JP2016183698A - ブラケット、サスペンション装置 - Google Patents

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邦生 柴崎
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Abstract

【課題】軽量化を図りつつシリンダの強度を大きくすることができる技術を提供する。【解決手段】シリンダ10とシリンダ10の側部に設けられて液体の流路を絞るソレノイドバルブ50とを有する油圧緩衝器に油圧緩衝器とは異なる物を取付けるブラケット100であって、ソレノイドバルブ50よりもシリンダ10の軸方向の一方側においてシリンダ10の外周面の少なくとも一部を覆う覆い部110と、覆い部110の軸方向の他方側の端部におけるシリンダ10の円周方向の一部分から軸方向の他方側へ軸方向に延びた延出部120と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、ブラケット、サスペンション装置に関する。
車両の車体と車輪との間に配置された油圧緩衝器、サスペンション装置に、例えばセンサやブレーキホース等を取付けるために、ブラケットが用いられている。そして、例えば特許文献1に記載のブラケットは以下のように構成されている。すなわち、ブラケットは、下端がシリンダに溶接されシリンダに沿う略矩形で彎曲した板状本体と、板状本体の左右端から延設されるシリンダを把持する少なくとも一対の把持部と、ホースやセンサ等を固定する固定部と、固定部と板状本体の上端とを連結するシリンダに沿う連繋部とを有する。
特開2005−155773号公報
ブラケットは、シリンダに保持される物であることから、センサやブレーキホース等を保持すると共にシリンダの強度を大きくできることが望ましい。ただし、ブラケットは、重過ぎないことが望ましい。
本発明は、軽量化を図りつつシリンダの強度を大きくすることができるブラケット、サスペンション装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、シリンダと当該シリンダの側部に設けられて液体の流路を絞る絞り部とを有する油圧緩衝器に前記油圧緩衝器とは異なる物を取付けるブラケットであって、前記絞り部よりも前記シリンダの軸方向の一方側において前記シリンダの外周面の少なくとも一部を覆う覆い部と、前記覆い部の前記軸方向の他方側の端部における前記シリンダの円周方向の一部分から前記軸方向の他方側へ前記軸方向に延びた延出部と、を備えるブラケットである。即ち、本構成のブラケットは、シリンダの外周面を覆うので、シリンダの強度を大きくすることができる。また、延出部は、覆い部におけるシリンダの円周方向の一部分から軸方向に延びているので、全周設けられている場合よりも軽い。つまり、本構成のブラケットは、軽量化を図りつつシリンダの強度を大きくすることができる。
本発明によれば、軽量化を図りつつシリンダの強度を大きくすることができる。
本実施の形態に係るサスペンション装置の概略構成を示す図である。 本実施の形態に係る油圧緩衝器の全体構成を示す断面図である。 図1のIII部の拡大図である。 (a)は、保持部が設けられた側から見た第1実施形態に係るブラケットの斜視図である。(b)は、保持部が設けられた側とは反対側から見た第1実施形態に係るブラケットの斜視図である。 (a)は、図3のVa-Va部の断面図である。(b)は、図3のVb-Vb部の断面図である。 (a)は、保持部が設けられた側から見た第2実施形態に係るブラケットの斜視図である。(b)は、保持部が設けられた側とは反対側から見た第2実施形態に係るブラケットの斜視図である。 (a)は、保持部が設けられた側から見た第3実施形態に係るブラケットの斜視図である。(b)は、保持部が設けられた側とは反対側から見た第3実施形態に係るブラケットの斜視図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係るサスペンション装置1の概略構成を示す図である。
本実施の形態に係るサスペンション装置1は、例えば四輪車に搭載されるストラット型のサスペンションである。
サスペンション装置1は、油圧緩衝器2と、コイルばね3と、コイルばね3の圧縮荷重を受けるばね受け4と、コイルばね3とばね受け4との間に介在するラバーシート5とを備えている。
また、サスペンション装置1は、後述するピストンロッド30の上端部側に取り付けられて、このサスペンション装置1を車両に取り付けるための車体側取付ブラケット6を備えている。また、サスペンション装置1は、油圧緩衝器2に固定されて、このサスペンション装置1を車輪に取り付けるための車輪側取付ブラケット7を2つ備えている。
また、サスペンション装置1は、スタビライザー(不図示)の端部を連結するためのスタビライザー取付アーム8と、例えばセンサやブレーキホース等を油圧緩衝器2に取付けるために油圧緩衝器2に固定されたブラケット100とを備えている。
〔油圧緩衝器2の構成〕
図2は、本実施の形態に係る油圧緩衝器2の全体構成を示す断面図である。
油圧緩衝器2は、液体(本実施の形態ではオイル)を収容するシリンダ10と、シリンダ10内においてシリンダ10の軸方向に移動可能に設けられたピストン20と、ピストン20を支持するピストンロッド30とを備えている。
また、油圧緩衝器2は、後述する第2シリンダ12の軸方向の一方側の端部を塞ぐ底蓋14と、ピストンロッド30をガイドするロッドガイド15と、第2シリンダ12内のオイルの漏れや第2シリンダ12内への異物の混入を防ぐオイルシール16とを備えている。
また、油圧緩衝器2は、ピストンロッド30の移動範囲を制限するリバウンドストッパ17と、第2シリンダ12における軸方向の他方側の端部に装着されたバンプストッパキャップ18とを備えている。
また、油圧緩衝器2は、後述する第1シリンダ11における軸方向の一方側の端部に設けられたボトムバルブ40と、シリンダ10の側部に設けられて液体の流路を絞るソレノイドバルブ50とを備えている。
〔シリンダ10の構成〕
シリンダ10は、円筒状の第1シリンダ11と、第1シリンダ11よりも第1シリンダ11の半径方向外側に配置された円筒状の第2シリンダ12と、第1シリンダ11と第2シリンダ12との間に配置された円筒状の外筒体13(第3シリンダの一例)とを有する。そして、ブラケット100は、第2シリンダ12の外周面12aに溶接されている。これら第1シリンダ11、第2シリンダ12及び外筒体13は同心(同軸)に配置されている。
このように、本実施の形態に係る油圧緩衝器2のシリンダ10は、半径方向内側から半径方向外側に向けて、第1シリンダ11、外筒体13、第2シリンダ12の3つの円筒状の部材が順に配置された3重管構造である。ただし、シリンダ10は、3重管構造に限定されない。シリンダ10は、半径方向内側から半径方向外側に向けて、2つの円筒状の部材が順に配置された2重管構造や、4つの円筒状の部材が順に配置された4重管構造など、3つ以外の複数の数の円筒状の部材が配置されていてもよい。
なお、第1シリンダ11の円筒の中心線方向を、単に「軸方向」と称する場合もある。また、第1シリンダ11の軸方向における方向を示す場合には、図2中下方を「一方」と称し、図中上方を「他方」と称する場合もある。また、「円筒状」など物の形状を示す用語は、正確に「円筒」などその形状である場合に限らず、「略円筒」などおおよそその形状である場合も含む意味である。
第1シリンダ11、外筒体13、第2シリンダ12を有して構成されるシリンダ10においては、円筒状の外筒体13の外周面と第2シリンダ12の内周面との間にリザーバ室Rが形成されている。また、円筒状の第1シリンダ11の外周面と外筒体13の内周面との間に、第1シリンダ11内とリザーバ室Rとの間におけるオイルの経路(流路)となる連絡路Lが形成されている。
第1シリンダ11における軸方向の他方側の端部であってロッドガイド15よりも軸方向の一方側に、半径方向の内側と外側とを連通する第1シリンダ貫通孔11hが形成されている。第1シリンダ貫通孔11hを介して第1シリンダ11内と連絡路Lとの間にオイルが流通する。
外筒体13におけるソレノイドバルブ50との対向位置に、半径方向の内側と外側とを連通する外筒体貫通孔13hが形成されている。この外筒体貫通孔13hを介して連絡路L内からソレノイドバルブ50へオイルが流通する。そして、外筒体13は、外筒体貫通孔13hの周囲に、ソレノイドバルブ50側に向けて突出するフランジ付き円筒状のジョイント部材13Gを有している。ジョイント部材13Gの内側には、ソレノイドバルブ50の吸込ポートが挿入されている。
第2シリンダ12には、ソレノイドバルブ50が取り付けられる位置に、半径方向の内側と外側とを連通する第2シリンダ貫通孔12hが形成されている。第2シリンダ12の外周であって第2シリンダ貫通孔12hの外側には、ソレノイドバルブ50のソレノイドシリンダが取り付けられている。
〔底蓋14の構成〕
図2に示すように、底蓋14は、第2シリンダ12の一方側の端部に取り付けられ、第2シリンダ12の一方側の端部を塞ぐ。
〔ロッドガイド15の構成〕
ロッドガイド15は、円筒状の部材であり、第2シリンダ12の内周にて第2シリンダ12に保持される。そして、ロッドガイド15は、例えば内側の孔に嵌め込まれたブッシュなどを介してピストンロッド30を移動可能に支持する。また、ロッドガイド15は、第1シリンダ11及び外筒体13の軸方向の他方側の端部を塞ぐ。
〔ピストン20の構成〕
図2に示すように、ピストン20は、ピストンボディ21と、ピストンボディ21の軸方向の他方側の端部に設けられたバルブ22とを有している。
そして、ピストン20は、第1シリンダ11内において軸方向に移動可能に設けられる。ピストン20は、第1シリンダ11内の空間を、ピストンロッド30の後述するロッド部31が配置されない空間である第1液室Y1とロッド部31が配置される第2液室Y2とに区画する。
〔ピストンロッド30の構成〕
図2に示すように、ピストンロッド30は、軸方向に延びるロッド部31と、ロッド部31における軸方向の一方側の端部においてピストン20を保持するピストン保持部32とを有する。
〔ボトムバルブ40の構成〕
図2に示すように、ボトムバルブ40は、軸方向に形成された複数の油路を有するバルブボディ41と、バルブボディ41に形成された複数の油路の内の一部の油路における軸方向の一方側の端部を塞ぐバルブ42とを有する。また、ボトムバルブ40は、バルブボディ41、バルブ42などの部材を固定するボルト40Bを有する。
〔ソレノイドバルブ50の構成〕
ソレノイドバルブ50は、弁体とバルブストッパとがオイルの流路を絞り、プランジャがバルブストッパに対する弁体の距離を変化させることで減衰力を調整する。
<第1実施形態に係るブラケット100の構成>
図3は、図1のIII部の拡大図である。
図4(a)は、後述する保持部130が設けられた側から見た第1実施形態に係るブラケット100の斜視図である。図4(b)は、保持部130が設けられた側とは反対側から見た第1実施形態に係るブラケット100の斜視図である。
図5(a)は、図3のVa-Va部の断面図である。図5(b)は、図3のVb-Vb部の断面図である。
第1実施形態に係るブラケット100の概略構成を説明する。
ブラケット100は、シリンダ10とシリンダ10の側部に設けられて液体の流路を絞るソレノイドバルブ50(絞り部の一例)とを有する油圧緩衝器2に油圧緩衝器2とは異なる物を取付けるのに用いられる。そして、ブラケット100は、ソレノイドバルブ50よりもシリンダ10の軸方向の一方側においてシリンダ10の外周面の少なくとも一部を覆う覆い部110と、覆い部110の軸方向の他方側の端部におけるシリンダ10の円周方向の一部分から軸方向の他方側へ軸方向に延びた延出部120とを備えている。
また、ブラケット100は、油圧緩衝器2とは異なる物の一例としてのセンサやブレーキホース等を保持する保持部130を有している。
ブラケット100は、板金が曲げ加工などの機械加工が施されることにより成形されている。
以下で、各々の構成について詳述する。
図5(b)に示すように、覆い部110は、シリンダ10の軸方向に直交する面で切断した切断面が略C字状である。言い換えれば、覆い部110は、シリンダ10の外周面の全周を覆う形状である環状から円周方向の一部分が切り欠かれた形状である。そして、円周方向の一部分が切り欠かれた切り欠き部110aは、シリンダ10の軸心に対してソレノイドバルブ50とは反対側に配置されている。
覆い部110は、図3に示すように、シリンダ10の軸方向においては幅がW1で、シリンダ10の円周方向においては、図5(b)に示すように、シリンダ10の第2シリンダ12の外周面に沿うように形成されている。つまり、覆い部110は、シリンダ10の外周面の一部を覆うように形成されている。
なお、シリンダ10の軸方向に直交する面で切断した覆い部110の切断面は、C字状に限定されず、例えば、シリンダ10の外周面の全周を覆う環状でもよい。
そして、図3に示すように、ブラケット100は、覆い部110における軸方向の他方側の端面111がソレノイドバルブ50よりも軸方向の一方側に位置するように、シリンダ10に固定される。
図3に示すように、延出部120は、覆い部110における軸方向の他方側の端面111からシリンダ10の軸方向の他方側へ軸方向に延びるように形成されている。図5(a)に示すように、延出部120は、シリンダ10の円周方向において、シリンダ10の第2シリンダ12の外周面に沿うように形成されている。
図4(a)に示すように、延出部120におけるシリンダ10の軸方向の中央部は、シリンダ10の円周方向の幅がW2で軸方向に延びている。
図4(a)に示すように、延出部120におけるシリンダ10の軸方向の一方側の端部は、シリンダ10の円周方向の幅が中央部から覆い部110に行くに従ってW2から徐々に大きくなっている。
図4(a)に示すように、延出部120におけるシリンダ10の軸方向の他方側の端部は、中央部から軸方向の他方側の端部に行くに従って、シリンダ10の円周方向の幅がW2からW3まで徐々に大きくなると共に、幅がW3に到達した後は、W3の幅で軸方向に延びている。
そして、延出部120は、(覆い部110の軸方向の他方側の端面から)軸方向においてソレノイドバルブ50と重複する位置まで延びている。より具体的には、図3に示すように、延出部120におけるシリンダ10の軸方向の他方側の端面122が、ソレノイドバルブ50におけるシリンダ10の軸方向の他方側の端部50aよりも軸方向の他方側に位置する。
また、延出部120は、覆い部110におけるシリンダ10の円周方向の一部分である基端部112から軸方向の他方側へ延びている。
そして、延出部120は、円周方向においてソレノイドバルブ50と重複しない位置に設けられている。つまり、図5(a)に示すように、シリンダ10の円周方向において、覆い部110の基端部112が配置された位置と、ソレノイドバルブ50が配置された位置とが重ならない。言い換えれば、延出部120は、ソレノイドバルブ50が配置されていない部位のシリンダ10の外周面を覆う。
図5(a)、図5(b)に示すように、以下では、ブラケット100におけるシリンダ10の円周方向を示す場合には、延出部120が設けられている側を「一方」と称し、延出部120が設けられていない側を「他方」と称する場合もある。
図4(a)に示すように、延出部120におけるシリンダ10の円周方向の一方側の端面である円周方向一方側端面121は、覆い部110におけるシリンダ10の円周方向の一方側の端面である円周方向一方側端面113と連続するように形成されている。
保持部130は、覆い部110におけるシリンダ10の円周方向の他方側の端面である円周方向他方側端面114から、シリンダ10の外周面に交差する方向に延びている。保持部130の中央部には貫通孔131が形成されている。保持部130は、貫通孔131を介して、センサやブレーキホース等を保持する。
以上のように構成されたブラケット100は、シリンダ10の第2シリンダ12の外周面12aに溶接されている。つまり、ブラケット100は、シリンダ10の第2シリンダ12の外周面に溶接されることでシリンダ10に固定されている。
図4に示すように、溶接箇所は、第1溶接部位141、第2溶接部位142及び第3溶接部位143の3箇所である。第1溶接部位141は、覆い部110の円周方向他方側端面114である。第2溶接部位142は、延出部120におけるシリンダ10の円周方向の一方側の端面である。第3溶接部位143は、延出部120におけるシリンダ10の軸方向の他方側の端面である。
なお、シリンダ10は、第1シリンダ11、第2シリンダ12及び外筒体13を有する3重管構造であるため、ブラケット100をシリンダ10の第2シリンダ12に溶接したとしても、第1シリンダ11に溶接歪が生じない。それゆえ、ピストン20の円滑な伸縮運動が阻害されることはない。
以上のように構成されシリンダ10に固定されたブラケット100は、センサやブレーキホース等を保持できると共に、シリンダ10の外周面を覆うようにシリンダ10に固定されているので、シリンダ10の強度を大きくすることができる。
シリンダ10におけるソレノイドバルブ50が配置された部位は、シリンダ10の径方向外側にソレノイドシリンダなどが取り付けられているため、ソレノイドバルブ50が配置されていない部位よりも強度が大きい。つまり、シリンダ10自体の強度は、ソレノイドバルブ50が配置されていない部位よりもソレノイドバルブ50が配置された部位の方が大きい。
本実施の形態に係るサスペンション装置1においては、シリンダ10自体の強度が相対的に小さいソレノイドバルブ50が配置されていない部位の外周面を覆うようにブラケット100の延出部120が設けられている。それゆえ、シリンダ10におけるソレノイドバルブ50が配置されていない部位の強度がブラケット100により補強されている。その結果、本実施の形態に係るサスペンション装置1は、車両の発進あるいは停止、又は旋回などに起因して油圧緩衝器2に曲げモーメントなどが繰り返し作用したとしても、ブラケット100により補強されていない構成よりもシリンダ10が損傷することが抑制される。
また、本実施の形態に係るブラケット100においては、シリンダ10の円周方向の一部分に延出部120が設けられている。それゆえ、ブラケット100は、延出部120が全周設けられている場合よりも軽い。その結果、本実施の形態に係るブラケット100は、軽量化を図りつつシリンダ10の強度を大きくすることができる。
また、延出部120がシリンダ10の円周方向の一部分に設けられているため、作業者がブラケット100をシリンダ10に固定するにあたってシリンダ10をブラケット100の覆い部110に挿入する際に、延出部120は補助となる。それゆえ、シリンダ10の円周方向の一部分に設けられた延出部120が、ブラケット100を組み付ける際の作業性を向上させることができる。
なお、上述した実施形態においては、ブラケット100の覆い部110は、シリンダ10の第2シリンダ12の外周面12aに沿うように形成されているが、覆い部110の内周面110bと第2シリンダ12の外周面12aとの間に隙間があってもなくてもよい。また、ブラケット100の延出部120は、シリンダ10の第2シリンダ12の外周面12aに沿うように形成されているが、延出部120の内周面120aと第2シリンダ12の外周面12aとの間に隙間があってもなくてもよい。
また、延出部120が配置される位置は、ソレノイドバルブ50が配置されていない部位の外周面を覆うのであれば、特に限定されない。延出部120が配置される位置は、車両の発進あるいは停止、又は旋回などに起因して油圧緩衝器2に繰り返し作用する曲げモーメントの向きなどに応じて、決定されることが望ましい。例えば、延出部120が配置される位置は、後述する第2実施形態,第3実施形態に係るブラケット200,300の位置であってもよい。
<第2実施形態>
図6(a)は、保持部230が設けられた側から見た第2実施形態に係るブラケット200の斜視図である。図6(b)は、保持部230が設けられた側とは反対側から見た第2実施形態に係るブラケット200の斜視図である。
第2実施形態に係るブラケット200の概略構成を説明する。
ブラケット200は、シリンダ10とシリンダ10の側部に設けられて液体の流路を絞るソレノイドバルブ50(絞り部の一例)とを有する油圧緩衝器2に油圧緩衝器2とは異なる物を取付けるのに用いられる。そして、ブラケット200は、ソレノイドバルブ50よりもシリンダ10の軸方向の一方側においてシリンダ10の外周面の少なくとも一部を覆う覆い部210と、覆い部210の軸方向の他方側の端部におけるシリンダ10の円周方向の一部分から軸方向の他方側へ軸方向に延びた延出部220とを備えている。
また、ブラケット200は、油圧緩衝器2とは異なる物の一例としてのセンサやブレーキホース等を保持する保持部230を有している。
ブラケット200は、シリンダ10の第2シリンダ12の外周面12aに溶接されている。
以下で、第2実施形態に係るブラケット200の各々の構成について詳述する。
第2実施形態に係るブラケット200は、延出部220が設けられた位置が第1実施形態に係るブラケット100と異なる。以下では、異なる点を中心に説明する。
第2実施形態に係るブラケット200の延出部220は、図6(a)、図6(b)に示すように、覆い部210におけるシリンダ10の円周方向の保持部230が設けられた側の端部に設けられている。
延出部220は、(シリンダ10の)軸方向においてソレノイドバルブ50と重複する位置まで延びている。より具体的には、図6(b)に示すように、延出部220におけるシリンダ10の軸方向の他方側の端面222が、ソレノイドバルブ50におけるシリンダ10の軸方向の他方側の端部50aよりも軸方向の他方側に位置する。
そして、延出部220は、(シリンダ10の)円周方向においてソレノイドバルブ50と重複しない位置に設けられている。つまり、延出部220は、ソレノイドバルブ50が配置されていない部位のシリンダ10の外周面を覆う。
以上のように構成された第2実施形態に係るブラケット200は、(第1実施形態に係るブラケット100と同様に)センサやブレーキホース等を保持できると共に、シリンダ10の外周面を覆うようにシリンダ10に固定されているので、シリンダ10の強度を大きくすることができる。すなわち、シリンダ10におけるソレノイドバルブ50が配置されていない部位の外周面を覆うようにブラケット200の延出部220が設けられている。それゆえ、ブラケット200は、シリンダ10におけるソレノイドバルブ50が配置されていない部位の強度を大きくすることができる。その結果、本実施の形態に係るサスペンション装置1は、車両の発進あるいは停止、又は旋回などに起因して油圧緩衝器2に曲げモーメントなどが繰り返し作用したとしても、ブラケット200により補強されていない構成よりもシリンダ10が損傷することが抑制される。
また、第2実施形態に係るブラケット200は、(第1実施形態に係るブラケット100と同様に)延出部220が全周設けられている場合よりも軽い。それゆえ、第2実施形態に係るブラケット200は、軽量化を図りつつシリンダ10の強度を大きくすることができる。また、第2実施形態に係るブラケット200においては、シリンダ10の円周方向の一部分に設けられた延出部220が、ブラケット200を組み付ける際の作業性を向上させることができる。
なお、上述した実施形態においては、ブラケット200の覆い部210は、シリンダ10の第2シリンダ12の外周面12aに沿うように形成されているが、覆い部210の内周面と第2シリンダ12の外周面12aとの間に隙間があってもなくてもよい。また、ブラケット200の延出部220は、シリンダ10の第2シリンダ12の外周面12aに沿うように形成されているが、延出部220の内周面と第2シリンダ12の外周面12aとの間に隙間があってもなくてもよい。
<第3実施形態>
図7(a)は、保持部330が設けられた側から見た第3実施形態に係るブラケット300の斜視図である。図7(b)は、保持部330が設けられた側とは反対側から見た第3実施形態に係るブラケット300の斜視図である。
第3実施形態に係るブラケット300の概略構成を説明する。
ブラケット300は、シリンダ10とシリンダ10の側部に設けられて液体の流路を絞るソレノイドバルブ50(絞り部の一例)とを有する油圧緩衝器2に油圧緩衝器2とは異なる物を取付けるのに用いられる。そして、ブラケット300は、ソレノイドバルブ50よりもシリンダ10の軸方向の一方側においてシリンダ10の外周面の少なくとも一部を覆う覆い部310と、覆い部310の軸方向の他方側の端部におけるシリンダ10の円周方向の一部分から軸方向の他方側へ軸方向に延びた延出部320とを備えている。
また、ブラケット300は、油圧緩衝器2とは異なる物の一例としてのセンサやブレーキホース等を保持する保持部330を有している。
ブラケット300は、シリンダ10の第2シリンダ12の外周面12aに溶接されている。
以下で、第3実施形態に係るブラケット300の各々の構成について詳述する。
第3実施形態に係るブラケット300は、第1実施形態に係るブラケット100と延出部320が異なる。以下では、異なる点を中心に説明する。
第3実施形態に係るブラケット300の延出部320は、覆い部310におけるシリンダ10の円周方向の両端部に設けられている。つまり、第3実施形態に係るブラケット300の延出部320は、第1実施形態に係るブラケット100の延出部120と第2実施形態に係るブラケット200の延出部220との両方を有している。
延出部320は、(シリンダ10の)軸方向においてソレノイドバルブ50と重複する位置まで延びている。より具体的には、図7(b)に示すように、延出部320におけるシリンダ10の軸方向の他方側の端面322が、ソレノイドバルブ50におけるシリンダ10の軸方向の他方側の端部50aよりも軸方向の他方側に位置する。
そして、延出部320は、(シリンダ10の)円周方向においてソレノイドバルブ50と重複しない位置に設けられている。つまり、延出部320は、ソレノイドバルブ50が配置されていない部位のシリンダ10の外周面を覆う。
以上のように構成された第3実施形態に係るブラケット300は、(第1実施形態に係るブラケット100と同様に)センサやブレーキホース等を保持できると共に、シリンダ10の強度を大きくすることができる。すなわち、シリンダ10におけるソレノイドバルブ50が配置されていない部位の外周面を覆うようにブラケット300の延出部320が設けられている。それゆえ、ブラケット300は、シリンダ10におけるソレノイドバルブ50が配置されていない部位の強度を大きくすることができる。
また、第3実施形態に係るブラケット300は、第1実施形態に係るブラケット100よりもシリンダ10の外周面を覆う範囲が広いので、第1実施形態に係るブラケット100よりもシリンダ10の強度を大きくすることができる。
その結果、本実施の形態に係るサスペンション装置1は、車両の発進あるいは停止、又は旋回などに起因して油圧緩衝器2に曲げモーメントなどが繰り返し作用したとしても、ブラケット300により補強されていない構成よりもシリンダ10が損傷することが抑制される。
また、第3実施形態に係るブラケット300は、(第1実施形態に係るブラケット100と同様に)延出部320が全周設けられている場合よりも軽い。それゆえ、第3実施形態に係るブラケット300は、軽量化を図りつつシリンダ10の強度を大きくすることができる。また、第3実施形態に係るブラケット300においては、シリンダ10の円周方向の一部分に設けられた延出部320が、ブラケット300を組み付ける際の作業性を向上させることができる。
なお、上述した実施形態においては、ブラケット300の覆い部310は、シリンダ10の第2シリンダ12の外周面12aに沿うように形成されているが、覆い部310の内周面と第2シリンダ12の外周面12aとの間に隙間があってもなくてもよい。また、ブラケット300の延出部320は、シリンダ10の第2シリンダ12の外周面12aに沿うように形成されているが、延出部320の内周面と第2シリンダ12の外周面12aとの間に隙間があってもなくてもよい。
1…サスペンション装置、2…油圧緩衝器、11…第1シリンダ、12…第2シリンダ、13…外筒体、50…ソレノイドバルブ、100,200,300…ブラケット
かかる目的のもと、本発明は、シリンダと前記シリンダの外側の側部に取り付けられて液体の流路を絞るソレノイドバルブとを有する油圧緩衝器に前記油圧緩衝器とは異なる物を取付けるブラケットであって、前記ソレノイドバルブよりも前記シリンダの軸方向の一方側において前記シリンダの外周面の少なくとも一部を覆う覆い部と、前記覆い部の前記軸方向の他方側の端部における前記シリンダの円周方向の一部分から前記軸方向の他方側へ前記軸方向に延びた延出部と、を備え、前記延出部は、前記シリンダの軸方向において前記ソレノイドバルブと重複する位置まで延びているブラケットである。即ち、本構成のブラケットは、シリンダの外周面を覆うとともに延出部は、シリンダの軸方向においてソレノイドバルブと重複する位置まで延びているので、シリンダの強度を大きくすることができる。また、延出部は、覆い部におけるシリンダの円周方向の一部分から軸方向に延びているので、全周設けられている場合よりも軽い。つまり、本構成のブラケットは、軽量化を図りつつシリンダの強度を大きくすることができる。

Claims (7)

  1. シリンダと前記シリンダの側部に設けられて液体の流路を絞る絞り部とを有する油圧緩衝器に前記油圧緩衝器とは異なる物を取付けるブラケットであって、
    前記絞り部よりも前記シリンダの軸方向の一方側において前記シリンダの外周面の少なくとも一部を覆う覆い部と、
    前記覆い部の前記軸方向の他方側の端部における前記シリンダの円周方向の一部分から前記軸方向の他方側へ前記軸方向に延びた延出部と、
    を備えるブラケット。
  2. 前記延出部は、前記シリンダの軸方向において前記絞り部と重複する位置まで延びている
    請求項1に記載のブラケット。
  3. 前記延出部は、前記シリンダの円周方向において前記絞り部と重複しない位置に設けられている
    請求項1に記載のブラケット。
  4. シリンダと前記シリンダの側部に設けられて液体の流路を絞る絞り部とを有する油圧緩衝器と、
    前記油圧緩衝器に前記油圧緩衝器とは異なる物を取付けるブラケットと、
    を備え、
    前記ブラケットは、
    前記絞り部よりも前記油圧緩衝器の前記シリンダの軸方向の一方側において前記シリンダの外周面の少なくとも一部を覆う覆い部と、
    前記覆い部の前記軸方向の他方側の端部における前記油圧緩衝器の前記シリンダの円周方向の一部分から前記軸方向の他方側へ前記軸方向に延びた延出部と、
    を備えるサスペンション装置。
  5. 前記ブラケットの前記延出部は、前記シリンダの軸方向において前記油圧緩衝器の前記絞り部と重複する位置まで延びている
    請求項4に記載のサスペンション装置。
  6. 前記ブラケットの前記延出部は、前記シリンダの円周方向において前記油圧緩衝器の前記絞り部と重複しない位置に設けられている
    請求項4に記載のサスペンション装置。
  7. 前記油圧緩衝器の前記シリンダは、円筒状の第1シリンダと、前記第1シリンダよりも前記第1シリンダの半径方向外側に配置された円筒状の第2シリンダと、前記第1シリンダと前記第2シリンダとの間に配置された円筒状の第3シリンダとを有し、
    前記ブラケットは、前記油圧緩衝器の前記シリンダの前記第2シリンダの外周面に溶接されている
    請求項4に記載のサスペンション装置。
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