JP2000264277A - フロントフォーク - Google Patents

フロントフォーク

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JP2000264277A
JP2000264277A JP11068972A JP6897299A JP2000264277A JP 2000264277 A JP2000264277 A JP 2000264277A JP 11068972 A JP11068972 A JP 11068972A JP 6897299 A JP6897299 A JP 6897299A JP 2000264277 A JP2000264277 A JP 2000264277A
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front fork
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一定以上の圧縮した位置以降のエア反力の上
昇を抑え、更に、一定以上圧縮した位置から伸長すると
きに、フロントフォークのエア反力を圧縮行程より小さ
くすることができるフロントフォークを提供すること。 【解決手段】 アウタチューブ1の内周に固定した上下
のブッシュ7、4を介して、下方よりインナチューブ2
を摺動自在に挿入した自動二輪車等のフロントフォーク
10において、アウタチューブ1側の上端部から、下端
部にアウタチューブ1の内周に固定された上部ブッシュ
7の下方に位置し、インナチューブ2の内周に摺接する
サブピストン40を設けた筒状の隔壁部材37を垂設
し、フロントフォーク10内の上部気体室Cを隔壁部材
37の内側の気体室C1と外側の気体室C2に区画し、
インナチューブ2に第1の連通孔45と、第2の連通孔
46と、第3の連通孔47を軸方向に間隔を置いて形成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体側に結合され
るアウタチューブ内に車軸側に結合されるインナチュー
ブを摺動自在に挿入し、アウタチューブとインナチュー
ブ内に緩衝用の気体室を形成したフロントフォークに関
し、特にロードレース用の自動二輪車のフロントフォー
クに用いて好適なフロントフォークに関する。
【0002】
【従来の技術】車体側のアウタチューブ内に車軸側のイ
ンナチューブを摺動自在に挿入し、アウタチューブとイ
ンナチューブ内の下部に油溜室を、上部に油面を介して
気体室を設けた倒立型のフロントフォークが知られてい
る。 この従来のフロントフォークにあっては、気体室
のエア反力特性がストローク後半で、2乗カーブ的に大
きくなるエア反力特性を有する。 従って、フロントフ
ォークが伸び切り位置付近から少し圧縮した位置近辺を
伸縮する通常の荷重状態時には路面振動の吸収性が良い
が、ストローク後半でエア反力が大きくなり過ぎて、ス
トローク後半での路面振動の吸収性が悪くなる。
【0003】このために、このフロントフォークにあっ
ては、フロントフォーク内部の油溜室の油面を下げて気
体室の容積を大きくしてストローク奥でのエア反力を小
さくすることが行われているが、エア反力が小さくなっ
てストローク後半でフロントフォークが底付きを起こし
やすくなる。
【0004】また、例えば、自動二輪車のオンロードレ
ース用のフロントフォークでは、以下のような要求があ
る。(a)平坦な路面を直進走行するときのように、フロ
ントフォークが伸び切り位置から少し沈み込んだ位置付
近を伸縮する通常の車体側荷重状態時には、小さなエア
反力で路面振動の吸収性を上げたい。(b)また、コーナ
ーに入る手前でブレーキをかけて減速するブレーキング
時のように、フロントフォークが高速で大きく沈み込む
ときには、大きなエア反力でフロントフォークの沈み込
みを抑えたい。(c)また、ブレーキング後のコーナリン
グ中のように、フロントフォークが沈み込んだ状態で旋
回走行するときには、エア反力の上昇を抑えてコーナリ
ング中の路面振動の吸収性を上げたい。(d)また、コー
ナリング中の加速時のように、フロントフォークが圧縮
された状態から伸長するときには、フロントフォークが
伸びないようにしてアンダステアになるのを抑えて旋回
性を向上させるともに、接地性を確保したい。
【0005】しかしながら、従来のフロントフォークで
は、ブレーキング後のコーナリング中のようにフロント
フォークが大きく沈み込んだストローク奥でエア反力の
上昇を抑えたり、また、コーナリング中の加速時のよう
にフロントフォークが圧縮行程から伸長行程に移行した
場合に、フロントフォークの伸びを抑えることができな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、一定
以上圧縮した位置以降のエア反力の上昇を抑え、更に、
一定以上圧縮した位置から伸長する時に、フロントフォ
ークのエア反力を圧縮行程より小さくすることができる
フロントフォークを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、車体側に取り付けられるアウタチューブの内周に固
定された上下のブッシュを介して、車軸側に取り付けら
れるインナチューブを摺動自在に挿入し、アウタチュー
ブ、インナチューブ、及び、上下のブッシュの間に環状
の隙間を形成し、アウタチューブとインナチューブ内の
下部に油溜室を上部に気体室を形成したフロントフォー
クにおいて、前記アウタチューブ内周に固定された上部
ブッシュの下方に位置し、前記インナチューブ内周に摺
接するサブピストンを下端部に設けた筒状の隔壁部材
を、前記アウタチューブ側の上端部からインナチューブ
内に垂設し、該筒状の隔壁部材にて前記気体室を隔壁部
材の内側の気体室と外側の気体室に区画し、前記インナ
チューブに第1の連通孔と、第2の連通孔と、第3の連
通孔を軸方向に間隔を置いて形成し、前記第1の連通孔
は、フロントフォークの通常の荷重状態時に、前記上部
ブッシュとサブピストンの間に位置し、前記第2の連通
孔は更に前記通常の荷重状態時より圧縮した位置で前記
上部ブッシュとサブピストンの間に位置し、前記第3の
連通孔はいずれの圧縮位置においてもサブピストンの下
方に位置するようにしたものである。
【0008】
【作用】本発明によれば下記の作用がある。自動二輪車
の直進走行時のような通常の荷重状態時には、インナチ
ューブの第1の連通孔が、アウタチューブ内周に固定さ
れた上部ブッシュと隔壁部材の下端部外周に設けたサブ
ピストンとの間に位置するので、隔壁部材内側の気体室
は油溜室内の作動油を介して、第2と第3の連通孔、イ
ンナチューブ外周の環状の隙間、及び、第1の連通孔を
介して、隔壁部材外側の気体室に連通する。従って、気
体室の容積が大きいので、エア反力が小さく、通常の荷
重状態時における路面振動の吸収性がよい。
【0009】また、制動時のように、通常の荷重状態の
位置から、さらにフロントフォークが大きく圧縮される
と、第1の連通孔は上部ブッシュで塞がれ、インナチュ
ーブ外周の環状の隙間は外側の気体室に連通しなくなる
ので、隔壁部材内側と外側の気体室は連通しなくなる。
したがって、内側の気体室の油面のみが上昇して内側の
気体室が圧縮され大きなエア反力を発生し、車体前輪側
の沈み込みを抑える。そして、第1の連通孔が上部ブッ
シュを超えて上方に移動しても内側の気体室がのみが圧
縮される状態が続く。
【0010】また、制動後の旋回(コーナリング)時の
ように、この状態からさらに圧縮されると、第2の連通
孔が上部ブッシュとサブピストンとの間に位置するの
で、内側の気体室が油溜室の作動油を介し、第3の連通
孔、インナチューブ外周の環状の隙間、第2の連通孔を
通り、外側の気体室に連通する。内側の気体室のエア、
作動油は2つの気体室が同圧となるまで流入し、内側の
気体室の圧力上昇を抑える。従って、旋回時における路
面振動の吸収性がよくなる。
【0011】また旋回(コーナリング)中の加速時のよ
うに、フロントフォークが圧縮状態から伸張状態に移る
と、旋回中に一旦内外の気体室が連通した状態から伸張
するので、圧縮時よりもエア反力が小さくなる。また、
伸長行程の途中で内側と外側の気体室が連通しなくなる
ストローク域では、内側の気体室が外側の気体室より圧
力が小さくなるので、エア反力が小さくなり、フロント
フォークの伸びを抑え接地性を向上できる。また、フロ
ントフォークがアンダーステアになるのを阻止して旋回
性を向上できる。
【0012】また、上記いずれの状態時にも、フロント
フォークの圧縮速度に関係なくストローク位置に依存し
てエア反力特性を変えることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1はフロントフォークを示す断
面図、図2は図1のフロントフォークの上部拡大断面
図、図3は通常の荷重状態時における圧縮位置を示す模
式図、図4は制動時の圧縮位置を示す模式図、図5は旋
回(コーナリング)中の圧縮位置を示す模式図、図6は
エア反力特性図、図7は図1、2の要部拡大図である。
【0014】フロントフォーク10は、図1、2に示す
如く、アウタチューブ1内に、インナチューブ2が摺動
自在に挿入され、アウタチューブ1は上部ブラケット
(不図示)を介し車体側に結合され、インナチューブ2
は車軸ブラケット3を介し車軸側に結合される。アウタ
チューブ1の下部開口端の内周には、インナチューブ2
の外周に摺接する下部ブッシュ4、オイルシール5、ダ
ストシール6が固定され、アウタチューブ1の上部内周
には、インナチューブ2の外周に摺接する上部ブッシュ
7が固定される。そして、アウタチューブ1、インナチ
ューブ2、及び、上下のブッシュ7、4の間に環状の隙
間S1が形成される。
【0015】また、インナチューブ2内の車軸ブラケッ
ト3の底部には、ダンパシリンダ8が立設され、ダンパ
シリンダ8の上部内周にロッドガイド11が螺着され、
ロッドガイド11の内周に設けたブッシュ19を介し
て、先端部にピストン13を取り付けたピストンロッド
12が摺動自在に挿入される。ピストンロッド12の基
端部は、ロックナット14、ジョイントナット15、ス
プリングアジャスタ16を介しアウタチューブ1の上端
部内周に螺着されたキャップ17内周に回転可能に取り
付けられ、また、スプリングアジャスタ16の外周には
ナット29が螺着固定され、キャップ17の下端面に当
接してスプリングアジャスタ16の外方への抜け止めを
している。ロックナット14、ジョイントナット15、
スプリングアジャスタ16は、後述するばね荷重調整機
構18を構成する。 また、このスプリングアジャスタ
16の内周には減衰力調整アジャスタ20が回転可能に
設けられ、減衰力調整アジャスタ20は、後述する減衰
力調整機構21を構成する。
【0016】ダンパシリンダ8内の油室Aに挿通される
ピストンロッド12の先端部には伸側減衰力発生装置2
2が設けられ、ダンパシリンダ8内の下部にはピストン
ロッド12の進入体積分の作動油に対し圧側減衰力を発
生する圧側減衰力発生装置23が設けられるが、公知の
ものなので詳細な説明は省略する。ダンパシリンダ8、
ピストンロッド12、伸側減衰力発生装置22、圧側減
衰力発生装置23はダンパ装置を構成する。
【0017】更に、このフロントフォーク10にあって
は、インナチューブ2内の下部に作動油を封入して油溜
室Bを形成し、油溜室Bの上部に油面L1を介して気体
室Cを形成し、インナチューブ2内の下部油溜室Bは、
ダンパシリンダ8の下部に設けた油孔24を介し、ダン
パシリンダ8内の油室Aと連通している。フロントフォ
ーク10の圧縮時には、ダンパシリンダ8内へ進入した
ピストンロッド12の体積分の作動油が油孔24を介し
てインナチューブ2内の下部油溜室B内に流入し、伸張
時には、作動油は反対にダンパシリンダ8内に戻る。
【0018】また、車軸ブラケット3の前部には、圧側
減衰力発生装置23をバイパスする流路26、27を通
る作動油の流量を調整する圧側減衰力調整装置30が設
けられるが、公知のものなので詳細な説明は省略する。
【0019】また、ダンパシリンダ8内に挿入されるピ
ストンロッド12の伸側減衰力発生装置22側外周に、
リバウンドスプリング31が設けられ、最伸張時にダン
パシリンダ8の上端のストッパ32にこのリバウンドス
プリング31が当接して緩衝作用をなす。
【0020】また、ロッドガイド11の上端部に作動油
の流路となる複数の切欠部11bが設けられ、ロッドガ
イド11の上端部には懸架スプリング9の下端を支持す
る下部ばね受け33が設けられる。
【0021】ばね荷重調整機構18は、前述したスプリ
ングアジャスタ16の外周にスライダ35が螺合され、
スライダ35にはピン36が固定され、ピン36はキャ
ップ17の下部に軸方向に延設する部分に形成された長
穴17aに係合する。スライダ35の下端は後述する筒
状の隔壁部材37に当接し、筒状の隔壁部材37の下端
外周にはインナチューブ2の内周に摺接するサブピスト
ン40が設けられ、サブピストン40は懸架スプリング
9の上端部を支持する。
【0022】スプリングアジャスタ16を回転すると、
ジョイントナット15、ロックナット14、及び、ピス
トンロッド12が一体に回転し、また、スプリングアジ
ャスタ16の外周に螺合するスライダ35がキャップ1
7の長穴17aに回り止めされて軸方向に進退し、筒状
の隔壁部材37を介して懸架スプリング9のばね荷重を
調整する。懸架スプリング9は、アウタチューブ1、キ
ャップ17、ピストンロッド12等のアウタチューブ側
部材と、インナチューブ2、車軸ブラケット3、ダンパ
シリンダ8等のインナチューブ側部材を伸張方向に付勢
する。
【0023】スプリングアジャスタ16の内周には、減
衰力調整アジャスタ20が回転可能に設けられ、この減
衰力調整アジャスタ20は減衰力調整ロッド28を上下
動し、ピストン13の両側の油室の開口面積を調整す
る。 減衰力調整アジャスタ20の内周には上部気体室
Cに連通し、気体を封入するエアバルブ41が設けられ
る。キャップ17の外周、スプリングアジャスタ16の
外周、減衰力調整アジャスタ20の外周、エアバルブ4
1の外周にはそれぞれOリングが設けられ、それぞれア
ウタチューブ1内の気体室Cを密封する。
【0024】前述した筒状の隔壁部材37の上端部内周
はOリング42を介してジョイントナット15の外周に
気密に保持され、隔壁部材37は、アウタチューブ1側
の上端部から垂設される。隔壁部材37の下端部外周に
はサブピストン40が固定され、このサブピストン40
はアウタチューブ1の内周に固定された上部ブッシュ7
の下方に位置する。そして、サブピストン40の外周の
環状溝内には、インナチューブ2内周に摺接するピスト
ンリング43が介装される。隔壁部材37は、アウタチ
ューブ1とインナチューブ2内の上部気体室Cを、隔壁
部材37の内側の気体室C1と外側の気体室C2に区画
する。尚、サブピストン40は筒状の隔壁部材37に一
体に形成されても良い。
【0025】フォロントフォーク10の圧縮時に、隔壁
部材37の内側の気体室C1と外側の気体室C2が後述
する連通孔45、46を介して連通していない状態で
は、内側の気体室C1は、圧縮ストロークにインナチュ
ーブ2の内周の断面積を掛けた容積分だけ縮小するとと
もに、更に、ダンパシリンダ8内に進入したピストンロ
ッド12の容積分の作動油が油溜室Bに流れて油溜室B
の油面が上昇することも加わり、内側の気体室C1の容
積が大きく縮小されるのに対し、外側の気体室C2はイ
ンナチューブ2の進入分だけ容積が縮小し、外側の気体
室C2の容積変化は極めて小さい。従って、隔壁部材3
7の内側の気体室C1の方が、外側の気体室C2より、
圧縮比率が大きい。また、隔壁部材37の内側の気体室
C1と外側の気体室C2は、最伸長時に同圧となるよう
に内外2つの気体室C1、C2の圧力が設定される。隔
壁部材37の内側の気体室C1の圧力は、図2に示す如
く、ピストンロッド12の外周とインナチューブ2の内
周の環状の断面積A1に作用し、隔壁部材37の外側の
気体室C2の圧力はインナチューブ2の断面積A2に作
用する。
【0026】また、インナチューブ2には、第1の連通
孔45と、第2の連通孔46と、第3の連通孔47を軸
方向に間隔を置いて形成されている。そして、第1の連
通孔45は、フロントフォーク10の通常の荷重状態時
に、アウタチューブ1の内周に固定された上部ブッシュ
7と隔壁部材37の下端部に設けたサブピストン40の
間に位置し、第2の連通孔46は通常の荷重状態時より
更に圧縮した位置で上部ブッシュ7とサブピストン40
の間に位置し、第3の連通孔47はいずれの圧縮位置に
おいてもサブピストン40の下方に位置するように設け
られる。
【0027】第1の連通孔45および第2の連通孔46
は、フロントフォーク10のストローク位置に応じて、
サブピストン40と上部ブッシュ7の間に位置して、隔
壁部材37の外側の気体室C2に開口し、アウタチュー
ブ1とインナチューブ2の間の環状の隙間S1とインナ
チューブ2の第3の連通孔47を介して、隔壁部材37
の内側と外側の気体室C1、C2を連通する。
【0028】次に、上述したフロントフォーク10は以
下のように作用する。 (圧縮時)圧縮時には、アウタチューブ1に対しインナ
チューブ2が上動し、懸架スプリング9を圧縮するとと
もにフロントフォーク10内の下部油溜室Bの油面が上
昇し、フロントフォーク内上部の気体室Cが圧縮され、
懸架スプリング9のばね反力と上部気体室Cのエア反力
との合成ばね反力を発生し、路面からの振動を吸収す
る。また、ダンパシリンダ8内の圧側減衰力発生装置2
3が圧側の減衰力を発生して圧縮速度をコントロールす
る。
【0029】図1、図3は、自動二輪車の直進走行時に
おけるアウタチューブ1に対するインナチューブ2の圧
縮位置を示し、この直進走行時には、フロントフォーク
10にはライダーの荷重分だけの通常の荷重が作用す
る。インナチューブ2に形成した第1の連通孔45はサ
ブピストン40とアウタチューブ1の内周に固定された
上部ブッシュ7の間に位置する。この圧縮位置では油溜
室B内の作動油の油面L1が上昇して、隔壁部材37の
内側の気体室C1が圧縮され、そして、気体室C1は油
溜室Bの作動油を介して、インナチューブ2に形成した
第2の連通孔46および第3の連通孔47、アウタチュ
ーブ1とインナチューブ2との間に上下のブッシュ7、
4に囲まれて形成される環状の隙間S1、そして、第1
の連通孔45を有して隔壁部材外側の気体室C2に連通
するので、気体室の容積は内側と外側の気体室C1とC
2を足した容積となって、エア反力は小さく、内外の気
体室C1、C2は同圧に近い状態である。従って、路面
振動の吸収性がよい。図6はエア反力特性を示す図で、
破線のP1曲線は内側の気体室C1のみのエア反力特性
を示し、破線のP2曲線は内側と外側の気体室C1、C
2を足した場合のエア反力特性を示す。そして、実線部
分がこのフロントフォーク10のエア反力特性を示す。
この通常の荷重状態の圧縮時のエア反力特性はST0か
らST1まで破線P2に沿って上昇する。
【0030】コーナーに入る手前で、ブレーキをかけて
減速すると、車体側荷重が前輪側に移動し、フロントフ
ォーク10が高速で大きく圧縮される。このブレーキン
グ時には、図4に示すように、第1の連通孔45が上部
ブッシュ7で塞がれ環状の隙間S1は外側の気体室C2
に開口しなくなり、内側の気体室C1と外側の気体室C
2は連通しなくなる。そして、内側の気体室C1の油面
L2のみが上昇し、内側の気体室C1の方が外側の気体
室C2より大きく圧縮される。従って、エア反力が大き
くなって前輪側の沈み込みを抑える。第1の連通孔45
が上部ブッシュ7で塞がれた以降は、第2の連通孔46
がサブピストン40の外周より上に移動して外側の気体
室C2に開口する迄は内側の気体室C1のみが圧縮され
大きなエア反力を発生する。この状態時のエア反力特性
は、図6のST1からST2までの実線で示される。
【0031】コーナーを旋回中には、車体に遠心力が作
用し、フロントフォーク10はさらに沈み込む。図5に
示すように、この状態の圧縮時には第2の連通孔46が
サブピストン40と上部ブッシュ7との間に位置し、内
側の気体室C1の作動油および気体は、第3の連通孔4
7、環状の隙間S1、第2の連通孔46を通り外側の気
体室C2に、外側の気体室C2の圧力が内側の気体室C
1と同圧になるまで流入し、気体室C1の容積が大きく
なってエア反力の上昇が抑えられる。図5において、こ
のときの内側の気体室C1の油面はL3で、外側の気体
室C2にも作動油が流入し始める。したがって、コーナ
リング中における路面振動の吸収性がよい。この状態時
のエア反力特性は、図6中のST2からST3の実線で
示される。
【0032】(伸張時)伸張時には、アウタチューブ1
に対しインナチューブ2が相対的に下動し、懸架スプリ
ング9が伸張するとともにフロントフォーク10内の下
部油溜室Bの油面が下がり、フロントフォーク10内の
上部の気体室Cが拡大する。また、ダンパシリンダ8内
の伸側減衰力発生装置22が伸側の減衰力を発生して懸
架スプリング9の共振を抑制する。
【0033】コーナリング中の沈み込んだ状態から加速
して、次の直進走行に移る場合、車体側の荷重は後輪側
に移動してフロントフォーク10は伸張する。この伸張
時には内側と外側の気体室C1、C2は連通状態にあ
り、内側と外側の気体室C1、C2は連通した状態から
伸張を始めるので、図6に示す如く、破線P2に沿って
下降し、エア反力は圧縮時のエア反力よりも小さくな
る。図6の実線部分ST3からST2はこの状態時にお
けるエア反力特性を示す。
【0034】更に伸張して第2の連通孔46がサブピス
トン40の外周より下に移動すると、内側の気体室C1
と外側の気体室C2は連通しなくなるので、内側の気体
室C1が外側の気体室C2より圧力が小さくなり、フロ
ントフォーク10の伸び(浮き上がり)が小さくなり、
前輪がアンダーステアになるのを阻止して旋回性を向上
し、また、前輪の接地性を確保する。図6の実線部分S
T2からST1はこの伸長状態時におけるエア反力特性
を示す。
【0035】そして、第1の連通孔45が上部ブッシュ
7の下端部より下に移動すると、内側の気体室C1と外
側の気体室C2が連通するので、内側の気体室C1と外
側の気体室C2が連通し、内側と外側の気体室C2は圧
縮開始時の同圧状態に戻り反力が回復する。図6のST
1からST0はこの状態時におけるエア反力特性を示
す。
【0036】尚、本発明では、フロントフォーク10内
のダンパ装置や油溜室Bは必ずしも必要ではなく、エア
ーのみを封入したフロントフォークであっても良く、ま
た、フロントフォークに限らず、車体側に取り付けられ
るアウタチューブ内に車輪側に取り付けられるインナチ
ューブが摺動自在に挿入されるエアーサスペンションで
あっても良い。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、一定以上
の圧縮した位置以降のエア反力の上昇を抑えることがで
き、伸長行程時にフロントフォークのエア反力を圧縮行
程より小さくすることができる。また、フロントフォー
クの圧縮速度に関係なくストローク位置に依存してエア
反力を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はフロントフォークを示す断面図である。
【図2】図2は図1のフロントフォークの上部拡大断面
図である。
【図3】図3は通常の荷重状態時における圧縮位置を示
す模式図である。
【図4】図4は制動時の圧縮位置を示す模式図である。
【図5】図5はコーナリング中の圧縮位置を示す模式図
である。
【図6】図6はエア反力特性図である。
【図7】図7は図1、図2の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 アウタチューブ 2 インナチューブ 4 下部ブッシュ 7 上部ブッシュ 37 隔壁部材 40 サブピストン 45 第1の連通孔 46 第2の連通孔 47 第3の連通孔 C1 内側の気体室 C2 外側の気体室 S1 環状の隙間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側に取り付けられるアウタチューブ
    の内周に固定された上下のブッシュを介して、車軸側に
    取り付けられるインナチューブを摺動自在に挿入し、 アウタチューブ、インナチューブ、及び、上下のブッシ
    ュの間に環状の隙間を形成し、 アウタチューブとインナチューブ内の下部に油溜室を上
    部に気体室を形成したフロントフォークにおいて、 前記アウタチューブ内周に固定された上部ブッシュの下
    方に位置し、前記インナチューブ内周に摺接するサブピ
    ストンを下端部に設けた筒状の隔壁部材を、前記アウタ
    チューブ側の上端部からインナチューブ内に垂設し、 該筒状の隔壁部材にて前記気体室を隔壁部材の内側の気
    体室と外側の気体室に区画し、 前記インナチューブに第1の連通孔と、第2の連通孔
    と、第3の連通孔を軸方向に間隔を置いて形成し、 前記第1の連通孔は、フロントフォークの通常の荷重状
    態時に、前記上部ブッシュとサブピストンの間に位置
    し、前記第2の連通孔は更に前記通常の荷重状態時より
    圧縮した位置で前記上部ブッシュとサブピストンの間に
    位置し、前記第3の連通孔はいずれの圧縮位置において
    もサブピストンの下方に位置することを特徴とするフロ
    ントフォーク。
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