JP2001049130A - 電子部品取り扱い用熱可塑性樹脂組成物及び電子部品取り扱い用成形体 - Google Patents

電子部品取り扱い用熱可塑性樹脂組成物及び電子部品取り扱い用成形体

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JP2001049130A
JP2001049130A JP22419599A JP22419599A JP2001049130A JP 2001049130 A JP2001049130 A JP 2001049130A JP 22419599 A JP22419599 A JP 22419599A JP 22419599 A JP22419599 A JP 22419599A JP 2001049130 A JP2001049130 A JP 2001049130A
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thermoplastic resin
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JP22419599A
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Shigeru Tanaka
繁 田中
Etsuji Asano
悦司 浅野
Tomohiko Tanaka
智彦 田中
Koichi Sagisaka
功一 鷺坂
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Yuka Denshi Co Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Yuka Denshi Co Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電気放電や過度の接触電流の導通等による
電気的損傷の少ない磁気ヘッド用キャリア等の電子部品
取り扱い用熱可塑性樹脂成形体を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂100重量部に、炭素繊維
5〜100重量部と、高分子帯電防止剤1〜100重量
部とを配合してなり、かつ表面抵抗値が103〜1012
Ωである電子部品取り扱い用成形体用熱可塑性樹脂組成
物。この電子部品取り扱い用成形体用熱可塑性樹脂組成
物を成形してなる電子部品取り扱い用成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクド
ライブ用の磁気ヘッドを搭載し、加工、洗浄、移送、保
管等を行うトレー型やケース型等のキャリアをはじめ、
電子部品の組立の際のピックアップ用部品、テーブル、
押さえ治具、洗浄槽、作業工具などの組立用治工具、更
にはハードディスクドライブのシャーシ、磁気ヘッド軸
受け部品などの構成部品として好適な電子部品取り扱い
用成形体用熱可塑性樹脂組成物及びこれを成形してなる
電子部品取り扱い用成形体に係り、特に、磁気抵抗効果
型ヘッドのキャリアとして好適な電子部品取り扱い用成
形体用熱可塑性樹脂組成物及び電子部品取り扱い用成形
体に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のハードディスクのめざましい高密
度化、高容量化は、磁気ヘッド技術によるところが大き
い。即ち、従来の薄膜ヘッドが、信号磁界がコイルに接
近する際に発生する電流によって信号を検知するのに対
して、近年開発された磁気抵抗効果型ヘッド(以下「M
Rヘッド」と記す。)は、MR素子に微弱なセンス電流
を流し、信号磁界を電流の抵抗値によって検出するもの
であり、その機構により、検出感度が飛躍的に向上し、
メディアの狭トラック化で大容量化が可能とされた。そ
して、最近では更に大容量化を狙ったGMRヘッドも出
現している。
【0003】このようなMRヘッドはMR素子の微少電
流(センス電流)の抵抗変化により磁気を感知するとい
う機構によるため、微弱なノイズ電流でもMR素子を損
傷させてしまう危険性が大きい。このため、磁気ヘッド
のトレーとの電位差に起因する静電気放電や、ヘッドと
トレーとの接触により生じる接触電流に対して、従来の
集積型磁気ヘッドやICに比べて遙かにデリケートであ
る。
【0004】即ち、MRヘッドの組み付け工程において
は、ヘッドチップにリード線が結線され、このヘッドチ
ップがアームに組み付けられる。このリード線(金属
線)にはポリイミドが被覆されているが、ポリイミドと
金属線との接触電位差に起因して接触部は常に電荷分離
した、電気的に不安定な状態にある。この結果、リード
線先端が磁気ヘッドのトレー等に接触した際、接触部に
おける電荷のやりとりがより生じ易くなり、損傷の危険
性が高くなる。
【0005】従来の磁気ヘッド用キャリアは、ポリカー
ボネート樹脂に炭素繊維を配合してなる導電性ポリカー
ボネート樹脂組成物を成形してなり、その表面抵抗値は
101〜102Ω/□程度で、静電気放電によるヘッドの
損傷の危険性はないものの、キャリアの表面抵抗が低す
ぎることによる、ヘッドとキャリア間、または周辺部品
とキャリア間の過度な接触電流による損傷が深刻な問題
となっている。
【0006】この問題を解決するために炭素繊維の配合
量を低減させると、成形体内部の炭素繊維同士の接触状
態が不安定になり、均一な抵抗値が安定して得られにく
く、帯電特性が悪化する。
【0007】これに対して、高抵抗炭素繊維を用いるこ
とで表面抵抗値を安定させることができる(特開平7−
228707号公報)が、本発明者らの研究によれば、
この場合でも、帯電特性が著しく低下することが確認さ
れた。
【0008】例えば、クリーンルーム内でキャリアを取
り扱う際に、キャリアの一部がワイパーや綿手袋などと
摩擦して部分的に摩擦帯電が生じるが、その帯電した部
分に磁気ヘッドが近接すると、スパーク現象や帯電電界
そのものによって磁気ヘッドが損傷するという問題が発
生する。電子部品は一般的に帯電電位が大きいほど磁気
ヘッドの損傷が起こりやすいが、特にMRヘッドの場
合、わずかの帯電電位でも損傷の危険性が高く、20V
以上の帯電電位になると損傷の危険性が高くなるとされ
ている。
【0009】かかるキャリアの帯電を防ぐために、従
来、炭素繊維を充填することによって発生した表面の帯
電電荷を速やかに漏洩させる事が行われてきた。しかし
ながら、過度の接触電流防止を目的に表面抵抗値を上昇
させるために、例えば炭素繊維の添加量を減少させる
と、炭素繊維同士の距離が大きくなり、その間に存在す
る樹脂成分の帯電電荷の漏洩速度が著しく低下する。
【0010】上述のように、MRヘッドのような極めて
デリケートな電子デバイスの損傷危険性に対して、表面
抵抗値と帯電特性を両立するキャリアはなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の実
情に鑑みてなれさたものであって、静電気放電や過度の
接触電流の導通等による損傷の問題のない磁気ヘッド用
キャリア等の電子部品取り扱い用成形体用熱可塑性樹脂
組成物及び電子部品取り扱い用成形体を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の電子部品取り扱
い用成形体用熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂10
0重量部に、炭素繊維5〜100重量部と、高分子帯電
防止剤1〜100重量部を配合してなり、かつ表面抵抗
値が103〜1012Ωであることを特徴とする。
【0013】熱可塑性樹脂に配合する炭素繊維の抵抗値
が高いと、得られる成形体の表面抵抗値を高くすること
ができるが、反面、表面の樹脂部分の帯電電荷の漏洩速
度が極めて遅くなることで、帯電特性が悪化する。
【0014】本発明では、高抵抗炭素繊維により表面抵
抗値を安定させ、さらに高分子帯電防止剤を配合するこ
とにより、炭素繊維間に微細な導電性ネットワークを形
成させ、これにより、成形体の表面抵抗値を大幅に低下
させることなく帯電量を低下させることができる。
【0015】このように、炭素繊維と高分子帯電防止剤
を併用することにより、表面抵抗値を103〜1012Ω
としたものであれば、十分な帯電防止性を得ることがで
きる上に、熱可塑性樹脂成形体との接触における過大な
接触電流を防止することができるため、電子部品の電気
的損傷を防止できる。
【0016】本発明において、炭素繊維としては、電気
抵抗1×100Ωcm以上の高抵抗炭素繊維が好まし
い。
【0017】また、熱可塑性樹脂としてはポリカーボネ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレ
フタレート及びポリプロピレンよりなる群から選ばれた
1種又は2種以上を用いることができる。
【0018】本発明の電子部品取り扱い用成形体用熱可
塑性樹脂組成物は、電子部品キャリア、電子部品組立治
工具、又はハードディスク構成部品用樹脂組成物として
好適である。
【0019】本発明の電子部品取り扱い用成形体は、こ
のような本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形してなり、
特に、磁気ディスクドライブ用磁気ヘッド搬送トレイと
して好適である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0021】本発明において導電性熱可塑性樹脂組成物
に配合する炭素繊維としては、一般的なもの、例えばP
AN系又はピッチ系炭素繊維を使用することができる。
この炭素繊維の製造方法としては特に限定されるもので
はないが、例えばピッチ系炭素繊維であれば、光学異方
性の割合が80%以上、炭素含有率が93%以上、灰分
量30ppm以下の液晶ピッチを紡糸、不融化後、70
0〜850℃で焼成すること等により得ることができ
る。
【0022】炭素繊維は、一般的に繊維径6〜15μm
程度、特に7〜12μm、繊維長1〜10mm、特に3
〜6mm程度のものが好ましい。なお、この繊維径、繊
維長さは顕微鏡により5点測定した平均値である。
【0023】また、炭素繊維の抵抗値は、一般的には1
-3Ωcm程度であるが、本発明では1×100Ωcm
以上の高抵抗炭素繊維を用いるのが成形品の表面抵抗値
105Ω以上が安定して得られる点で望ましく、このよ
うな炭素繊維は製造方法を選定することにより得ること
ができる。炭素繊維の抵抗値は1×104Ωcm以下で
あることが好ましい。
【0024】また、炭素繊維は、機械的強度として引張
り強度が90kg/mm2以上で引っ張り弾性率が3t
/mm2以上、好ましくは5t/mm2以上であることが
好ましい。
【0025】本発明で使用される炭素繊維の形状は、特
に限定されるものではないが、例えば、0.2〜10重
量%、好ましくは0.5〜7重量%のサイジング剤を用
いて集束させた炭素繊維集合体を製造し、この炭素繊維
集合体を通常1〜30mm、好ましくは3〜10mmの
任意の長さに切断したチョップドストランドが挙げられ
る。ここで、サイジング剤としては公知のものが使用可
能であるが、用いる熱可塑性樹脂との相溶性等を考慮し
て選択することが好ましい。具体的なサイジング剤とし
てはエポキシ化合物、ポリアミド化合物、ポリウレタン
化合物等が挙げられる。
【0026】高分子帯電防止剤としては、ポリエーテ
ル、4級アンモニウム塩、スルホン酸塩等の導電性単位
をブロックもしくはランダムに組み込んだ高分子や、特
開平1−259051号公報に記載されているような、
ホウ素原子を分子中に有する高分子電荷移動型結合体な
どが使用できる。
【0027】これらの中でも、ポリエーテル系高分子帯
電防止剤が樹脂との溶融混練による複合化における耐熱
性の点で望ましく、具体的には、ポリエチレンオキシ
ド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミド
イミド、エチレンオキシド−エピハロヒドリン共重合
体、メトキシポリエチレングリコール−(メタ)アクリ
レート共重合体、好ましくはポリエーテルエステルアミ
ド、ポリエーテルアミドイミド、より好ましくはポリエ
ーテルエステルアミドを用いることができる。
【0028】本発明において、熱可塑性樹脂組成物中の
これらの導電性材料の配合量は、熱可塑性樹脂組成物の
熱可塑性樹脂成分100重量部に対して炭素繊維を5〜
100重量部、好ましくは10〜40重量部とし、ま
た、高分子帯電防止剤は熱可塑性樹脂成分100重量部
に対して1〜100重量部、好ましくは5〜60重量
部、より好ましくは5〜40重量部とする。
【0029】炭素繊維の配合量が上記範囲よりも多いと
成形性の低下、成形体からのパーティクルの脱落の増加
の問題があり、逆に少ないと成形体の剛性や強度が不足
する。
【0030】また、高分子帯電防止剤の配合量が上記範
囲より少ないと表面抵抗値が1012より大きくなりやす
く、帯電防止性能に劣るものとなる。また、配合量が上
記範囲よりも多いと曲げ弾性率、引っ張り強度等の機械
的性質や耐熱性に劣るものとなる。
【0031】本発明で使用される熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
メチルペンテン等の脂肪族ポリオレフィンや脂環族ポリ
オレフィン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレン
サルファイド、各種ポリアミド(ナイロン6、66、ナ
イロン610、ナイロンMXD6等)、ポリエーテルイ
ミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリ
エーテルエーテルケトン、アクリル系樹脂、スチレン系
樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、液晶性ポリエステ
ル等の非オレフィン系樹脂等が挙げられる。
【0032】上記の熱可塑性樹脂のなかでも、乾燥工程
における耐熱性の点で、熱変形温度(ASTM D68
4 4.6Kg荷重)が110℃以上であるものが望ま
しく、特に、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、変性ポリフェニレンエーテルが耐熱性、コストの面
で好ましい。更に、ポリカーボネート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレートが、そり等
の寸法精度の点で好適であり、とりわけポリカーボネー
トが好ましい。
【0033】これらの樹脂は、1種を単独で、或いは2
種以上を組み合わせて使用することができる。
【0034】本発明に係る熱可塑性樹脂組成物には、必
要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で各種の添
加成分を配合することができる。例えば、ガラス繊維、
シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、チタン酸カリウム
繊維、ほう酸アルミニウム繊維等の無機繊維状強化材、
アラミド繊維、ポリイミド繊維、フッ素樹脂繊維等の有
機繊維状強化材、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガ
ラスビーズ、ガラスパウダー、ガラスバルーン等の無機
充填材、フッ素樹脂パウダー、二硫化モリブデン等の固
体潤滑剤、パラフィンオイル等の可塑剤、酸化防止剤、
熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、相
溶化剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、
分散剤、着色剤、防菌剤、蛍光増白剤等といった各種添
加剤を配合することができる。
【0035】このような熱可塑性樹脂組成物を成形して
得られる本発明の電子部品取り扱い用熱可塑性樹脂成形
体は、その表面抵抗値が2探針プローブを用いた測定に
おいて、103〜1012Ω、好ましくは104〜10
11Ω、より好ましくは105〜1010Ωのものである。
表面抵抗値がこの範囲であると、帯電防止性に優れるだ
けでなく、成形体との接触における過大な接触電流が防
止できるため、電子部品への損傷が少ない。
【0036】なお、一般に表面抵抗値とは、測定サンプ
ルの厚みや幅方向への電流の回り込みを考慮して、抵抗
値を形状要因で換算することにより(Ω/□)の単位で
得られるが、本発明の電子部品取り扱い用熱可塑性樹脂
成形体のように複雑な形状の場合、この換算が極めて困
難である。一方、実用においては、形状を含んだ上での
見かけの抵抗値が重要であり、必ずしも形状で換算され
た単位(Ω/□)を用いる必要はない。従って、本発明
においては、上記表面抵抗値(Ω)で評価する。
【0037】本発明の電子部品取り扱い用熱可塑性樹脂
成形体の製造方法は、選定したマトリックス樹脂に適し
た方法であれば、特に制限はなく、通常の熱可塑性樹脂
の加工方法で製造できる。例えば、熱可塑性樹脂に導電
性充填材を予め混合した後、バンバリーミキサー、ロー
ル、ブラベンダー、単軸混練押し出し機、二軸混練押し
出し機、ニーダーなどで溶融混練することによって熱可
塑性樹脂組成物を製造することができ、その後、各種の
溶融成形法により、この樹脂組成物を所定形状に成形し
て熱可塑性樹脂成形体を得ることができる。この成形法
としては、具体的には、プレス成形、押し出し成形、真
空成形、ブロー成形、射出成形などを挙げることができ
る。これらの成形法の中でも、特に射出成形法、真空成
形法が望ましい。
【0038】射出成形法としては、一般的な射出成形法
の他に、インサート射出成形法による金属部品その他の
部品との一体成形や、二色射出成形法、コアバック射出
成形法、サンドイッチ射出成形法、インジェクションプ
レス成形法等の各種成形法を用いることができる。射出
成形においては、樹脂温度、金型温度、成形圧力によっ
て得られる熱可塑性樹脂成形体の表面抵抗値が変化する
ので、目的に応じて適切な条件を設定する必要がある。
【0039】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0040】なお、以下の実施例及び比較例において、
成形には75ton射出成形機を用い、図1(斜視
図)、図2(a)(平面図),(b)(図2(a)のB
−B線に沿う断面図)、及び図3(a)(背面図),
(b)(側面図)に示す形状及び寸法のトレイを成形し
た。図中、1はトレイ本体、2は位置決めリブ、3は位
置決めボス、4は磁気ヘッド、5は不織布、6は指示
板、7は荷重、8はアース板をそれぞれ示す。
【0041】実施例及び比較例における各種の物性ない
し特性の評価方法は次の通りである。
【0042】<表面抵抗値>図2(a)の斜線を付した
範囲の任意の5ヶ所で、2探針プローブで、プローブ先
端:2mmφ、プローブ中心間距離:20mmにて下記
プローブ間印可電圧にて測定し、平均値を算出した。 表面抵抗値が103Ω以上109Ω未満の場合: 10V 表面抵抗値が109Ω以上の場合 :100V ただし、表面抵抗値108Ω以上の測定には、プローブ
先端を5mmφとして、さらに厚み2mmt、直径5m
mφ、10Ωcm以下の導電性シリコンゴムをアセンブ
リして、サンプル表面との密着が安定するようにして測
定した。
【0043】また、測定機としては次のものを用いた。 表面抵抗値102Ω以上、104Ω未満の場合:アドバン
テスト社製「高抵抗計R8340」 表面抵抗値104Ω以上の場合 :ダイヤ
インスツルメント社製「ハイレスタAP」 (なお、比較例3の表面抵抗値101Ωの測定には、ダ
イヤインスツルメント社製「ロレスタIP(4探針プロ
ーブ)」を用いた。) <帯電量1>図2(a)のトレイ形状の斜線部で示す範
囲について、シシド電気社製「スタティックオネストメ
ーター」を用いて、マイナスのコロナ10KV電圧で帯
電させた際の表面電位を測定した。なお、コロナ電極及
び電位計とサンプル表面との距離は15mmに設定し
た。
【0044】<帯電量2>図3(a),(b)に示す如
く、アース板8の上に載置したトレイ本体1の裏面に、
クリーンルーム用不織布(旭化成(株)製「BEMCO
T LINTFREE PS−2」,30mm×50m
m)5に指示板6と荷重7を載せたもの(不織布5と指
示板6と荷重7との合計で550g)を、1回/1秒の
速度で10秒間(10回)往復摺動させて摩擦した。そ
の後、速やかに摩擦後のトレイ本体1の表面(裏面)の
帯電圧を(トレック社製「MODEL520」)で測定
した。測定は5個のサンプルについて同様に行い、それ
ぞれの帯電量の平均値を算出した。
【0045】実施例1〜3,比較例1〜4 表1に示すポリカーボネート樹脂に、表1に示す導電性
材料を配合し、2軸混練押出機にて溶融混練してポリカ
ーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
【0046】用いた材料の詳細は次の通りである。
【0047】ポリカーボネート樹脂:三菱エンジニアリ
ングプラスチック(株)製「ノバレックス 7025
A」(MFR=8g/10分 280℃ 2.16k
g) ピッチ系炭素繊維A:三菱化学(株)製「ダイヤリード
K223G1」(繊維径12μm,繊維長6mm,電気
抵抗5×101Ωcm) PAN系炭素繊維B:東邦レーヨン(株)製「HTAC
6S チョップドストランド」(繊維径7μm,繊維長
6mm,電気抵抗2×10-3Ωcm) ポリエーテル系高分子帯電防止剤:東レ(株)製ポリア
ミドエラストマー「PAS−40T」 このペレットを用いて図1,2に示す形状及び寸法のト
レイを成形し、物性及び特性の評価を行い、結果を表1
に示した。
【0048】
【表1】
【0049】表1より、本発明の電子部品取り扱い用熱
可塑性樹脂成形体は、表面抵抗値が中位に安定してお
り、帯電量も少なく、ヘッドの損傷の問題がないことが
わかる。
【0050】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、静
電気放電や過度の接触電流の導通等による電気的損傷の
問題のない磁気ディスクドライブ用のMRヘッドのキャ
リア等の電子部品取り扱い用熱可塑性樹脂成形体が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例において製造した磁気ヘッド
のトレイを示す斜視図である。
【図2】図2(a)は図1に示すトレイの平面図、図2
(b)は図2(a)のB−B線に沿う断面図である。
【図3】図3(a)は図1に示すトレイの背面図、図3
(b)は同側面図である。
【符号の説明】
1 トレイ本体 2 位置決めリブ 3 位置決めボス 4 磁気ヘッド 5 不織布 6 指示板 7 荷重 8 アース板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/39 B65D 85/38 D (72)発明者 田中 繁 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 浅野 悦司 三重県四日市市大治田三丁目3番17号 油 化電子株式会社四日市工場内 (72)発明者 田中 智彦 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 (72)発明者 鷺坂 功一 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 3E096 AA09 BA08 BA30 CA06 CC02 DA23 DC01 EA02X FA07 GA01 4F205 AA11 AA24 AA25 AA28 AB09 AB18 AB25 AD16 AE03 AH33 AH56 AH58 HA19 HA36 HB01 HC17 HF02 4J002 BB121 CF061 CF071 CG001 CH022 CH042 CL082 CM042 DA016 FA046 FD102 GQ00 5D034 BA02 DA05 5D093 AA05 AB03 AD03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂100重量部に、炭素繊維
    5〜100重量部と、高分子帯電防止剤1〜100重量
    部を配合してなり、かつ表面抵抗値が103〜1012Ω
    であることを特徴とする電子部品取り扱い用成形体用熱
    可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、炭素繊維が電気抵抗
    1×100Ωcm以上の炭素繊維であることを特徴とす
    る電子部品取り扱い用成形体用熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、高分子帯電防
    止剤がポリエーテル系高分子帯電防止剤であることを特
    徴とする電子部品取り扱い用成形体用熱可塑性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート、ポリブチレン
    テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート及びポリ
    プロピレンよりなる群から選ばれた1種又は2種以上で
    あることを特徴とする電子部品取り扱い用熱可塑性樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、電子部品キャリア、電子部品組立治工具又はハード
    ディスク構成部品用樹脂組成物であることを特徴とする
    電子部品取り扱い用成形体用熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる電子部品取り扱い
    用成形体。
  7. 【請求項7】 請求項6において、磁気ディスクドライ
    ブ用磁気ヘッド搬送トレイであることを特徴とする電子
    部品取り扱い用成形体用熱可塑性樹脂組成物。
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