JPH116539A - 懸架装置 - Google Patents

懸架装置

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JPH116539A
JPH116539A JP9175298A JP17529897A JPH116539A JP H116539 A JPH116539 A JP H116539A JP 9175298 A JP9175298 A JP 9175298A JP 17529897 A JP17529897 A JP 17529897A JP H116539 A JPH116539 A JP H116539A
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JP
Japan
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damping force
vehicle
shock absorber
hydraulic shock
cylinder
Prior art date
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Application number
JP9175298A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Masamura
辰也 政村
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行中の車両における乗り心地のより一層の
改善を可能にする。 【解決手段】 車両の四輪各部に配在されて上端側が車
両の車体B側に連結され下端側が車両の車軸A側に連結
される油圧緩衝器1と、この油圧緩衝器1における減衰
力発生部(13a,14a)を迂回するバイパス路L中
に配在されてコントローラCからの信号の入力で制御さ
れるソレノイド2aによってこの油圧緩衝器1における
発生減衰力を高低調整する減衰力調整部2とを有してな
る懸架装置において、上記バイパス路Lから分岐されて
上記減衰力調整部2を迂回する分岐流路L1中に慣性力
で開放作動する慣性作動バルブ3を有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、懸架装置に関
し、特に、走行中の車両における乗り心地の改善を図る
ように設定された懸架装置の改良に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】近年の懸架装置は、単に車軸
に対して車体を支えるものとしてのみ提案されるのでは
なく、走行中の車両における姿勢制御や乗り心地の改善
を積極的に行わしめるものとして提案されることが多
い。
【0003】たとえば、車両の四輪各部に配在されて上
端側が車両の車体側に連結され下端側が車両の車軸側に
連結される油圧緩衝器における減衰作用で車両における
乗り心地の改善を図る懸架装置の提案がある。
【0004】そして、この場合の油圧緩衝器は、コント
ローラからの信号の入力で発生減衰力を高低調整する減
衰力調整部を有しており、コントローラには、車体の状
況を検出する各種のセンサ類、たとえば、ステアリング
センサ,車速センサ,ストップランプスイッチ,ばね上
Gセンサ、さらには、油圧緩衝器の伸縮方向を検出する
車高センサあるいは相対速度センサからの信号が入力さ
れるとしている。
【0005】一方、油圧緩衝器における減衰力調整部
は、たとえば、油圧緩衝器における減衰力発生部を迂回
するバイパス路中に配在されていて、この減衰力調整部
を構成するソレノイドへの制御で上記のバイパス路にお
ける作動油の流通の可不可あるいは作動油の流量の多少
を選択し得るように設定されている。
【0006】そして、上記のソレノイドへの制御たる電
流制御がコントローラからの信号で実行されるとしてい
る。
【0007】それゆえ、この従来例としての懸架装置に
よれば、走行中の車両における車体の状況がセンサ類で
検出されてコントローラに入力されると共に、このコン
トローラが油圧緩衝器における減衰力調整部に所定の信
号を出力することで、この油圧緩衝器に車両が走行する
路面の状況に応じた減衰作用を実現させることが可能に
なり、車両における乗り心地の改善を図り得ることにな
る。
【0008】しかしながら、この従来例とされる懸架装
置では、油圧緩衝器における減衰力調整部がソレノイド
を有する構成とされるから、このソレノイドを構成する
コイルのインダクタンスなどの影響でこのソレノイドに
いわゆる作動遅れが招来されることになり、結果的に、
乗り心地の改善に逆行することになる危惧がある。
【0009】すなわち、油圧緩衝器が発生する減衰力を
高くするようにソレノイドを介して減衰力調整部を制御
しているときに、たとえば、車両が路面突起を乗り上げ
たり路面窪みに落ち込んだりする場合には、油圧緩衝器
が発生する減衰力を瞬時に低くする切換制御が要請され
る。
【0010】しかしながら、ソレノイドの応答性は、お
おむね20msec乃至30msecとなるから、バイ
パス路における作動油の流通の可不可あるいは作動油の
流量の多少を選択する切換制御にいわゆる作動遅れを引
き起こすことになり、その結果、上記のような瞬時の減
衰力の切り換えを実現できなくなる。
【0011】その結果、走行中の車両の路面突起の乗り
上げによる車体の急激な突き上げや路面窪みへの落ち込
みによる車体の急激な落下を回避できなくなり、却って
車両における乗り心地を悪化させることになる。
【0012】この発明は、上記した事情を鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、走行中の
車両における乗り心地のより一層の改善を可能にし得る
懸架装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の構成を、基本的には、車両の四輪各部に
配在されて上端側が車両の車体側に連結され下端側が車
両の車軸側に連結される油圧緩衝器と、この油圧緩衝器
における減衰力発生部を迂回するバイパス路中に配在さ
れてコントローラからの信号の入力で制御されるソレノ
イドによってこの油圧緩衝器における発生減衰力を高低
調整する減衰力調整部とを有してなる懸架装置におい
て、上記バイパス路から分岐されて上記減衰力調整部を
迂回する分岐流路中に慣性力で開放作動する慣性作動バ
ルブを有してなるとする。
【0014】そして、より具体的には、たとえば、油圧
緩衝器がシリンダの外周側に外筒を有してシリンダと外
筒との間をリザーバ室に設定する複筒型に形成されてな
ると共に、リザーバ室内にこのリザーバ室を内外周側に
区画するように配在されたパイプ材を有してなり、この
パイプ材とシリンダとの間をシリンダ内にピストンで区
画される上方油室とリザーバ室とを連通するバイパス路
に設定すると共に、パイプ材に開穿されてバイパス路を
リザーバ室に連通する分岐流路に設定される連通孔を慣
性作動バルブを構成する質量体が開閉可能に閉塞してな
るとする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、図示した実施の形態に基
いてこの発明を説明するが、図1に示すように、この発
明の一実施の形態による懸架装置は、油圧緩衝器1と減
衰力調整部2とを有してなり、さらには、コントローラ
Cを有してなる。
【0016】油圧緩衝器1は、車両の四輪各部に配在さ
れて上端側が車両の車体B側に連結されると共に下端側
が車輪Wを保持する車両の車軸A側に連結されてなり、
その伸縮作動時に所定の減衰力を発生するように設定さ
れている。
【0017】なお、図示する実施の形態では、車両の車
体B側と車軸A側との間に油圧緩衝器1を伸長方向に附
勢する懸架ばねSが並列配置されるとしているが、これ
に代えて、懸架ばねSが油圧緩衝器1に介装されている
としても同じである。
【0018】ところで、油圧緩衝器1は、図示する実施
の形態では、原理的に図示する図2に示すように、シリ
ンダ11の外周側に外筒12を有しシリンダ11と外筒
12との間をリザーバ室Rとする複筒型に設定されてい
る。
【0019】そして、この油圧緩衝器1は、シリンダ1
1内をピストン13で区画して上方油室R1と下方油室
R2を有すると共に、この上方油室R1と下方油室R2
とをピストン13に配在の伸側減衰バルブ13aおよび
チェック弁13bの介在下に連通可能にする一方で、下
方油室R2とリザーバ室とをベース部14に配在の圧側
減衰バルブ14aおよびチェック弁14bの介在下に連
通可能にしている。
【0020】なお、ピストン13にはピストンロッド1
5の下端が連設されていて、このピストンロッド15の
上端が車両における車体B側に連結されるとしている
(図1参照)。
【0021】それゆえ、この油圧緩衝器1にあっては、
後述するバイパス路Lの配在を無視する限りにおいて、
シリンダ11内をピストン13が上昇する伸側行程時
に、上方油室R1からの作動油が伸側減衰バルブ13a
を介して下方油室R2に流出することになり、このとき
に、所定の伸側減衰力が発生されると共に、下方油室R
2で不足する作動油がベース部14のチェック弁14b
を介してリザーバ室Rから補充される。
【0022】また、シリンダ11内をピストン13が下
降する圧側行程時には、下方油室R2からの作動油がチ
ェック弁13bを介して上方油室R1に流入すると共
に、下方油室R2で余剰となる作動油がベース部14の
圧側減衰バルブ14aを介してリザーバ室Rに流出する
ことになり、このときに、所定の圧側減衰力が発生され
る。
【0023】つぎに、減衰力調整部2は、基本的には、
図2に示すように、油圧緩衝器1における減衰力発生
部、すなわち、伸側減衰バルブ13aおよび圧側減衰バ
ルブ14aで構成される減衰力発生部を迂回して上方油
室R1をリザーバ室Rに連通させるバイパス路L中に配
在されている。
【0024】そして、この減衰力調整部2は、コントロ
ーラC(図1参照)からの信号の入力で電流制御される
ソレノイド、すなわち、好ましくは、比例ソレノイド2
aを有しており、この比例ソレノイド2aへの電流制御
で、バイパス路Lにおける作動油の流通の可不可あるい
は作動油の流量の多少を選択し得るように設定されてい
る。
【0025】ちなみに、図示する実施の形態では、コン
トローラCには、車体の状況を検出する各種のセンサ
類、すなわち、ステアリングセンサS1,車速センサS
2,ストップランプスイッチS3およびばね上Gセンサ
S4からの信号が入力されるように設定されている(図
1参照)が、この発明による懸架装置がこの種の従来の
懸架装置に多く看られる車体の上下動方向を検出する車
高センサあるいは相対速度センサの配在を省略するとし
ているので、このコントローラCにあっては、車高セン
サあるいは相対速度センサからの信号の入力およびその
処理を要しないように設定されている。
【0026】それゆえ、この車高センサあるいは相対速
度センサの信号の入力を不要にするコントローラCにあ
っては、この信号の入力を要するように設定されるコン
トローラに比較して、いわゆるシステムの簡素化が可能
になり、したがって、コントローラCの高コスト化を回
避させて、この発明による懸架装置全体のコストの低廉
化に寄与することになる。
【0027】以上のように設定されたこの減衰力調整部
2にあっては、後述する分岐流路L1の配在を無視する
限りにおいて、以下のようにして、油圧緩衝器1におけ
る発生減衰力を高低調整し得ることになる。
【0028】すなわち、減衰力調整部2が比例ソレノイ
ド2aへの電流制御でバイパス路Lにおける作動油の流
通の可不可を選択するように設定されている場合には、
たとえば、バイパス路Lにおける作動油の流通を全く阻
止するときには、油圧緩衝器1における減衰力の発生状
況が前記したところとなる。
【0029】その結果、このときの発生減衰力が伸側お
よび圧側共に高い減衰力に設定されて、減衰力調整部2
がバイパス路Lにおける作動油の流通をわずかでも許容
するときには、油圧緩衝器1における発生減衰力が伸側
および圧側共に高い減衰力から低い減衰力に調整される
ことになる。
【0030】すなわち、減衰力調整部2が比例ソレノイ
ド2aへの電流制御でバイパス路Lにおける作動油の流
量の多少を選択するようにも設定されている場合には、
たとえば、バイパス路Lにおける作動油の流通を無抵抗
に許容するときには、油圧緩衝器1における発生減衰力
が伸側および圧側共に最も低い減衰力に調整されること
になる。
【0031】そして、減衰力調整部2がバイパス路Lに
おける作動油の流通をある程度の抵抗下に許容するとき
には、油圧緩衝器1における発生減衰力が伸側および圧
側共に言わば高低の中間の減衰力に調整されることにな
る。
【0032】一方、上記バイパス路Lから分岐されて減
衰力調整部2を迂回しバイパス路Lに並列することにな
る分岐流路L1中には、慣性力で開放作動する慣性作動
バルブ3が配在されている。
【0033】この慣性作動バルブ3は、上記のように、
慣性力で開放作動することがその成立要件とされるが、
その慣性現象が走行中の車両の路面突起の乗り上げや路
面窪みへの落ち込みによる油圧緩衝器1の急速な上下動
に同期して現出されるように設定される。
【0034】そのためには、たとえば、原理的に図示す
る図2に示すように、所定の質量を有するいわゆる質量
体(図示せず)が上下端に隣設された一対のスプリング
3a,3bでバランスされた状態に維持されていて、上
記の原因による急速下での油圧緩衝器1の上下動が発現
されるときに、上記の質量体が同期して相対的に下降あ
るいは上昇し、分岐流路L1を開放するように形成され
る。
【0035】そして、このことを振動周波数の点から看
ると、油圧緩衝器1に3Hz乃至4Hz程度となるいわ
ゆる低周波数領域の振動が入力されているときには質量
体が慣性作動せず、油圧緩衝器1に4Hzを超えるいわ
ゆる中高周波数領域の振動が入力されるようになるとき
に質量体が慣性作動するように設定されることを意味す
ることになり、したがって、この限りでは、この慣性作
動バルブ3は、いわゆる周波数感応型の開閉バルブの態
様を呈するように設定されることになる。
【0036】それゆえ、この慣性作動バルブ3がバイパ
ス路Lから分岐されて減衰力調整部2を迂回する分岐流
路L1中に配在されることで、減衰力調整部2が比例ソ
レノイド2aへの電流制御でバイパス路Lにおける作動
油の流通を全く阻止して油圧緩衝器1における減衰力発
生部に高い減衰力を発生させているときに、この慣性作
動バルブ3の慣性作動で上記の減衰力発生部での発生減
衰力が低い減衰力に調整されることになる。
【0037】そして、慣性作動バルブ3における慣性作
動は、急速下での油圧緩衝器1の上下動時、すなわち、
これに同期する質量体の急速下での下降時あるいは上昇
時にしかも瞬時に実現されるから、それまでの高い減衰
力が瞬時に低い減衰力に調整されることになる。
【0038】以上のように形成されたこの実施の形態に
よる懸架装置にあっては、車両における車体状況に基づ
いて所定の信号を出力するコントローラCを介して減衰
力調整部2における比例ソレノイド2aを電流制御する
ことで、油圧緩衝器1における発生減衰力を高低自在に
調整することが可能になる。
【0039】そして、この実施の形態による懸架装置に
あっては、減衰力調整部2によって油圧緩衝器1におけ
る発生減衰力を高くするように制御しているときに、走
行中の車両が路面突起を乗り上げたり路面窪みに落ち込
むことで車体Bに急激な突き上げや落ち込みが発現され
る場合に、慣性作動バルブ3による分岐流路L1の開放
作動でそれまでの高い減衰力を低い減衰力に瞬時に調整
できることなり、車両における乗り心地を悪化させない
ようにすることが可能になる。
【0040】このとき、この実施の形態による懸架装置
では、それまでの高い減衰力を慣性作動バルブ3の開放
作動で瞬時に低い減衰力に調整することが可能になるか
ら、前記した従来の懸架装置におけるように比例ソレノ
イド2aの作動特性に起因するいわゆる作動遅れの危惧
がなく、上記の車両の走行状況に応じた確実な減衰力の
低減化が実現されることになる。
【0041】ところで、前記したように、この発明によ
る懸架装置は、原理的に図示する図2にも示すように、
油圧緩衝器1,減衰力調整部2および慣性作動バルブ3
を有するように構成されていれば足りるが、この油圧緩
衝器1,減衰力調整部2および慣性作動バルブ3を具体
化するとすれば、たとえば、図3に示すように形成され
るのが好ましい。
【0042】そこで、この実施の形態について少し説明
すると、まず、油圧緩衝器1は、シリンダ11の外周側
に外筒12を有してシリンダ11と外筒12との間をリ
ザーバ室Rに設定する複筒型に形成されている。
【0043】そして、この油圧緩衝器1は、リザーバ室
R内にこのリザーバ室Rを内外周側に区画するように配
在されたパイプ材16を有してなり、このパイプ材16
とシリンダ11との間をシリンダ11内にピストン13
で区画される上方油室R1とリザーバ室Rとを連通する
バイパス路Lに設定すると共に、パイプ材16に開穿さ
れてバイパス路Lをリザーバ室Rに連通する分岐流路L
1(符示せず)に設定される連通孔16a,16bを慣
性作動バルブ3が開閉可能に閉塞してなるとしている。
【0044】なお、シリンダ11内のピストン13に
は、図示するように、伸側ポート13cおよび圧側ポー
ト13dが開穿されていて、伸側ポート13cの下端開
口を伸側減衰バルブ13aが、また、圧側ポート13d
の上端開口をチェック弁13bが、それぞれ開閉可能に
閉塞している。
【0045】また、図示しないが、シリンダ11の上端
部には連通孔が開穿されていて、この連通孔を介してシ
リンダ11内の上方油室R1とバイパス路Lとの連通が
実現されている。
【0046】さらに、図示しないが、シリンダ11の下
端を閉塞するベース部14(図2参照)には周知の構造
からなる圧側減衰バルブ14a(図2参照)およびチェ
ック弁14b(図2参照)が配在されていて、この圧側
減衰バルブ14aおよびチェック弁14bを介してのシ
リンダ11内の下方油室R2とリザーバ室Rとの連通を
実現している。
【0047】つぎに、慣性作動バルブ3は、所定の質量
を有する筒状に形成されていわゆる質量体とされパイプ
材16の外周に上下方向に摺動可能に介装されるスプー
ル3cを有してなり、このスプール3cが上下端に隣設
される一対のスプリング3a,3bでいわゆるバランス
状態に維持されている。
【0048】そして、このスプール3cは、そのバラン
ス状態時に上記の分岐流路L1に設定される連通孔16
a,16bを同時に閉塞するように設定されているが、
このときの一対のスプリング3a,3bのばね力は、パ
イプ材16に入力される上下振動が3Hz乃至4Hz程
度となるいわゆる低周波数領域の振動である場合にスプ
ール3cを慣性作動させないが、上下振動が4Hzを超
えるいわゆる中高周波数領域の振動となる場合にはスプ
ール3cを慣性作動させる大きさに設定されるとしてい
る。
【0049】それゆえ、この慣性作動バルブ3にあって
は、車両が平坦路面を走行する場合はもちろんのこと、
ピッチの長いいわゆるうねり路面を走行する場合にも慣
性作動しないが、走行中の車両が路面突起を乗り上げた
り路面窪みに落ち込んだりすることで急激な車高変化が
起きるような場合に慣性作動することになる。
【0050】なお、上記の一対のスプリング3a,3b
は、パイプ材16の外周に巻装されたストップリング3
d,3eにそれぞれ係止されたばね受3f,3gに係止
されている。
【0051】一方、この実施の形態による減衰力調整部
2は、比例ソレノイド2a(符示せず)を構成するコイ
ル21をケーシング21a内に有してなるのはもちろん
であるが、比例ソレノイド2aの励磁時に後退方向に摺
動するアーマチュア22と、このアーマチュア22に原
理的に並列するポペット23とを有してなる。
【0052】アーマチュア22は、附勢ばね22aで背
後から附勢されていて、比例ソレノイド2aへの励磁が
解除されているときには、この附勢ばね22aの附勢力
で前進状態に維持されるように設定されている。
【0053】ポペット23は、附勢ばね23aで背後か
ら附勢されていて、常時前進状態を呈すると共に、先端
への加圧状況に応じて後退方向に摺動するように設定さ
れている。
【0054】そして、このポペット23は、先端がバイ
パス路Lに対面するように固定状態に配在された有孔ス
トッパ24に係止されてなる一方で、軸芯部にオリフィ
ス23bを有すると共に、後端部の内周側に拡径形成さ
れてオリフィス23bに連通する圧力室23cを有して
いる。
【0055】また、アーマチュア22とポペット23と
の間には、アーマチュア22の前進位置を規制すると共
にポペット23用の附勢ばね23aを係止する有孔スト
ッパ25が固定状態に配在されている。
【0056】さらに、上記の有孔ストッパ24を先端に
固定状態に保持しながら主にポペット23を摺動可能に
収装するハウジング26がパイプ材16に連設されてお
り、このハウジング26は、ポペット23の後退時にバ
イパス路Lとリザーバ室Rとの連通を可能にする連通孔
26aを有している。
【0057】そして、ハウジング26の後端側の内周側
には、アーマチュア22を摺動可能に収装するハウジン
グ27の先端側が臨在されており、このハウジング27
の先端側にはアーマチュア22の後退時に上記の圧力室
23cをアーマチュア22の先端を交わしてハウジング
27の先端の外周側に連通させる連通孔27aを有して
いる。
【0058】そしてまた、この連通孔27aを有するハ
ウジング27の先端側を臨在させるハウジング26の後
端側には、ハウジング27の先端の外周側をリザーバ室
Rに連通させる連通孔26bが開穿されている。
【0059】それゆえ、以上のように形成されたこの実
施の形態による減衰力調整部2にあっては、比例ソレノ
イド2aが励磁されないでアーマチュア22が前進状態
に維持されている場合には、上記の圧力室23cがバイ
パス路Lにおける内圧と等しくなり、したがって、ポペ
ット23が摺動し得ずして、バイパス路Lのリザーバ室
Rへの連通が完全に遮断された状態になる。
【0060】その結果、油圧緩衝器1においては、減衰
力発生部を構成する伸側減衰バルブ13aおよび圧側減
衰バルブ14aで発生される減衰力が設定通りの高いま
まに発生されることになる。
【0061】つぎに、比例ソレノイド2aが励磁されて
アーマチュア22が完全に後退状態に維持される場合に
は、上記の圧力室23cの内圧がリザーバ室Rにおける
内圧と等しくなり、したがって、ポペット23がバイパ
ス路Lの内圧に応じて後退方向に摺動することになる。
【0062】そして、このときには、バイパス路Lにお
ける内圧の方がリザーバ室Rの内圧に比較すればかなり
高くなるから、ポペット23が完全に後退する状態にな
り、したがって、バイパス路Lからの作動油がハウジン
グ26の先端側に開穿の連通孔26aを介してリザーバ
室Rに流出することになる。
【0063】また、このときには、すでにアーマチュア
22も完全な後退状態にあるから、ハウジング27の先
端側に開穿の連通孔27aおよびハウジング26の後端
側に開穿の連通孔26bを介してバイパス路Lからの作
動油がリザーバ室Rに流出することにもなる。
【0064】その結果、油圧緩衝器1においては、減衰
力発生部を構成する伸側減衰バルブ13aおよび圧側減
衰バルブ14aで発生される減衰力が最も低い減衰力と
されることになる。
【0065】さらに、比例ソレノイド2aがわずかに励
磁されてアーマチュア22がわずかに後退状態を呈する
場合には、上記の圧力室23cにわずかな内圧がたつこ
とになり、したがって、バイパス路Lからポペット23
の先端にある程度の大きさの圧力が作用しない限り後退
し得ないことになる。
【0066】そして、バイパス路Lにおける内圧が上記
した油圧緩衝器1における発生減衰力が最も低くなる場
合よりも高くなるときに、ポペット23がハウジング2
6の先端側に開穿の連通孔26aをわずかに開放するよ
うに後退することになる。
【0067】その結果、油圧緩衝器1においては、上記
したところと比較すれば中間となる大きさの減衰力が発
生されることになる。
【0068】そして、前記したように、減衰力調整部2
において比例ソレノイド2aが励磁されていないがゆえ
に、油圧緩衝器1において最も高い減衰力が発生されて
いる場合に、前記の慣性作動バルブ3が慣性作動するこ
とでバイパス路Lが減衰力調整部2を介することなくリ
ザーバ室Rに言わば直接連通されることになり、油圧緩
衝器1で発生される減衰力が瞬時に低い減衰力に調整さ
れることになる。
【0069】それゆえ、この図3に示す実施の形態によ
る場合にも、減衰力調整部2における比例ソレノイド2
aへのコントローラC(図1参照)を介してのオンオフ
制御で油圧緩衝器1が発生する減衰力を高低調整するこ
とが可能になるのはもちろんのこと、上記のオンオフ制
御で発生減衰力を高く調整しているときに、慣性作動バ
ルブ3の開放作動で走行中の車両が路面突起を乗り上げ
たり路面窪みに落ち込んだりすることで招来されるであ
ろう車体Bの急激な上下動を回避することも可能にな
る。
【0070】そして、この実施の形態による場合には、
減衰力調整部2および慣性作動バルブ3が油圧緩衝器1
に一体に組み込まれた一体型に設定されるので、この懸
架装置の車両への搭載性を向上させることになる。
【0071】なお、この図3に示すところでは、油圧緩
衝器1に減衰力調整部2および慣性作動バルブ3が一体
に設けられているとするが、この発明の意図するところ
からすれば、図2に示すように、減衰力調整部2が油圧
緩衝器1の外部に配在されるバイパス路L中に配在さ
れ、また、慣性作動バルブ3が同じく油圧緩衝器1の外
部に配在される分岐流路L1中に配在されるとして、減
衰力調整部2および慣性作動バルブ3が油圧緩衝器1に
対していわゆる別置き型に設定されるとしても良いこと
はもちろんである。
【0072】ちなみに、減衰力調整部2および慣性作動
バルブ3が油圧緩衝器1に対して別置き型に設定される
場合には、油圧緩衝器1において多岐に亙る設計変更が
要請されず、バイパス路Lを構成する管路を設けるため
の設計変更のみが要請される点で有利となる。
【0073】前記したところは、この発明による懸架装
置が車両における乗り心地を改善するためのものとして
説明したが、この発明の構成からすれば、車両における
姿勢制御するためのものとして利用されるとしても良
く、その場合の作用および効果を同一視できることはも
ちろんである。
【0074】
【発明の効果】以上のように、この発明にあっては、減
衰力調整部におけるソレノイドへのコントローラを介し
ての制御で油圧緩衝器が発生する減衰力を高低調整する
ことが可能にするのはもちろんのこと、上記の制御で発
生減衰力を高く調整しているときに、慣性作動バルブの
開放作動で走行中の車両が路面突起を乗り上げたり路面
窪みに落ち込んだりすることで招来されるであろう車体
の急激な上下動を回避することを可能になり、車両にお
ける乗り心地が悪化されることを未然に阻止できること
になる。
【0075】そして、減衰力調整部および慣性作動バル
ブが油圧緩衝器に一体に組み込まれた一体型に設定され
る場合には、この懸架装置の車両への搭載性を向上させ
ることになる点で有利となり、また、減衰力調整部が油
圧緩衝器の外部に配在されるバイパス路中に配在される
と共に慣性作動バルブが同じく油圧緩衝器の外部に配在
される分岐流路中に配在されて別置き型に設定される場
合には、油圧緩衝器において多岐に亙る設計変更が要請
されず、バイパス路を構成する管路を設けるための設計
変更のみが要請されることになる点で有利となる。
【0076】また、この発明にあっては、車体と車軸と
の間に油圧緩衝器の伸縮状況、すなわち、伸長あるいは
圧縮のいずれにあるかの判断を要しないことになるか
ら、そのための車高センサあるいは相対速度センサの配
在が不要になり、それゆえ、ソレノイドの所定の信号を
出力するコントローラにあっては、その信号の入力はも
ちろんのこと、その処理までを不要にすることになり、
したがって、この信号の入力を要するように設定される
コントローラに比較して、いわゆるシステムの簡素化が
可能になり、したがって、コントローラの高コスト化を
回避させて、懸架装置全体のコストの低廉化を可能にす
ることになる。
【0077】その結果、この発明によれば、走行中の車
両における乗り心地のより一層の改善が可能になるのは
もちろんのこと、その場合に、懸架装置のコストの低廉
化を可能にしてその汎用性の向上を期待し得て、大衆車
を含む車両への装備に最適となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態による懸架装置を示す
概略図である。
【図2】懸架装置を構成する油圧緩衝器と減衰力調整部
および慣性作動バルブの位置関係を回路で示す図であ
る。
【図3】油圧緩衝器に減衰力調整部と慣性作動バルブを
配設した具体例を示す部分縦断面図である。
【符号の説明】
1 油圧緩衝器 2 減衰力調整部 2a ソレノイドたる比例ソレノイド 3 慣性作動バルブ 3c 質量体たるスプール 11 シリンダ 12 外筒 13 ピストン 13a 減衰力発生部を構成する伸側減衰バルブ 14a 減衰力発生部を構成する圧側減衰バルブ 16 パイプ材 16a,16b 連通孔 A 車軸 B 車体 L バイパス路 L1 分岐流路 R リザーバ室 R1 上方油室 R2 下方油室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の四輪各部に配在されて上端側が車
    両の車体側に連結され下端側が車両の車軸側に連結され
    る油圧緩衝器と、この油圧緩衝器における減衰力発生部
    を迂回するバイパス路中に配在されてコントローラから
    の信号の入力で制御されるソレノイドによってこの油圧
    緩衝器における発生減衰力を高低調整する減衰力調整部
    とを有してなる懸架装置において、上記バイパス路から
    分岐されて上記減衰力調整部を迂回する分岐流路中に慣
    性力で開放作動する慣性作動バルブを有してなる懸架装
  2. 【請求項2】 油圧緩衝器がシリンダの外周側に外筒を
    有してシリンダと外筒との間をリザーバ室に設定する複
    筒型に形成されると共に、リザーバ室内にこのリザーバ
    室を内外周側に区画するように配在されたパイプ材を有
    してなり、このパイプ材とシリンダとの間をシリンダ内
    にピストンで区画される上方油室とリザーバ室とを連通
    するバイパス路に設定すると共に、パイプ材に開穿され
    てバイパス路をリザーバ室に連通する分岐流路に設定さ
    れる連通孔を慣性作動バルブを構成する質量体が開閉可
    能に閉塞してなる請求項1の懸架装置
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