JP2000345308A - 非晶質軟磁性合金焼結体及び非晶質軟磁性合金磁心及び非晶質軟磁性合金焼結体の製造方法 - Google Patents

非晶質軟磁性合金焼結体及び非晶質軟磁性合金磁心及び非晶質軟磁性合金焼結体の製造方法

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JP2000345308A
JP2000345308A JP11234778A JP23477899A JP2000345308A JP 2000345308 A JP2000345308 A JP 2000345308A JP 11234778 A JP11234778 A JP 11234778A JP 23477899 A JP23477899 A JP 23477899A JP 2000345308 A JP2000345308 A JP 2000345308A
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magnetic alloy
plate
atomic
particles
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Shoji Yoshida
昌二 吉田
Takao Mizushima
隆夫 水嶋
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
Akihisa Inoue
明久 井上
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Alps Electric Co Ltd
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    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透磁率、保磁力等の軟磁気特性に優れた非晶
質軟磁性合金焼結体を提供する。 【解決手段】 板状粒子3…を含有する軟磁性合金粉体
が焼結されてなるものであって、板状粒子3…同士が、
隣接する他の板状粒子3…との境界の少なくとも一部を
残して焼結されていることを特徴とする非晶質軟磁性合
金焼結体1を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッドやトラ
ンスまたはモータのコアなどに好適に用いられる非晶質
軟磁性合金焼結体及び非晶質軟磁性合金磁心及び非晶質
軟磁性合金焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軟磁性合金材料で従来この種の用途に使
用されているものとして、例えばFe-Si合金、Fe-
Si-Al合金(センダスト)、Ni-Fe合金(パーマ
ロイ)、Fe基およびCo基の非晶質合金等が挙げられ
る。ところで、DCモータのコアなどに軟磁性合金材料
を適用する際には、高密度のバルク形状とすることが有
利であるが、従来、上記の非晶質合金は、溶融金属を急
冷することによって作製されており、得られる形状は、
薄帯、線材、粉末、薄膜に限定されていた。
【0003】そこで最近では、過冷却液体領域を有する
金属ガラス合金の粉体が焼結されてなる金属ガラス焼結
体が提案されている。この金属ガラス焼結体は、バルク
状の焼結体であってその形状が限定されないので、磁気
ヘッド、トランス、モータのコアなどに好適に用いるこ
とができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の金属ガ
ラス焼結体においては、透磁率、保磁力等の軟磁気特性
が低いという課題があった。
【0005】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものであって、透磁率、保磁力等の軟磁気特性に優
れた非晶質軟磁性合金焼結体を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明の非晶質
軟磁性合金焼結体は、板状粒子を含有する軟磁性合金粉
体が焼結されてなるものであって、前記板状粒子同士
が、隣接する他の板状粒子との境界の少なくとも一部を
残して焼結されていることを特徴とする。即ち本発明の
非晶質軟磁性合金焼結体は、組織中に前記板状粒子の境
界が存在していることを特徴とする。また、前記軟磁性
合金粉体に含まれる板状粒子の少なくとも80%以上
が、隣接する他の板状粒子との境界を残して焼結されて
いることが好ましい。
【0007】かかる非晶質軟磁性合金焼結体は、板状粒
子がその形状を維持した状態で相互に焼結されてなるも
ので、組織中に前記板状粒子の境界が存在しており、こ
の境界において電気抵抗が大きくなるので、渦電流損が
低減されて高周波領域における透磁率を高くすることが
可能になる。また、板状粒子が完全に溶解されるに至ら
ず板状粒子同士が圧着された状態であるので、結晶質相
が析出することがなく、優れた軟磁気特性を発現させる
ことが可能になる。
【0008】また、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体
は、先に記載の非晶質軟磁性合金焼結体であって、前記
の各板状粒子が、それぞれの板面方向を一軸方向に配向
して焼結されていることを特徴とする。特に、前記軟磁
性合金粉体に含まれる板状粒子の少なくとも80%以上
がそれぞれの板面方向を一軸方向に配向させて焼結さ
れ、かつ前記一軸方向に対する各々の板面方向のずれ角
が20°以下であることが好ましい。更に前記板状粒子
の厚さ方向が同一方向に配向していることがより好まし
い。
【0009】かかる非晶質軟磁性合金焼結体によれば、
板状粒子の板面方向が一軸方向に配向し、かつ一軸方向
に対する板面方向のずれ角が20°以下であるので、反
磁界による軟磁気特性への悪影響を低減することが可能
になる。
【0010】更に、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体
は、先に記載の非晶質軟磁性合金焼結体であって、前記
板状粒子が非晶質相を主相とする軟磁性合金からなるこ
とを特徴とする。さらにまた、本発明の非晶質軟磁性合
金焼結体は、先に記載の非晶質軟磁性合金焼結体であっ
て、前記軟磁性合金が、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは
結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式
で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上で
ある金属ガラス合金であることを特徴とする。
【0011】かかる非晶質軟磁性合金焼結体によれば、
板状粒子を構成する軟磁性合金が過冷却液体の温度間隔
ΔTxを有する金属ガラス合金であり、この板状粒子が
温度間隔ΔTxの領域まで加熱されると、板状粒子がニ
ュートン流体のごとき挙動を示して板状粒子の流動性が
大きくなると共に、板状粒子のごく一部が相互拡散する
ので、板状粒子が容易に焼結されて成形され、緻密な焼
結体を構成することが可能となる。
【0012】本発明の非晶質軟磁性合金焼結体において
は、前記金属ガラス合金が、下記の組成で表されるもの
であることが好ましい。 Al: 1〜10原子% Ga: 0.5〜4原子% P:15原子%以下 C: 7原子%以下 B: 2〜10原子% Si:15原子%以下 Fe: 残部 また、上記Siの添加量は1.5〜3.5原子%である
ことがより好ましい。
【0013】また、上記の金属ガラス合金において、原
子%におけるSiとPの比率を0.11≦Si/(Si
+P)≦0.28とすると、過冷却液体の温度間隔ΔT
xをより向上させ、非晶質相を主相とする非晶質軟磁性
合金焼結体が得られる点で好ましい。また、上記の組成
に、Geが4原子%以下含有されていてもよく、Nb、
Mo、Hf、Ta、W、Zr及びCrのうち少なくとも
1種以上が0〜7原子%含有されていてもよく、0〜1
0原子%のNiと0〜30原子%のCoのうち少なくと
も一方が含有されていてもよい。
【0014】また、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体に
おいては、前記金属ガラス合金が、下記の組成で表され
るものであることが好ましい。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、a、
b、x、yは、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、
5原子%≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子
%である。また、前記の(Fe1-a-bCoaNib
100-x-yxyなる組成式において、0.042≦a≦
0.29、0.042≦b≦0.43の関係にされてなる
ものであっても良い。
【0015】また、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体に
おいては、前記金属ガラス合金が、下記の組成で表され
るものであってもよい。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、XはC
r、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、
Si、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上からな
る元素であり、a、b、x、y、zは、0≦a≦0.2
9、0≦b≦0.43、5原子%≦x≦20原子%、1
0原子%≦y≦22原子%、0原子%≦z≦5原子%で
ある。また、前記の(Fe1-a-bCoaNib100-x-y-z
xyzなる組成式において、0.042≦a≦0.2
9、0.042≦b≦0.43の関係にされてなるもので
あっても良い。
【0016】また、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体に
おいては、前記金属ガラス合金が、下記の組成で表され
るものであることが好ましい。 Co100-x-y-z-wxyzw ただし、TはFeおよびNiのうちの1種または2種で
あり、MはTi、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Wの
うちの1種または2種以上であり、LはCr、Mn、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、Ga、S
i、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上であり、
x、y、z、wは、0原子%≦x≦30原子%、5原子
%≦y≦15原子%、0原子%≦z≦10原子%、15
原子%≦w≦22原子%である。また、上記のxは、8
原子%≦x≦30原子%であることが好ましく、14原
子%≦x≦21原子%でることがより好ましい。また、
Mが(M’1-cM''c)で表され、M’はZr、Hfのう
ちの1種または2種、M''はTi、Nb、Ta、W、M
oのうちの1種または2種以上であり、cは0.2≦c
≦1であることが好ましい。
【0017】更に、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体
は、先に記載の非晶質軟磁性合金焼結体であって、相対
密度が98%以上であることを特徴とする。かかる非晶
質軟磁性合金焼結体によれば、相対密度が高く、板状粒
子同士が緻密に焼結されて組織中に空隙がほとんど残存
しないので、軟磁気特性に優れた非晶質軟磁性合金焼結
体を構成することが可能になる。
【0018】本発明の非晶質軟磁性合金磁心は、板状粒
子を含有する軟磁性合金粉体が焼結されてなるものであ
って、前記板状粒子同士が、隣接する他の板状粒子との
境界の少なくとも一部を残して焼結されていると共に各
板状粒子の板面方向が磁路方向に一軸配向されているこ
とを特徴とする。即ち本発明の非晶質軟磁性合金磁心
は、組織中に前記板状粒子の境界が存在していると共
に、前記板状粒子の板面方向が磁路方向に配向されてい
ることを特徴とする。特に、前記軟磁性合金粉体に含ま
れる板状粒子の少なくとも80%以上が、隣接する他の
板状粒子との境界を残し、かつそれぞれの板面方向を磁
路方向に一軸配向させていると共に、前記一軸方向に対
する各々の板面方向のずれ角が20°以下であることが
好ましい。
【0019】かかる非晶質軟磁性合金磁心によれば、組
織中の板状粒子が磁路方向に配向しているので、反磁界
による軟磁気特性への悪影響が低減されて、磁心の損失
を小さくすることが可能になる。
【0020】また、本発明の非晶質軟磁性合金磁心は、
先に記載の非晶質軟磁性合金磁心であって、形状が円環
状とされると共に、前記磁路方向がその円周方向に一致
することを特徴とする。特に 前記板状粒子の厚さ方向
が同一方向に配向されていることが好ましい。かかる磁
心によれば、トランスのコアとして好適に用いることが
可能となる。
【0021】更に、本発明の非晶質軟磁性合金磁心は、
先に記載の非晶質軟磁性合金磁心であって、前記板状粒
子が非晶質相を主相とする軟磁性合金からなるものであ
ることを特徴とする。更にまた、本発明の非晶質軟磁性
合金磁心は、先に記載の非晶質軟磁性合金磁心であっ
て、前記軟磁性合金が、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは
結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式
で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上で
ある金属ガラス合金からなることを特徴とする。
【0022】かかる非晶質軟磁性合金磁心によれば、板
状粒子を構成する軟磁性合金が過冷却液体の温度間隔Δ
Txを有する金属ガラス合金であり、この板状粒子が温
度間隔ΔTxの領域まで加熱されると、板状粒子がニュ
ートン流体のごとき挙動を示して板状粒子の流動性が大
きくなると共に、板状粒子のごく一部が相互拡散するの
で、板状粒子が容易に焼結されて成形され、緻密な磁心
を構成することが可能となる。
【0023】本発明の非晶質軟磁性合金磁心において
は、前記金属ガラス合金が、下記の組成で表されるもの
であることが好ましい。 Al: 1〜10原子% Ga: 0.5〜4原子% P:15原子%以下 C: 7原子%以下 B: 2〜10原子% Si:15原子%以下 Fe: 残部 また、上記Siの添加量は1.5〜3.5原子%である
ことがより好ましい。
【0024】また、上記の金属ガラス合金において、原
子%におけるSiとPの比率を0.11≦Si/(Si
+P)≦0.28とすると、過冷却液体の温度間隔ΔT
xをより向上させ、非晶質相を主相とする非晶質軟磁性
合金焼結体が得られる点で好ましい。また、上記の組成
に、Geが4原子%以下含有されていてもよく、Nb、
Mo、Hf、Ta、W、Zr及びCrのうち少なくとも
1種以上が0〜7原子%含有されていてもよく、0〜1
0原子%のNiと0〜30原子%のCoのうち少なくと
も一方が含有されていてもよい。
【0025】また、本発明の非晶質軟磁性合金磁心にお
いては、前記金属ガラス合金が、下記の組成で表される
ものであることが好ましい。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、a、
b、x、yは、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、
5原子%≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子
%である。また、前記の(Fe1-a-bCoaNib
100-x-yxyなる組成式において、0.042≦a≦
0.29、0.042≦b≦0.43の関係にされてなる
ものであっても良い。
【0026】また、本発明の非晶質軟磁性合金磁心にお
いては、前記金属ガラス合金が、下記の組成で表される
ものであってもよい。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、XはC
r、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、
Si、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上からな
る元素であり、a、b、x、y、zは、0≦a≦0.2
9、0≦b≦0.43、5原子%≦x≦20原子%、1
0原子%≦y≦22原子%、0原子%≦z≦5原子%で
ある。また、前記の(Fe1-a-bCoaNib100-x-y-z
xyzなる組成式において、0.042≦a≦0.2
9、0.042≦b≦0.43の関係にされてなるもので
あっても良い。
【0027】更に、本発明の非晶質軟磁性合金磁心にお
いては、前記金属ガラス合金が、下記の組成で表される
ものであることが好ましい。 Co100-x-y-z-wxyzw ただし、TはFeおよびNiのうちの1種または2種で
あり、MはTi、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Wの
うちの1種または2種以上であり、LはCr、Mn、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、Ga、S
i、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上であり、
x、y、z、wは、0原子%≦x≦30原子%、5原子
%≦y≦15原子%、0原子%≦z≦10原子%、15
原子%≦w≦22原子%である。また、上記のxは、8
原子%≦x≦30原子%であることが好ましく、14原
子%≦x≦21原子%でることがより好ましい。また、
Mが(M’1-cM''c)で表され、M’はZr、Hfのう
ちの1種または2種、M''はTi、Nb、Ta、W、M
oのうちの1種または2種以上であり、cは0.2≦c
≦1であることが好ましい。
【0028】また、本発明の非晶質軟磁性合金磁心は、
先に記載の非晶質軟磁性合金磁心であって、相対密度が
98%以上であることを特徴とする。かかる非晶質軟磁
性合金磁心によれば、相対密度が高く、板状粒子同士が
緻密に焼結されて組織中に空隙がほとんど残存しないの
で、軟磁気特性に優れた非晶質軟磁性合金磁心を構成す
ることが可能になる。
【0029】本発明の非晶質軟磁性合金焼結体の製造方
法は、板状粒子が含まれてなる軟磁性合金粉体を、該板
状粒子同士が境界の少なくとも一部を残して接するよう
に焼結することを特徴とする。即ち、本発明の非晶質軟
磁性合金焼結体の製造方法は、板状粒子からなる軟磁性
合金粉体を、前記板状粒子の境界が残存するように焼結
することを特徴とする。
【0030】かかる非晶質軟磁性合金焼結体の製造方法
によれば、板状粒子がその形状を維持した状態で相互に
焼結されるので、組織中に前記板状粒子の境界を存在さ
せることができ、この境界において電気抵抗が大きくな
るので、渦電流損が低減されて高周波領域における透磁
率が高い非晶質軟磁性合金焼結体を製造することが可能
になる。
【0031】また、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体の
製造方法は、先に記載の製造方法であって、金属ガラス
合金薄帯を粉砕した後に分級することにより前記板状粒
子からなる前記軟磁性合金粉体を得る粉体製造工程を具
備することを特徴とする。かかる非晶質軟磁性合金焼結
体の製造方法によれば、分級によって板状粒子の形状を
制御して板状粒子の長径と短径の比である扁平率を制御
でき、この扁平率を高くすると板状粒子が焼結の際に配
向しやすくなり、軟磁気特性に優れた非晶質軟磁性合金
焼結体を製造することが可能となる。
【0032】また、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体の
製造方法は、先に記載の製造方法であって、金属ガラス
合金の溶湯を、回転する冷却ロールに霧状に吹き付ける
ことにより前記板状粒子が含まれてなる前記軟磁性合金
粉体を得る粉体製造工程を具備することを特徴とする。
かかる非晶質軟磁性合金焼結体の製造方法によれば、霧
状の金属ガラス合金の溶湯を冷却ロールに吹き付けるだ
けで板状粒子が得られるので、非晶質軟磁性合金焼結体
の製造工程を簡略化することができる。
【0033】更に、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体の
製造方法は、先に記載の製造方法であって、前記軟磁性
合金粉体を、金型に充填して静磁場をかける粉体充填工
程を具備してなることを特徴とする。かかる非晶質軟磁
性合金焼結体の製造方法によれば、金型に充填して静磁
場をかけることにより、板状粒子がより配列されやすく
なり、軟磁気特性の向上を図ることが可能となる。
【0034】また、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体の
製造方法は、先に記載の製造方法であって、前記軟磁性
合金粉体を焼結した後に、前記軟磁性合金粉体の結晶化
開始温度以下の温度で熱処理する熱処理工程を具備して
なることを特徴とする。かかる非晶質軟磁性合金焼結体
の製造方法によれば、軟磁性合金粉体を焼結した後に熱
処理するので、焼結の際に生じた機械的歪みを除去する
ことができ、非晶質軟磁性合金焼結体の軟磁気特性を向
上させることが可能になる。
【0035】本発明の非晶質軟磁性合金焼結体の製造方
法では、前記の焼結を行う際に、前記軟磁性合金粉体に
一軸圧力を印加しつつ前記軟磁性合金粉体を焼結するこ
とが好ましい。かかる非晶質軟磁性合金焼結体の製造方
法によれば、焼結の際に一軸圧力をかけるので、板状粒
子がより配向されやすくなり、軟磁気特性の向上を図る
ことが可能となる。
【0036】また、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体の
製造方法では、前記の焼結を行う際に、得られる焼結体
の相対密度が98%以上となるように前記軟磁性合金粉
体に前記一軸圧力を印加することがより好ましい。かか
る非晶質軟磁性合金焼結体の製造方法によれば、一軸圧
力を印加して相対密度が98%以上になるように焼結す
るので、板状粒子同士が緻密に焼結されて組織中に空隙
がほとんど残存することがなく、軟磁気特性に優れて損
失が小さい非晶質軟磁性合金焼結体を製造することが可
能となる。
【0037】更に、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体の
製造方法では、前記の焼結を行う際に、前記軟磁性合金
粉体の結晶化開始温度以下の温度で前記軟磁性合金粉体
を焼結することが好ましい。かかる非晶質軟磁性合金焼
結体の製造方法によれば、軟磁性合金粉体をその結晶化
開始温度以下の温度で焼結するので、結晶質相析出開始
による結晶磁気異方性の発生が防止されて、軟磁気特性
に優れた非晶質軟磁性合金焼結体を製造することが可能
になる。
【0038】更にまた、本発明の非晶質軟磁性合金焼結
体の製造方法では、前記粉体製造工程において、前記板
状粒子の表面に酸化皮膜を形成することが好ましい。か
かる非晶質軟磁性合金焼結体の製造方法によれば、板状
粒子の境界が酸化皮膜で構成されることになるので、こ
の境界における電気抵抗が更に大きくなって渦電流損が
低減され、高周波領域における透磁率がより高い非晶質
軟磁性合金焼結体を製造することが可能になる。また、
この酸化皮膜は高い融点を示すので、焼結されても溶融
することがなく焼結体の組織中に残存し、板状粒子の境
界が存在する非晶質軟磁性合金焼結体を容易に製造する
ことが可能になる。
【0039】また、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体の
製造方法は、先に記載の製造方法であって、前記板状粒
子が非晶質相を主相とする軟磁性合金からなることを特
徴とする。かかる非晶質軟磁性合金焼結体の製造方法に
よれば、板状粒子が非晶質相を主相とする軟磁性合金か
らなり、この板状粒子の粒界が組織中に残存するように
焼結するので、板状粒子が溶解されて結晶質相が析出す
ることがなく、非晶質相を主体とする焼結体を製造する
ことが可能となる。
【0040】また、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体の
製造方法は、先に記載の製造方法であって、前記軟磁性
合金が、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開始温
度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される過
冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上である金属ガラ
ス合金であることを特徴とする。かかる非晶質軟磁性合
金焼結体の製造方法によれば、板状粒子を構成する軟磁
性合金が過冷却液体の温度間隔ΔTxを有する金属ガラ
ス合金であり、この板状粒子が温度間隔ΔTxの領域ま
で加熱されると、板状粒子がニュートン流体のごとき挙
動を示して板状粒子の流動性が大きくなると共に、板状
粒子のごく一部が相互拡散するので、この状態で一軸圧
力を印加すると、板状粒子が容易に焼結されて緻密な焼
結体を製造することが可能となる。
【0041】本発明の非晶質軟磁性合金焼結体の製造方
法においては、前記金属ガラス合金が、下記の組成で表
されるものであることが好ましい。 Al: 1〜10原子% Ga: 0.5〜4原子% P:15原子%以下 C: 7原子%以下 B: 2〜10原子% Si:15原子%以下 Fe: 残部 また、上記Siの添加量は1.5〜3.5原子%である
ことがより好ましい。また、上記の金属ガラス合金にお
いて、原子%におけるSiとPの比率を0.11≦Si
/(Si+P)≦0.28とすると、過冷却液体の温度
間隔ΔTxをより向上させ、非晶質相を主相とする非晶
質軟磁性合金焼結体が得られる点で好ましい。また、上
記の組成に、Geが4原子%以下含有されていてもよ
く、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Zr及びCrのうち
少なくとも1種以上が0〜7原子%含有されていてもよ
く、0〜10原子%のNiと0〜30原子%のCoのう
ち少なくとも一方が含有されていてもよい。
【0042】また、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体の
製造方法においては、前記金属ガラス合金が、下記の組
成で表されるものであることが好ましい。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、a、
b、x、yは、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、
5原子%≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子
%である。また、前記の(Fe1-a-bCoaNib
100-x-yxyなる組成式において、0.042≦a≦
0.29、0.042≦b≦0.43の関係にされてなる
ものであっても良い。
【0043】また、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体の
製造方法においては、前記金属ガラス合金が、下記の組
成で表されるものであってもよい。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、XはC
r、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、
Si、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上からな
る元素であり、a、b、x、y、zは、0≦a≦0.2
9、0≦b≦0.43、5原子%≦x≦20原子%、1
0原子%≦y≦22原子%、0原子%≦z≦5原子%で
ある。また、前記の(Fe1-a-bCoaNib100-x-y-z
xyzなる組成式において、0.042≦a≦0.2
9、0.042≦b≦0.43の関係にされてなるもので
あっても良い。
【0044】更に、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体の
製造方法においては、前記金属ガラス合金が、下記の組
成で表されるものであることが好ましい。 Co100-x-y-z-wxyzw ただし、TはFeおよびNiのうちの1種または2種で
あり、MはTi、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Wの
うちの1種または2種以上であり、LはCr、Mn、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、Ga、S
i、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上であり、
x、y、z、wは、0原子%≦x≦30原子%、5原子
%≦y≦15原子%、0原子%≦z≦10原子%、15
原子%≦w≦22原子%である。また、上記のxは、8
原子%≦x≦30原子%であることが好ましく、14原
子%≦x≦21原子%でることがより好ましい。また、
Mが(M’1-cM''c)で表され、M’はZr、Hfのう
ちの1種または2種、M''はTi、Nb、Ta、W、M
oのうちの1種または2種以上であり、cは0.2≦c
≦1であることが好ましい。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1には、本発明の実施形態であ
る非晶質軟磁性合金焼結体の一例を示す。この非晶質軟
磁性合金焼結体1は、板状粒子3からなる軟磁性合金粉
体が焼結されて円環状に成形されたもので、非晶質軟磁
性合金磁心2として、例えばトランスのコア等に好適に
適用されるものである。
【0046】図2には、非晶質軟磁性合金焼結体1(非
晶質軟磁性合金磁心2)を構成する軟磁性合金粉体の板
状粒子3を示す。この板状粒子3は、金属ガラス合金薄
帯が粉砕されて得られたもの、あるいは金属ガラス合金
の溶湯を回転する冷却ロールに霧状に吹き付けて冷却し
て得られたものであって、図示するようにその形状が板
状とされており、一対の板面4、4を具備してなるもの
である。
【0047】図3には、図1に示す非晶質軟磁性合金焼
結体1(非晶質軟磁性合金磁心2)の断面6の模式図を
示す。図3に示すように、この非晶質軟磁性合金焼結体
1(非晶質軟磁性合金磁心2)は、前記板状粒子同士が
隣接する他の板状粒子との境界5の少なくとも一部を残
して焼結されてなるものであり、図2に示した板状粒子
3がその形状をほぼそのまま維持した状態で相互に密着
して焼結されている。即ち、この非晶質軟磁性合金焼結
体1は、組織中に板状粒子3の境界5が存在した状態と
なっており、板状粒子3が溶解して均一な組織を構成し
ているものではない。
【0048】このように、組織中に板状粒子3の境界5
が存在するので、この境界5において電気抵抗が大きく
なり、組織全体としての比抵抗が高くなって渦電流損が
低減されて、高周波領域における透磁率を高くすること
ができる。また、上記の軟磁性合金粉体を構成する少な
くとも80%以上の板状粒子同士が境界5を残して焼結
されて組織中にて残存していることが好ましい。残存す
る板状粒子が80%未満では、組織中に存在する板状粒
子3…の境界5が減少して、非晶質軟磁性合金焼結体1
の透磁率が低下するので好ましくない。
【0049】また、図1及び図3に示すように、円環状
の非晶質軟磁性合金焼結体1においては、各板状粒子3
…が、それぞれの板面4…の配向方向を円環の円周方向
に沿うようにして焼結されている。この非晶質軟磁性合
金焼結体1を磁心2として用いた場合には、磁路方向が
円環の円周方向に一致するので、各板状粒子3…が、そ
れぞれの板面4…の配向方向を磁路方向に一致させて配
列することになる。特に、非晶質軟磁性合金焼結体1の
組織中に含まれる少なくとも80%以上の板状粒子3…
が、その板面4の配向方向を円環の円周方向に沿うよう
にして焼結されていることが好ましい。
【0050】この板状粒子3…の配向方向について図4
を参照して更に詳しく説明する。図4には板状粒子3…
の配向方向を模式的に示した斜視図を示す。図4に示す
ように板状粒子3…は、それぞれの板面4…の板面方向
(図中矢印Aに示す方向)を符号Bに示す矢印の軸線に
沿って一軸方向に配向している。この矢印Bは、図1に
おける円環状の非晶質軟磁性合金焼結体1の円周方向に
相当する。
【0051】また同時に、各板状粒子3…は、図5に示
すように、磁路方向に対する板面4の板面方向のずれ角
度αが20°以下であることが好ましい。
【0052】特に、図1に示すように、各板状粒子3…
の厚さ方向が同一方向に配向していることが好ましい。
即ち図1に示すように板状粒子3…の板面が図中上下方
向に向いていることが好ましい。
【0053】板状粒子3…が上述のように規則正しく配
向して焼結されていれば、反磁界による軟磁気特性への
悪影響が低減されて、非晶質軟磁性合金焼結体1の軟磁
気特性を高くすることができる。
【0054】なお、板状粒子3…は、その扁平率が所定
の範囲内のものであることが好ましい。ここで扁平率と
は、板状粒子3の板面4の長径をa、板状粒子3の厚さ
をbとしたとき、a/b×100(%)で表されるもの
である。扁平率が大きいほど板状粒子3…が同一方向に
配向されやすくなるが、極端に扁平率が大きくなると、
金型に充填する際に板状粒子3…同士の間に空隙が残存
し、非晶質軟磁性合金焼結体1(非晶質軟磁性合金磁心
2)の相対密度を高くすることができないので好ましく
ない。なお、扁平率の好ましい範囲は150%以上60
00%以下、より好ましい範囲は250%以上6000
%以下、更に好ましい範囲は450%以上3000%以
下とされる。また、板状粒子3の長径aは、45μm以
上300μm以下であることが好ましく、45μm以上
150μm以下であることがより好ましい。板状粒子3
の厚さbは、5μm以上30μm以下であることが好ま
しく、5μm以上10μm以下であることがより好まし
い。板状粒子3…の形状が上記の範囲内であれば、非晶
質軟磁性合金焼結体1(非晶質軟磁性合金磁心2)の透
磁率及び飽和磁束密度を高くすることができる。
【0055】また、非晶質軟磁性合金焼結体1(非晶質
軟磁性合金磁心2)の相対密度が98%以上であること
が好ましい。相対密度が98%以上であれば、板状粒子
3…同士が緻密に焼結されるため組織中に空隙がほとん
ど残存することがないので、透磁率及び飽和磁束密度に
優れた非晶質軟磁性合金焼結体1(非晶質軟磁性合金磁
心2)を構成することができる。
【0056】本発明に係る非晶質軟磁性合金焼結体1を
構成する板状粒子3…は、非晶質相を主相とする軟磁性
合金からなるもので、この軟磁性合金は、ΔTx=Tx
g (ただしTxは結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温
度を示す。)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔT
xが20K以上である金属ガラス合金であることが好ま
しい。上記の金属ガラス合金は、組成によってはΔTx
が40K以上、さらには50K以上という顕著な温度間
隔を有し、これまでの知見から知られる他の合金からは
全く予期されないものであり、軟磁性についても室温で
優れた特性を有しており、これまでの知見に見られない
全く新規なものである。
【0057】板状粒子3…を構成する軟磁性合金が過冷
却液体の温度間隔ΔTxを有する金属ガラス合金である
と、この板状粒子3…が温度間隔ΔTxの領域まで加熱
された際に、板状粒子3…がニュートン流体のごとき挙
動を示して板状粒子3…の流動性が大きくなると共に、
板状粒子3…のごく一部が相互拡散するので、板状粒子
3…同士が容易に焼結されて、緻密な焼結体(磁心)を
構成することができる。
【0058】上記の金属ガラス合金の一例として、Fe
を主成分とし、他の金属と半金属とを含有したものを挙
げることができる。このうち半金属元素としては、Pと
Siが必ず用いられ、しかもC、B、Geのうちの少な
くとも1種以上の元素が用いられる。このとき原子%に
おけるSiとPの比率は、0<Si/(Si+P)≦
0.4を満たしており、好ましくは0.1<Si/(S
i+P)≦0.35であり、より好ましくは0.11<
Si/(Si+P)≦0.28である。他の金属とは、
IIIB族及びIVB族の金属元素のうちの少なくとも
1種のものが好適に用いられる。例えば、Al、Ga、
In及びSnのうちの少なくとも1種以上の元素が用い
られる。
【0059】より具体的に例示すると、Al:1〜10
原子%、Ga:0.5〜4原子%、P:15原子%以
下、C:7原子%以下、B:2〜10原子%、Si:1
5原子%以下、Fe:残部であって、不可避不純物が含
有されていても良い金属ガラス合金が挙げられる。この
ようにFe−Al−Ga−P−C−B系の金属ガラスに
Siを添加し、しかもSiのPに対する添加比率が0<
Si/(Si+P)≦0.4を満たすようにすることに
より、過冷却液体の温度間隔ΔTxを向上させることが
できる。その結果、この金属ガラス合金からなる板状粒
子を比較的高温で焼結させて、冷却速度が遅くなって
も、過冷却液体の温度間隔ΔTxが大きいために結晶質
相が析出することがなく、室温で優れた軟磁気特性を有
する非晶質軟磁性合金焼結体1(非晶質軟磁性合金磁心
2)を得ることができる。Siの含有量が多すぎると過
冷却液体の温度間隔ΔTxが消滅するので、15%以下
が好ましい。特に上記Siの添加量が原子%で1.5〜
3.5%であることが、より大きな過冷却液体の温度間
隔ΔTxが得られる点で好ましい。
【0060】上記Pの添加量は、原子%で7〜9%が好
ましく、より好ましくは5〜8%である。また、上記C
の添加量は、原子%で2〜7%であることがより好まし
い。また、上記の組成に、Geが4原子%以下含有され
ていてもよく、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Zr及び
Crのうち少なくとも1種以上が0〜7原子%含有され
ていてもよく、0〜10原子%のNiと0〜30原子%
のCoのうち少なくとも一方が含有されていてもよい。
これらのいずれの場合の組成においても、本発明におい
ては、過冷却液体の温度間隔ΔTxは、35K以上、組
成によっては50K以上が得られる。
【0061】また、金属ガラス合金の他の例として、F
eを主成分とし、以下の2つの組成式のいずれかで表さ
れるものを用いることができる。即ち、 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、a、
b、x、yは、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、
5原子%≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子
%である。または、 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、XはC
r、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、
Si、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上からな
る元素であり、a、b、x、y、zは、0≦a≦0.2
9、0≦b≦0.43、5原子%≦x≦20原子%、1
0原子%≦y≦22原子%、0原子%≦z≦5原子%で
ある。
【0062】上記の組成式において、主成分であるFe
とCoとNiは、磁性を担う元素であり、高い飽和磁束
密度と優れた軟磁気特性を得るために重要である。例え
ば、50K〜60KのΔTxを得るには、Coの組成比
を示すaの値を0≦a≦0.29、Niの組成比を示す
bの値を0≦b≦0.43の範囲、60K以上のΔTx
得るには、Coの組成比を示すaの値を0.042≦a
≦0.29、Niの組成比を示すbの値を0.042≦b
≦0.43の範囲とすることが好ましい。また、前記の
範囲内において、良好な軟磁気特性を得るためには、C
oの組成比を示すaの値を0.042≦a≦0.25の範
囲とすることが好ましく、高い飽和磁束密度を得るため
には、Niの組成比を示すbの値を0.042≦b≦0.
1の範囲とすることがより好ましい。
【0063】DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、T
i、Vのうちの1種又は2種以上からなる元素である。
これらは非晶質相を生成させるために有効な元素であ
り、5原子%以上、20原子%以下の範囲であると良
い。更に、高い磁気特性を得るためには、より好ましく
は5原子%以上、15原子%以下にすると良い。これら
元素Mのうち、特にZrが有効である。Zrは、その一
部をNb等の元素と置換することができるが、置換する
場合の組成比cは、0≦c≦0.6の範囲であると、高
いΔTxを得ることができるが、特にΔTxを80K以上
とするには0.2≦c≦0.4の範囲が好ましい。
【0064】Bは、高い非晶質形成能があり、本発明で
は10原子%以上、22原子%以下の範囲で添加する。
Bが10原子%未満であると、ΔTxが消滅し、射出成
形体が得られなくなるので好ましくなく、22原子%よ
りも大きくなると合金が脆くなるために好ましくない。
より高い非晶質形成能と良好な磁気特性を得るために
は、16原子%以上、20原子%以下とすることがより
好ましい。
【0065】前記の組成系に更に、Xで示されるCr、
W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、S
i、Ge、C、Pのうちの1種又は2種以上の元素を添
加することもできる。本発明ではこれらの元素を0原子
%以上、5原子%以下の範囲で添加することができる。
これらの元素は主に耐食性を向上させる目的で添加する
もので、この範囲を外れると軟磁気特性が低下する。ま
た、この範囲を外れると非晶質形成能が劣化するために
好ましくない。
【0066】更に、金属ガラス合金のその他の例とし
て、Coを主成分とし、以下の組成式で表されるものを
用いることができる。即ち、 Co100-x-y-z-wxyzw 但し、TはFeおよびNiのうちの1種または2種であ
り、MはTi、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Wのう
ちの1種または2種以上であり、LはCr、Mn、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、Ga、S
i、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上であり、
x、y、z、wは、0原子%≦x≦30原子%、 5原
子%≦y≦15原子%、0原子%≦z≦10原子%、1
5原子%≦w≦22原子%である。
【0067】上記の組成の金属ガラス合金の構成元素
は、上記の組成式で示されるように、一体となって非晶
質でかつ軟磁性を有する合金を形成し、それぞれの元素
群は下記の特性に寄与していると考えられる。 Co :合金の基となり磁性を担う。 T群 :これも磁性を担う元素であるが、特にFeが8
原子%以上配合されるとガラス遷移温度Tgが生ずるよ
うになり、過冷却液体状態が得易くなる。ただし30原
子%を越えると磁歪が1×10-6より大となり好ましく
ない。 M群 :過冷却液体領域の温度幅ΔTxを拡大する効果
があり、非晶質を形成し易くする。配合量が5原子%未
満ではガラス遷移温度Tgが出現しなくなり好ましくな
い。また、15原子%を越えると磁気特性が低下し、特
に、磁化が低下するため好ましくない。 L群:合金の耐食性を向上する効果がある。ただし、1
0原子%を越えて多量に配合すると磁気特性や非晶質形
成性を劣化させるので好ましくない。 B :高い非晶質形成能を有すると共に、15原子%
〜22原子%の配合によって比抵抗を増大させ、かつ熱
安定性を高める効果がある。配合量は、15原子%未満
では非晶質形成能が不十分でΔTxが減少または消滅す
る。また22原子%を越えると磁気特性を劣化させるの
で好ましくない。
【0068】前記の組成式で示されるCoを主成分とす
る金属ガラス合金において、特に、xが14原子%≦x
≦21原子%であるとき、過冷却液体領域の温度幅ΔT
xが20K以上と広いものが好適に得られる。上記M群
元素のうちでもZrもしくはHfが好ましく、特にZr
が有効であり、その一部をTi、Nb、Ta、W、Mo
のうち1種または2種以上の元素と置換することがで
き、その場合の前記Mは、(M’1-cM''c)で表され
る。このとき、M’は、ZrもしくはHf、またはZr
とHfを両方含んでいる元素である。また、M''はT
i、Nb、Ta、W、Moのうちの1種または2種以上
の元素であり、この中でもNb、Ta、W、Moが好ま
しい。置換する場合の組成比cは、0.2≦c≦1の範
囲、より好ましくは0.2≦c≦0.8の範囲である
と、過冷却液体領域の温度幅ΔTxを拡大することがで
きる。このようにM’の一部をTi、Nb、Ta、W、
Moのうち1種または2種以上の元素と置換されている
場合は、Feの配合量xが8以下と少ない場合であって
もTgを有しており、ΔTxを認めることができる。
【0069】特に低磁歪性のCo基金属ガラス合金が求
められる場合には、前記の組成式においてT群(Feお
よび/またはNi)の配合量xを0原子%〜20原子%
の範囲内とすることが好ましい。これによってΔTx
広くすることができる。磁歪の絶対値を10×10-6
り小さくすることができる。また、T群の配合量xを0
原子%〜8原子%の範囲内とすることが好ましい。これ
によって、磁歪の絶対値を5×10-6より小さくするこ
とができる。さらに、T群の配合量xは、0原子%〜3
原子%の範囲内にされることがより好ましく。これによ
って磁歪の絶対値が1×10-6より小さくすることがで
きる。
【0070】上述の非晶質軟磁性合金焼結体1(非晶質
軟磁性合金磁心2)においては、過冷却液体の温度間隔
ΔTxを有する金属ガラス合金からなる板状粒子3…が
組織中に同一方向に配列されて焼結され、かつ相対密度
が98%以上であるので、透磁率を高くすることがで
き、飽和磁束密度を大きくすることができる。
【0071】次に、本発明に係る非晶質軟磁性合金焼結
体1の製造方法を説明する。この製造方法は、軟磁性合
金粉体を得る粉体製造工程と、この軟磁性合金粉体を金
型に充填する粉体充填工程と、金型に充填された軟磁性
合金粉体を焼結する焼結工程と、熱処理とからなる。
【0072】粉体製造工程では、金属ガラス合金薄帯を
粉砕、分級して板状粒子からなる軟磁性合金粉体を製造
する。金属ガラス合金薄帯は、上述の組成の金属ガラス
合金の溶湯を、回転する冷却ロールの冷却面に噴出させ
て急冷するいわゆるロール急冷法により製造される。次
に、得られた金属ガラス合金薄帯を粉砕して粉砕体を製
造する。粉砕には、ロータミル、ボールミル、ジェット
ミル、アトマイザー、摩砕機等を用いることができる。
【0073】次に、粉砕体を分級して、所定の扁平率を
有する板状粒子からなる軟磁性合金粉体を得る。扁平率
は、板状粒子3の板面4の長径をa、板状粒子3の厚さ
をbとしたとき、a/b×100(%)で表されるもの
である。扁平率が大きいほど、焼結の際に板状粒子3…
を一定の方向に配列させやすくなるが、極端に扁平率が
大きくなると、金型への充填の際に板状粒子3…同士の
間に空隙が残存し、非晶質軟磁性合金焼結体1の相対密
度を高くすることができなくなって、透磁率及び飽和磁
束密度が低下するので好ましくない。なお、扁平率の好
ましい範囲は150%以上6000%以下、より好まし
い範囲は250%以上6000%以下、更に好ましい範
囲は450%以上3000%以下とされる。また、板状
粒子3の長径aは、45μm以上300μm以下である
ことが好ましく、45μm以上150μm以下であるこ
とがより好ましい。板状粒子3の厚さbは、5μm以上
30μm以下であることが好ましく、5μm以上10μ
m以下であることがより好ましい。分級には、ふるい、
振動ふるい、音波ふるい、気流式分級機等を用いること
ができる。このようにして、図2に示すような板状粒子
の集合体である軟磁性合金粉体が得られる。
【0074】また、上記組成の金属ガラス合金の溶湯
を、回転する冷却ロールに霧状に吹き付けることによっ
ても、板状粒子が含まれてなる軟磁性合金粉体を得るこ
とができる。この場合は、溶湯を冷却ロールに霧状に吹
き付けるだけで、軟磁性合金粉体を容易に得ることがで
きる。このときの板状粒子の扁平率、長径及び厚さの制
御は、冷却ロールの回転速度、溶湯の温度、噴霧条件等
を適宜調整することにより制御できる。
【0075】更に、得られた軟磁性合金粉体の表面を酸
化して、板状粒子3…の表面に酸化皮膜を形成させても
良い。板状粒子3の表面に酸化皮膜を形成すると、非晶
質軟磁性合金焼結体の組織に残存する板状粒子の境界5
が酸化皮膜で構成されることになり、この境界5におけ
る電気抵抗が更に大きくなって比抵抗が増大し、渦電流
損が低減されて高周波領域における透磁率がより高くな
る。また、この酸化皮膜は高い融点を示すので、焼結さ
れても溶融することがなく焼結体の組織中に残存して、
板状粒子の境界5が存在する非晶質軟磁性合金焼結体を
容易に製造することができる。
【0076】次に粉体充填工程では、軟磁性合金粉体を
金型に充填する際に、静磁場を印加する。例えば、円環
状の非晶質軟磁性合金焼結体1を製造する場合には、図
6に示すような金型10を用いる。この金型10は、中
空円筒型のダイ11と、このダイ11の中空部11aに
挿入される上パンチ12および下パンチ13からなる。
上パンチ12の下面には円柱状の突起12aが設けられ
ており、これら上パンチ12、下パンチ13及びダイ1
1が一体化して、金型10の内部に円環状の型が形成さ
れる。なお、この金型10は、非磁性の材料からなるこ
とが好ましい。そしてこの金型10に上述の軟磁性合金
粉体を充填する。充填の際には、金型のダイ11の側方
から直流の磁場を印加することが好ましい。磁場を印加
することにより金型10中にて板状粒子3…が一方向に
配列しやすくなる。なお、板状粒子を一方向に配列でき
れば、磁場の印加のみならず、他の方法を採用すること
ができる。
【0077】焼結工程では、金型10に充填された軟磁
性合金粉体を、一軸圧力を印加しつつ所定の焼結温度ま
で加熱して焼結する。図7には、この焼結工程において
用いて好適な放電プラズマ焼結装置の一例の要部を示
す。この例の放電プラズマ焼結装置は、軟磁性合金粉体
16を充填した金型10と、金型10の下パンチ13を
支え、後述するパルス電流を流す際の一方の電極ともな
るパンチ電極14と、金型10の上パンチ12を下側に
押圧し、パルス電流を流す他方の電極となるパンチ電極
15と、金型10内の軟磁性合金粉体16の温度を測定
する熱電対17を主体として構成されている。そして、
この放電プラズマ焼結装置は、チャンバ18内に収納さ
れており、このチャンバ18は図示略の真空排気装置お
よび雰囲気ガスの供給装置に接続されていて、金型10
に充填される軟磁性合金粉体16を不活性ガス雰囲気な
どの所望の雰囲気下に保持できるように構成されてい
る。なお、図7では通電装置が省略されているが、上下
のパンチ12、13およびパンチ電極14、15には別
途設けた通電装置が接続されていてこの通電装置からパ
ルス電流をパンチ12、13およびパンチ電極14、1
5を介して通電できるように構成されている。
【0078】そして、軟磁性合金粉体16が充填された
金型10を放電プラズマ焼結装置に設置し、チャンバ1
8の内部を真空引きするとともに、パンチ12、13で
上下から一軸圧力Pを軟磁性合金粉体16に印加すると
同時に、パルス電流を印加して軟磁性合金粉体16を加
熱して焼結する。この放電プラズマ焼結処理において
は、通電電流により軟磁性合金粉体16を所定の速度で
素早く昇温することができ、また、通電電流の値に応じ
て軟磁性合金粉体16の温度を厳格に管理できるので、
ヒータによる加熱などよりも遥かに正確に温度管理がで
き、これにより予め設計した通りの理想に近い条件で焼
結ができる。
【0079】本発明において、軟磁性合金粉体16の焼
結温度は、軟磁性合金粉体16を固化成形するために5
73K(300℃)以上とすることが必要であるが、軟
磁性合金粉体16を構成する金属ガラス合金は、大きな
過冷却液体の温度間隔ΔTx(Tx−Tg)を有している
ので、この温度領域で加圧焼結することによって、高密
度の焼結体を好ましく得ることができる。ただし、焼結
温度が高すぎると、板状粒子3…が溶融して板状粒子の
境界5が残存しなくなるおそれがある。更に、焼結温度
が結晶化開始温度Txに近いと、結晶析出開始による結
晶磁気異方性が生じて軟磁性特性が劣化するおそれがあ
る。更にまた、放電プラズマ焼結装置の機構上、モニタ
ーされる焼結温度は金型10に設置されている熱電対1
7の温度であるため、軟磁性合金粉体16の温度よりも
低い温度である。したがって、本発明における焼結温度
は、結晶化開始温度をTx、焼結温度をTとした場合、
好ましくはT≦Txの範囲とされる。特に、焼結温度T
を713K(440℃)以下とするのがより好ましい。
【0080】本発明において、焼結を行う際の昇温速度
は、ゆっくりとした昇温速度では結晶相が生成するおそ
れがあるため、40℃/分以上の早い昇温速度とするの
が好ましい。また焼結の際に軟磁性合金粉体に印加する
一軸圧力Pについては、圧力が低すぎると板状粒子を一
定方向に配列させることができず、また焼結体を形成で
きなくなる。また、圧力が高すぎると板状粒子3…が高
い圧力で圧密化されて板状粒子3…の境界5が消失する
おそれがある。従って一軸圧力Pは、300MPa以上
3000MPa以下とするのが好ましく、500MPa
以上2000MPa以下とするのがより好ましい。更
に、焼結体1の相対密度が98%以上になるように一軸
圧力を印加すれば、軟磁性合金粉体16を構成する板状
粒子3…が緻密に焼結されて組織中に空隙がほとんど残
存することがないので、透磁率が高く、飽和磁束密度が
大きい非晶質軟磁性合金焼結体1(非晶質軟磁性合金磁
心2)を製造することができる。
【0081】本発明においては、板状粒子を構成する軟
磁性合金が過冷却液体の温度間隔ΔTxを有する金属ガ
ラス合金であるので、この板状粒子3…を焼結する際に
温度間隔ΔTxの領域まで加熱すると、板状粒子3…が
ニュートン流体のごとき挙動を示して、板状粒子3…の
流動性が大きくなる。また、板状粒子3…のごく一部が
相互拡散する。そしてこの状態で一軸圧力Pを印加する
と、板状粒子3…が、その板面方向を一軸圧力Pの印加
方向の垂直方向に配向するように焼結される。このよう
にして、板状粒子3…から構成された軟磁性合金粉体を
焼結することにより、組織中で板状粒子3…が規則正し
く配向した緻密な非晶質軟磁性合金焼結体1を製造する
ことができる。
【0082】さらに、得られた焼結体1に熱処理を施し
てもよく、これにより磁気特性を高めることができる。
このときの熱処理温度はキュリー温度以上であり、かつ
磁気特性を劣化させる結晶質相が析出する温度以下とさ
れ、具体的には金属ガラス合金の結晶化開始温度Txよ
り低い温度であることが好ましく、より具体的には、
(Tx−200)K〜(Tx−20)Kの範囲が好まし
く、(Tg−100)K〜(Tg)Kの範囲がより好ま
しく、(Tg−5)K〜(Tg−10)Kの範囲が最も
好ましい。例えば、Fe−Al−Ga−P−C−B系の
金属ガラス合金の場合には、熱処理温度を573K(3
00℃)〜783K(510℃)の範囲とすることが好
ましく、643K(370℃)〜743K(470℃)
の範囲とすることがより好ましく、693K(420
℃)〜733K(460℃)の範囲とすることが最も好
ましい。
【0083】このようにして得られた非晶質軟磁性合金
焼結体1は、原料として用いられた金属ガラス合金と同
じ組成を有するものであるから、室温で優れた軟磁性特
性を有し、また熱処理によってより良好な磁性を示すも
のである。このため、優れたSoft magnetic特性(軟磁
気特性)を有する材料として、この焼結体を磁気ヘッド
のコア、あるいはトランスの磁心、更には、パルスモー
タの磁心等に広く適用することができ、従来材に比べて
優れた軟磁気特性を有する磁心を得ることができる。
【0084】尚、上記説明では、金属ガラス合金からな
る軟磁性合金粉体を放電プラズマ焼結により成形する方
法を用いたが、これに限らず、ホットプレス法、押し出
し法などの方法により加圧焼結することによっても非晶
質軟磁性合金焼結体を得ることができる。
【0085】また、上記説明では、金型を用いて円環状
の非晶質軟磁性合金焼結体を製造する方法を説明した
が、これに限られず、バルク状の焼結体を製造し、これ
を切削加工して、円環状、棒状、平面視略E字状、平面
視略エ字状等の形状に切り出すことにより焼結体を製造
しても良い。この場合、焼結体における板状粒子の配列
方向を自由に設定することができる。
【0086】
【実施例】Fe、Al及びGaと、Fe-C合金、Fe-
P合金、B及びSiを原料としてそれぞれ所定量秤量
し、減圧Ar雰囲気下においてこれらの原料を高周波誘
導加熱装置で溶解し、Fe70Al5Ga29.655.75
4.6Si3なる組成のインゴットを作製した。このインゴ
ットをるつぼ内に入れて溶解し、減圧Ar雰囲気下でる
つぼのノズルから回転しているロールに溶湯を吹き出し
て急冷する単ロール法により、幅15mm、厚さ25μ
mの非晶質相組織の金属ガラス合金薄帯を得た。これを
ローターミルを用いて大気中で粉砕し、更に45〜15
0μmの標準ふるいを用いて分級して板状粒子の集合体
を得、これを軟磁性合金粉体とした。
【0087】次に、約2gの前記軟磁性合金粉体をWC
製の金型にハンドプレスを用いて充填した後、図7に示
す放電プラズマ焼結装置を用い、チャンバの内部を3×
10-5torrの減圧雰囲気とし、上下のパンチ12、
13で軟磁性合金粉体を590MPaまで加圧するとと
もに、通電装置からパルス電流を通電して軟磁性合金粉
体を加熱した。パルス電流の波形は12パルス流した後
で2パルス休止するものとし、500〜3000Aの電
流で軟磁性合金粉体を室温から693K(420℃)〜
713K(440℃)の焼結温度に加熱した。そして、
軟磁性合金粉体に590MPaの圧力を印加したままで
前記の焼結温度を約8分間保持することにより焼結を行
った。なお、昇温速度は40℃/分とした。焼結時の焼
結温度及び圧力のタイムチャートを図8に示す。このよ
うにして実験例1〜4の非晶質軟磁性合金焼結体を得
た。この焼結体の形状は、外径10mm、内径6mm、
厚さ1mmの円環状であった。なお、実験例1及び実験
例3の非晶質軟磁性合金焼結体は、693K(420
℃)で焼結した焼結体であり、実験例2の非晶質軟磁性
合金焼結体は、703K(430℃)で焼結した焼結体
であり、実験例4の非晶質軟磁性合金焼結体は、713
K(440℃)で焼結した焼結体である。また、実験例
3の非晶質軟磁性合金焼結体は、焼結時の圧力を290
MPaとした。
【0088】図9には、Fe70Al5Ga29.655.75
4.6Si3なる組成の金属ガラス合金薄帯及び軟磁性合
金粉体のX線回折測定の結果を示す。図9から明らかな
ように、金属ガラス合金薄帯及び軟磁性合金粉体のX線
回折パターンは、いずれもブロードなパターンを示して
おり、いずれも非晶質相を主体とする組織を有している
ことがわかる。このように金属ガラス合金薄帯を粉砕し
て板状粒子を形成しても、結晶質相が析出することなく
非晶質状態が維持されていることが判る。
【0089】図10には、上記の組成の金属ガラス合金
薄帯及び軟磁性合金粉体のDSC曲線(Differential s
canning caloriemeter:示差走査熱量測定による曲線)
を示す。図10から、金属ガラス合金薄帯については、
Tx=805K(532℃)、Tg=745K(472
℃)、ΔTx=60Kが求められる。また、軟磁性合金
粉体については、Tx=805K(532℃)、Tg=7
45K(472℃)、ΔTx=60Kが求められる。こ
のように、金属ガラス合金薄帯及び軟磁性合金粉体には
結晶化温度Tx以下の広い温度領域で過冷却液体域が存
在し、ΔTx=Tx−Tgで示される値が大きく、この系
の組成の合金が高いアモルファス形成能を有することが
わかる。
【0090】図11〜図13に実験例1、3、4の非晶
質軟磁性合金焼結体の断面を示す。図11に示す実験例
1の非晶質軟磁性合金焼結体は、板状粒子同士が境界を
残して焼結されており、また各板状粒子の板面の板面方
向が焼結体の厚さ方向の垂直方向に配向されて、焼結体
の厚さ方向に積層するように規則的に配向されているこ
とがわかる。図12に示す実験例3の非晶質軟磁性合金
焼結体においては、板状粒子同士が焼結されて板状粒子
間の境界が存在していることは確認できるが、板状粒子
が乱雑に配向しており、一定の方向に揃って配向してい
ないことがわかる。これは、焼結時の印加圧力が低かっ
たために、板状粒子が規則的に配向しないまま焼結され
たためと考えられる。
【0091】図13に示す実験例4の非晶質軟磁性合金
焼結体においては、板状粒子同士の境界がはっきり確認
できない。実験例4の非晶質軟磁性合金焼結体について
は、焼結温度がやや高いために、板状粒子の一部分若し
くは大部分が溶解して、板状粒子同士が溶融状態で焼結
されたために、板状粒子間の境界が消失したものと考え
られる。尚、実験例2の非晶質軟磁性合金焼結体は、実
験例1の焼結体と同様に、板状粒子同士が境界を残して
規則的に配向して焼結されていた。
【0092】また、実験例1の非晶質軟磁性合金焼結体
の電気抵抗を測定したところ、260μΩmを得た。ま
た、金属ガラス合金薄帯の電気抵抗を測定したところ、
180μΩmを得た。薄帯よりも非晶質軟磁性合金焼結
体の方が大きな電気抵抗を示したのは、板状粒子の境界
が存在していて、境界における抵抗が存在するためと考
えられる。このように、非晶質軟磁性合金焼結体の電気
抵抗を高くできるので、過電流損を減少させて高周波特
性を向上させることができる。
【0093】次に図14には、実験例1、2、4の非晶
質軟磁性合金焼結体のX線回折測定の結果を示す。図1
4から明らかなように、実験例1及び実験例2の非晶質
軟磁性合金焼結体のX線回折パターンは、いずれもブロ
ードなパターンを示しており、非晶質相を主体とする組
織であることがわかる。一方、実験例4の非晶質軟磁性
合金焼結体のX線回折パターンには、シャープな回折パ
ターンが観察され、結晶質相が析出していることがわか
る。実験例4においては焼結温度がやや高かったため、
板状粒子が溶解して結晶質相が析出したものと考えられ
る。
【0094】図15には実験例1、2、4の非晶質軟磁
性合金焼結体のDSC曲線を示す。図15から、実験例
1の非晶質軟磁性合金焼結体については、Tx=805
K(532℃)、Tg=745K(472℃)、ΔTx=
60Kが求められ、実験例2の非晶質軟磁性合金焼結体
については、Tx=805K(532℃)、Tg=745
K(472℃)、ΔTx=60Kが求められ、いずれも
過冷却液体の温度間隔ΔTxを有していて、金属ガラス
合金の状態にあることがわかる。一方、実験例4の非晶
質軟磁性合金焼結体については、Tx=805K(53
2℃)が認められるもののTgが観察されず、過冷却液
体の温度間隔ΔTxを有していないことがわかる。
【0095】図16には、実験例1、2、4の非晶質軟
磁性合金焼結体の密度と焼結温度との関係を示し、図1
7には、相対密度と焼結温度との関係を示す。また表1
に密度と相対密度の測定値を示す。なお、Fe78Si9
13なる組成の合金粉体を、昇温速度40℃/分、焼結
温度683K(410℃)〜723K(450℃)、保
持時間8分、焼結圧力590MPaの条件で焼結するこ
とにより、円環状の比較例1〜4の軟磁性合金焼結体を
得た。この比較例1〜4の軟磁性合金焼結体の密度及び
相対密度を図16、図17及び表1に併せて示す。
【0096】図16及び図17から明らかなように、実
験例1、2、4の非晶質軟磁性合金焼結体は、相対密度
が98%以上であり、また焼結温度による密度及び相対
密度の変動が比較的小さく、比較的低い焼結温度でも高
い相対密度を示し、また703K(430℃)の焼結温
度でも非晶質相組織を有していることがわかる。一方、
比較例1〜4の軟磁性合金焼結体は、焼結温度による密
度及び相対密度の変動が大きく、低い焼結温度では相対
密度が低く、高い焼結温度では相対密度が上昇するもの
の、703K(430℃)を越えると結晶質相が析出し
ていることがわかる。
【0097】これは、本発明に係る非晶質軟磁性合金焼
結体が、過冷却液体の温度間隔ΔTxを有する金属ガラ
ス合金からなる軟磁性合金粉体が焼結されたものであ
り、焼結の際にこの軟磁性合金粉体がニュートン流体と
して挙動し、軟磁性合金粉体を構成する板状粒子が緻密
に焼結されるので、比較的低い焼結温度でも98%以上
の高い相対密度を示したものと考えられる。また、本発
明に係る非晶質軟磁性合金焼結体が、アモルファス形成
能が高い金属ガラス合金からなるので、比較的高い焼結
温度でも非晶質組織を維持できたものと考えられる。
【0098】
【表1】
【0099】図18には実験例1、2、4の非晶質軟磁
性合金焼結体のB−H曲線を示す。実験例4(Ts=71
3K)の非晶質軟磁性合金焼結体は、実験例1、2(T
s=693K、703K)よりも、印加磁場800A/m
における磁束密度が大幅に低下している。これは、実験
例4の非晶質軟磁性合金焼結体の焼結温度が高いため、
組織中に結晶質相が析出して軟磁気特性が低下したため
と考えられる。
【0100】また図19には実験例2及び比較例2の焼
結体のB−H曲線を示す。実験例2のFe70Al5Ga2
9.655.754.6Si3なる組成の焼結体は、比較例2
のFe78Si913なる組成の焼結体よりも印加磁場8
00A/mにおける磁束密度が大幅に高く、また磁場0
(A/m)付近におけるB−H曲線の傾きが比較例2の
曲線よりも大きくなっており、軟磁気特性に優れている
ことが判る。
【0101】図20、図21には、実験例1、2、4の
非晶質軟磁性合金焼結体及び比較例1〜4の、軟磁性合
金焼結体の飽和磁束密度(Bs)及び印加磁場800A
/mにおける磁束密度(B800)及び保磁力(Hc)及
び1kHzにおける透磁率(μ’)の焼結温度依存性
(TS)を示す。図20に示すようにFe70Al5Ga2
9.655.754.6Si3なる組成の焼結体(実験例1、
2、4)においては、焼結温度が713K(440℃)
になると、磁束密度(B10)及び透磁率(μ’)が低下
していることがわかる。これは、焼結温度が高くなるに
つれて組織中に結晶質相が析出して軟磁気特性が低下し
たためと考えられる。また図21に示すように、実験例
1及び実験例2の焼結体は、Fe78Si91 3なる組成
の焼結体(比較例1〜4)と比較して、非晶質相単相が
得られる焼結温度では、Bs、B800、μ’が高く、H
cが低く、優れた軟磁気特性を示していることが判る。
【0102】次に、実験例2及び比較例2の焼結体にそ
れぞれ巻線を施してコアロスWを測定した。コアロスW
の測定は、印加する測定磁束密度Bmを0.05〜1T
の範囲とし、磁場の周波数を50Hz〜100kHzの
範囲とした条件で行った。結果を図22に示す。図22
に示すようにいずれの条件においても、実験例2の焼結
体のコアロスWは、比較例2の焼結体のコアロスWより
小さく、磁心として優れていることが判る。
【0103】次に、実験例2の焼結体に熱処理を施した
ときの物性、磁気特性等を調査した。まず、703K
(430℃)で焼結したFe70Al5Ga29.655.75
4.6 Si3なる組成の実験例2の焼結体を、0.01P
a以下の減圧雰囲気中で723K(450℃)、743
K(470℃)の熱処理温度(Ta)で熱処理した。熱
処理後の焼結体の組織の状態をX線回折により調査し
た。結果を図23に示す。 図23から明らかなよう
に、どの焼結体もブロードなX線回折パターンを示して
おり、いずれも非晶質相を主体とする組織を有している
ことがわかる。即ち、743Kで熱処理しても結晶質相
が析出しないことが判る。このことは、熱処理の温度が
図10に示した上記組成の合金のTx(805K(53
2℃))より低いことからも明白である。
【0104】次に、実験例2の焼結体を、上記と同様に
して623K(350℃)、723K(450℃)、7
43K(470℃)の熱処理温度(Ta)で熱処理し
た。熱処理後の焼結体のDSC曲線を示差走査熱量測定
によって測定した。結果を図24に示す。図24に示す
ように、これらの焼結体には結晶化温度Tx以下の広い
温度領域で過冷却液体域が存在しており、熱処理が施さ
れても非晶質状態を維持していることが判る。
【0105】図25には実験例2の焼結体の結晶化開始
温度Tx、ガラス遷移温度Tg、キュリー温度Tc及び
過冷却液体の温度間隔ΔTxの熱処理温度Ta依存性を
示す。 熱処理温度が703K(430℃)を越えたあ
たりからΔTxが若干小さくなり始めるが、熱処理温度
が703K以下の範囲ではTx、Tg、Tc及びΔTxは
それぞれ一定になっていることが判る。
【0106】図26には、実験例2の焼結体のB−H曲
線、及び実験例2の焼結体を723K(450℃)で熱
処理したもののB−H曲線を示す。図26から明らかな
ように、熱処理後の焼結体は、熱処理前の実験例2の焼
結体よりも印加磁場800A/mにおける磁束密度が高
く、また磁場0(A/m)付近におけるB−H曲線の傾
きが熱処理前の焼結体の曲線よりも大きくなっており、
熱処理により軟磁気特性が向上していることが判る。
【0107】次に図27に、実験例2及び実験例5のそ
れぞれ焼結体の、印加磁場800A/mにおける磁束密
度(B800)及び保磁力(Hc)及び1kHzにおける
透磁率(μ’)の熱処理温度依存性(Ta)を示す。ま
た、実験例2及び実験例5の焼結体の断面の電子顕微鏡
写真を図28及び図29にそれぞれ示す。
【0108】実験例5の焼結体とは、焼結圧力を290
MPaとしたこと以外は実験例2の焼結体と全く同様に
して製造したものである。実験例5の焼結体の焼結圧力
は、実験例2の焼結圧力よりも小さくなっており、その
ため図29に示すように実験例5の焼結体は板状粒子の
配向が不規則になっていることが判る。そして図27か
らも明らかなように、実験例2の焼結体は、実験例5の
焼結体よりもBs、B800、μ’が高く、Hcが低く、
優れた軟磁気特性を示していることが判る。これは、図
28に示すように実験例2の焼結体に含まれる板状粒子
が実験例5のものよりも規則的に配向しているためと推
定される。
【0109】次に、実験例2及び実験例5の焼結体にそ
れぞれ巻線を施してコアロスWを測定した。コアロスW
の測定は、測定磁束密度Bmを0.1〜0.5Tの範囲
とし、磁場の周波数を50Hz〜100kHzの範囲と
した条件で行った。結果を図30に示す。なお例えば、
周波数100kHz、0.1Tの磁束密度で測定したコ
アロスは、図中W0.1/100kHzと記載している。図30に
示すようにどの条件においても、実験例2の焼結体のコ
アロスWは実験例5の焼結体のコアロスWより小さく、
磁心として優れていることが判る。
【0110】以上の実験結果から、金属ガラス合金から
なる板状粒子同士を、それぞれの境界を残して焼結する
と共に熱処理することにより得られた焼結体は、非晶質
相を主相としてなり、軟磁気特性、およびコアロスに優
れているので、磁気ヘッド、トランス、モータ等の磁心
に好適に用いることができる。
【0111】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
非晶質軟磁性合金焼結体は、板状粒子からなる軟磁性合
金粉体が焼結されてなるものであって、組織中に前記板
状粒子の境界が存在しており、この境界において電気抵
抗が大きくなるので、渦電流損が低減されて高周波領域
における透磁率を高くすることができる。また、組織中
に前記板状粒子の境界が存在しており、板状粒子同士が
圧着された状態であるので、結晶質相が析出することが
なく、優れた軟磁気特性を発現させることができる。
【0112】また、組織中の少なくとも80%以上の前
記板状粒子が、その板面の板面方向をほぼ一軸方向に配
向させ、かつ一軸方向に対する板面方向のずれ角が20
°以下であるので、反磁界による軟磁気特性の悪影響を
低減することができ、優れた軟磁気特性を発現させるこ
とができる。
【0113】更に、前記板状粒子が非晶質相を主相とす
る軟磁性合金からなり、この軟磁性合金が、過冷却液体
の温度間隔ΔTxが20K以上である金属ガラス合金で
あるので、この板状粒子が温度間隔ΔTxの領域まで加
熱されると、板状粒子がニュートン流体のごとき挙動を
示して板状粒子の流動性が大きくなると共に、板状粒子
のごく一部が相互拡散するので、板状粒子が容易に焼結
されて成形され、緻密な焼結体とすることができる。
【0114】更に、本発明の非晶質軟磁性合金焼結体
は、相対密度が98%以上であるので、板状粒子同士が
緻密に焼結されて組織中に空隙がほとんど残存せず、軟
磁気特性に優れた非晶質軟磁性合金焼結体を構成するこ
とができる。
【0115】本発明の非晶質軟磁性合金磁心は、組織中
に前記板状粒子の境界が存在していると共に、少なくと
も80%以上の前記板状粒子が、その板面の板面方向を
磁路方向に一軸配向させるように配向しており、かつ一
軸方向に対する板面方向のずれ角が20°以下であるの
で、反磁界による軟磁気特性の悪影響が低減されて、コ
アロスを小さくすることができる。
【0116】また、本発明の非晶質軟磁性合金磁心は、
形状が円環状とされ、前記磁路方向がその円周方向とさ
れているので、トランスのコアとして好適に用いること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態である非晶質軟磁性合金焼
結体(非晶質軟磁性合金磁心)を示す斜視図である。
【図2】 板状粒子を示す模式図である。
【図3】 図1に示す非晶質軟磁性合金焼結体(非晶質
軟磁性合金磁心)の断面模式図である。
【図4】 非晶質軟磁性合金焼結体(非晶質軟磁性合金
磁心)の組織中における、板状粒子の配向方向を説明す
るための模式図である。
【図5】 非晶質軟磁性合金焼結体(非晶質軟磁性合金
磁心)の組織中における、板状粒子の配向方向を説明す
るための模式図である。
【図6】 図1に示す非晶質軟磁性合金焼結体(非晶質
軟磁性合金磁心)を製造する際に用いる金型の分解斜視
図である。
【図7】 放電プラズマ焼結装置の要部を示す図であ
る。
【図8】 焼結条件のプログラムを示すグラフである。
【図9】 金属ガラス合金薄帯及び軟磁性合金粉体のX
線回折パターンを示す図である。
【図10】 金属ガラス合金薄帯及び軟磁性合金粉体の
DSC曲線を示す図である。
【図11】 実験例1の非晶質軟磁性合金焼結体の断面
の模式図である。
【図12】 実験例3の非晶質軟磁性合金焼結体の断面
の模式図である。
【図13】 実験例4の非晶質軟磁性合金焼結体の断面
の模式図である。
【図14】 実験例1、2、4の非晶質軟磁性合金焼結
体のX線回折パターンを示す図である。
【図15】 実験例1、2、4の非晶質軟磁性合金焼結
体のDSC曲線を示す図である。
【図16】 実験例1、2、4及び比較例1〜4の焼結
体の密度の焼結温度(Ts)依存性を示すグラフであ
る。
【図17】 実験例1、2、4及び比較例1〜4の焼結
体の相対密度の焼結温度(Ts)依存性を示すグラフで
ある。
【図18】 実験例1、2、4の非晶質軟磁性合金焼結
体のB−H曲線を示す図である。
【図19】 実験例2及び比較例2の焼結体のB−H曲
線を示す図である。
【図20】 実験例1、2、4の非晶質軟磁性合金焼結
体及び金属ガラス合金薄帯の飽和磁束密度(Bs)、印
加磁場800A/mにおける磁束密度(B80 0)、保磁
力(Hc)及び1kHzにおける透磁率(μ’)の、焼
結温度(Ts)依存性を示すグラフである。
【図21】 実験例1、2、4及び比較例1〜4の焼結
体の飽和磁束密度(Bs)、印加磁場800A/mにお
ける磁束密度(B800)、保磁力(Hc)及び1kHz
における透磁率(μ’)の、焼結温度(Ts)依存性を
示す図である。
【図22】 実験例2及び比較例2の焼結体のコアロス
の磁束密度(Bm)の依存性を示すグラフである。
【図23】 実験例2の非晶質軟磁性合金焼結体及びこ
の焼結体を熱処理して得た焼結体のX線回折パターンを
示す図である。
【図24】 実験例2の非晶質軟磁性合金焼結体及びこ
の焼結体を熱処理して得た焼結体のDSC曲線を示す図
である。
【図25】 実験例2の非晶質軟磁性合金焼結体の結晶
化開始温度(Tx)及びガラス遷移温度(Tg)及びキュ
リー温度(Tc)及び過冷却液体の温度間隔(ΔTx)
の、熱処理温度(Ta)依存性を示すグラフである。
【図26】 実験例2の非晶質軟磁性合金焼結体の熱処
理前後でのB−H曲線を示す図である。
【図27】 実験例2及び実験例5の非晶質軟磁性合金
焼結体の印加磁場800A/mにおける磁束密度(B
800)、保磁力(Hc)及び1kHzにおける透磁率
(μ’)の、熱処理温度(Ta)依存性を示すグラフで
ある。
【図28】 実験例2の非晶質軟磁性合金焼結体の断面
の電子顕微鏡写真である。
【図29】 実験例5の非晶質軟磁性合金焼結体の断面
の電子顕微鏡写真である。
【図30】 実験例2及び実験例5の焼結体のコアロス
の熱処理温度(Ta)依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 非晶質軟磁性合金焼結体 2 非晶質軟磁性合金磁心 3 板状粒子 4 板面 5 境界
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/00 304 B22F 3/00 E H01F 1/22 H01F 1/22 (72)発明者 水嶋 隆夫 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内元支倉35番地 川 内住宅11−806 Fターム(参考) 4K018 AA11 BB07 CA19 DA11 KA43 5E041 AA11 AA19 BC01 BD01 BD03 CA02 CA04 HB03 HB06 HB07 HB11 HB17 NN01 NN06

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状粒子を含有する軟磁性合金粉体が焼
    結されてなるものであって、前記板状粒子同士が、隣接
    する他の板状粒子との境界の少なくとも一部を残して焼
    結されていることを特徴とする非晶質軟磁性合金焼結
    体。
  2. 【請求項2】 前記軟磁性合金粉体に含まれる板状粒子
    の少なくとも80%以上が、隣接する他の板状粒子との
    境界を残して焼結されていることを特徴とする請求項1
    記載の非晶質軟磁性合金焼結体。
  3. 【請求項3】 前記の各板状粒子は、それぞれの板面方
    向を一軸方向に配向して焼結されていることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の非晶質軟磁性合金焼
    結体。
  4. 【請求項4】 前記軟磁性合金粉体に含まれる板状粒子
    の少なくとも80%以上がそれぞれの板面方向を一軸方
    向に配向させて焼結され、かつ前記一軸方向に対する各
    々の板面方向のずれ角が20°以下であることを特徴と
    する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の非晶質
    軟磁性合金焼結体。
  5. 【請求項5】 前記板状粒子の厚さ方向が同一方向に配
    向されていることを特徴とする請求項3または請求項4
    に記載の非晶質軟磁性合金焼結体。
  6. 【請求項6】 前記板状粒子が非晶質相を主相とする軟
    磁性合金からなることを特徴とする請求項1ないし請求
    項5のいずれかに記載の非晶質軟磁性合金焼結体。
  7. 【請求項7】 前記軟磁性合金は、ΔTx=Tx−Tg
    (ただしTxは結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を
    示す。)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが
    20K以上の金属ガラス合金であることを特徴とする請
    求項6に記載の非晶質軟磁性合金焼結体。
  8. 【請求項8】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で表
    されるものであることを特徴とする請求項7に記載の非
    晶質軟磁性合金焼結体。 Al: 1〜10原子% Ga: 0.5〜4原子% P:15原子%以下 C: 7原子%以下 B: 2〜10原子% Si:15原子%以下 Fe: 残部
  9. 【請求項9】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で表
    されるものであることを特徴とする請求項7に記載の非
    晶質軟磁性合金焼結体。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
    うちの1種または2種以上からなる元素であり、a、
    b、x、yは、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、
    5原子%≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子
    %である。
  10. 【請求項10】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で
    表されるものであることを特徴とする請求項7に記載の
    非晶質軟磁性合金焼結体。 Co100-x-y-z-wxyzw ただし、TはFeおよびNiのうちの1種または2種で
    あり、MはTi、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Wの
    うちの1種または2種以上であり、LはCr、Mn、R
    u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、Ga、S
    i、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上であり、
    x、y、z、wは、0原子%≦x≦30原子%、5原子
    %≦y≦15原子%、0原子%≦z≦10原子%、15
    原子%≦w≦22原子%である。
  11. 【請求項11】 相対密度が98%以上であることを特
    徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の
    非晶質軟磁性合金焼結体。
  12. 【請求項12】 板状粒子を含有する軟磁性合金粉体が
    焼結されてなるものであって、前記板状粒子同士が、隣
    接する他の板状粒子との境界の少なくとも一部を残して
    焼結されていると共に各板状粒子の板面方向が磁路方向
    に一軸配向されていることを特徴とする非晶質軟磁性合
    金磁心。
  13. 【請求項13】 前記軟磁性合金粉体に含まれる板状粒
    子の少なくとも80%以上が、隣接する他の板状粒子と
    の境界を残し、かつそれぞれの板面方向を磁路方向に一
    軸配向させていると共に、前記一軸方向に対する各々の
    板面方向のずれ角が20°以下であることを特徴とする
    請求項12に記載の非晶質軟磁性合金磁心。
  14. 【請求項14】 形状が円環状とされると共に、前記磁
    路方向がその円周方向に一致することを特徴とする請求
    項12または請求項13に記載の非晶質軟磁性合金磁
    心。
  15. 【請求項15】 前記板状粒子の厚さ方向が同一方向に
    配向されていることを特徴とする請求項12ないし請求
    項14のいずれかに記載の非晶質軟磁性合金磁心。
  16. 【請求項16】 前記板状粒子が非晶質相を主相とする
    軟磁性合金からなることを特徴とする請求項12、1
    3、15のいずれかに記載の非晶質軟磁性合金磁心。
  17. 【請求項17】 前記軟磁性合金は、ΔTx=Tx−Tg
    (ただしTxは結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を
    示す。)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが
    20K以上の金属ガラス合金であることを特徴とする請
    求項16に記載の非晶質軟磁性合金磁心。
  18. 【請求項18】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で
    表されるものであることを特徴とする請求項17に記載
    の非晶質軟磁性合金磁心。 Al: 1〜10原子% Ga: 0.5〜4原子% P:15原子%以下 C: 7原子%以下 B: 2〜10原子% Si:15原子%以下 Fe: 残部
  19. 【請求項19】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で
    表されるものであることを特徴とする請求項17に記載
    の非晶質軟磁性合金磁心。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
    うちの1種または2種以上からなる元素であり、a、
    b、x、yは、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、
    5原子%≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子
    %である。
  20. 【請求項20】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で
    表されるものであることを特徴とする請求項17に記載
    の非晶質軟磁性合金磁心。 Co100-x-y-z-wxyzw ただし、TはFeおよびNiのうちの1種または2種で
    あり、MはTi、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Wの
    うちの1種または2種以上であり、LはCr、Mn、R
    u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、Ga、S
    i、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上であり、
    x、y、z、wは、0原子%≦x≦30原子%、5原子
    %≦y≦15原子%、0原子%≦z≦10原子%、15
    原子%≦w≦22原子%である。
  21. 【請求項21】 相対密度が98%以上であることを特
    徴とする請求項12ないし請求項20のいずれかに記載
    の非晶質軟磁性合金磁心。
  22. 【請求項22】 板状粒子が含まれてなる軟磁性合金粉
    体を、該板状粒子同士が境界の少なくとも一部を残して
    接するように焼結することを特徴とする非晶質軟磁性合
    金焼結体の製造方法。
  23. 【請求項23】 金属ガラス合金薄帯を粉砕して分級す
    ることにより前記板状粒子が含まれてなる前記軟磁性合
    金粉体を得る粉体製造工程を具備することを特徴とする
    請求項22に記載の非晶質軟磁性合金焼結体の製造方
    法。
  24. 【請求項24】 金属ガラス合金の溶湯を、回転する冷
    却ロールに霧状に吹き付けることにより前記板状粒子が
    含まれてなる前記軟磁性合金粉体を得る粉体製造工程を
    具備することを特徴とする請求項22に記載の非晶質軟
    磁性合金焼結体の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記軟磁性合金粉体を、金型に充填し
    て静磁場を印加する粉体充填工程を具備してなることを
    特徴とする請求項22ないし請求項24のいずれかに記
    載の非晶質軟磁性合金焼結体の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記軟磁性合金粉体を焼結した後に、
    前記軟磁性合金粉体の結晶化開始温度以下の温度で熱処
    理する熱処理工程を具備してなることを特徴とする請求
    項22ないし請求項25のいずれかに記載の非晶質軟磁
    性合金焼結体の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記軟磁性合金粉体を焼結する際に、
    前記軟磁性合金粉体に一軸圧力を印加しつつ焼結するこ
    とを特徴とする請求項22に記載の非晶質軟磁性合金焼
    結体の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記軟磁性合金粉体を焼結する際に、
    得られる焼結体の相対密度が98%以上となるように前
    記軟磁性合金粉体に前記一軸圧力を印加することを特徴
    とする請求項22または請求項27に記載の非晶質軟磁
    性合金焼結体の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記軟磁性合金粉体の結晶化開始温度
    以下の温度で前記軟磁性合金粉体を焼結することを特徴
    とする請求項22、27、28のいずれかに記載の非晶
    質軟磁性合金焼結体の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記粉体製造工程において、前記板状
    粒子の表面に酸化皮膜を形成することを特徴とする請求
    項23または請求項24のいずれかに記載の非晶質軟磁
    性合金焼結体の製造方法。
  31. 【請求項31】 前記板状粒子が非晶質相を主相とする
    軟磁性合金からなることを特徴とする請求項22ないし
    請求項24のいずれかに記載の非晶質軟磁性合金焼結体
    の製造方法。
  32. 【請求項32】 前記軟磁性合金は、ΔTx=Tx−Tg
    (ただしTxは結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を
    示す。)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが
    20K以上の金属ガラス合金であることを特徴とする請
    求項31に記載の非晶質軟磁性合金焼結体の製造方法。
  33. 【請求項33】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で
    表されるものであることを特徴とする請求項32に記載
    の非晶質軟磁性合金焼結体の製造方法。 Al: 1〜10原子% Ga: 0.5〜4原子% P:15原子%以下 C: 7原子%以下 B: 2〜10原子% Si:15原子%以下 Fe: 残部
  34. 【請求項34】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で
    表されるものであることを特徴とする請求項32に記載
    の非晶質軟磁性合金焼結体の製造方法。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
    うちの1種または2種以上からなる元素であり、a、
    b、x、yは、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、
    5原子%≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子
    %である。
  35. 【請求項35】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で
    表されるものであることを特徴とする請求項32に記載
    の非晶質軟磁性合金焼結体の製造方法。 Co100-x-y-z-wxyzw ただし、TはFeおよびNiのうちの1種または2種で
    あり、MはTi、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Wの
    うちの1種または2種以上であり、LはCr、Mn、R
    u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、Ga、S
    i、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上であり、
    x、y、z、wは、0原子%≦x≦30原子%、5原子
    %≦y≦15原子%、0原子%≦z≦10原子%、15
    原子%≦w≦22原子%である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002249802A (ja) * 2001-02-26 2002-09-06 Alps Electric Co Ltd 非晶質軟磁性合金圧密体及びそれを用いた圧粉磁心
US7622011B2 (en) 2002-12-25 2009-11-24 Japan Science And Technology Agency Spherical particles of Fe base metallic glass alloy, Fe base sintered alloy soft magnetic material in bulk form produced by sintering the same, and method for their production
WO2022177349A1 (ko) * 2021-02-19 2022-08-25 엘지이노텍 주식회사 자성코어 및 이를 포함하는 코일부품

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