JP3157266B2 - 車両の動力伝達装置 - Google Patents

車両の動力伝達装置

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JP3157266B2
JP3157266B2 JP9293692A JP9293692A JP3157266B2 JP 3157266 B2 JP3157266 B2 JP 3157266B2 JP 9293692 A JP9293692 A JP 9293692A JP 9293692 A JP9293692 A JP 9293692A JP 3157266 B2 JP3157266 B2 JP 3157266B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トルクコンバータおよ
び減速装置を含む第1動力伝達経路と無段変速機を含む
第2動力伝達経路とを有し、運転状態に応じて動力伝達
切換用の摩擦要素を切換操作することにより、エンジン
出力の動力伝達経路を切り換えるようにした車両の動力
伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジン出力を伝達する動力伝達
装置として、特開平2−240444号公報に見られる
ように、減速装置(1段以上の有段変速機構)を含む第
1動力伝達経路と、無段変速機を含む第2動力伝達経路
と、伝達経路切換用のクラッチ(ロックアップクラッ
チ)とを有し、運転状態に応じてクラッチの締結、解放
を行うことにより、エンジン出力の伝達経路を第1動力
伝達経路と第2動力伝達経路との間で切換操作するよう
にしたものが知られている。
【0003】上記動力伝達装置は、通常、発進時および
加速時等の低速側の運転領域にある場合に、第1動力伝
達経路を介してエンジン出力を伝達するように制御する
ことにより、上記減速装置等のトルク増大作用によって
良好な加速性が得られるように構成されている。また、
それ程、強力なトルクを必要としない高速側の運転領域
では、第2動力伝達経路によってエンジン出力を伝達す
るように制御することにより、変速ショックを生じさせ
ることなく運転状態に応じた変速比が得られるようにな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の動力伝達装
置では、クラッチの作動による動力伝達経路の切換が急
速に行われるとかなりのショックが生じる。この動力伝
達経路の切換時のショックを軽減するためには、クラッ
チの作動速度を遅くすることが望ましいが、このように
構成すると、クラッチの入力側と出力側との回転数差が
大きい場合に摩耗が生じ易くなり、また上記クラッチか
らなる摩擦要素に対する入力トルクが大きい加速時等に
応答性が低下するなどの問題が生じる。
【0005】なお、上記動力伝達経路の切換時における
変速比の急変を抑制するため、第2動力伝達経路の無段
変速機の最大変速比を第1動力伝達経路の最小変速比よ
りも大きくすることにより、両伝達経路の変速比変動範
囲がオーバラップする領域を設けておくことが考えられ
るが、これだけでは上記ショック等の問題を十分に解消
することができない。
【0006】本発明は、上記問題を解決するもので、動
力伝達経路の切換操作を適切に実行して切換ショックを
低減しつつ摩擦要素の摩耗を防止し、かつ加速応答性を
満足することができる車両の動力伝達装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
トルクコンバータおよび減速装置を介してエンジン出力
を車輪側へ伝達する第1動力伝達経路と、無段変速機を
介してエンジン出力を車輪側へ伝達する第2動力伝達経
路と、両伝達経路を切り換える伝達経路切換用の摩擦要
素とを有し、運転状態に応じて上記摩擦要素を作動させ
てエンジン出力の伝達経路を切り換えるようにした車両
の動力伝達装置において、上記第1動力伝達経路の出力
トルクと、第2動力伝達経路の出力トルクとが略一致す
る時点で摩擦要素を作動させる作動制御手段を備え、こ
の作動制御手段が、第1,第2動力伝達経路の出力トル
クの一方をその他方に一致させるように調節するトルク
調節手段によって構成されたものである。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1記載の動
力伝達装置において、トルク調節手段が、第2動力伝達
経路を構成する無段変速機の変速比を調節することによ
って第2動力伝達経路の出力トルクを第1動力伝達経路
の出力トルクに一致させるように構成されたものであ
る。
【0009】請求項3に係る発明は、請求項1記載の動
力伝達装置において、トルク調節手段が、エンジン出力
を調節することによって第1動力伝達経路の出力トルク
と、第2動力伝達経路の出力トルクとを一致させるよう
に構成されたものである。
【0010】
【作用】上記請求項1記載の発明によれば、第1動力伝
達経路から出力軸に付与される出力トルクと、第2動力
伝達径から出力軸に付与される出力トルクとが等しくな
った状態で、伝達経路切換用の摩擦要素によってエンジ
ン出力の伝達経路が切り換えられるとともに、この伝達
経路を切り換える際に、第1,第2動力伝達経路の出力
トルクの一方が、その他方に一致するように出力トルク
が強制的に調節されることにより、上記切換操作時に上
記出力軸に付与される出力トルクが変動することに起因
する切換ショックの発生が防止される上記切換ショック
を生じさせることなく、迅速かつスムーズにエンジン出
力の伝達経路が切り換えられることになる。
【0011】上記請求項2記載の発明によれば、エンジ
ン出力の伝達経路を切り換える際に、第2動力伝達経路
を構成する無段変速機の変速比が調節されることによ
り、第1,第2動力伝達経路の出力トルクの一方が、そ
の他方に一致するように制御されることになる。
【0012】上記請求項3記載の発明によれば、エンジ
ン出力の伝達経路を切り換える際に、第1動力伝達経路
もしくは第2動力伝達経路に入力されるエンジン出力が
調節されることにより、両経路の出力トルクの一方が、
その他方に一致するように制御されることになる。
【0013】
【実施例】図1および図2は、本発明に係る車両の動力
伝達装置の実施例を示している。この動力伝達装置は、
エンジン1の出力側に接続される経路切換クラッチ(伝
達経路切換用の摩擦要素)2によって切り換えられる第
1および第2動力伝達経路3,4を有している。第1動
力伝達経路3は、エンジン出力を、減速装置7を介して
車輪側へ伝達するもので、当実施例ではトルクコンバー
タ5を経由し、前後進切換装置6および減速装置7を経
て車輪側へ動力を伝達するように構成されている。また
第2動力伝達経路4は、エンジン出力を、無段変速機8
を介して車輪側へ伝達するものである。
【0014】上記トルクコンバータ5は、その入力軸5
aに連なるポンプカバー11と、このポンプカバー11
に一体に形成されたポンプインペラ12と、これに対向
するように設置されたタービンライナ13と、その間で
ワンウェイクラッチ16を介して中空固定シャフト15
に取付けられたステータ14とを備えている。そして、
上記入力軸5aがエンジン1の出力軸に結合されるとと
もに、トルクコンバータ5の出力軸となるタービンシャ
フト17が上記タービンライナ13に結合されている。
また、上記ポンプカバー11内の空間には、作動流体と
してのオイルが充満されている。なお、ポンプインペラ
12には中空回転シャフト18が連結され、このシャフ
ト18の後端にオイルポンプ50が取付けられている。
【0015】上記減速装置7は、タービンシャフト17
と同軸上に直列に配置された後進用および前進用の2つ
の遊星歯車機構20,21を有し、両遊星歯車機構2
0,21に共用されるサンギヤ22が上記タービンシャ
フト17に結合されている。上記後進用遊星歯車機構2
0は、シングルピニオン式であリ、上記サンギヤ22の
回転が、キャリヤ23に支持されたピニオン24を介し
てリングギヤ25に伝えられるようになっている。ま
た、上記キャリヤ23は、上記中空固定シャフト15に
結合されてケーシング10に固定され、上記リングギヤ
25は、リバースクラッチ6aを介して出力軸30に連
結されている。
【0016】一方、前進用遊星歯車機構21はダブルピ
ニオン式であリ、上記サンギヤ22の回転が、上記キャ
リヤ23に支持されたインナピニオン26およびアウタ
ピニオン27を介してリングギヤ28に伝えられるよう
になっている。このリングギヤ28は、フォワードクラ
ッチ6bおよびワンウェイクラッチ29を介して出力軸
30に連結されている。
【0017】上記リバースクラッチ6aとフォワードク
ラッチ6bとによって前後進切換装置6が構成されてい
る。そして、上記リバースクラッチ6aが締結されたと
きには、タービンシャフト17からの入力が後進用遊星
歯車機構20を介して上記出力軸30に伝達され、フォ
ワードクラッチ6bが締結されたときには、タービンシ
ャフト17からの入力が前進用遊星歯車機構21を介し
て上記出力軸30に伝達されるようになっている。
【0018】一方、第2動力伝達経路4の無段変速機8
は、2つのトロイダル型変速機31,32によって構成
され、この両トロイダル型変速機31,32が、上記減
速装置7に隣接する位置で上記出力軸30と同軸に、直
列に配置されている。上記トロイダル型変速機31,3
2は、それぞれ軸方向に離間して配置された一対のディ
スク33,34と、これらディスク33,34の間に配
設されてディスク33,34と摺接するローラ35とを
備えている。
【0019】上記両ディスク33,34のうちの一方
(出力ディスク33)は上記出力軸30に固定され、他
方(入力ディスク34)は上記出力軸30に対して相対
回転可能で、かつ軸方向に移動可能に支持されている。
上記ローラ35は、後述する油圧機構により傾転角θが
変更され、これに応じてトロイダル型変速機31,32
の変速比が変更されるように構成されている。すなわ
ち、入力ディスク34の回転が上記ローラ35を介して
出力ディスク33に伝達される際の変速比は、ローラ3
5が入力ディスク34に摺接する個所の半径Riと出力
ディスク33に摺接する個所の半径Roとの比に対応し
て設定されるため、ローラ35が傾転して上記摺接個所
が変位すると、これに応じて上記トロイダル型変速機3
1,32の変速比が変更されるようになっている。
【0020】上記無段変速機8を構成する両トロイダル
型変速機31,32は、入力ディスク34が内側、出力
ディスク33が外側に配置され、両入力ディスク34の
間には中間ディスク36が配設されている。また、中間
ディスク36と両入力ディスク34との間には、入力ト
ルクに応じた押付力を入力ディスク34に作用させるカ
ム37が介装されている。
【0021】また、上記無段変速機8には、タービンシ
ャフト17および出力軸30と並列に配置されたバイパ
スシャフト40を介して入力が伝達される。すなわち、
このバイパスシャフト40の前端に第1ギヤ41が設け
られ、この第1ギヤ41はアイドルギヤ42を介して第
2ギヤ43に連係され、この第2ギヤ43は、トルクコ
ンバータ入力側(ポンプインペラ12)に直結されてい
る中空回転シャフト18に、経路切換クラッチ2を介し
て連結されている。また、バイパスシャフト40の後端
には第3ギヤ44が設けられ、この第3ギヤ44が上記
中間ディスク36に設けられた第4ギヤ45に噛合して
いる。
【0022】したがって、上記経路切換クラッチ2が締
結状態のときは、上記中空回転シャフト18とバイパス
シャフト40との間の動力伝達が遮断され、エンジン出
力は第1動力伝達経路3のトルクコンバータ5、前後進
切換装置6および減速装置7を経て出力軸30に伝達さ
れる。一方、上記経路切換クラッチ2が締結状態のとき
は、エンジン出力が、トルクコンバータ5をバイパスし
て中空回転シャフト18からギヤ43,42,41、バ
イパスシャフト40およびギヤ44,45より無段変速
機8を経て出力軸30に伝達され、この場合には、前記
ワンウェイクラッチ29がフリーとなることにより第1
動力伝達経路3は実質的に働かない。
【0023】上記経路切換クラッチ2および前後進切換
装置6の各クラッチ6a,6bは、車両の運転状態に応
じて下記の表1に示すように切換えられる。
【0024】
【表1】 図3は、上記各クラッチ2,6a,6bの切換操作およ
び無段変速機8の変速比制御を行う油圧制御回路を示し
ている。この図において、51はレギュレータバルブで
あり、レデューシングバルブ52より制御圧供給ライン
を介して与えられる制御圧に応じ、オイルポンプ50か
ら吐出される作動油の油圧(ライン圧)を調整するよう
になっている。上記レギュレータバルブ51に対する制
御圧供給ラインには、第1デューティソレノイドバルブ
53が接続され、そのデューティ制御によって上記ライ
ン圧が制御され、このライン圧は、トロイダル型変速機
31,32に対するレシオコントロールバルブ54と、
マニュアルバルブ55とに送られる。
【0025】上記レシオコントロールバルブ54から導
出された油圧ラインは、上記トロイダル型変速機31,
32に設けられた一対のローラ傾転用アクチュエータ5
6に接続されており、このアクチュエータ56は油圧に
応じたピストン56aの作動により、上記トロイダル型
変速機31,32のローラ35を傾転させるようになっ
ている。上記レシオコントロールバルブ54に対するパ
イロットラインには、第2デューティソレノイドバルブ
57が設けられ、そのデューティ制御により、上記ロー
ラ傾転用アクチュエータ56に供給される油圧が制御さ
れ、それに応じてローラ35が傾転されることで変速比
が制御されるようになっている。
【0026】また、上記マニュアルバルブ55には、フ
ォワードクラッチ6bに至る出力ラインと、リバースク
ラッチ6aに至る出力ラインと、コントロールバルブ5
8を介して経路切換クラッチ2に至る出力ラインとが接
続されている。そしてマニュアルバルブ55は、後進走
行レンジ(Rレンジ)ではリバースクラッチ6aに油圧
を供給する状態となり、前進走行レンジ(Dレンジ)で
はフォワードクラッチ6aとコントロールバルブ58の
入力側とに油圧を供給する状態となるように、手動操作
に応じて作動する。
【0027】上記コントロールバルブ58に対するパイ
ロットラインには、第3デューティソレノイドバルブ5
9が接続され、このデューティソレノイドバルブ59の
作動に応じ、コントロールバルブ58によって経路切換
クラッチ2に対する油圧の給排および調整が行われるよ
うになっている。
【0028】上記各デューティソレノイドバルブ53,
57,59は、ECU(コントロールユニット)61か
ら出力されるデューティ制御信号により制御される。こ
のECU61には、エンジン回転数の検出信号71、車
速の検出信号72、スロットル開度の検出信号73、ト
ルクコンバータ5の入出力トルクの検出信号74等がそ
れぞれのセンサから入力される。
【0029】上記ECU61は、図4に示すように、エ
ンジントルク等に応じて第1デューティソレノイドバル
ブ53を制御するライン圧制御手段62と、後記のトロ
イダル作動状態において無段変速機8の変速比を、運転
状態に応じて設定した目標変速比とするように第2デュ
ーティソレノイドバルブ57を制御する変速比制御手段
63と、経路切換制御手段64とを有している。
【0030】上記経路切換制御手段64は、前進走行時
に車速等の運転状態に応じ、例えば低車速領域等の特定
運転領域では、第1動力伝達経路3による動力伝達状態
(トルコン作動状態)とし、それ以外の運転領域では、
第2動力伝達経路4による動力伝達状態(トロイダル作
動状態)とするように、経路切換クラッチ2の切換の基
本的制御を行う。前記第1動力伝達経路3を用いるべき
運転領域(トルコン領域)および前記第2動力伝達経路
4を用いるべき運転領域(トロイダル領域)は、予めマ
ップにより設定されている。
【0031】さらにECU61には、経路切換クラッチ
2の切換操作時の制御に関係する手段としてトルク調節
手段65と、上記トルコン作動状態からトロイダル作動
状態への移行時にトルクコンバータ5の入力トルクおよ
び出力トルクを検出するトルク検出手段66と、上記ト
ルコン作動状態からトロイダル作動状態への移行時にト
ルクコンバータ5に発生する入力トルクおよび出力トル
クを算出するトルク算出手段67とが設けられている。
【0032】上記トルク調節手段65は、経路切換クラ
ッチ2の解放状態から締結状態への切換操作時に、第1
動力伝達経路3から出力軸30に伝達される出力トルク
と、第2動力伝達経路4から出力軸30に伝達される出
力トルクとを一致させるように調節し、具体的には、両
動力伝達経路3,4の変速比変動範囲がオーバーラップ
する範囲において、第2デューティソレノイドバルブ5
7のデューティ制御で無段変速機8の変速比を調整する
ことにより、上記経路切換クラッチ2の作動時に出力ト
ルクの調節を行うようになっている。すなわち、上記第
1動力伝達経路3の出力トルクと、第2動力伝達経路4
の出力トルクとが略一致した時点で上記経路切換クラッ
チ2を作動させる作動制御手段が、上記トルク調節手段
65によって構成されている。
【0033】上記第2動力伝達経路4による変速比変動
範囲Aは、図5に示すように、変速比(エンジン1から
出力軸30に伝達される回転数の減速比)が比較的小さ
い側に設定され、第1動力伝達経路3による変速比変動
範囲Bは、変速比が比較的大きい側に設定されている。
また、上記第2動力伝達経路4の最大変速比Iaが、第
1動力伝達経路3の最小変速比(減速装置7の変速比)
Ibよりも大きく設定されることにより、第1動力伝達
経路3および第2動力伝達経路4の変速比変動範囲が、
斜線で示す範囲aにおいて一部オーバーラップするよう
になっている。
【0034】そして、上記トルコン作動状態からトロイ
ダル作動状態への切換は、通常、上記第1動力伝達経路
3の最小変速比Ibに近いところで行われるため、上記
オーバーラップ範囲aで無段変速機8の変速比を調整す
れば、経路切換クラッチ2の締結前にトルクコンバータ
5および減速装置6等を介して出力軸30に伝達されて
いた出力トルクと、経路切換クラッチ2の締結後に上記
無段変速機8を介して出力軸30に伝達される出力トル
クとを一致させることができる。
【0035】また、上記トルク検出手段66は、第1動
力伝達経路3によって動力を伝達していたトルコン作動
状態から、第2動力伝達経路4によって動力を伝達する
トロイダル作動状態に移行する直前に出力された上記検
出信号74に応じ、トルクコンバータ5の入力軸5aに
入力された入力トルクと、タービンシャフト17から出
力される出力トルクを求めるように構成されている。一
方、上記トルク算出手段67は、後述するように上記ト
ロイダル作動状態からトルコン作動状態に移行した直後
に、トルクコンバータ5に発生すべき入出力トルクをエ
ンジン回転数の検出信号71、車速の検出信号72およ
びスロットル開度の検出信号73等に基づいて算出する
ようになっている。
【0036】上記ECU61における制御動作を、図6
のフローチャートに基づいて説明する。このフローチャ
ートがスタートすると、ECU61は先ずエンジン回転
数、車速およびスロットル開度等の各検出信号を読み込
む(ステップS1)。次に、現在トロイダル作動状態か
否か、つまり経路切換クラッチ25が締結状態か否かを
判定する(ステップS2)。
【0037】ステップS2の判定がNOの場合、つまり
動力伝達装置がトルコン作動状態にある場合には、車両
の運転状態が図5に示すマップのトルコン領域Bからト
ロイダル領域Aに移行したか否かを判定する(ステップ
S3)。この判定がNOのときは、そのままリターンし
てトルコン作動状態を維持する。
【0038】ステップS3の判定がYESとなったとき
は、上記トルク検出手段66において求めたトルクコン
バータ5の出力トルクおよび入力トルクの比と、減速装
置7の変速比とに基づき、トロイダル型変速機31,3
2の変速比の制御目標値iを算出した後(ステップS
4)、この制御目標値iに対応した制御信号を上記第2
デューティソレノイドバルブ57に出力し(ステップS
5)、これをデューティ制御することにより、経路切換
クラッチ2の解放前に上記第2動力伝達経路4から出力
軸30に付与されている出力トルクと、経路切換クラッ
チ2の解放後に上記第1動力伝達経路3から出力軸30
に付与される出力トルクとを一致させるようにトロイダ
ル型変速機31,32の変速比を変化させる。
【0039】すなわち、上記第2動力伝達経路4の出力
トルクは、トルクコンバータ5の変速比および減速装置
7の変速比によって定まり、また第1動力伝達経路3の
出力トルクは、トロイダル型変速機31,32の変速比
によって定まるため、上記検出信号74に基づいて求め
たトルクコンバータ5の入出力トルク比と、予め分かっ
ている減速装置7の変速比とに応じて第2動力伝達経路
4の変速比を算出し、この値に対応させてトロイダル型
変速機31,32の変速比を変化させることにより、上
記両経路3,4の出力トルクを一致させる。
【0040】上記ステップS2の判定がYESの場合、
つまり動力伝達装置がトロイダル作動状態にあることが
確認された場合には、車両の運転状態が上記マップのト
ロイダル領域Aからトルコン領域Bに移行したか否かを
判定する(ステップS6)。この判定がNOのときは、
通常のマップから上記トロイダル型変速機31,32の
変速比を読出すトロイダル作動状態をそのまま維持する
(ステップS7)。
【0041】そして上記ステップS6の判定がYESと
なった時点で、下記のトルクバランス理論式に基づいて
経路切換クラッチ2の締結後に、上記第2動力伝達経路
4のトルクコンバータ5に作用する入力トルクと出力ト
ルクとの比の予測値τを求める(ステップS8)。この
予測値τと減速装置7の変速比とに基づいてトロイダル
型変速機31,32の変速比の制御目標値iを算出した
後(ステップS9)、ステップS5に移行してトロイダ
ル型変速機31,32の変速比を変化させることによ
り、経路切換クラッチ2の締結前に上記第2動力伝達経
路4から出力軸30に付与されている出力トルクと、経
路切換クラッチ2の締結後に上記第1動力伝達経路3か
ら出力軸30に付与される出力トルクとを一致させる。
【0042】
【数1】 Te−Plos−C・D5(Esp/1032=0 上記Teはエンジントルク、Plosはオイルポンプの
損失、Cはトルクコンバータ5の容積係数、Espはエ
ンジン回転数、Dはトルクコンバータ5の直径である。
そして上記エンジントルクTeは、エンジン回転数Es
pと、スロットル開度Tvoとの関数として求められ
る。また、上記オイルポンプの損失力Plosは、エン
ジン回転数Espと、作動油のライン圧Lpとの関数と
して求められ、このライン圧Lpは、上記スロットル開
度Tvoの関数として求められる。さらに上記容積係数
Cは、エンジン回転数Espと、タービン回転数Tsp
との関数として求められる。
【0043】上記直径Dは既知の値であり、タービン回
転数Tspおよびスロットル開度Tvoの値は車速の検
出信号72およびスロットル開度信号73に応じて算出
することができるため、これらの値に基づいてエンジン
回転数Esp以外の各値をそれぞれ計算し、その値を上
記式(1)に代入して演算することにより、上記未知
数、つまり経路切換クラッチ2の締結直後におけるエン
ジン回転数Espの予想値を求めることができる。
【0044】そして、上記タービン回転数Tspとエン
ジン回転数Espとの比からなる速度比eを算出し、こ
の速度比eと、図7に示すトルクコンバータ5の性能マ
ップとに基づいて経路切換クラッチ2の締結後に上記第
2動力伝達経路4のトルクコンバータ5に作用する入力
トルクと出力トルクとの比の予測値τを読出し、この予
想値τに上記トロイダル型変速機31,32の変速比を
一致させるように制御することにより、上記両経路3,
4の出力トルクを一致させることができる。
【0045】上記構成の動力伝達装置によると、予め設
定された運転領域のマップに基づき、低車速域等の特定
運転領域では、経路切換クラッチ2の解放によってトル
コン作動状態とされることにより、比較的大きな変速比
およびトルクコンバータ5によるトルク増倍作用が得ら
れ、その他の運転領域では、経路切換クラッチ2の締結
によってトロイダル作動状態とされることにより、トル
クコンバータ5による動力の伝達ロスが避けられるとと
もに、無段変速機8により変速比が比較的小さい側で調
整されて燃費等に有利となる。
【0046】そして経路切換クラッチ2の解放から締結
への切換(トルコン作動状態からトロイダル作動状態へ
の切換)が行われる場合には、経路切換前に上記第1動
力伝達経路3から出力軸30に付与されていた出力トル
クと、経路切換後に上記第2動力伝達経路4から出力軸
30に付与される出力トルクとが一致するように、この
第2動力伝達経路4のトロイダル型変速機31,32の
変速比を予め設定した上で、経路切換クラッチ2の切換
操作が行われるため、経路切換クラッチ2の作動速度を
遅らせる等の構成を採用することなく、経路切換クラッ
チ2の締結によるトロイダル作動状態への移行がスムー
ズに行われる。
【0047】また、経路切換クラッチ2の締結から解放
への切換(トロイダル作動状態からトルコン作動状態へ
の切換)が行われる場合には、経路切換前に上記第2動
力伝達経路4から出力軸30に付与される出力トルク
と、経路切換後に上記第1動力伝達経路3から出力軸3
0に付与される出力トルクとが一致するように、上記第
2動力伝達経路4のトロイダル型変速機31,32の変
速比を調節した上で、経路切換クラッチ2の切換操作が
行われるため、経路切換クラッチ2の作動速度を遅らせ
る等の構成を採用することなく、経路切換クラッチ2の
締結によるトロイダル作動状態への移行がスムーズに行
われる。
【0048】なお、上記実施例では、第2動力伝達経路
4のトロイダル型変速機31,32の変速比を調節する
ことにより、第1,第2動力伝達経路3,4の出力トル
クを一致させるトルク調節手段65を設けた例について
説明したが、上記構成に代えてエンジン1の点火時期を
調節し、あるいはスロットル弁の開度を電気的に調節す
るトルク調節手段を設け、このトルク調節手段によって
エンジン1の出力トルクを調節することにより、上記経
路切換クラッチ2の切換操作時に両経路3,4の出力ト
ルクを一致させるように構成してもよい。
【0049】すなわち、図8に示すフローチャートにお
いて、まず車速等の各検出信号を読み込んだ後(ステッ
プS11)、現在がトロイダル作動状態か否かを判定す
る(ステップS12)。そして、現在がトロイダル作動
状態にあれば、車両がトルコン作動状態からトロイダル
作動状態に移行すべき運転状態にあるか否かを判定し
(ステップS13)、移行すべき状態にあることが確認
された場合に、エンジン1の点火時期を制御する等によ
り、エンジン1の出力トルクを増大させる(ステップS
14)。この結果、図5の斜線で示すオーバーラップ範
囲aの変速領域にある第1動力伝達経路3の動力伝達状
態から、最大変速比Iaに設定された第2動力伝達経路
4の動力伝達状態に移行させる際に、上記第1動力伝達
経路3の出力トルクを第2動力伝達経路4の出力トルク
に一致するように制御されることになる。
【0050】次いで、経路切換クラッチ2を切換操作す
る制御信号を出力した後(ステップS15)、スロット
ル開度の変化状態に応じて車両が減速状態に移行したか
否かを判定し(ステップS16)、減速状態あることが
確認された時点で、上記エンジン1の出力トルク増大制
御を停止して通常モードに復帰させる(ステップS1
7)。これによって車両の減速時以外の場合に、上記通
常モードに復帰されてエンジン1の出力トルクが低下す
ることによる違和感の発生が防止される。
【0051】また、上記ステップS12でYESと判定
された場合には、車両がトロイダル作動状態からトルコ
ン作動状態に移行すべき運転状態にあるか否かを判定し
(ステップS18)、移行すべき状態にあることが確認
された場合には、エンジン1の出力トルクを減少させる
ことにより(ステップS19)、図5の斜線で示すオー
バーラップ範囲aの変速領域にある第2動力伝達経路4
の動力伝達状態から、最小変速比Ibに設定された第1
動力伝達経路3の動力伝達状態に移行させる際に、上記
第2動力伝達経路4の出力トルクを第1動力伝達経路3
の出力トルクに一致させるように制御する。
【0052】そして、経路切換クラッチ2を切換操作す
る制御信号を出力した後(ステップS20)、スロット
ル開度の変化状態に応じて車両が加速状態に移行したか
否かを判定し(ステップS21)、加速状態あることが
確認された時点で、上記ステップS17に移行し、エン
ジン1の出力トルク減少制御を停止して通常モードに復
帰させる。これによって車両の加速時以外の場合に、エ
ンジン1の出力トルクが増大することによる違和感の発
生が防止されることになる。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明は、減速装置を含む
第1動力伝達経路と、無段変速機を含む第2動力伝達経
路と、運転状態に応じて両経路を切換える摩擦要素とを
有する動力伝達装置において、上記摩擦要素の切換操作
時に第1動力伝達経路の出力トルクと第2動力伝達経路
の出力トルクとを一致させるようにトルクを調節するよ
うに構成したため、上記摩擦要素の切換速度を低下させ
ることなく、適正なタイミングで動力伝達経路を切換操
作することができる。したがって、上記動力伝達経路の
切換操作時に切換ショックが生じるのを効果的に防止で
き、しかも摩擦要素の摩耗を防止することができるとと
もに、応答性をも満足することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動力伝達装置の実施例を示す全体
構成図である。
【図2】上記動力伝達装置の動力伝達経路を概念的に示
すブロック図である。
【図3】上記動力伝達装置の油圧制御回路を示すブロッ
ク図である。
【図4】制御系統の機能ブロック図である。
【図5】各動力伝達経路による変速比変動範囲等を示す
説明図である。
【図6】上記動力伝達装置の制御動作を示すフローチャ
ートである。
【図7】トルクコンバータの性能特性図である。
【図8】上記制御動作の別の実施例を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 経路切換クラッチ(摩擦要素) 3 第1動力伝達経路 4 第2動力伝達経路 5 トルクコンバータ 7 減速装置 8 無段変速機 61 コントロールユニット 64 経路切換制御手段 65 トルク調節手段(作動制御手段) 66 トルク検出手段 67 トルク算出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−56661(JP,A) 特開 昭63−163062(JP,A) 特開 昭63−303260(JP,A) 特開 昭62−278366(JP,A) 特開 平2−241844(JP,A) 特開 昭63−13954(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 47/06 F16H 37/02 F16H 59/00 - 63/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルクコンバータおよび減速装置を介し
    てエンジン出力を車輪側へ伝達する第1動力伝達経路
    と、無段変速機を介してエンジン出力を車輪側へ伝達す
    る第2動力伝達経路と、両伝達経路を切り換える伝達経
    路切換用の摩擦要素とを有し、運転状態に応じて上記摩
    擦要素を作動させてエンジン出力の伝達経路を切り換え
    るようにした車両の動力伝達装置において、上記第1動
    力伝達経路の出力トルクと、第2動力伝達経路の出力ト
    ルクとが略一致する時点で摩擦要素を作動させる作動制
    御手段を備え、この作動制御手段が、第1,第2動力伝
    達経路の出力トルクの一方をその他方に一致させるよう
    に調節するトルク調節手段によって構成されたことを特
    徴とする動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 トルク調節手段が、第2動力伝達経路を
    構成する無段変速機の変速比を調節することによって第
    2動力伝達経路の出力トルクを第1動力伝達経路の出力
    トルクに一致させるように構成されたことを特徴とする
    請求項記載の車両の動力伝達装置。
  3. 【請求項3】 トルク調節手段が、エンジン出力を調節
    することによって第1動力伝達経路の出力トルクと、第
    2動力伝達経路の出力トルクとを一致させるように構成
    されたことを特徴とする請求項記載の車両の動力伝達
    装置。
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