JP5970386B2 - フロントフォークのスプリング脚 - Google Patents
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Description
(a)スプリング脚は、圧側行程で圧縮される内側空気ばね室により空気ばねを形成する。内側空気ばね室の空気ばねのばね力F1は車体側チューブと車軸側チューブを伸長させる方向に付勢する。
(b)スプリング脚は、内側空気ばね室と同様に、圧側行程で圧縮される外側空気ばね室による空気ばねも形成する。内側空気ばね室の空気ばねのばね力F1と、外側空気ばね室の空気ばねのばね力F2と、リバウンド空気ばね室の空気ばねのばね力F3が、それらの総和となる合成ばね力Fを生ずるものになる。
(c)前記サブタンクが車体側チューブと車軸側チューブの外部に設けられる。従って、車体側チューブと車軸側チューブのサイズに関係なく、一定容積の空気室を備えたサブタンクをそれらの外部に確保でき、ひいてはリバウンド空気ばね室の容積を簡易に拡大できる。
(d)前記サブタンクが車軸側チューブの下端部に取付けた車軸ブラケットに設けられる。車軸ブラケットにガイドロッドが立設されるとき、サブタンクの空気室は、車軸側チューブに設けた連通路、ガイドロッドに設けた中空部、ガイドに設けた連通孔を介して、リバウンド空気ばね室に簡易に連通するものになる。
(e)前記サブタンクの全体が車軸ブラケットにおける車軸側チューブの取付部より、車体中心寄りに配置される。サブタンクの全体が車体前方から視て車体外側に飛び出ないから、進行方向にある障害物との衝突による損傷を防止でき、空気ばねによる緩衝機能の信頼性を確保できる。
(f)前記サブタンクの底部が車軸ブラケットの下端面より上方に配置される。サブタンクの底部が路面等と衝突して損傷するおそれを防止でき、空気ばねによる緩衝機能の信頼性を確保できる。
(g)前記サブタンクの開口部にプラグボルトが封着され、該プラグボルトのフランジ部が該サブタンクの開口部の端面を被う。サブタンクの開口部の端面が飛石等と衝突して損傷するおそれを防止でき、空気ばねによる緩衝機能の信頼性を確保できる。
(h)前記サブタンクが空気室の圧力を調整する給排気バルブを備えるとともに、該給排気バルブを被うバルブカバーを備える。給排気バルブによりリバウンド空気ばね室の空気圧力を設定替えし、乗車時のフロントフォークの全長、ひいては乗車高さ姿勢を設定替えできる。また、バルブカバーにより、給排気バルブが飛石等と衝突して損傷するおそれを防止でき、空気ばねによる緩衝機能の信頼性を確保できる。
尚、給排気バルブを上向き配置することにより、操作性を向上することもできる。
(i)前記サブタンクが空気室の容積を調整する容積調整装置を備える。容積調整装置によりサブタンクの容積を調整し、ひいてはリバウンド空気ばね室の容積を調整することにより、リバウンド空気ばね室の圧縮比を調整できる。これにより、伸側行程の伸切付近で、伸縮ストロークに対するリバウンド反力の傾きを調整し、例えばタイヤが路面に衝突したときに車軸側チューブが車体側チューブに進入する速度を調整し、乗車フィーリングを向上できる。
尚、容積調整装置を上向き配置することにより、操作性を向上することもできる。
(j)前記サブタンクの全体を被う保護カバーが車軸ブラケットに取付けられる。悪路走行時に、サブタンクが進行方向にある障害物等との引っかかりを防止できる。保護カバーは、サブタンクだけでなく、車軸側チューブを併せ被って保護することもできる。
(k)前記サブタンクが車体側チューブと車軸側チューブの内部に設けられる。従って、車体側チューブと車軸側チューブの外部の構成に関係なく、一定容積の空気室を備えたサブタンクをそれらの内部に確保でき、ひいてはリバウンド空気ばね室の容積を簡易に拡大できる。
(l)前記サブタンクがリバウンド空気ばね室を区画するガイドロッドのガイドに設けられる。従って、サブタンクの空気室がリバウンド空気ばね室に簡易に連通される。
(m)前記サブタンクがリバウンド空気ばね室に囲まれるガイドロッドに設けられる。従って、サブタンクの空気室がリバウンド空気ばね室に簡易に連通される。
(n)前記サブタンクが空気室の圧力を調整する給排気バルブを備える。給排気バルブによりリバウンド空気ばね室の空気圧力を設定替えし、乗車時のフロントフォークの全長、ひいては乗車高さ姿勢を設定替えできる。
(o)前記サブタンクが車体側チューブと車軸側チューブの外部と内部の双方に設けられる。車体側チューブと車軸側チューブの内外に設けられるサブタンクにより、それらのサブタンクが形成する空気室の全容積を拡大し、リバウンド空気ばね室の容積を一層拡大できる。
図1〜図4に示したスプリング脚10は、自動二輪車等のフロントフォークの左右の脚の少なくとも一方を構成し、ダンパと金属ばねからなる懸架ばねを内蔵せず、空気ばねからなる懸架ばねを内蔵する。このとき、フロントフォークの左右の脚の他方は、ダンパを内蔵し、懸架ばねを内蔵しないダンパ脚からなる。但し、他方の脚は、スプリング脚10と同様のスプリング脚であっても良い。
容積調整装置90は、図5に示す如く、サブタンク80における縦室81Aの上方に臨む開口部に螺着されたキャップ82の中央部に、アジャスタボルト91をシール部材82Bにより密封して螺着する。アジャスタボルト91は外界に臨む上端部に外周に張り出る上向きの操作グリップ91Aを備え、空気室81に挿入された先端部にシール部材92Aを介して挿着されたピストン92を備える。ピストン92は、止め輪93により固定され、縦室81Aの内周面に摺接するシール部材92Bを備える。また、アジャスタボルト91の中央孔部には給排気バルブ94がシール部材94Aを介して密封されて螺着される。アジャスタボルト91の中央開口部には、給排気バルブ94を被うバルブカバー95がシール部材95Aを介して螺着されている。バルブカバー95は外端フランジ部95F(図5)をアジャスタボルト91における操作グリップ91Aの内周側段差部に嵌着され、外面の中心まわりに放射状に刻設された回転操作溝95G(図5)を備える。
(a)スプリング脚10は、圧側行程で圧縮される内側空気ばね室50により空気ばねを形成する。内側空気ばね室50の空気ばねのばね力F1は車体側チューブ11と車軸側チューブ12を伸長させる方向に付勢する。
尚、給排気バルブ94を上向き配置することにより、操作性を向上することもできる。
尚、容積調整装置90を上向き配置することにより、操作性を向上することもできる。
(k)前記サブタンク110が車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内部に設けられる。従って、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の外部の構成に関係なく、一定容積の空気室111を備えたサブタンク110をそれらの内部に確保でき、ひいてはリバウンド空気ばね室70の容積を簡易に拡大できる。
実施例2のスプリング脚200が実施例1のスプリング脚10と異なる点は、更なるサブタンク210を車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内部に設けたことにある。
(i)前記サブタンク110、210が車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内部に設けられる。従って、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の外部の構成に関係なく、一定容積の空気室111、211を備えたサブタンク110、210をそれらの内部に確保でき、ひいてはリバウンド空気ばね室70の容積を簡易に拡大できる。
実施例3のスプリング脚300が実施例2のスプリング脚200と異なる点は、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の外部のサブタンク80を撤去したことにある。即ち、スプリング脚300は、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内部にサブタンク110、210を設けたものである。
実施例4のスプリング脚400が実施例3のスプリング脚300と異なる点は、サブタンク110、210の空気室111、211の圧力を調整するための給排気バルブ310を撤去したことにある。
実施例5のスプリング脚500が実施例2のスプリング脚100と異なる点は、ガイドロッド22の先端ガイド23に設けたサブタンク210に代わるサブタンク510を車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内部に設けたことにある。
実施例6のスプリング脚600が実施例1のスプリング脚10と異なる点は、リバウンド空気ばね室70の容積を拡大したことにある。即ち、ガイドロッド22の先端部にガイド23に設けるとともに、この先端ガイド23から軸方向に一定長さだけ離隔するガイドロッド22の中間部にストッパカラー610を設けた。ガイドシリンダ21に対してガイドロッド22及び先端ガイド23が伸長ストロークした伸切ストローク端で、ガイドロッド22に止め輪611で係止されているストッパカラー610がロッドガイド36の側のゴムストッパ72Bに衝合する。先端ガイド23がゴムストッパ72Bに直に衝合するものに比して、ガイドシリンダ21の内部で、ロッドガイド36と先端ガイド23とに挟まれて区画されるリバウンド空気ばね室70の容積が、先端ガイド23〜ストッパカラー610の離隔長さ分だけ拡大される。
11 車体側チューブ
12 車軸側チューブ
21 ガイドシリンダ
22 ガイドロッド
23 先端ガイド
32 車軸ブラケット
32A 嵌合部
36 ロッドガイド
40 懸架ばね
50 内側空気ばね室
60 外側空気ばね室
70 リバウンド空気ばね室
80 サブタンク
81 空気室
83 プラグボルト
83F フランジ部
90 容積調整装置
94 給排気バルブ
100 保護カバー
110 サブタンク
111 空気室
200 スプリング脚
210 サブタンク
211 空気室
300 スプリング脚
310 給排気バルブ
400 スプリング脚
500 スプリング脚
510 サブタンク
511 空気室
600 スプリング脚
Claims (15)
- 金属ばねからなる懸架ばねを内蔵せず、空気ばねからなる懸架ばねを内蔵するフロントフォークのスプリング脚であり、
車体側チューブと車軸側チューブを互いに挿入し、ガイドシリンダを車体側チューブと車軸側チューブの一方の内部の中央に設け、車体側チューブと車軸側チューブの他方の内部の中央に設けたガイドロッドのガイドをガイドシリンダに挿入してなり、
ガイドシリンダの内部にガイドロッドのガイドが区画する内側空気ばね室を有し、
ガイドシリンダの内部で、ガイドシリンダに設けられてガイドロッドを挿入かつ支持するロッドガイドと、ガイドシリンダに挿入されたガイドロッドのガイドとに挟まれて区画されるリバウンド空気ばね室を有してなるフロントフォークのスプリング脚であって、
リバウンド空気ばね室に連通する空気室を備えたサブタンクが設けられてなるフロントフォークのスプリング脚。 - 前記車体側チューブと車軸側チューブがガイドシリンダにおける内側空気ばね室の外側に区画する外側空気ばね室を有してなる請求項1に記載のフロントフォークのスプリング脚。
- 前記サブタンクが車体側チューブと車軸側チューブの外部に設けられてなる請求項1又は2に記載のフロントフォークのスプリング脚。
- 前記サブタンクが車軸側チューブの下端部に取付けた車軸ブラケットに設けられてなる請求項3に記載のフロントフォークのスプリング脚。
- 前記サブタンクの全体が車軸ブラケットにおける車軸側チューブの取付部より、車体中心寄りに配置されてなる請求項4に記載のフロントフォークのスプリング脚。
- 前記サブタンクの底部が車軸ブラケットの下端面より上方に配置されてなる請求項4又は5に記載のフロントフォークのスプリング脚。
- 前記サブタンクの開口部にプラグボルトが封着され、該プラグボルトのフランジ部が該サブタンクの開口部の端面を被う請求項4〜6のいずれかに記載のフロントフォークのスプリング脚。
- 前記サブタンクが空気室の圧力を調整する給排気バルブを備えるとともに、該給排気バルブを被うバルブカバーを備えてなる請求項4〜7のいずれかに記載のフロントフォークのスプリング脚。
- 前記サブタンクが空気室の容積を調整する容積調整装置を備えてなる請求項4〜8のいずれかに記載のフロントフォークのスプリング脚。
- 前記サブタンクの全体を被う保護カバーが車軸ブラケットに取付けられてなる請求項4〜9のいずれかに記載のフロントフォークのスプリング脚。
- 前記サブタンクが車体側チューブと車軸側チューブの内部に設けられてなる請求項1又は2に記載のフロントフォークのスプリング脚。
- 前記サブタンクがガイドロッドのガイドに設けられてなる請求項11に記載のフロントフォークのスプリング脚。
- 前記サブタンクがガイドロッドに設けられてなる請求項11に記載のフロントフォークのスプリング脚。
- 前記サブタンクが空気室の圧力を調整する給排気バルブを備えてなる請求項11〜13のいずれかに記載のフロントフォークのスプリング脚。
- 前記サブタンクが車体側チューブと車軸側チューブの外部と内部の双方に設けられてなる請求項1又は2に記載のフロントフォークのスプリング脚。
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