JP2003269521A - 自動二輪車のフロントフォーク - Google Patents
自動二輪車のフロントフォークInfo
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Abstract
ロントフォークの沈み込みを抑え、ブレーキング後のコ
ーナリング中の旋回時に車高を低くし、コーナリング中
の加速時にフロントフォークが伸びないようにしてアン
ダステアになることを抑える、スプリング特性を備える
フロントフォークにおいて、スプリング特性の挙動の安
定を図り、車両の走行安定性を向上すること。 【解決手段】 ダンパシリンダ21の外周に油溜室31
を形成し、油溜室31にフリーピストン70を摺動自在
に設け、フリーピストン70を下部油室65の側に付勢
するスプリング74を設け、フリーピストン70が圧縮
行程時に一定以上ストロークしたときに下部油室65を
油溜室31に連通させるようにしたフロントフォーク1
0において、前記フリーピストン70をダンパシリンダ
21と隔壁シリンダ60との間に設けるようにし、隔壁
シリンダ60の上部をダンパシリンダ21に取付け、隔
壁シリンダ60の下部を車軸側チューブ12の内周との
間に隙間をおいて設けるもの。
Description
トフォークに関する。
では、ブレーキング時に大きなスプリング反力でフロン
トフォークの沈み込みを抑え、ブレーキング後のコーナ
リング中の旋回時に車高を低くし、コーナリング中の加
速時にフロントフォークが伸びないようにしてアンダス
テアになることを抑える、スプリング特性を備える必要
がある。
トフォークとして、特開2001-349367に記載の如く、車
体側チューブ内に車軸側チューブを摺動自在に挿入し、
前記車軸側チューブ内にダンパシリンダを立設し、該ダ
ンパシリンダ内に、先端部にピストンを取付けたピスト
ンロッドを摺動自在に挿入し、該ピストンロッドの基端
部を前記車体側チューブに取付け、前記ダンパシリンダ
内に前記ピストンロッドが収容されるピストンロッド側
油室と、ピストンロッドが収容されないピストン側油室
を形成し、前記ダンパシリンダの外周に、前記ピストン
側油室と連通し、上部を空気室とした油溜室を形成し、
該油溜室に、フリーピストンを摺動自在に設け、該フリ
ーピストンの下部に前記ピストン側油室と連通する下部
油室を区画し、前記フリーピストンを前記下部油室の側
に付勢するスプリングを設け、前記フリーピストンが、
圧縮行程時に、一定以上ストロークしたときに、前記下
部油室を前記油溜室に連通させるようにし、前記フリー
ピストンの下部油室と前記油溜室との間に、該下部油室
から前記油溜室への流れを阻止するチェック弁を設けた
ものがある。
シリンダと車軸側チューブとの間に環状の油溜室を設
け、この環状の油溜室内にフリーピストンを設けてい
る。しかしながら、加工組立上、車体側チューブと車軸
側チューブの同芯度を出しにくい。また、車軸側チュー
ブの曲がりとダンパシリンダの曲がりが同一でなく、両
者間の環状の間隔(油溜室)が一定しない。このため、
フリーピストンの摺動が円滑でない。
スプリング反力でフロントフォークの沈み込みを抑え、
ブレーキング後のコーナリング中の旋回時に車高を低く
し、コーナリング中の加速時にフロントフォークが伸び
ないようにしてアンダステアになることを抑える、スプ
リング特性を備えるフロントフォークにおいて、スプリ
ング特性の挙動の安定を図り、車両の走行安定性を向上
することにある。
側チューブ内に車軸側チューブを摺動自在に挿入し、前
記車軸側チューブ内にダンパシリンダを立設し、該ダン
パシリンダ内に、先端部にピストンを取付けたピストン
ロッドを摺動自在に挿入し、該ピストンロッドの基端部
を前記車体側チューブに取付け、前記ダンパシリンダ内
に前記ピストンロッドが収容されるピストンロッド側油
室と、ピストンロッドが収容されないピストン側油室を
形成し、前記ダンパシリンダの外周に、前記ピストン側
油室と連通し、上部を空気室とした油溜室を形成し、該
油溜室に、フリーピストンを摺動自在に設け、該フリー
ピストンの下部に前記ピストン側油室と連通する下部油
室を区画し、前記フリーピストンを前記下部油室の側に
付勢するスプリングを設け、前記フリーピストンが、圧
縮行程時に、一定以上ストロークしたときに、前記下部
油室を前記油溜室に連通させるようにし、前記フリーピ
ストンの下部油室と前記油溜室との間に、該下部油室か
ら前記油溜室への流れを阻止するチェック弁を設けた自
動二輪車のフロントフォークにおいて、前記ダンパシリ
ンダの下部外周に隔壁シリンダを設け、該隔壁シリンダ
の上部を前記ダンパシリンダに取付け、該隔壁シリンダ
の下部を前記車軸側チューブ内周との間に隙間をおいて
設けるとともに、該隔壁シリンダの下部と前記車軸側チ
ューブ側との間にシール部材を介装し、該隔壁シリンダ
と前記ダンパシリンダとの間に、前記フリーピストンを
設けたものである。
て更に、前記隔壁シリンダに、前記チェック弁を設けた
ものである。
て更に、前記隔壁シリンダに段部を設け、該段部の下部
を大径シリンダ部に形成し、該大径シリンダ部外周と前
記車軸側チューブ内周との間に前記隙間を設け、該段部
に前記チェック弁を設けたものである。
面図、図2は図1の下部断面図、図3は図2の要部拡大
図、図4は上隔壁シリンダを示す断面図、図5は下隔壁
シリンダを示す断面図、図6はセンターガイドを示す断
面図、図7はフリーピストンを示す断面図である。
輪車のフロントフォークとして用いられるものであり、
図1、図2に示す如く、車体側チューブ11と車軸側チ
ューブ12を液密に摺動自在に嵌合して構成される。車
体側チューブ11の下端内周にはブッシュ13が、車体
側チューブ11の上端側内周にはブッシュ14が設けら
れている。
キャップ16を液密に着脱自在に設け、車体側チューブ
11に車体側取付部を備える。車軸側チューブ12は下
端部にボトムブラケット18を液密に固定し、ボトムブ
ラケット18に車軸側取付部19を備える。
ト18の内部に固定したダンパシリンダ21を車軸側チ
ューブ12の内部に立設している。ダンパシリンダ21
は、ボトムブラケット18の底部に挿着したセンターボ
ルト22により固定されている。フロントフォーク10
は、キャップ16の中央部にばね荷重調整スリーブ23
を液密に螺着し、車体側チューブ11の内部に挿入され
たばね荷重調整スリーブ23の下端部に中空ピストンロ
ッド24を固定的に支持する。ピストンロッド24は、
ダンパシリンダ21の上端部に設けたロッドガイド25
を摺動自在に貫通してダンパシリンダ21の内部の油室
27に挿入され、その挿入端にピストン26を備える。
ピストン26はダンパシリンダ21の内面を上下に摺接
する。油室27は、ピストン26により、ピストンロッ
ド24が挿入されている側のピストンロッド側油室27
Aと、ピストンロッド24が挿入されていない側のピス
トン側油室27Bに区画される。
11と車軸側チューブ12の間の空間を油溜室31と
し、油溜室31の上部を空気室32とし、この空気室3
2を前述のキャップ16で閉じている。油溜室31はサ
ブタンク33を介してピストン側油室27Bと連通す
る。32Aは後述する減衰力調整ロッド44に設けた空
気バルブである。
12の下端部に固定した前述のボトムブラケット18に
サブタンク33を連設し、油溜室21のピストン側油室
27Bとサブタンク33の下部油室34を、センターボ
ルト22に設けた油路22Aと、ボトムブラケット18
に設けた油路34Aにより連通し、油溜室31とサブタ
ンク33の上部油室35Bを、ボトムブラケット18に
設けた油路35Aにより連通している。
設けた前述のばね荷重調整スリーブ23に支持されて昇
降する複数の部材の結合からなるスプリングカラー37
を有し、スプリングカラー37によりバックアップされ
る上スプリングシート38Aと、ダンパシリンダ21の
外周に固定した下スプリングシート38Bとの間に懸架
スプリング39を介装している。
39のばね反力と、空気室32の空気ばねによるばね反
力により、車両走行時に路面から受ける衝撃力を緩衝す
る。
39と、空気室32の空気ばねの伸縮振動を制振するた
め、ピストンバルブ装置(伸側減衰力調整装置)40
と、ボトムバルブ装置(圧側減衰力調整装置)50を有
している。
ダ21の内面を摺接するピストン26に、ピストンロッ
ド側油室27Aとピストン側油室27Bを連通可能にす
る伸側流路41(不図示)と圧側流路42を有し、伸側
流路41を伸側減衰バルブ41Aにより開閉可能とし、
圧側流路42を圧側減衰バルブ42Aにより開閉可能と
する。圧側減衰バルブ42Aはばね受42Bを介して、
ピストンロッド24に係止されたバルブスプリング42
Cによりバックアップ支持されている。また、ピストン
バルブ装置40は、ピストン26をバイパスしてピスト
ンロッド側油室27Aとピストン側油室27Bを連通可
能とするバイパス流路43を有し、バイパス流路43を
ニードルバルブ43Aにより開閉可能とする。このと
き、キャップ16に設けたばね荷重調整スリーブ23の
中央に減衰力調整ロッド44を螺着し、減衰力調整ロッ
ド44をピストンロッド24の中空部に挿通し、その挿
通端に上述のニードルバルブ43Aを備える。
の開口部51にキャップ52を螺着し、サブタンク33
の上部油室35に臨むキャップ52の下端面に支持ボル
ト53を螺着し、支持ボルト53の先端部にボトムピー
ス54を固定している。ボトムピース54は下部油室3
4と上部油室35を区画する。ボトムピース54は、下
部油室34と上部油室35を連通可能にする圧側流路5
5と伸側流路56を有し、圧側流路55を圧側減衰バル
ブ55Aにより開閉可能にし、伸側流路56をチェック
バルブ56Aにより開閉可能とする。また、ボトムバル
ブ装置50は、ボトムピース54をバイパスして下部油
室34と上部油室35を連通可能にするバイパス油路5
7を有し、バイパス油路57をニードルバルブ57Aに
より開閉可能とする。このとき、キャップ52に減衰力
調整ロッド58を螺着し、減衰力調整ロッド58を支持
ボルト53の中央部に挿通し、その挿通端に上述のニー
ドルバルブ57Aを備える。
ンダ21の内部で、ロッドガイド25とピストン26の
間に介装したリバウンドスプリング45により最伸長時
の緩衝をなす。
リンダ21の外部で、ピストンロッド24の外周に固定
したストッパラバー46を、ロッドガイド25に衝合す
ることにより、最圧縮時の緩衝をなす。
ブレーキング時に大きなスプリング反力でフロントフォ
ークの沈み込みを抑え、ブレーキング後のコーナリング
中の旋回時に車高を低くし、コーナリング中の加速時に
フロントフォークが伸びないようにしてアンダステアに
なることを抑える、スプリング特性を備えるため、以下
の構成を具備する(図3〜図7)。
21の下部外周に隔壁シリンダ60を設け、隔壁シリン
ダ60の上部をダンパシリンダ21に取付け、隔壁シリ
ンダ60の下部を車軸側チューブ12の内周との間に小
隙間gをおいて設けるとともに、隔壁シリンダ60の下
部と車軸側チューブ12との間にシール部材64を介装
している。隔壁部材60とダンパシリンダ21の間の環
状空間は前述の油溜室31の一部を構成するものであ
り、この環状空間にフリーピストン70を摺動自在に設
け、フリーピストン70の下部に、ボトムブラケット1
8の油路34A、35A、サブタンク33の油室34、
35を介してピストン側油室27Bと連通する下部油室
65を区画している。
シリンダ61(図4)と下隔壁シリンダ62(図5)を
互いに螺合して一本化したものであり、上隔壁シリンダ
61の上端部をダンパシリンダ21の外周に設けたフラ
ンジ21Aに螺着して取付ける。上隔壁シリンダ61は
上部に貫通口61Aを備え、その内外を油溜室31とす
る。下隔壁シリンダ62は中間部に段部62Aを備え、
段部62Aの下部を大径シリンダ部62Bとし、大径シ
リンダ部62Bの外周と車軸側チューブ12の内周との
間に前記小隙間gを設ける。このとき、ボトムブラケッ
ト18に対する車軸側チューブ12の嵌合固定部におい
て、車軸側チューブ12の下端部とボトムブラケット1
8の間にはセンタガイド63(図6)のフランジ63A
が挟持され、センタガイド63のフランジ63Aから立
上っているガイド筒63Bの外周のリング溝63Cには
Oリングからなるシール部材64が嵌着され、このセン
タガイド63のシール部材64と車軸側チューブ12の
内周との間に隔壁シリンダ60の下部(下隔壁シリンダ
62の大径シリンダ部62B)が挿着される。隔壁シリ
ンダ60の下部は、車軸側チューブ12との間の小隙間
gをシール部材64によって下部油室65に対し封止さ
れた状態で、小隙間gの範囲内で径方向に浮動自在にさ
れる。
如く、外周リング溝70AにOリング71を、内周リン
グ溝70BにOリング72を嵌着される。フリーピスト
ン70は、隔壁シリンダ60の下隔壁シリンダ62が備
えるストッパ部62Cに底付きする最下端位置から隔壁
シリンダ60とダンパシリンダ21の間の環状空間を上
動し、Oリング71を全移動範囲において隔壁シリンダ
60の内周に摺接するとともに、Oリング72を全移動
範囲のうちの上端部を除く範囲でダンパシリンダ21の
外周に摺接する。フリーピストン70は全移動範囲のう
ちの上端部で、ダンパシリンダ21の外周に設けた縮径
部73にOリング72が達したとき、Oリング72と縮
径部73の間にブロー流路(下部油室65と油溜室31
との連通路)を形成する。
21のフランジ21Aと、フリーピストン70の上端部
に設けたスプリングシート70Cとの間に、フリーピス
トン70を下部油室65の側に付勢するスプリング74
を介装している。フロントフォーク10の圧縮行程で、
ダンパシリンダ21に進入するピストンロッド24の容
積分の油がピストン側油室27Bからフリーピストン7
0の下部油室65に排出されるとき、下部油室65の油
圧がスプリング74の付勢力に抗してフリーピストン7
0を上動させる。フリーピストン70が上動して一定以
上ストロークし、フリーピストン70のOリング72が
ダンパシリンダ21の縮径部73に達すると、Oリング
72と縮径部73の間に前述のブロー流路が形成され、
下部油室65が油溜室31に連通する。
の前記段部62Aには多数の油孔62Dが設けられ、こ
の油孔62Dを開閉するチェック弁80が付帯する。チ
ェック弁80は、フリーピストン70の下部油室65か
ら油溜室31への油の流れを阻止する。具体的には、チ
ェック弁80は、図3(A)に示す如く、段部62Aの
下面に着座する環状弁板81と、下隔壁シリンダ62の
内周に係着されるストッパリング82と、ストッパリン
グ82にバックアップされる多数の油孔を備えたスプリ
ングシート83と、弁板81とスプリングシート83の
間に介装されるバルブスプリング84からなる。
くに動作する。 (圧縮行程)フロントフォーク10の圧縮時には、車体
側チューブ11と車軸側チューブ12の一方が他方に対
して相対的に圧縮され、懸架スプリング39が圧縮され
る。また、ピストンロッド24がダンパシリンダ21に
進入し、ピストン側油室27Bの作動油が、低速時には
ピストン26のバイパス流路43を通り、また中高速時
にはピストン26の圧側流路42の圧側減衰バルブ42
Aを通ってピストンロッド側油室27Aに流れる。ま
た、ピストンロッド24の進入容積分の作動油が、低速
時にはボトムピース54をバイパスするバイパス流路5
7を通ってフリーピストン70の下部油室65に流れ、
中高速時にはボトムピース54の圧側流路55の圧側減
衰バルブ55Aを通りフリーピストン70の下部油室6
5に流れる。
いるから、フリーピストン70が上動し、スプリング7
4を圧縮する。
27Bの油がピストン26のバイパス流路43を通っ
て、ピストンロッド側油室27Aに流れ、この間のニー
ドルバルブ43Aの絞り抵抗により圧側減衰力を得る。
同時に、ダンパシリンダ21に進入するピストンロッド
24の容積分の油がピストン側油室27Bからサブタン
ク33の下部油室34に入り、更にボトムピース54の
バイパス流路57を通って上部油室35に流れる過程
で、ニードルバルブ57Aの絞り抵抗により圧側減衰力
を得る。また、ピストン側油室27Bの油がピストン2
6の圧側流路42を通って圧側減衰バルブ42Aをリフ
トアップして形成した微小流路からピストンロッド側油
室27Aに流れ、この間の絞り抵抗により圧側減衰力を
得る。中高速時には、ダンパシリンダ21に進入するピ
ストンロッド24の容積分の油がピストン側油室27B
からサブタンク33の下部油室34に入り、更にボトム
ピース54の圧側流路55を通って上部油室に流れ、こ
の間の圧側減衰バルブ55Aの撓み抵抗により圧側減衰
力を得る。また、ピストン側油室27Bの油がピストン
26の圧側流路42を通って圧側減衰バルブ42Aを撓
み変形させる状態でピストンロッド側油室27Aに流
れ、この間の圧側減衰バルブ42Aの撓み抵抗により圧
側減衰力を得る。懸架スプリング39、スプリング74
が圧縮時の衝撃を緩衝し、圧側減衰力が懸架スプリング
39、スプリング74の圧縮速度をコントロールする。
の圧縮行程時に、懸架スプリング39は、車体側チュー
ブ11が車軸側チューブ12に対してストロークした分
だけ圧縮される。また、ピストンロッド24がダンパシ
リンダ21内に進入するから、進入したピストンロッド
24の容積分の作動油が、フリーピストン70の下部油
室65に流入し、フリーピストン70を上動させ、スプ
リング74を圧縮する。
縮み側に撓むことに加え、ダンパシリンダ21にピスト
ンロッド24が進入してフリーピストン70が上動する
分、フリーピストン70を付勢しているスプリング74
が縮み側に撓む。これにより、フロントフォーク10の
スプリング反力が増加し、ブレーキング時に大きなスプ
リング反力でフロントフォーク10の沈み込みを抑える
ことができる。
縮されると、ピストンロッド24がダンパシリンダ21
内に更に進入し、フリーピストン70は更に上動する。
そして、フリーピストン70が一定以上ストロークする
と、フリーピストン70の内周のOリング72がダンパ
シリンダ21の外周の縮径部73に移動し、Oリング7
2と縮径部73との間にブロー流路が形成される。その
結果、フリーピストン70の下部油室65の作動油は、
このブロー流路から油溜室31に流出する。これによ
り、フリーピストン70はこれ以上、上動しなくなる。
ロークし、フリーピストン70の下部油室65が油溜室
31に連通すると、フリーピストン70の上動は停止
し、フリーピストン70を付勢しているスプリング74
を更に撓ませることがなくなり、懸架スプリング39だ
けが撓む。これにより、フロントフォーク10のスプリ
ング反力の増加率が低くなり、ブレーキング後のコーナ
リング中の旋回時に車高を低く保つことができる。
時には、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の一
方が他方に対して相対的に伸長し、懸架スプリング39
が伸びる。また、ピストンロッド24がダンパシリンダ
21から退出し、ピストンロッド側油室27Aの作動油
が、低速時にはピストン26のバイパス流路43を通
り、また、中高速時にはピストン26の伸側流路41の
伸側減衰バルブ41Aを通ってピストン側油室27Bに
流れる。また、ピストンロッド24が退出した容積分の
作動油が、フリーピストン70の下部油室65からサブ
タンク33の上部油室35に入り、ボトムピース54の
伸側流路56のチェックバルブ56Aを通ってピストン
側油室27Bに戻る。また、この伸長時にはチェック弁
80が開くから、フリーピストン70の上部油室31に
流出した作動油も同様にピストン側油室27Bに戻る。
74の付勢力により下動し、スプリング74は伸びる。
側油室27Aの油がピストン26のバイパス流路43を
通ってピストン側油室27Bに流れ、この間のニードル
バルブ43Aの絞り抵抗により伸側減衰力を得る。中高
速時には、ピストンロッド側油室27Aの油がピストン
26の伸側流路41を通ってピストン側油室27Bに流
れ、この間の伸側減衰バルブ41Aの撓み抵抗により伸
側減衰力を得る。伸側減衰力が懸架スプリング39、ス
プリング74の共振を防止する。
ると、懸架スプリング39は、車体側チューブ11が車
軸側チューブ12に対してストロークした分だけ伸長す
る。また、ピストンロッド24がダンパシリンダ21か
ら退出するから、フリーピストン70の下部油室65が
減圧され、フリーピストン70がスプリング74の付勢
力により下動する。
架スプリング39が伸側に撓むことに加え、ダンパシリ
ンダ21からピストンロッド24が退出してフリーピス
トン70が下動する分、フリーピストン70を付勢して
いるスプリング74が伸側に撓む。これにより、フロン
トフォーク10のスプリング反力が減少し、コーナリン
グ中の加速時にフロントフォーク10が伸びないように
してアンダステアになることを抑えることができる。
と、フリーピストン70が隔壁シリンダ60のストッパ
部62Cに底付きし、これ以上、下動しなくなる。この
フリーピストン70が底付きした時点から、懸架スプリ
ング39のスプリング反力のみとなり、フロントフォー
ク10のスプリング反力は速やかに減少し、懸架スプリ
ング39は最伸長状態に戻る。
設け、隔壁シリンダ60の上部をダンパシリンダ21に
取付け、隔壁シリンダ60の下部をインナチューブ12
の内周との間に小隙間gをおいて設けるとともに、隔壁
シリンダ60の下部とインナチューブ12の側との間に
シール部材64を介装し、隔壁シリンダ60とダンパシ
リンダ21との間にフリーピストン70を設けた。隔壁
シリンダ60は、インナチューブ12の内周との間に小
隙間gをおいて設けられ、かつインナチューブ12の側
との間にシール部材64を介して径方向に浮動可能に支
持されたから、インナチューブ12がダンパシリンダ2
1に対し偏心したり、曲がっていても、両者間に一定の
環状の間隔(油溜室31)を形成できる。これにより、
フリーピストン70を円滑に摺動可能にし、フロントフ
ォーク10における上述したスプリング特性の挙動の安
定を図ることができる。
シリンダ60に設けた。従って、フリーピストン70を
軽量化し、フリーピストン70の応答性を向上できる。
たので、フリーピストン70の下部油室65を大きくと
ることができる。ピストン側油室27Bと油溜室31の
間の下部油室65を大きくとることで、ピストン側油室
27Bと油溜室31の間の流路抵抗を小さくし、フリー
ピストン70の応答性を向上できる。
付勢するスプリング74を懸架スプリング39と別体に
した。但し、本発明においては、スプリング74を用い
ず、懸架スプリング39によりフリーピストン70を付
勢するものとしても良く、以下のスプリング特性を得る
ことができる。
トンロッドが進入してフリーピストンが上動するため、
懸架スプリングは、フロントフォークのストロークに加
えて、フリーピストンがストロークした分余計に撓む。
これにより、懸架スプリングのばね荷重を高くすること
ができる。従って、ブレーキング時に前輪側フロントフ
ォークが沈み込むことを抑えることができる。
して、フリーピストンの下部油溜室が上部油溜室に連通
すると、懸架スプリングは、フロントフォークのストロ
ーク分のみ撓むため、懸架スプリングのばね荷重は下が
る。これにより、ブレーキング後の旋回時における前輪
側フロントフォークの車高を低くすることができ、車輛
姿勢を低く抑えることができる。
スプリングは、フロントフォークのストロークに加え
て、フリーピストンのストローク分余計に伸びるため
に、ばね荷重の低下が大きくなる。これにより、旋回中
の加速時における前輪側フロントフォークの浮き上がり
を抑えることができる。
ら、懸架スプリングの伸びはフロントフォークのストロ
ーク分のみとなり、懸架スプリングのばね荷重は緩やか
に低下する。
ング時に大きなスプリング反力でフロントフォークの沈
み込みを抑え、ブレーキング後のコーナリング中の旋回
時に車高を低くし、コーナリング中の加速時にフロント
フォークが伸びないようにしてアンダステアになること
を抑える、スプリング特性を備えるフロントフォークに
おいて、スプリング特性の挙動の安定を図り、車両の走
行安定性を向上することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 車体側チューブ内に車軸側チューブを摺
動自在に挿入し、 前記車軸側チューブ内にダンパシリンダを立設し、該ダ
ンパシリンダ内に、先端部にピストンを取付けたピスト
ンロッドを摺動自在に挿入し、該ピストンロッドの基端
部を前記車体側チューブに取付け、 前記ダンパシリンダ内に前記ピストンロッドが収容され
るピストンロッド側油室と、ピストンロッドが収容され
ないピストン側油室を形成し、 前記ダンパシリンダの外周に、前記ピストン側油室と連
通し、上部を空気室とした油溜室を形成し、 該油溜室に、フリーピストンを摺動自在に設け、該フリ
ーピストンの下部に前記ピストン側油室と連通する下部
油室を区画し、 前記フリーピストンを前記下部油室の側に付勢するスプ
リングを設け、 前記フリーピストンが、圧縮行程時に、一定以上ストロ
ークしたときに、前記下部油室を前記油溜室に連通させ
るようにし、 前記フリーピストンの下部油室と前記油溜室との間に、
該下部油室から前記油溜室への流れを阻止するチェック
弁を設けた自動二輪車のフロントフォークにおいて、 前記ダンパシリンダの下部外周に隔壁シリンダを設け、
該隔壁シリンダの上部を前記ダンパシリンダに取付け、
該隔壁シリンダの下部を前記車軸側チューブ内周との間
に隙間をおいて設けるとともに、該隔壁シリンダの下部
と前記車軸側チューブ側との間にシール部材を介装し、 該隔壁シリンダと前記ダンパシリンダとの間に、前記フ
リーピストンを設けたことを特徴とする自動二輪車のフ
ロントフォーク。 - 【請求項2】 前記隔壁シリンダに、前記チェック弁を
設けた請求項1に記載の自動二輪車のフロントフォー
ク。 - 【請求項3】 前記隔壁シリンダに段部を設け、該段部
の下部を大径シリンダ部に形成し、該大径シリンダ部外
周と前記車軸側チューブ内周との間に前記隙間を設け、
該段部に前記チェック弁を設けた請求項2に記載の自動
二輪車のフロントフォーク。
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---|---|---|---|
JP2002073101A JP4050076B2 (ja) | 2002-03-15 | 2002-03-15 | 自動二輪車のフロントフォーク |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002073101A JP4050076B2 (ja) | 2002-03-15 | 2002-03-15 | 自動二輪車のフロントフォーク |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2003269521A true JP2003269521A (ja) | 2003-09-25 |
JP4050076B2 JP4050076B2 (ja) | 2008-02-20 |
Family
ID=29202922
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4050076B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017026059A (ja) * | 2015-07-23 | 2017-02-02 | Kybモーターサイクルサスペンション株式会社 | フロントフォーク |
JP2017026057A (ja) * | 2015-07-23 | 2017-02-02 | Kybモーターサイクルサスペンション株式会社 | フロントフォーク |
JP2017026058A (ja) * | 2015-07-23 | 2017-02-02 | Kybモーターサイクルサスペンション株式会社 | フロントフォーク |
-
2002
- 2002-03-15 JP JP2002073101A patent/JP4050076B2/ja not_active Expired - Fee Related
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