JP2017155915A - 懸架装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】減衰機構および懸架ばねの少なくとも一方を内蔵する一対の懸架装置を備え、車両のハンドルと車輪との間を接続する懸架装置は、アウターチューブ部110と、インナーチューブ部120と、アウターチューブ部110及びインナーチューブ部120の内側に設けられ、軸方向において、外周側に脆弱部を有する筒状のシリンダ151と、アウターチューブ部110及びインナーチューブ部120の内側に位置し、アウターチューブ部110とインナーチューブ部120との移動に伴ってシリンダ151の軸方向に相対的に移動するロッド部材181と、ロッド部材181の端部に固定されると共にシリンダ151の軸方向に移動可能にシリンダ151に接触して設けられ、シリンダ151内の空間を区画するピストン182と、を備える懸架装置。
【選択図】図2
Description
また特許文献2には、フロントフォークのスプリング脚であって、リバウンド空気ばね室に連通する空気室を備えたサブタンクが設けられてなるものが記載されている。
本発明は、シリンダの内径を車体側と車輪側とで同じにしても、緩衝装置の剛性をアップしつつ、乗り心地も確保できる懸架装置を提供することを目的とする。
図1は、本実施形態のフロントフォーク1の全体図である。
ブラケット12は、第1フロントフォーク11Aおよび第2フロントフォーク11Bを接続する。そして、ブラケット12は車体に連結される。ステアリングシャフト13は、一端側がブラケット12に固定され、他端側にてハンドルに接続される。
図2は、第1フロントフォーク11Aを説明するための図である。
図3は、図2に示す第1フロントフォーク11Aの車輪側の拡大図である。
図4は、図2に示す第1フロントフォーク11Aの車体側の拡大図である。
外筒部20Aは、図2に示すように、車体側部材の一例としてのアウターチューブ部110と、車輪側部材の一例としてのインナーチューブ部120と、フォークボルト部130とを備えている。
アウターチューブ部110は、図2に示すように、アウターチューブ111と、ブッシュ112と、シール部材113とを有する。
アウターチューブ111は、管状の部材であって、本実施形態では車体側に位置する。
インナーチューブ部120は、図2に示すように、インナーチューブ121と、ボトムピース122とを有する。
インナーチューブ121は、管状の部材であって、本実施形態では車輪14側に位置する。インナーチューブ121は、アウターチューブ111に接続し、アウターチューブ111の内側に挿入され、軸方向においてアウターチューブ111に対して相対的に移動する。
ボトムピース122は、インナーチューブ121の一端側に配置される。ボトムピース122は、内側にロッド部材181(後述)が貫通する開口を有する環形状をしている。
フォークボルト部130は、図4に示すように、フォークボルト131と、シリンダ保持部132とを有する。
フォークボルト131は、シリンダ保持部132の他端側を閉塞する。
シリンダ保持部132は、円筒形状をなし、アウターチューブ111の内周に挿入されて螺着される。
なおシリンダ保持部132には、貫通孔132Kが設けられ、気体室T1と後述するフリーピストン194の背後の気体室T6とを連通している。
上述したように本実施形態の第1フロントフォーク11Aは、倒立型フロントフォークである。よってアウターチューブ111は、インナーチューブ121の半径方向外側に配置されている。
車軸ブラケット部40Aは、図3に示すように、チューブ保持部141と、車軸連結部142と、ロッド保持部143とを有する。
チューブ保持部141は、インナーチューブ121の外径よりも大きな内径を有し、インナーチューブ121の一端部が挿入される。
車軸連結部142は、車輪14の車軸14S(図1参照)が挿入される車軸孔142Hを有し、車輪14の車軸14Sを締め付け可能である。
ロッド保持部143は、ボトムボルト143Aとボトムボルト孔143Bとを有し、ボトムボルト孔143Bは、ボトムボルト143Aと接続する。
ダンパ部50Aは、減衰機構の一例であり、図2に示すように、シリンダ部150と、メインバルブ装置160と、サブバルブ装置190とを有している。ダンパ部50Aは、メインバルブ装置160とサブバルブ装置190の発生する減衰力により、第1フロントフォーク11Aによる衝撃力の吸収に伴うアウターチューブ111とインナーチューブ121の伸縮振動を抑制する。
シリンダ部150は、図2に示すように、シリンダ151を備える。
シリンダ151は、筒状の部材であって、本実施形態では、車体側に配され、アウターチューブ111及びインナーチューブ121の内側に設けられる。シリンダ151は、シリンダ保持部132の内周に挿入されて螺着されることで保持される。シリンダ151については、後で詳述する。
またアウターチューブ111およびインナーチューブ121と、シリンダ151との間は、空気が充填される気体室T1とオイルが充填される油室T2とが設けられる。気体室T1内の空気と油室T2内のオイルとは、自由界面を介して接触している。
メインバルブ装置160は、図3に示すように、下シリンダ部170と、ロッド部180とを備えている。
下シリンダ部170は、図3に示すように、ロッドガイド171と、オイルロックカラー172と、ブッシュ173と、リバウンドスプリング174と、ばね受け175とを有する。
ロッドガイド171は、シリンダ151の一端部に位置し、シリンダ151の端部に固定される。また、ロッドガイド171は、貫通孔176にロッド部材181(後述)が貫通して設けられ、軸方向にスライド可能に支持する。
ロッドガイド171は、油室T2とロッド側油室T3とを区画する。
リバウンドスプリング174は、例えば、金属コイルばねである。リバウンドスプリング174のばね力は、アウターチューブ111とインナーチューブ121とを収縮させる方向に付勢する。
ロッド部180は、図3に示すように、ロッド部材181と、ピストン182と、ピストンリング183とを備える。
ロッド部材181は、本実施形態では、車輪14側に配され、軸方向に沿って延びる棒状の部材である。また、ロッド部材181は、内側に、軸方向の一端から他端まで延びた貫通孔であるロッド内室181Rが形成され、中空状となっている。
ロッド部材181は、ボトムボルト143Aを介して車軸ブラケット部40Aに固定される。
ロッド部材181は、アウターチューブ111及びインナーチューブ121の内側に位置する。ロッド部材181は、アウターチューブ111とインナーチューブ121との移動に伴ってシリンダ151の軸方向に相対的に移動する。
ピストン182は、減衰機構を有する第1の区画部材の一例であり、ロッド部材181の他端側端部(車体側の端部)に位置し、ロッド部材181の他端側に固定される。
またピストン182は、伸側減衰バルブ182NBを備えてロッド側油室T3とピストン側油室T4とを連絡可能とする伸側流路182NRと、圧側チェックバルブ182PBを備えてロッド側油室T3とピストン側油室T4とを連絡可能とする圧側流路182PRとを備える。
ピストン182は、シリンダ151の軸方向に移動可能にシリンダ151に接触して設けられ、シリンダ151内の空間を区画する。即ち、ピストン182は、シリンダ部150の内部を、ロッド部材181が収容されるロッド側油室T3とロッド部材181が収容されないピストン側油室T4とに区画する。
サブバルブ装置190は、図4に示すように、ロッド部材191と、ピストン192と、加圧スプリング193と、フリーピストン194とを備える。
ロッド部材191は、軸方向に沿って延びる棒状の部材である。ロッド部材191は、他端側端部においてフォークボルト131の内周に挿入されて螺着される。さらにロッド部材191は、内側に、軸方向の他端から一端まで延びた貫通孔であるロッド内室191Rが形成され、中空状となっている。
ピストン192は、ロッド部材191の一端側端部に位置し、保持される。これによりピストン192は、ピストン側油室T4とサブ油室T5とを区画する。
またピストン192は、圧側減衰バルブ192PBを備えてピストン側油室T4とサブ油室T5とを連絡可能とする圧側流路192PRと、伸側チェックバルブ192NBを備えてピストン側油室T4とサブ油室T5とを連絡可能とする伸側流路192NRとを備える。
これによりピストン192は、ピストン182に対し軸方向においてシリンダ151が配される側に配され、シリンダ151内の空間を区画し、アウターチューブ部110とインナーチューブ部120とが相対的に移動することで生ずる振動を減衰させる減衰機構を有する第2の区画部材として機能する。
加圧スプリング193は、圧縮コイルばねである。そして加圧スプリング193は、フリーピストン194をピストン192の側に向けて付勢する。
フリーピストン194は、第1フロントフォーク11Aの伸縮に伴なってシリンダ151に進入、退出するロッド部材181の容積を補償するために、シリンダ151の内径部を液密に摺動する。
これによりフリーピストン194は、ピストン192の側でピストン側油室T4に連通しているサブ油室T5と、フリーピストン194の背後の気体室(体積補償室)T6とを区画する。
フリーピストン194は、ピストン182に対し軸方向においてシリンダ151が配される側に配され、シリンダ151内の空間を区画するとともに、ロッド部材181の移動に伴ってシリンダ151内を軸方向に移動する第3の区画部材として機能する。
第1フロントフォーク11Aの圧側行程においては、アウターチューブ111とインナーチューブ121とが軸方向において相対的に近づく方向に移動する。このときピストン182と下シリンダ部170とは、軸方向に相対的に遠ざかる方向に移動する。またピストン182とピストン192とは、軸方向に相対的に近づく方向に移動する。
第1フロントフォーク11Aの伸側行程においては、アウターチューブ111とインナーチューブ121とが軸方向において相対的に遠ざかる方向に移動する。このときピストン182と下シリンダ部170とは、軸方向に相対的に近づく方向に移動する。またピストン182とピストン192とは、軸方向に相対的に遠ざかる方向に移動する。
図5は、第2フロントフォーク11Bを説明するための図である。
図6は、図5に示す第2フロントフォーク11BのVI部の拡大図である。
図7は、図5に示す第2フロントフォーク11BのVII部の拡大図である。
図8は、図5に示す第2フロントフォークを矢印VIII方向からみた図である。
外筒部20Bは、図5に示すように、車体側部材の一例としてのアウターチューブ部210と、車輪側部材の一例としてのインナーチューブ部220とを備えている。
(アウターチューブ部210)
アウターチューブ部210は、アウターチューブ211と、ブッシュ212と、シール部材213とを有する。
アウターチューブ211は、管状の部材であって、本実施形態では車体側に位置する。
インナーチューブ部220は、図5に示すように、インナーチューブ221と、ブッシュ222と、ボトムピース223とを有する。
インナーチューブ221は、管状の部材であって、本実施形態では車輪14側に位置する。インナーチューブ221は、アウターチューブ211の内側に挿入されてアウターチューブ211と接続する。そして、インナーチューブ221は、軸方向においてアウターチューブ211に対して相対的に移動する。
ボトムピース223は、図7に示すように、インナーチューブ221の一端側に配置される。ボトムピース223は、内側にロッド部材321(後述)が貫通する開口を有する環形状をしている。
上述したように本実施形態の第2フロントフォーク11Bは、倒立型フロントフォークである。よってアウターチューブ部210は、インナーチューブ部220の半径方向外側に配置されている。
内筒部30Bは、図5に示すように、シリンダ部310と、ロッド部320とを備えている。
シリンダ部310は、シリンダ311、ロッドガイド312、ブッシュ313、ストッパ314、およびフォークボルト部315を有する。そして、シリンダ部310は、アウターチューブ211およびインナーチューブ221の間にガスを収容する外側室R3(第3室)を形成する。
シリンダ311は、アウターチューブ211及びインナーチューブ221の半径方向内側に設けられ、筒状の形状をとる。本実施形態では、シリンダ311は、車体側に配され、後述するシリンダ保持部315Cの内周に挿入されて螺着されることで保持される。シリンダ311については、後で詳述する。
ロッドガイド312は、図6に示すように、シリンダ311の一端側の端部に位置し、シリンダ311の端部に固定される。また、ロッドガイド312は、貫通孔312Hにロッド部材321(後述)が貫通して設けられ、軸方向にスライド可能に支持する。
フォークボルト部315は、図5に示すように、フォークボルト315Bと、シリンダ保持部315Cとを有する。さらに図8に示すように、フォークボルト部315は、内側ガス圧調整部315A1と外側ガス圧調整部315A2とを有する。
フォークボルト315Bは、シリンダ保持部315Cの他端側を閉塞する。
シリンダ保持部315Cは、円筒形状をなし、アウターチューブ211の内周に挿入されて螺着される。内側ガス圧調整部315A1は、内側第2室R2(後述)に連通する。内側ガス圧調整部315A1は、基本的には内側から第2フロントフォーク11Bの外側へのガスの流出を阻止するとともに、調整時においては内側第2室R2(後述)の封入ガス圧を調整可能にする。外側ガス圧調整部315A2は、外側室R3に連通する。外側ガス圧調整部315A2は、基本的には内側から第2フロントフォーク11Bの外側へのガスの流出を阻止するとともに、調整時においては外側室R3の封入ガス圧を調整可能にする。
ロッド部320は、図6に示すように、ロッド部材321と、ピストン322と、ピストンリング323と、シール部材324とを備える。
ロッド部材321は、軸方向に沿って延びる棒状の部材である。本実施形態では、ロッド部材321は、インナーチューブ221側に固定される。また、ロッド部材321は、内側に、軸方向の一端から他端まで延びた貫通孔であるロッド内室321R(第1の空間部)が形成され、中空状となっている。
ロッド部材321は、ボトムボルト431を介して車軸ブラケット部40Bに固定される。
ロッド部材321は、図6に示すように、他端側にピストン322を保持する。さらに、ロッド部材321は、内側にてロッド内室321Rの他端側においてピストン322の孔部322H(後述)に接続する。また、ロッド部材321のロッド内室321Rは、後述するように、孔部322Hおよび連絡孔322Rを介して内側第1室R1に連通する。この内側第1室R1は、シリンダ311、ロッド部材321、ピストン322およびロッドガイド312の間の空間であり、第2の空間部として機能する。
ロッド部材321は、アウターチューブ211及びインナーチューブ221の半径方向内側に位置し、アウターチューブ211とインナーチューブ221との移動に伴ってシリンダ311の軸方向に相対的に移動する。
ピストン322は、図6に示すように、ロッド部材321に保持される。そして、ピストン322は、内側に孔部322Hおよび連絡孔322Rを有している。
連絡孔322Rは、一方の開口がロッド内室321Rに接続し、他方の開口がピストン322の外周部まで延びて形成される。そして、連絡孔322Rは、ロッド内室321Rと後述の内側第1室R1とを連通する。
本実施形態では、ピストン322、ピストンリング323およびシール部材324によって、シリンダ311内の気室を区画する。具体的には、ピストン322の一端側であるロッド部材321側に内側第1室R1(第1室)を形成し、ピストン322の他端側に内側第2室R2(第2室)を形成する。
ピストン322は、ロッド部材321の車体側の端部に固定されると共にシリンダ311の軸方向に移動可能にシリンダ311に接触して設けられ、シリンダ311内の空間を区画する第1の区画部材として機能する。
車軸ブラケット部40Bは、図7に示すように、チューブ保持部41と、車軸連結部42と、ロッド保持部43と、サブタンク装着部44とを有する。
チューブ保持部41は、インナーチューブ221の外径と略同じ内径を有し、インナーチューブ221の一端側の端部が挿入される。
車軸連結部42は、車輪14の車軸14S(図1参照)が挿入される車軸孔42Hを有し、車軸ボルト42Bによって、車輪14の車軸14Sを締め付け可能である。
ロッド保持部43は、ボトムボルト431、ボトムボルト孔432およびカバー433を有する。
ボトムボルト431は、肉厚の円筒形状を有し、ボトムボルト孔432は、ボトムボルト431と接続する。
カバー433は、ロッド保持部43の一端側の端部に位置して、ボトムボルト431を覆う。カバー433は、ボトムボルト孔432の内側に固定される。またカバー433には、連絡孔433Hが形成されており、この連絡孔433Hによりロッド部材321の一端側と後述する下部タンク室SLとが接続される。即ち、連絡孔433Hによりロッド内室321Rと下部タンク室SLとが連通する。
サブタンク装着部44は、円筒状部441と、接続部442とを有する。
円筒状部441は、他端側においてサブタンク部50Bを装着し保持する。
接続部442は、後述するサブタンク部50B内部の空間部をロッド保持部43の連絡孔433Hに接続する。
サブタンク部50Bは、アウターチューブ211およびインナーチューブ221の外部に設けられる。サブタンク部50Bは、図7に示すように、円筒部材51とバルブ部52とを有する。
円筒部材51は、円筒形状を有し、サブタンク装着部44の内側に保持される。
バルブ部52は、円筒部材51の内側に配置される。
以上のようなサブタンク部50Bは、円筒部材51およびバルブ部52の内部の空間である上部タンク室SU(第3の空間部)を形成する。そして接続部442の内部の空間である下部タンク室SL(第4の空間部)とともにサブタンク室Sを形成する。
下部タンク室SLは、上述のように連絡孔433Hによりロッド内室321Rと連通する。さらにロッド内室321Rは、連絡孔322Rおよび孔部322Hを介して、内側第1室R1と連通する。すなわち、内側第1室R1、ロッド内室321Rおよびサブタンク室Sとは全てガスが相互に流通可能に接続している。
バルブ部52は、基本的には内側から第2フロントフォーク11Bの外側へのガスの流出を阻止するとともに、調整時においてはロッド内室321Rを介して内側第1室R1の封入ガス圧を調整可能にする。
第2フロントフォーク11Bの圧側行程においては、図9(a)に示すように、アウターチューブ211とインナーチューブ221とが軸方向において相対的に近づく方向に移動する。また、シリンダ311の他端側に向けてピストン322およびロッド部材321が軸方向に相対的に近づく方向に移動する。
第2フロントフォーク11Bの伸側行程においては、図9(b)に示すように、アウターチューブ211とインナーチューブ221とが軸方向において相対的に遠ざかる方向に移動する。また、シリンダ311の一端側に向けてピストン322およびロッド部材321の他端側が軸方向に相対的に近づく方向に移動する。
次に第1フロントフォーク11Aのシリンダ151、および第2フロントフォーク11Bのシリンダ311について詳述する。
また図11(a)は、シリンダ311と、シリンダ保持部315C、およびピストン322との位置関係を示した図である。さらに図11(b)は、シリンダ151と、シリンダ保持部132、ピストン192、およびピストン182との位置関係を示した図である。
本実施形態のシリンダ151、311は、軸方向において、外周側に脆弱部を有する。具体的には、例えば、外径が端部よりも小径部分となっている箇所を設け、この箇所を脆弱部とする。図示する例では、シリンダ151、311は、軸方向において、内径は同一径であるとともに外径に端部よりも小径部分を有する。ここで端部とは、一端側および他端側の双方であり、図示する例では、位置N1より他端側(車体側)および位置N2より一端側(車輪14側)の範囲である。また中間部とは、端部以外の箇所であり、図示する例では、軸方向における位置N1〜位置N2の範囲である。この構造は、もともと円筒形であったシリンダの外周面を軸方向の位置N1〜位置N2の範囲において、切削等により肉抜きすることで得ることができる。
図12(a)〜(b)は、本実施形態のシリンダ311の構成を採用しなかった場合と、採用した場合とで、懸架ばね装置である第2フロントフォーク11Bの反力特性を比較した図である。図12(a)〜(b)では、横軸がストローク量を表し、縦軸が荷重を表す。
このうち図12(a)は、本実施形態のシリンダ311の構成を採用しなかった場合の反力特性を示し、図12(b)は、本実施形態のシリンダ311の構成を採用した場合の反力特性を示している。なお本実施形態のシリンダ311の構成を採用しなかった場合とは、上述した従来のシリンダであり、内径が他端側では大きく、一端側では小さくしたものを使用した場合である。
また減衰装置である第1フロントフォーク11A側のピストン側油室T4も同様に高圧になるとフリクションが上がる、また熱などによっても圧力変化するため第2フロントフォーク11Bと同様にフリクション変化がある。よってシリンダ151のピストン182の摺動部(移動箇所)が膨らむのを抑制するため、第2フロントフォーク11Bと同様にシリンダ内径を大きくし、外径の小さい部分を作ることは有効である。
反力特性は、図示するように略平行四辺形の形状のループを描く。そしてフリクションがより大きい場合は、この略平行四辺形の面積はより大きくなり、フリクションがより小さい場合は、この略平行四辺形の面積はより小さくなる。
このうち図13(a)は、本実施形態のシリンダ311の構成を採用しなかった第2フロントフォーク11B、本実施形態のシリンダ311の構成を採用した第2フロントフォーク11B、および金属ばねを使用した懸架装置について反力特性を比較している。また図13(b)は、図13(a)の一部を拡大した図である。
Claims (8)
- 減衰機構および懸架ばねの少なくとも一方を内蔵する一対の懸架装置を備え、車両のハンドルと車輪との間を接続する懸架装置は、
管状に形成され車体側に位置する車体側部材と、
管状に形成されて車輪側に位置すると共に前記車体側部材に接続し、前記車体側部材の軸方向において前記車体側部材に対して相対的に移動する車輪側部材と、
前記車体側部材及び前記車輪側部材の内側に設けられ、軸方向において、外周側に脆弱部を有する筒状のシリンダと、
前記車体側部材及び前記車輪側部材の内側に位置し、前記車体側部材と前記車輪側部材との移動に伴って前記シリンダの軸方向に相対的に移動するロッド部材と、
前記ロッド部材の端部に固定されると共に前記シリンダの軸方向に移動可能に前記シリンダに接触して設けられ、前記シリンダ内の空間を区画する第1の区画部材と、
を備える懸架装置。 - 前記シリンダは、前記第1の区画部材の移動範囲以外の箇所で前記脆弱部を有する請求項1に記載の懸架装置。
- 前記シリンダは、車体側に配され、前記シリンダの車体側の箇所で前記脆弱部を有する請求項1または2に記載の懸架装置。
- 前記シリンダの前記脆弱部は、外径が端部よりも小径部分となっている箇所である請求項1乃至3の何れか1項に記載の懸架装置。
- 前記一対の懸架装置の各々は、軸方向において、内径は同一径であるとともに外径に同じ箇所で小径部分を有する請求項4に記載の懸架装置。
- 前記第1の区画部材に対し軸方向において前記シリンダが配される側に配され、前記シリンダ内の空間を区画し、前記車体側部材と前記車輪側部材とが相対的に移動することで生ずる振動を減衰させる減衰機構を有する第2の区画部材を更に備え、
前記第1の区画部材は、減衰機構を有し、
前記シリンダは、軸方向において、前記第2の区画部材に対し前記シリンダが配される側において外周側に前記脆弱部を有する請求項1乃至5の何れか1項に記載の懸架装置。 - 前記一対の懸架装置は、一方が減衰機構を内蔵するとともに懸架ばねを内蔵せず、他方が懸架ばねを内蔵するとともに減衰機構を内蔵しない請求項1乃至6の何れか1項に記載の懸架装置。
- 管状に形成され車体側に位置する車体側部材と、
管状に形成されて車輪側に位置すると共に前記車体側部材に接続し、前記車体側部材の軸方向において前記車体側部材に対して相対的に移動する車輪側部材と、
前記車体側部材及び前記車輪側部材の内側に設けられ、軸方向において、外周側に脆弱部を有する筒状のシリンダと、
前記車体側部材及び前記車輪側部材の内側に位置し、前記車体側部材と前記車輪側部材との移動に伴って前記シリンダの軸方向に相対的に移動するロッド部材と、
前記ロッド部材の端部に固定されると共に前記シリンダの軸方向に移動可能に前記シリンダに接触して設けられ、前記シリンダ内の空間を区画し、前記車体側部材と前記車輪側部材とが相対的に移動することで生ずる振動を減衰させる減衰機構を有する第1の区画部材と、
前記第1の区画部材に対し軸方向において前記シリンダが配される側に配され、前記シリンダ内の空間を区画し、減衰機構を有する第2の区画部材と、
前記第2の区画部材に対し軸方向において前記シリンダが配される側に配され、前記シリンダ内の空間を区画するとともに、前記ロッド部材の移動に伴って前記シリンダ内を軸方向に移動する第3の区画部材と、
を備える懸架装置。
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