JPH1171508A - シリコンウェハーキャリア - Google Patents

シリコンウェハーキャリア

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JPH1171508A
JPH1171508A JP23447997A JP23447997A JPH1171508A JP H1171508 A JPH1171508 A JP H1171508A JP 23447997 A JP23447997 A JP 23447997A JP 23447997 A JP23447997 A JP 23447997A JP H1171508 A JPH1171508 A JP H1171508A
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silicon wafer
wafer carrier
antistatic
polyethylene glycol
polymer
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Takayoshi Numata
貴善 沼田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型シリコンウェハーキャリアに必要な剛性
とウェハーキャリア表面において均一な優れた帯電防止
性を備えたシリコンウェハーキャリアを得ること。 【解決手段】 (A)熱可塑性ポリエステル樹脂100
重量部に対して(B)表面抵抗率が108〜1011Ω
(但し、表面抵抗率は測定電圧500Vでの制電ポリマ
ーの測定値である)である制電ポリマー10〜100重
量部及び(C)体積抵抗率が0.1Ωcm以下の繊維状
導電性フィラー1〜50重量部を配合して得られるポリ
エステル樹脂組成物から成形されたシリコンウェハーキ
ャリア。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大型キャリアに対応
可能な剛性を備えたポリエステル樹脂組成物からなり、
帯電圧減衰時間の大幅に減少されたシリコンウェハーキ
ャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル樹脂は成形性、機械的特
性、耐熱性、耐薬品性、耐クリープ、耐衝撃性、剛性等
に優れているので広く使われている。ポリエステル樹脂
はウェハーキャリア用材料としても用いられている。
【0003】しかし、ポリエステル樹脂は、摩擦、剥離
などによって著しく帯電し易く、成形物に種々の問題、
例えば、使用時の放電による衝撃、埃の付着をもたら
す。
【0004】ポリエステル樹脂組成物に帯電防止性を付
与する方法としてアルキルスルホン酸のホスホニウム塩
(特開昭62−230835号公報)などの低分子型帯
電防止剤を使用する方法とポリエーテルエステルアミド
などの高分子型帯電防止剤を使用する方法が知られてい
る。
【0005】さらに、ポリエステル樹脂に帯電防止性と
剛性を付与方法としてカーボン繊維を添加することが知
られている(特開平8−88266号公報)。
【0006】
【発明の解決するべき課題】シリコンウェハーの生産性
の向上の面からキャリアの大型化が進んでいる。しか
し、単にポリエステル樹脂に高分子型帯電防止剤を添加
したポリエステル樹脂では、洗浄工程などによる帯電防
止性の変化が少なく、溶出金属によるシリコンウェハー
汚染の問題も少ない点では好ましいが、12インチ径以
上のシリコンウェハーキャリアとすると剛性や耐摩耗性
が不足し、全自動化に対応できない。
【0007】他方、低分子型帯電防止剤をシリコンウェ
ハーキャリアとして使用すると、洗浄工程などでの溶出
金属が多く、デバイスの結晶欠如や電気特性の低下など
の原因となる。
【0008】ポリエステル樹脂にカーボン繊維を添加す
る場合、シリコンウェハーキャリア大きさ、形状によっ
ては、多量のカーボンファイバー(以下、CFと略する
場合がある)を混入しても安定した導電特性を得ること
が難しい。これは、CFの分散性の悪さに起因するもの
と考えられる。他方、少量CFを混入した場合、例えば
CFを8重量%混入した場合、剛性は飛躍的に向上する
ものの、シリコンウェハーキャリアの表面での帯電圧減
衰時間が600秒以上(印加電圧10KV時)になり、
電荷が漏洩されにくく、帯電防止性不十分なキャリアし
か得ることができない。
【0009】本発明は、上述の従来技術の問題を解決す
ることを課題とするものである。即ち、本発明の課題
は、例えば12インチ径以上の、大型シリコンウェハー
キャリアに必要な剛性とウェハーキャリア表面において
均一な優れた帯電防止性を備えるシリコンウェハーキャ
リアを得ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討の結
果、熱可塑性ポリエステル樹脂に、体積抵抗率が0.1
Ωcm以下の繊維状導電性フィラーと表面抵抗率が10
8〜1011Ωである制電ポリマーを溶融混合して得られ
るポリエステル樹脂組成物を用いてシリコンウェハーキ
ャリアを成形すると、樹脂組成物中に存在する繊維状導
電性フィラーの分散欠如部分を、制電ポリマーが厚さ
0.5μm以下のスジ状に分散して存在することにより
補い、得られるシリコンウェハーキャリアは帯電圧減衰
時間が非常に短くなるとともに、例えば12インチ径以
上の大型キャリアに必要な剛性を備えることを見出し、
本発明に到達した。
【0011】すなわち、本発明は、(A)熱可塑性ポリ
エステル樹脂100重量部に対して(B)表面抵抗率が
108〜1011Ω(但し、表面抵抗率は測定電圧500
Vでの制電ポリマーの測定値である)である制電ポリマ
ー10〜100重量部及び(C)体積抵抗率が0.1Ω
cm以下の繊維状導電性フィラー1〜50重量部を配合
して得られるポリエステル樹脂組成物から成形されたシ
リコンウェハーキャリアである。以下、本発明を詳細に
説明する。
【0012】[熱可塑性ポリエステル樹脂]本発明に用
いられる(A)熱可塑性ポリエステル樹脂は、テレフタ
ル酸、または2,6−ナフタレンジカルボン酸あるいはこ
れらのエステル形成性誘導体を主たる酸成分とし、エチ
レングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチ
レングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペン
チルグリコール等の脂肪族ジオールを主たるジオール成
分としてなる芳香族ポリエステルである。
【0013】主たる酸成分とは、全酸成分に対して70
モル%、好ましくは80モル%、更に好ましくは90モ
ル以上の酸成分をいい、主たるジオール成分とは、全ジ
オール成分に対して70モル%、好ましくは80モル
%、更に好ましくは90モル以上のジオール成分をい
う。
【0014】これらの中で結晶化速度の速いポリブチレ
ンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレン−2,6−ナフ
タレートが好ましく、特にポリブチレンテレフタレート
が好ましい。
【0015】熱可塑性ポリエステルとしては上述のポリ
エステルの一部を共重合成分が置換したものでもよく、
かかる共重合成分としては、イソフタル酸、フタル酸;
メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸等のアルキル
置換フタル酸類;2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−
ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン
酸等のナフタレンジカルボン酸類;4,4−ジフェニルジ
カルボン酸、3,4−ジフェニルジカルボン酸等のジフェ
ニルジカルボン酸類、4,4−ジフェノキシエタンジカル
ボン酸等のジフェノキシエタンジカルボン酸類等の芳香
族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、
アゼライン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジ
カルボン酸類などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸;
1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオー
ル;ハイドロキノン、レゾルシン等のジヒドロキシベン
ゼン類;2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロ
パン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−スルホン等の
ビスフェノール類、ビスフェノール類とエチレングリコ
ールのごときグリコールとから得られるエーテルジオー
ルなどの芳香族ジオール;ε−オキシカプロオン酸、ヒ
ドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオ
キシカルボン酸等が挙げられる。
【0016】さらに上述の芳香族ポリエステルに分岐成
分として、トリメシン酸、トリメリット酸のごとき多官
能のエステル形成能を有する酸またはグリセリン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能
のエステル形成能を有するアルコールを1.0モル%以
下、好ましくは0.5モル%以下、更に好ましくは0.
3モル%以下を共重合せしめてもよい。
【0017】[制電ポリマー]本発明に用いられる制電
ポリマー(B)は表面抵抗率が108〜1011Ωである
制電ポリマーである。但し、表面抵抗率は測定電圧50
0Vでの制電ポリマーの測定値である。
【0018】このような制電ポリマーとして、好ましく
はポリエチレングリコール成分を有する制電ポリマーで
ある。ポリエチレングリコール成分を有するポリマーで
ある場合、本発明に必要な表面抵抗率108〜1011Ω
の制電ポリマーであるためには、ポリエチレングリコー
ル成分をポリマーの構成成分として20〜90重量%含
有する必要があり、好ましくは50〜80重量%含有す
る。
【0019】制電ポリマーは好ましくは、ポリエチレン
グリコール系ポリアミド共重合体、ポリエチレングリコ
ールメタクリレート共重合体、ポリ(エチレンオキシド
/プロピレンオキシド)共重合体、ポリエチレングリコ
ール系ポリエステルアミド、ポリエチレングリコール系
ポリエステルエラストマー、ポリ(エピクロルヒドリン
/エチレンオキシド)共重合体であり、これらの制電ポ
リマーのうち、制電ポリマー自体を評価したときの表面
抵抗率が108〜1011Ωである制電ポリマーが用いら
れる。
【0020】本発明において(B)表面抵抗率が108
〜1011Ωである制電ポリマーの配合量は熱可塑性ポリ
エステル樹脂100重量部に対して10〜100重量部
であり、好ましくは15〜30重量部である。制電ポリ
マーが100重量部を超えると機械的強度及び生産性が
低下し、制電ポリマーが10重量部以下であると帯電圧
減衰時間が長くなり、シリコンウェハーキャリア材に適
さない。
【0021】[繊維状導電性フィラー]本発明に用いら
れる(C)体積抵抗率が0.1Ωcm以下の繊維状導電
性フィラーは、好ましくはカーボンファイバー、金属フ
ァイバー、金属系ウィスカ、セラミック系ウィスカ及び
有機高分子系ウィスカである。カーボンファイバーとし
てはカーボン繊維、ニッケルコートのカーボン繊維が好
ましい。金属ファイバーとしては線引き法、溶融押し出
し法、メルト・エクストラクション法、切削法又はメッ
キ法製造されるFe、Ni、Cu、Al、Pb、SUS
(クロム鋼)、Znからなる金属ファイバーが好まし
い。これらの中で大型シリコンウェハーキャリアの要求
特性である高剛性と制電性を付与するために、最も適し
ているのはカーボン繊維である。
【0022】本発明に用いられる(C)体積抵抗率が
0.1Ωcm以下の繊維状導電フィラーの配合量は、熱
可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して1〜50
重量部、好ましくは10〜30重量部である。繊維状導
電フィラーが50重量部を超えると押出性、成形性が悪
くなる。繊維状導電フィラーが1重量部以下であると、
大型キャリアに必要な剛性を付与できず、また、帯電し
た電荷の漏洩効果が小さい。
【0023】カーボン繊維を50重量部を越えて多量に
用いた場合、成形時に微細なカーボン屑が生じ、シリコ
ンウェハー汚染の原因になりうる。
【0024】このような点からも1〜50重量部、好ま
しくは10〜30重量部の比較的少量のカーボン繊維で
効果的に電荷の漏洩を行うことができる繊維状導電フィ
ラーと制電ポリマーの併用系は有用である。
【0025】本発明のシリコンウェハーキャリアは、熱
処理した時の金属不純物のシリコンウェハーキャリア表
面への滲出が極めて少なく、シリコンウェハーに転写に
よる表面汚れを生じさせることがない。
【0026】例えばカーボンファイバー単独で用いた場
合、シリコンウェハーキャリア表面上で帯電防止性のば
らつきが生じる。このばらつきは、カーボンファイバー
の分散性が低く、シリコンウェハーキャリアの形状によ
りカーボンファイバーが適切に分布せず、カーボンファ
イバーの分布密度の低い部分が生じるためと考えられ
る。
【0027】本発明においては制電ポリマーと繊維状導
電フィラーを併用することにより、電荷の漏洩を大幅に
促進させる点に特徴がある。即ち、成形品の形状に依存
して生じる分散欠如部に制電ポリマーを存在させること
により、電荷の漏洩を大幅に促進させ、同時に大型のシ
リコンウェハーキャリアに必要とされる剛性を付与した
点に特徴がある。この混合系は、従来の単独系では実現
できなかった成形品中の帯電防止性のバラツキを著しく
小さくすることに成功した。
【0028】本発明に記載の繊維状導電性フィラーと制
電ポリマーの組み合わせは電磁波シールドの分野でも応
用が可能と思われる。例えば、ニッケルコートのカーボ
ンファイバーとPEEAとの組み合わせを挙げることが
できる。
【0029】本発明に用いられる樹脂組成物は、本発明
の目的を損なわない範囲で、ガラス状強化剤、粉粒状・
板状充填剤、難燃剤、離型剤、潤滑剤、滑剤、核剤、着
色剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐光(候)安定剤、その
他の熱可塑性樹脂、衝撃改良剤等の改質剤など、添加剤
を含有することができる。
【0030】[組成物の製造方法]本発明に用いられる
熱可塑性樹脂組成物は、(A)、(B)、及び(C)成
分を任意の配合方法により配合して得られる。通常これ
らの配合成分はより均一に分散させることが好ましく、
その全部もしくは一部を同時にあるいは均一に分散させ
ることが好ましく、その全部もしくは一部を同時にある
いは別々に例えばブレンダー、ニーダー、パンバリーミ
キサー、ロール、押出機等の混合機で混合し均質化させ
る方法を用いることが出来る。
【0031】更に、予めドライブレンドされた組成物を
加熱した押出機で溶融混練して均質化した後針金状に押
出し、次いで所望の長さに切断して粒状化する方法を用
いることもできる。
【0032】[シリコンウェハーの製造方法]本発明の
シリコンウェハーキャリアは、電荷の漏洩を促進させ、
帯電圧半減衰時間のバラツキが少ない静電気消散性に優
れたシリコンウェハーキャリアとするためには、成形品
表層部で制電ポリマーを厚さ0.5ミクロン以下のスジ状に
分散させるような成形条件、つまり、通常のポリエステ
ル成形時の条件より高速、高圧で成形することが必要で
ある。
【0033】例えば、三菱80MSP射出成形機を用い
た場合、シリンダー250℃、金型温度60℃射出速度
/射出圧力40〜60%で成形することが望ましい。こ
のようにして得られたシリコンウェハーキャリアは優れ
た永久帯電防止性を備える。以下、実施例により本発明
を説明する。
【0034】
【実施例】表1に記載の各種原料を表1に記載の量割合
で予め均一にドライブレンドした後、スクリュー径44
mmのベント付き2軸押出機を用いてシリンダー温度1
80〜310度、スクリュー回転数160rpm、吐出
量40kg/hにて溶融混練し、ダイスから吐出するス
レッドを冷却後、切断して成形用ペレットを得た。
【0035】なお、表1に記載の各種原料は以下のもの
を使用した。 ・ポリブチレンテレフタレート(PBT) 帝人(株)製 TRB−QK ・ポリエーテルエステルアミド(PEEA) 三洋化成(株)製 ペレスタット6321 表面抵抗率:1×109Ω ・カーボンファイバー 東邦レーヨン(株)製 HTA−C6−SR 体積抵抗率:1.5×10-3Ωcm
【0036】次いでこのペレットを用いて射出圧力75
0kg/cm2、射出速度70cm3/sec、冷却時間
15秒、及び全成形サイクル25秒の条件で射出成形に
より12インチ径のシリコンウェハーキャリア及び機械
的物性評価用の試験片を作成した。更に、このキャリア
の側面部を必要な大きさに切断して以下の評価を行っ
た。
【0037】[帯電防止性]帯電防止性は、オネストメ
ータ(シシド静電気(株)製スタチックH−0110)
を用いて測定した印加電圧10KVにおける半減衰時間及
び超絶縁計(東亜電波工業(株)製SM−10E)を用
いて測定した表面抵抗率によって評価した。半減衰時間
及び表面抵抗率は試料を温度23℃、相対湿度50%の
雰囲気下で24時間調湿した後、環境温度23℃、相対
湿度50%で測定した。
【0038】[機械的強度]引張試験はASTM D6
38に、曲げ試験はASTM D790にそれぞれ準処
した。
【0039】[繊維状導電性フィラー体積抵抗率]体積
抵抗率は、JIS−R−7601に準拠した。
【0040】[制電ポリマーの表面抵抗率]表面抵抗率
は超絶縁計(東亜電波工業(株)製SM−10E)を用
いて測定した(測定電圧 500V)。この測定は、試
料を温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で24時間
調湿した後、環境温度23℃、相対湿度50%で行っ
た。これらの実験結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】比較例1は表面抵抗率が1012Ω以下で、
帯電圧減衰時間も5秒以下であり、帯電防止性は付与さ
れているが、曲げ弾性率は2000MPa以下であり、
高剛性が必要な大型キャリア用には向かない。一方、比
較例2〜4の組成では、曲げ弾性率が4000〜600
0MPaであるが、帯電圧減衰時間が300秒以上あ
り、大型シリコンウェハーキャリアの帯電防止性に問題
が生じる可能性がある。
【0043】実施例1、2のPEEAとカーボン繊維混
合系は、大型シリコンウェハーキャリアとしての帯電防
止性、及び大型キャリアに必要な高剛性を兼ね備えてい
る。特に、帯電圧減衰時間は、PEEAとカーボン繊維
の混合効果が見事にあらわれ、実施例1では帯電圧減衰
時間が1秒台である。
【0044】次に、実施例1、比較例1及び比較例4の
成形品上での帯電防止性のバラツキを帯電圧減衰時間を
用いて検討した。図2〜4はシリコンウェハーキャリア
成形品の側面(125×150mm、厚さ約5mm)を
図1のように9等分し、各部の減衰時間の分布を示した
ものである。
【0045】PEEAとCF混合系(図4)は、CF単
独系(図3)の帯電圧減衰時間を大幅に改善しており、
また、平面板上の減衰時間のバラツキ(図4)はPEE
A単独系(図2)より小さく、より均一に帯電防止性が
付与されていることがわかる。
【0046】このようにPEEAとCF混合系は、シリ
コンウェハーキャリア材として有用である。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、12インチ径以上の大
型シリコンウェハーキャリアに必要な剛性とウェハーキ
ャリア表面において均一な優れた帯電防止性を備えたシ
リコンウェハーキャリアを得ることができる。さらに、
均一に制電特性を付与することは、電磁波シールドの領
域で重要な課題であり、制電ポリマーと導電フィラーの
混合系はそのような分野でも効果を発揮するものと期待
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯電圧半減衰時間のバラツキを測定するための
サンプル(シリコンウェハーキャリア側面から切り出し
た125mm×150mm、厚さ5mm)である。
【図2】比較例1の帯電圧半減衰時間のバラツキを表わ
すグラフである。
【図3】比較例4の帯電圧半減衰時間のバラツキを表わ
すグラフである。
【図4】実施例1の帯電圧半減衰時間のバラツキを表わ
すグラフである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性ポリエステル樹脂100
    重量部に対して(B)表面抵抗率が108〜1011Ω
    (但し、表面抵抗率は測定電圧500Vでの制電ポリマ
    ーの測定値である)である制電ポリマー10〜100重
    量部及び(C)体積抵抗率が0.1Ωcm以下の繊維状
    導電性フィラー1〜50重量部を配合して得られるポリ
    エステル樹脂組成物から成形されたシリコンウェハーキ
    ャリア。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)がポリ
    ブチレンテレフタレートである請求項1に記載のシリコ
    ンウェハーキャリア。
  3. 【請求項3】 制電ポリマー(B)がポリマーの構成成
    分としてポリエチレングリコール成分を20〜90重量
    %含有する制電ポリマーである請求項1に記載のシリコ
    ンウェハーキャリア。
  4. 【請求項4】 制電ポリマー(B)がポリエチレングリ
    コール系ポリアミド共重合体、ポリエチレングリコール
    メタクリレート共重合体、ポリ(エチレンオキシド/プ
    ロピレンオキシド)共重合体、ポリエチレングリコール
    系ポリエステルアミド共重合体、ポリエチレングリコー
    ル系ポリエステルエラストマー、ポリ(エピクロルヒド
    リン/エチレンオキシド)共重合体よりなる群より選ば
    れる1種以上の制電ポリマーである請求項3に記載のシ
    リコンウェハーキャリア。
  5. 【請求項5】 繊維状導電性フィラー(C)がカーボン
    ファイバー、金属ファイバー、金属系ウィスカ、セラミ
    ック系ウィスカ及び有機高分子系ウィスカよりなる群よ
    り選ばれる1種以上の繊維状導電性フィラーである請求
    項1に記載のシリコンウェハーキャリア。
  6. 【請求項6】 繊維状導電性フィラー(C)がカーボン
    繊維及び/又はニッケルコートのカーボン繊維である請
    求項5に記載のシリコンウェハーキャリア。
  7. 【請求項7】 繊維状導電性フィラー(C)が線引き
    法、溶融押し出し法、メルト・エクストラクション法、
    切削法又はメッキ法製造された金属ファイバーであっ
    て、Fe、Ni、Cu、Al、Pb、SUS(クロム
    鋼)及びZnからなる群より選ばれる金属ファイバーで
    ある請求項5に記載のシリコンウェハーキャリア。
  8. 【請求項8】 制電ポリマー(B)がポリエチレングリ
    コール系ポリアミド共重合体である請求項3に記載のシ
    リコンウェハーキャリア。
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