JP2008232045A - インバータ駆動液圧装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インバータ駆動油圧装置10は、斜板式可変容量形ピストンポンプ11と、可変速モータ12と、インバータ制御装置13と、圧力センサー14と、コントローラ15とで主に構成されている。斜板式可変容量形ピストンポンプ11には圧力調整機構16が内蔵されており、該斜板式可変容量形ピストンポンプ11の吐出圧力がばね部材17の弾発力により付勢されて圧力調整ねじ18で設定された圧力よりカットオフ開始圧力に達すると吐出圧力で制御され、吐出流量は圧力調整機構16によって機械的に制御されるようになっている。
【選択図】図1
Description
さらに、より省エネ効果を高めるためには、ポンプのカットオフ開始圧力からカットオフ圧力までの間についても、圧力上昇に応じてモータの回転数を減少させる回転数条件とすればよいことが記載されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、吐出圧力が上昇した場合、圧力調整機構でポンプ容量を小さくして流量を減らすように制御が働くと同時に、回転数条件による回転数制御でも回転数を下げて流量を減らす制御が働くことになる。本来、独立の制御に他方の制御が加わることで、本来よりも過剰な流量の低下を招き、圧力が低下する。圧力が低下すると、圧力調整機構と回転数制御の両方で流量を増やす制御が働き、圧力が上昇する。このようにして、ポンプの圧力調整機構とモータの回転数制御が振動(ハンチング)状態を引き起こすことになる。
しかし、工作機械のクランプやチャックで用いられるポンプのPQ特性としては、図11のようなシャープカットオフ特性のPQ特性が望ましいが、この場合は圧力調整機構による流量変化が大きいのに加えて、回転数条件が図12のようになり、小さな圧力の変化幅(ΔP)に対して回転数の変化(ΔN)も大きいため、二つの制御機能によるハンチングが避けられない。
インバータ装置は高周波のノイズを出すことはよく知られており、インバータを使用する省エネユニットでは、ノイズは避けられない。圧力は電気信号で検出しているが、圧力センサ信号にノイズが乗り検出圧力値がわずかに変化した場合にも回転数を大きく変化させてしまうため、これが原因でハンチングを引き起こすこともある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、ハンチングの起きにくい制御が可能なインバータ駆動液圧装置を提供するものである。
前記可変容量形油圧ポンプを駆動する可変速モータと、
前記可変速モータを駆動するインバータ装置と、
前記可変容量形油圧ポンプの吐出圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段により検出された検出圧力と、
前記インバータ装置から得られる検出トルクと予め設定した回転数条件とから回転数を算出し、該インバータ装置に指令するコントローラと、
を備え、
前記上記コントローラは、前記検出圧力と前記予め設定した回転数条件との関係から算出した回転数と、前記インバータ装置から得られる検出トルクと前記予め設定した回転数条件との関係から算出した回転数とを、前記検出圧力が予め設定したポンプカットオフ開始圧力値よりも低い場合には、該検出圧力と予め設定した回転数条件との関係から算出した回転数を出力し、前記検出圧力が前記ポンプカットオフ開始圧力値よりも高い場合には、前記インバータ装置から得られる検出トルクと予め設定した回転数条件との関係から算出した回転数を出力することを特徴とする。
本発明によれば、トルク変動に対する回転数変動が小さくなり、ハンチングが抑えられる。
図1は、本発明の実施の形態に係るインバータ駆動液圧装置10の全体ブロック図を示す。図1に示すようにインバータ駆動液圧装置10は、基本的には可変容量形油圧ポンプである斜板式可変容量形ピストンポンプ(以下、可変ポンプという)11と、可変速モータ12と、インバータ制御装置13と、圧力検出手段である圧力センサー14と、コントローラ15とで主に構成されている。
可変ポンプ11には圧力調整機構16が内蔵されており、該可変ポンプ11の吐出圧力がばね部材17の弾発力により付勢されて圧力調整ねじ18で設定された圧力より若干低い圧力、すなわちカットオフ開始圧力に達すると吐出圧力で制御され、吐出流量は圧力調整機構16によって機械的に制御されるようになっている。
図2に示すように、コントローラ15は、ROM21と、RAM22と、CPU23と、アナログ信号入力部24、25と、アナログ信号出力部26とを、備える。
一般にポンプの吐出圧力Pとポンプ容量q及びポンプ軸トルクTの関係は、式(1)で表される。
ここで、P:吐出圧力、q:ポンプ容量、T:ポンプ軸トルク(モータ軸トルク)、
ηm:ポンプの機械効率を表す。
また、ポンプ回転数をN、容積効率をηvとすると、ポンプの吐出流量Qは式(2)で表せる。
一方、可変ポンプ11の吐出圧力をP及び吐出流量をQとすると、該可変ポンプ11のPQ特性は、図4のように示される。
図4において、可変ポンプ11の吐出圧力Pがポンプカットオフ開始圧力PCより低い領域Aの範囲では、該可変ポンプ11の可変機構は作動せずポンプ容量qは一定である。
よって、(1)式より、吐出圧力Pとポンプ軸トルクTは比例することが容易に諒解されよう。すなわち、P∝T の関係にある。
ここで、領域Bの範囲では、吐出圧力Pは略一定とみなせるので、図5に示すように、(1)式よりポンプ容量qとポンプ軸トルクTは比例することが理解できる。
すなわち、q∝T の関係にある。
図5から判ることは、領域Bの範囲では、流量が必要なBa側ではトルクは大きく、逆に流量がほとんど要らないBb側ではトルクは小さくなる。
また、図5において、横軸に示すポンプ容量qと縦軸に示すポンプ軸トルクTとの座標軸を入れ替えて領域Bの範囲についてのみプロットとすると、図6のように表示することができる。
このことから、領域Bの範囲では検出トルクの情報により、必要な流量の判断ができることが判る。
つまり、モータトルク(モータ負荷)が大きな場合には回転数を高くして流量を確保し、モータトルクが小さい場合には回転数を低くして必要な分だけの流量を確保して省エネを図ることができる。
ステップ2で可変ポンプ11のポンプカットオフ開始圧力Pcと吐出圧力Pとを比較し、吐出圧力Pがポンプカットオフ開始圧力Pcより大きい場合、すなわち、「YES」の場合にはROM21に設定された回転数条件「トルク−回転数」から検出トルクTに対応する回転数指令を算出し、該回転数指令を回転数指令信号29としてインバータ制御装置13に出力し、以下ステップ1から作動を繰り返す。
一方、吐出圧力Pがポンプカットオフ開始圧力Pcより小さい場合、すなわち、「NO」の場合にはROM21に設定された回転数条件「吐出圧力−回転数」から検出圧力Pに対応する回転数指令を算出し、該回転数指令信号29をインバータ制御装置13に出力し、以下、ステップ1から作動を繰り返す。
ここで、より最適な回転数条件の設定の手順について説明する。検出圧力がポンプカットオフ開始圧力Pcより低い場合は、図3の「吐出圧力−回転数」の回転数条件から回転数を算出し、ポンプカットオフ開始圧力Pcより高い場合は、図3の「トルク−回転数」の回転数条件から回転数を算出するが、検出圧力がポンプカットオフ開始圧力Pcのときには、どちらの条件で回転数を求めても同じ回転数になるようにすることで、切り換え時の回転数の変動がない連続的な回転数の切り換えができる。より具体的には、図3のプログラムにおける回転数条件「吐出圧力−回転数」おけるポンプカットオフ開始圧力Pc時の回転数と、吐出圧力がポンプカットオフ開始圧力Pc時の検出トルクTに対して回転数条件「トルク−回転数」から求められる回転数が同じになるように、回転数条件「吐出圧力−回転数」と回転数条件「トルク−回転数」を決める。
12 可変速モータ 13 インバータ制御装置
14 圧力センサー 15 コントローラ
16 圧力調整機機構 21 ROM
22 RAM 23 CPU
24、25 アナログ信号入力部 26 アナログ信号出力部
Claims (2)
- 圧力調整機構を有する可変容量形油圧ポンプと、
前記可変容量形油圧ポンプを駆動する可変速モータと、
前記可変速モータを駆動するインバータ装置と、
前記可変容量形油圧ポンプの吐出圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段により検出された検出圧力と、
前記インバータ装置から得られる検出トルクと予め設定した回転数条件とから回転数を算出し、該インバータ装置に指令するコントローラと、
を備え、
前記上記コントローラは、前記検出圧力と前記予め設定した回転数条件との関係から算出した回転数と、前記インバータ装置から得られる検出トルクと前記予め設定した回転数条件との関係から算出した回転数とを、前記検出圧力が予め設定したポンプカットオフ開始圧力値よりも低い場合には、該検出圧力と予め設定した回転数条件との関係から算出した回転数を出力し、前記検出圧力が前記ポンプカットオフ開始圧力値よりも高い場合には、前記インバータ装置から得られる検出トルクと予め設定した回転数条件との関係から算出した回転数を出力することを特徴とするインバータ駆動液圧装置。 - 請求項1記載のインバータ駆動液圧装置において、
前記インバータ装置から得られる検出トルクと予め設定した回転数条件との関係から算出した回転数は、モータ負荷が大きな場合に高く、モータ負荷が小さな場合に低くなることを特徴とするインバータ駆動液圧装置。
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