JPH1171602A - 微細な凹凸部を有する部品の製造方法 - Google Patents

微細な凹凸部を有する部品の製造方法

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JPH1171602A
JPH1171602A JP24993297A JP24993297A JPH1171602A JP H1171602 A JPH1171602 A JP H1171602A JP 24993297 A JP24993297 A JP 24993297A JP 24993297 A JP24993297 A JP 24993297A JP H1171602 A JPH1171602 A JP H1171602A
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atomic
metallic glass
glass alloy
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temperature
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JP24993297A
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Takao Mizushima
隆夫 水嶋
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
Akihisa Inoue
明久 井上
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高硬度を有するバルク形状の非晶質成形物が
可能な金属ガラス合金を用いて、高硬度で、微細な凹凸
部を有する部品の製造方法の提供。 【解決手段】ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開始
温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される
過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上である金属ガ
ラス合金の粉末を微細な凹凸を有する成形用型に充填
し、該金属ガラス合金の粉末を結晶化開始温度近傍の焼
結温度で焼結する工程を少なくとも備えることを特徴と
する微細な凹凸部2を有する部品1の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯車やフライス等
の微細な凹凸部を有する部品の製造方法に係わり、特
に、高硬度を有するバルク形状の非晶質成形物が可能な
金属ガラス合金を用いて、高硬度で、微細な凹凸部を有
する部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多元素合金のある種のものは、組成物を
溶融状態から急冷するとき、結晶化せず、一定の温度幅
を有する過冷却液体状態を経過してガラス状固体に転移
する性質を有していて、この種の非晶質合金は金属ガラ
ス合金(glassy alloy)と呼ばれている。従来から知ら
れているアモルファス合金としては、1960年代にお
いて最初に製造されたFe−P−C系の非晶質合金、1
970年代において製造された(Fe,Co,Ni)−
P−B系、(Fe,Co,Ni)−Si−B系非晶質合
金、1980年代において製造された(Fe,Co,N
i)−M(Zr,Hf,Nb)系非晶質合金、(Fe,
Co,Ni)−M(Zr,Hf,Nb)−B系非晶質合
金などがある。これらは磁性を有しているので、非晶質
磁性材料としての応用が期待された。
【0003】しかしながら従来のアモルファス合金はい
ずれも、過冷却液体状態の温度幅が狭いために、単ロー
ル法と呼ばれる方法などにより105 K/sレベルの冷
却速度で急冷しなければ非結晶質が形成できず、上記の
単ロール法などで急冷して製造されたものは厚さが50
μm以下程度の薄帯状となり、バルク形状の非晶質固体
を得ることはできなかった。そこで、この薄帯からバル
ク形状の成形物を得ようとすれば、液体急冷法によって
得られた薄帯を粉砕し、密圧下に焼結することにより焼
結体が得られるが、従来のアモルファス合金を用いて得
られた焼結体は多孔質のため脆く、応力のかかる歯車や
フライス等の部品としては使用できないという問題があ
った。
【0004】過冷却液体状態の温度幅が比較的広く、よ
り緩慢な冷却によって非晶質固体が得られる金属ガラス
合金としては、1988年〜1991年にかけて、Ln
−Al−TM、Mg−Ln−TM、Zr−Al−TM
(ここで、Lnは希土類元素、TMは遷移金属を示す)
系等が知られている。これらの金属ガラス合金からは厚
さ数mm程度の非晶質固体も得られているが、これらは
いずれも特殊な組成のものであり、その応用については
十分な検討がなされていないのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、歯車やフ
ライスなどの微細な凹凸部を有する部品として優れた特
性を有する高硬度材料を探索中に、ある種の金属ガラス
合金が過冷却液体状態の温度幅が比較的広く、バルク形
状の非晶質固体を製造し得る可能性を有し、しかも得ら
れた非晶質固体がきわめて高硬度であることを発見し、
さらにこの金属ガラス合金の粉末を結晶化開始温度近傍
の焼結温度で焼結すれば、高硬度で、微細な凹凸部を有
する部品を製造できることを見いだし、本発明に到達し
たのである。 本発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、高硬度を有するバルク形状の非晶質成形物が可能
な金属ガラス合金を用いて、高硬度で、微細な凹凸部を
有する部品の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の微細な凹凸部を
有する部品の製造方法は、ΔTx=Tx−Tg(ただしTx
は結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の
式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上
である金属ガラス合金の粉末を微細な凹凸を有する成形
用型に充填し、該金属ガラス合金の粉末を結晶化開始温
度近傍の焼結温度で焼結する工程を少なくとも備えるこ
とを特徴とする。
【0007】本発明に用いられる金属ガラス合金(メタ
ル−メタロイド系金属ガラス合金)は、ΔTxが35K
以上であり、金属元素としてFeを含有することを特徴
とする。本発明において、上記メタル−メタロイド系金
属ガラス合金は、Fe以外の他の金属元素と半金属元素
とを含有してなり、上記他の金属元素としてAl、G
a、In、Snのうちの1種または2種以上を含有し、
上記半金属元素として、P、C、B、Ge、Siのうち
の1種または2種以上を含有することを特徴とする。本
発明において、上記メタル−メタロイド系金属ガラス合
金の組成は、原子%で、Al:1 〜10%、Ga:
0.5〜4%、P:0〜15%、C:2〜7%、B:2
〜10%、Fe:残部であることを特徴とする。あるい
は、上記メタル−メタロイド系金属ガラス合金の組成
は、原子%で、Al:1〜10%、Ga:0.5〜4
%、P:0〜15%、C:2〜7%、B:2〜10%、
Si:0〜15%、Fe:残部であることを特徴とする
ものであってもよい。
【0008】また、本発明に用いられる金属ガラス合金
(メタル−メタル系金属ガラス合金)としては、Fe、
Co、Niのうちの1種又は2種以上の元素を主成分と
し、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのうちの
1種又は2種以上の元素とBを含み、ΔTxが20K以
上のものであることを特徴とするものである。本発明に
おいて、上記メタル−メタル系金属ガラス合金は、ΔT
xが60K以上であり、下記の組成式で表されるもので
あることを特徴とする。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%≦
x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%であり、M
はZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのうちの1
種又は2種以上からなる元素である。
【0009】あるいは、上記メタル−メタル系金属ガラ
ス合金は、ΔTxが60K以上であり、下記の組成式で
表されるものであってもよい。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%≦
x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%、0原子%
≦z≦5原子%であり、Mは、Zr、Nb、Ta、H
f、Mo、Ti、Vのうちの1種又は2種以上からなる
元素、TはCr、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、
Pt、Al、Si、Ge、C、Pのうちの1種又は2種
以上の元素である。
【0010】また、本発明に用いられる金属ガラス合金
(ハード磁性系金属ガラス合金)は、Feを主成分と
し、希土類元素のうちから選択される1種又は2種以上
の元素Rと、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、C
r、Mo、W、Cuのうちから選択される1種又は2種
以上の元素Aと、Bを含み、ΔTxが20K以上のもの
であることを特徴とするものであってもよい。本発明に
おいて、上記ハード磁性系金属ガラス合金は、下記の組
成式で表されるものであることを特徴とする。 Fe100-c-d-f-wcdfw 但し、EはCo、Niのうちから選択される1種または
2種の元素であり、組成比を示すc、d、f、wは原子
%で、2原子%≦c≦15原子%、2原子%≦d≦20
原子%、0原子%≦f≦20原子%、10原子%≦w≦
30原子%である。
【0011】あるいは、上記ハード磁性系金属ガラス合
金は、下記の組成式で表されるものであってもよい。 Fe100-c-d-f-w-tcdfwt 但し、EはCo、Niのうちから選択される1種または
2種の元素であり、組成比を示すc、d、f、w、tは
原子%で、2原子%≦c≦15原子%、2原子%≦d≦
20原子%、0原子%≦f≦20原子%、10原子%≦
w≦30原子%、0原子%≦t≦5原子%であり、元素
LはRu、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、S
i、Ge、Ga、Sn、C、Pのうちから選択される1
種又は2種以上の元素である。本発明の製造方法におい
ては、上記金属ガラス合金の粉末を焼結した後、熱処理
して結晶化処理を施す工程が備えられていてもよい。な
お、本発明においては、結晶化処理により結晶質相が析
出したものも金属ガラス合金と呼ぶこととする。また、
ΔTxを有するものを金属ガラスとし、ΔTxがないアモ
ルファスと区別することとする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。まず、本発明に用いられる金属ガラス合金
について説明する。本発明に用いられる金属ガラス合金
としては、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開始温
度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される過
冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上である金属ガラ
ス合金が用いられる。このような金属ガラスとしては、
メタル−メタロイド系金属ガラス合金、メタル−メタル
系金属ガラス合金、ハード磁性系金属ガラス合金が挙げ
られる。
【0013】上記メタル−メタロイド系金属ガラス合金
は、この過冷却液体の温度間隔ΔTxが、35K以上、
組成によっては40〜50K以上という顕著な温度間隔
を有し、これまでの知見から知られるFe基合金からは
全く予期されないものであり、しかも、これまで非晶質
合金が薄帯としてしか実現できなかったのに対し、バル
ク形状のものが得られ、遥かに実用性に優れたものとな
る。
【0014】本発明に用いられるメタル−メタロイド系
金属ガラス合金は、その組成については、Feを主成分
とし、更に、他の金属と半金属とを含有したものとして
示すことができる。このうち他の金属とは、周期律表の
IIA族、IIIA族及びIIIB族、IVA族及びI
VB族、VA族、VIA族、VIIA族のうちか選択で
きるものであるが、中でも、IIIB族、IVB族の金
属元素が好適なものとして示される。例えば、Al(ア
ルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウ
ム)、Sn(スズ)である。また、上記メタル−メタロ
イド系金属ガラス合金に対し、Ti、Hf、Cu、M
n、Nb、Mo、Cr、Ni、Co、Ta、W、Zrの
中から選択される1種以上の金属元素を配合することが
できる。上記半金属元素としては、例えば、P(リ
ン)、C(炭素)、B(ほう素)、Si(ケイ素)、G
e(ゲルマニウム)を例示できる。より具体的に例示す
ると、本発明で用いられるメタル−メタロイド系金属ガ
ラス合金は、その組成が原子%で、Al:1〜10%、
Ga:0.5〜4%、P:0〜15%、C:2〜7%、
B:2〜10%、F e:残部であって、不可避不純物
が含有されていても良いFe基金属ガラス合金である。
【0015】また、更にSiを加えることにより、過冷
却液体の温度間隔ΔTxを向上させ、アモルファス単相
となる臨界板厚を増大させることができる。その結果、
このメタル−メタロイド系金属ガラス合金からなる板厚
をさらに厚くすることが可能となる。Siの含有量は多
すぎると過冷却液体領域ΔTxが消滅するので、15%
以下が好ましい。より具体的に例示すると、上記メタル
−メタロイド系金属ガラス合金は、その組成が原子%
で、Al:1〜10%、Ga:0.5〜4%、P:0〜
15%、C:2〜7% 、B:2〜10%、Si:0〜
15%、Fe:残部であって、不可避不純物が含有され
ていても良い。さらに、より大きな過冷却液体領域ΔT
xを得るために、上述の2つの組成中、PとCを原子%
で、P:6〜15%、C:2〜7%とするのが好まし
く、35K以上の過冷却液体領域ΔTxを得ることがで
きる。
【0016】なお、上記の組成において、更にGeを0
〜4%、好ましくは0.5〜4%の範囲で含有していて
も良い。また、上記組成において、更に、Nb、Mo、
Cr、Hf、W、Zrの少なくとも1種を7%以下含有
していても良く、更に、Ni10%以下、Co30%以
下を含んでいても良い。これらのいずれの場合の組成に
おいても、本発明においては、過冷却液体の温度間隔Δ
xは、35K以上、組成によっては40〜50K以上
が得られる。
【0017】上記メタル−メタル系金属ガラス合金は、
Fe、Co、Niのうちの1種又は2種以上を主成分と
し、これにZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上とBを所定量添加した成分系
で実現される。本発明で用いられるメタル−メタル系金
属ガラス合金の1つは、一般式においては、 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy で表記することができ、この一般式において、0≦a≦
0.29、0≦b≦0.43、5原子%≦x≦20原子
%、10原子%≦y≦22原子%なる関係が好ましく、
MはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのうちの
1種又は2種以上からなる元素である。更に上記の成分
系において、ΔTxが20K以上であることを必要とす
る。上記の組成系において、Zrを必ず含み、ΔTxが
25K以上であることが好しい。また、上記の組成系に
おいて、ΔTxが60K以上であることがより好まし
い。 更に、上記(Fe1-a-bCoaNib100-x-yx
yなる組成式において0.02≦a≦0.29、0.04
2≦b≦0.43の関係にされてなることが好ましい。
【0018】次に本発明に用いられるメタル−メタル系
金属ガラス合金は、一般式においては、(Fe1-a-b
aNib100-x-y-zxyzで表記され、この一般式
において、 0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原
子%≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%、0
原子%≦z≦5原子%であり、MはZr、Nb、Ta、
Hf、o、Ti、Vのうちの1種又は2種以上からなる
元素、TはCr、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、
Pt、Al、Si、Ge、C、Pのうちの1種又は2種
以上の元素である。また、本発明に用いられるメタル−
メタル系金属ガラス合金は、上記(Fe1-a-bCoaNi
b100-x-y-zxyzなる組成式において0.042≦
a≦0.29、0.042≦b≦0.43の関係にされて
なるものでも良い。
【0019】次に、上記元素Mが(M'1-hM''h)で表
され、M'はZrまたはHfのうちの1種または2種、
M''はNb、Ta、Mo、Ti、Vのうちの1種または
2種以上からなる元素であり、0≦h≦0.6であるこ
とを特徴とするものでも良い。更に、上記組成において
hが0.2≦h≦0.4の範囲であることを特徴とするも
のでも良く、上記hが0≦h≦0.2の範囲であること
を特徴としても良い。更に本発明において、上記組成比
を示すa、bが、0.042≦a≦0.25、0.042
≦b≦0.1の範囲であることを特徴としても良い。ま
た、上記の組成において原子Bの50%以下をCで置換
しても良い。
【0020】「組成限定理由」本発明に用いられるメタ
ル−メタル系金属ガラス合金では、Feを多く含む成分
系においてCo含有量とNi含有量を適正な値とするこ
とで、ΔTxの値を60K以上することができる。具体
的には、50K〜60KのΔTxを確実に得るために
は、Coの組成比を示すaの値を0≦a≦0.29、N
iの組成比を示すbの値を0≦b≦0.43の範囲、6
0K以上のΔTxを確実に得るためには、Coの組成比
を示すaの値を0.042≦a≦0.29、Niの組成比
を示すbの値を0.042≦b≦0.43の範囲とするこ
とが好ましい。
【0021】MはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、T
i、Vのうちの1種又は2種以上からなる元素である。
これらはアモルファスを生成させるために有効な元素で
あり、5原子%以上、20原子%以下の範囲であると良
い。これら元素Mのうち、特にZrまたはHfが有効で
ある。ZrまたはHfは、その一部をNb等の元素と置
換することができるが、置換する場合の組成比hは、0
≦h≦0.6の範囲である高いΔTxを得ることができる
が、特にΔTxを80以上とするには0.2≦h≦0.4
の範囲が 好ましい。
【0022】Bは、高いアモルファス形成能があり、本
発明では10原子%以上、22原子%以下の範囲で添加
する。この範囲を外れると、Bが10原子%未満である
と、ΔTx が消滅するために好ましくなく、22原子%
よりも大きくなるとアモルファスが形成できなくなるた
めに好ましくない。上記の組成系に更に、Tで示され
る、Cr、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、
Al、Si、Ge、C、Pのうちの1種又は2種以上の
元素を添加することもできる。本発明ではこれらの元素
を0原子%以上、5原子%以下の範囲で添加することが
できる。これらの元素は主に耐食性を向上させる目的で
添加するものであり、この範囲を外れるとアモルファス
形成能が劣化するために好ましくない。
【0023】上記ハード磁性系金属ガラス合金の1つ
は、Feを主成分とし、これに希土類元素のうちから選
択される1種又は2種以上の元素Rと、Ti、Zr、H
f、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Cuのうちから
選択される1種又は2種以上の元素Aと、Bを所定量添
加した成分系で実現される。更に上記の成分系におい
て、ΔTxが20K以上であることを必要とする。上記
の組成系において、Crを必ず含む場合は、ΔTxが4
0K以上であることが好ましい。
【0024】本発明に用いられるハード磁性系金属ガラ
ス合金の1つは、下記組成式で表されるものである。 Fe100-c-d-f-wcdfw この組成式において、EはCo、Niのうちから選択さ
れる1種または2種の元素であり、組成比を示すc、
d、f、wは、2原子%≦c≦15原子%、2原子%≦
d≦20原子%、0原子%≦f≦20原子%、10原子
%≦w≦30原子%なる条件を満たすことが好ましい。
【0025】また、本発明に用いられるハード磁性系金
属ガラス合金の他の例としては、下記組成式で表される
ものである。 Fe100-c-d-f-w-tcdfwt この組成式において、EはCo、Niのうちから選択さ
れる1種または2種の元素であり、組成比を示すc、
d、f、w、tは、2原子%≦c≦15原子%、2原子
%≦d≦20原子%、0原子%≦f≦20原子%、10
原子%≦w≦30原子%、0原子%≦t≦5原子%なる
条件を満たし、元素LはRu、Rh、PdOs、Ir、
Pt、Al、Si、Ge、Ga、Sn、C、Pのうちか
ら選択される1種又は2種以上の元素である。
【0026】また、本発明で用いられるハード磁性系金
属ガラス合金は、上記Fe100-c-d-f-wcdfw
る組成式または上記Fe100-c-d-f-w-tcdfwt
なる組成式において、組成比を示すcは原子%で、2原
子%≦c≦12原子%の範囲であることが好ましく、2
原子%≦c≦8原子%の範囲であるとさらに好ましい。
さらに、本発明で用いられるハード磁性系金属ガラス
合金は、上記Fe100-c-d-f-wcdfwなる組成式
または上記Fe100-c-d-f-w-tcdfwtなる組成
式において、組成比を示すdは原子%で、2原子%≦d
≦15原子%の範囲であることが好ましく、2原子%≦
d≦6原子%の範囲であるとさらに好ましい。また、本
発明で用いられるハード磁性系金属ガラス合金は、上記
Fe100-c-d-f-wcdfwなる組成式または上記F
100-c-d-f-w-tcdfwtなる組成式において、
組成比を示すfは原子%で、0.1原子%≦f≦20原
子%の範囲であることが好ましく、2原子%≦f≦10
原子%の範囲であるとさらに好ましい。
【0027】また、本発明で用いられるハード磁性系金
属ガラス合金は、上記Fe100-c-d-f-wcdfw
る組成式または上記Fe100-c-d-f-w-tcdfwt
なる組成式において、元素Aが(Cr1-rA'r)で表さ
れ、A'はTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、
W、Cuのうちから選択される1種または2種以上の元
素であり0≦r≦1であることを特徴とするものであっ
てもよい。更に、このような組成式で表されるハード磁
性系金属ガラス合金においては、上記組成式中の組成比
を示すrが0≦r≦0.5の範囲であることが好まし
い。
【0028】「組成限定理由」本発明に用いられるハー
ド磁性系金属ガラス合金では、Feを多く含む成分系に
おいてΔTxが大きくなり易く、Feを多く含 む成分系
においてCo含有量を適正な値とすることで、ΔTxの
値を大きくする効果がある。具体的には、ΔTxを確実
に得るためには、元素Eの組成比を示すfの値を0≦f
≦20の範囲、20K以上のΔTxを確実に得るために
は、Eの組成比を示すfの値を2原子%≦f≦10原子
%の範囲とすることが好ましい。また、必要に応じて、
Coの一部または全部をNiで置換しても良い。
【0029】Rは、希土類金属(Y、La、Ce、P
r、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er)のうちから
選択される1種又は2種以上の元素であり、これらの元
素は、2原子%以上、15原子%以下の範囲であると良
い。
【0030】AはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、
Cr、Mo、W、Cuのうちから選択される1種又は2
種以上の元素である。これらは非晶質を生成させるため
に有効な元素であり、2原子%以上、20原子%以下の
範囲であると良い。これら元素Aのうち、特にCrが有
効である。Crは、その一部をTi、Zr、Hf、V、
Nb、TaMo、W、Cuのうちから選択される1種ま
たは2種以上の元素と置換することができるが、置換す
る場合の組成比fは、0≦f≦1の範囲であると、高い
ΔTxを得ることができるが、特に高いΔTxを確実に得
るためには0≦c≦0.5の範囲が好ましい。
【0031】Bは、高い非晶質生成能があり、本発明で
は10原子%以上、30原子%以下の範囲で添加する。
Bの添加量が10原子%未満であると、ΔTxが消滅す
るために好ましくなく、30原子%よりも大きくなると
アモルファスが形成できなくなるために好ましくない。
より高い非晶質形成能を得るためには、14原子%以
上、20原子%以下とすることがより好ましい。
【0032】上記の組成系に更に、Lで示される、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、Si、G
e、Ga、Sn、C、Pのうちから選択される1種又は
2種以上の元素を添加することもできる。本発明ではこ
れらの元素を0原子%以上、5原子%以下の範囲で添加
することができる。これらの元素は主に耐食性を向上さ
せる目的で添加するものであり、また、この範囲を外れ
るとガラス形成能が劣化するために好ましくない。
【0033】次に、図面を参照して本発明の微細な凹凸
部を有する部品の製造方法の実施の形態について説明す
る。図1は、本発明の微細な凹凸部を有する部品の製造
方法により製造された歯車の一実施形態を示す斜視図で
ある。この実施形態の歯車1は、上述の金属ガラス合金
の粉末が焼結されてなるものである。この歯車は、外周
に歯部(微細な凹凸部)2を有している。
【0034】次に、上記歯車1の製造例について詳しく
説明する。図2は上記歯車1を製造するために好適に用
いられる放電プラズマ焼結装置の一例の要部を示すもの
で、この例の放電プラズマ焼結装置は、筒型の成形用型
41と、この成形用型41の内部に充填された原料粉末
(粉粒体)46を押圧するための上パンチ42および下
パンチ43と、下パンチ43を支え、後述するパルス電
流を流す際の一方の電極ともなるパンチ電極44と、上
パンチ42を下側に押圧し、パルス電流を流す他方の電
極となるパンチ電極45と、上下のパンチ42、43に
挟まれた粉末原料46の温度を測定する熱電対47を主
体として構成されている。上記成形用型41の内面に
は、図3に示すように目的とする成形物の形状(この実
施形態では歯車の形状)に応じて微細な凹凸41aが形
成されている。このような放電プラズマ焼結装置の内部
で、上下のパンチ42、43と成形用型41により形成
されるキャビティの形状は、目的とする成形物の形状
(この実施形態では歯車1の形状)と略一致するもので
ある。なお、図2中、符号41bは、コアロッドであ
る。
【0035】図5に、上記放電プラズマ焼結装置の全体
構造を示す。図5に示す放電プラズマ焼結装置Aは、住
友石炭鉱業株式会社製のモデルSPS−2050と称さ
れる放電プラズマ焼結機の一種であり、図2に示す構造
を要部とするものである。図5に示す装置においては、
上部基盤51と下部基盤52を有し、上部の基盤51に
接してチャンバ53が設けられ、このチャンバ53の内
部に図2に示す構造の大部分が収納されて構成され、こ
のチャンバ53は図示略の真空排気装置および雰囲気ガ
スの供給装置に接続されていて、上下のパンチ42、4
3の間に充填される原料粉末(粉粒体)46を不活性ガ
ス雰囲気などの所望の雰囲気下に保持できるように構成
されている。なお、図2と図5では通電装置が省略され
ているが、上下のパンチ42、43およびパンチ電極4
4、45には別途設けた通電装置が接続されていてこの
通電装置から図5に示すようなパルス電流をパンチ4
2、43およびパンチ電極44、45を介して通電でき
るように構成されている。
【0036】上記構成の放電プラズマ焼結装置を用いて
金属ガラス合金からなる歯車1を製造するには、成型用
原料粉末46を用意する。この原料粉末46を作製する
には、例えば、上記組成系の金属ガラス合金の各成分の
元素単体粉末もしくは元素単体塊状物(予め一部合金化
していても良い。)を用意し、これら元素単体粉末もし
くは元素単体塊状物を混合し、次いでこの混合粉末をA
rガス等の不活性ガス雰囲気中において、るつぼ等の溶
解装置で溶解して所定組成の合金溶湯を得る。次にこの
合金溶湯を鋳型に流し込んで徐冷する鋳造法により、あ
るいは単ロールもしくは双ロールを用いる急冷法によっ
て、さらには液中紡糸法や溶液抽出法によって、あるい
は高圧ガス噴霧法によって、バルク状、リボン状、線状
体、粉末等の種々の形状として製造する工程と、粉末状
以外のものは粉砕して粉末化する工程により得られる。
【0037】次に、原料粉末46を用意したならばこれ
を図2あるいは図5に示す放電プラズマ焼結装置の上下
のパンチ42、43の間の成形用型41内に投入し、チ
ャンバ53の内部を真空引きするとともに、パンチ4
2、43で上下から圧力を加えて成形すると同時に、例
えば図4に示すようなパルス電流を原料粉末46に印加
して加熱し、成形する。この放電プラズマ焼結処理にお
いては、通電電流により原料粉末46を所定の速度で素
早く昇温することができ、また、通電電流の値に応じて
原料粉末46の温度を厳格に管理できるので、ヒータに
よる加熱などよりも遥かに正確に温度管理ができ、これ
により予め設計した通りの理想に近い条件で焼結ができ
る。
【0038】本発明において、焼結温度は、原料粉体を
固化成形するために300℃以上とすることが必要であ
るが、原料粉末として用いられる金属ガラス合金は、大
きな過冷却液体の温度間隔ΔTx(Tx−Tg)を有して
いるので、このTg〜Txの温度にて生じる粘性流動を利
用して加圧焼結することによって、高密度の焼結体を好
ましく得ることができる。また、放電プラズマ焼結装置
の機構上、モニターされる焼結温度は金型に設置されて
いる熱電対の温度であるため、粉末試料にかかる温度よ
りも低い温度である。
【0039】また、特にメタル−メタロイド系の金属ガ
ラス合金にSiを添加した場合は、結晶化開始温度Tx
が上昇し、過冷却液体の温度間隔ΔTxが増大するの
で、より熱的に安定なアモルファス材料となる。したが
って、この金属ガラス合金を粉末化し、加圧焼結を行う
ことにより、Siを含有しない原料粉末を用いた場合に
比べて、より高密度のバルク状の焼結体を得ることが可
能である。本発明において、焼結を行う際の昇温速度
は、10゜C/分以上とするのが好ましい。また、焼結
の際の圧力については、加圧力が低すぎると焼結体を形
成できないため、3t/cm2以上とするのが好まし
い。
【0040】さらに、得られた焼結体に熱処理を施して
もよく、このときの熱処理温度は、メタル−メタロイド
系金属ガラス合金を熱処理する場合、300〜500゜
Cの範囲が好ましく、より好ましくは300〜450゜
Cの範囲である。また、メタル−メタル系金属ガラス合
金を熱処理する場合、427℃(700K)〜627℃
(900K)、より好ましくは477゜C(750)〜
523゜C(800K)の範囲が好ましい。また、ハー
ド磁性系の金属ガラス合金を熱処理する場合、500〜
850℃、より好ましくは550〜750℃の範囲であ
る。なお、製造方法について付言すると、合金の組成、
そして製造のための手段と製品の大きさ、形状等によっ
て、好適な冷却速度が決まる。
【0041】この実施形態の歯車の製造方法にあって
は、上記金属ガラス合金の粉末(原料粉末)46を微細
な凹凸41aを有する成形用型41に充填し、該金属ガ
ラス合金の粉末46を結晶化開始温度近傍の焼結温度で
焼結することにより、バルク状の焼結体からなる歯車1
が得られる。上記金属ガラス合金は、過冷却液体領域の
温度間隔ΔTxが極めて広く、歯車に適用するのに十分
な厚さのバルク状の焼結体を作製でき、しかも高硬度の
焼結体を作製できる。上述の方法により得られた焼結体
からなる歯車1は、原料粉末として用いられた金属ガラ
ス合金と同じ組成を有するものであり、高硬度を示すこ
とができ、また、熱処理によって、より硬度を向上させ
ることが可能である。従って、上述の実施形態により歯
車を製造すると、極めて高性能な歯車が得られる。
【0042】図6は、本発明の微細な凹凸部を有する部
品の製造方法により製造された歯切フライスの一実施形
態を示す斜視図である。この歯切フライス3は、上述の
金属ガラス合金の粉末が焼結されてなるものである。こ
の歯切フライス3は、外周に刃部(微細な凹凸部)4を
有している。この歯切フライス3の製造方法は、放電プ
ラズマ焼結装置の成形用型として歯切フライスの形状に
応じた微細な凹凸が内面に形成されたものを用いる以外
は、上述の歯車の製造方法とほぼ同様にして製造するこ
とができる。このようにして得られた歯切スライス3
は、原料粉末として用いられた金属ガラス合金と同じ組
成を有するものであり、高硬度を示すことができ、ま
た、熱処理によって、より硬度を向上させることが可能
である。なお、歯切フライス3の刃部4は、仕上加工と
して研磨加工を施すことが好ましい。
【0043】図7は、本発明の微細な凹凸部を有する部
品の製造方法により製造された側フライスの一実施形態
を示す斜視図である。この側フライス5は、上述の金属
ガラス合金の粉末が焼結されてなるものである。この側
フライス5は、外周に刃部(微細な凹凸部)6を有して
いる。この側フライス5の製造方法は、放電プラズマ焼
結装置の成形用型として側フライスの形状に応じて内面
に微細な凹凸が内面に形成されたものを用いる以外は、
上述の歯車の製造方法とほぼ同様にして製造することが
できる。このようにして得られた側スライス5は、原料
粉末として用いられた金属ガラス合金と同じ組成を有す
るものであり、高硬度を示すことができ、また、熱処理
によって、より硬度を向上させることが可能である。な
お、側フライス5の刃部6は、仕上加工として研磨加工
を施すことが好ましい。尚、上述の実施形態では、金属
ガラス合金の粉末を放電プラズマ焼結法により金属ガラ
ス合金からなるバルク状の焼結体を作製する場合につい
て説明したが、これに限らず、押し出し法などの方法に
より加圧焼結することによってもバルク状の焼結体を得
ることができる。また、Tg〜Txの間では、本材料が著
しい粘性流動を示すため、Tg〜Txの温度に加熱し、閉
塞鍛造により成形することもできる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により、
具体的に説明する。 「実施例1」Fe、Al及びGaと、Fe-C合金、F
e-P合金及びBを原料としてそれぞれ所定量秤量し、
減圧Ar雰囲気下においてこれらの原料を高周波誘導加
熱装置で溶解し、原子組成比がFe73Al5Ga211
54のインゴットを作製した。このインゴットをるつぼ
内に入れて溶解し、るつぼのノズルから回転しているロ
ールに溶湯を吹き出して急冷する単ロール法によって、
減圧Ar雰囲気下でアモルファス単相組織からなる厚さ
35μm〜135μmの急冷薄帯を得た。ここで得られ
た急冷薄帯を示差走査熱量測定(DSC)により分析し
たところ、ΔTxが46.9゜C以上と極めて広い範囲
のものであることが分かった。さらに、得られた急冷薄
帯をローターミルを用いて大気中で粉砕することで粉末
化した。得られた粉末の中で粒径53〜105μmのも
のを選別して後の工程に原料粉末として使用した。
【0045】約2gの前記原料粉末をWC製のダイスの
内部にハンドプレスを用いて充填した後、図2に示す成
形用型41の内部に装填し、チャンバの内部を3×10
-5torrの雰囲気中で上下のパンチ42、43で加圧
するとともに、通電装置から原料粉末にパルス波を通電
して加熱した。パルス波形は図4に示すように12パル
ス流した後で2パルス休止するものとし、最高4700
〜4800Aの電流で原料粉末を加熱した。焼結は、試
料に6.5t/cm2の圧力をかけた状態で室温から焼
結温度まで試料を加熱し、約5分間保持することにより
焼結を行った。昇温速度は100℃/minとした。
【0046】図8は、Fe73Al5Ga21154なる
組成の急冷非晶質合金薄帯を粉砕して得られた原料粉末
のDSC曲線(Differential scanning caloriemeter:
示差走査熱量測定による曲線)を示すものであり、図9
は、この粉末を焼結温度430℃で放電プラズマ焼結し
て得られた焼結体のDSC曲線を示すものである。ま
た、図10は、粉砕前の急冷非晶質合金薄帯のTMA曲
線(Thermo Mechanical Analysis 曲線)を示すもので
ある。図8のDSC曲線より、原料粉末のTx=512
℃、Tg=465℃、ΔTx=47℃が求められる。この
ように結晶化温度以下の広い温度領域で過冷却液体域が
存在しΔTx=Tx−Tgで示される値が大きく、この系
の組成の合金が高いアモルファス形成能を有することが
わかる。また、図9のDSC曲線より、焼結体のTx
512℃、Tg=465℃、ΔTx=47℃が求められ
る。図8および図9の結果より、非晶質合金粉砕粉末と
焼結体とのTx、Tg、ΔTxが同じであることがわか
る。さらに、図10に示すTMA曲線では、440〜4
80℃の温度領域で温度の上昇に伴って試料が急激に伸
びていることがわかる。このことは、過冷却液体温度領
域において合金の軟化現象が起こっていることを示して
いる。このように非晶質合金が軟化する現象を利用して
固化成形すれば高密度化するために有利である。
【0047】図11は、原料粉末を焼結温度380℃、
400℃、430℃、460℃でそれぞれ放電プラズマ
焼結したときの、焼結したままの状態における焼結体の
X線回折試験結果を示す。380℃、400℃、および
430℃で焼結した試料では、いずれもハローなパター
ンとなっており、アモルファス単相組織を有しているこ
とがわかる。一方、460℃で焼結した試料では、結晶
相を示す鋭いピーク状の回折線が得られている。
【0048】図12は、放電プラズマ焼結法を用いて焼
結した際の焼結温度と、得られた焼結体の密度を示すも
のである。この図に示されるように、焼結温度の上昇に
伴って焼結体の密度は増大し、430℃以上の焼結温度
で焼結することによって、相対密度99.7%以上の高
密度の焼結体が得られている。なお、焼結時の圧力を高
くすれば、より低い温度でも高密度の成形体を得ること
が可能である。これらの結果より、Fe73Al5Ga2
1154なる組成の金属ガラス合金の粉末を用いて成形
体を作製する場合、焼結温度を430℃以下の温度範囲
(換言すれば、結晶化開始温度をTx、焼結温度をT1と
した場合、T1≦Txの範囲)とすることによって、高密
度であるとともに、焼結したままの状態においてアモル
ファス単相組織を有するものが得られることがわかる。
【0049】Fe73Al5Ga21154なる組成の金
属ガラス合金の粉末を放電プラズマ焼結法を用いて焼結
して得られた焼結体試料についてビッカース硬度を測定
したところ1250Hvを示し、極めて硬いものを提供
できることが判明した。ここでの焼結は、6.5t/c
2の圧力をかけた状態で室温から焼結温度の430゜
Cで加熱し、約5分間保持することにより焼結を行い、
また、焼結時の昇温速度は、100℃/minとした。
【0050】「実施例2」FeとCoとNiとZrの単
体純金属と純ボロン結晶をArガス雰囲気中において混
合しアーク溶解して母合金を製造した。次に、この母合
金をルツボで溶解し、アルゴンガス雰囲気中において4
0m/sで回転している銅ロールにルツボ下端の0.4
mm径のノズルから射出圧力0.39×105Paで吹き
出して急冷する単ロール法を実施することにより、幅
0.4〜1mm、厚さ13〜22μmの金属ガラス合金
薄帯の試料を製造した。得られた試料は、示差走査熱量
測定(DSC)により分析した。
【0051】図13は、各々Fe60Co3Ni7Zr10
20、Fe56Co7Ni7Zr1020、Fe49Co14Ni7
Zr1020、Fe46Co17Ni7Zr1020なる組成の
金属ガラス合金薄帯試料のDSC曲線を示す。これらの
いずれの試料においても、温度を上昇させてゆくことで
広い過冷却液体領域が存在することを確認でき、その過
冷却液体領域を超えて加熱することで結晶化することが
明らかになった。過冷却液体領域の温度間隔ΔTxは、
ΔTx=Tx−Tgの式で表されるが、図13に示すTx−
Tgの値はいずれの試料でも60Kを超え、64〜68
Kの範囲になっている。過冷却液体領域を示す実質的な
平衡状態は、発熱ピークによる結晶化を示す温度より少
し低い596℃(869K)〜632℃(905K)の
広い範囲で得られた。
【0052】図14は(Fe1-a-bCoaNib70Zr
1020なる組成系におけるΔTx(=Tx−Tg)の値に
対するFeとCoとNiのそれぞれの含量依存性を示す
三角組成図である。図14に示す結果から明らかなよう
に、(Fe1-a-bCoaNib70Zr1020な組成系の
全ての範囲においてΔTxの値は25Kを超えている。
また、ΔTxに関し、Feを多く含む組成系において大
きな値になっていることがわかり、ΔTxを60K以上
にするには、Co含有量を3原子%以上、20原子%
下、Ni含有量を3原子%以上、30原子%以下にする
ことが好ましいことがわかる。なお、(Fe1-a-bCoa
Nib70Zr1020なる組成式においてCo含有量を
3原子%以上にするには、(Fe1-a-bCoaNib)を
70原子%とするので、Coの組成比aが0.042以
上、Co含有量を20原子%以下にするには、Coの組
成比aが0.29以下となる。また、同様にNi含有量
を3原子%以上にするにNiの組成比bが0.042以
上、30原子%以下にするには、Niの組成比bは0.
43以下となる。
【0053】「実施例3」次に、上記実施例2の組成に
Nbを添加してなる金属ガラス合金についての実施例を
挙げる。FeとCoとNiとZrとNbの単体純金属と
純ボロン結晶をArガス雰囲気中において混合しアーク
溶解して母合金を製造した。次に、この母合金をルツボ
で溶解し、アルゴンガス雰囲気中において銅ロールにル
ツボ下端のノズル穴から吹き出して急冷する単ロール法
を実施することにより、種々の厚みのリボン(薄帯)を
得ることができた。ここでは銅ロールの回転速度2.6
〜41.9m/sの範囲、用いるノズルの穴径0.4m
m〜0.7mmの範囲、母合金の溶湯の射出圧力0.3
2〜0.42kgf/cm2の範囲、ノズルと銅ロール
との間のギャップ0.3〜0.45mmの範囲で調整す
ることにより、厚さ20〜195μmのリボン(薄帯)
試料を得ることができた。
【0054】図15は上記で得られたFe56Co7Ni7
Zr4Nb620なる組成の各薄帯試料のX線回折パター
ンを示すものである。この図に示すX線回折パターンに
より、板厚20〜195μmの試料にあってはいずれ
も、2θ=40〜50(deg)にハローなパターンを
有しており、アモルファス単相組織を有していることが
わかる。以上の結果から、本実施例によれば、単ロール
法により、20〜195μmまでの範囲の板厚のアモル
ファス単相組織のリボンが得られることがわかった。
【0055】図16は、Fe56Co7Ni7Zr8Nb2
20なる薄帯試料のTMA曲線(Thermo Mechanical Anal
ysis 曲線)と、DTMA曲線(Differential Thermo M
echanical Analysis 曲線)を示すものである。図16
中、曲線(ア)はTMA曲線、曲線(イ)はDTMA曲
線である。図16のDTMA曲線から885.7(K)
付近の微分値の絶対値が大きく、885.7(K)付近
で試料が伸び易く、また、TMA曲線から850〜92
0(K)の温度領域で温度の上昇に伴って試料が急激に
伸びていることがわかる。このことは、過冷却液体温度
領域において粘性流動が起こっていることを示してい
る。このように非晶質合金が軟化する現象を利用して固
化成形すれば高密度化するために有利である。
【0056】「実施例4」上記実施例2または3と同様
にして製造した金属ガラス合金薄帯試料をローターミル
を用いて大気中で粉砕することで粉末化した。得られた
粉末の中で粒径53〜105μmのものを選別して後の
工程に原料粉末として使用した。約2gの上記原料粉末
をWC製のダイスの内部にハンドプレスを用いて充填し
た後、図2に示す成形用型41の内部に装填し、チャン
バの内部を3×10-5torrの雰囲気中で上下のパン
チ42、43で加圧するとともに、通電装置から原料粉
末にパルス波を通電することにより焼結し、バルク状の
焼結体を得た。パルス波形は図4に示すように12パル
ス流した後で2パルス休止するものとし、最高4700
〜4800Aの電流で原料粉末を加熱した。ここでの焼
結条件は、試料に6.5t/cm2の圧力をかけた状態
で室温から焼結温度まで加熱し、約5分間保持すること
により行った。焼結時の昇温速度は100℃/分とし
た。
【0057】上記で得られたバルク状の焼結体のガラス
遷移温度(Tg)、結晶化開始温度(Tx)、過冷却液体
領域の温度幅(ΔTx)と、ビッカース硬度(Hv)
と、圧縮強度(σc,f)とを測定した。ここでのビッ
カース硬度は、各組成の金属ガラス合金について、直径
1mm〜10mm、長さ50mm〜100mmのピン状
の試料を作製し、ビッカース微小硬度計を使用し500
gの荷重を負荷して測定した。圧縮強度は、各組成の金
属ガラス合金について、直径2.5mm、長さ60mm
の試料を作製し圧縮強度計(インストロン社製 model
4204)を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】表1の結果から明らかなように、本発明の
組成の範囲内にある各金属ガラス合金試料は、ビッカー
ス硬度が1310〜1370が得られており、また圧縮
強度も3400〜3800MPaと非常に大きな値が得
られていることがわかる。
【0060】「実施例5」Feと、Coと、Ndと、C
r又Zrの単体純金属と純ボロン結晶をArガス雰囲気
中において混合しアーク溶解して母合金を製造した。次
に、この母合金をルツボで溶解し、60cmHgのアル
ゴンガス雰囲気中において4000r.p.mで回転し
ている銅ロールにルツボ下端の0.35〜0.45mm径
のノズルから射出圧力0.50kgf/cm2で吹き出し
て急冷する単ロール法を実施することにより、アモルフ
ァス単相組織の金属ガラス合金薄帯試料を製造した。こ
こで用いた単ロール液体急冷装置の単ロールは、その表
面が#1500で仕上げされたものであった。また、単
ロールとノズル先端とのギャップは、0.30mmであ
った。
【0061】さらに、得られた金属ガラス合金薄帯試料
をローターミルを用いて大気中で粉砕することで粉末化
した。得られた粉末の中で粒径53〜105μmのもの
を選別して後の工程に原料粉末として使用した。約2g
の上記原料粉末をWC製のダイスの内部にハンドプレス
を用いて充填した後、図2に示す成形用型41の内部に
装填し、チャンバの内部を3×10-5torrの雰囲気
中で上下のパンチ42、43で加圧するとともに、通電
装置から原料粉末にパルス波を通電することにより焼結
し、焼結体を得た。パルス波形は図4に示すように12
パルス流した後で2パルス休止するものとし、最高47
00〜4800Aの電流で原料粉末を加熱した。ここで
の焼結条件は、試料に6.5t/cm2の圧力をかけた
状態で室温から焼結温度まで加熱し、約5分間保持する
ことにより行った。焼結時の昇温速度は40℃/分
(0.67K/秒)とした。得られた試料は、X線回析
と示差走査熱量測定(DSC)により分析した。
【0062】図17は、Fe63Co7Nd10-xZrx20
(x=0,2,4,6原子%)なる組成の薄帯試料をそ
れぞれ昇温速度0.67K/秒で127〜827℃の範
囲で加熱したときのDSC曲線を求めた結果を示すもの
である。図17からFe63Co7Nd1020なる組成の金
属ガラス合金薄帯試料の場合、3つ以上の発熱ピークが
観察され結晶化は3段階以上で起こっているものと考え
られ、また、結晶化開始温度Tx以下においてガラス遷
移温度Tgは観察されないが、Zrを添加し、添加量を
増加させると、Zrの添加量が4原子%以上においてT
x以下の温度においてTgに対応すると思われる吸熱反応
が観察されることがわかる。
【0063】次に、Fe63Co7Nd6Zr420なる組
成の金属ガラス合金薄帯試料の加熱温度(K)と発熱量
との関係を調べた。その結果を図18に示す。図18
は、Fe63Co7Nd6Zr420なる組成の金属ガラス合
金薄帯試料のDSC曲線を示すものである。 また、F
63Co7Nd6Zr420なる組成の金属ガラス合金薄
帯試料の加熱温度(K)と伸び率との関係を調べた。そ
の結果を図19に示す。図19中、曲線(ロ)はFe63
Co7Nd6Zr420なる組成の金属ガラス合金薄帯試
料のTMA曲線、曲線(ハ)はDTMA曲線である。図
18〜図19から明らかなように、DSC曲線では92
0Kと960K付近に発熱ピークが認められ、DTMA
曲線から900(K)付近の微分値の絶対値が大きいこ
とから、900(K)付近で試料が伸び易く、また、T
MA曲線では850〜950(K)の温度領域で温度の
上昇に伴って試料が急激に伸びていることがわかる。こ
のことは、過冷却液体温度領域において粘性流動が起こ
っていることを示している。このように非晶質合金が軟
化する現象を利用して固化成形すれば高密度化するため
に有利である。なお、この発明は、以上の実施例によっ
て何ら限定されるものではなく、その組成、製造方法、
熱処理条件、形状等について様々な態様が可能であるこ
とは勿論である。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明の微細な凹凸
部を有する部品の製造方法にあっては、特に、ΔTx
20K以上である金属ガラス合金の粉末を微細な凹凸を
有する成形用型に充填し、該金属ガラス合金の粉末を結
晶化開始温度近傍の焼結温度で焼結することにより、バ
ルク状の焼結体からなる部品が得られる。上記金属ガラ
ス合金は、ΔTxが極めて広いので、微細な凹凸部を有
する部品に適用するのに十分な厚さのバルク状の成形物
を作製でき、しかも高硬度の成形物を作製できる。上述
の方法により得られた焼結体からなる微細な凹凸部を有
する部品は、原料粉末として用いられた金属ガラス合金
と同じ組成を有するものであり、高硬度を示すことがで
き、また、熱処理によって、より硬度を向上させること
が可能である。 従って、本発明の製造方法により微細
な凹凸部を有する部品を製造すると、極めて高性能なも
のが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の微細な凹凸部を有する部品の製造方
法により製造された歯車の実施形態を示す斜視図であ
る。
【図2】 本発明の微細な凹凸部を有する部品の製造方
法に好適に用いられる放電プラズマ焼結装置の一例の要
部構造を示す断面図である。
【図3】 図2に示す放電プラズマ焼結装置の成形用型
を示す斜視図である。
【図4】 図2に示す放電プラズマ焼結装置で原料粉末
に印加するパルス電流波形の一例を示す図である。
【図5】 本発明の微細な凹凸部を有する部品の製造方
法に好適に用いられる放電プラズマ焼結装置一例の全体
構成を示す正面図である。
【図6】 本発明の微細な凹凸部を有する部品の製造方
法により製造された歯切フライスの実施形態を示す斜視
図である。
【図7】 本発明の微細な凹凸部を有する部品の製造方
法により製造された側フライスの実施形態を示す斜視図
である。
【図8】 実施例における原料粉末のDSC曲線を示す
図である。
【図9】 実施例における焼結体のDSC曲線を示す図
である。
【図10】 実施例における急冷非晶質合金薄帯のTM
A曲線を示す図である。
【図11】 実施例において380℃〜460℃で焼結
して得られた焼結体のX線回折図形を示す図である。
【図12】 実施例において得られた焼結体の密度の焼
結温度依存性を示した図である。
【図13】 Fe60Co3Ni7Zr1020、Fe56Co
7Ni7Zr1020、Fe49Co14Ni7Zr1020、F
46Co17Ni7Zr1020なる各組成の金属ガラス合
金薄帯試料のDSC曲線を示す図である。
【図14】 (Fe1-a-bCoaNib70Zr1020
る組成系におけるΔTx(=Tx−Tg)の値に対するF
eとCoとNiのそれぞれの含有量依存性を示す三角組
成図である。
【図15】 板厚20〜195μmのFe56Co7Ni7
Zr4Nb620なる組成の薄帯試料におけるX線回折パ
ターンを示す図である。
【図16】 Fe56Co7Ni7Zr8Nb220なる組成
薄帯のTMA曲線とDTMA曲線を示す図である。
【図17】 単ロール法により製造した場合の急冷状態
のままのFe63Co7Nd10-xZrx20(x=0,2,
4,6原子%)なる組成の薄帯試料のDSC曲線を求め
た結果を示す図である。
【図18】 Fe63Co7Nd6Zr420なる組成の金
属ガラス合金薄帯試料のDSC曲線を示す図である。
【図19】 Fe63Co7Nd6Zr420なる組成の金
属ガラス合金薄帯試料のTMA曲線とDTMA曲線を示
す図である。
【符号の説明】
1・・・歯車(部品)、2・・・歯部(微細な凹凸部)、3・・
・歯切フライス(部品)、4・・・刃部(微細な凹凸部)、
41・・・成形用型、41a・・・凹凸。
フロントページの続き (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内元支倉35番地 川 内住宅11−806

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化
    開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表さ
    れる過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上である金
    属ガラス合金の粉末を微細な凹凸を有する成形用型に充
    填し、該金属ガラス合金の粉末を結晶化開始温度近傍の
    焼結温度で焼結する工程を少なくとも備えることを特徴
    とする微細な凹凸部を有する部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記金属ガラス合金は、ΔTxが35K
    以上であり、金属元素としてFeを含有してなるもので
    あることを特徴とする請求項1に記載の微細な凹凸部を
    有する部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属ガラス合金は、Fe以外の他の
    金属元素と半金属元素とを含有してなり、前記他の金属
    元素としてAl、Ga、In、Snのうちの1種または
    2種以上を含有し、前記半金属元素として、P、C、
    B、Ge、Siのうちの1種または2種以上を含有する
    ものであることを特徴とする請求項2に記載の微細な凹
    凸部を有する部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属ガラス合金の組成は、原子%で Al: 1 〜10% Ga: 0.5〜 4% P: 0 〜15% C: 2 〜 7% B: 2 〜10% Fe: 残部 であることを特徴とする請求項2又は3に記載の微細な
    凹凸部を有する部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属ガラス合金の組成は、原子%で Al: 1 〜10% Ga: 0.5〜 4% P: 0 〜15% C: 2 〜 7% B: 2 〜10% Si: 0 〜15% Fe: 残部 であることを特徴とする請求項2又は3に記載の微細な
    凹凸部を有する部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記金属ガラス合金は、Fe、Co、N
    iのうちの1種又は2種以上の元素を主成分とし、Z
    r、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのうちの1種又
    は2種以上の元素とBを含み、ΔTxが20K以上のも
    のであることを特徴とする請求項1に記載の微細な凹凸
    部を有する部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記金属ガラス合金は、ΔTxが60K
    以上であり、下記の組成式で表されるものであることを
    特徴とする請求項6に記載の微細な凹凸部を有する部品
    の製造方法。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%≦
    x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%であり、M
    はZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのうちの1
    種又は2種以上からなる元素である。
  8. 【請求項8】 前記金属ガラス合金は、ΔTxが60K
    以上であり、下記の組成式で表されるものであることを
    特徴とする請求項6に記載の微細な凹凸部を有する部品
    の製造方法。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%≦
    x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%、0原子%
    ≦z≦5原子%であり、Mは、Zr、Nb、Ta、H
    f、Mo、Ti、Vのうちの1種又は2種以上からなる
    元素、TはCr、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、
    Pt、Al、Si、Ge、C、Pのうちの1種又は2種
    以上の元素である。
  9. 【請求項9】 前記金属ガラス合金は、Feを主成分と
    し、希土類元素のうちから選択される1種又は2種以上
    の元素Rと、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、C
    r、Mo、W、Cuのうちから選択される1種又は2種
    以上の元素Aと、Bを含み、ΔTxが20K以上のもの
    であることを特徴とする請求項1記載の微細な凹凸部を
    有する部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記金属ガラス合金は、下記の組成式
    で表されるものであることを特徴とする請求項9に記載
    の微細な凹凸部を有する部品の製造方法。 Fe100-c-d-f-wcdfw 但し、EはCo、Niのうちから選択される1種または
    2種の元素であり、組成比を示すc、d、f、wは原子
    %で、2原子%≦c≦15原子%、2原子%≦d≦20
    原子%、0原子%≦f≦20原子%、10原子%≦w≦
    30原子%である。
  11. 【請求項11】 前記金属ガラス合金は、下記の組成式
    で表されるものであることを特徴とする請求項9に記載
    の微細な凹凸部を有する部品の製造方法。 Fe100-c-d-f-w-tcdfwt 但し、EはCo、Niのうちから選択される1種または
    2種の元素であり、組成比を示すc、d、f、w、tは
    原子%で、2原子%≦c≦15原子%、2原子%≦d≦
    20原子%、0原子%≦f≦20原子%、10原子%≦
    w≦30原子%、0原子%≦t≦5原子%であり、元素
    LはRu、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、S
    i、Ge、Ga、Sn、C、Pのうちから選択される1
    種又は2種以上の元素である。
  12. 【請求項12】 前記金属ガラス合金の粉末を焼結した
    後、熱処理して結晶化処理を施すことを特徴とする請求
    項1〜11のいずれかに記載の微細な凹凸部を有する部
    品の製造方法。
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