JP4666588B2 - 導体パターン形成方法および導体パターン - Google Patents

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Description

本願発明は電子部品の導体パターン形成方法およびその導体パターンを形成するための成形型に関し、特に微細導体パターンを形成するのに適した方法および成形型に関する。
近年の電子部品の小型化に伴い部品内部の導体パターンの高密度化が進んできている。このような部品では線幅および線間スペースが微細な導体パターンを形成する必要がある。また、導体の抵抗を下げるために導体パターンの膜厚を厚くすることが要求される。
電子部品の導体パターンを形成する方法としてはスクリーン印刷、凹版印刷、フォトリソグラフィー技術などによる方法がある。
しかしながら、これらの方法には種々問題がある。例えば印刷を用いたパターンの形成方法では、パターンの線幅やパターン間隔が微細な導体パターンを形成することが困難であったり、凹版印刷を用いたパターンの形成方法では凹版が磨耗したり損傷しやすいために、頻繁に新しいものに取り替えて使う必要がある。また、フォトリソグラフィー技術を利用した方法では、サイドエッチング等の問題があり厚膜を形成するには問題がある。
そのため、導体パターンに対応した凹凸を有する樹脂凹版に導電性ペーストを充填し導電パターンを形成する方法が開発されている。
例えば特開平09−330843号公報では、可撓性樹脂層の表面にレーザ加工で導体パターンに対応する凹部を形成し、その凹部に導電ペーストを充填し、さらに導電ペーストを絶縁基板へ転写して導体パターンを形成する方法が記載されている。(特許文献1)
その方法は、可撓性樹脂層の表面にレーザ加工によって導電パターンを形成し、その表面に剥離層を形成して凹版とする。この凹版に導電ペーストを充填して乾燥させる。水溶性樹脂を表面に設けた絶縁基板上にプレス加圧を利用して凹版を重ね合わせ、冷凍した後に凹版と絶縁基板とを剥離し導電パターンを転写して焼成によって導体パターンを形成するものである。
また、特開2003−68555号公報にも同様に、導体パターンに対応した凹凸を有する樹脂凹版を作製する工程と、前記樹脂凹版に導電性ペーストを充填し、前記樹脂凹版に充填された導電性ペーストのパターンをセラミック基板に転写する導体パターンの形成工程が記載されている。(特許文献2)
特開平09−330843号公報 特開2003−68555号公報
これら公報に記載された方法では、微細パターンを作成できるが、その工程数が多く非常に手間のかかるものである。特に導電ペーストを絶縁基板に転写するため、転写のための工程や凹版を分離させる為の工程が非常に煩雑である。転写するため導電パターンを固化する工程が必要であり、凹版を分離させるのに剥離層を形成する工程などが必要となってくる。
さらには導電ペーストを導体として完成させるための工程や設備が必要となりコストが高くなる。
また、転写時や凹版の分離時に導電パターンが変形して精度が低下する可能性がある。
本願発明はこれら課題を解決したもので、導体パターンを作成するにあたり、少ない工程で容易かつコストをかけずに微細導体パターンを作成することを目的とし、また、製造工程での精度低下を無くし精度良い微細導電パターンを作成することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の導体パターン形成方法は、所定のパターンに対応した凹部を有する樹脂層からなる成形型を作成する工程と、その成形型の凹部に金属ガラスを対向させる工程と、対向させた金属ガラスをそのガラス遷移温度以上で結晶化点以下の温度でかつ樹脂の耐熱温度より低い温度に加熱する工程と、加熱された金属ガラスを成形型に圧着して凹部に金属ガラスを充填させる工程と、金属ガラスを冷却する工程と、金属ガラスのうち凹部に充填された部分を残して金属ガラスを取り除く工程を有することを特徴とする導体パターン形成方法とする。
この方法は、微細成形が可能な樹脂成形型を用い、金属ガラスをガラス遷移温度以上に加熱し粘性を低下させ、その転写性を生かして金属ガラスを凹部へ充填させるものである。さらにこの方法では凹部以外の金属ガラスを取り除くことにより所定のパターンを有する導体を形成する。
ここでいう樹脂は、いわゆるポリイミド樹脂等の耐熱性のある樹脂が用いられ、その耐熱温度は金属ガラスのガラス遷移温度より高いものである。
請求項1記載の導体パターン形成方法をさらに具体的にした導体パターン形成方法を請求項2および請求項3に示す。
請求項2に示す導体パターン形成方法は、樹脂層と金属層からなるシートの樹脂層に、樹脂層側からレーザ光により金属層に達する凹部を形成して成形型を作成する工程と、その成形型の凹部に金属ガラスを対向させる工程と、対向させた金属ガラスをそのガラス遷移温度以上で結晶化点以下の温度でかつ樹脂の耐熱温度より低い温度に加熱する工程と、加熱された金属ガラスを成形型の凹部に充填させる工程と、金属ガラスを冷却する工程と、金属ガラスのうち樹脂層表面部の金属ガラスを取り除く工程とを有することを特徴とする。
ここで樹脂層の樹脂は上記のようにポリイミド樹脂あるいは同等の耐熱性のある樹脂が好適である。また、金属層は銅箔、銀箔、アルミ箔等が考えられる。このうち銅は樹脂層への付着性や放熱性等が良好である。金属層を樹脂層へ付着させる方法としては、メッキ、接着等が用いられる。
この方法には、成形型の凹部に充填させた金属ガラスを導体パターンとして分離させるため、樹脂層の表面部分の金属ガラスを研削や切削等で樹脂層が現れるまで除去する工程が含まれる。
この方法により作成された導電パターンは成形型の樹脂層をパターンの絶縁材として用いることができるので、部品の作成工程や部材の点数を削減することができる。
請求項3に示す導体パターン形成方法は、樹脂層と金属層からなるシートの樹脂層に、樹脂層側からレーザ光により金属層に達する凹部を形成して成形型を作成する工程と、その成形型の凹部に金属ガラスを対向させる工程と、対向させた金属ガラスをそのガラス遷移温度以上で結晶化点以下の温度でかつ樹脂の耐熱温度より低い温度に加熱する工程と、加熱された金属ガラスを成形型の凹部に充填させる工程と、金属ガラスを冷却する工程と、成形型と金属ガラスを分離させる工程と、金属ガラスの導体パターンが形成された側に樹脂層を形成する工程と、凹部の金属ガラスを残して樹脂を露出させるよう金属ガラスを除去する工程を有することを特徴とする。
この方法によると、導体パターンを形成する絶縁層(樹脂層)の厚みを比較的自由に設定できる。
本願発明の導電パターンを形成するのに好適な成形型は樹脂層とその樹脂層に付着された金属層からなるシートに、樹脂層表面側からレーザ光加工による凹部が形成されていることを特徴とする。
この成形型はポリイミド樹脂などの樹脂層に銅箔等の金属層がメッキ等で直接あるいは接着剤により付着されているものである。接着剤も樹脂層の一部とする。
このような成形型によれば、その基部が金属層で補強されているので、凹部として幅10μm(マイクロメートル)で深さ35μmといった深さの方が大きい溝を近接して形成しても、溝と溝との間の薄い壁の変形がほとんどみられない。そのため高アスペクト比の導体パターンを形成できる。
また、凹部を金属層に達するまで形成すると、レーザ光による金属の除去がないため、導体パターンの高さ寸法を精度良くできる。
本発明の方法および成形型で形成された導体パターンは請求項記載のように、所定のパターンに対応した凹部を有する樹脂製成形型に、金属ガラスをそのガラス遷移温度以上で結晶化点以下の温度でかつ樹脂の耐熱温度より低い温度で加熱し、加熱された金属ガラスを成形型に圧着して凹部に金属ガラスを充填させ、冷却した金属ガラスのうち凹部に充填された部分を残して金属ガラスを取り除き形成された導体パターンとなる。
上述の本願発明によれば、金属ガラスを用いて微細パターンを効率よく、また精度良く形成することができる。
すなわち、樹脂層に形成した凹部を有する成形型は微細加工二夜凹部形成が可能なため、微細導電パターンを形成する成形型に用いて好適であり、微細な導電パターンを形成するのに金属ガラスを用いると、その優れた転写性から微細加工された成形型による導電パターンの形成ができる。
その工程は導電ペーストを用いる導電パターン形成と比較し、効率的でその形成装置も簡素なものとでき部品のコストを下げることが可能となる。
また、成形型は強度が強く構成され、耐熱温度以下で使用されるため導電パターンの形状が充填される金属ガラスに精度良く転写される。そして、充填された金属ガラスも冷却されることで固化されるため、その後の加工工程で形状が変わることがない。よって非常に精度良く微細な導体パターンが形成できるようになる。
本願発明の導体パターン成形型、その成形型を用いた導体パターン形成方法 およびその導体パターンを用いた電子部品について説明する。
この電子部品は次の工程により造られる。
工程1.エキシマレーザによる成形型加工のためのマスクを作成する工程。
工程2.マスクを用いてエキシマレーザにより成形型を作成する工程。
工程3.成形型に金属ガラスを加熱圧着し導体パターンを形成する工程。
工程4−1.成形型と金属ガラスが一体となったものから不要部を取り除く工程。
工程4−2.成形型と金属ガラスを分離して金属ガラスのパターン面に樹脂層を形成し、不要部を取り除く工程。
上記工程で、工程1から3は共通の工程で、工程4において電子部品を形成する工程が工程4−1と工程4−2に分かれる。
図1により、工程1.エキシマレーザを用いたアブレーション加工による成形型加工のためのマスク10を作成する工程を説明する。
所定の矩形に切り出した石英ガラス製の透明基材11の表面にスパッタリングによりクロムを付着させ、クロムによる遮光層12を形成する。(図1(イ)〜(ロ))
次に遮光層12表面にポジ型フォトレジストを塗布し感光層13を形成する。(図1(ハ))
所定の導体パターン形状のレーザ光を透過させるため、遮光層12のうち導体パターン部12aを除去する。そのため、導体パターン部の形状でフォトマスク14により感光層13を露光し現像を行う。その後リンス液にて現像液を洗い流し、パターン形状部分の遮光層12を露出させる。(図1(ニ)〜(ホ))
遮光層12のエッチングを行い、レーザ光を透過させる部分の導体パターン部12aを除去する。そして、最後に残ったレジストを除去し所定導体パターンの形状の透過部11aを有するマスク10ができる。(図1(ヘ)〜(ト))
このようなマスク10を作成する技術は半導体等の薄膜形成に用いられる技術としてよく知られており、上記以外の方法で作成してもよい。このようなマスクは、例えば膜作製技術でエッチング法あるいはリフトオフ法として知られている技術で作成される。
このマスク10は作成しようとする所定の導体パターン形状の10倍の大きさで作成する。それは、後述の照射装置において1/10縮小プロジェクションレンズを用いるためである。この倍率については作成しようとする導体パターンやその精度に応じて適宜決定する。また、透明基材11や遮光層12についても上記材料に限定されることはない。
図2および図3により、工程2.マスクを使用してエキシマレーザにより成形型を作成する工程を説明する。
図2は成形型を作成する装置を示し、図3に成形型作成工程を示す。
成形型作成装置20は、いわゆるエキシマレーザといわれるレーザ光発生装置21と、レーザ光発生装置21から発射されるレーザ光Lを、マスク10を透過させて被加工物である型シート33に照射させる照射装置22および型シート33を精度よく固定する取り付け台23で構成されている。
エキシマレーザは気体レーザの一種で紫外線領域の非常に短い波長の光で、光子のエネルギが高いのが特徴で、いわゆるアブレーション加工によく用いられている。本実施の形態では波長248nm(ナノメートル)のレーザ光を用いている。
レーザ光発生装置21から照射されたレーザ光Lは照射装置22に設けられた出力調整装置221を経由してマスク10を透過する。マスク10を透過して照射装置22から発射されるレーザ光L1はデリバリミラー222を介して所定の導体パターンで型シート33に照射されることになる。
この照射装置22には1/10縮小プロジェクションレンズ223が取り付けられている。所定の導体パターンの10倍の大きさで作成されたマスクの透過部11aを透過したレーザ光L1は、1/10縮小プロジェクションレンズ223により1/10に縮小されたレーザ光L2となり実際の大きさで型シート33に照射されることになる。
型シート33は加工されて成形型30となるもので、図3(イ)に示すように、ポリイミドの樹脂層31の一面に銅を無電解メッキで付着させた金属層32で形成され、2層構造となっている。このポリイミドと銅が2層となった材料は、いわゆるフレキシブル基板(FPC)の材料として知られており、ポリイミドと銅を層状にするには接着や圧延で密着したものもある。本実施の形態の説明では接着層を用いない構成の型シート33について説明するが、金属層が接着剤などで樹脂層に付着される場合は接着層と樹脂層をあわせて樹脂層とする。
それぞれの層の厚みは、樹脂層31が25〜50μm(マイクロメートル)程度、金属層32も同様に25〜50μm程度のものが入手容易である。本実施の形態では一例として厚みがそれぞれ35μm程度のものを用いる。
また、フレキシブル基板では樹脂層はポリイミドに限らないが、この実施の形態ではその耐熱温度の関係からポリイミドを用いることとする。ポリイミドの耐熱温度は300℃のものが知られており、250℃前後でもその特性がほとんど変化しない。ポリイミド以外の樹脂層を用いる場合でも、後述する温度条件を備えていれば用いることができる。
また、金属層32を銅以外の金属(例えば銀やアルミ、ニッケル等)で形成することもできる。この中で銅は放熱性に優れ比較的融点が高く、汎用性があり比較的安価で入手容易といった利点がある。
取り付け台23に固定された型シート33に、マスク10により所定の導体パターン形状とされ、1/10縮小プロジェクションレンズ223により縮小されたレーザ光L2が照射されると、アブレーションによりレーザ光L2が照射された部分のポリイミドが昇華除去される。エキシマレーザ光による昇華除去のためポリイミドは加熱溶融することがない。
このときレーザ光Lのエネルギ量が大きいと、余分なところまでポリイミドが昇華除去され、形状精度が悪くなる。そのためエネルギ量を適度にして複数回に分けてレーザ光Lを照射するが、本例ではエネルギ量が180mJ(マイクロジュール)で150回程度の照射により金属層32まで達する溝状の凹部31aを形成している。(図3(ロ)〜(ハ))このレーザ光L2では金属層32を除去することがないため、深さが一定の凹部31aを形成することができる。
ここで、型シート33を樹脂層31に対して無電解メッキで直接付着させたものを用いると、金属層32との密着性が良いため樹脂層31の強度を強くでき、また接着層がないため凹部31aの深さのばらつきも少なくできる。
さらに、凹部31aを形成する際加熱されることがないので熱による変形がなく、エネルギ量を適切にすれば非常に加工精度がよくなる。そのため複数の凹部を並べて形成するときでもより近接させて形成することができる。
このように形成された溝は幅が10μm程度に加工することが可能で、その深さはポリイミドの厚さであり、本例の場合は35μmである。すなわち、このように加工された成形型30では、後述の工程と合わせて幅が10μmで厚みが35μmの断面を有する導体パターンを形成することが可能となる。
図4(イ)は電子部品として微細形状のインダクタ素子を作成する場合の成形型30の斜視図を示す。この成形型30には所定の導体パターンとしてコイル40のパターンが形成されている。コイルパターン40の一端側は第一電極部41と連続し、他端側は接続端子部42を形成している。そして、コイルを挟んで第一電極部41と反対側には第二電極部43が独立して形成されている。
成形型30の材料として耐熱性のある樹脂と金属の2層の型シートを用い、上記の工程により加工すれば、高いアスペクト比のパターンを非常に近接して形成可能な成形型30が得られることになる。
また、この成形型30は部品作成の効率化から、同一形状のものが複数同一平面上に並べられて形成される。本実施の形態では、その一例として2.4mm(ミリメートル)の矩形状エリアに縦3列、横5列の成形型30を並べている。その状態を図4(ロ)に示す。
図5により、工程3.成形型に金属ガラスを加熱圧着し導体パターンを形成する工程を説明する。これは、上述の工程により形成された成形型を用いて、金属ガラスにより所定の導体パターンを形成する工程である。図では金属ガラス部分をハッチングで示す。
まず、成形型30と金属ガラス板50をプレス装置Pに装着する。このとき金属ガラス50は凹部31aに対向する。(図5(イ))
金属ガラス板50は大きさが成形型30に対応させた厚み100μmの金属ガラス製平板である。金属ガラスはアモルファス合金の一種で特定の温度領域(過冷却液体温度域)において超塑性的な挙動を示すもので、Zr基(ジルコニア系)アモルファス合金、La基(ランタン系)アモルファス合金、Pd基(パラジウム系)アモルファス合金などがある。
これらアモルファス合金はガラス遷移温度(Tg点)が結晶化点(Tx点)より低温側で、明確な過冷却液体温度域ΔTx(Tx−Tg)が存在する。そして過冷却液体温度域では粘性が低くなり優れた微細成形特性を有することが知られている。本実施の形態で用いられる金属ガラスはその一例としてガラス遷移温度Tgが228.84℃、結晶化点Txが314.54℃のものを用いる。
金属ガラス50をそのガラス遷移温度Tg以上で結晶化点Tx以下に加熱する(本実施の形態では274.84℃)。また、加熱しながら金属ガラス板50と成形型30をプレス装置で加圧する。金属ガラス板50がガラス遷移温度Tg以上になると金属ガラスが成形型30の凹部31aに入り込み(図5(ロ))成形時間約300秒で成形が完了する(図5(ハ))。このときの加圧応力は10MPa(メガパスカル)である。
加熱および加圧が終了した後冷却すると、成形型30と金属ガラス板50は一体化され、金属層32,一層になった樹脂層31と導体パターン部51、導体パターン部51と同体の金属ガラス板基部層52からなる3層構造の中間部品60が形成される。
前述のように、成形型30の凹部31aはその幅が10μmで深さは樹脂層31の厚みである35μmとなっている。このように深い溝でも金属ガラスではガラス遷移温度以上では粘性が非常に低く転写性が良好で、気泡等が発生せず金属ガラスと樹脂層31および凹部31aが密着した状態となる。
また、本実施の形態における加熱温度(274℃)では樹脂層31の耐熱温度範囲以内であり、加熱および圧着による変形がないため、金属ガラスで形成される所定の導体パターンが確実に形成できる。さらに、金属層32が無電解メッキの銅などで形成されている場合、凹部31aが近接して凹部31a間の絶縁壁31bが薄いものでも、樹脂層31と金属層32の密着度が高くその基となる部分の強度が高いことから、加圧時の絶縁壁31bの変形を極めて少なくできる。
図6により、工程4−1.成形型と金属ガラスが一体となったものから不要部を取り除く工程を説明する。
まず、成形型30に金属ガラス板50が一体となった板状の中間部品60を、基部層52が上となるよう台に取り付ける。このとき台に対しては磁力で吸着させたり真空ポンプで吸引する等の方法がある。
つぎに工具Tにより基部層52を研削あるいは切削で中間部品60から取り除く。このとき、それぞれの導体パターン部51が電気的に分離されるよう樹脂層31が現れるまで基部層52を取り除く。(図5(イ)〜(ロ))
基部層52を取り除いたあとには代わりに新たに基部層35を形成する。この基部層35は最初に形成されている樹脂層31と同様のポリイミドのシートを接着すればよい。また、そのほかにも絶縁セラミック基板等を用いることもできる。
基部層35を形成した後、金属層32をエッチング処理で全て取り除く。このときも基部層52の除去と同じように樹脂層31が現れるよう取り除き、導電パターン部51が電気的に分離されるようにする。このようにして第二中間部品61が形成される。第二中間部品61の下面側には導電パターン部51が露出される。露出された導電パターン部51には必要に応じて薄膜形成により絶縁膜や追加のパターンを形成する。
以上のようにすれば、導体パターン部51を成形型30から分離させることなく中間部品61を作成できるので、精度の良い微細パターンが容易にできることになる。
図4および図7により工程1から4−1により形成された中間部品を用いて作成されたインダクタンス素子を説明する。図7は図4における接断線A−Aの位置での側面図である。図7(イ)には第二中間部品61を用いたインダクタ素子70を示し、図7(ロ)に他の実施の形態である第二中間部品62を用いたインダクタンス素子71を示す。
インダクタンス素子70を形成するには次のようにする。
まず中間部品60の金属ガラスの導体部51が露出した面に絶縁層34をコートし、第一電極部41、第二電極部43および接続端子部42の部分が露出するよう絶縁層34を除去する。そして、さらに全面に金属膜をスパッタリング等で製膜し接続端子部5cを除いてエッチング等で金属膜を除去する。このようにしてインダクタンス素子70ができることになる。
他の実施の形態としてインダクタンス素子71を形成するには次のようにする。
このインダクタンス素子71に用いる中間部品62は、樹脂層31に設ける凹部のうち第一電極部41、接続端子部42、第二電極部43のみ金属層32に達する凹部31aとし、コイル40については凹部31aより浅く金属層32に達しない凹部31cを形成する。これは、第一電極部41、接続端子部42、第二電極部43のみレーザ光透過部を形成したマスクをさらに用いることで可能である。
第一電極部41、接続端子部42および第二電極部43は金属層32まで達している凹部31aに金属ガラスが充填されていることから、樹脂層31から露出している。一方コイル40の部分は樹脂層31と基部層35で覆われているため外部から絶縁されている。
接続端子部42と第二電極部43を電気的に接続するリードパターン5を樹脂層31の表面にスパッタリング等で形成する。
図7からわかるように、このインダクタ素子70、71を形成するには樹脂層31がすでに部品の一部となっているため(イ)に示すインダクタンス素子70では絶縁層、金属層を形成すれば良く、インダクタ素子71では表面にリードパターンを形成するだけで、コイル40部分の絶縁等の工程が必要でなく、簡単な工程によりインダクタンス素子を作成できる。
上述の工程を経た型シート33には複数の電子部品が構成されているので、それぞれを切り離すことで電子部品、例えばインダクタンス素子70が完成する。
図8により、工程4−2.成形型と金属ガラスを分離して金属ガラスのパターン面に樹脂層を形成し、不要部を取り除く工程を説明する。
まず工程1〜3により形成された中間部品60から金属ガラス部分を分離する。金属ガラス部分は導体パターン部51と基部層52が一体となって形成されており、樹脂層31から機械的に剥がすよう分離させることができる。また、金属ガラスは展性が非常に高く復元性が良いため、剥がす際変形させてもまた元の形状に戻ることができる。(図8(イ)〜(ハ))
また、成形型も可撓性があるため導体パターン部51と樹脂層31を剥がすのが容易である。成形型は金属層32で連続しているため強度も高く、剥がす際に破損してしまうことも無いため分離作業が破損のため中断てしまうことがない。
次に成形された金属ガラス板50の導体パターン51側に絶縁層63を形成する。(図8(ニ))
この絶縁層63は例えば光硬化性のエポキシ樹脂を塗布して硬化させたり、樹脂シートを熱圧着させて形成できるる。熱圧着の場合はガラス遷移温度以下の温度で軟化する樹脂を用いる。
このようにしてできた中間部品66を台に固定し、図6(イ)の工程と同様工具Tで研削あるいは切削で基部層52を除去する。この場合も樹脂である絶縁層63が露出するまで基部層52を除去する。
露出された導電パターン部51には必要に応じて薄膜形成により絶縁膜や追加のパターンを形成する(図示せず)。
そのようにして完成した中間部品66には複数の電子部品が構成されているので、それぞれを切り離すことで微細な導電パターンを有する電子部品が完成する。
図8による電子部品においても図7で説明したように導体パターンの一部を他の部分に比べてその高さを高くし、その他格下部分を厚み方向の接続部として積層することが可能である。
上記実施の形態では金属ガラスの遷移温度Tgが228.84℃のものを例示したが、例えば遷移温度Tgを280℃程度のものを用いると、電子部品としてリフロー半田付けに対応することができる。この際圧着時の加熱温度を280℃〜290℃程度に設定すればポリイミド樹脂が変形することもなく良好な加工性を保つことができる。
成形型の材料として一例に挙げたフレキシブル基板の素材はリフロー半田付けに対応したものが多く、導体の材料である金属ガラスの遷移温度Tgがリフロー半田付け温度より若干高いものを用いることで、作成された電子部品としてもリフロー対応とすることができる。
エキシマレーザを用いたアブレーション加工用マスクを作成する工程を説明すいた図である。 マスクを使用してエキシマレーザにより成形型を作成する工程で、成形型を作成する装置を示す。 マスクを使用してエキシマレーザにより成形型を作成する工程で、成形型を作成する工程を示す。 図4(イ)は電子部品として微細形状のインダクタ素子を作成する場合の成形型の斜視図を示し、図4(ロ)はその成形型が集合して形成された状態を示す。 成形型に金属ガラスを加熱圧着し導体パターンを形成する工程を示す。 成形型と金属ガラスが一体となったものから不要部を取り除く工程を示す。 図6で形成された中間部品から作成されたインダクタンス素子を示しす。 成形型と金属ガラスを剥離して金属ガラスのパターン面に樹脂層を形成し、不要部を取り除く工程を示す。
符号の説明
30 成形型
31 樹脂層
31a 凹部
32 金属層
50 金属ガラス
51 導体パターン部

Claims (4)

  1. 所定のパターンに対応した凹部を有する樹脂からなる成形型を作成する工程と、その成形型の凹部に金属ガラスを対向させる工程と、対向させた金属ガラスをそのガラス遷移温度以上で結晶化点以下の温度でかつ樹脂の耐熱温度より低い温度に加熱する工程と、加熱された金属ガラスを成形型に圧着して凹部に金属ガラスを充填させる工程と、金属ガラスを冷却する工程と、金属ガラスのうち凹部に充填された部分を残して金属ガラスを取り除く工程を有することを特徴とする導体パターン形成方法。
  2. 樹脂層と金属層からなるシートの樹脂層に、樹脂層側からレーザ光により金属層に達する凹部を形成して成形型を作成する工程と、その成形型の凹部に金属ガラスを対向させる工程と、対向させた金属ガラスをそのガラス遷移温度以上で結晶化点以下の温度でかつ樹脂層の耐熱温度より低い温度で加熱する工程と、加熱された金属ガラスを成形型の凹部に充填する工程と、金属ガラスを冷却する工程と、金属ガラスのうち樹脂層表面部の金属ガラスを取り除く工程を有することを特徴とする導体パターン形成方法。
  3. 樹脂層と金属層からなるシートの樹脂層に、樹脂層側からレーザ光により金属層に達する凹部を形成して成形型を作成する工程と、その成形型の凹部に金属ガラスを対向させる工程と、対向させた金属ガラスをそのガラス遷移温度以上で結晶化点以下の温度でかつ樹脂層の耐熱温度より低い温度で加熱する工程と、加熱された金属ガラスを成形型の凹部に充填する工程と、金属ガラスを冷却する工程と、成形型と金属ガラスを分離させる工程と、金属ガラスの導体パターンが形成された側に樹脂層を形成する工程と、凹部の金属ガラスを残して樹脂を露出させるよう金属ガラスを除去する工程を有することを特徴とする導体パターン形成方法。
  4. 所定のパターンに対応した凹部を有する樹脂製成形型に、金属ガラスをそのガラス遷移温度以上で結晶化点以下の温度でかつ樹脂の耐熱温度より低い温度に加熱し、加熱された金属ガラスを成形型に圧着して凹部に金属ガラスを充填させ、冷却した金属ガラスのうち凹部に充填された部分を残して金属ガラスを取り除き形成された導体パターン。
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