JPH1173608A - インダクティブ形ヘッド - Google Patents

インダクティブ形ヘッド

Info

Publication number
JPH1173608A
JPH1173608A JP23528297A JP23528297A JPH1173608A JP H1173608 A JPH1173608 A JP H1173608A JP 23528297 A JP23528297 A JP 23528297A JP 23528297 A JP23528297 A JP 23528297A JP H1173608 A JPH1173608 A JP H1173608A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metallic glass
soft magnetic
glass alloy
alloy
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP23528297A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisato Koshiba
寿人 小柴
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
Akihisa Inoue
明久 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP23528297A priority Critical patent/JPH1173608A/ja
Publication of JPH1173608A publication Critical patent/JPH1173608A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 室温で軟磁性を有し、従来の液体急冷法で得
られるアモルファス合金薄帯よりも厚く、バルク状のも
のが容易に得られる金属ガラス合金をコアに適用したイ
ンダクティブ形ヘッドの提供。 【解決手段】 Fe、Co、Niのうちの1種又は2種
以上の元素を主成分とし、Zr、Nb、Ta、Hf、M
o、Ti、Vのうちの1種又は2種以上の元素とBを含
み、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは、結晶化開始温度、
Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される過冷却
液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上である軟磁性金
属ガラス合金の粉末を焼結してなるバルク型コア12を
有するインダクティブ形ヘッド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気カードやビデ
オテープ等の記録再生などに使用されるインダクティブ
形ヘッドに係わり、特に、室温で軟磁性を有し、バルク
状のものが容易に得られる金属ガラス合金からなるコア
を有するインダクティブ形ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から多元素合金のある種のものは、
結晶化の前の過冷却液体の状態においてある広い過冷却
液体領域を有し、これらは、金属ガラス合金(glassy a
lloy)を構成するものとして知られている。そして、こ
の種の金属ガラス合金は、従来公知の液体急冷法で製造
したアモルファス磁性合金の薄帯に比べてはるかに厚い
バルク状の合金となることも知られている。例えば従
来、このような金属ガラス合金として、Ln-Al-T
M、Mg-Ln-TM、Zr-Al-TM、Hf-Al-T
M、Ti-Zr-Be-TM(ただしLnは希土類元素、
TMは遷移金属を示す。)系等の組成のものが知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来知
られているアモルファス磁性合金にあっては、十分な厚
みを有するバルク状体の提供が困難であるためインダク
ティブ形ヘッドのバルク型コアに適用するのが困難であ
り、また、薄い磁性材料を複数枚積層するラミネート型
コアに適用する場合、従来のアモルファス磁性合金薄帯
の厚みが薄いためにラミネート型コアの製造が困難であ
った。また、従来の金属ガラス合金はいずれも、室温に
おいて磁性を持つことはなく、この点においてインダク
ティブ形ヘッドのコア用磁性材料として見た場合に工業
的には大きな制約があった。従って、従来より室温で強
磁性を有し、厚いバルク状のものを得ることができる金
属ガラス合金の研究開発が進められていた。
【0004】ここで各種の組成の合金において、過冷却
液体状態を示すとしても、これらの過冷却液体の温度間
隔ΔTx、即ち、結晶化開始温度(Tx)と、ガラス遷移
温度(Tg)との差、即ち、(Tx−Tg)の値は一般に
小さく、現実的には、金属ガラス形成能に乏しく、実用
性のないものであることを考慮すると、前記の通りの広
い過冷却液体の温度領域を持ち、冷却によって金属ガラ
スを構成することのできる合金の存在は、従来公知のア
モルファス合金の薄帯としての厚さの制約を克服可能な
ことから、冶金学的には大いに注目されるものである。
しかし、工業材料として発展できるか否かは、室温で強
磁性を示す金属ガラス合金の発見が鍵となっている。
【0005】本発明は前記の背景に鑑み、室温で軟磁性
を有し、従来の液体急冷法で得られるアモルファス合金
薄帯よりも厚く、バルク状のものが容易に得られる金属
ガラス合金をコアに適用したインダクティブ形ヘッドの
提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のインダクティブ
形ヘッドは、Fe、Co、Niのうちの1種又は2種以
上の元素を主成分とし、Zr、Nb、Ta、Hf、M
o、Ti、Vのうちの1種又は2種以上の元素とBを含
み、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは、結晶化開始温度、
Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される過冷却
液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上である軟磁性金
属ガラス合金からなるコアを有することを特徴とする。
本発明において、前記コアは、前記軟磁性金属ガラス合
金の薄帯から形成されたコア薄片を積層してなるラミネ
ート型コアであってもよい。また、前記コアは、前記軟
磁性金属ガラス合金の粉末を焼結してなるバルク型コア
であってもよい。
【0007】本発明において、前記軟磁性金属ガラス合
金は、ΔTxが60K以上であり、下記の組成式で表さ
れることを特徴とするするものでも良い。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%≦
x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%であり、M
はZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのうちの1
種又は2種以上からなる元素である。あるいは、前記
軟磁性金属ガラス合金は、ΔTxが60K以上であり、
下記の組成式で表されることを特徴とするものでも良
い。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%≦
x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%、0原子%
≦z≦5原子%であり、Mは、Zr、Nb、Ta、H
f、Mo、Ti、Vのうちの1種又は2種以上からなる
元素、TはCr、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、
Pt、Al、Si、Ge、C、Pのうちの1種又は2種
以上の元素である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。まず、本発明に用いられる軟磁性金属ガラ
ス合金について説明する。本発明に用いられる軟磁性金
属ガラス合金の1つは、Fe、Co、Niのうちの1種
又は2種以上を主成分とし、これにZr、Nb、Ta、
Hf、Mo、Ti、Vのうちの1種または2種以上とB
を所定量添加した成分系で実現される。本発明に係る軟
磁性金属ガラス合金の1つは、一般式においては、 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy で表記することができ、この一般式において、0≦a≦
0.29、0≦b≦0.43、5原子%≦x≦20原子
%、10原子%≦y≦22原子%なる関係が好ましく、
MはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのうちの
1種又は2種以上からなる元素である。更に前記の成分
系において、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは、結晶化開
始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表され
る過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上である
ことを必要とする。前記の組成系において、Zrを必ず
含み、ΔTxが25K以上であることが好しい。また、
前記の組成系において、ΔTxが60K以上であること
がより好ましい。 更に、前記(Fe1-a-bCoa
b100-x-yxyなる組成式において0.02≦a≦
0.29、0.042≦b≦0.43の関係にされてなる
ことが好ましい。
【0009】次に本発明に用いられる他の軟磁性金属ガ
ラス合金は、一般式においては、(Fe1-a-bCoaNi
b100-x-y-zxyzで表記され、この一般式におい
て、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%≦x
≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%、0原子%
≦z≦5原子%であり、MはZr、Nb、Ta、Hf、
o、Ti、Vのうちの1種又は2種以上からなる元素、
TはCr、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、
Al、Si、Ge、C、Pのうちの1種又は2種以上の
元素である。また、本発明に用いられる軟磁性金属ガラ
ス合金は、前記(Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zx
yzなる組成式において0.042≦a≦0.29、
0.042≦b≦0.43の関係にされてなるものでも良
い。
【0010】次に、前記元素Mが(M'1-cM''c)で表
され、M'はZrまたはHfのうち1種または2種、
M''はNb、Ta、Mo、Ti、Vのうちの1種または
2種以上からなる元素であり、0≦c≦0.6であこと
を特徴とするものでも良い。更に、前記組成においてc
が0.2≦c≦0.4の範囲であることを特徴とするもの
でも良く、前記cが0≦c≦0.2の範囲であることを
特徴としても良い。更に本発明において、前記組成比を
示すa、bが、0.042≦a≦0.25、0.042≦
b≦0.1の範囲であることを特徴としても良い。本発
明において、前記軟磁性金属ガラス合金に427℃(7
00K)〜627℃(900K)で熱処理が施されてな
ることを特徴とするものでも良い。この範囲の温度で熱
処理がなされたものは、高い透磁率を示す。なお、加熱
後の冷却時に急冷すると、結晶相が析出してアモルファ
ス化できないので、熱処理後の冷却速度はできるだけ遅
いものとする必要があり、加熱後に徐冷するか焼き鈍し
するなどの処理が好ましい。また、前記の組成において
原子Bの50%以下をCで置換しても良い。
【0011】「組成限定理由」本発明に用いられる軟磁
性金属ガラス合金の組成系において、主成分であるFe
とCoとNiは、磁性を担う元素であり、高い飽和磁束
密度と優れた軟磁気特性を得るために重要である。ま
た、Feを多く含む成分系においてΔTxが大きくなり
易く、Feを多く含む成分系にいてCo含有量とNi含
有量を適正な値とすることで、ΔTxの値を60K以上
することができる。具体的には、50K〜60KのΔT
xを確実に得るためには、Coの組成比を示すaの値を
0≦a≦0.29、Niの組成比を示すbの値を0≦b
≦0.43の範囲、60K以上のΔTxを確実に得るため
には、Coの組成比を示すaの値を0.042≦a≦0.
29、Niの組成比を示すbの値を0.042≦b≦0.
43の範囲とすることが好ましい。また、前記の範囲内
において、良好な軟磁気特性を得るためには、Coの組
成比を示すaの値を0.042≦a≦0.25の範囲とす
ることが好ましく、高い飽和磁束密度を得るためには、
Niの組成比を示すbの値を0.042≦b≦0.1の範
囲とすることがより好ましい。
【0012】MはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、T
i、Vのうちの1種又は2種以上からなる元素である。
これらはアモルファスを生成させるために有効な元素で
あり、5原子%以上、20原子%以下の範囲であると良
い。更に、高い磁気特性を得るためには、より好ましく
は5原子%以上、15原子%以下にすると良い。これら
元素Mのうち、特にZrが有効である。Zrは、その一
部をNb等の元素と置換することができるが、置換する
場合の組成比cは、0≦c≦0.6の範囲である高いΔ
Txを得ることができるが、特にΔTxを80以上とする
には0.2≦c≦.4の範囲が 好ましい。
【0013】Bは、高いアモルファス形成能があり、本
発明では10原子%以上、22原子%以下の範囲で添加
する。この範囲を外れると、Bが10原子%未満である
と、ΔTx が消滅するために好ましくなく、22原子%
よりも大きくなるとアモルファスが形成できなくなるた
めに好ましくない。より高いアモルファス形成能と良好
な磁気特性を得るためには、16原子%以上、20原子
%以下とすることがより好ましい。
【0014】前記の組成系に更に、Tで示される、C
r、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、
Si、Ge、C、Pのうちの1種又は2種以上の元素を
添加することもできる。本発明ではこれらの元素を0原
子%以上、5原子%以下の範囲で添加することができ
る。これらの元素は主に耐食性を向上させる目的で添加
するもので、この範囲を外れると、軟磁気特性が低下す
る。また、この範囲を外れるとアモルファス形成能が劣
化するために好ましくない。
【0015】前記組成系の軟磁性金属ガラス合金材を製
造するには、例えば、各成分の元素単体粉末を用意し、
前記組成範囲になるようにこれらの元素単体粉末を混合
し、次いでこの混合粉末をArガス等の不活性ガス雰囲
気中において、るつぼ等の溶解装置で溶解して所定組成
の合金溶湯を調整してから鋳造法により、あるいは単ロ
ールもしくは双ロールによる急冷法によって、さらには
液中紡糸法や溶液抽出法によって、あるいは高圧ガス噴
霧法によって、バルク状、リボン状(薄帯状)、線状
体、粉末等の種々の形状として製造され、また、特に、
バルク状のものを製造する場合は、粉末状にしたものを
放電プラズマ焼結法により焼結する方法が好適に用いら
れる。これらの製造方法によって、従来公知のアモルフ
ァス合金の場合に比べて10倍以上の厚さと径の大きさ
の軟磁性金属ガラス合金の製造が可能である。
【0016】これらの方法により得られた前記の組成の
軟磁性金属ガラス合金は、室温において磁性を有し、ま
た、上述の熱処理により、より良好な磁性を示す。この
ため、優れたSoft magnetic特性(軟磁気特性)を有す
る材料としてインダクティブ形ヘッドのコア用磁性材料
として有用なものとなる。なお、製造方法について付言
すると、合金の組成、そして製造のための手段と製品の
大きさ、形状等によって、好適な冷却速度が決まるが、
通常は102〜106K/s程度の範囲を目安とすること
ができる。
【0017】次に、図面を参照して本発明のインダクテ
ィブ形ヘッドの実施の形態について説明する。図1は、
本発明のインダクティブ形ヘッドの第一の実施形態を示
す斜視図である。この第一の実施形態のインダクティブ
形ヘッドは、各種構成部材を所定位置に固定するために
対称的に分割されたホールドケース1,1を有する。こ
のホールドケース1,1は、一方の面が磁気テープと対
向して円滑な摺接動作を達成しえるように湾曲した摺接
面1a,1aを有し、これら摺接面1a,1aの対向する端部
には、ラミネート型コア2,2が対称的に配設されてい
る。
【0018】このラミネート型コア2は、図2に示すよ
うに、上述の軟磁性金属ガラス合金からなる薄帯を打ち
抜いて形成した略コ字状のコア薄片3を複数枚積層して
なるもので、これらラミネート型コア2を一対突き合わ
せて、突き合わせ面に磁気ギャップ6を形成している。
さらに、これらラミネート型コア2には、図1に示すよ
うに、コイル4が巻回され、磁気ギャップ6には、ギャ
ップ板5が介在されて、インダクティブ形ヘッドが概略
構成される。
【0019】次に、上記ラミネート型コア2の製造例に
ついて詳しく説明する。まず、上記組成系の軟磁性金属
ガラス合金の各成分の元素単体粉末もしくは元素単体塊
状物(予め一部合金化していても良い。)を用意し、こ
れら元素単体粉末もしくは元素単体塊状物を混合し、次
いでこの混合粉末をArガス等の不活性ガス雰囲気中に
おいて、るつぼ等の溶解装置で溶解して所定組成の合金
溶湯を得る。ついで、この合金溶湯を鋳型に流し込んで
徐冷する鋳造法により、あるいは単ロールもしくは双ロ
ールを用いる急冷法によって厚さ20〜2000μm程
度の軟磁性金属ガラス合金薄帯を形成する。ついで、こ
の軟磁性金属ガラス合金薄帯をプレス工程およびバレル
研削工程を経ることでコア薄片3を作製する。ついで、
薄片単品のまま427℃(700K)〜627℃(90
0K)の温度範囲で熱処理する。ついで、この熱処理さ
れたコア薄片3をコア整列工程において治具中に挿入し
て同一方向に並べて密着させ、かつ、このときラミネー
ト型コア2を形成するコア薄片3の所定枚数毎に仕切板
を挿入する。次にこのコア薄片3と仕切板を密着して積
層した状態で、レーザ溶接工程により、積層方向に溶接
する。すると、仕切板部分では、溶接されないか溶着力
が弱いため、次のコア分離工程における簡単な分離作業
により、所定枚数積層されて溶接される。これを樹脂含
浸工程にて、樹脂液に含浸させ、各コア薄片3の間に絶
縁性の樹脂膜の形成された、図2に示されるようなラミ
ネート型コア2が得られる。
【0020】第一の実施形態のインダクティブ形ヘッド
は、Fe、Co、Niのうちの1種又は2種以上の元素
を主成分とし、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、
Vのうちの1種又は2種以上の元素とBを含み、ΔTx
が20K以上である軟磁性金属ガラス合金の薄帯から形
成されたコア薄片3を積層してなるラミネート型コア2
が備えられたものである。本発明で用いられる軟磁性金
属ガラス合金は、従来のアモルファス合金薄帯の厚みの
制約を克服し、薄帯状で20μm以上の厚さ、あるいは
20〜200μmの厚さであって、しかも室温で軟磁気
特性を有している。また、この軟磁性金属ガラス合金
は、軟磁気特性において飽和磁化が高く、保磁力が低
く、透磁率が高く、また、高硬度であり、例えば、ビッ
カース硬度が1300Hv〜1500Hvを示すので、
耐摩耗性が優れるという利点がある。従って、上述のよ
うな軟磁性金属ガラス合金をラミネート型コア2に用い
ることで、極めて高性能なインダクティブ形ヘッドが得
られる。
【0021】図3は、本発明のインダクティブ形ヘッド
の第二の実施形態を示す斜視図である。この第二の実施
形態のインダクティブ形ヘッドが、図1に示した第一の
実施形態と異なるところは、コアとして上記軟磁性金属
ガラス合金の粉末を焼結してなるバルク型コア12が備
えられた点である。次に、上記バルク型コア12の製造
例について説明する。図4は上記バルク型コア12を製
造するために好適に用いられる放電プラズマ焼結装置の
一例の要部を示すもので、この例の放電プラズマ焼結装
置は、筒型のダイ41と、このダイ41の内部に挿入さ
れる上パンチ42および下パンチ43と、下パンチ43
を支え、後述するパルス電流を流す際の一方の電極とも
なるパンチ電極44と、上パンチ42を下側に押圧し、
パルス電流を流す他方の電極となるパンチ電極45と、
上下のパンチ42、43に挟まれた粉末原料46の温度
を測定する熱電対47を主体として構成されている。こ
のような放電プラズマ焼結装置の内部で、上下のパンチ
42、43とダイ41により形成されるキャビティの形
状は、バルク型コア12の形状と略一致するものであ
る。
【0022】図6に、上記放電プラズマ焼結装置の全体
構造を示す。図6に示す放電プラズマ焼結装置Aは、住
友石炭鉱業株式会社製のモデルSPS−2050と称さ
れる放電プラズマ焼結機の一種であり、図4に示す構造
を要部とするものである。図6に示す装置においては、
上部基盤51と下部基盤52を有し、上部の基盤51に
接してチャンバ53が設けられ、このチャンバ53の内
部に図4に示す構造の大部分が収納されて構成され、こ
のチャンバ53は図示略の真空排気装置および雰囲気ガ
スの供給装置に接続されていて、上下のパンチ42、4
3の間に充填される原料粉末(粉粒体)46を不活性ガ
ス雰囲気などの所望の雰囲気下に保持できるように構成
されている。なお、図4と図6では通電装置が省略され
ているが、上下のパンチ42、43およびパンチ電極4
4、45には別途設けた通電装置が接続されていてこの
通電装置から図5に示すようなパルス電流をパンチ4
2、43およびパンチ電極44、45を介して通電でき
るように構成されている。
【0023】上記構成の放電プラズマ焼結装置を用いて
軟磁性金属ガラス合金からなるバルク型コア12を製造
するには、成型用原料粉末46を用意する。この原料粉
末46を作製するには、例えば、上記組成系の軟磁性金
属ガラス合金の各成分の元素単体粉末もしくは元素単体
塊状物(予め一部合金化していても良い。)を用意し、
これら元素単体粉末もしくは元素単体塊状物を混合し、
次いでこの混合粉末をArガス等の不活性ガス雰囲気中
において、るつぼ等の溶解装置で溶解して所定組成の合
金溶湯を得る。次にこの合金溶湯を鋳型に流し込んで徐
冷する鋳造法により、あるいは単ロールもしくは双ロー
ルを用いる急冷法によって、さらには液中紡糸法や溶液
抽出法によって、あるいは高圧ガス噴霧法によって、バ
ルク状、リボン状、線状体、粉末等の種々の形状として
製造する工程と、粉末状以外のものは粉砕して粉末化す
る工程により得られる。
【0024】次に、原料粉末46を用意したならばこれ
を図4あるいは図6に示す放電プラズマ焼結装置の上下
のパンチ42、43の間に投入し、チャンバ53の内部
を真空引きするとともに、パンチ42、43で上下から
圧力を加えて成形すると同時に、例えば図5に示すよう
なパルス電流を原料粉末46に印加して加熱し、成形す
る。この放電プラズマ焼結処理においては、通電電流に
より原料粉末46を所定の速度で素早く昇温することが
でき、また、通電電流の値に応じて原料粉末46の温度
を厳格に管理できるので、ヒータによる加熱などよりも
遥かに正確に温度管理ができ、これにより予め設計した
通りの理想に近い条件で焼結ができる。
【0025】本発明において、焼結温度は、原料粉末と
して用いられる軟磁性金属ガラス合金が、大きな過冷却
液体の温度間隔ΔTx(Tx−Tg)を有しているので、
この温度領域で加圧焼結することによって、高密度の焼
結体を好ましく得ることができる。 ただし、焼結温度
が結晶化開始温度に近いと、結晶核の生成開始(構造的
短範囲秩序化)や結晶析出開始による磁気異方性を生じ
るので軟磁性特性が劣化するおそれがある。また、放電
プラズマ焼結装置の機構上、モニターされる焼結温度は
金型に設置されている熱電対の温度であるため、粉末試
料にかかる温度よりも低い温度である。したがって、本
発明における焼結温度は、結晶化開始温度をTx、焼結
温度をTとした場合、好ましくはT≦Txの範囲とされ
る。
【0026】本発明において、焼結を行う際の昇温速度
は、ゆっくりとした昇温速度では結晶相が生成するた
め、40゜C/分以上とするのが好ましい。また、焼結
の際の圧力については、加圧力が低すぎると焼結体を形
成できないため、3t/cm2以上とするのが好まし
い。さらに、得られた焼結体に熱処理を施してもよく、
これにより磁気特性を高めることができる。このときの
熱処理温度はキュリー温度以上であり、かつ磁気特性を
劣化させる結晶が析出する温度以下とされ、具体的には
427℃(700K)〜627℃(900K)の範囲が
好ましく、より好ましくは477゜C(750K)〜5
27 ゜C(800K)とされる。
【0027】このようにして得られた焼結体は、原料粉
末として用いられた軟磁性金属ガラス合金と同じ組成を
有するものであり、過冷却液体領域の温度間隔ΔTx
極めて広く、室温で優れた軟磁性特性を有し、また、熱
処理により、より良好な磁性を示すものである。このた
め優れたSoft magnetic特性(軟磁気特性)を有する材
料として、この焼結体をインダクティブ形ヘッドのバル
ク型コアとして適用すると、従来材に比べて優れた特性
のコアが得られる。
【0028】第二の実施形態のインダクティブ形ヘッド
は、上記軟磁性金属ガラス合金の粉末を焼結して得られ
た焼結体からなるバルク型コア12が備えられたもので
ある。上記軟磁性金属ガラス合金は、従来のアモルファ
ス合金薄帯の厚みの制約を克服し、バルク型コアに適用
するのに十分な厚さのバルク状体を作製でき、しかも室
温で軟磁気特性を有している。また、この軟磁性金属ガ
ラス合金は、軟磁気特性において飽和磁化が高く、保磁
力が低く、透磁率が高く、また、高硬度であるので耐摩
耗性が優れるという利点がある。従って、上述のような
軟磁性金属ガラス合金をバルク型コア12に用いること
で、極めて高性能なインダクティブ形ヘッドが得られ
る。尚、上述の第二の実施形態では、軟磁性金属ガラス
合金からなる原料粉末を放電プラズマ焼結により成形す
る方法によりバルク状の軟磁性金属ガラス焼結体を作製
する場合について説明したが、これに限らず、押し出し
法などの方法により加圧焼結することによってもバルク
状の軟磁性金属ガラス焼結体を得ることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により、
具体的に説明する。 (実施例1)FeとCoとNiとZrの単体純金属と純
ボロン結晶をArガス雰囲気中において混合しアーク溶
解して母合金を製造した。次に、この母合金をルツボで
溶解し、アルゴンガス雰囲気中において40m/sで回
転している銅ロールにルツボ下端の0.4mm径のノズ
ルから射出圧力0.39×105Paで吹き出して急冷す
る単ロール法を実施することにより、幅0.4〜1m
m、厚さ13〜22μmの金属ガラス合金薄帯の試料を
製造した。得られた試料は、示差走査熱量測定(DS
C)により分析した。
【0030】図7は、各々Fe60Co3Ni7Zr
1020、Fe56Co7Ni7Zr1020、Fe49Co14
7Zr1020、Fe46Co17Ni7Zr1020なる組成
の金属ガラス合金薄帯試料のDSC曲線を示す。これら
のいずれの試料においても、温度を上昇させてゆくこと
で広い過冷却液体領域が存在することを確認でき、その
過冷却液体領域を超えて加熱することで結晶化すること
が明らかになった。過冷却液体領域の温度間隔ΔTx
は、ΔTx=Tx−Tgの式で表されるが、図7に示すTx
−Tgの値はいずれの試料でも60Kを超え、64〜6
8Kの範囲になっている。過冷却液体領域を示す実質的
な平衡状態は、発熱ピークによる結晶化を示す温度より
少し低い596℃(869K)〜632℃(905K)
の広い範囲で得られた。
【0031】図8は(Fe1-a-bCoaNib70Zr10
20なる組成系におけるΔTx(=Tx−Tg)の値に対
するFeとCoとNiのそれぞれの含量依存性を示す三
角組成図である。図8に示す結果から明らかなように、
(Fe1-a-bCoaNib70Zr1020な組成系の全て
の範囲においてΔTxの値は25Kを超えている。ま
た、ΔTxに関し、Feを多く含む組成系において大き
な値になっていることがわかり、ΔTxを60K以上に
するには、Co含有量を3原子%以上、20原子%下、
Ni含有量を3原子%以上、30原子%以下にすること
が好ましいことがわかる。なお、(Fe1-a-bCoaNi
b70Zr1020なる組成式においてCo含有量を3原
子%以上にするには、(Fe1-a-bCoaNib)を70
原子%とするので、Coの組成比aが0.042以上、
Co含有量を20原子%以下にするには、Coの組成比
aが0.29以下となる。また、同様にNi含有量を3
原子%以上にするにNiの組成比bが0.042以上、
30原子%以下にするには、Niの組成比bは0.43
以下となる。
【0032】(実施例2)次に、上記実施例1の組成に
Nbを添加してなる軟磁性金属ガラス合金についての実
施例を挙げる。FeとCoとNiとZrとNbの単体純
金属と純ボロン結晶をArガス雰囲気中において混合し
アーク溶解して母合金を製造した。次に、この母合金を
ルツボで溶解し、アルゴンガス雰囲気中において銅ロー
ルにルツボ下端のノズル穴から吹き出して急冷する単ロ
ール法を実施することにより、種々の厚みのリボン(薄
帯)を得た。ここでは、銅ロールの回転速度2.6〜4
1.9m/sの範囲、用いるノズルの穴径0.4mm〜
0.7mmの範囲、母合金の溶湯の射出圧力0.32〜
0.42kgf/cm2の範囲、ノズルと銅ロールとの
間のギャップ0.3〜0.45mmの範囲で調整するこ
とにより、厚さ20〜195μmのリボン(薄帯)を得
ることができた。
【0033】図9は上記で得られたFe56Co7Ni7
4Nb620なる組成の各薄帯試料のX線回折パターン
を示すものである。この図に示すX線回折パターンによ
り、板厚20〜195μmの試料にあってはいずれも、
2θ=40〜50(deg)にハローなパターンを有し
ており、アモルファス単相組織を有していることがわか
る。以上の結果から、本実施例によれば、単ロール法に
より、20〜195μmまでの範囲の板厚のアモルファ
ス単相組織のリボンが得られることがわかった。
【0034】図10は、Fe56Co7Ni7Zr8Nb2
20なる薄帯試料のTMA曲線(Thermo Mechanical Anal
ysis 曲線)と、DTMA曲線(Differental Thermo Me
chanical Analysis 曲線)を示すものである。図10か
ら850〜920(K)の温度領域で温度の上昇に伴っ
て試料が急激に伸びていることがわかる。このことは、
過冷却液体温度領域において合金の軟化現象が起こって
いることを示している。このように非晶質合金が軟化す
る現象を利用して固化成形すれば高密度化するために有
利である。
【0035】図11は、Fe56Co7Ni7Zr10-xNb
x20(x=0,2,4,6,8,10原%)なる組成の急冷
後の試料および527℃(800K)の温度で5分間ア
ニールした試料の飽和磁束密度(Bs)、保磁力(H
c)、1kHzにおける透磁率(μe)、磁歪(λs)
のNb含有量依存性を示す。飽和磁束密度(Bs)は、
急冷状態およびアニール後の試料ともに、Nbを添加す
るに従い低下し、Nbを含まない試料が0.9(T)以
上、Nbを2原子%む試料では約0.75(T)であっ
た。透磁率(μe)の値は、急冷状態の試料にあって
は、Nbを含まない試料が531、Nbを2原子%含む
試料が2228であり、Nbを10原子%含む試料にお
いては906に低下した。しかし、アニールを施すこと
により透磁率(μe)格段に向上し、特にNbを2原子
%含む試料においては、25000程度の透磁率(μ
e)を得ることができる。保磁力(Hc)に関し、急冷
状態の試料にあっては、Nbを含まない試料とNbを2
原子%含む試料はいずれも50A/m(=0.625 O
e)と低い値であった。特にNbが2原子%以下の試料
は、5A/m(=0.0625 Oe)と非常に良好な値
を示している。アニールを施すと、Nbを4原子%以上
含む試料においても優れた保磁力(Hc)を得ることが
可能となる。図11に示す結果から、この系の合金試料
にあっては、良好な軟磁気特性を得るためには、Nbは
0以上、2原子%以下の範囲がより好ましいことがわか
る。また、磁歪はNbの添加量にはあまり依存していな
い。
【0036】(実施例3)上記実施例1または2と同様
にして製造した金属ガラス合金薄帯試料をローターミル
を用いて大気中で粉砕することで粉末化した。得られた
粉末の中で粒径53〜105μmのものを選別して後の
工程に原料粉末として使用した。約2gの上記原料粉末
をWC製のダイスの内部にハンドプレスを用いて充填し
た後、図4に示すダイ41の内部に装填し、チャンバの
内部を3×10-5torrの雰囲気中で上下のパンチ4
2、43で加圧するとともに、通電装置から原料粉末に
パルス波を通電することにより焼結し、バルク状の焼結
体を得た。パルス波形は図5に示すように12パルス流
した後で2パルス休止するものとし、最高4700〜4
800Aの電流で原料粉末を加熱した。ここでの焼結条
件は、試料に6.5t/cm2の圧力をかけた状態で室
温から焼結温度まで加熱し、約5分間保持することによ
り行った。焼結時の昇温速度は100℃/分とした。
【0037】上記で得られたバルク状の焼結体のガラス
遷移温度(Tg)、結晶化開始温度(Tx)、過冷却液体
領域の温度幅(ΔTx)と、ビッカース硬度(Hv)
と、圧縮強度(σc,f)とを測定した。ここでのビッ
カース硬度は、各組成の金属ガラス合金について、直径
1mm〜10mm、長さ50mm〜100mmのピン状
の試料を作製し、ビッカース微小硬度計を使用し500
gの荷重を負荷して測定した。圧縮強度は、各組成の金
属ガラス合金について、直径2.5mm、長さ6.0m
mの試料を作製し圧縮強度計(インストロン社製 mode
l4204)を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果から明らかなように、本発明の
組成の範囲内にある各金属ガラス合金試料は、ビッカー
ス硬度が1310〜1370が得られており、また圧縮
強度も3400〜3800MPaと非常に大きな値が得
られていることがわかる。
【0040】以上の結果より、本発明に係わるFe基金
属ガラス合金は、優れた軟磁気特性を示すため、インダ
クティブ形ヘッドの電磁変換特性としては優れており、
また、硬度が高いものが得られるので、優れた耐摩耗性
をもつインダクティブ形ヘッドを得ることができること
がわかる。なお、この発明は、以上の例によって何ら限
定されるものではなく、その組成、製造方法、熱処理条
件、形状等について様々な態様が可能であることは勿論
である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインダクテ
ィブ形ヘッドは、Fe、Co、Niのうちの1種又は2
種以上の元素を主成分とし、Zr、Nb、Ta、Hf、
Mo、Ti、Vのうちの1種又は2種以上の元素とBを
含み、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは、結晶化開始温
度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される過
冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上である軟磁
性金属ガラス合金からなるコアを有することを特徴とす
るものである。本発明で用いられる軟磁性金属ガラス合
金は、従来のアモルファス合金薄帯の厚みの制約を克服
し、薄帯状で20μm以上の厚さ、あるいは20〜20
0μmの厚さであって、しかも室温で軟磁気特性を有し
ている。また、この軟磁性金属ガラス合金の粉末を焼結
することにより、バルク型コアに適用するのに十分な厚
さのバルク状体を作製できる。さらに、この軟磁性金属
ガラス合金は、軟磁気特性において飽和磁化が高く、保
磁力が低く、透磁率が高く、また、硬度が高いので耐摩
耗性が優れるという利点がある。従って、上述のような
軟磁性金属ガラス合金をインダクティブ形ヘッドのコア
に用いることで、極めて高性能なインダクティブ形ヘッ
ドが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインダクティブ形ヘッドの第一の実
施形態を示す斜視図である。
【図2】 図1のインダクティブ形ヘッドのラミネート
型コアを示す図で、(a)は斜視図、(b)はラミネー
ト型コアを組み合わせたときの側面図である。
【図3】 本発明のインダクティブ形ヘッドの第二の実
施形態を示す斜視図である。
【図4】 本発明のインダクティブ形ヘッドに備えられ
るバルク型コアの製造に好適に用いられる放電プラズマ
焼結装置の一例の要部構造を示す断面図である。
【図5】 図4に示す放電プラズマ焼結装置で原料粉末
に印加するパルス電流波形の一例を示す図である。
【図6】 本発明のインダクティブ形ヘッドに備えられ
るバルク型コアの製造に好適に用いられる放電プラズマ
焼結装置一例の全体構成を示す正面図である。
【図7】 Fe60Co3Ni7Zr1020、Fe56Co7
Ni7Zr1020、Fe49Co14Ni7Zr1020、Fe
46Co17Ni7Zr1020なる各組成の金属ガラス合金
薄帯試料のDSC曲線を示す図である。
【図8】 (Fe1-a-bCoaNib70Zr1020なる
組成系におけるΔTx(=Tx−Tg)の値に対するFe
とCoとNiのそれぞれの含有量依存性を示す三角組成
図である。
【図9】 板厚20〜195μmのFe56Co7Ni7
4Nb620なる組成の薄帯試料におけるX線回折パタ
ーンを示す図である。
【図10】 Fe56Co7Ni7Zr8Nb220なる組成
薄帯のTMA曲線とDTMA曲線を示す図である。
【図11】 Fe56Co7Ni7Zr10-xNbx20(x=
0,2,4,6,8,10原子%)なる組成の試料の飽和磁
束密度(Bs)、保磁力(Hc)、1kHzにおける透
磁率(μe)、磁歪(λs)のNb含有量依存性を示す
図である。
【符号の説明】
2・・・ラミネート型コア、3・・・コア薄片、12・・・バル
ク型コア。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内元支倉35番地 川 内住宅11−806

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe、Co、Niのうちの1種又は2種
    以上の元素を主成分とし、Zr、Nb、Ta、Hf、M
    o、Ti、Vのうちの1種又は2種以上の元素とBを含
    み、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは、結晶化開始温度、
    Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される過冷却
    液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上である軟磁性金
    属ガラス合金からなるコアを有することを特徴とするイ
    ンダクティブ形ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記コアは、前記軟磁性金属ガラス合金
    の薄帯から形成されたコア薄片を積層してなるラミネー
    ト型コアであることを特徴とする請求項1記載のインダ
    クティブ形ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記コアは、前記軟磁性金属ガラス合金
    の粉末を焼結してなるバルク型コアであることを特徴と
    する請求項1記載のインダクティブ形ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記軟磁性金属ガラス合金は、ΔTxが
    60K以上であり、下記の組成式で表されるものである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のイン
    ダクティブ形ヘッド。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%≦
    x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%であり、M
    はZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのうちの1
    種又は2種以上からなる元素である。
  5. 【請求項5】 前記軟磁性金属ガラス合金は、ΔTxが
    60K以上であり、下記の組成式で表されるものである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のイン
    ダクティブ形ヘッド。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%≦
    x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%、0原子%
    ≦z≦5原子%であり、Mは、Zr、Nb、Ta、H
    f、Mo、Ti、Vのうちの1種又は2種以上からなる
    元素、TはCr、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、
    Pt、Al、Si、Ge、C、Pのうちの1種又は2種
    以上の元素である。
JP23528297A 1997-08-29 1997-08-29 インダクティブ形ヘッド Withdrawn JPH1173608A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23528297A JPH1173608A (ja) 1997-08-29 1997-08-29 インダクティブ形ヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23528297A JPH1173608A (ja) 1997-08-29 1997-08-29 インダクティブ形ヘッド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1173608A true JPH1173608A (ja) 1999-03-16

Family

ID=16983801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23528297A Withdrawn JPH1173608A (ja) 1997-08-29 1997-08-29 インダクティブ形ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1173608A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006129435A (ja) * 2004-09-30 2006-05-18 Casio Comput Co Ltd アンテナ及び電子機器
EP1850334A1 (en) * 2006-04-27 2007-10-31 Heraeus, Inc. Soft magnetic underlayer in magnetic media and soft magnetic alloy based sputter target
CN100365746C (zh) * 2004-07-29 2008-01-30 同济大学 一种块体非晶纳米晶双相复合软磁合金
US7355556B2 (en) 2004-09-30 2008-04-08 Casio Computer Co., Ltd. Antenna and electronic device
US7622011B2 (en) 2002-12-25 2009-11-24 Japan Science And Technology Agency Spherical particles of Fe base metallic glass alloy, Fe base sintered alloy soft magnetic material in bulk form produced by sintering the same, and method for their production

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7622011B2 (en) 2002-12-25 2009-11-24 Japan Science And Technology Agency Spherical particles of Fe base metallic glass alloy, Fe base sintered alloy soft magnetic material in bulk form produced by sintering the same, and method for their production
CN100365746C (zh) * 2004-07-29 2008-01-30 同济大学 一种块体非晶纳米晶双相复合软磁合金
JP2006129435A (ja) * 2004-09-30 2006-05-18 Casio Comput Co Ltd アンテナ及び電子機器
US7355556B2 (en) 2004-09-30 2008-04-08 Casio Computer Co., Ltd. Antenna and electronic device
US7659858B2 (en) 2004-09-30 2010-02-09 Casio Computer Co., Ltd. Antenna and electronic device
EP1850334A1 (en) * 2006-04-27 2007-10-31 Heraeus, Inc. Soft magnetic underlayer in magnetic media and soft magnetic alloy based sputter target

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4197146A (en) Molded amorphous metal electrical magnetic components
KR100320249B1 (ko) 과냉각액체영역을가지는경자성합금및그소결체,주조물및그들을사용한스테핑모터및스피커
KR970007510B1 (ko) Fe계 연자성합금, 이를 함유하여 이루어진 자성재료 및 이들 자성재료를 사용한 자기장치
JP4288687B2 (ja) アモルファス合金組成物
EP2243854A1 (en) ALLOY COMPOSITION, Fe-BASED NANOCRYSTALLINE ALLOY AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR, AND MAGNETIC COMPONENT
EP2149616A1 (en) Soft magnetic thin strip, process for production of the same, magnetic parts, and amorphous thin strip
JP3877893B2 (ja) 高周波用高透磁率金属ガラス合金
EP0899753B1 (en) Magnetic cores of bulky and laminated types
JP6042602B2 (ja) α−Fe/R2TM14B系ナノコンポジット磁石の製造方法
JP2000348919A (ja) ナノコンポジット結晶質焼結磁石およびその製造方法
JPH1173608A (ja) インダクティブ形ヘッド
JP3490228B2 (ja) 硬磁性合金圧密体およびその製造方法
JPH1171646A (ja) スピーカ
JPH0277505A (ja) 金属粉末をキャスティングするための装置
JP4216918B2 (ja) Co基非晶質軟磁性合金
KR100278372B1 (ko) Fe 기 금속유리합금을 사용한 자심
JP3534218B2 (ja) Fe基軟磁性金属ガラス焼結体の製造方法
JP3532392B2 (ja) バルク磁心
JPH1173609A (ja) インダクティブ形ヘッド
JP2001254159A (ja) 高ガラス形成能を有する鉄基永久磁石合金
JPH10324958A (ja) 硬磁性合金圧密体およびその製造方法と薄型硬磁性合金圧密体
JPH09263913A (ja) 硬磁性合金圧密体およびその製造方法
JPH1171645A (ja) 硬磁性合金焼結体とその製造方法
JP2812573B2 (ja) 磁気ヘッド
JPH1171648A (ja) 軟磁性金属ガラス合金焼結体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20041102