAX(HK/H3)1/2 として演算して求め、結果を前記メモリに格納するので
ある。
【0026】この結果、自動生成されるパラメータを除
き、ほとんどのパラメータについての変更が容易にでき
ることになり、特定のパラメータでも任意に設定変更で
きるようにすると共に、速度パラメータは用いず、圧力
パラメータのみで設定できるようにすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明による複数ポンプを
用いた給水システムの制御装置について、図示の実施形
態により詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態
における制御装置全体の構成を示したもので、給水シス
テムの本体の構成は図6の従来技術と同じであり、従っ
て、この図1の制御装置は、図6の制御装置CTLに相
当し、関数演算器AUと比較器CPに相当する装置は、
特に必要はない。
【0028】図1において、PWは電源、MCBは配線
用遮断器、MC0〜MC4はそれぞれ電磁開閉器、IN
Vはインバータ(可変周波インバータ装置)である。次
に、μは演算手段(マイコン)で、CPU(中央演算処理
装置)、メモリ(記憶手段)M、入出力ポートPIO1〜
PIO12、電源端子PEなどで構成されている。な
お、この実施形態では、ポンプ41、42を可変速運転
する手段として、インバータINVを用いているが、本
発明はこれに制限されるものではなく、可変周波数電源
装置なら何でも良い。
【0029】次に、F1は圧力センサ9の信号を演算手
段μの入出力ポートPIO1から読込むインターフェー
スで、F2は入出力ポートPIO11から速度指令信号
をインバータINVの入力端子に出力するインターフェ
ース、F3は入出力ポートPIO12から各電磁開閉器
MC0〜MC4を開閉する信号を発するためのインター
フェースであり、Zは制御用の電源装置、TRは変圧
器、Swはスイッチ、Rは制御用の電力供給線路であ
る。
【0030】DS1〜DS10はディップスイッチで、
これらのうち、まずディップスイッチDS1は、データ
HI、すなわち、使用水量が0のとき給水系が所望する
実揚程Haと所要末端圧力Hpの和のデータHIを設定
するための例えば8bitのディップスイッチで、この設
定値が入出力ポートPIO2から読込まれる。
【0031】そして、他のディップスイッチとパラメー
タ、入出力ポートとの関係はそれぞれ次の通りである。 ディップスイッチDS2……パラメータHK……入出力
ポートPIO3 ディップスイッチDS3……パラメータHT……入出力
ポートPIO4 ディップスイッチDS4……パラメータH3 ……入出力
ポートPIO5 ディップスイッチDS5……パラメータa ……入出力
ポートPIO6 ディップスイッチDS6……パラメータb ……入出力
ポートPIO7 ディップスイッチDS7……パラメータc ……入出力
ポートPIO8 ディップスイッチDS8……パラメータd ……入出力
ポートPIO9
【0032】次に、ディップスイッチDS9は、所定の
運転速度、例えば最大速度NMAX を設定するディップス
イッチで、この設定値は入出力ポートPIO10から読
込まれる。そして、これらのパラメータは、詳しくは後
述するが、各パラメータHI、HK、HT、H3、NMAX
については、絶対量として直接記憶するメモリが用意
してあり、パラメータa、b、c、dについては、相対
量として直接記憶するメモリが用意してある。
【0033】モータ61、62は、電磁開閉器MC0〜
MC4の切換状態に応じて、電源PSから直接給電され
たり、インバータINVを介して給電されたりする。周
知のように、誘導電動機の回転速度N〔rpm〕について
は、 N≒120f/P f:誘導電動機に供給される電力の周波数 P:誘導電動機の極数 の関係がある。従って、モータ61、62は、電源PS
から直接給電されたときは固定速度で回転し、ポンプ4
1、42を定速駆動し、インバータINVを介して給電
されたときには可変速度で回転し、ポンプ41、42を
可変速駆動する。そして、インバータINVを介して給
電されているときは、マイコンμからインバータINV
に供給される速度指令信号に応じてインバータ出力周波
数が制御され、ポンプ41、42の運転速度が制御され
ることになる。
【0034】図2は、上記実施形態の運転特性図で、図
7と同じ符号で示すものは同じ意味をもつ。図2におい
て、H1 は追従ポンプの始動圧力、H2 は追従ポンプの
停止圧力、HKは定速運転ポンプと可変速ポンプが最低
速度NMIN’で運転しているときの合成性能と抵抗曲線
Fとの交点ニにおける圧力で、追従ポンプ始動、停止時
の目標圧力となるもの、HON は始動圧力、HOFF は停
止圧力、そして、NOFF は停止速度である。
【0035】図3〜図5は、図1の制御装置による動作
手順を示すフローチャートで、予めこの手順に従うプロ
グラムが、マイコンμのメモリM内にあるROM(リー
ドオンリーメモリ)部に記憶されているものであり、以
下、これらのフローチャートより、この実施形態の動作
について説明する。なお、以下の説明では、便宜上、ポ
ンプ41を先行ポンプ、ポンプ42を追従ポンプとして
選んだ場合について説明する。
【0036】スイッチSwが投入されると、制御用の電
源装置Zから電力が供給され、マイコンμにより図3〜
図5の処理が開始される。まず図3のステップS1では
初期値の設定を行われる。この処理は、図示のように、
メモリM内のRAM(ランダムアクセスメモリ)部のワー
クの割当を行なうもので、このステップS1での初期設
定の内、RAM0〜RAM16のデータの設定処理は、
図5に示すようになっている。
【0037】まず、予め予測した抵抗曲線Fから、使用
水量0のとき給水系が所望する目標圧力HI(実揚程H
a+所要末端圧力Hp)をディップスイッチDS1に設
定し、同様に、他のパラメータHK、HT、H3、a、
b、c、d、NMAX も、それぞれディップスイッチDS
2〜DS9に設定し、ここで図5の処理に入る。
【0038】まずステップS101では、目標圧力HI
をマイコンμの入出力ポートPIO2から読込み、Aレ
ジスタにロードし、ステップS102でRAM1番地に
格納する。同様に、ステップS103からステップS1
18では、前述したパラメータHK、HT、H3、a、
b、c、d、NMAX を読込み、それぞれRAM2番地か
らRAM9番地に格納する。
【0039】続いて、ステップS119で、RAM(H
I)のデータをもとにし、これにRAM(a)のデータを
加算し、結果をRAM10番地に格納し、先行ポンプの
始動圧力HON のパラメータとする。同様に、ステップ
S120で、RAM1(HI)のデータを基準に、これに
RAM6(b)のデータを加算して結果をRAM11番地
に格納し、先行ポンプ停止圧力HOFF のパラメータとす
る。
【0040】さらに、ステップS121で、RAM7
(HK)のパラメータを基準に、これからRAM2(c)の
パラメータを減じて結果をRAM12(H1)に格納し、
追従ポンプ始動圧力H1 のパラメータとする。同様に、
ステップS122で、RAM2(HK)のパラメータを基
準に、これにRAM8(d)のパラメータを加算して結果
をRAM13(H2)に格納し、追従ポンプ停止圧力H2
のパラメータとする。
【0041】更に、ステップS123では、RAM9に
格納してあるポンプ所定速度NMAXと、RAM4に格納
してあるポンプ所定速度時締切圧力H3、それにRAM
1に格納してある使用水量0のときの目標圧力HIの各
パラメータを使用し、次の演算式により、使用水量0の
ときの目標圧力H2 となる最低速度NMIN を求め、RA
M15に格納する。 NMIN=NMAX(HI/H3)1/2 そしてステップ124では、RAM2のパラメータHK
と、RAM4のパラメータH3、それにRAM9のパラ
メータNMAX を使用し、次の演算式により、並列運転時
目標圧力がHKとなる最低速度NMIN’を求め、RAM
16に格納するのである。
【0042】NMIN’=NMAX(HK/H3)1/2
【0043】この結果、この実施形態では、これらディ
ップスイッチDS1〜DS9を操作することにより、各
パラメータの変更が容易に行なえることになる。図3に
戻り、ステップS1のブロック内に示してあるRAM2
0〜RAM23のデータは、それぞれ電磁開閉器MC0
〜MC4の開閉データである。
【0044】次のステップS2では、給水圧力Hを測定
する。具体的には、圧力センサ9が検出した信号をイン
ターフェースF1を介して入出力ポートPIO1から読
込むのである。ステップS3では、RAM10に格納し
てある始動圧力HON を読出し、これに給水圧力Hが達
しているかを調べ、達していなければ始動圧力HON
達するまでステップS2〜ステップS3を繰返し処理
し、始動圧力HON に達していた場合にステップS4に
進み、ここでメモリRAM20に格納してある電磁開閉
器MC0とMC2をONにするデータを出力する。
【0045】ステップS5では、メモリRAM15番地
に格納している最低速度HMIN のデータを出力する。具
体的には、入出力ポートPIO12からインターフェー
スF3を介して電磁開閉器MC0、MC2のONのデー
タが出力され、これにより、これらの開閉器MC0、M
C2が付勢し、同時に速度指令信号、つまりRAM15
に格納されている最低速度HMIN のデータがインターフ
ェースF2を介してインバータINVの入力端子に出力
されるようにするのである。この結果、モータ61が始
動し、最低速度HMIN で回転し、ポンプ41の駆動が開
始される。
【0046】ステップS6では、初期目標圧力H0 とし
てメモリRAM1番地に格納してある圧力HIのデータ
を設定し、次のステップS7で給水圧力Hを測定し、続
いてステップS8で両者を比較し、両者が等しい場合に
はステップS14に進み、給水圧力Hが目標圧力H0
り小さい場合にはステップS15に進む。
【0047】そして、ステップS15に進んだら、ここ
で運転速度Nを検出し、ステップS16で、RAM9に
格納されている最高速度NMAX を読出して運転速度Nと
比較する。比較した結果、最高速度HMAX に達していな
ければステップS17で増速制御を行い、ステップS1
8で目標圧力H0 を更新する。これは、例えば指令した
速度と抵抗曲線Fとの関係より目標圧力H0 を求めるも
のである。
【0048】この処理を実行したらステップS14ステ
ップに進む。ステップS14では、指令した回転速度に
達するのに必要な時間Δt(モータ61、62の可減速
に伴う制御遅れ時間)の待ち時間を実行し、ステップS
6に戻り、ここから再度処理を繰り返す。
【0049】一方、ステップS8で比較した結果、給水
圧力Hが目標圧力H0 より大きい場合にはステップS9
ステップに進み、ここで現在の運転速度を検出し、次の
ステップS10で最低速度HMIN に達したか判定し、達
していなければステップS12で減速制御を行い、ステ
ップS13では例えば指令した速度と抵抗曲線Fとの関
係より目標圧力H0 を求め、これに更新してステップS
14に進む。一方、ステップS10での判定結果が最低
速度HMIN であればステップS11に進み、ここで停止
制御を行ってポンプ41を停止させ、ステップS2にジ
ャンプし、これ以降の処理を続ける。
【0050】また、ステップS16で、判定結果が最高
速度NMAX に達していた場合にはステップS19ステッ
プに進み、ここで、この状態をt秒(例えば5秒)間固定
し、ステップS20で給水圧力Hを測定し、ステップS
21に進む。このステップS21では、まずRAM12
に格納してある追従ポンプ始動圧力H1 を読出し、これ
と給水圧力Hを比較する。
【0051】そして、給水圧力Hが追従ポンプ始動圧力
1 以上のときは、再度ステップS6以降の処理を実行
する。しかして、始動圧力H1 以下のときは、次の図4
のステップS22に進み、ここで電磁開閉器MC0、M
C2、MC4のONのデータを出力し、次のステップS
23では、予め定めた抵抗曲線Fと給水系が所望する最
高速度NMAX におけるポンプのQ−H性能曲線との交点
で定まる最低速度HMIN’のデータをRAM16から読
出して出力する。
【0052】この結果、先行したポンプ41は、運転速
度が、最高速度NMAX から追従ポンプの始動時速度H
MIN’に変更され、これにポンプ42が定速運転で追従
する形での2台並列運転となる。次のステップS24で
は、ポンプ42の追従直後の目標圧力として、予め定め
た抵抗曲線Fと給水系が所望する最高速度NMAX におけ
るポンプのQ−H性能曲線との交点で定まる圧力Hkに
更新する。
【0053】その後、ステップS25では給水圧力Hを
測定し、ステップS26では給水圧力Hと目標圧力H
0(この目標圧力H0は、ポンプ42の追従直後以外は、
追従ポンプの運転速度に応じた目標圧力となっている)
と比較する。以下、ステップS27からステップS35
までの処理は、前述のステップS9からステップS18
の処理とほぼ同じなので、異なっている処理についてだ
け説明し、その他の説明は省略する。
【0054】ステップS28では、追従ポンプの最低速
度HMIN’(並列運転時)をRAM16から読出し、これ
が運転速度が達しているか判定しており、ここで判定し
た結果、最低速度HMIN’に達していた場合にはステッ
プS36に進み、ここで最低速度HMIN’の状態にt秒
(例えば5秒)間固定する。そして、この後、ステップS
37で給水圧力Hを測定し、ステップS38では追従ポ
ンプ停止圧力H2 を読出し、給水圧力Hがこれ以上に達
したかどうかを判定する。
【0055】そして、このステップS38で、給水圧力
Hが追従ポンプ停止圧力H2 達していなければステップ
S35ステップに進み、ここで指令速度に達するまでに
必要な時間Δtの待ち時間を実行してからステップS2
4に戻り、再度、これ以降の処理を実行する。また、ス
テップS38で判定した結果、停止圧力H2 以上に達し
ている場合にはステップS39で電磁開閉器MC0、M
C2のONのデータを出力し、ポンプ42を停止させ、
ポンプ41だけの運転とする。
【0056】そして、ステップS40では、このポンプ
41の運転速度を最低速度HMIN’から最高速度NMAX
に変更し、さらにステップS41で目標圧力を圧力Hk
に変更した後、図3のステップS7に戻り、以下、前述
の作動を繰返し実行するのである。
【0057】給水システムの構築に際しては、その給水
システムの仕様が定まった段階で、使用するポンプの仕
様が決るから、この使用ポンプの運転特性と負荷特性か
ら、抵抗曲線F(吐出流量Qの2〜3乗で吐出圧力が変
化)とポンプの各運転速度との対応関係を記憶手段とし
てのメモリMのROM部に予めデータテーブルとして用
意することができる。
【0058】従って、この実施形態によれば、メモリに
各データを書込む際に基準となるデータをディップスイ
ッチの設定値で書込み、他のデータはこれの値に基づい
て演算処理して作業領域内に書込まれるようになるの
で、データの変更を容易に行なうことができる。また、
特定の始動圧力や停止圧力を個別に変更する必要が生じ
た場合にも、これに対応するディップスイッチの設定を
変更するだけで良く、設定変更や調整を簡単に行なうこ
とができる。更に、速度のパラメータは、外部設定され
た圧力パラメータと所定運転速度パラメータから演算し
て求められ、自動生成されるため、設定処理が不要にな
り、設定操作が一層簡単に済む。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、基準となる圧力パラメ
ータ及びポンプ性能を表わす所定速度と、その速度での
締切圧力を絶対量として、例えばディップスイッチなど
の外部の設定手段により設定してメモリに書込み、始
動、停止圧力パラメータはこれに対応する値を相対量と
して、外部設定手段で設定し、メモリに書込み、他のデ
ータはこれを基準に演算処理して他のメモリに書込むこ
とができる。
【0060】従って、本発明によれば、データの変更が
容易にでき、しかも基準となるデータだけをディップス
イッチで変更するだけで、他のデータは自動的に変更す
ることができ、さらに、特定のパラメータについても、
これに対応した設定手段を変更することにより個別に変
更することができる。
【0061】また、本発明によれば、追従ポンプの始
動、停止圧力、その時の目標圧力及び追従ポンプ始動、
停止直後の目標圧力を求めるための相対的な値を予め抵
抗曲線より予測して決め、これらをデータとして、例え
ばROMメモリなどの記憶手段に格納しているので、追
従ポンプの始動、停止時に目標圧力が抵抗曲線の軌跡か
ら離れることがなく、しかも、追従ポンプの始動、停止
時での圧力変動を小さくすることができる。
【0062】このとき、先行ポンプ及び追従ポンプの始
動時最低速度を外部スイッチで設定することなく、演算
により自動設定できるので、設定や調整が簡単になると
いう効果がある。さらに、本発明によれば、ポンプに吸
込側の条件が大きく変わった場合でも、制御装置の変更
や取替を要することなく、ポンプ固有の性能を表わす所
定運転速度と、そのときの締切圧力の変更だけで対応で
きるので、コストアップを充分に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複数ポンプを用いた給水システム
の制御装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるポンプの運転特性
図である。
【図3】本発明の一実施形態の動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態の動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態の動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【図6】複数のポンプを用いた給水システムの一例を示
すシステム系統図である。
【図7】従来技術によるポンプの運転特性図である。
【符号の説明】
1 受水槽 7 給水管 8 圧力タンク 9 圧力センサ 22、23 吸込管 31〜34 仕切弁 41、42 ポンプ 51、52 逆止め弁 61、61 ポンプ駆動用のモータ INV インバータ μ 演算手段(マイコン) CPU 中央演算処理装置 M メモリ(記憶手段) PIO1〜PIO11 入出力ポート F1〜F3 インターフェース DS1〜DS9 ディップスイッチ(外部設定手段) MC0〜MC4 電磁開閉器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数台のポンプと、このポンプに連結し
    た給水管路上に設けた圧力センサを備え、この圧力セン
    サの検出値に応じて少なくとも1台のポンプを可変速運
    転して給水を行なうようにした給水システムの制御装置
    において、 ポンプの運転制御に必要なパラメータの自動生成のため
    の基準となる複数の圧力パラメータと、ポンプ性能を特
    定する所定運転速度と、この速度での締切圧力とを設定
    するための設定手段を設け、 この設定手段から取り込んだデータに基づいて、上記パ
    ラメータが自動設定されるように構成したことを特徴と
    する複数ポンプを用いた給水システムの制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の発明において、 前記パラメータによるポンプの運転制御が、給水システ
    ムの管路抵抗曲線上にポンプ吐出圧力がくるように、ポ
    ンプの圧力と回転速度との関係に基づいて追値制御する
    末端圧力一定制御であり、前記管路提供曲線が、水量が
    0の点での目標圧力と、所定回転速度での目標圧力の少
    なくとも2点で決定されていることを特徴とする複数ポ
    ンプを用いた給水システムの制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の発明において、前記水量が0
    の点での目標圧力をHI、この目標圧力HIを与えるの
    に必要なポンプの最低速度をNMIN、ポンプの所定速度
    MAX、この所定速度NMAX での締切圧力をH3としたと
    き、ポンプの最低速度NMIN が、 NMIN=NMAX(HI/H3)1/2 の演算式により自動生成されるように構成されているこ
    とを特徴とする複数ポンプを用いた給水システムの制御
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項2の発明において、 前記管路抵抗曲線の設定に必要なパラメータの内、少な
    くともHI、HK、HTの各パラメータは、外部から設定
    された上で絶対的なデータとしてメモリに記憶し、始
    動、停止圧力を表わす少なくともHON、HOFF、H1、H
    2 の各データは、相対的なデータとしてメモリに記憶
    し、これに対応して相対的な値を外部スイッチにより少
    なくともa、b、c、dとして設定するように構成した
    ことを特徴とする複数ポンプを用いた給水システムの制
    御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4の発明において、 同一機種での目標圧力を変更する場合は、パラメータH
    2、HK、HT だけを変更し、吸込側の条件が大きく変化
    した場合には、パラメータH3 とNMAX を変更するよう
    に構成したことを特徴とする複数ポンプを用いた給水シ
    ステムの制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5の発明において、 始動、停止圧力を変更する場合にはパラメータa、b、
    c、dを変更するように構成したことを特徴とする複数
    ポンプを用いた給水システムの制御装置。
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