JPH116557A - 車両の動力回収装置 - Google Patents
車両の動力回収装置Info
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- JPH116557A JPH116557A JP9160950A JP16095097A JPH116557A JP H116557 A JPH116557 A JP H116557A JP 9160950 A JP9160950 A JP 9160950A JP 16095097 A JP16095097 A JP 16095097A JP H116557 A JPH116557 A JP H116557A
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- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
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Abstract
(57)【要約】
【課題】変速機としてのHMTを利用する車両の動力回
収装置において、有効利用可能な高圧の油圧力を蓄圧で
きるようにする。 【解決手段】機械式トランスミッション(MT)が入力
軸と出力軸との間に介装され、静液圧式トランスミッシ
ョン(HST)が並列に設けられたハイドロメカニカル
トランスミッション(HMT)を搭載する車両に、減速
時にHSTの閉回路から供給される高圧の作動油を蓄え
る蓄圧器を備える。車両の減速時であって動力回収可能
なとき(S1,2)、車両の走行慣性力によりポンプ作
動されるHSTの液圧モータの斜板角度を減少させる
(S11)とともに、HSTの液圧ポンプの斜板角度を
0度にさせて(S10)、HSTの閉回路内の作動油圧
を高める。車両の走行速度の低下に応じて、MTの各ク
ラッチ機構を切換作動させてHMTの変速比を小さくさ
せる(S15)。
収装置において、有効利用可能な高圧の油圧力を蓄圧で
きるようにする。 【解決手段】機械式トランスミッション(MT)が入力
軸と出力軸との間に介装され、静液圧式トランスミッシ
ョン(HST)が並列に設けられたハイドロメカニカル
トランスミッション(HMT)を搭載する車両に、減速
時にHSTの閉回路から供給される高圧の作動油を蓄え
る蓄圧器を備える。車両の減速時であって動力回収可能
なとき(S1,2)、車両の走行慣性力によりポンプ作
動されるHSTの液圧モータの斜板角度を減少させる
(S11)とともに、HSTの液圧ポンプの斜板角度を
0度にさせて(S10)、HSTの閉回路内の作動油圧
を高める。車両の走行速度の低下に応じて、MTの各ク
ラッチ機構を切換作動させてHMTの変速比を小さくさ
せる(S15)。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の減速時に運
動エネルギーを回収するようにした車両の動力回収装置
に関し、特に、ハイドロメカニカルトランスミッション
(Hydro Mechanical Transmission :以下、「HMT」
という)といわれる無段変速機が搭載された車両の動力
回収装置に関するものである。なお、このHMTは、流
体の静圧エネルギーを利用するハイドロスタティックト
ランスミッション(Hydro Static Transmission :以下
「HST」という)と、機械式トランスミッション(Me
chanical Transmission :以下「MT」という)とを、
遊星歯車機構等を介して組み合わせることにより無段階
の変速を行うようにしたものである。
動エネルギーを回収するようにした車両の動力回収装置
に関し、特に、ハイドロメカニカルトランスミッション
(Hydro Mechanical Transmission :以下、「HMT」
という)といわれる無段変速機が搭載された車両の動力
回収装置に関するものである。なお、このHMTは、流
体の静圧エネルギーを利用するハイドロスタティックト
ランスミッション(Hydro Static Transmission :以下
「HST」という)と、機械式トランスミッション(Me
chanical Transmission :以下「MT」という)とを、
遊星歯車機構等を介して組み合わせることにより無段階
の変速を行うようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の車両の動力回収装置
として、例えば特開平9−4970号公報に開示される
ように、入力側の可変容量形油圧ポンプと出力側の油圧
モータとが閉回路で接続されたHSTを搭載する車両に
配設されたものが知られている。このものでは、作動油
を保圧状態で蓄えるための蓄圧器を備え、この蓄圧器と
HSTの閉回路とが開閉機構を持つ給排通路を介して接
続され、該開閉機構を車両の走行状態に応じて切換作動
させることにより、上記HSTの閉回路から蓄圧器に対
し余剰の作動油圧を供給して蓄えるようにしている。従
って、このものでは、動力回収のための油圧ポンプを新
たに設けることなく、例えば車両の減速時にHSTの油
圧モータをポンプとして作動させ、運動エネルギーを油
圧力に変換して動力回収を行うことができる。
として、例えば特開平9−4970号公報に開示される
ように、入力側の可変容量形油圧ポンプと出力側の油圧
モータとが閉回路で接続されたHSTを搭載する車両に
配設されたものが知られている。このものでは、作動油
を保圧状態で蓄えるための蓄圧器を備え、この蓄圧器と
HSTの閉回路とが開閉機構を持つ給排通路を介して接
続され、該開閉機構を車両の走行状態に応じて切換作動
させることにより、上記HSTの閉回路から蓄圧器に対
し余剰の作動油圧を供給して蓄えるようにしている。従
って、このものでは、動力回収のための油圧ポンプを新
たに設けることなく、例えば車両の減速時にHSTの油
圧モータをポンプとして作動させ、運動エネルギーを油
圧力に変換して動力回収を行うことができる。
【0003】また、車両に搭載されるHMTとしては、
従来、例えば米国特許第4,341,131号公報又は
特開昭54−35560公報により提案されたものが知
られている。このようなHMTは、その一例を図8に示
すように、可変斜板(51b)を有する油圧ポンプ(5
1)及び固定斜板を有する油圧モータ(59)を閉回路
(53)により接続したHST(5′)と、2つの遊星
歯車機構(41,42)及びこの各遊星歯車機構(41
又は42)の作動条件を切換えるための3つのクラッチ
機構(44,45,46)を備えたMT(4)と、エン
ジンから入力される入力回転を減速等して上記MT
(4)に伝達するための遊星歯車機構(23)及び2つ
のクラッチ機構(24,25)とを組み合わせたもので
あり、上記各クラッチ機構(44,45,46,24,
25)の接続状態をそれぞれ断続切換制御するととも
に、上記油圧ポンプ(51)の可変斜板(51b)をH
MT(2′)の変速比に応じて4つの運転モードに分け
て変更制御することにより、エンジンから入力される回
転を無段階に変化させて駆動輪側に伝達するように構成
されている。
従来、例えば米国特許第4,341,131号公報又は
特開昭54−35560公報により提案されたものが知
られている。このようなHMTは、その一例を図8に示
すように、可変斜板(51b)を有する油圧ポンプ(5
1)及び固定斜板を有する油圧モータ(59)を閉回路
(53)により接続したHST(5′)と、2つの遊星
歯車機構(41,42)及びこの各遊星歯車機構(41
又は42)の作動条件を切換えるための3つのクラッチ
機構(44,45,46)を備えたMT(4)と、エン
ジンから入力される入力回転を減速等して上記MT
(4)に伝達するための遊星歯車機構(23)及び2つ
のクラッチ機構(24,25)とを組み合わせたもので
あり、上記各クラッチ機構(44,45,46,24,
25)の接続状態をそれぞれ断続切換制御するととも
に、上記油圧ポンプ(51)の可変斜板(51b)をH
MT(2′)の変速比に応じて4つの運転モードに分け
て変更制御することにより、エンジンから入力される回
転を無段階に変化させて駆動輪側に伝達するように構成
されている。
【0004】そして、上記従来のHMT(2′)を有す
る車両においては、HMT(2′)に備わるHST
(5′)に対し上記従来の動力回収装置を適用すること
により、油圧ポンプ等を新たに設けることなく動力回収
を行うことができる。
る車両においては、HMT(2′)に備わるHST
(5′)に対し上記従来の動力回収装置を適用すること
により、油圧ポンプ等を新たに設けることなく動力回収
を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、HMTはM
T側とHST側との2つの経路により並行して動力伝達
を行うものであるため、車両の減速時に車輪側から伝わ
る車両の慣性力がMT側に逃げてしまえば、HST側に
伝わる慣性力はあまり大きくならない。特に、車両が高
速走行していてHMTの変速比が高い場合には、もとも
とHST側の動力分担比率が低いため、HST側に伝わ
る慣性力が小さくなってしまい、該HSTの閉回路にお
ける作動油圧はあまり高くならないことになる。例え
ば、上記従来のHMT(2′)を定格運転する場合に
は、図9に示すように、該HMT(2′)の変速比が高
変速比域に相当する第3及び第4モードの広い変速比域
に亘って、HST(5′)の閉回路(53)の作動油圧
がかなり低い値になっている。従って、上記従来のHM
T(2′)に対し上記従来の動力回収装置を適用して、
車両の減速時にHST(5′)の閉回路(53)から蓄
圧器に作動油を供給するようにしても、車両の発進時等
の回生運転時に必要とされるような十分に高圧の作動油
圧を蓄えることはできず、有効な動力回収を行い得な
い。
T側とHST側との2つの経路により並行して動力伝達
を行うものであるため、車両の減速時に車輪側から伝わ
る車両の慣性力がMT側に逃げてしまえば、HST側に
伝わる慣性力はあまり大きくならない。特に、車両が高
速走行していてHMTの変速比が高い場合には、もとも
とHST側の動力分担比率が低いため、HST側に伝わ
る慣性力が小さくなってしまい、該HSTの閉回路にお
ける作動油圧はあまり高くならないことになる。例え
ば、上記従来のHMT(2′)を定格運転する場合に
は、図9に示すように、該HMT(2′)の変速比が高
変速比域に相当する第3及び第4モードの広い変速比域
に亘って、HST(5′)の閉回路(53)の作動油圧
がかなり低い値になっている。従って、上記従来のHM
T(2′)に対し上記従来の動力回収装置を適用して、
車両の減速時にHST(5′)の閉回路(53)から蓄
圧器に作動油を供給するようにしても、車両の発進時等
の回生運転時に必要とされるような十分に高圧の作動油
圧を蓄えることはできず、有効な動力回収を行い得な
い。
【0006】なお、上記図9は、横軸に表したHMT
(2′)の変速比の変化に対応づけて、車両の定格運転
時における、HST(5′)の液圧ポンプ(51)及び
液圧モータ(59)のそれぞれの斜板角度の変化と、上
記HST(5′)の動力分担比率の変化と、上記HST
(5′)の閉回路(53)における作動油圧の変化とを
表したものである。同図から、HMT(2′)の変速比
が比較的低い(第1モード及び第2モードの低変速比側
にある)ときを除いては、HST(5′)の動力分担比
率が低くなっており、これに伴い、作動油圧は比較的低
い値になっている。
(2′)の変速比の変化に対応づけて、車両の定格運転
時における、HST(5′)の液圧ポンプ(51)及び
液圧モータ(59)のそれぞれの斜板角度の変化と、上
記HST(5′)の動力分担比率の変化と、上記HST
(5′)の閉回路(53)における作動油圧の変化とを
表したものである。同図から、HMT(2′)の変速比
が比較的低い(第1モード及び第2モードの低変速比側
にある)ときを除いては、HST(5′)の動力分担比
率が低くなっており、これに伴い、作動油圧は比較的低
い値になっている。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、車両に変速機として
搭載されているHMTを利用して運動エネルギーを油圧
力に変換して蓄えるようにした動力回収装置において、
車両の減速時にHSTの閉回路の作動油圧が従来よりも
高まるようにして、有効利用可能な高圧の油圧力を蓄圧
可能にすることにある。
であり、その目的とするところは、車両に変速機として
搭載されているHMTを利用して運動エネルギーを油圧
力に変換して蓄えるようにした動力回収装置において、
車両の減速時にHSTの閉回路の作動油圧が従来よりも
高まるようにして、有効利用可能な高圧の油圧力を蓄圧
可能にすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の解決手段では、車両の減速時に慣性力によ
ってポンプ作動される液圧モータの容量を減少させるよ
うにして、該液圧モータを従来よりも高い液圧の作動液
を吐出可能な状態にさせるものとした。
に、本発明の解決手段では、車両の減速時に慣性力によ
ってポンプ作動される液圧モータの容量を減少させるよ
うにして、該液圧モータを従来よりも高い液圧の作動液
を吐出可能な状態にさせるものとした。
【0009】具体的には、請求項1記載の発明は、エン
ジン(1)から駆動輪(11,11)までの動力伝達経
路に、少なくとも1つの変速クラッチ(44,45,
…)を有する機械式トランスミッション(4)と、上記
エンジン(1)側に連結された液圧ポンプ(51)及び
上記駆動輪(11,11)側に連結された液圧モータ
(52)を閉回路(53)により互いに接続してなる静
液圧式トランスミッション(5)とが並列に配設された
無段変速機(2)を備えるとともに、上記閉回路(5
3)に開閉機構(9)を有する給排ライン(10)を介
して接続された蓄圧手段(8)を備え、少なくとも車両
の減速時に上記閉回路(53)から上記蓄圧手段(8)
に高圧の作動液を供給して蓄えるようにした車両の動力
回収装置を前提とする。そして、上記液圧モータ(5
2)の容量を変更するモータ容量可変機構(57)と、
上記車両の減速時に作動液を上記蓄圧手段(8)に蓄え
るとき、上記液圧モータ(52)の容量が減少するよう
に上記モータ容量可変機構(57)を制御する動力回収
時制御手段(32)とを備える構成とする。
ジン(1)から駆動輪(11,11)までの動力伝達経
路に、少なくとも1つの変速クラッチ(44,45,
…)を有する機械式トランスミッション(4)と、上記
エンジン(1)側に連結された液圧ポンプ(51)及び
上記駆動輪(11,11)側に連結された液圧モータ
(52)を閉回路(53)により互いに接続してなる静
液圧式トランスミッション(5)とが並列に配設された
無段変速機(2)を備えるとともに、上記閉回路(5
3)に開閉機構(9)を有する給排ライン(10)を介
して接続された蓄圧手段(8)を備え、少なくとも車両
の減速時に上記閉回路(53)から上記蓄圧手段(8)
に高圧の作動液を供給して蓄えるようにした車両の動力
回収装置を前提とする。そして、上記液圧モータ(5
2)の容量を変更するモータ容量可変機構(57)と、
上記車両の減速時に作動液を上記蓄圧手段(8)に蓄え
るとき、上記液圧モータ(52)の容量が減少するよう
に上記モータ容量可変機構(57)を制御する動力回収
時制御手段(32)とを備える構成とする。
【0010】この構成では、車両の減速時に作動液を上
記蓄圧手段(8)に蓄えるとき、動力回収時制御手段
(32)によるモータ容量の可変制御が行われ、モータ
容量可変機構(57)の作動により液圧モータ(52)
の容量が減少される。このため、液圧モータ(52)が
車両の走行慣性力により出力軸(22)側から回転駆動
されてポンプ作動するとき、その液圧モータ(52)は
より高い液圧の作動液を吐出可能な状態になり、上記出
力軸側から伝わる慣性力が小さくても、静液圧式トラン
スミッション(5)の閉回路(53)内の作動液圧をよ
り高圧にさせ得るようになる。従って、蓄圧手段(8)
に対し十分に高い液圧力を蓄え得るようになり、これに
より、車両の発進時などに有効利用可能な高圧の液圧力
を蓄圧できるようになる。
記蓄圧手段(8)に蓄えるとき、動力回収時制御手段
(32)によるモータ容量の可変制御が行われ、モータ
容量可変機構(57)の作動により液圧モータ(52)
の容量が減少される。このため、液圧モータ(52)が
車両の走行慣性力により出力軸(22)側から回転駆動
されてポンプ作動するとき、その液圧モータ(52)は
より高い液圧の作動液を吐出可能な状態になり、上記出
力軸側から伝わる慣性力が小さくても、静液圧式トラン
スミッション(5)の閉回路(53)内の作動液圧をよ
り高圧にさせ得るようになる。従って、蓄圧手段(8)
に対し十分に高い液圧力を蓄え得るようになり、これに
より、車両の発進時などに有効利用可能な高圧の液圧力
を蓄圧できるようになる。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明における液圧モータ(52)を、斜板角度の変更によ
り容量可変に構成された斜板式ピストンモータとし、モ
ータ容量可変機構(57)を上記液圧モータ(52)の
斜板角度を変更するように構成する。
明における液圧モータ(52)を、斜板角度の変更によ
り容量可変に構成された斜板式ピストンモータとし、モ
ータ容量可変機構(57)を上記液圧モータ(52)の
斜板角度を変更するように構成する。
【0012】この構成では、請求項1記載の発明におけ
る液圧モータ(52)が斜板式ピストンモータとして具
体的に特定され、モータ容量可変機構(57)により上
記液圧モータ(52)の斜板角度を減少させることによ
り、上記液圧モータ(52)の容量が確実に減少され
る。そして、上記斜板角度の減少により、上記液圧モー
タ(52)は出力軸(22)側から駆動されてポンプ作
動する際に、確実により高い液圧の作動液を吐出可能な
状態になる。
る液圧モータ(52)が斜板式ピストンモータとして具
体的に特定され、モータ容量可変機構(57)により上
記液圧モータ(52)の斜板角度を減少させることによ
り、上記液圧モータ(52)の容量が確実に減少され
る。そして、上記斜板角度の減少により、上記液圧モー
タ(52)は出力軸(22)側から駆動されてポンプ作
動する際に、確実により高い液圧の作動液を吐出可能な
状態になる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明における液圧ポンプ(51)を、斜板角度の変更によ
り容量可変に構成された斜板式ピストンポンプとし、か
つ、上記液圧ポンプ(51)の斜板角度を変更するポン
プ容量可変機構(55)を設ける。そして、動力回収時
制御手段(32)を、モータ容量可変機構(57)の制
御を行うと同時に、上記液圧ポンプ(51)の斜板角度
が0度になるように上記ポンプ容量可変機構(55)を
制御するものとする。
明における液圧ポンプ(51)を、斜板角度の変更によ
り容量可変に構成された斜板式ピストンポンプとし、か
つ、上記液圧ポンプ(51)の斜板角度を変更するポン
プ容量可変機構(55)を設ける。そして、動力回収時
制御手段(32)を、モータ容量可変機構(57)の制
御を行うと同時に、上記液圧ポンプ(51)の斜板角度
が0度になるように上記ポンプ容量可変機構(55)を
制御するものとする。
【0014】この構成では、請求項1記載の発明におけ
る液圧ポンプ(51)が具体的に斜板式ピストンポンプ
として特定される。そして、車両の減速時に作動液を蓄
圧手段(8)に蓄えるとき、モータ容量可変機構(5
7)の制御と同時に、ポンプ容量可変機構(55)の制
御により上記液圧ポンプ(51)の斜板角度が0度に変
更され、これにより、上記液圧ポンプ(51)は回転作
動されても作動液を吐出せず吸込みもしない空転状態に
される。このため、静液圧式トランスミッション(5)
の閉回路(53)においては、ポンプ作動される液圧モ
ータ(52)から吐出された作動液の行き場がなくなっ
て液圧が高まることになり、これにより、蓄圧器(8)
側に極めて高い作動液圧を供給し得るようになる。ま
た、上記液圧ポンプ(51)が空転状態になるため、例
えば、液圧モータ(52)の斜板角度を変更してもこの
液圧モータ(52)の出力回転数が変化しないようにな
り、このため、車両に挙動変化を生じさせることなく、
上記液圧モータ(52)の斜板制御等を行える。
る液圧ポンプ(51)が具体的に斜板式ピストンポンプ
として特定される。そして、車両の減速時に作動液を蓄
圧手段(8)に蓄えるとき、モータ容量可変機構(5
7)の制御と同時に、ポンプ容量可変機構(55)の制
御により上記液圧ポンプ(51)の斜板角度が0度に変
更され、これにより、上記液圧ポンプ(51)は回転作
動されても作動液を吐出せず吸込みもしない空転状態に
される。このため、静液圧式トランスミッション(5)
の閉回路(53)においては、ポンプ作動される液圧モ
ータ(52)から吐出された作動液の行き場がなくなっ
て液圧が高まることになり、これにより、蓄圧器(8)
側に極めて高い作動液圧を供給し得るようになる。ま
た、上記液圧ポンプ(51)が空転状態になるため、例
えば、液圧モータ(52)の斜板角度を変更してもこの
液圧モータ(52)の出力回転数が変化しないようにな
り、このため、車両に挙動変化を生じさせることなく、
上記液圧モータ(52)の斜板制御等を行える。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明における動力回収時制御手段(32)を、液圧ポンプ
(51)の斜板角度を0度に維持するとともに、車両の
走行速度の低下に応じて無段変速機(2)の変速比が段
階的に小さくなるよう機械式トランスミッション(4)
の変速クラッチ(44,45,…)を作動させるクラッ
チ制御を行うように構成する。
明における動力回収時制御手段(32)を、液圧ポンプ
(51)の斜板角度を0度に維持するとともに、車両の
走行速度の低下に応じて無段変速機(2)の変速比が段
階的に小さくなるよう機械式トランスミッション(4)
の変速クラッチ(44,45,…)を作動させるクラッ
チ制御を行うように構成する。
【0016】この構成では、請求項3記載の発明による
作用に加えて、この請求項4記載の発明により液圧ポン
プ(51)の斜板角度が0度に維持されて静液圧式トラ
ンスミッション(5)の変速作動が行われない状態であ
っても、機械式トランスミッション(4)の変速クラッ
チ(44,45,…)の作動により、無段変速機(2)
の変速比が車両の走行速度の低下に応じて段階的に小さ
くされるようになる。このため、車両の走行速度が低下
してもエンジン(1)の回転数が比較的高めに維持され
るようになり、減速後の再加速時における車両の加速応
答性の低下を防止することが可能になる。このとき、斜
板角度が0度に維持されて液圧ポンプ(51)が空転状
態になっているため、変速クラッチ(44,45,…)
の作動により機械式トランスミッション(4)を変速作
動させる際の、静液圧トランスミッション(5)におけ
る変速ショックの発生を防止することができ、これによ
り、車両の変速ショックの低減が図られる。
作用に加えて、この請求項4記載の発明により液圧ポン
プ(51)の斜板角度が0度に維持されて静液圧式トラ
ンスミッション(5)の変速作動が行われない状態であ
っても、機械式トランスミッション(4)の変速クラッ
チ(44,45,…)の作動により、無段変速機(2)
の変速比が車両の走行速度の低下に応じて段階的に小さ
くされるようになる。このため、車両の走行速度が低下
してもエンジン(1)の回転数が比較的高めに維持され
るようになり、減速後の再加速時における車両の加速応
答性の低下を防止することが可能になる。このとき、斜
板角度が0度に維持されて液圧ポンプ(51)が空転状
態になっているため、変速クラッチ(44,45,…)
の作動により機械式トランスミッション(4)を変速作
動させる際の、静液圧トランスミッション(5)におけ
る変速ショックの発生を防止することができ、これによ
り、車両の変速ショックの低減が図られる。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項3記載の発
明において、車両の走行速度が設定速度以下となる低速
域では、動力回収時制御手段(32)によるモータ容量
可変機構(57)及びポンプ容量可変機構(55)の制
御を禁止する禁止制御手段(38)を備える構成とす
る。
明において、車両の走行速度が設定速度以下となる低速
域では、動力回収時制御手段(32)によるモータ容量
可変機構(57)及びポンプ容量可変機構(55)の制
御を禁止する禁止制御手段(38)を備える構成とす
る。
【0018】一般に、機械式トランスミッション(4)
と静液圧式トランスミッション(5)とにより並行して
動力伝達を行うようにした無段変速機(2)において
は、車両の走行速度が低く変速比が低くなる低速域で上
記静液圧式トランスミッション(5)側の動力分担比率
が高くなるようになっており、このため、上記静液圧式
トランスミッション(5)の閉回路(53)における作
動液圧が比較的高圧になりやすい。従って、上記動力回
収時制御手段(32)によるモータ容量可変機構(5
7)及びポンプ容量可変機構(55)の制御が上記低速
域で実行されると、上記静液圧式トランスミッション
(5)の閉回路(53)の作動液圧が高くなり過ぎて異
常高圧になるという問題がある。しかし、この発明によ
れば、車両の走行速度が設定速度以下となる低速域で
は、上記モータ容量可変機構(57)及びポンプ容量可
変機構(55)の制御が禁止されるため、上記の如き静
液圧式トランスミッション(5)の閉回路(53)にお
ける異常高圧の発生が防止される。
と静液圧式トランスミッション(5)とにより並行して
動力伝達を行うようにした無段変速機(2)において
は、車両の走行速度が低く変速比が低くなる低速域で上
記静液圧式トランスミッション(5)側の動力分担比率
が高くなるようになっており、このため、上記静液圧式
トランスミッション(5)の閉回路(53)における作
動液圧が比較的高圧になりやすい。従って、上記動力回
収時制御手段(32)によるモータ容量可変機構(5
7)及びポンプ容量可変機構(55)の制御が上記低速
域で実行されると、上記静液圧式トランスミッション
(5)の閉回路(53)の作動液圧が高くなり過ぎて異
常高圧になるという問題がある。しかし、この発明によ
れば、車両の走行速度が設定速度以下となる低速域で
は、上記モータ容量可変機構(57)及びポンプ容量可
変機構(55)の制御が禁止されるため、上記の如き静
液圧式トランスミッション(5)の閉回路(53)にお
ける異常高圧の発生が防止される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
基いて説明する。
【0020】図1は本発明の実施形態に係る車両の動力
回収装置をトラック等の車両に適用した例を示し、
(1)はディーゼルエンジン等のエンジン、(2)はこ
のエンジン(1)からの入力回転を無段階に変速して左
右の駆動輪(11,11)側に伝達する無段変速機とし
てのHMT、(3)は上記エンジン(1)及びHMT
(2)を制御するコントローラである。また、(8)は
車両の減速時に上記HMT(2)の後述のHST(5)
から供給される高圧の作動油を蓄える蓄圧手段としての
蓄圧器、(9)はこの蓄圧器(8)と上記HST(5)
とを接続する給排ライン(10)に介設され、上記コン
トローラ(3)からの作動指令により開閉作動される開
閉機構であり、これらの蓄圧器(8)、開閉機構(9)
及び給排ライン(10)により動力回収装置の主要部が
構成されている。さらに、(12)は運転者によるアク
セル操作量を検出するアクセル操作量センサ、(13)
は運転者によるブレーキ操作量を検出するブレーキ操作
量センサ、(14)はエンジン(1)から入力される入
力回転数を検出する入力回転数センサ、(15)は出力
軸(22)の出力回転数を検出する出力回転数センサで
あり、(16a),(16b),(16c)は上記給排
ライン(10)の所定の油圧通路における油圧を検出す
る第1〜第3の3つの油圧センサである。
回収装置をトラック等の車両に適用した例を示し、
(1)はディーゼルエンジン等のエンジン、(2)はこ
のエンジン(1)からの入力回転を無段階に変速して左
右の駆動輪(11,11)側に伝達する無段変速機とし
てのHMT、(3)は上記エンジン(1)及びHMT
(2)を制御するコントローラである。また、(8)は
車両の減速時に上記HMT(2)の後述のHST(5)
から供給される高圧の作動油を蓄える蓄圧手段としての
蓄圧器、(9)はこの蓄圧器(8)と上記HST(5)
とを接続する給排ライン(10)に介設され、上記コン
トローラ(3)からの作動指令により開閉作動される開
閉機構であり、これらの蓄圧器(8)、開閉機構(9)
及び給排ライン(10)により動力回収装置の主要部が
構成されている。さらに、(12)は運転者によるアク
セル操作量を検出するアクセル操作量センサ、(13)
は運転者によるブレーキ操作量を検出するブレーキ操作
量センサ、(14)はエンジン(1)から入力される入
力回転数を検出する入力回転数センサ、(15)は出力
軸(22)の出力回転数を検出する出力回転数センサで
あり、(16a),(16b),(16c)は上記給排
ライン(10)の所定の油圧通路における油圧を検出す
る第1〜第3の3つの油圧センサである。
【0021】(HMTの構成)上記HMT(2)は、図
2に詳細を示すように、エンジン(1)からの回転入力
を受ける入力軸(21)と、駆動輪(11,11)側に
接続された出力軸(22)と、上記入力軸(21)と出
力軸(22)との間に介装された機械式トランスミッシ
ョンとしてのMT(4)と、このMT(4)に対し並列
に配設され、入力側が上位入力軸(21)に接続され出
力側が上記MT(4)を介して上記出力軸(22)に接
続された静液圧式トランスミッションとしてのHST
(5)とを備え、さらに、上記入力軸(21)に入力さ
れる入力回転を減速するための第3遊星歯車機構(2
3)と、この第3遊星歯車機構(23)により減速され
た回転を上記MT(4)に伝えるための第4クラッチ機
構(24)と、上記第3遊星歯車機構(23)に入力さ
れた入力回転をそのまま上記MT(4)に伝えるための
第5クラッチ機構(25)とを備えている。
2に詳細を示すように、エンジン(1)からの回転入力
を受ける入力軸(21)と、駆動輪(11,11)側に
接続された出力軸(22)と、上記入力軸(21)と出
力軸(22)との間に介装された機械式トランスミッシ
ョンとしてのMT(4)と、このMT(4)に対し並列
に配設され、入力側が上位入力軸(21)に接続され出
力側が上記MT(4)を介して上記出力軸(22)に接
続された静液圧式トランスミッションとしてのHST
(5)とを備え、さらに、上記入力軸(21)に入力さ
れる入力回転を減速するための第3遊星歯車機構(2
3)と、この第3遊星歯車機構(23)により減速され
た回転を上記MT(4)に伝えるための第4クラッチ機
構(24)と、上記第3遊星歯車機構(23)に入力さ
れた入力回転をそのまま上記MT(4)に伝えるための
第5クラッチ機構(25)とを備えている。
【0022】(MTの構成)上記MT(4)は、第1遊
星歯車機構(41)と、第2遊星歯車機構(42)と、
入力軸(21)及び出力軸(22)と同軸に配設された
中間軸(43)と、上記各遊星歯車機構(41,42)
の作動条件を切換えるための変速クラッチとしての第1
〜第3の3つのクラッチ機構(44,45,46)等を
備えたものであり、このMT(4)の入力側に上記第4
及び第5クラッチ機構(24,25)と第3遊星歯車機
構(23)とが付設されている。以下、上記各機構(2
3,24,25,41,42,44,45,46)につ
いて詳細に説明する。
星歯車機構(41)と、第2遊星歯車機構(42)と、
入力軸(21)及び出力軸(22)と同軸に配設された
中間軸(43)と、上記各遊星歯車機構(41,42)
の作動条件を切換えるための変速クラッチとしての第1
〜第3の3つのクラッチ機構(44,45,46)等を
備えたものであり、このMT(4)の入力側に上記第4
及び第5クラッチ機構(24,25)と第3遊星歯車機
構(23)とが付設されている。以下、上記各機構(2
3,24,25,41,42,44,45,46)につ
いて詳細に説明する。
【0023】上記第1遊星歯車機構(41)は、第1太
陽歯車(41a)と、この第1太陽歯車(41a)と噛
み合う第1遊星歯車(41b)と、この第1遊星歯車
(41b)と噛み合う第1内歯歯車(41c)と、上記
第1遊星歯車(41b)を保持する第1キャリア(41
d)とを備えている。また、上記第2遊星歯車機構(4
2)は、上記中間軸(43)に形成された第2太陽歯車
(42a)と、この第2太陽歯車(42a)と噛み合う
第2遊星歯車(42b)と、この第2遊星歯車(42
b)と噛み合う第2内歯歯車(42c)と、上記第2遊
星歯車(42b)を保持する第2キャリア(42d)と
を備えている。
陽歯車(41a)と、この第1太陽歯車(41a)と噛
み合う第1遊星歯車(41b)と、この第1遊星歯車
(41b)と噛み合う第1内歯歯車(41c)と、上記
第1遊星歯車(41b)を保持する第1キャリア(41
d)とを備えている。また、上記第2遊星歯車機構(4
2)は、上記中間軸(43)に形成された第2太陽歯車
(42a)と、この第2太陽歯車(42a)と噛み合う
第2遊星歯車(42b)と、この第2遊星歯車(42
b)と噛み合う第2内歯歯車(42c)と、上記第2遊
星歯車(42b)を保持する第2キャリア(42d)と
を備えている。
【0024】そして、上記第1太陽歯車(41a)は、
出力軸(22)に対し相対回転可能に外挿された環状の
接続軸(41e)を介して歯車(41f)と一体的に形
成されており、この歯車(41f)と後述の歯車(5
6)とを介して上記液圧モータ(52)のモータ軸(5
2a)と接続されている。また、上記第1キャリア(4
1d)は管状部材(47)に取り付けられており、この
管状部材(47)の内周面には上記第2内歯歯車(42
c)が形成され、これにより、第1キャリア(41d)
と第2内歯歯車(42c)とが互いに同期して回転する
ようになっている。さらに、上記第1内歯歯車(41
c)は鍔状部材(41g)の外周側に形成され、この鍔
状部材(41g)には上記第2キャリア(42d)が取
り付けられている。この鍔状部材(41g)は上記出力
軸(22)に一体的に取り付けられており、これによ
り、上記第2キャリア(42d)は上記第1内歯歯車
(41c)と同期して回転し、かつ、上記第1内歯歯車
(41c)及び第2キャリア(42d)が出力軸(2
2)と結合されるようになっている。
出力軸(22)に対し相対回転可能に外挿された環状の
接続軸(41e)を介して歯車(41f)と一体的に形
成されており、この歯車(41f)と後述の歯車(5
6)とを介して上記液圧モータ(52)のモータ軸(5
2a)と接続されている。また、上記第1キャリア(4
1d)は管状部材(47)に取り付けられており、この
管状部材(47)の内周面には上記第2内歯歯車(42
c)が形成され、これにより、第1キャリア(41d)
と第2内歯歯車(42c)とが互いに同期して回転する
ようになっている。さらに、上記第1内歯歯車(41
c)は鍔状部材(41g)の外周側に形成され、この鍔
状部材(41g)には上記第2キャリア(42d)が取
り付けられている。この鍔状部材(41g)は上記出力
軸(22)に一体的に取り付けられており、これによ
り、上記第2キャリア(42d)は上記第1内歯歯車
(41c)と同期して回転し、かつ、上記第1内歯歯車
(41c)及び第2キャリア(42d)が出力軸(2
2)と結合されるようになっている。
【0025】上記第1クラッチ機構(44)は、複数の
クラッチプレート(44a,44a,…)と、この各ク
ラッチプレート(44a)を間に挟む複数のプレッシャ
プレート(44b,44b,…)とを備えている。各プ
レッシャプレート(44b)は、本HMT(2)のケー
シング(図示省略)である非回転部(26)に相対回転
が阻止された状態で固定されており、これにより、上記
第1クラッチ機構(44)はこれを接続状態にすること
によりブレーキ力を付与するようになっている。上記各
クラッチプレート(44a)は上記管状部材(47)の
周囲に取り付けられており、これにより、第1クラッチ
機構(44)は、第1キャリア(41d)と第2内歯歯
車(42c)とを上記非回転部(26)に対し断続切換
可能に連結するようになっている。
クラッチプレート(44a,44a,…)と、この各ク
ラッチプレート(44a)を間に挟む複数のプレッシャ
プレート(44b,44b,…)とを備えている。各プ
レッシャプレート(44b)は、本HMT(2)のケー
シング(図示省略)である非回転部(26)に相対回転
が阻止された状態で固定されており、これにより、上記
第1クラッチ機構(44)はこれを接続状態にすること
によりブレーキ力を付与するようになっている。上記各
クラッチプレート(44a)は上記管状部材(47)の
周囲に取り付けられており、これにより、第1クラッチ
機構(44)は、第1キャリア(41d)と第2内歯歯
車(42c)とを上記非回転部(26)に対し断続切換
可能に連結するようになっている。
【0026】上記第2クラッチ機構(45)は、中間軸
(43)の周囲に取り付けられた複数のクラッチプレー
ト(45a,45a,…)と、筒状部材(48)の内周
面に取り付けられた複数のプレッシャプレート(45
b,45b,…)とを備えている。上記筒状部材(4
8)は、第4クラッチ機構(24)の断続切換えにより
第3遊星歯車機構(23)を介して入力軸(21)と連
結可能になっており、これにより、上記第2クラッチ機
構(45)は第2太陽歯車(42a)に対し接続状態の
第4クラッチ機構(24)から入力する回転を断続切換
可能に伝達するようになっている。また、上記第3クラ
ッチ機構(46)は、上記管状部材(47)の周囲に取
り付けられた複数のクラッチプレート(46a,46
a,…)と、上記筒状部材(48)の内周面に設けられ
たプレッシャプレート(46b,46b,…)とを備え
たものであり、これにより、上記第1キャリア(41
d)と第2内歯歯車(42c)とに対し接続状態の第4
クラッチ機構(24)から入力する回転を断続切換可能
に伝達するようになっている。
(43)の周囲に取り付けられた複数のクラッチプレー
ト(45a,45a,…)と、筒状部材(48)の内周
面に取り付けられた複数のプレッシャプレート(45
b,45b,…)とを備えている。上記筒状部材(4
8)は、第4クラッチ機構(24)の断続切換えにより
第3遊星歯車機構(23)を介して入力軸(21)と連
結可能になっており、これにより、上記第2クラッチ機
構(45)は第2太陽歯車(42a)に対し接続状態の
第4クラッチ機構(24)から入力する回転を断続切換
可能に伝達するようになっている。また、上記第3クラ
ッチ機構(46)は、上記管状部材(47)の周囲に取
り付けられた複数のクラッチプレート(46a,46
a,…)と、上記筒状部材(48)の内周面に設けられ
たプレッシャプレート(46b,46b,…)とを備え
たものであり、これにより、上記第1キャリア(41
d)と第2内歯歯車(42c)とに対し接続状態の第4
クラッチ機構(24)から入力する回転を断続切換可能
に伝達するようになっている。
【0027】また、上記第3遊星歯車機構(23)は、
入力軸(21)に対し後述の歯車(49)と並設して固
定された第3太陽歯車(23a)と、この第3太陽歯車
(23a)と噛み合う第3遊星歯車(23b)と、この
第3遊星歯車(23b)と噛み合いかつ上記ケーシング
である非回転部(27)に相対回転が阻止された状態で
固定された第3内歯歯車(23c)と、上記第3遊星歯
車(23b)を保持する第3キャリア(23d)とを備
えている。そして、上記第3遊星歯車機構(23)の各
歯車(23a,23b,23c)は、第3太陽歯車(2
3a)に入力する入力軸(21)の入力回転を後述の如
く所定の減速比で減速して上記第3キャリア(23d)
を回転させるように歯数設定がされている。
入力軸(21)に対し後述の歯車(49)と並設して固
定された第3太陽歯車(23a)と、この第3太陽歯車
(23a)と噛み合う第3遊星歯車(23b)と、この
第3遊星歯車(23b)と噛み合いかつ上記ケーシング
である非回転部(27)に相対回転が阻止された状態で
固定された第3内歯歯車(23c)と、上記第3遊星歯
車(23b)を保持する第3キャリア(23d)とを備
えている。そして、上記第3遊星歯車機構(23)の各
歯車(23a,23b,23c)は、第3太陽歯車(2
3a)に入力する入力軸(21)の入力回転を後述の如
く所定の減速比で減速して上記第3キャリア(23d)
を回転させるように歯数設定がされている。
【0028】さらに、上記第4クラッチ機構(24)
は、上記第3キャリア(23d)の外周囲に取り付けら
れた複数のクラッチプレート(24a,24a,…)
と、上記筒状部材(48)の内周面に設けられた複数の
プレッシャプレート(24b,24b,…)とを備え、
接続状態にされることにより第2及び第3クラッチ機構
(45,46)の入力端側である筒状部材(48)に対
し上記第3遊星歯車機構(23)により減速された回転
を伝達するようになっている。加えて、上記第5クラッ
チ機構(25)は、上記入力軸(21)の先端部に固定
された環状部材(25a)と、この環状部材(25a)
の内周面に設けられた複数のプレッシャプレート(25
b,2b,…)と、中間軸(43)の外周囲に設けられ
た複数のクラッチプレート(25c,25c,…)とを
備え、接続状態にされることにより中間軸(43)を介
して第2太陽歯車(42a)と入力軸(21)とを直結
してこの入力軸(21)の回転を上記第2太陽歯車(4
2a)にそのまま伝達するようになっている。
は、上記第3キャリア(23d)の外周囲に取り付けら
れた複数のクラッチプレート(24a,24a,…)
と、上記筒状部材(48)の内周面に設けられた複数の
プレッシャプレート(24b,24b,…)とを備え、
接続状態にされることにより第2及び第3クラッチ機構
(45,46)の入力端側である筒状部材(48)に対
し上記第3遊星歯車機構(23)により減速された回転
を伝達するようになっている。加えて、上記第5クラッ
チ機構(25)は、上記入力軸(21)の先端部に固定
された環状部材(25a)と、この環状部材(25a)
の内周面に設けられた複数のプレッシャプレート(25
b,2b,…)と、中間軸(43)の外周囲に設けられ
た複数のクラッチプレート(25c,25c,…)とを
備え、接続状態にされることにより中間軸(43)を介
して第2太陽歯車(42a)と入力軸(21)とを直結
してこの入力軸(21)の回転を上記第2太陽歯車(4
2a)にそのまま伝達するようになっている。
【0029】このような構造において、上記第1及び第
2の両遊星歯車機構(41,42)の各要素の歯車比
と、上記第3遊星歯車機構(23)による減速比とが以
下の関係を有するように設定されており、これにより、
後述の第1〜第4モードの4つの運転モードの切換前後
で実質的に連続した伝達比を与えるようになっている。
すなわち、図3の遊星速度線図に示すように、第1太陽
歯車(41a)と第1内歯歯車(41c)との間の歯車
比をYとし、第2太陽歯車(42a)と第2内歯歯車
(42c)との間の歯車比をXとした場合に、Y=X+
1の関係が成立するように設定されており、また、上記
第3遊星歯車機構(23)による減速比が、Y/(2X
+Y+2)で表される値になるように設定されている。
そして、上記歯数比Xが略2に、歯数比Yが略3にそれ
ぞれ設定され、従って、上記第3遊星歯車機構(23)
における減速比が略1/3に設定されており、これによ
り、エンジン(1)から入力回転数Ni の回転が入力さ
れる場合には、上記第3遊星歯車機構(23)で減速さ
れた回転の回転数Nirは、 Nir = Ni /3 の関
係を満たすようになる。なお、上記遊星速度線図は、横
軸に上記第1及び第2の両遊星歯車機構(41,42)
の各要素の歯車比を示し、また、縦軸にそれらの各要素
のそれぞれの回転数を示したものである。
2の両遊星歯車機構(41,42)の各要素の歯車比
と、上記第3遊星歯車機構(23)による減速比とが以
下の関係を有するように設定されており、これにより、
後述の第1〜第4モードの4つの運転モードの切換前後
で実質的に連続した伝達比を与えるようになっている。
すなわち、図3の遊星速度線図に示すように、第1太陽
歯車(41a)と第1内歯歯車(41c)との間の歯車
比をYとし、第2太陽歯車(42a)と第2内歯歯車
(42c)との間の歯車比をXとした場合に、Y=X+
1の関係が成立するように設定されており、また、上記
第3遊星歯車機構(23)による減速比が、Y/(2X
+Y+2)で表される値になるように設定されている。
そして、上記歯数比Xが略2に、歯数比Yが略3にそれ
ぞれ設定され、従って、上記第3遊星歯車機構(23)
における減速比が略1/3に設定されており、これによ
り、エンジン(1)から入力回転数Ni の回転が入力さ
れる場合には、上記第3遊星歯車機構(23)で減速さ
れた回転の回転数Nirは、 Nir = Ni /3 の関
係を満たすようになる。なお、上記遊星速度線図は、横
軸に上記第1及び第2の両遊星歯車機構(41,42)
の各要素の歯車比を示し、また、縦軸にそれらの各要素
のそれぞれの回転数を示したものである。
【0030】(HSTの構成)一方、上記HST(5)
は、互いに略同じ構成の一対の油圧ユニット(51,5
2)が一対の連通管(53a,53b)により互いに接
続されて閉回路(53)を構成しており、エンジン
(1)からの回転力が入力される入力側の油圧ユニット
(51)を液圧ポンプと呼び、変速後の回転力が出力さ
れる出力側の油圧ユニット(52)を液圧モータと呼ぶ
ものである。
は、互いに略同じ構成の一対の油圧ユニット(51,5
2)が一対の連通管(53a,53b)により互いに接
続されて閉回路(53)を構成しており、エンジン
(1)からの回転力が入力される入力側の油圧ユニット
(51)を液圧ポンプと呼び、変速後の回転力が出力さ
れる出力側の油圧ユニット(52)を液圧モータと呼ぶ
ものである。
【0031】上記液圧ポンプ(51)は、スプラインを
介してポンプ軸(51a)と一体に回転するシリンダブ
ロックと、このシリンダブロック内にポンプ軸(51
a)を中心とする円周上位置に列状に収容された複数の
往復動ピストンと、これらのピストンの往復動の行程を
変更調整する可変斜板(51b)とを備えた可変斜板式
ピストンポンプであり、上記ポンプ軸(51a)に連結
された歯車(54)が入力軸(21)の歯車(49)に
噛み合わされ、これにより、上記ポンプ軸(51a)に
エンジン(1)からの回転力が入力されるようになって
いる。また、上記可変斜板(51b)はその斜板角度が
零になる中立位置を挟んで斜板角度が最大(例えば、1
7度)になる正転側及び逆転側の両方の最大傾斜位置の
間で傾動可能に構成され、コントローラ(3)からの作
動信号を受けて作動するポンプ容量可変機構としての斜
板角度変更調整機構(55)により傾動されて斜板角度
が増減変更調整されるようになっている。
介してポンプ軸(51a)と一体に回転するシリンダブ
ロックと、このシリンダブロック内にポンプ軸(51
a)を中心とする円周上位置に列状に収容された複数の
往復動ピストンと、これらのピストンの往復動の行程を
変更調整する可変斜板(51b)とを備えた可変斜板式
ピストンポンプであり、上記ポンプ軸(51a)に連結
された歯車(54)が入力軸(21)の歯車(49)に
噛み合わされ、これにより、上記ポンプ軸(51a)に
エンジン(1)からの回転力が入力されるようになって
いる。また、上記可変斜板(51b)はその斜板角度が
零になる中立位置を挟んで斜板角度が最大(例えば、1
7度)になる正転側及び逆転側の両方の最大傾斜位置の
間で傾動可能に構成され、コントローラ(3)からの作
動信号を受けて作動するポンプ容量可変機構としての斜
板角度変更調整機構(55)により傾動されて斜板角度
が増減変更調整されるようになっている。
【0032】そして、上記液圧ポンプ(51)は、上記
ポンプ軸(51a)が上記エンジン(1)からの入力に
よって回転駆動されることにより、上記の各ピストン
が、上記シリンダブロックと共に上記ポンプ軸(51
a)の回りに回転されるとともに、上記可変斜板(51
b)の傾斜角度に略比例する行程を往復動されるように
構成されており、このピストンの往復動により上記斜板
角度に応じた流量の作動油を吐出して一方の連通管(5
3a又は53b)を介して液圧モータ(52)側に供給
するようになっている。なお、上記斜板角度変更調整機
構(55)は、圧油により作動されるアクチュエータに
より構成されており、上記コントローラ(3)からの作
動信号を受けて例えばチャージポンプ(19)からのチ
ャージ圧を導入され、これにより、上記可変斜板(51
b)を傾動させるようになっている。
ポンプ軸(51a)が上記エンジン(1)からの入力に
よって回転駆動されることにより、上記の各ピストン
が、上記シリンダブロックと共に上記ポンプ軸(51
a)の回りに回転されるとともに、上記可変斜板(51
b)の傾斜角度に略比例する行程を往復動されるように
構成されており、このピストンの往復動により上記斜板
角度に応じた流量の作動油を吐出して一方の連通管(5
3a又は53b)を介して液圧モータ(52)側に供給
するようになっている。なお、上記斜板角度変更調整機
構(55)は、圧油により作動されるアクチュエータに
より構成されており、上記コントローラ(3)からの作
動信号を受けて例えばチャージポンプ(19)からのチ
ャージ圧を導入され、これにより、上記可変斜板(51
b)を傾動させるようになっている。
【0033】上記液圧モータ(52)は、スプラインを
介してモータ軸(52a)と一体に回転するシリンダブ
ロックと、このシリンダブロック内にモータ軸(52
a)を中心とする円周上位置に列状に収容された複数の
往復動ピストンと、これらのピストンの往復動の行程を
調整する斜板(52b)とを備えた斜板式ピストンモー
タであり、上記各ピストンが、上記液圧ポンプ(51)
から吐出されて一方の連通管(53a又は53b)を介
して供給される作動油を受けて上記固定斜板を押すこと
により、上記シリンダブロックが上記作動油の供給流量
に応じた回転数で回転され、この回転が上記モータ軸
(52a)に出力されるように構成されている。そし
て、このモータ軸(52a)に連結された歯車(56)
が、第1太陽歯車(41a)と一体の接続軸(41e)
に結合された歯車(41f)と噛み合わされ、これによ
り、上記モータ軸(52a)からの出力回転が第1太陽
歯車(41a)に伝達されるようになっている。
介してモータ軸(52a)と一体に回転するシリンダブ
ロックと、このシリンダブロック内にモータ軸(52
a)を中心とする円周上位置に列状に収容された複数の
往復動ピストンと、これらのピストンの往復動の行程を
調整する斜板(52b)とを備えた斜板式ピストンモー
タであり、上記各ピストンが、上記液圧ポンプ(51)
から吐出されて一方の連通管(53a又は53b)を介
して供給される作動油を受けて上記固定斜板を押すこと
により、上記シリンダブロックが上記作動油の供給流量
に応じた回転数で回転され、この回転が上記モータ軸
(52a)に出力されるように構成されている。そし
て、このモータ軸(52a)に連結された歯車(56)
が、第1太陽歯車(41a)と一体の接続軸(41e)
に結合された歯車(41f)と噛み合わされ、これによ
り、上記モータ軸(52a)からの出力回転が第1太陽
歯車(41a)に伝達されるようになっている。
【0034】また、上記液圧モータ(52)の斜板(5
2b)は、コントローラ(3)からの作動信号を受けて
作動するモータ容量可変機構としての斜板角度変更機構
(57)により傾動されて斜板角度が増減変更されるよ
うになっており、第1〜第3モードにおいては斜板角度
が最大斜板角度(17度)に固定され、第4モードの最
高変速比域においては斜板角度が上記最大斜板角度(1
7度)から最小斜板角度(例えば6度)まで徐々に減少
されるようになっている。なお、上記斜板角度変更機構
(57)は、圧油により作動されるアクチュエータによ
り構成されており、非作動状態では上記斜板(52b)
を最大傾斜角度位置に保持する一方、上記コントローラ
(3)からの作動信号を受けて例えばチャージポンプ
(19)からのチャージ圧を導入され、これにより、上
記最大傾斜角度位置の斜板(52b)を傾動させるよう
になっている。
2b)は、コントローラ(3)からの作動信号を受けて
作動するモータ容量可変機構としての斜板角度変更機構
(57)により傾動されて斜板角度が増減変更されるよ
うになっており、第1〜第3モードにおいては斜板角度
が最大斜板角度(17度)に固定され、第4モードの最
高変速比域においては斜板角度が上記最大斜板角度(1
7度)から最小斜板角度(例えば6度)まで徐々に減少
されるようになっている。なお、上記斜板角度変更機構
(57)は、圧油により作動されるアクチュエータによ
り構成されており、非作動状態では上記斜板(52b)
を最大傾斜角度位置に保持する一方、上記コントローラ
(3)からの作動信号を受けて例えばチャージポンプ
(19)からのチャージ圧を導入され、これにより、上
記最大傾斜角度位置の斜板(52b)を傾動させるよう
になっている。
【0035】このような構成により、上記HST(5)
では、車両の加速時においては、液圧ポンプ(51)か
ら吐出された作動油が一方の連通管(53a又は53
b)を流通して液圧モータ(52)に供給され、この液
圧モータ(52)を回転作動させた後に他方の連通管
(53b又は53a)を流通して液圧ポンプ(51)に
還流されて閉回路(53)内を循還するようになってお
り、この際、上記一方の連通管(53a又は53b)が
高圧側になる一方、上記他方の連通管(53b又は53
a)が低圧側になる。反対に、車両の減速時において
は、上記液圧モータ(52)が車両の慣性力を受けて出
力軸側から回転駆動されてポンプ作動するようになり、
このポンプ作動する液圧モータ(52)から吐出された
作動油が上記他方の連通管(53b又は53a)内を流
通して上記液圧ポンプ(51)に供給されるようになる
ため、この場合には、上記他方の連通管(53b又は5
3a)が高圧側になる。
では、車両の加速時においては、液圧ポンプ(51)か
ら吐出された作動油が一方の連通管(53a又は53
b)を流通して液圧モータ(52)に供給され、この液
圧モータ(52)を回転作動させた後に他方の連通管
(53b又は53a)を流通して液圧ポンプ(51)に
還流されて閉回路(53)内を循還するようになってお
り、この際、上記一方の連通管(53a又は53b)が
高圧側になる一方、上記他方の連通管(53b又は53
a)が低圧側になる。反対に、車両の減速時において
は、上記液圧モータ(52)が車両の慣性力を受けて出
力軸側から回転駆動されてポンプ作動するようになり、
このポンプ作動する液圧モータ(52)から吐出された
作動油が上記他方の連通管(53b又は53a)内を流
通して上記液圧ポンプ(51)に供給されるようになる
ため、この場合には、上記他方の連通管(53b又は5
3a)が高圧側になる。
【0036】また、上記閉回路(53)における作動油
の循還方向は、上記液圧ポンプ(51)の可変斜板(5
1b)の傾動方向の正逆切換に応じて正逆両方向に切換
えられるようになっており、これにより、上記液圧モー
タ(52)の回転方向を正逆両方向に切換えて車両を前
後両方向に駆動し得るようになっている。すなわち、上
記液圧ポンプ(51)の可変斜板(51b)が正方向に
傾斜している場合には、上記液圧モータ(52)のモー
タ軸(52a)は液圧ポンプ(51)への入力回転と同
一の向きに回転(正回転)するようになり、反対に上記
液圧ポンプ(51)の可変斜板(51b)が逆方向に傾
斜している場合には、液圧モータ(52)のモータ軸
(52a)は液圧ポンプ(51)への入力回転と逆向き
に回転(逆回転)するようになっている。
の循還方向は、上記液圧ポンプ(51)の可変斜板(5
1b)の傾動方向の正逆切換に応じて正逆両方向に切換
えられるようになっており、これにより、上記液圧モー
タ(52)の回転方向を正逆両方向に切換えて車両を前
後両方向に駆動し得るようになっている。すなわち、上
記液圧ポンプ(51)の可変斜板(51b)が正方向に
傾斜している場合には、上記液圧モータ(52)のモー
タ軸(52a)は液圧ポンプ(51)への入力回転と同
一の向きに回転(正回転)するようになり、反対に上記
液圧ポンプ(51)の可変斜板(51b)が逆方向に傾
斜している場合には、液圧モータ(52)のモータ軸
(52a)は液圧ポンプ(51)への入力回転と逆向き
に回転(逆回転)するようになっている。
【0037】(MT及びHSTの変速作動)上記MT
(4)及びHST(5)は、コントローラ(3)の作動
制御により、HMT(2)の変速比に応じて第1〜第4
モードの4つの運転モードに分けて、すなわち、発進か
ら低変速比域(低速域)の第1モードと、中低変速比域
(中低速域)の第2モードと、中高変速比域(中高速
域)の第3モードと、高変速比域(高速域)の第4モー
ドとの4つの運転モードに分けて作動されるように構成
されている。
(4)及びHST(5)は、コントローラ(3)の作動
制御により、HMT(2)の変速比に応じて第1〜第4
モードの4つの運転モードに分けて、すなわち、発進か
ら低変速比域(低速域)の第1モードと、中低変速比域
(中低速域)の第2モードと、中高変速比域(中高速
域)の第3モードと、高変速比域(高速域)の第4モー
ドとの4つの運転モードに分けて作動されるように構成
されている。
【0038】ここで、上記第1〜第4モードの4つの運
転モードにおけるHMT(2)の変速比の変化の様子を
図4に基づいて具体的に説明する。なお、この図4は、
上記第1〜第4の4つの運転モードにおけるMT(4)
の各クラッチ機構(44,45,…)の接続状態を示す
とともに、エンジン(1)からある一定の入力回転数
(図ではNi :例えば1800rpm)が入力されて車
両が加速される場合について、液圧ポンプ(51)の可
変斜板(51b)の斜板角度とHMT(2)の変速比と
の関係と、入力軸(21)及び出力軸(22)の回転数
とHMT(2)の変速比との関係を関連付けて示したも
のである。
転モードにおけるHMT(2)の変速比の変化の様子を
図4に基づいて具体的に説明する。なお、この図4は、
上記第1〜第4の4つの運転モードにおけるMT(4)
の各クラッチ機構(44,45,…)の接続状態を示す
とともに、エンジン(1)からある一定の入力回転数
(図ではNi :例えば1800rpm)が入力されて車
両が加速される場合について、液圧ポンプ(51)の可
変斜板(51b)の斜板角度とHMT(2)の変速比と
の関係と、入力軸(21)及び出力軸(22)の回転数
とHMT(2)の変速比との関係を関連付けて示したも
のである。
【0039】上記第1モードでは、MT(4)の第1ク
ラッチ機構(44)及び第4クラッチ機構(24)のみ
が接続状態にされることにより、入力軸(21)からの
入力回転はHST(5)側にのみ伝達されるようにな
り、出力軸(22)はHST(5)からの伝達力のみに
よって回転される。すなわち、この第1モードにおける
前進側の変速範囲では、HST(5)の液圧モータ(5
2)の斜板(52b)が正転側{(+)の側}における
斜板角度17度の最大傾斜位置に固定される一方、液圧
ポンプ(51)の可変斜板(51b)が斜板角度0度の
中立位置から逆転側{(−)の側}における斜板角度1
7度の最大傾斜位置まで(−)方向に徐々に傾動される
ようになっており、この斜板角度の変更に応じて上記液
圧モータ(52)の出力回転数が無段階に変更されるこ
とにより、上記出力軸(22)の出力回転数が前進側に
無段階に増大されるようになる。
ラッチ機構(44)及び第4クラッチ機構(24)のみ
が接続状態にされることにより、入力軸(21)からの
入力回転はHST(5)側にのみ伝達されるようにな
り、出力軸(22)はHST(5)からの伝達力のみに
よって回転される。すなわち、この第1モードにおける
前進側の変速範囲では、HST(5)の液圧モータ(5
2)の斜板(52b)が正転側{(+)の側}における
斜板角度17度の最大傾斜位置に固定される一方、液圧
ポンプ(51)の可変斜板(51b)が斜板角度0度の
中立位置から逆転側{(−)の側}における斜板角度1
7度の最大傾斜位置まで(−)方向に徐々に傾動される
ようになっており、この斜板角度の変更に応じて上記液
圧モータ(52)の出力回転数が無段階に変更されるこ
とにより、上記出力軸(22)の出力回転数が前進側に
無段階に増大されるようになる。
【0040】上記第2モードでは、第2クラッチ機構
(45)及び第4クラッチ機構(24)のみが接続状態
にされ、これにより、入力軸(21)からの回転入力は
HST(5)に対し入力回転がそのまま伝達される一
方、中間軸(43)に対し第3遊星歯車機構(23)で
減速された回転が、第4クラッチ機構(24)及び第2
クラッチ機構(45)を介して伝達されるようになる。
そして、出力軸(22)は第2遊星歯車(42b)機構
を介した中間軸(43)からの伝達力と、第1遊星歯車
機構(41)を介したHST(5)からの伝達力との合
成によって回転される。すなわち、この第2モードにお
ける変速範囲では、HST(5)の液圧モータ(52)
の斜板(52b)が最大傾斜位置に固定される一方、液
圧ポンプ(51)の可変斜板(51b)が、逆転側
{(−)の側}における最大傾斜位置から正転側
{(+)の側}における斜板角度17度の最大傾斜位置
まで(+)方向に徐々に傾動されるようになっており、
この斜板角度の(+)方向への増大に応じて液圧モータ
(52)の出力回転数が無段階に変更されて、HST
(5)から第1遊星歯車機構(41)を介して伝達され
る回転と上記管状部材(47)から伝達される回転との
合成により、上記出力軸(22)の出力回転数が前進側
に無段階に増大されるようになる。
(45)及び第4クラッチ機構(24)のみが接続状態
にされ、これにより、入力軸(21)からの回転入力は
HST(5)に対し入力回転がそのまま伝達される一
方、中間軸(43)に対し第3遊星歯車機構(23)で
減速された回転が、第4クラッチ機構(24)及び第2
クラッチ機構(45)を介して伝達されるようになる。
そして、出力軸(22)は第2遊星歯車(42b)機構
を介した中間軸(43)からの伝達力と、第1遊星歯車
機構(41)を介したHST(5)からの伝達力との合
成によって回転される。すなわち、この第2モードにお
ける変速範囲では、HST(5)の液圧モータ(52)
の斜板(52b)が最大傾斜位置に固定される一方、液
圧ポンプ(51)の可変斜板(51b)が、逆転側
{(−)の側}における最大傾斜位置から正転側
{(+)の側}における斜板角度17度の最大傾斜位置
まで(+)方向に徐々に傾動されるようになっており、
この斜板角度の(+)方向への増大に応じて液圧モータ
(52)の出力回転数が無段階に変更されて、HST
(5)から第1遊星歯車機構(41)を介して伝達され
る回転と上記管状部材(47)から伝達される回転との
合成により、上記出力軸(22)の出力回転数が前進側
に無段階に増大されるようになる。
【0041】また、上記第3モードでは、第3クラッチ
機構(46)及び第4クラッチ機構(24)のみが接続
状態にされ、これにより、入力軸(21)からの回転入
力はHST(5)に対し入力回転がそのまま伝達される
一方、管状部材(47)に対し第3遊星歯車機構(2
3)で減速された回転が、第4クラッチ機構(24)及
び第3クラッチ機構(46)を介して伝達されるように
なる。そして、上記第2モードと同様、HST(5)の
液圧モータ(52)の斜板角度が最大傾斜角度(17
度)にされる一方、液圧ポンプ(51)の斜板角度が
(−)方向へ漸減され、これにより液圧モータ(52)
の出力回転数が無段階に変更されて、HST(5)から
第1遊星歯車機構(41)を介して伝達される回転と上
記管状部材(47)から伝達される回転との合成によ
り、上記出力軸(22)の出力回転数が前進側に無段階
に増大されるようになる。
機構(46)及び第4クラッチ機構(24)のみが接続
状態にされ、これにより、入力軸(21)からの回転入
力はHST(5)に対し入力回転がそのまま伝達される
一方、管状部材(47)に対し第3遊星歯車機構(2
3)で減速された回転が、第4クラッチ機構(24)及
び第3クラッチ機構(46)を介して伝達されるように
なる。そして、上記第2モードと同様、HST(5)の
液圧モータ(52)の斜板角度が最大傾斜角度(17
度)にされる一方、液圧ポンプ(51)の斜板角度が
(−)方向へ漸減され、これにより液圧モータ(52)
の出力回転数が無段階に変更されて、HST(5)から
第1遊星歯車機構(41)を介して伝達される回転と上
記管状部材(47)から伝達される回転との合成によ
り、上記出力軸(22)の出力回転数が前進側に無段階
に増大されるようになる。
【0042】さらに、上記第4モードでは,第3クラッ
チ機構(46)及び第5クラッチ機構(25)のみが接
続状態にされ、これにより、入力軸(21)からの回転
入力はHST(5)に対し入力回転がそのまま伝達され
る一方、中間軸(43)に対し入力回転がそのまま伝達
されて第2太陽歯車(42a)に伝達されるようにな
る。そして、出力軸(21)は、第2遊星歯車機構(4
2)の第2太陽歯車(42a)からの伝達力と、第1遊
星歯車機構(41)の第1太陽歯車(41a)を介した
HST(5)からの伝達力の合成力によって回転され
る。すなわち、この第4モードにおける低変速比側の変
速範囲では、HST(5)の液圧モータ(52)の斜板
角度が最大傾斜角度にされる一方、液圧ポンプ(51)
の斜板角度が上記第2モードと同様(+)方向に最大傾
斜角度まで漸増され、これにより液圧モータ(52)の
出力回転数が無段階に変更されるようになっており、ま
た、上記第4モードにおける高変速比側の変速範囲で
は、上記各モードとは異なり、液圧ポンプ(51)の斜
板角度が最大傾斜角度に固定される一方、斜板角度変更
機構(57)の作動により液圧モータ(52)の斜板
(52b)の傾斜角度が(−)方向に漸減されることに
より、その液圧モータ(52)の出力回転数が無段階に
変更されるようになっている。そして、第2遊星歯車機
構(42)の第2キャリア(42d)から伝達される回
転と、HST(5)から第1遊星歯車機構(41)の第
1太陽歯車(41a)を介して伝達される回転の合成に
より、上記出力軸(22)の出力回転数が前進側に無段
階に増大されるようになる。
チ機構(46)及び第5クラッチ機構(25)のみが接
続状態にされ、これにより、入力軸(21)からの回転
入力はHST(5)に対し入力回転がそのまま伝達され
る一方、中間軸(43)に対し入力回転がそのまま伝達
されて第2太陽歯車(42a)に伝達されるようにな
る。そして、出力軸(21)は、第2遊星歯車機構(4
2)の第2太陽歯車(42a)からの伝達力と、第1遊
星歯車機構(41)の第1太陽歯車(41a)を介した
HST(5)からの伝達力の合成力によって回転され
る。すなわち、この第4モードにおける低変速比側の変
速範囲では、HST(5)の液圧モータ(52)の斜板
角度が最大傾斜角度にされる一方、液圧ポンプ(51)
の斜板角度が上記第2モードと同様(+)方向に最大傾
斜角度まで漸増され、これにより液圧モータ(52)の
出力回転数が無段階に変更されるようになっており、ま
た、上記第4モードにおける高変速比側の変速範囲で
は、上記各モードとは異なり、液圧ポンプ(51)の斜
板角度が最大傾斜角度に固定される一方、斜板角度変更
機構(57)の作動により液圧モータ(52)の斜板
(52b)の傾斜角度が(−)方向に漸減されることに
より、その液圧モータ(52)の出力回転数が無段階に
変更されるようになっている。そして、第2遊星歯車機
構(42)の第2キャリア(42d)から伝達される回
転と、HST(5)から第1遊星歯車機構(41)の第
1太陽歯車(41a)を介して伝達される回転の合成に
より、上記出力軸(22)の出力回転数が前進側に無段
階に増大されるようになる。
【0043】さらに、上記第1〜第4の各運転モードの
切換前後で、第1〜第5の各クラッチ機構(44,4
5,46,24,25)の断続切換の際に係合及び離合
される両クラッチ機構のクラッチプレート(44a,4
5a,46a,24a,25c)とプレッシャプレート
(44b,45b,46b,24b,25b)とがそれ
ぞれ同じ回転数で同調して切換前後で連続した変速比で
回転伝達されるようになっており、これにより、HMT
(2)の変速比は上記第1〜第4モードの全部の変速範
囲において無段階かつ連続的にに変更されるようにな
る。なお、上記第1モードにおける前進側の変速範囲
は、図3の遊星速度線図における矢印M1 の範囲に、上
記第2モードの変速範囲は同図の矢印M2 の範囲に、ま
た、上記第3モードの変速範囲は同図の矢印M3 の範囲
に、さらに、上記第4モードの変速範囲は同図の矢印M
4 の範囲に、それぞれ対応している。
切換前後で、第1〜第5の各クラッチ機構(44,4
5,46,24,25)の断続切換の際に係合及び離合
される両クラッチ機構のクラッチプレート(44a,4
5a,46a,24a,25c)とプレッシャプレート
(44b,45b,46b,24b,25b)とがそれ
ぞれ同じ回転数で同調して切換前後で連続した変速比で
回転伝達されるようになっており、これにより、HMT
(2)の変速比は上記第1〜第4モードの全部の変速範
囲において無段階かつ連続的にに変更されるようにな
る。なお、上記第1モードにおける前進側の変速範囲
は、図3の遊星速度線図における矢印M1 の範囲に、上
記第2モードの変速範囲は同図の矢印M2 の範囲に、ま
た、上記第3モードの変速範囲は同図の矢印M3 の範囲
に、さらに、上記第4モードの変速範囲は同図の矢印M
4 の範囲に、それぞれ対応している。
【0044】(動力回収装置の構成)次に、蓄圧器
(8)、開閉機構(9)及び給排ライン(10)を主要
部とする動力回収装置の構成を図5に基づいて説明す
る。同図において、開閉機構(9)は、コントローラ
(3)の開閉制御部(34)により作動制御される第1
〜第3方向切換弁(9a,9b,9c)により構成され
ている。また、上記給排ライン(10)は、HST
(5)の閉回路(53)を構成する一対の連通路(53
a,53b)をそれぞれ逆止弁(17a,17b)を介
して互いに接続する一対の高圧選択通路(10a,10
b)と、この一対の高圧選択通路(10a,10b)に
おける両逆止弁(17a,17b)の下流側と上記第3
方向切換弁(9c)とを接続することにより上記一対の
連通路(53a,53b)をそれぞれ蓄圧器(8)側に
接続する供給通路(10c)とを備え、また、上記第1
方向切換弁(9a)及び第2方向切換弁(9b)を互い
に接続する接続通路(10d)と、この接続通路(10
d)の途中と上記第3方向切換弁(9c)とを接続する
ことにより上記第1方向切換弁(9a)及び第2方向切
換弁(9b)を蓄圧器(8)側に接続する排出通路(1
0e)とを備え、さらに、上記第3方向切換弁(9c)
と蓄圧器(8)とを接続する給排通路(10f)を備え
た構成とされている。
(8)、開閉機構(9)及び給排ライン(10)を主要
部とする動力回収装置の構成を図5に基づいて説明す
る。同図において、開閉機構(9)は、コントローラ
(3)の開閉制御部(34)により作動制御される第1
〜第3方向切換弁(9a,9b,9c)により構成され
ている。また、上記給排ライン(10)は、HST
(5)の閉回路(53)を構成する一対の連通路(53
a,53b)をそれぞれ逆止弁(17a,17b)を介
して互いに接続する一対の高圧選択通路(10a,10
b)と、この一対の高圧選択通路(10a,10b)に
おける両逆止弁(17a,17b)の下流側と上記第3
方向切換弁(9c)とを接続することにより上記一対の
連通路(53a,53b)をそれぞれ蓄圧器(8)側に
接続する供給通路(10c)とを備え、また、上記第1
方向切換弁(9a)及び第2方向切換弁(9b)を互い
に接続する接続通路(10d)と、この接続通路(10
d)の途中と上記第3方向切換弁(9c)とを接続する
ことにより上記第1方向切換弁(9a)及び第2方向切
換弁(9b)を蓄圧器(8)側に接続する排出通路(1
0e)とを備え、さらに、上記第3方向切換弁(9c)
と蓄圧器(8)とを接続する給排通路(10f)を備え
た構成とされている。
【0045】さらに、上記排出通路(10e)には第1
油圧センサ(16a)が配設され、上記給排通路(10
f)には第2油圧センサ(16b)が配設され、さら
に、上記供給通路(10c)には第3油圧センサ(16
c)が配設されている。そして、HST(5)の閉回路
(53)側の作動油圧が上記第1及び第3油圧センサ
(16a,16c)により検出される一方、蓄圧器
(8)側の作動油圧が上記第2油圧センサ(16b)に
より検出されるようになっており、これらの検出値に基
づいてコントローラ(3)の後述の判定部(33)によ
り動力回収可能な状態か否かの判定が行われるようにな
っている。
油圧センサ(16a)が配設され、上記給排通路(10
f)には第2油圧センサ(16b)が配設され、さら
に、上記供給通路(10c)には第3油圧センサ(16
c)が配設されている。そして、HST(5)の閉回路
(53)側の作動油圧が上記第1及び第3油圧センサ
(16a,16c)により検出される一方、蓄圧器
(8)側の作動油圧が上記第2油圧センサ(16b)に
より検出されるようになっており、これらの検出値に基
づいてコントローラ(3)の後述の判定部(33)によ
り動力回収可能な状態か否かの判定が行われるようにな
っている。
【0046】上記第1方向切換弁(9a)及び第2方向
切換弁(9b)は、3ポート2位置切換形のものであっ
てそれぞれ一対の連通管(53a,53b)の内のいず
れか一側(53a又は53b)に介設され、コイルスプ
リングの押圧付勢力により、液圧ポンプ(51)と液圧
モータ(52)とを接続する位置に切換えられた状態に
されている。一方、上記第1方向切換弁(9a)及び第
2方向切換弁(9b)は、それぞれ、コントローラ
(3)の開閉制御部(34)からの作動指令を受けたソ
レノイド等の作動により、上記液圧モータ(52)と接
続通路(10d)とを接続する位置に切換えられるよう
になっている。また、上記第3方向切換弁(9c)は、
3ポート3位置切換形のものであって、供給通路(10
c)と給排通路(10f)とを接続する第1切換位置
(同図の左側位置)と、排出通路(10e)と上記給排
通路(10f)とを接続する第2切換位置(同図の右側
位置)と、上記供給通路(10c)及び排出通路(10
e)と給排通路(10f)との間を遮断する中立位置
(同図の中央位置)とを有し、上記コントローラ(3)
の開閉制御部(34)からの作動指令を受けたソレノイ
ド等の作動により上記各位置のいずれかに切換えられる
ようになっている。
切換弁(9b)は、3ポート2位置切換形のものであっ
てそれぞれ一対の連通管(53a,53b)の内のいず
れか一側(53a又は53b)に介設され、コイルスプ
リングの押圧付勢力により、液圧ポンプ(51)と液圧
モータ(52)とを接続する位置に切換えられた状態に
されている。一方、上記第1方向切換弁(9a)及び第
2方向切換弁(9b)は、それぞれ、コントローラ
(3)の開閉制御部(34)からの作動指令を受けたソ
レノイド等の作動により、上記液圧モータ(52)と接
続通路(10d)とを接続する位置に切換えられるよう
になっている。また、上記第3方向切換弁(9c)は、
3ポート3位置切換形のものであって、供給通路(10
c)と給排通路(10f)とを接続する第1切換位置
(同図の左側位置)と、排出通路(10e)と上記給排
通路(10f)とを接続する第2切換位置(同図の右側
位置)と、上記供給通路(10c)及び排出通路(10
e)と給排通路(10f)との間を遮断する中立位置
(同図の中央位置)とを有し、上記コントローラ(3)
の開閉制御部(34)からの作動指令を受けたソレノイ
ド等の作動により上記各位置のいずれかに切換えられる
ようになっている。
【0047】(コントローラの構成)上記コントローラ
(3)は、アクセル操作量センサ(12)、ブレーキ操
作量センサ(13)、入力回転数センサ(14)及び出
力回転数センサ(15)から入力される入力信号に基づ
き、エンジン(1)の運転制御及びHMT(2)の変速
制御を行うことにより車両の駆動制御を行う基本制御部
(31)と、上記アクセル操作量センサ(12)、上記
ブレーキ操作量センサ(13)及び第1〜第3の3つの
油圧センサ(16a,16b,16c)からの入力信号
に基づき、第1〜第3の各方向切換弁(9a,9b,9
c)等の作動制御を行うことにより、車両の減速時に運
動エネルギーを回収させる動力回収時制御を行う動力回
収時制御手段としての動力回収時制御部(32)とを備
えている。
(3)は、アクセル操作量センサ(12)、ブレーキ操
作量センサ(13)、入力回転数センサ(14)及び出
力回転数センサ(15)から入力される入力信号に基づ
き、エンジン(1)の運転制御及びHMT(2)の変速
制御を行うことにより車両の駆動制御を行う基本制御部
(31)と、上記アクセル操作量センサ(12)、上記
ブレーキ操作量センサ(13)及び第1〜第3の3つの
油圧センサ(16a,16b,16c)からの入力信号
に基づき、第1〜第3の各方向切換弁(9a,9b,9
c)等の作動制御を行うことにより、車両の減速時に運
動エネルギーを回収させる動力回収時制御を行う動力回
収時制御手段としての動力回収時制御部(32)とを備
えている。
【0048】上記基本制御部(31)は、車両の加速時
にはエンジン(1)を所定の一定回転数で定速運転させ
るとともに、アクセル操作量センサ(12)により検出
された運転者のアクセル操作量に応じて上記HMT
(2)の変速比を増減変更させることにより、上記車両
を運転者の速度要求に対応する走行速度になるよう加速
させるように構成されている。また、上記基本制御部
(31)は、上記アクセル操作量センサ(12)又はブ
レーキ操作量センサ(13)により検出された運転者の
アクセル操作量又はブレーキ操作量に基づいて車両の減
速要求が判定されたときには、上記エンジン(1)に付
設された図示省略の排気ブレーキ装置を作動させるとと
もに、エンジン回転数が高いエンジンブレーキ効果を得
られる所定の回転数になるよううに、車両の走行速度の
低下に応じてHMT(2)の変速比を変更させるように
なっている。
にはエンジン(1)を所定の一定回転数で定速運転させ
るとともに、アクセル操作量センサ(12)により検出
された運転者のアクセル操作量に応じて上記HMT
(2)の変速比を増減変更させることにより、上記車両
を運転者の速度要求に対応する走行速度になるよう加速
させるように構成されている。また、上記基本制御部
(31)は、上記アクセル操作量センサ(12)又はブ
レーキ操作量センサ(13)により検出された運転者の
アクセル操作量又はブレーキ操作量に基づいて車両の減
速要求が判定されたときには、上記エンジン(1)に付
設された図示省略の排気ブレーキ装置を作動させるとと
もに、エンジン回転数が高いエンジンブレーキ効果を得
られる所定の回転数になるよううに、車両の走行速度の
低下に応じてHMT(2)の変速比を変更させるように
なっている。
【0049】上記動力回収時制御部(32)は、車両の
減速時であって動力回収が可能な場合に、慣性力により
ポンプ作動される液圧モータ(52)から吐出される高
圧の作動油を蓄圧器(8)に供給して蓄えさせるように
構成されており、具体的には、車両の減速時であって動
力回収が可能な場合であることを判定する判定部(3
3)と、第1〜第3の3つの方向切換弁(9a,9b,
9c)の作動制御を行う開閉制御部(34)と、液圧モ
ータ(52)の容量制御を行うモータ容量制御部(3
5)と、液圧ポンプ(51)の斜板角度の制御を行うポ
ンプ斜板制御部(36)とを備え、さらに、MT(4)
の第1〜第5クラッチ機構(44,45,…)の作動制
御を行うクラッチ制御部(37)と、低速域で上記の各
制御の実行を禁止する禁止制御手段としての禁止制御部
(38)とを備えている。
減速時であって動力回収が可能な場合に、慣性力により
ポンプ作動される液圧モータ(52)から吐出される高
圧の作動油を蓄圧器(8)に供給して蓄えさせるように
構成されており、具体的には、車両の減速時であって動
力回収が可能な場合であることを判定する判定部(3
3)と、第1〜第3の3つの方向切換弁(9a,9b,
9c)の作動制御を行う開閉制御部(34)と、液圧モ
ータ(52)の容量制御を行うモータ容量制御部(3
5)と、液圧ポンプ(51)の斜板角度の制御を行うポ
ンプ斜板制御部(36)とを備え、さらに、MT(4)
の第1〜第5クラッチ機構(44,45,…)の作動制
御を行うクラッチ制御部(37)と、低速域で上記の各
制御の実行を禁止する禁止制御手段としての禁止制御部
(38)とを備えている。
【0050】上記判定部(33)は、アクセル操作量セ
ンサ(12)及びブレーキ操作量センサ(13)から入
力される入力信号に基づき、例えば、運転者がアクセル
ペダルを放してブレーキペダルを踏んでいる場合等に車
両の減速要求を判定するように構成されている。また、
上記判定部(33)は、第1〜第3の3つの油圧センサ
(16a,16b,16c)から入力される入力信号値
に基づき、例えば、上記第1又は第3油圧センサ(16
a,16c)により検出されたHST(5)の閉回路
(53)側の作動油圧が、上記第2油圧センサ(16
b)により検出された蓄圧器(8)側の作動油圧よりも
高い場合に、動力回収可能な状態であると判定するよう
に構成されている。
ンサ(12)及びブレーキ操作量センサ(13)から入
力される入力信号に基づき、例えば、運転者がアクセル
ペダルを放してブレーキペダルを踏んでいる場合等に車
両の減速要求を判定するように構成されている。また、
上記判定部(33)は、第1〜第3の3つの油圧センサ
(16a,16b,16c)から入力される入力信号値
に基づき、例えば、上記第1又は第3油圧センサ(16
a,16c)により検出されたHST(5)の閉回路
(53)側の作動油圧が、上記第2油圧センサ(16
b)により検出された蓄圧器(8)側の作動油圧よりも
高い場合に、動力回収可能な状態であると判定するよう
に構成されている。
【0051】上記開閉制御部(34)は、車両の減速時
であって動力回収が可能であると判定部(33)により
判定された場合に、第1〜第3の各方向切換弁(9a,
9b,…)を切換作動させてHST(5)の閉回路(5
3)側と蓄圧器(8)側とを接続状態にさせるようにな
っている。この際、上記HST(5)の液圧モータ(5
2)は、車両の慣性力によって出力軸(22)側から回
転駆動されてポンプ作動しており、該液圧モータ(5
2)が吐出する高圧の作動油が、給排ライン(10)を
介して上記蓄圧器(8)に供給されて蓄えられるように
なる。すなわち、上記開閉制御部(34)は、例えば第
3方向切換弁(9c)を第1切換位置に切換えて供給通
路(10c)と給排通路(10f)とを互いに連通させ
るようになっており、これにより、逆止弁(17a,1
7b)を介して供給通路(10c)に流通した作動油
が、上記第3方向切換弁(9c)を介して給排通路(1
0f)に流通して蓄圧器(8)に蓄えられるようにな
る。
であって動力回収が可能であると判定部(33)により
判定された場合に、第1〜第3の各方向切換弁(9a,
9b,…)を切換作動させてHST(5)の閉回路(5
3)側と蓄圧器(8)側とを接続状態にさせるようにな
っている。この際、上記HST(5)の液圧モータ(5
2)は、車両の慣性力によって出力軸(22)側から回
転駆動されてポンプ作動しており、該液圧モータ(5
2)が吐出する高圧の作動油が、給排ライン(10)を
介して上記蓄圧器(8)に供給されて蓄えられるように
なる。すなわち、上記開閉制御部(34)は、例えば第
3方向切換弁(9c)を第1切換位置に切換えて供給通
路(10c)と給排通路(10f)とを互いに連通させ
るようになっており、これにより、逆止弁(17a,1
7b)を介して供給通路(10c)に流通した作動油
が、上記第3方向切換弁(9c)を介して給排通路(1
0f)に流通して蓄圧器(8)に蓄えられるようにな
る。
【0052】また、運転者によるアクセル操作に基づい
て再加速要求が判定された場合には、上記開閉制御部
(34)は、上記第3方向切換弁(9c)を第2切換位
置に切換えるとともに、上記第1及び第2方向切換弁
(9a,9b)のうちの何れか一方を切換作動させて液
圧モータ(52)と接続通路(10d)とを接続するよ
うになっており、この切換作動された第1又は第2方向
切換弁(9a又は9b)を介して、上記蓄圧器(8)に
蓄えられた作動油がHST(5)の閉回路に導かれ、液
圧モータを駆動するようになる。
て再加速要求が判定された場合には、上記開閉制御部
(34)は、上記第3方向切換弁(9c)を第2切換位
置に切換えるとともに、上記第1及び第2方向切換弁
(9a,9b)のうちの何れか一方を切換作動させて液
圧モータ(52)と接続通路(10d)とを接続するよ
うになっており、この切換作動された第1又は第2方向
切換弁(9a又は9b)を介して、上記蓄圧器(8)に
蓄えられた作動油がHST(5)の閉回路に導かれ、液
圧モータを駆動するようになる。
【0053】上記モータ容量制御部(35)は、車両の
減速時であって動力回収が可能であると判定部(33)
により判定された場合に、斜板角度変更機構(57)の
作動制御により液圧モータ(52)の斜板(52b)の
傾斜角度を、最大傾斜角度(17度)の略1/3(例え
ば、6度)に減少させるようになっており、これにより
上記液圧モータ(52)は、斜板角度が上記最大傾斜角
度である場合と比べて、ポンプ作動時に略3倍の油圧値
の作動油を吐出可能な状態になる。また、上記ポンプ斜
板制御部(36)は、車両の減速時であって動力回収が
可能であると判定部(33)により判定された場合に、
斜板角度変更調整機構(55)の作動制御により液圧ポ
ンプ(51)の可変斜板(51b)を斜板角度0度の中
立位置に位置固定させるようになっており、これによ
り、上記液圧ポンプ(51)は、ポンプ軸(51a)及
びシリンダブロックが回転作動されてもピストンが往復
動されず作動油を吐出しも吸込みもしない空転状態にさ
れる。
減速時であって動力回収が可能であると判定部(33)
により判定された場合に、斜板角度変更機構(57)の
作動制御により液圧モータ(52)の斜板(52b)の
傾斜角度を、最大傾斜角度(17度)の略1/3(例え
ば、6度)に減少させるようになっており、これにより
上記液圧モータ(52)は、斜板角度が上記最大傾斜角
度である場合と比べて、ポンプ作動時に略3倍の油圧値
の作動油を吐出可能な状態になる。また、上記ポンプ斜
板制御部(36)は、車両の減速時であって動力回収が
可能であると判定部(33)により判定された場合に、
斜板角度変更調整機構(55)の作動制御により液圧ポ
ンプ(51)の可変斜板(51b)を斜板角度0度の中
立位置に位置固定させるようになっており、これによ
り、上記液圧ポンプ(51)は、ポンプ軸(51a)及
びシリンダブロックが回転作動されてもピストンが往復
動されず作動油を吐出しも吸込みもしない空転状態にさ
れる。
【0054】上記クラッチ制御部(37)は、ポンプ斜
板制御部(36)による液圧ポンプ(51)の斜板角度
の制御によって該液圧ポンプ(51)が空転状態にされ
ている間、入力回転数センサ(14)からの入力信号に
基づいて、エンジン回転数が所定回転数以上に維持され
るよう車両の走行速度の低下に応じて、MT(4)の第
1〜第5クラッチ機構(44,45,46,24,2
5)をそれぞれ切換作動させることにより、MT(4)
の運転モードを切換えてHMT(2)の変速比を段階的
に小さくさせるようになっている。
板制御部(36)による液圧ポンプ(51)の斜板角度
の制御によって該液圧ポンプ(51)が空転状態にされ
ている間、入力回転数センサ(14)からの入力信号に
基づいて、エンジン回転数が所定回転数以上に維持され
るよう車両の走行速度の低下に応じて、MT(4)の第
1〜第5クラッチ機構(44,45,46,24,2
5)をそれぞれ切換作動させることにより、MT(4)
の運転モードを切換えてHMT(2)の変速比を段階的
に小さくさせるようになっている。
【0055】さらに、上記禁止制御部(38)は、出力
回転数センサ(15)からの入力信号に基づいて、車両
の走行速度が所定の設定速度以下の低速域に入ったと判
定されるとき、上記モータ容量制御部(35)による液
圧モータ(52)の斜板角度の制御と、上記ポンプ斜板
制御部(36)による液圧ポンプ(51)の斜板角度の
制御と、上記クラッチ制御部(37)によるMT(4)
の各クラッチ機構(44,45,…)の作動制御とを禁
止して、基本制御部(31)による通常の減速時の制御
に委ねさせるようになっている。なお、上記設定速度
は、通常運転時であればHMT(2)の変速比がちょう
ど第2モードの中央変速比(例えば0.22)(図7参
照)になる走行速度に設定されている。
回転数センサ(15)からの入力信号に基づいて、車両
の走行速度が所定の設定速度以下の低速域に入ったと判
定されるとき、上記モータ容量制御部(35)による液
圧モータ(52)の斜板角度の制御と、上記ポンプ斜板
制御部(36)による液圧ポンプ(51)の斜板角度の
制御と、上記クラッチ制御部(37)によるMT(4)
の各クラッチ機構(44,45,…)の作動制御とを禁
止して、基本制御部(31)による通常の減速時の制御
に委ねさせるようになっている。なお、上記設定速度
は、通常運転時であればHMT(2)の変速比がちょう
ど第2モードの中央変速比(例えば0.22)(図7参
照)になる走行速度に設定されている。
【0056】以下に、動力回収時制御部(32)による
具体的な制御の一例を、図6に示すフローチャートを参
照して説明する。
具体的な制御の一例を、図6に示すフローチャートを参
照して説明する。
【0057】同図のステップS1において、ブレーキ操
作量センサ(13)により運転者のブレーキ操作が検出
されないときには動力回収時制御を行わず後述のステッ
プS6に進む一方、運転者のブレーキ操作が検出された
ときにはステップS2に進む。ステップS2では、第1
〜第3の3つの油圧センサ(16a,16b,16c)
により検出された油圧値に基づき、蓄圧器(8)側の作
動油圧がHST(5)の閉回路(53)側の作動油圧よ
りも高圧であるか否かを判定する。そして、蓄圧器
(8)側が高圧でなければ動力回収可能なのでステップ
S3に進み、このステップS3で第3方向切換弁(9
c)を第1切換位置又は第3切換位置に切換えて上記蓄
圧器(8)側とHST(5)の閉回路(53)側とを接
続した後、ステップS5に進んで排気ブレーキを作動状
態にする。一方、蓄圧器(8)側が高圧であれば動力回
収ができないので、ステップS5に進んで上記第3方向
切換弁(9c)を中立位置に切換えた後、ステップS6
に進んで通常運転に戻る。つまり、車両の減速時であっ
てかつ動力回収が可能な場合以外は通常運転を行うよう
になっている。
作量センサ(13)により運転者のブレーキ操作が検出
されないときには動力回収時制御を行わず後述のステッ
プS6に進む一方、運転者のブレーキ操作が検出された
ときにはステップS2に進む。ステップS2では、第1
〜第3の3つの油圧センサ(16a,16b,16c)
により検出された油圧値に基づき、蓄圧器(8)側の作
動油圧がHST(5)の閉回路(53)側の作動油圧よ
りも高圧であるか否かを判定する。そして、蓄圧器
(8)側が高圧でなければ動力回収可能なのでステップ
S3に進み、このステップS3で第3方向切換弁(9
c)を第1切換位置又は第3切換位置に切換えて上記蓄
圧器(8)側とHST(5)の閉回路(53)側とを接
続した後、ステップS5に進んで排気ブレーキを作動状
態にする。一方、蓄圧器(8)側が高圧であれば動力回
収ができないので、ステップS5に進んで上記第3方向
切換弁(9c)を中立位置に切換えた後、ステップS6
に進んで通常運転に戻る。つまり、車両の減速時であっ
てかつ動力回収が可能な場合以外は通常運転を行うよう
になっている。
【0058】ステップS7では、車両の車速が所定の低
速域に入りHMT(2)の変速比が第2モードの低速側
に相当する低変速比域(変速比<0.22)に入ったか
否かを判定し、低変速比域に入っていれば後述のステッ
プS12に進む一方、低変速比域に入っていなければス
テップS8に進む。ステップS8及びステップS9にお
いて、液圧ポンプ(51)の可変斜板(51b)(ポン
プ斜板)を中立位置まで傾動させてステップS10で該
中立位置に位置固定する。これにより、上記液圧ポンプ
(51)は、ポンプ軸(51a)及びシリンダブロック
が回転作動されてもピストンが往復動されず作動油を吐
出も吸込みもしない空転状態にされる。そして、ステッ
プS11では、液圧モータ(52)の斜板(52b)
(モータ斜板)を傾動させて斜板角度を小角度(最大傾
斜角度の1/3)にさせることにより上記液圧モータ
(52)を、高圧の作動油を吐出可能な状態にさせる。
速域に入りHMT(2)の変速比が第2モードの低速側
に相当する低変速比域(変速比<0.22)に入ったか
否かを判定し、低変速比域に入っていれば後述のステッ
プS12に進む一方、低変速比域に入っていなければス
テップS8に進む。ステップS8及びステップS9にお
いて、液圧ポンプ(51)の可変斜板(51b)(ポン
プ斜板)を中立位置まで傾動させてステップS10で該
中立位置に位置固定する。これにより、上記液圧ポンプ
(51)は、ポンプ軸(51a)及びシリンダブロック
が回転作動されてもピストンが往復動されず作動油を吐
出も吸込みもしない空転状態にされる。そして、ステッ
プS11では、液圧モータ(52)の斜板(52b)
(モータ斜板)を傾動させて斜板角度を小角度(最大傾
斜角度の1/3)にさせることにより上記液圧モータ
(52)を、高圧の作動油を吐出可能な状態にさせる。
【0059】ステップS12では、上記ステップS2同
様、蓄圧器(8)側の作動油圧がHST(5)の閉回路
(53)側の作動油圧よりも高圧であるか否かを判定
し、蓄圧器(8)側が高圧であれば動力回収が可能でな
いから上記ステップS5に進んで動力回収運転を終了す
る一方、蓄圧器(8)側が高圧でなければさらに動力回
収が可能なのでステップS13に進む。ステップS13
では、車両の車速が極めて低くなってHMT(2)の変
速比が所定の最小値(例えば、0.05)となる極低速
領域に入ったか否かを判定し、極低速領域であればエン
ジン(1)のストールを防止するために上記ステップS
5に進んで動力回収運転を終了する一方、極低速領域で
なければステップS14に進む。
様、蓄圧器(8)側の作動油圧がHST(5)の閉回路
(53)側の作動油圧よりも高圧であるか否かを判定
し、蓄圧器(8)側が高圧であれば動力回収が可能でな
いから上記ステップS5に進んで動力回収運転を終了す
る一方、蓄圧器(8)側が高圧でなければさらに動力回
収が可能なのでステップS13に進む。ステップS13
では、車両の車速が極めて低くなってHMT(2)の変
速比が所定の最小値(例えば、0.05)となる極低速
領域に入ったか否かを判定し、極低速領域であればエン
ジン(1)のストールを防止するために上記ステップS
5に進んで動力回収運転を終了する一方、極低速領域で
なければステップS14に進む。
【0060】ステップS14では、エンジン回転数を所
定の一定回転数(例えば、1800r.p.m )と比較し、
エンジン回転数が上記一定回転数以上であれば上記ステ
ップS12にリターンする一方、エンジン回転数が上記
一定回転数未満になれば、ステップS15に進み、MT
(4)の各クラッチ機構(44,45,…)の切換作動
により、HMT(2)の運転モードを、例えば、第4モ
ードから第3モードへと1段階下位のモードへ切換え、
その後、上記ステップS7へリターンする。つまり、エ
ンジン回転数が上記所定回転数以上の比較的高めの回転
数に維持されるようにHMT(2)の運転モードを切換
えるようにしている。
定の一定回転数(例えば、1800r.p.m )と比較し、
エンジン回転数が上記一定回転数以上であれば上記ステ
ップS12にリターンする一方、エンジン回転数が上記
一定回転数未満になれば、ステップS15に進み、MT
(4)の各クラッチ機構(44,45,…)の切換作動
により、HMT(2)の運転モードを、例えば、第4モ
ードから第3モードへと1段階下位のモードへ切換え、
その後、上記ステップS7へリターンする。つまり、エ
ンジン回転数が上記所定回転数以上の比較的高めの回転
数に維持されるようにHMT(2)の運転モードを切換
えるようにしている。
【0061】なお、上記フローチャートにおいて、ステ
ップS1、S2及びS12が判定部(33)に、ステッ
プS3及びS5が開閉作動部(34)にそれぞれ対応し
ており、ステップS7が禁止制御部(38)に対応して
いる。また、ステップS8〜S10がポンプ斜板制御部
(36)に、ステップS11がモータ容量制御部(3
5)に、それぞれ対応しており、さらにステップS14
及びS15がクラッチ制御部(37)に対応している。
ップS1、S2及びS12が判定部(33)に、ステッ
プS3及びS5が開閉作動部(34)にそれぞれ対応し
ており、ステップS7が禁止制御部(38)に対応して
いる。また、ステップS8〜S10がポンプ斜板制御部
(36)に、ステップS11がモータ容量制御部(3
5)に、それぞれ対応しており、さらにステップS14
及びS15がクラッチ制御部(37)に対応している。
【0062】次に、上記実施形態に係る車両の動力回収
装置による、車両の減速時の動力回収時における作用・
効果を、図7を参照しながら説明する。なお、この図7
は、横軸に表したHMT(2)の変速比の変化に対応づ
けて、コントローラ(3)の減速時制御部(32)によ
り制御されるHST(5)の液圧ポンプ(51)及び液
圧モータ(52)のそれぞれの斜板角度の変化と、上記
HST(5)の動力分担比率の変化と、上記HST
(5)の閉回路(53)における作動油圧の変化とを表
したものである。
装置による、車両の減速時の動力回収時における作用・
効果を、図7を参照しながら説明する。なお、この図7
は、横軸に表したHMT(2)の変速比の変化に対応づ
けて、コントローラ(3)の減速時制御部(32)によ
り制御されるHST(5)の液圧ポンプ(51)及び液
圧モータ(52)のそれぞれの斜板角度の変化と、上記
HST(5)の動力分担比率の変化と、上記HST
(5)の閉回路(53)における作動油圧の変化とを表
したものである。
【0063】上記実施形態に係る車両の動力回収装置に
よれば、運転者のアクセル操作量又はブレーキ操作量に
基づいて車両の減速時であることが判定されたとき(S
1;図6参照)であって、かつ、給排ライン(10)に
おける作動油圧に基づいて動力回収が可能であると判定
されたとき(S2)、開閉制御部(34)により第1〜
第3の各方向切換弁(9a,9b,9c)の作動制御が
行われて(S3)、HST(5)の閉回路(53)側と
蓄圧器(8)側とが接続される。そして、車両の減速に
伴いポンプ作動する液圧モータ(52)から吐出される
高圧の作動油が上記蓄圧器(8)に供給されて蓄えられ
るようになる。この際、上記液圧モータ(52)の斜板
角度(図7に二点鎖線で示す)が、モータ容量制御部
(35)により最大傾斜角度(17度)の略1/3に減
少される(S11)ため、上記液圧モータ(52)は通
常時の略3倍の油圧値の作動油を吐出可能な状態にな
る。従って、HST(5)の動力分担率がもともと低く
出力軸(22)側から伝わる慣性力が小さくなる高変速
比域(第3及び第4モード)においても、上記HST
(5)の閉回路(53)内の作動油圧(同図に実線で示
す)が比較的高圧にされるようになる。
よれば、運転者のアクセル操作量又はブレーキ操作量に
基づいて車両の減速時であることが判定されたとき(S
1;図6参照)であって、かつ、給排ライン(10)に
おける作動油圧に基づいて動力回収が可能であると判定
されたとき(S2)、開閉制御部(34)により第1〜
第3の各方向切換弁(9a,9b,9c)の作動制御が
行われて(S3)、HST(5)の閉回路(53)側と
蓄圧器(8)側とが接続される。そして、車両の減速に
伴いポンプ作動する液圧モータ(52)から吐出される
高圧の作動油が上記蓄圧器(8)に供給されて蓄えられ
るようになる。この際、上記液圧モータ(52)の斜板
角度(図7に二点鎖線で示す)が、モータ容量制御部
(35)により最大傾斜角度(17度)の略1/3に減
少される(S11)ため、上記液圧モータ(52)は通
常時の略3倍の油圧値の作動油を吐出可能な状態にな
る。従って、HST(5)の動力分担率がもともと低く
出力軸(22)側から伝わる慣性力が小さくなる高変速
比域(第3及び第4モード)においても、上記HST
(5)の閉回路(53)内の作動油圧(同図に実線で示
す)が比較的高圧にされるようになる。
【0064】また、上記モータ容量制御部(35)よる
制御と同時に、ポンプ斜板制御部(36)により液圧ポ
ンプ(51)の斜板角度(図7に一点鎖線で示す)が0
度になるよう変更制御され(S8,S9,S10)、こ
れにより、上記液圧ポンプ(51)は回転作動されても
作動油を吐出も吸込もしない空転状態にされる。このた
め、HST(5)の閉回路(53)においては、ポンプ
作動される液圧モータ(52)から吐出された作動油の
行き場がなくなって作動油圧が極めて高くなり、これに
より、蓄圧器(8)側に極めて高い作動油圧が供給され
るようになる。従って、車両の減速時に蓄圧器(8)に
対し十分に高い油圧力を蓄えることができるようにな
り、この作動油圧を車両の発進時などに有効利用できる
ようになる。
制御と同時に、ポンプ斜板制御部(36)により液圧ポ
ンプ(51)の斜板角度(図7に一点鎖線で示す)が0
度になるよう変更制御され(S8,S9,S10)、こ
れにより、上記液圧ポンプ(51)は回転作動されても
作動油を吐出も吸込もしない空転状態にされる。このた
め、HST(5)の閉回路(53)においては、ポンプ
作動される液圧モータ(52)から吐出された作動油の
行き場がなくなって作動油圧が極めて高くなり、これに
より、蓄圧器(8)側に極めて高い作動油圧が供給され
るようになる。従って、車両の減速時に蓄圧器(8)に
対し十分に高い油圧力を蓄えることができるようにな
り、この作動油圧を車両の発進時などに有効利用できる
ようになる。
【0065】さらに、クラッチ作動制御部(37)によ
りMT(4)の各クラッチ機構(44,45,…)が作
動されて(S15)、HMT(2)の変速比が車両の走
行速度の低下に応じて段階的に小さくされるようになる
ため、車両の走行速度が低下してもエンジン(1)の回
転数が比較的高めに維持されるようになり、減速後の再
加速時における車両の加速応答性の低下を防止すること
ができるようになる。しかもこの際、上記液圧ポンプ
(51)が空転状態にされているため、HST(5)の
動力分担比率(図7に破線で示す)が零になる結果、上
記各クラッチ機構(44,45,…)を変速作動させて
も上記HST(5)側において変速ショックが発生せ
ず、また、液圧モータ(52)の斜板角度を変更しても
この液圧モータ(52)の出力回転数が変化しないよう
になり、従って、HMT(2)の変速制御に伴う変速シ
ョックの発生を抑制することができる。
りMT(4)の各クラッチ機構(44,45,…)が作
動されて(S15)、HMT(2)の変速比が車両の走
行速度の低下に応じて段階的に小さくされるようになる
ため、車両の走行速度が低下してもエンジン(1)の回
転数が比較的高めに維持されるようになり、減速後の再
加速時における車両の加速応答性の低下を防止すること
ができるようになる。しかもこの際、上記液圧ポンプ
(51)が空転状態にされているため、HST(5)の
動力分担比率(図7に破線で示す)が零になる結果、上
記各クラッチ機構(44,45,…)を変速作動させて
も上記HST(5)側において変速ショックが発生せ
ず、また、液圧モータ(52)の斜板角度を変更しても
この液圧モータ(52)の出力回転数が変化しないよう
になり、従って、HMT(2)の変速制御に伴う変速シ
ョックの発生を抑制することができる。
【0066】加えて、車両の走行速度が所定の設定速度
以下の低速域に入ったと判定されたとき(S7)、上記
モータ容量制御部(35)及びポンプ斜板制御部(3
6)による制御の実行が禁止されて、上記液圧ポンプ
(51)及び液圧モータ(52)の斜板角度がそれぞれ
通常運転と同様に変更されるようになる。このため、H
ST(5)の動力分担比率がもともと高く作動油圧が高
くなり易い車両の低速域において、上記HST(5)の
閉回路(53)における、モータ容量制御部(35)及
びポンプ斜板制御部(36)による制御に起因する異常
高圧の発生を防止することができる。
以下の低速域に入ったと判定されたとき(S7)、上記
モータ容量制御部(35)及びポンプ斜板制御部(3
6)による制御の実行が禁止されて、上記液圧ポンプ
(51)及び液圧モータ(52)の斜板角度がそれぞれ
通常運転と同様に変更されるようになる。このため、H
ST(5)の動力分担比率がもともと高く作動油圧が高
くなり易い車両の低速域において、上記HST(5)の
閉回路(53)における、モータ容量制御部(35)及
びポンプ斜板制御部(36)による制御に起因する異常
高圧の発生を防止することができる。
【0067】<他の実施形態>なお、本発明は上記実施
形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態
を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、
車両の減速時における動力回収時に、HST(5)の液
圧ポンプ(51)の斜板角度を0度に変更するようにし
ているが、これに限らず、上記液圧ポンプ(51)の斜
板角度は動力回収時でない通常時と同様に変更制御する
ようにしてもよい。この場合には、液圧モータ(52)
の斜板角度の変更によりHMT(2)の変速比が急変し
ないようにする必要がある。
形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態
を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、
車両の減速時における動力回収時に、HST(5)の液
圧ポンプ(51)の斜板角度を0度に変更するようにし
ているが、これに限らず、上記液圧ポンプ(51)の斜
板角度は動力回収時でない通常時と同様に変更制御する
ようにしてもよい。この場合には、液圧モータ(52)
の斜板角度の変更によりHMT(2)の変速比が急変し
ないようにする必要がある。
【0068】上記実施形態では、車両の減速時における
動力回収時に、HST(5)の液圧ポンプ(51)を空
転状態にさせるとともに、各クラッチ機構(44,4
5,…)の作動制御によりMT(4)を段階的に変速作
動させるようにしているが、これに限らず、上記MT
(4)を変速作動させずHMT(2)の変速比を一定値
に保つようにすることも可能である。
動力回収時に、HST(5)の液圧ポンプ(51)を空
転状態にさせるとともに、各クラッチ機構(44,4
5,…)の作動制御によりMT(4)を段階的に変速作
動させるようにしているが、これに限らず、上記MT
(4)を変速作動させずHMT(2)の変速比を一定値
に保つようにすることも可能である。
【0069】上記実施形態では、車両の減速時における
動力回収時に、液圧モータ(52)の斜板角度を略6度
に減少させるようにしているが、これに限らず、上記液
圧モータ(52)の斜板角度を最大傾斜角度から減少さ
せて例えば5度〜10度程度の値にさせるようにしても
よい。
動力回収時に、液圧モータ(52)の斜板角度を略6度
に減少させるようにしているが、これに限らず、上記液
圧モータ(52)の斜板角度を最大傾斜角度から減少さ
せて例えば5度〜10度程度の値にさせるようにしても
よい。
【0070】上記実施形態では、低速域でモータ容量制
御部(35)及びポンプ斜板制御部(36)による制御
を禁止してHST(5)の閉回路(53)における以上
高圧の発生を防止するようにしているが、これに限ら
ず、低速域でも上記モータ容量制御部(35)及びポン
プ斜板制御部(36)による制御を実行するようにして
もよい。この場合には、上記閉回路(53)内の作動油
は高圧リリーフ弁等から排出されるようになる。
御部(35)及びポンプ斜板制御部(36)による制御
を禁止してHST(5)の閉回路(53)における以上
高圧の発生を防止するようにしているが、これに限ら
ず、低速域でも上記モータ容量制御部(35)及びポン
プ斜板制御部(36)による制御を実行するようにして
もよい。この場合には、上記閉回路(53)内の作動油
は高圧リリーフ弁等から排出されるようになる。
【0071】上記実施形態では、無段変速機とし可変斜
板式の液圧ポンプ(51)と斜板式の液圧モータ(5
2)とを備えたHMT(2)を用いるようにしている
が、これに限らず、例えば、容量可変のラジアルポンプ
やラジアルモータ等を備えた無段変速機を用いるように
することも可能である。
板式の液圧ポンプ(51)と斜板式の液圧モータ(5
2)とを備えたHMT(2)を用いるようにしている
が、これに限らず、例えば、容量可変のラジアルポンプ
やラジアルモータ等を備えた無段変速機を用いるように
することも可能である。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における車両の動力回収装置によれば、車両の減速時
に作動液を蓄圧手段(8)に蓄えるとき、ポンプ作動す
る液圧モータ(52)がより高い液圧の作動液を吐出可
能なようにこの液圧モータ(52)の容量を減少させる
ことにより、出力軸(22)側から伝わる慣性力が小さ
くても静液圧式トランスミッション(5)の閉回路(5
3)内の作動液圧をより高圧にさせ得るようになる。こ
れにより、蓄圧手段(8)に対し、車両の発進時などに
有効利用可能なより高圧の液圧力を蓄圧できるようにな
る。
明における車両の動力回収装置によれば、車両の減速時
に作動液を蓄圧手段(8)に蓄えるとき、ポンプ作動す
る液圧モータ(52)がより高い液圧の作動液を吐出可
能なようにこの液圧モータ(52)の容量を減少させる
ことにより、出力軸(22)側から伝わる慣性力が小さ
くても静液圧式トランスミッション(5)の閉回路(5
3)内の作動液圧をより高圧にさせ得るようになる。こ
れにより、蓄圧手段(8)に対し、車両の発進時などに
有効利用可能なより高圧の液圧力を蓄圧できるようにな
る。
【0073】請求項2記載の発明によれば、モータ容量
可変機構(57)により液圧モータ(52)の斜板角度
を減少させて、ポンプ作動する液圧モータ(52)をよ
り高い液圧の作動液を確実に吐出可能な状態にさせるこ
とができる。
可変機構(57)により液圧モータ(52)の斜板角度
を減少させて、ポンプ作動する液圧モータ(52)をよ
り高い液圧の作動液を確実に吐出可能な状態にさせるこ
とができる。
【0074】請求項3記載の発明によれば、記請求項1
記載の発明による効果に加えて、液圧ポンプ(51)を
空転状態にさせることにより、静液圧式トランスミッシ
ョン(5)の閉回路(53)における作動液圧をより高
めることができ、また、液圧モータ(52)の斜板制御
等を行っても、車両に挙動変化を生じさせることがな
い。
記載の発明による効果に加えて、液圧ポンプ(51)を
空転状態にさせることにより、静液圧式トランスミッシ
ョン(5)の閉回路(53)における作動液圧をより高
めることができ、また、液圧モータ(52)の斜板制御
等を行っても、車両に挙動変化を生じさせることがな
い。
【0075】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
3記載の発明による効果に加えて、車両の走行速度の低
下に応じて機械式トランスミッション(4)を変速作動
させることにより、エンジン(1)の回転数を比較的高
めに維持するようにして減速後の再加速時における車両
の加速応答性の低下を防止することができる。またその
際、静液圧トランスミッション(5)における変速ショ
ックの発生が防止されて、車両の変速ショックの低減が
図られる。
3記載の発明による効果に加えて、車両の走行速度の低
下に応じて機械式トランスミッション(4)を変速作動
させることにより、エンジン(1)の回転数を比較的高
めに維持するようにして減速後の再加速時における車両
の加速応答性の低下を防止することができる。またその
際、静液圧トランスミッション(5)における変速ショ
ックの発生が防止されて、車両の変速ショックの低減が
図られる。
【0076】請求項5記載の発明によれば、上記請求項
3記載の発明による効果に加えて、動力回収時制御手段
(32)によるモータ容量可変機構(57)及びポンプ
容量可変機構(55)の制御を低速域で禁止するように
することにより、静液圧式トランスミッション(5)の
閉回路(53)における異常高圧の発生を防止すること
ができる。
3記載の発明による効果に加えて、動力回収時制御手段
(32)によるモータ容量可変機構(57)及びポンプ
容量可変機構(55)の制御を低速域で禁止するように
することにより、静液圧式トランスミッション(5)の
閉回路(53)における異常高圧の発生を防止すること
ができる。
【図1】本発明の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】HMTの構成を示す全体模式図である。
【図3】HMTのMTにおける第1,第2遊星歯車機構
の遊星速度線図である。
の遊星速度線図である。
【図4】HMTにおける、各クラッチ機構の接続状態
と、液圧ポンプの可変斜板の斜板角度とHMTの変速比
との関係と、入力軸及び出力軸の回転数とHMTの変速
比との関係を関連付けて示す説明図である。
と、液圧ポンプの可変斜板の斜板角度とHMTの変速比
との関係と、入力軸及び出力軸の回転数とHMTの変速
比との関係を関連付けて示す説明図である。
【図5】動力回収装置の主要部を示す全体構成図であ
る。
る。
【図6】動力回収時制御部による実際の制御を示すフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図7】HMTの変速比に対応づけて、車両の減速時の
動力回収時制御によってそれぞれ変更制御される液圧ポ
ンプ及び液圧モータのそれぞれの斜板角度の変化と、H
STの動力分担比率の変化と、HSTの閉回路における
作動油圧の変化とを示す説明図である。
動力回収時制御によってそれぞれ変更制御される液圧ポ
ンプ及び液圧モータのそれぞれの斜板角度の変化と、H
STの動力分担比率の変化と、HSTの閉回路における
作動油圧の変化とを示す説明図である。
【図8】従来のHMTの全体模式図である。
【図9】上記従来のHMTにおける図7対応図である。
1 エンジン 2 HMT(無段変速機) 4 MT(機械式トランスミッション) 5 HST(静液圧式トランスミッショ
ン) 8 蓄圧器(蓄圧手段) 9 開閉機構 10 給排ライン 11,11 駆動輪 32 動力回収時制御部(動力回収時制御手
段) 38 禁止制御部(禁止制御手段) 44,45,46 クラッチ機構(変速ク
ラッチ) 51 液圧ポンプ 52 液圧モータ 53 HSTの閉回路 55 斜板角度変更調整機構(ポンプ容量可
変機構) 57 斜板角度変更機構(モータ容量可変機
構)
ン) 8 蓄圧器(蓄圧手段) 9 開閉機構 10 給排ライン 11,11 駆動輪 32 動力回収時制御部(動力回収時制御手
段) 38 禁止制御部(禁止制御手段) 44,45,46 クラッチ機構(変速ク
ラッチ) 51 液圧ポンプ 52 液圧モータ 53 HSTの閉回路 55 斜板角度変更調整機構(ポンプ容量可
変機構) 57 斜板角度変更機構(モータ容量可変機
構)
Claims (5)
- 【請求項1】 エンジン(1)から駆動輪(11,1
1)までの動力伝達経路に、少なくとも1つの変速クラ
ッチ(44,45,…)を有する機械式トランスミッシ
ョン(4)と、上記エンジン(1)側に連結された液圧
ポンプ(51)及び上記駆動輪(11,11)側に連結
された液圧モータ(52)を閉回路(53)により互い
に接続してなる静液圧式トランスミッション(5)とが
並列に配設された無段変速機(2)を備えるとともに、
上記閉回路(53)に開閉機構(9)を有する給排ライ
ン(10)を介して接続された蓄圧手段(8)を備え、
少なくとも車両の減速時に上記閉回路(53)から上記
蓄圧手段(8)に高圧の作動液を供給して蓄えるように
した車両の動力回収装置において、 上記液圧モータ(52)の容量を変更するモータ容量可
変機構(57)と、 上記車両の減速時に作動液を上記蓄圧手段(8)に蓄え
るとき、上記液圧モータ(52)の容量が減少するよう
に上記モータ容量可変機構(57)を制御する動力回収
時制御手段(32)とを備えていることを特徴とする車
両の動力回収装置。 - 【請求項2】 請求項1において、 液圧モータ(52)は、斜板角度の変更により容量可変
に構成された斜板式ピストンモータであり、 モータ容量可変機構(57)は、上記液圧モータ(5
2)の斜板角度を変更するように構成されていることを
特徴とする車両の動力回収装置。 - 【請求項3】 請求項1において、 液圧ポンプ(51)は、斜板角度の変更により容量可変
に構成された斜板式ピストンポンプであり、 上記液圧ポンプ(51)の斜板角度を変更するポンプ容
量可変機構(55)が設けられており、 動力回収時制御手段(32)は、モータ容量可変機構
(57)の制御を行うと同時に、上記液圧ポンプ(5
1)の斜板角度が0度になるように上記ポンプ容量可変
機構(55)を制御するものとされていることを特徴と
する車両の動力回収装置。 - 【請求項4】 請求項3において、 動力回収時制御手段(32)は、液圧ポンプ(51)の
斜板角度を0度に維持するとともに、車両の走行速度の
低下に応じて、無段変速機(2)の変速比が段階的に小
さくなるよう機械式トランスミッション(4)の変速ク
ラッチ(44,45,…)を作動させるクラッチ制御を
行うように構成されていることを特徴とする車両の動力
回収装置。 - 【請求項5】 請求項3において、 車両の走行速度が設定速度以下となる低速域では、動力
回収時制御手段(32)によるモータ容量可変機構(5
7)及びポンプ容量可変機構(55)の制御を禁止する
禁止制御手段(38)を備えていることを特徴とする車
両の動力回収装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9160950A JPH116557A (ja) | 1997-06-18 | 1997-06-18 | 車両の動力回収装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9160950A JPH116557A (ja) | 1997-06-18 | 1997-06-18 | 車両の動力回収装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH116557A true JPH116557A (ja) | 1999-01-12 |
Family
ID=15725716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9160950A Withdrawn JPH116557A (ja) | 1997-06-18 | 1997-06-18 | 車両の動力回収装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH116557A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001097255A (ja) * | 1999-10-01 | 2001-04-10 | Japan Science & Technology Corp | オールテレーン車両 |
WO2003060350A1 (fr) * | 2002-01-17 | 2003-07-24 | Yanmar Agricultural Equipment Co., Ltd. | Camion de travaux |
JP2007218435A (ja) * | 2007-05-10 | 2007-08-30 | Yanmar Agricult Equip Co Ltd | 田植機 |
CN106870659A (zh) * | 2017-03-22 | 2017-06-20 | 山东潍坊鲁中拖拉机有限公司 | 一种无级变速调速装置 |
CN107131181A (zh) * | 2017-06-06 | 2017-09-05 | 浙江大学 | 基于能量回收的集成式液压变速器 |
WO2018043196A1 (ja) | 2016-08-29 | 2018-03-08 | イーグル工業株式会社 | 流体圧回路 |
-
1997
- 1997-06-18 JP JP9160950A patent/JPH116557A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
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WO2018043196A1 (ja) | 2016-08-29 | 2018-03-08 | イーグル工業株式会社 | 流体圧回路 |
US10746293B2 (en) | 2016-08-29 | 2020-08-18 | Eagle Industry Co., Ltd. | Fluid pressure circuit |
CN106870659A (zh) * | 2017-03-22 | 2017-06-20 | 山东潍坊鲁中拖拉机有限公司 | 一种无级变速调速装置 |
CN107131181A (zh) * | 2017-06-06 | 2017-09-05 | 浙江大学 | 基于能量回收的集成式液压变速器 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040907 |