JP2002195164A - 吐出流量制御装置 - Google Patents

吐出流量制御装置

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JP2002195164A
JP2002195164A JP2000399277A JP2000399277A JP2002195164A JP 2002195164 A JP2002195164 A JP 2002195164A JP 2000399277 A JP2000399277 A JP 2000399277A JP 2000399277 A JP2000399277 A JP 2000399277A JP 2002195164 A JP2002195164 A JP 2002195164A
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Fuyuki Watanabe
冬樹 渡邊
Manabu Asakura
学 浅倉
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Tokimec Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安価でも応答の良い吐出流量制御装置を実現す
る。 【解決手段】可変容量形の液圧ポンプ40と、その駆動
を行う電動機30と、それらの制御を行う電子制御回路
10とを備えて、流量指令Qcに吐出流量Qを追従させ
る吐出流量制御装置において、回転速度Rfを検出する
回転速度検出手段31と、吐出容量Hfを検出する吐出
容量検出手段42とを設け、電動機30に誘導電動機を
採用し、さらに、電子制御回路10が、回転速度検出値
Rfに基づいて回転速度検出値Rfを流量指令Qcの所
定割合に追従させるとともに、回転速度検出値Rfと吐
出容量検出値Hfと基づいて流量検出値Qfを間接的に
検出し、これと流量指令Qcとの流量値差に基づいて吐
出容量指令Hcを可変するようにする。これにより、誘
導電動機の応答性が液圧ポンプの応答性で補償されると
ともにそれに必要な吐出容量の検出値が間接的手法で簡
便に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、油圧ポンプ等の
液圧ポンプの吐出流量を可変するために液圧ポンプと電
動機を共に制御する吐出流量制御装置に関し、詳しく
は、電動機に誘導電動機を採用した吐出流量制御装置に
関する。このような吐出流量制御装置は、液圧ポンプの
吐出流量を可変することで可動部材の液圧駆動に加えて
その速度制御等を簡便に行うことができるので、射出成
形機や工作機械などに好適であり、一台に限らず複数台
が組み込まれることも多い。
【0002】
【従来の技術】図4にブロック図を示した吐出流量制御
装置は、液圧ポンプ4と、その機械的駆動を行う電動機
3と、その電気的駆動を行う電動機駆動回路2と、それ
らの制御を行うコントローラ1(電子制御回路)とを備
えたものであり、コントローラ1の制御処理によって流
量指令Qcに液圧ポンプ4の吐出流量Qを追従させるよ
うになっている。また、消費エネルギーを節約するため
や、吐出流量Qの可変範囲を広げるために、液圧ポンプ
4に可変容量形のものを採用するとともに、電動機3に
はDCブラシレスモータやサーボモータを採用したうえ
で、コントローラ1が、その目的に合わせて流量指令Q
cから電動機駆動回路2への電流指令Icや液圧ポンプ
4への吐出容量指令Hcを算出するようになっている
(特開平7−96541号公報、特開平2−38020
号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の吐出流量制御装置では、電動機に応答性の良
いものが用いられており、そのような電動機で大出力の
ものは一般に高価なことから、コストダウンが難しい。
そこで、電動機に誘導電動機を採用することで(特開平
2−38020号公報)、コストダウンを一段と進めた
いのであるが、単に誘導電動機を採用しただけでは、一
般に応答性の優れない誘導電動機の影響を受けて吐出流
量の応答性が低下してしまうこととなる。
【0004】例えば、流量指令Qcがステップ状に増加
し(図5(a)参照)、これに伴って電流指令Icおよ
び吐出容量指令Hcもステップ状に変化すると、それに
追従しようとして電動機の回転速度も液圧ポンプの吐出
容量も共に増加するが、その際、液圧ポンプが速やかに
応答するので吐出容量(Hf)の整定時間は短いのに対
し(図5(c)参照)、誘導電動機は遅れて応答するの
で回転速度(Rf)の整定時間は長くなる(図5(b)
参照)。そうすると、それらの相互作用で決まる吐出流
量Qの整定時間tは長い方に支配されて長くなってしま
う(図5(d)参照)。
【0005】このため、誘導電動機を採用してコストダ
ウンを図れるのは、応答性が問題とならないところに限
られ、高サイクル化の目覚ましい射出成形機等の分野で
は困難であった。そこで、電動機と液圧ポンプの双方が
制御可能であることを利用して制御手法等に工夫を凝ら
すことにより誘導電動機の回転速度の整定時間の支配か
ら吐出流量の整定時間を解放することが技術的な課題と
なる。この発明は、このような課題を解決するためにな
されたものであり、安価でも応答の良い吐出流量制御装
置を実現することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために発明された第1乃至第3の解決手段について、
その構成および作用効果を以下に説明する。
【0007】[第1の解決手段]第1の解決手段の吐出
流量制御装置は、出願当初の請求項1に記載の如く、可
変容量形の液圧ポンプと、その駆動を行う電動機と、そ
れらの制御を行う電子制御回路とを備えて、(外部から
与えられた又は内部で生成した)流量指令に前記液圧ポ
ンプの吐出流量を追従させる吐出流量制御装置におい
て、(前記電動機部に纏めて設けられ又はそれと前記電
子制御回路等とに分散して設けられ)前記電動機の回転
速度を検出する回転速度検出手段と、(前記液圧ポンプ
部に纏めて設けられ又はそれと前記電子制御回路等とに
分散して設けられ)前記液圧ポンプの吐出容量を検出す
る吐出容量検出手段とが設けられ、前記電動機が誘導電
動機であり、且つ、前記電子制御回路が、前記回転速度
検出手段の検出値に基づいて前記電動機の回転速度を前
記流量指令に所定割合の対応付けの下で追従させるよう
な回転速度制御を前記電動機に対して行うとともに、前
記回転速度検出手段の検出値と前記吐出容量検出手段の
検出値とに基づいて前記吐出流量を間接的に検出し、こ
れと前記流量指令との流量値差に基づいて前記液圧ポン
プに対しその吐出容量を可変する吐出容量制御を行うよ
うになっている、というものである。
【0008】ここで、上記の「電動機の回転速度を流量
指令に所定割合の対応付けの下で追従させる」とは、電
動機の回転速度が過渡状態にあるときは別として少なく
とも整定状態にあって液圧ポンプの吐出流量が流量指令
に追い付き電動機の回転もそれに追い付いているときに
は、流量指令対回転速度の静特性が概ね比例関係を示す
とともに、その比例係数が、整定時のポンプ吐出容量を
上限でもなく下限でもなく中間の一定値にするような値
になっている、ということである。
【0009】このような第1の解決手段の吐出流量制御
装置にあっては、電動機を誘導電動機にしたことでコス
トダウンされるので、液圧ポンプがコストアップしても
全体としてコストダウンできる。液圧ポンプの吐出容量
の可変範囲に余裕を持たせた状態で使用するため、吐出
流量を流量指令に追従させるに際して、電動機の回転速
度を流量指令に追従させるところに遅れが生じても、そ
れを補償するべく液圧ポンプの吐出容量が速やかに且つ
大きく可変される。そして、吐出流量は回転速度のキャ
ッチアップを待たずに流量指令に追い付くこととなる。
【0010】これにより、誘導電動機を採用しても吐出
流量の応答性はそれによって損なわれることなく液圧ポ
ンプの優れた応答性に匹敵したものとなる。しかも、そ
の制御に必要な吐出流量の検出が、直接の制御対象であ
る電動機および液圧ポンプから比較的容易に検出される
回転速度検出値および吐出容量検出値に基づいて、間接
的に求められるようになっているので、簡便に具体化さ
れる。したがって、この発明によれば、安価でも応答の
良い吐出流量制御装置を簡便に実現することができる。
【0011】[第2の解決手段]第2の解決手段の吐出
流量制御装置は、出願当初の請求項2に記載の如く、上
記の第1の解決手段の吐出流量制御装置であって、前記
液圧ポンプの吐出圧力を検出する圧力検出手段が(前記
液圧ポンプ部もしくはその吐出ライン部に纏めて又はそ
れと前記電子制御回路等とに分散して)設けられ、前記
電子制御回路が、(外部から与えられた又は内部で生成
した)圧力指令と前記圧力検出手段の検出値との圧力値
差を求めるとともに、その圧力値差と前記流量値差との
大小比較に基づいて選択的に前記流量指令の代わりに前
記圧力値差を用いて制御を行うようになっている、とい
うものである。
【0012】このような第2の解決手段の吐出流量制御
装置にあっては、上述した流量制御に加えて、選択的
に、圧力指令に吐出圧力を追従させる圧力制御も行え
る。しかも、その選択切換が指令値と検出値との差を比
較する等ことで自動的に行われることから、速度制御か
ら圧力制御への移行処理等が迅速かつ円滑になされる。
また、応用依存で確定に困難を伴いがちな閾値を必要と
しないので、便利である。さらに、圧力制御の処理は流
量制御の処理部を利用して簡便に具体化される。したが
って、この発明によれば、安価でも応答の良い而も圧力
制御も可能な吐出流量制御装置を簡便に実現することが
できる。
【0013】[第3の解決手段]第3の解決手段の吐出
流量制御装置は、出願当初の請求項3に記載の如く、上
記の第1,第2の解決手段の吐出流量制御装置であっ
て、前記液圧ポンプ(第1液圧ポンプ)と共に前記電動
機にて駆動されるもう一つの液圧ポンプ(第2液圧ポン
プ)が設けられ、前記電子制御回路が、前記電動機の回
転速度を低速域では(高速域や中間域と異なり所定割合
で可変するのでなく)一定にする制御を前記電動機に対
して行うようになっている、というものである。
【0014】このような第3の解決手段の吐出流量制御
装置にあっては、例えば2連ポンプのように流量制御用
の第1液圧ポンプと圧力保持など他の目的の第2液圧ポ
ンプとが同時に一の電動機にて駆動されるが、その際に
第1液圧ポンプに対する流量指令が零またはそれに近い
小さな値になったときでも、電動機の回転が止まること
は無いので、第2液圧ポンプの機能も維持される。ま
た、そのようにしても、低速域では電動機の回転速度が
下がらない代わりに液圧ポンプの吐出容量が下がるの
で、吐出流量は、低速域でも高速域や中間域と同様に、
流量指令に追従することとなる。したがって、この発明
によれば、ポンプが複数でも安価で高応答の吐出流量制
御装置を簡便に実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された
本発明の吐出流量制御装置について、これを実施するた
めの具体的な形態を、以下の第1〜第3実施例により説
明する。図1に示した第1実施例は、上述した第1の解
決手段を具現化したものであり、図2に示した第2実施
例は、上述した第2の解決手段を具現化したものであ
り、図3に示した第3実施例は、上述した第3の解決手
段を具現化したものである。なお、それらの図示に際し
従来と同様の構成要素には同一の符号を付して示したの
で、重複する再度の説明は割愛し、以下、従来との相違
点を中心に説明する。
【0016】
【第1実施例】本発明の吐出流量制御装置の第1実施例
について、その具体的な構成を、図面を引用して説明す
る。図1(a)は、その概要構成を示すブロック図であ
り、同図(b)は、電動機回転制御の特性図であり、横
軸が流量指令Qc、縦軸が回転速度指令Rcである。
【0017】この吐出流量制御装置は(図1(a)参
照)、例えば上位のシーケンスコントローラ等からアナ
ログ信号またはデジタル信号で与えられる流量指令Qc
にポンプ吐出流量Qを追従させるために、可変容量形の
液圧ポンプ40と、その機械的駆動を行う電動機30
と、その電気的駆動を行う例えば三相PWM方式インバ
ータ等の電動機駆動回路2と、それらの制御を行うコン
トローラ10(電子制御回路)とを備えている。その点
では従来と同様であるが、原価低減のため電動機30が
誘導電動機になっている点と、誘導電動機30の応答遅
れを補償するために液圧ポンプ40やコントローラ10
が改造されている点で、従来と異なるものとなってい
る。
【0018】すなわち、誘導電動機30には、かご形誘
導電動機や巻線形誘導電動機が採用されるとともに、そ
の回転速度を検出する回転速度検出手段31が付設さ
れ、その回転速度検出値Rfがコントローラ10に送出
されるようになっている。速度検出には、光の断続に基
づくエンコーダなど各種の速度センサが用いられる。液
圧ポンプ40には、アプリケーション上で必要とされる
吐出流量Qの最大値が同じであれば、それより大形のも
のが用いられる。液圧ポンプ40の最大吐出流量Q1に
対する仕様上の最大吐出流量Q2の割合K(=Q2/Q
1)が“1”より小さくなるように選定がなされる。こ
の選定は、選定対象に含まれる幾つかの液圧ポンプの最
大回転数が等しい場合には、液圧ポンプ40の最大吐出
容量H1に対する仕様上の最大吐出容量H2の割合(=
H2/H1)が値Kになるように液圧ポンプ40を選定
することと同じになり、簡単に行える。割合Kは、なる
べく0.4〜0.8に収められ、例えば0.5や0.7
程度にされる。応答性向上重視の場合は小さな値、コス
トダウン重視の場合は大きな値が選ばれる。
【0019】また、液圧ポンプ40には、吐出容量指令
Hcに従って吐出容量を可変する手段に加えて、その吐
出容量を検出する吐出容量検出手段42も明示的に付設
され、その吐出容量検出値Hfがコントローラ10に送
出されるようになっている。吐出容量の検出には、磁気
式変位計等が用いられ、それによって例えば液圧ポンプ
40が斜板可動式アキシャルピストンポンプであれば斜
板の傾転角などが計測され、ラジアルピストンポンプや
ベーンポンプであればロータの変位量などが計測され
る。その計測値がそのまま近似値として或いは適宜な換
算を施されて吐出容量検出値Hfとされるようになって
いる。
【0020】コントローラ10は、適宜なアナログ演算
回路や同期式の又は非同期式のデジタル順序回路などで
具体化されるが、何れにしても、適宜なインターフェイ
スを介して流量指令Qcと回転速度検出値Rfと吐出容
量検出値Hfとを入力するようになっている。そして、
掛け算の処理を正確に行う又はその代替処理を行って近
似値を算出する流量検出手段13にて回転速度検出値R
fと吐出容量検出値Hfとから流量検出値Qfを算出す
る。また、上述の割合Kに対応した係数値を掛ける回転
速度指令演算手段11にて流量指令Qcから回転速度指
令Rcを算出するようになっている。その係数値は、整
定状態で回転速度指令Rcが最大のときに液圧ポンプ4
0が最大吐出流量Q1の割合Kだけ吐出するような値
(すなわち吐出容量で言い換えれば液圧ポンプ40の吐
出容量Hc,Hfが最大吐出容量H1の割合Kになるよ
うな値)であり、具体的には、回転速度指令Rcの最大
値を仕様上の最大吐出流量Q2で除して得られる(図1
(b)参照)。
【0021】さらに、コントローラ10は(図1(a)
参照)、PI制御の手法等を具体化した電流指令生成手
段12にて回転速度指令Rcと回転速度検出値Rfとの
差を無くすような電流指令Icを生成し、それを電動機
駆動回路2に送出することで、回転速度検出値Rfに基
づいて誘導電動機30の回転速度を流量指令Qcに所定
割合Kの対応付けの下で追従させるものとなっている。
また、やはりPI制御の手法等を具体化した吐出容量指
令演算手段14にて流量指令Qcと流量検出値Qfとの
差を無くすような吐出容量指令Hcを生成し、それを吐
出容量可変手段41に送出することで、流量指令Qcと
吐出流量Qとの流量値差に基づいて液圧ポンプ40の吐
出容量を可変するものとなっている。
【0022】この第1実施例の吐出流量制御装置につい
て、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明す
る。図1(c)〜(f)はステップ応答の波形例であ
る。
【0023】ここでも、流量指令Qcがステップ状に増
加した場合を具体例とする(図1(c)参照)。そうす
ると、それに伴って回転速度指令Rc及び電流指令Ic
がステップ状に変化し、それに追従しようとして誘導電
動機30の回転速度Rfも増加する(図1(d)参
照)。その整定時間は課題の欄で述べたのとほぼ同じで
長いが、液圧ポンプ40の応答は異なる。
【0024】すなわち(図1(e)参照)、液圧ポンプ
40は整定状態のとき吐出容量に関する吐出容量指令H
c,吐出容量検出値Hfが共に所定割合での対応付け下
の一定値になっているが、より具体的には吐出容量可変
範囲における割合Kの中間値(図では下限値minと上
限値maxとのほぼ真ん中の値)になっているが、流量
指令Qcがステップ状に増加すると、吐出容量指令Hc
はパルス状あるいは尖塔状に変化し、これに応じて液圧
ポンプ40の吐出容量Hfが急増するので、回転速度検
出値Rfが未だ過渡状態であっても、吐出流量Qは、速
やかに流量指令Qcに追い付く。それから、回転速度検
出値Rfが回転速度指令Rcに追い付くまでは、吐出流
量Qが流量指令Qcに一致するように吐出容量指令H
c,吐出容量検出値Hfが揃って減少し、回転速度検出
値Rfが回転速度指令Rcに追い付いたときには、吐出
容量指令Hc,吐出容量検出値Hfは所定割合Kの対応
付けの下で上記一定値に戻る。
【0025】こうして、誘導電動機30の整定時間が従
来と同じでも、液圧ポンプ40の吐出容量の迅速な応答
により、液圧ポンプ40の吐出流量Qは、恰も整定時間
tが短縮されたかの如く、短時間で速やかに安定する
(図1(f)参照)。なお、繰り返しとなる詳細な説明
は割愛するが、流量指令Qcがステップ状に減少した場
合も、誘導電動機30の回転速度や液圧ポンプ40の吐
出容量に関する増減の向きが逆になるだけで応答性に関
する動作状態は同様である。また、流量指令Qcが連続
的に変化する場合も、微小ステップの重ね合わせ等に基
づいて容易に理解できるように、やはり同様の迅速な応
答を得ることができる。
【0026】
【第2実施例】図2にブロック図を示した本発明の吐出
流量制御装置が上述した第1実施例のものと相違するの
は、上述の流量制御に加えて選択的に圧力制御も行える
ようになっていることである。
【0027】圧力制御を可能とするために、液圧ポンプ
40の吐出ライン等にその吐出圧力を検出する圧力検出
手段43が付設されるとともに、その圧力検出値Pfが
コントローラ10に送出されるようになっている。ま
た、コントローラ10は、上位のシーケンスコントロー
ラ等から流量指令Qcに加えて圧力指令Pcも受けて、
圧力差演算手段15にて圧力指令Pcと圧力検出値Pf
との圧力値差ΔPを算出し、圧力制御が選択されている
ときにはその圧力値差ΔPを流量指令Qcに代わる流量
指令Qiとして回転速度指令演算手段11や吐出容量指
令演算手段14に送出するようになっている。さらに、
流量制御が選択されているときには、流量指令Qcをそ
のまま流量指令Qiとして用いるようになっている。
【0028】その両制御の選択切換を可能とするため
に、コントローラ10には、圧力値差ΔPと流量指令Q
cとを受けて何れか一方を流量指令Qiとする選択切換
手段18が追加されているが、選択切換手段18は、例
えば制御回路10がアナログ回路であればスイッチ等
で、制御回路10がデジタル回路であればセレクタ等
で、制御回路10がマイクロプロセッサシステムであれ
ば判定や選択の処理を行うプログラム等で具体化され
る。
【0029】選択切換手段18は、特願2000−21
063号に開示の如く、比較手段17の比較結果に応じ
て流量指令Qiの選択を行うようになっており、その比
較手段17は、圧力差演算手段15から圧力値差ΔPを
受けるとともに、流量差演算手段16から流量指令Qc
と流量検出値Qfとの流量値差ΔQを受けて、両者の大
小比較を行うものである。これにより、コントローラ1
0は、圧力値差ΔPと流量値差ΔQとの大小比較に基づ
いて選択的に流量指令Qcの代わりに圧力値差ΔPを用
いるものとなっている。
【0030】この場合、通常状態では比較手段17の比
較結果に応じて自動的に流量制御と圧力制御とが切り換
えられることで流量制御から圧力制御への移行処理等が
迅速かつ円滑になされる。そして、流量制御時に流量指
令Qcが変化したときでも、圧力制御時に圧力指令Pc
が変化したときでも、さらには流量制御と圧力制御との
切換がなされたときでも、液圧ポンプ40の吐出流量Q
は、誘導電動機30の整定時間より短い整定時間で速や
かに安定する。
【0031】
【第3実施例】図3にブロック図等を示した本発明の吐
出流量制御装置が上述した第2実施例のものと相違する
のは、もう一台の液圧ポンプ50が設けられている点
と、それに伴ってコントローラ10における回転速度指
令演算手段11の演算内容が部分的に変更されている点
である。
【0032】液圧ポンプ50は、その回転軸が液圧ポン
プ40と一体的に連結されていて、液圧ポンプ40と共
に誘導電動機30にて駆動されるようになっているが、
圧力保持に必要な作動液体の漏れ分を補給する等のため
に付加的に設けられることが多く、その場合、その吐出
流量qが吐出流量Qより小さい小形ポンプが採用され
る。圧力保持用には、リリーフ弁等と組み合わせれば固
定容量ポンプでも良いが(図3(a)参照)、圧力補償
付きポンプが便利である(図3(b)参照)。
【0033】回転速度指令演算手段11の演算内容は
(図3(c)参照)、流量指令Qiが所定の閾値以上の
ときには上述したように回転速度指令Rcをそれに比例
させるが、流量指令Qiがその閾値を下回ったときには
回転速度指令Rcを一定値に止めて“0”にはしないよ
うになっている。これにより、コントローラ10は、誘
導電動機30の回転速度Rfを低速域では一定にするよ
うな制御を行うものとなる。
【0034】この場合、流量指令Qiが閾値を上回る中
速域や高速域では(図3(c)における右側6マス
分)、上述のようにして、電動機30が誘導電動機であ
っても、液圧ポンプ40の吐出流量Qは、優れた応答性
を示す。これに対し、流量指令Qiが閾値を下回る低速
域では(図3(c)における左側2マス分)、誘導電動
機30は回転速度Rfが一定に保たれ、流量指令Qcに
対応した吐出流量Qの絞り込みは専ら液圧ポンプ40の
吐出容量を下限側へ可変することで行われる。
【0035】これにより、この場合も、高速域から低速
域まで総ての動作状態で、吐出流量Qが優れた応答性を
示すこととなる。しかも、この場合は、誘導電動機30
の回転が止まったり止まりそうになったりすることが無
く、そのため液圧ポンプ50の吐出流量qも或る一定量
以上に維持されるので、2連の液圧ポンプ40,50双
方の機能を何ら損なうことなく性能を向上させることが
できる。
【0036】
【その他】なお、上記の各実施例では詳細な説明を割愛
した電動機駆動回路2等について付言すると、速度制御
が可能であれば、電動機駆動回路2は、PWM方式に限
られるものでなく、例えば周波数制御方式でも良い。コ
ントローラ10の制御方式にもPI方式に限らずPID
制御やベクトル制御さらにはそれにd−q変換も組み合
わせた制御手法などが適宜採用される。吐出流量指令演
算手段14の制御方式にもPI方式に限らず積分器など
が適宜採用される。また、本発明の適用は射出成形機に
限られるものでなく、横型成型機といえるものであれ
ば、プレスマシンやキャスティングマシン等にも適用す
ることができる。さらに、上記の第3実施例では液圧ポ
ンプ部が2連の場合を述べたが、その発明の適用は、2
連に限らず3連以上でも有効であり、直結に限らず、減
速ギヤ等の伝動機構を介在させて同時駆動されるものに
も有効である。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1の解決手段の吐出流量制御装置にあっては、誘導
電動機の応答性を液圧ポンプの応答性で補償するととも
にそれに必要な吐出容量の検出値を間接的に求めるよう
にしたことにより、安価でも応答の良い吐出流量制御装
置を簡便に実現することができたという有利な効果が有
る。
【0038】また、本発明の第2の解決手段の吐出流量
制御装置にあっては、流量制御の処理部を利用して圧力
制御も選択可能なようにするとともにその選択切換が閾
値無しで自動的に行われるようにしたことにより、安価
でも応答の良い而も圧力制御も可能な吐出流量制御装置
を簡便に実現することができたという有利な効果を奏す
る。
【0039】さらに、本発明の第3の解決手段の吐出流
量制御装置にあっては、低速域では回転速度の可変を止
めて吐出流量制御を可変液圧ポンプの吐出容量の可変制
御に委ねるようにしたことにより、ポンプが複数でも安
価で高応答の吐出流量制御装置を簡便に実現することが
できたという有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の吐出流量制御装置の第1実施例につ
いて、(a)が概要構成のブロック図、(b)が電動機
回転制御の特性図、(c)〜(f)がステップ応答の波
形例である。
【図2】 本発明の吐出流量制御装置の第2実施例につ
いて、その概要構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の吐出流量制御装置の第3実施例につ
いて、(a)が概要構成のブロック図、(b)が液圧ポ
ンプの詳細な記号図、(c)が電動機回転制御の特性図
である。
【図4】 従来の吐出流量制御装置のブロック図であ
る。
【図5】 誘導電動機を採用したときのステップ応答を
示す幾つかの波形例である。
【符号の説明】
1 コントローラ(電子制御回路) 2 電動機駆動回路(モータドライバ、インバータ) 3 電動機(サーボモータ、DCモータ、同期モータ) 4 液圧ポンプ(可変容量形油圧ポンプ) 10 コントローラ(電子制御回路、アナログ回路・デ
ジタル回路) 11 回転速度指令演算手段(指令値演算回路、指
令値算出ルーチン) 12 電流指令生成手段(指令値演算回路、指令値
算出ルーチン) 13 流量検出手段(流量推定手段、流量検出値算
出手段) 14 吐出容量指令演算手段(指令値演算回路、指
令値算出ルーチン) 15 圧力差演算手段(減算回路、差算出ルーチ
ン) 16 流量差演算手段(減算回路、差算出ルーチ
ン) 17 比較手段(コンパレータ、比較判定ルーチ
ン) 18 選択切換手段(スイッチ、セレクタ、選択ル
ーチン) 30 誘導電動機(インダクションモータ、二相・三
相、かご形・巻線形) 31 回転速度検出手段 40 液圧ポンプ(可変容量形の大形ポンプ、流量制御
用の第1ポンプ) 41 吐出容量可変手段 42 吐出容量検出手段 43 圧力検出手段 50 液圧ポンプ(固定・可変容量の小形ポンプ、圧力
保持用第2ポンプ)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可変容量形の液圧ポンプと、その駆動を行
    う電動機と、それらの制御を行う電子制御回路とを備え
    て、流量指令に前記液圧ポンプの吐出流量を追従させる
    吐出流量制御装置において、前記電動機の回転速度を検
    出する回転速度検出手段と、前記液圧ポンプの吐出容量
    を検出する吐出容量検出手段とが設けられ、前記電動機
    が誘導電動機であり、且つ、前記電子制御回路が、前記
    回転速度検出手段の検出値に基づいて前記電動機の回転
    速度を前記流量指令に所定割合の対応付けの下で追従さ
    せるとともに、前記回転速度検出手段の検出値と前記吐
    出容量検出手段の検出値とに基づいて前記吐出流量を間
    接的に検出し、これと前記流量指令との流量値差に基づ
    いて前記液圧ポンプの吐出容量を可変するものであるこ
    とを特徴とする吐出流量制御装置。
  2. 【請求項2】前記液圧ポンプの吐出圧力を検出する圧力
    検出手段が設けられ、前記電子制御回路が、圧力指令と
    前記圧力検出手段の検出値との圧力値差を求めるととも
    に、その圧力値差と前記流量値差との大小比較に基づい
    て選択的に前記流量指令の代わりに前記圧力値差を用い
    るものであることを特徴とする請求項1記載の吐出流量
    制御装置。
  3. 【請求項3】前記液圧ポンプと共に前記電動機にて駆動
    されるもう一つの液圧ポンプが設けられ、前記電子制御
    回路が、前記電動機の回転速度を低速域では一定にする
    ものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記
    載された吐出流量制御装置。
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