JPH117999A - 電線接続部の被覆チューブ及び電線接続装置 - Google Patents

電線接続部の被覆チューブ及び電線接続装置

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JPH117999A
JPH117999A JP15405197A JP15405197A JPH117999A JP H117999 A JPH117999 A JP H117999A JP 15405197 A JP15405197 A JP 15405197A JP 15405197 A JP15405197 A JP 15405197A JP H117999 A JPH117999 A JP H117999A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電線接続部に対し所望の被覆効果を奏し得る
所定位置に正確に取付けることができる高い信頼性を有
した被覆チューブを提供する。 【解決手段】 被覆チューブ10は、管状部材12の全
体を弾性的拡径状態に保持する破壊可能な2個のコア部
材14、16を備える。コア部材14、16は、破壊の
起点となる軸方向一端14a、16aを、管状部材12
の開口端12a、12bから所定距離の位置に配置し
て、管状部材12の内側に配置される。コア部材14の
軸方向一端14aの隣接部分は、コア部材16の軸方向
一端16aの隣接部分の径方向内側に隙間を介して受容
される。施工時に、コア部材16側から挿入した電線接
続部のコネクタの軸方向一端面を、コア部材14の一端
14aに当接することにより、被覆チューブ10が電線
接続部に対し所定位置に位置決めされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電線の接続部に防
水・防湿、電気的絶縁、及び機械的保護処理を施すため
の、電線接続部の被覆チューブに関する。本発明はさら
に、そのような被覆チューブを備えた電線接続装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、電線同士の接続部や電線と他の導
電端末部材との接続部(一般にコネクタ及び露出電線を
含む)を、防水・防湿、電気的絶縁、及び機械的保護の
目的で被覆処理するために、接続部の外径寸法を上回る
内径寸法と接続部の全長を超える長さとを有した管状部
材を、接続部を囲繞して配置した後に何らかの手段を用
いて収縮させ、その収縮力によって接続部を密接被覆す
る被覆チューブを使用する施工方法が知られている。こ
の種の収縮式被覆チューブは、慣例的な防水性粘着テー
プを使用する場合に比べて、作業時間の短縮及び仕上が
り状態の安定化が可能であり、また、管状部材がそれ自
体の収縮力によって電線導体及び電線外被に密着するの
で、防水性粘着テープを使用せずとも充分な防水・防湿
性、電気絶縁性、及び機械的保護特性を接続部に付与で
きる利点を有する。
【0003】特に、永久伸びの小さなエラストマーから
なる管状部材の全長部分を、硬質プラスチック等からな
る筒状のコア部材によって予め弾性的に拡径(すなわち
径方向へ拡張)し、接続部への装着時にコア部材を除去
することによって弾性収縮させるコア付被覆チューブ
(一般にPST(プレストレッチドチューブ)と称す
る)は、熟練を要しない容易な作業により所望の被覆作
用を迅速かつ確実に接続部に付与できるものとして、近
年有効に利用されている(例えば特開平3−14321
7号公報、特開平7−298473号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したPST構造の
被覆チューブは、所望の被覆効果をあげるために、被覆
対象の電線接続部に要求されるシール距離(確実なシー
ルを得るに必要とされる長さ)に基づいて接続部に対し
予め定められた所定位置に正確に取付ける必要がある。
しかし、一般に管状部材が不透明であるので、被覆チュ
ーブを拡径状態で電線接続部の周囲に配置したときに、
目視により被覆チューブと接続部との相対位置を確認す
ることはできない。しかもコア部材の存在により、管状
部材の筒状壁を指で圧搾して触感により管状部材内での
電線接続部の位置を確認することもできない。したがっ
て従来、被覆チューブを電線接続部に対し所定位置に正
確に位置決めするために、施工時に接続部の中央(一般
にコネクタの中央)から、所望の被覆効果を奏するに必
要な所定距離の位置で、相互接続された一方の電線の外
被表面に粘着テープ等によるマーキングを施し、管状部
材の軸方向一端面をこのマーキングに整合させる方法が
採用されていた。この場合、被覆チューブは接続部中央
からマーキングまでの上記所定距離の少なくとも2倍の
長さを有しなければならない。
【0005】上記した従来の位置決め作業は、距離測定
作業及びマーキング形成作業を高精度に実施しなければ
ならないので、煩雑で時間を浪費する作業であった。し
かも、位置決め後にコア部材を除去する際に、コア部材
に加わる引張力の影響を受けて管状部材が所定位置から
ずれる危惧があるので、少なくともコア部材の除去開始
時には、管状部材を電線接続部に対して動かないように
保持する必要があった。この場合、施工作業者は通常、
一方の手でコア部材を除去すると同時に、他方の手で管
状部材を電線に対して固定的に保持することになるが、
このような片手での保持は信頼性に欠け、最終的に正確
な位置に管状部材を取付けることが困難となる課題があ
った。
【0006】こうした課題は、チューブ開口端の近傍領
域のみにPST構造のシール部を備えて構成される被覆
チューブ(例えば特開平7−57798号公報参照)に
おいても同様に生じている。この被覆チューブは、複数
の開口端を備えた管状のスリーブ部と、スリーブ部の各
開口端に設けられる管状のシール部とを具備し、各シー
ル部が、スリーブ部に一体に連結される管状部材と、管
状部材の径方向内側に配置されて管状部材を弾性的拡径
状態に保持する除去可能なコア部材とから形成されるも
のである。このような開口端領域のみにPST構造を有
する被覆チューブは、予めコア部材により弾性的に拡径
されない(つまり施工完了時に収縮しない)スリーブ部
が、施工完了時に電線接続部との間に隙間を介して配置
される構造となっている。したがって、電線接続部にて
コネクタを電線にかしめる際に生じがちなバリが、被覆
チューブに接触して被覆チューブを損傷したり漏電を生
じたりする危惧を排除できる。
【0007】この形式の被覆チューブでは、電線接続部
を被覆するスリーブ部にコア部材が配置されないので、
被覆作業時にスリーブ部内の電線接続部の位置を手の触
感で確認できる利点がある。しかし、被覆チューブを電
線接続部に対し正確に位置決めするためには、上記工法
と同様にして一方の電線の外被表面にマーキングを施
し、一方のシール部の軸方向一端面をこのマーキングに
整合させる方法が採用されていた。コア部材を除去する
ときには、スリーブ部を片手で圧搾してスリーブ部ごと
電線接続部を握持することができるので、前述した全長
にコア部材を有する被覆チューブよりは施工が容易であ
るが、距離測定作業及びマーキング形成作業の煩雑さは
排除できない。
【0008】さらにこの形式の被覆チューブでは、各シ
ール部に配置されるコア部材のスリーブ部に隣接する内
方端部に、弾性拡径された管状部材の復原力による多大
な応力が集中する傾向がある。一般にコア部材は、被覆
チューブから破壊的に除去される構造(例えば軸方向一
端から軸方向他端に向けて螺旋状に延びる弱め線を有し
た構造)を有するが、コア部材の内方端部には通常この
破壊の起点が設けられており、上記した応力集中によ
り、特に高温環境下において、被覆チューブの保管時等
に意に反してコア部材の破壊が起点から進行してしまう
危惧がある。
【0009】したがって本発明の主目的は、PST構造
を有する電線接続部の被覆チューブにおいて、電線接続
部に対し所望の被覆効果を奏し得る所定位置に正確に位
置決めでき、かつコア部材除去時に位置ずれを生じるこ
となく正確に取付けることができる高い信頼性を有した
被覆チューブを提供することにある。本発明の他の目的
は、チューブ開口端の各々に設置された複数のコア部材
を有するPST構造の被覆チューブにおいて、コア部材
の内方端部から意に反して破壊が生じることを効果的に
防止できる被覆チューブを提供することにある。本発明
のさらに他の目的は、そのような被覆チューブを備え
て、電線接続部に所望の防水・防湿、電気的絶縁、及び
機械的保護処理を施すことができる優れた性能を有する
電線接続装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、電気絶縁性のエラストマーからなり、軸
方向両端で開口する管状部材と、管状部材の径方向内側
に配置され、管状部材の少なくとも開口端に隣接する部
分を弾性的拡径状態に保持するコア部材とを具備し、コ
ア部材がその軸方向一端から軸方向他端に向けて漸次破
壊可能に構成された電線接続部の被覆チューブにおい
て、コア部材は、それぞれが管状部材の異なる開口端か
ら管状部材の軸方向中間位置まで延びる第1及び第2コ
ア部材を含み、第1コア部材の破壊起点となる軸方向一
端部分が、管状部材の軸方向中間位置で、第2コア部材
の破壊起点となる軸方向一端部分に隙間を介して受容さ
れること、を特徴とする電線接続部の被覆チューブを提
供する。
【0011】このような構成によれば、被覆施工時に電
線接続部のコネクタの軸方向端面を第1コア部材の軸方
向一端に当接することにより、被覆チューブが電線接続
部に対し所定位置に位置決めされる。この状態で、先に
第2コア部材を破壊すれば、第2コア部材に加わる破壊
のための力の方向は、第1コア部材とコネクタとの当接
を維持する方向となるので、施工初期段階において、被
覆チューブが電線接続部に対し所定位置に保持される。
【0012】さらに本発明は、上記した電線接続部の被
覆チューブと、電線接続部で電線同士を接続するコネク
タであって、第1コア部材の軸方向一端の開口最大寸法
より大きな横断方向最大寸法を有するコネクタ、とを具
備して構成される電線接続装置を提供する。このような
構成によれば、被覆チューブが電線接続部に対し所定位
置に容易かつ正確に位置決めされ、電線接続装置の性能
が向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明をその好適な実施の形態に基づき詳細に説明する。図
1〜図3は、本発明の一実施形態による電線接続部の被
覆チューブ10を示す。被覆チューブ10は、全長に渡
ってPST構造を有したものであり、2つの開口端12
a、12bを有する直線円筒状の管状部材12と、管状
部材12の径方向内側に配置され、管状部材12の全体
を弾性的拡径状態に保持する2個の筒状のコア部材1
4、16とを備える。被覆チューブ10は、主として電
線同士の直線接続部を防水・防湿、電気的絶縁、及び機
械的保護の目的で被覆できる。
【0014】被覆チューブ10の管状部材12は、図4
に示すように、2本の被覆電線18、20の端部で露出
された導体22、24と、それら導体22、24を相互
に連結するコネクタ26と、各電線18、20のそれら
導体22、24に隣接する外被28、30の末端所定長
部分とを囲繞可能な長さを有する(この実施形態では、
導体22、24とコネクタ26と外被28、30の末端
所定長部分とを合わせて「電線接続部」と称する)。ま
た管状部材12は、コア部材14、16を配置しない非
拡径時(つまり応力が加わらない状態)では、コネクタ
26及び外被28、30の外径より小さな内径を呈し、
電線接続部へ取付けたときに、所望の被覆効果を奏する
に十分な収縮圧力のもとで電線接続部に弾性的に密着す
るようになっている。
【0015】管状部材12は、電気絶縁性、高い弾性回
復率、優れた永久伸び特性等の、PSTとして好ましい
物性を有するエラストマーからなる。管状部材12の材
料の具体例としては、エチレンプロピレンゴム(特にE
PDM)、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーン
ゴム、天然ゴム、フッ素系ゴム、シリコーン変性EPD
M等が挙げられる。これらのうちでEPDMは、耐候
性、電気絶縁性及び耐水性に優れ、しかも安価である点
で、特に好ましい材料である。
【0016】図1に示すように、被覆チューブ10のコ
ア部材14、16は、それぞれ管状部材12の異なる開
口端12a、12bから所定の軸方向中間位置までの部
分を弾性的拡径状態に支持し得る略円筒形状を有する。
各コア部材14、16は、円筒壁の全長に亙って螺旋状
に延びる溝又は弱め線32と、コア壁上で隣接する弱め
線32の間に画成されるストリップ状の壁部分の延長部
として、コア部材の軸方向一端から延長される延長片3
4とを備える。延長片34は、各コア部材14、16の
内側を通されて、その先端がコア部材の軸方向他端から
延出される。各コア部材14、16は、延長片34を引
っ張って弱め線32に沿って壁を引き裂くことにより、
比較的容易に破壊される。
【0017】各コア部材14、16は、延長片34の基
端すなわち破壊の起点となる軸方向一端14a、16a
を、管状部材12の開口端12a、12bから所定距離
の位置に配置し、かつ軸方向他端14b、16bを開口
端12a、12bから外方へ僅かに突出させて、管状部
材12の内側に配置される。各コア部材14、16は、
1本の電線18、20の外被28、30(図4)の外径
寸法より充分に大きな内径寸法を有して、管状部材12
を弾性的に拡径するとともに、その弾性回復(収縮)力
に抗してコア部材自体の内径寸法を維持しつつ管状部材
12を弾性的拡径状態に保持する。
【0018】一方のコア部材14は、他方のコア部材1
6の軸方向長さよりも短い軸方向長さと、他方のコア部
材16の内径よりも小さい外径とを有する。そしてコア
部材14は、破壊の起点となる軸方向一端14aの隣接
部分が、コア部材16の破壊の起点となる軸方向一端1
6aの隣接部分の径方向内側に隙間を介して受容され
る。すなわち両コア部材14、16は、それらの一端1
4a、16aで互いに重畳して配置され、それにより管
状部材12の全体を、各コア部材14、16の外径に対
応する段差を有した弾性的拡径状態に保持する。
【0019】各コア部材14、16は、例えば硬質プラ
スチックからなる円筒状部材であり、管状部材12をそ
の弾性回復(収縮)力に抗して前述した弾性的拡径状態
に保持するに充分な剛性を有する。コア部材14、16
の好適な材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ABS、ポリアミド等が挙げられる。
【0020】上記構成を有する被覆チューブ10は、図
4に示すように、電線外被28、30の外径よりも大き
な横断方向(接続対象の電線の軸方向に略直交する方
向)最大寸法を有するコネクタ26を用いた電線接続部
に対し、正確な位置決め機能及び位置ずれ防止機能を発
揮することができる。この場合、被覆チューブ10のコ
ア部材14は、コネクタ26の横断方向最大寸法よりも
小さな内径を有するように形成される。他方、コア部材
16は、コネクタ26の横断方向最大寸法よりも十分に
大きな内径を有するように形成される。
【0021】なお各コア部材14、16は、その軸方向
他端14b、16bから延出する延長片34を、被覆施
工時に前述したように管状部材12の各開口端12a、
12bの外側から引っ張ることにより弱め線32に沿っ
て漸進的に破壊され、被覆チューブ10から除去され
る。そのためにコア部材14は、被覆チューブ10に電
線18を収容した状態(図4(b)参照)で、外被28
とコア部材14との隙間を利用して延長片34を容易に
引っ張ることができるだけの内径寸法を有することが望
ましい。同様にコア部材16は、被覆チューブ10にコ
ネクタ26及び電線20を収容した状態(図4(b)参
照)で、コネクタ26とコア部材16との隙間を利用し
て延長片34を容易に引っ張ることができるだけの内径
寸法を有することが望ましい。さらに、互いに重畳する
両コア部材14、16の軸方向一端14a、16aにお
いても、コア部材14とコア部材16との隙間を利用し
てコア部材16の延長片34を容易に引っ張ることがで
きるように、コア部材14の外径及びコア部材16の内
径を設定することが望ましい。
【0022】上記構成を有する被覆チューブ10の作用
効果を、図4及び図5を参照して説明する。電線の直線
接続部では、接続される2本の電線18、20の、外被
28、30及び絶縁体(図示せず)の除去により露出さ
れた導体22、24が、コネクタ26によって相互に接
続される。最初に被覆チューブ10には、2本の電線1
8、20の相互接続に先立って、管状部材12の開口端
12a側に配置された小径のコア部材14の他端14b
から電線18が挿入され、その露出導体22が、管状部
材12の開口端12b側に配置された大径のコア部材1
6の他端16bから被覆チューブ10の外側に引き出さ
れて、コネクタ26により他の電線20の露出導体24
に接続される(図4(a)参照)。次いで被覆チューブ
10を移動して、コネクタ26をコア部材16の内部に
挿入すると、コア部材14の内径がコネクタ26の外径
より小さいので、コネクタ26の軸方向一端面がコア部
材14の一端14aに当接される(図4(b)参照)。
【0023】被覆施工完了時に電線18の外被28に密
着する管状部材12の開口端12a側の部分は、電線1
8に印加される電圧によって決まるシール距離に対応し
た軸方向長さを有することが、所望の被覆効果を奏する
上で肝要である。したがって、コア部材14の軸方向長
さをこの所要のシール距離に対応して設定し、コア部材
14の一端14aを管状部材12の開口端12aから、
施工完了時に所要のシール距離を達成できる所定距離の
位置に配置しておけば、コネクタ26の軸方向一端面が
コア部材14の一端14aに当接された状態で、コネク
タ26が被覆チューブ10内の所定位置(所望の被覆効
果を奏し得る位置)に配置されたことになる。なお、大
径のコア部材16の軸方向長さは、コネクタ26の長さ
と電線20に対する所要のシール距離との合計値に対応
して設定される。
【0024】被覆チューブ10を上記所定位置に配置し
た後、まず大径のコア部材16を、その延長片34の先
端を管状部材12の開口端12bの外側から引っ張るこ
とにより、弱め線32に沿って螺旋状に破壊しつつ被覆
チューブ10から除去する。その結果、コア部材16に
より弾性的拡径状態に保持されていた管状部材12の所
定長さ部分が、その弾性収縮による締付力のもとで、コ
ネクタ26及び電線20の外被30の表面に密着する
(図5(a)参照)。このとき、電線18、20を静止
状態に固定的に保持しておけば、コア部材16の延長片
34に加わる(図で右方向への)引張力は、コネクタ2
6の軸方向一端面とコア部材14の一端14aとの当接
により受け止められるので、コア部材16の破壊の初期
段階において、被覆チューブ10が電線接続部に対して
位置ずれを生じることは、引張力を加えている限り回避
される。コア部材16の破壊が進んで管状部材12のあ
る程度の長さ部分がコネクタ26に密着した後は、電線
18、20を静止状態に保持せずとも、被覆チューブ1
0が電線接続部に対し移動することはない。
【0025】コア部材16を完全に除去した後、小径の
コア部材14を、その延長片34の先端を管状部材12
の開口端12aの外側から引っ張ることにより、弱め線
32に沿って螺旋状に破壊しつつ被覆チューブ10から
除去する。その結果、コア部材14により弾性的拡径状
態に保持されていた管状部材12の所定長さ部分が、そ
の弾性収縮による締付力のもとで、電線18の外被28
の表面に密着する(図5(b)参照)。このようにして
被覆チューブ10は、電線接続部に対し所望の被覆効果
を奏し得る所定位置に正確に取付けられる。
【0026】上記構成を有する被覆チューブ10では、
大径のコア部材16の破壊の起点となる一端16aが管
状部材12の内側に配置されるので、弾性拡径された管
状部材12の復原力による応力集中や、高温環境下での
熱の影響により、被覆チューブ10の保管時等に意に反
してコア部材16の破壊が起点から進行してしまう危惧
がある。しかし本発明によれば、コア部材16の破壊の
起点となる一端16aの隣接部分の径方向内側に、コア
部材14の一端14aの隣接部分が受容されているの
で、コア部材16の一端16aでそのような不慮の破壊
が生じたとしても破壊部分が内側のコア部材14により
支持され、破壊の進行が効果的に阻止される。他方、コ
ア部材14の一端14aの隣接部分はコア部材16に包
囲されているので、管状部材12の復原力を直接に受け
ることがなく、不慮の破壊が生じ難いことは容易に理解
されよう。
【0027】上記した不慮の破壊を効果的に防止するた
めに、互いに重畳する両コア部材14、16の軸方向一
端14a、16aの隣接部分の間の径方向隙間は、前述
したようにコア部材16の延長片34を容易に引っ張る
ことができる寸法であるとともに、破壊の進行を防止で
きる寸法であることが肝要である。したがって好ましく
はこの隙間は、コア壁上で隣接する弱め線32の間に画
成されるストリップ状の壁部分の厚み(径方向寸法)す
なわち延長片34の厚みより大きく、ストリップ状壁部
分の幅(軸方向寸法)すなわち延長片34の幅より小さ
く設定される。さらに、両コア部材14、16は、少な
くともストリップ状壁部分の幅に相当する長さだけ、軸
方向一端14a、16aの隣接部分で互いに重畳するこ
とが望ましい。
【0028】本発明は、上記実施形態以外の様々な構成
を有することができる。例えば本発明は、特開平7−5
7798号公報に開示されるような、チューブ開口端の
近傍領域のみにシール部を備えて構成される被覆チュー
ブにも適用できる。この場合に本発明によれば、シール
部以外のスリーブ部は、コア部材により原形の状態か又
は僅かに拡径された状態に保持される。このような適用
によっても、電線接続部のコネクタを小径のコア部材に
当接されることにより、被覆チューブを電線接続部に対
し所定位置に正確に取付けることができる。しかも施工
完了時には、スリーブ部はコネクタに非接触な状態にあ
るので、コネクタのバリによる損傷や漏電の危惧が排除
される。
【0029】また、2つのコア部材として、互いに重畳
する破壊起点側の一端隣接部分のみで外径寸法が異な
り、他の部分は同一外径となるコア部材の組を使用する
ことができる。例えば、一方のコア部材の破壊起点端隣
接部分の外径を残りの部分よりも小さくして、その残り
の部分と同一外径の他方のコア部材の破壊起点端隣接部
分に挿入する構成とすれば、管状部材の全体を一様な外
径の弾性的拡径状態に保持することができる。その結
果、管状部材の全体を同一の特性(例えば永久伸び特
性)を有する同一材料から形成した場合にも、管状部材
により被覆される電線接続部の全体に長時間に渡り同一
の被覆効果を奏することが可能となる。
【0030】さらに、小径のコア部材の内径は、被覆対
象のコネクタの外径より必ずしも小さくなくてもよい。
小径のコア部材の内径がコネクタの外径よりも大きい場
合は、被覆チューブと電線接続部との相対位置を適当に
調整してコネクタの軸方向端面の一部分を小径のコア部
材の端部に当接させれば、所望の位置決め効果を得るこ
とができる。また、この当接状態を手操作で維持するこ
とにより、位置ずれ防止効果も得ることができる。
【0031】コア部材は円筒形に限らず、他の多角柱形
状を有することもできる。この場合、コネクタが一般に
電線接続時のかしめにより変形しているので、特に小寸
のコア部材は少なくともその破壊起点の軸方向一端で、
コネクタの横断方向最大寸法より小さな開口最大寸法を
有して、コネクタの軸方向端面に容易に当接される形状
であることが望ましい。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、電線接続部に対し所望の被覆効果をあげ得る
所定位置に正確に位置決めでき、かつコア部材除去時に
位置ずれを生じることなく正確に取付けることができる
高い信頼性を有した被覆チューブが提供される。さらに
本発明によれば、管状部材の内方に配置されるコア部材
の破壊起点から意に反して破壊が進行することを効果的
に防止できる被覆チューブが提供される。したがって本
発明によれば、電線接続部に所望の防水・防湿、電気的
絶縁、及び機械的保護処理を施すことができる高性能の
電線接続装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による被覆チューブの一部断
面正面図である。
【図2】図1の被覆チューブの一部切欠正面図である。
【図3】図2の線 III−III に沿った断面図である。
【図4】図1の被覆チューブの施工作業を説明する図
で、(a)電線同士をコネクタで接続した第1段階、及
び(b)被覆チューブを電線接続部に対し所定位置に配
置した第2段階、を示す。
【図5】図1の被覆チューブの施工作業を説明する図
で、(a)第2コア部材を除去した第3段階、及び
(b)第1コア部材を除去した最終段階、を示す。
【符号の説明】
10…被覆チューブ 12…管状部材 12a、12b…開口端 14、16…コア部材 14a、16a…軸方向一端 14b、16b…軸方向他端 18、20…電線 26…コネクタ 34…延長片

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性のエラストマーからなり、軸
    方向両端で開口する管状部材と、該管状部材の径方向内
    側に配置され、該管状部材の少なくとも開口端に隣接す
    る部分を弾性的拡径状態に保持するコア部材とを具備
    し、該コア部材がその軸方向一端から軸方向他端に向け
    て漸次破壊可能に構成された電線接続部の被覆チューブ
    において、 前記コア部材は、それぞれが前記管状部材の異なる前記
    開口端から該管状部材の軸方向中間位置まで延びる第1
    及び第2コア部材を含み、 前記第1コア部材の破壊起点となる軸方向一端部分が、
    前記管状部材の前記軸方向中間位置で、前記第2コア部
    材の破壊起点となる軸方向一端部分に隙間を介して受容
    されること、を特徴とする電線接続部の被覆チューブ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電線接続部の被覆チュ
    ーブと、 前記電線接続部で電線同士を接続するコネクタであっ
    て、前記第1コア部材の前記軸方向一端の開口最大寸法
    より大きな横断方向最大寸法を有するコネクタ、とを具
    備して構成される電線接続装置。
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