JP3157267B2 - 車両の動力伝達装置 - Google Patents

車両の動力伝達装置

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JP3157267B2
JP3157267B2 JP10121292A JP10121292A JP3157267B2 JP 3157267 B2 JP3157267 B2 JP 3157267B2 JP 10121292 A JP10121292 A JP 10121292A JP 10121292 A JP10121292 A JP 10121292A JP 3157267 B2 JP3157267 B2 JP 3157267B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トルクコンバータおよ
び減速装置を含む第1動力伝達経路と、無段変速機を含
む第2動力伝達経路とを有し、運転状態に応じて動力伝
達切換用の摩擦要素を切換操作することにより、エンジ
ン出力の動力伝達経路を切り換えるようにした車両の動
力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジン出力を伝達する動力伝達
装置として、例えば特開平2−240444号公報に見
られるように、トルクコンバータおよび減速装置(1段
以上の有段変速機構)を含む第1動力伝達経路と、無段
変速機を含む第2動力伝達経路と、伝達経路切換用のク
ラッチ(ロックアップクラッチ)とを有し、運転状態に
応じてクラッチの締結、解放を行うことにより、エンジ
ン出力の伝達経路を第1動力伝達経路と第2動力伝達経
路との間で切換操作するようにしたものが知られてい
る。
【0003】上記動力伝達装置は、通常、発進時および
加速時等の低速側の運転領域で、第1動力伝達経路を介
してエンジン出力を伝達することにより、上記トルクコ
ンバータおよび減速装置等のトルク増大作用によって良
好な加速性が得られるように構成されている。また、そ
れ程強力なトルクを必要としない高速側の運転領域で
は、第2動力伝達経路の無段変速機によってエンジン出
力を伝達することにより、変速ショックを生じさせるこ
となく運転状態に応じた変速比が得られるように構成さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の動力伝達装
置では、クラッチの作動による動力伝達経路の切換が急
速に行われるとかなりのショックが生じる。この動力伝
達経路の切換時のショックを軽減するためには、クラッ
チの作動速度を遅くすることが望ましいが、このように
構成すると、クラッチの入力側と出力側との回転数差が
大きい場合に摩耗が生じ易くなり、また上記クラッチか
らなる摩擦要素に対する入力トルクが大きい加速時等に
応答性が低下するなどの問題が生じる。
【0005】なお、上記動力伝達経路の切換時における
変速ショック等の発生を防止するため、上記クラッチの
入力トルクと出力トルクとが略一致するような速度比、
つまりクラッチの入力軸の回転速度と出力軸の回転速度
との比を求め、この速度比が得られるように第2動力伝
達経路の無段変速機の変速比を設定した状態で、上記動
力伝達経路の切換操作を行なうことも考えるが、上記両
トルクが一致する速度比は、油温の影響、オイルの劣化
および車両ごとのバラツキ等に起因して変化するため、
種々の条件に対応した変速比の設定が必要となり、実用
化が困難であるという問題がある。
【0006】本発明は、上記問題を解決するもので、動
力伝達経路の切換操作を適切に実行して切換ショックを
低減しつつ摩擦要素の摩耗を防止し、かつ加速応答性を
満足することができる車両の動力伝達装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
トルクコンバータおよび減速装置を介してエンジン出力
を車輪側へ伝達する第1動力伝達経路と、無段変速機を
介してエンジン出力を車輪側へ伝達する第2動力伝達経
路と、エンジン出力の伝達経路を切り換える伝達経路切
換用の摩擦要素とを有し、運転状態に応じて上記摩擦要
素を作動させてエンジン出力の伝達経路を切り換えるよ
うにした車両の動力伝達装置において、上記第1動力伝
達経路から第2動力伝達経路への切換操作時に、トルク
コンバータの入力トルクおよび出力トルクが互いに略等
しくなった時点で、上記摩擦要素を作動させる作動制御
手段を備え、この作動制御手段は、トルクコンバータの
入力トルクおよび出力トルクが互いに略等しくなった時
点で上記摩擦要素を作動させる第1タイミングと、上記
摩擦要素の入力側回転数および出力側回転数が互いに略
等しくなった時点で摩擦要素を作動させる第2タイミン
グとを有し、エンジンからトルクコンバータに入力され
る入力トルクを検出する検出信号に応じ、この入力トル
クが予め設定された基準値よりも大きいことが確認され
た場合に、上記トルクコンバータの入力トルクおよび出
力トルクが互いに略等しくなった時点で上記摩擦要素を
作動させる第1タイミングを選択し、上記入力トルクが
上記基準値よりも小さいことが確認された場合に、上記
摩擦要素の入力側回転数および出力側回転数が互いに略
等しくなった時点で摩擦要素を作動させる第2タイミン
グを選択するように構成されたものである。
【0008】
【作用】上記請求項1記載の発明によれば、エンジンか
らトルクコンバータに入力される入力トルクと、このト
ルクコンバータから出力される出力トルクとが略等しく
なった状態で、伝達経路切換用の摩擦要素が締結状態と
なって動力伝達経路の切換が行なわれるため、第1動力
伝達経路の減速装置の変速比と、第2動力伝達経路の無
段変速機の変速比とを予め等しく設定しておくことによ
り、上記摩擦要素の締結時にその入力トルクと出力トル
クが相違していることに起因する切換ショックの発生が
防止されることになる。
【0009】そして、エンジンからトルクコンバータに
入力される入力トルクが大きい場合には、この入力トル
クと、トルクコンバータから出力される出力トルクとが
略等しくなった状態で、上記動力伝達経路の切換が行な
われるため、この切換操作時に切換ショックが発生する
ことが防止される。また、上記入力トルクが小さい場合
には、摩擦要素の入力側回転数と、出力側回転数とが略
等しくなった状態で、上記動力伝達経路の切換が行なわ
れるため、切換操作後にエンジン回転数が急変すること
が防止されることになる。
【0010】
【実施例】図1および図2は、本発明に係る車両の動力
伝達装置の実施例を示している。この動力伝達装置は、
エンジン1の出力側に接続される経路切換クラッチ(伝
達経路切換用の摩擦要素)2によって切り換えられる第
1および第2動力伝達経路3,4を有している。第1動
力伝達経路3は、エンジン出力を、減速装置7を介して
車輪側へ伝達するもので、トルクコンバータ5、前後進
切換装置6および減速装置7を経て車輪側へ動力を伝達
するように構成されている。また第2動力伝達経路4
は、上記エンジン出力を、無段変速機8を介して車輪側
へ伝達するようになっている。
【0011】上記トルクコンバータ5は、その入力軸5
aに連なるポンプカバー11と、このポンプカバー11
に一体に形成されたポンプインペラ12と、これに対向
するように設置されたタービンライナ13と、その間で
ワンウェイクラッチ16を介して中空固定シャフト15
に取付けられたステータ14とを備えている。そして、
上記入力軸5aがエンジン1の出力軸に結合されるとと
もに、トルクコンバータ5の出力軸となるタービンシャ
フト17が上記タービンライナ13に結合されている。
また、上記ポンプカバー11内の空間には、作動流体と
してのオイルが充満されている。なお、ポンプインペラ
12には中空回転シャフト18が連結され、このシャフ
ト18の後端にオイルポンプ50が取付けられている。
【0012】上記減速装置7は、タービンシャフト17
と同軸上に直列に配置された後進用および前進用の2つ
の遊星歯車機構20,21を有し、両遊星歯車機構2
0,21に共用されるサンギヤ22が上記タービンシャ
フト17に結合されている。上記後進用遊星歯車機構2
0は、シングルピニオン式であリ、上記サンギヤ22の
回転が、キャリヤ23に支持されたピニオン24を介し
てリングギヤ25に伝えられるようになっている。ま
た、上記キャリヤ23は、上記中空固定シャフト15に
結合されてケーシング10に固定され、上記リングギヤ
25は、リバースクラッチ6aを介して出力軸30に連
結されている。
【0013】一方、前進用遊星歯車機構21はダブルピ
ニオン式であリ、上記サンギヤ22の回転が、上記キャ
リヤ23に支持されたインナピニオン26およびアウタ
ピニオン27を介してリングギヤ28に伝えられるよう
になっている。このリングギヤ28は、フォワードクラ
ッチ6bおよびワンウェイクラッチ29を介して出力軸
30に連結されている。
【0014】上記リバースクラッチ6aとフォワードク
ラッチ6bとによって前後進切換装置6が構成されてい
る。そして、上記リバースクラッチ6aが締結されたと
きには、タービンシャフト17からの入力が後進用遊星
歯車機構20を介して上記出力軸30に伝達され、フォ
ワードクラッチ6bが締結されたときには、タービンシ
ャフト17からの入力が前進用遊星歯車機構21を介し
て上記出力軸30に伝達されるようになっている。
【0015】一方、第2動力伝達経路4の無段変速機8
は、2つのトロイダル型変速機31,32によって構成
され、この両トロイダル型変速機31,32が、上記減
速装置7に隣接する位置で上記出力軸30と同軸に、直
列に配置されている。上記トロイダル型変速機31,3
2は、それぞれ軸方向に離間して配置された一対のディ
スク33,34と、これらディスク33,34の間に配
設されてディスク33,34と摺接するローラ35とを
備えている。
【0016】上記両ディスク33,34のうちの一方
(出力ディスク33)は上記出力軸30に固定され、他
方(入力ディスク34)は上記出力軸30に対して相対
回転可能で、かつ軸方向に移動可能に支持されている。
上記ローラ35は、後述する油圧機構により傾転角θが
変更され、これに応じてトロイダル型変速機31,32
の変速比が変更されるように構成されている。すなわ
ち、入力ディスク34の回転が上記ローラ35を介して
出力ディスク33に伝達される際の変速比は、ローラ3
5が入力ディスク34に摺接する個所の半径Riと出力
ディスク33に摺接する個所の半径Roとの比に対応し
て設定されるため、ローラ35が傾転して上記摺接個所
が変位すると、これに応じて上記トロイダル型変速機3
1,32の変速比が変更されるようになっている。
【0017】上記無断変速機8を構成する両トロイダル
型変速機31,32は、入力ディスク34が内側、出力
ディスク33が外側に配置され、両入力ディスク34の
間には中間ディスク36が配設されている。また、中間
ディスク36と両入力ディスク34との間には、入力ト
ルクに応じた押付力を入力ディスク34に作用させるカ
ム37が介装されている。
【0018】また、上記無段変速機8には、タービンシ
ャフト17および出力軸30と並列に配置されたバイパ
スシャフト40を介して入力が伝達される。すなわち、
このバイパスシャフト40の前端に第1ギヤ41が設け
られ、この第1ギヤ41はアイドルギヤ42を介して第
2ギヤ43に連係され、この第2ギヤ43は、トルクコ
ンバータ入力側(ポンプインペラ12)に直結されてい
る中空回転シャフト18に、経路切換クラッチ2を介し
て連結されている。また、バイパスシャフト40の後端
には第3ギヤ44が設けられ、この第3ギヤ44が上記
中間ディスク36に設けられた第4ギヤ45に噛合して
いる。
【0019】したがって、上記経路切換クラッチ2が締
結状態のときは、上記中空回転シャフト18とバイパス
シャフト40との間の動力伝達が遮断され、エンジン出
力が第1動力伝達経路3のトルクコンバータ5、前後進
切換装置6および減速装置7を経て出力軸30に伝達さ
れる。一方、上記経路切換クラッチ2が締結状態のとき
は、エンジン出力がトルクコンバータ5をバイパスして
中空回転シャフト18からギヤ43,42,41、バイ
パスシャフト40およびギヤ44,45より無段変速機
8を経て出力軸30に伝達され、この場合には、前記ワ
ンウェイクラッチ29がフリーとなることにより第1動
力伝達経路3は実質的に働かない。
【0020】上記経路切換クラッチ2および前後進切換
装置6の各クラッチ6a,6bは、車両の運転状態に応
じて下記の表1に示すように切換えられる。
【0021】
【表1】 図3は、上記各クラッチ2,6a,6bの切換操作およ
び無段変速機8の変速比制御を行う油圧制御回路を示し
ている。この図において、51はレギュレータバルブで
あり、レデューシングバルブ52より制御圧供給ライン
を介して与えられる制御圧に応じ、オイルポンプ50か
ら吐出される作動油の油圧(ライン圧)を調整するよう
になっている。上記レギュレータバルブ51に対する制
御圧供給ラインには、第1デューティソレノイドバルブ
53が接続され、そのデューティ制御によってライン圧
が制御され、このライン圧は、上記トロイダル型変速機
31,32に対するレシオコントロールバルブ54と、
マニュアルバルブ55とに送られる。
【0022】上記レシオコントロールバルブ54から導
出された油圧ラインは、上記トロイダル型変速機31,
32に設けられた一対のローラ傾転用アクチュエータ5
6に接続されており、このアクチュエータ56は油圧に
応じたピストン56aの作動により、上記トロイダル型
変速機31,32のローラ35を傾転させるようになっ
ている。上記レシオコントロールバルブ54に対するパ
イロットラインには、第2デューティソレノイドバルブ
57が設けられ、そのデューティ制御により、上記ロー
ラ傾転用アクチュエータ56に供給される油圧が制御さ
れ、それに応じてローラ35が傾転されることで変速比
が制御されるようになっている。
【0023】また、上記マニュアルバルブ55には、フ
ォワードクラッチ6bに至る出力ラインと、リバースク
ラッチ6aに至る出力ラインと、コントロールバルブ5
8を介して経路切換クラッチ2に至る出力ラインとが接
続されている。そしてマニュアルバルブ55は、後進走
行レンジ(Rレンジ)ではリバースクラッチ6aに油圧
を供給する状態となり、前進走行レンジ(Dレンジ)で
はフォワードクラッチ6aとコントロールバルブ58の
入力側とに油圧を供給する状態となるように、手動操作
に応じて作動する。
【0024】上記コントロールバルブ58に対するパイ
ロットラインには、第3デューティソレノイドバルブ5
9が接続され、このデューティソレノイドバルブ59の
作動に応じ、コントロールバルブ58によって経路切換
クラッチ2に対する油圧の給排および調整が行われるよ
うになっている。
【0025】上記各デューティソレノイドバルブ53,
57,59は、ECU(コントロールユニット)61か
ら出力されるデューティ制御信号により制御される。こ
のECU61には、エンジン回転数の検出信号71、車
速の検出信号72、スロットル開度の検出信号73等が
それぞれのセンサから入力される。
【0026】上記ECU61は、図4に示すように、エ
ンジントルク等に応じて第1デューティソレノイドバル
ブ53を制御するライン圧制御手段62と、後記のトロ
イダル作動状態において無段変速機8の変速比が運転状
態に応じて設定した目標変速比となるように第2デュー
ティソレノイドバルブ57を制御する変速比制御手段6
3と、経路切換制御手段64とを有している。
【0027】この経路切換制御手段64は、前進走行時
に車速等の運転状態に応じ、例えば低車速領域等の特定
運転領域では、第1動力伝達経路3による動力伝達状態
(トルコン作動状態)とし、それ以外の運転領域では、
第2動力伝達経路4による動力伝達状態(トロイダル作
動状態)とするように、経路切換クラッチ2の切換の基
本的制御を行う。前記第1動力伝達経路3を用いるべき
運転領域(トルコン領域)および前記第2動力伝達経路
4を用いるべき運転領域(トロイダル領域)は、予めマ
ップにより設定されている。
【0028】すなわち、上記第2動力伝達経路4による
変速比変動範囲Aは、図5に示すように、変速比が比較
的小さい側に設定されるとともに、第1動力伝達経路3
による変速比変動範囲Bは、変速比が比較的大きい側に
設定されている。そして上記第2動力伝達経路4の最大
変速比Iaが、第1動力伝達経路3の最小変速比(減速
装置7の変速比)Ibよりも大きく設定されることによ
り、第1動力伝達経路3および第2動力伝達経路4の変
速比変動範囲が、斜線で示す範囲aにおいて一部オーバ
ーラップするようになっている。
【0029】さらにECU61には、経路切換クラッチ
2の切換操作時の制御に関係する手段として経路切換ク
ラッチ2の入力側回転数と出力側回転数とを一致させる
回転数調整手段65と、トルクコンバータ5の入力トル
クおよび出力トルクが互いに略等しくなったか否かを判
定するトルク判定手段66と、上記経路切換クラッチ2
の入力側回転数と出力側回転数とが互いに略等しくなっ
たか否かを判定する回転数判定手段67とが設けられて
いる。
【0030】上記回転数調整手段65は、後述する低ト
ルク領域において経路切換クラッチ2を解放状態から締
結状態に切り換える際に、上記両伝達経路3,4の変速
変動範囲のオーバーラップ領域aにおいて第2デューテ
ィソレノイドバルブ57のデューティ制御して無段変速
機8の変速比を調整することにより、上記クラッチ2の
入力回転数(中空シャフト18の回転数)と、出力回転
数(ギヤ43の回転数)とを一致させるように調節する
ものである。
【0031】すなわち、上記クラッチ2が解放状態にあ
る場合には、その入力側と出力側との間の動力伝達は遮
断されているが、この場合でも第1動力伝達経路3から
伝達される動力によって上記出力軸30および無段変速
機8のディスク等は回転しているため、上記無段変速機
8の変速比が変化すれば上記クラッチ2の出力側回転数
も変化するようになっている。そして、上記トルコン作
動状態からトロイダル作動状態への切換は、通常、第1
動力伝達経路3の最小変速比Ib(図5参照)に近いと
ころで行われるため、上記オーバーラップ範囲aで無段
変速機8の変速比を調整すれば、経路切換クラッチ2の
締結前にその入力回転数と、出力回転数とを一致させる
ように調整することができる。
【0032】上記トルク判定手段66は、例えば上記エ
ンジン回転数の検出信号71、車速の検出信号72およ
びスロットル開度の検出信号73等に応じて算出し、あ
るいは図外のトルクセンサから出力される検出信号に応
じて求めたトルクコンバータ5の入力トルクと、その出
力トルクとが略等しいか否かを判定するものである。そ
して上記トルク判定手段66において、トルクコンバー
タ5の入力トルクおよび出力トルクが互いに等しいこと
が確認された場合には、上記トルコン作動状態からトロ
イダル作動状態への切換を実行する制御信号を出力する
ように構成されている。
【0033】一方、上記回転数判定手段67は、上記エ
ンジン回転数検出信号71および車速の検出信号72に
応じて求めた経路切換クラッチ2の入力側回転数と、そ
の出力側回転数とが略等しいか否かを判定し、この路切
換クラッチ2を解放状態から締結状態に切り換える際
に、上記両回転数が互いに略等しいことが確認された場
合に、上記トルコン作動状態からトロイダル作動状態へ
の切換を実行する制御信号を出力するようになってい
る。
【0034】すなわち、上記トルク判定手段66および
回転数判定手段67は、経路切換クラッチ2からなる摩
擦要素の作動タイミングを設定する作動制御手段を構成
している。そして上記トルクコンバータ5の入力トルク
が予め設定された基準値よりも小さい低トルク時には、
トルク判定手段66において上記切換操作を実行するか
否かを判定する第1タイミングの判定が行なわれ、上記
入力トルクが基準値よりも大きい高トルク時には、回転
数判定手段67において上記切換操作を実行するか否か
を判定する第2タイミングの判定が行なわれるようにな
っている。
【0035】上記ECU61における制御動作を、図6
のフローチャートに基づいて説明する。このフローチャ
ートがスタートすると、ECU61は先ずエンジン回転
数、車速およびスロットル開度等の各検出信号を読み込
む(ステップS1)。次に、現在がトルコン作動状態で
あるか否か、つまり経路切換クラッチ25が解放状態と
なっているか否かを判定する(ステップS2)。
【0036】ステップS2の判定がNOとなって動力伝
達装置がトロイダル作動状態にあることが確認された場
合には、車両の運転状態が図5に示すマップのトロイダ
ル領域Aからトルコン領域Bに移行したか否かを判定す
る(ステップS3)。この判定がNOのときは、そのま
まリターンしてトロイダル作動状態を維持する。上記ス
テップS3の判定がYESとなり、運転状態がトルコン
領域Bに移行したことが確認された場合には、上記第3
デューティソレノイドバルブ59を作動させて経路切換
クラッチ2から油圧を排出し、このクラッチ2を解放し
てトルコン作動状態とする(ステップS4)。
【0037】上記ステップS2の判定がYESの場合、
つまり動力伝達装置がトルコン作動状態にあることが確
認された場合には、上記トルクコンバータ5の入力トル
クTiが予め設定された基準値Tよりも大きいか否かを
判定する(ステップS5)。この判定の結果、トルクコ
ンバータ5の入力トルクTiが基準値Tよりも大きいこ
とが確認された場合には、この入力トルクTiと、トル
クコンバータ5の出力トルクToとが略等しいか否かを
判定する(ステップS6)。
【0038】そして上記ステップS6でYESと判定さ
れ、トルクコンバータ5の入出力トルクTi,Toが略
等しい状態、つまり上記動1動力伝達経路3の変速比が
上記マップの最大変速比Ibに近い状態にあることが確
認された場合には、運転状態がトルコン領域Bからトロ
イダル領域Aに移行したと判断して上記第3デューティ
ソレノイドバルブ59を作動させて経路切換クラッチ2
に油圧を供給し、このクラッチ2を締結してトロイダル
作動状態とする(ステップS7)。
【0039】一方、上記ステップS5でNOと判定さ
れ、トルクコンバータ5の入力トルクTiが上記基準値
Tよりも小さいことが確認された場合には、トルクコン
バータ45の入力軸5aの回転数と、出力軸(タービン
シャフト17)の回転数との比、つまり入出力軸の回転
速度比を算出した後(ステップS8)、現在の車速Vお
よびスロットル開度Tvoがそれぞれ予め設定された基
準値よりも小さいか否かを判定する(ステップS9,ス
テップS10)。
【0040】上記判定の結果、車速Vおよびスロットル
開度Tvoがいずれも基準値よりも大きく、経路切換の
必要条件が満足されていることが確認された場合には、
経路切換クラッチ2の入力側回転数と、出力側回転数と
を一致させるのに必要なトロイダル型変速機31,32
の変速比目標値を、上記回転速度比に応じて算出し(ス
テップ11)、この変速比目標値に対応した制御信号を
上記第2デューティソレノイドバルブ57に出力し、こ
れをデューティ制御することにより、上記トロイダル型
変速機31,32の変速比を目標値に一致させるように
調整する。
【0041】上記のようにしてトロイダル型変速機3
1,32の変速比を調整した結果、経路切換クラッチ2
の入力側回転数Piと、出力側回転数Poとが互いに略
等しくなったか否かを判定し(ステップS13)、略等
しいことが確認された場合には、上記ステップS7に移
行し、経路切換クラッチ2を締結してトロイダル作動状
態とする。また、上記ステップS13においてNOと判
定された場合には、そのままリターンしてトルコン作動
状態を維持する。
【0042】上記構成の動力伝達装置によると、予め設
定された運転領域のマップに基づき、低車速域等の特定
運転領域では、経路切換クラッチ2の解放によってトル
コン作動状態とされることにより、比較的大きな変速比
およびトルクコンバータ5によるトルク増倍作用が得ら
れ、その他の運転領域では、経路切換クラッチ2の締結
によってトロイダル作動状態とされることにより、トル
クコンバータ5による伝達ロスが避けられるとともに、
無段変速機8により変速比が比較的小さい側で調整され
て燃費等に有利となる。
【0043】そして経路切換クラッチ2の解放から締結
への切換(トルコン作動状態からトロイダル作動状態へ
の切換)を行なう場合において、トルクコンバータ5の
入力トルクTiが予め設定された基準値よりも大きいと
きには、上記入力トルクTiがその出力トルクToと略
等しい状態であるか否かを判定し、両トルクTi,To
が互いに略等しいことが確認された場合に、上記経路切
換クラッチ2の切換操作するように構成したため、経路
切換クラッチ2の作動速度を遅らせる等の構成を採用す
ることなく、経路切換クラッチ2の締結によるトロイダ
ル作動状態への移行をスムーズに行なうことができる。
【0044】すなわち、上記のようにトルクコンバータ
5の入力トルクTiと、その出力トルクToとが等しい
場合には、第1動力伝達経路3のトルクコンバータ5に
よるトルク増大作用がなく、予め変速比が分かっている
減速装置7のみによってエンジン出力の変速が行なわれ
る。通常、上記減速装置7の変速比と、第2動力伝達経
路4の無段変速機8の最大変速比とが等しく設定される
とともに、上記切換前には上記無段変速機8が最大変速
比状態となるように構成されているため、上記トルクコ
ンバータの入出力トルクTi,Toが略等しい状態で上
記クラッチ2の切換操作を行なえば、その切換操作時に
トルク変動が生じるのを防止することができる。
【0045】また、トルクコンバータ5の入力トルクT
iが上記基準値よりも小さいことが確認された場合に
は、経路切換前に上記クラッチ2の入力側回転数Pi
と、出力側回転数Poとが一致するように、トロイダル
型変速機31,32の変速比を予め設定した後、両回転
数Pi,Poが互いに略等しくなったことが確認された
時点で、上記経路切換クラッチ2を切換操作するように
したため、この切換操作に応じてエンジン回転数が急激
に変化するという事態の発生を確実に防止することがで
きる。
【0046】なお、トルクコンバータ5の入力トルクT
iが基準値よりも大きい場合において上記経路切換クラ
ッチ2の切換操作する際に、エンジンの点火時期を調節
し、あるいはスロットル弁の開度を電気的に調節するト
ルク調節手段を設け、このトルク調節手段によってエン
ジン1の出力トルクを調節することにより、エンジン1
からトルクコンバータ5に入力される入力トルクTi
と、このトルクコンバータ5から減速装置7に出力され
る出力トルクToとを強制的に一致させるように構成し
てもよい。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明は、トルクコンバー
タおよび減速装置を含む第1動力伝達経路と、無段変速
機を含む第2動力伝達経路と、運転状態に応じて両経路
を切換える摩擦要素とを有する動力伝達装置において、
トルクコンバータの入力トルクがその出力トルクと略等
しくなった時点で、上記摩擦要素を作動させてエンジン
出力の動力伝達経路を切り換えるように構成したため、
上記摩擦要素の切換速度を低下させることなく、適正な
タイミングで動力伝達経路を切換操作することができ
る。したがって、上記動力伝達経路の切換操作時に切換
ショックが生じるのを効果的に防止でき、しかも摩擦要
素の摩耗を防止することができるとともに、応答性をも
満足することができる。
【0048】そして、トルクコンバータの入力トルクが
上記基準値よりも大きいことが確認された場合には、経
路切換前に上記クラッチの入力側回転数と、上記入力ト
ルクとトルクコンバータの出力トルクとが互いに略等し
くなったことが確認された時点で、上記摩擦要素を切換
操作するように構成したため、摩擦要素の作動速度を加
倉セル等の構成を採用することなく、トロイダル作動状
態の移行をスムーズに行うことができる。また、トルク
コンバータの入力トルクが小さく上記摩擦要素の切換操
作時に変速ショックが生じる可能性が小さい場合等に
は、この摩擦要素の入力側回転数と、出力側回転数とが
互いに略等しくなったことが確認された時点で、上記摩
擦要素を作動させてエンジン出力の動力伝達経路を切換
操作するように構成したため、この切換操作時にエンジ
ン回転数が急激に変化することを効果的に防止し、これ
によってエンジン回転数が急変し、あるいはエンジン音
が変化する等により、違和感が発生するのを防止できる
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動力伝達装置の実施例を示す全体
構成図である。
【図2】上記動力伝達装置の動力伝達経路を概念的に示
すブロック図である。
【図3】上記動力伝達装置の油圧制御回路を示すブロッ
ク図である。
【図4】制御系統の機能ブロック図である。
【図5】各動力伝達経路による変速比変動範囲等を示す
説明図である。
【図6】上記動力伝達装置の制御動作を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 経路切換クラッチ(摩擦要素) 3 第1動力伝達経路 4 第2動力伝達経路 5 トルクコンバータ 7 減速装置 8 無段変速機 61 コントロールユニット 64 経路切換制御手段 65 回転数調整手段 66 トルク判定手段(作動制御手段) 67 回転数判定手段(作動制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 47/06 F16H 37/02 F16H 59/00 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルクコンバータおよび減速装置を介し
    てエンジン出力を車輪側へ伝達する第1動力伝達経路
    と、無段変速機を介してエンジン出力を車輪側へ伝達す
    る第2動力伝達経路と、エンジン出力の伝達経路を切り
    換える伝達経路切換用の摩擦要素とを有し、運転状態に
    応じて上記摩擦要素を作動させてエンジン出力の伝達経
    路を切り換えるようにした車両の動力伝達装置におい
    て、上記第1動力伝達経路から第2動力伝達経路への切
    換操作時に、トルクコンバータの入力トルクおよび出力
    トルクが互いに略等しくなった時点で、上記摩擦要素を
    作動させる作動制御手段を備え、この作動制御手段は、
    トルクコンバータの入力トルクおよび出力トルクが互い
    に略等しくなった時点で上記摩擦要素を作動させる第1
    タイミングと、上記摩擦要素の入力側回転数および出力
    側回転数が互いに略等しくなった時点で摩擦要素を作動
    させる第2タイミングとを有し、エンジンからトルクコ
    ンバータに入力される入力トルクを検出する検出信号に
    応じ、この入力トルクが予め設定された基準値よりも大
    きいことが確認された場合に、上記トルクコンバータの
    入力トルクおよび出力トルクが互いに略等しくなった時
    点で上記摩擦要素を作動させる第1タイミングを選択
    し、上記入力トルクが上記基準値よりも小さいことが確
    認された場合に、上記摩擦要素の入力側回転数および出
    力側回転数が互いに略等しくなった時点で摩擦要素を作
    動させる第2タイミングを選択するように構成された
    とを特徴とする車両の動力伝達装置。
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