JP4842012B2 - 車両 - Google Patents

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Description

この発明は、車両に関し、特に、懸架装置を備えた車両に関する。
従来、自動二輪車(車両)に用いられるフロントフォーク(懸架装置)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1には、車体に連結されるアウターチューブと、車輪に連結され、アウターチューブに摺動可能に挿入されるインナーチューブと、インナーチューブの内側に配置され、内側オイル室を有するシリンダ部とを備えたフロントフォークが開示されている。このフロントフォークには、インナーチューブの内側で、かつ、シリンダ部の外側の部分に、空気が充填されるガス室と、内側オイル室に連結されるとともに、ガス室と接するように配置される外側オイル室とが設けられている。
特許第3656167号公報
上記特許文献1に開示されたフロントフォークでは、上記のように、内側オイル室に連結される外側オイル室を、空気が充填されるガス室と接するように配置するので、走行中の激しい振動により、ガス室の空気と外側オイル室のオイルとが撹拌され、オイル中に気泡が巻き込まれるエアレーションが発生した場合、この気泡が内側オイル室に流入する場合がある。このため、フロントフォークの圧縮時には、オイル中に巻き込まれた気泡が押しつぶされた後、内側オイル室の油圧が上昇されるので、フロントフォーク(懸架装置)の減衰力の応答が遅くなる場合があるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、減衰力の応答性が低下するのを抑制することが可能な懸架装置を備えた車両を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による車両は、車体と、車輪と、車体と車輪との間に設けられるとともに、車体と車輪とが相対的に移動するときの衝撃を吸収する懸架装置とを備え、懸架装置は、車体側に支持されるアウターチューブと、車輪側に支持され、アウターチューブに移動可能に挿入されるインナーチューブと、インナーチューブの内部に配置され、オイルが充填されている第1オイル室を有するシリンダ部と、インナーチューブの内側で、かつ、シリンダ部の外側の空間に配置され、気体が第1オイル室側に流入するのを抑制する機能を有する隔壁部材と、インナーチューブの内側で、かつ、シリンダ部の外側の空間に配置され、第1オイル室に連結される第2オイル室と、第2オイル室と隣接するように形成された第3オイル室と、シリンダ部の内部に配置されるロッド部とを含み、ロッド部には、懸架装置が伸長した状態で、第1オイル室から第3オイル室にオイルを通過させる機能を有する第1油圧調節部が設けられている。
この一の局面による車両では、上記のように、懸架装置に、気体が第1オイル室側に流入するのを抑制する機能を有する隔壁部材を設けることによって、走行中の激しい振動により気体と第1オイル室のオイルとが撹拌され、オイル中に気泡が巻き込まれるエアレーションが発生した場合にも、隔壁部材により、気泡が巻き込まれたオイルが第1オイル室に流入するのを抑制することができるので、懸架装置の圧縮時に、シリンダ部の第1オイル室の油圧をすぐに上昇させることができる。これにより、懸架装置の減衰力の応答が遅くなるのを抑制することができるので、懸架装置の減衰力の応答性が低下するのを抑制することができる。なお、隔壁部材をインナーチューブの内側で、かつ、シリンダ部の外側の空間に配置することによって、シリンダ部の内部に減衰機構が設けられている場合に、隔壁部材を減衰機構の外側に配置することができるので、減衰機構の構造が複雑になるのを抑制することができる。
上記一の局面による車両において、好ましくは、隔壁部材は、シリンダ部の外周面に沿ってシリンダ部の軸方向に移動可能に配置されている。このように構成すれば、懸架装置の圧縮時には、隔壁部材が第2オイル室を大きくする方向に移動して第1オイル室のオイルをシリンダ部の外側(第2オイル室側)に流出させることができるとともに、懸架装置の伸長時には、隔壁部材が第2オイル室を小さくする方向に移動してシリンダ部の外側(第2オイル室側)のオイルを第1オイル室に流入させることができるので、懸架装置を容易に伸縮させることができる。
上記一の局面による車両において、好ましくは、懸架装置は、第3オイル室に隣接して形成されたガス室をさらに含み、隔壁部材は、第2オイル室と第3オイル室との間を区画して配置されている。このように構成すれば、走行中の激しい振動によりガス室の気体と第3オイル室のオイルとが撹拌され、オイル中に気泡が巻き込まれるエアレーションが発生した場合にも、隔壁部材により、気体が第3オイル室から第2オイル室に流入するのを抑制することができるので、気体が第2オイル室から第1オイル室に流入するのを抑制することができる。これにより、気体が第1オイル室に流入するのを、容易に抑制することができる。
上記一の局面による車両において、好ましくは、懸架装置は、シリンダ部の内部に配置されるピストン部と、ロッド部とを有する第1減衰機構をさらに含み、ロッド部は、一方端がアウターチューブ側に固定され、他方端がピストン部に取り付けられている。このように構成すれば、シリンダ部の第1オイル室内の油圧が所定の値よりも高くなった場合に、第1油圧調節部を用いて、第1オイル室から第3オイル室にオイルを通過させることができるので、第1オイル室内の油圧が所定の値よりも高くなるのを抑制することができる。これにより、懸架装置の反力が変化するのを抑制することができる。
上記一の局面による車両において、好ましくは、第1油圧調節部は、懸架装置の組立時に、第1オイル室にオイルを充填する際に、第3オイル室から第1オイル室にオイルを通過させる機能をさらに有する。このように構成すれば、懸架装置の組立時に、容易に、オイルを第1オイル室に充填させることができるので、懸架装置の組立性を向上させることができる。
上記一の局面による車両において、好ましくは、第1油圧調節部は、ロッド部の外周面に設けられた第1凹部を含む。このように構成すれば、ロッド部の外周面に設けられた第1凹部を用いて、第1オイル室から第3オイル室に、容易に、オイルを通過させることができるので、第1オイル室内の油圧が所定の値よりも高くなるのを、容易に、抑制することができる。

上記懸架装置が第2オイル室、ガス室および第3オイル室を含む車両において、好ましくは、シリンダ部の外周面およびインナーチューブの内周面の少なくとも一方には、懸架装置が圧縮された状態で、第2オイル室から第3オイル室にオイルを通過させる機能を有する第2油圧調節部が設けられている。このように構成すれば、懸架装置が圧縮されたとき、第2油圧調節部を用いて、シリンダ部の第2オイル室から第3オイル室にオイルを通過させることができるので、第2オイル室内の油圧が所定の値よりも高くなるのを抑制することができる。これにより、第2オイル室に連結される第1オイル室内の油圧が所定の値よりも高くなるのを抑制することができるので、懸架装置の反力が変化するのを抑制することができる。
この場合、好ましくは、第2油圧調節部は、シリンダ部の外周面およびインナーチューブの内周面の少なくとも一方に設けられた第2凹部を含む。このように構成すれば、シリンダ部の外周面およびインナーチューブの内周面の少なくとも一方に設けられた第2凹部を用いて、第2オイル室から第3オイル室に、容易に、オイルを通過させることができるので、第2オイル室内の油圧が所定の値よりも高くなるのを、容易に、抑制することができる。
上記懸架装置が第2オイル室、ガス室および第3オイル室を含む車両において、好ましくは、隔壁部材は、シリンダ部の外周面に沿ってシリンダ部の軸方向に移動可能であり、懸架装置は、シリンダ部の外周面と、インナーチューブの内周面との間に配置され、第1オイル室および第2オイル室が加圧されるように隔壁部材を付勢する圧縮バネをさらに含む。このように構成すれば、圧縮バネのバネ力を大きく設定することにより、第2オイル室の油圧を高い状態で維持することができるので、第2オイル室に連結される第1オイル室の油圧を高い状態で維持することができる。これにより、懸架装置の反力を大きい状態で維持することができる。
上記懸架装置が第2オイル室、ガス室および第3オイル室を含む車両において、好ましくは、懸架装置は、シリンダ部の上部に固定され、第1オイル室と第3オイル室とを仕切る蓋部をさらに含み、蓋部には、第1オイル室と第3オイル室との間をシールする第1シール部材が設けられている。このように構成すれば、第3オイル室から第1オイル室にオイルおよび気体が流入するのを抑制することができる。
上記懸架装置が蓋部を含む車両において、好ましくは、蓋部は、第3オイル室内に形成された第3凹部を有し、懸架装置は、蓋部と、懸架装置の圧縮時に蓋部の第3凹部に挿入される挿入部材とを有する第2減衰機構をさらに含み、第2減衰機構は、懸架装置の圧縮時に挿入部材が蓋部の第3凹部に挿入されることにより減衰力を発生させる。このように構成すれば、懸架装置の圧縮時に、蓋体の第3凹部および挿入部材により減衰力を発生させることができるので、懸架装置が所定の量以上圧縮されるのを抑制することができる。これにより、圧縮時にインナーチューブとアウターチューブとが衝突するのを抑制することができるので、乗り心地を向上させることができる。
上記一の局面による車両において、好ましくは、隔壁部材は、シリンダ部の外周面と、インナーチューブの内周面との間に配置され、懸架装置は、隔壁部材とインナーチューブの内周面との間をシールする第2シール部材と、隔壁部材とシリンダ部の外周面との間をシールする第3シール部材とをさらに含む。このように構成すれば、気体が第1オイル室側に流入するのを、容易に抑制することができる。
上記一の局面による車両において、好ましくは、懸架装置は、フロントフォークである。このように構成すれば、フロントフォークの減衰力の応答性が低下するのを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による自動二輪車の全体構造を示した側面図である。図2は、図1に示した一実施形態による自動二輪車のフロントフォークの圧縮時の構造を詳細に説明するための断面図である。図3は、図1に示した一実施形態による自動二輪車のフロントフォークの伸長時の構造を詳細に説明するための断面図である。図4〜図7は、図1に示した一実施形態による自動二輪車のフロントフォークの構造を詳細に説明するための図である。なお、本実施形態では、本発明の車両の一例として、自動二輪車について説明する。図中、FWD方向は、自動二輪車の走行方向の前方を示している。以下、図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態による自動二輪車1の構造について詳細に説明する。
本発明の一実施形態による自動二輪車1では、図1に示すように、ヘッドパイプ2の後方には、前後方向に延びるメインフレーム3が配置されている。また、メインフレーム3は、上方から後方に延びる上側フレーム部3aと、下側から後方に延びる下側フレーム部3bとを有している。この上側フレーム部3aの後部と下側フレーム部3bの後部とは、ピボット軸支持部材4により接続されている。また、メインフレーム3には、シートレール5が接続されている。また、ピボット軸支持部材4とシートレール5の後端部との間には、バックステー6が接続されている。これらのヘッドパイプ2、メインフレーム3、ピボット軸支持部材4、シートレール5およびバックステー6によって、車体フレームが構成されている。なお、ヘッドパイプ2、メインフレーム3、ピボット軸支持部材4、シートレール5およびバックステー6は、本発明の「車体」の一例である。
また、ヘッドパイプ2の上部には、ハンドル7が回動可能に取り付けられている。また、ヘッドパイプ2の前方には、ヘッドパイプ2の前方を覆うフロントカウル8が設けられている。また、フロントカウル8の下方には、前輪9と、前輪9の上方に配置されるフロントフェンダ10が配置されている。この前輪9は、一対のフロントフォーク11の下端部に回転可能に取り付けられている。このフロントフォーク11は、前輪9とヘッドパイプ2とが相対的に移動するときの衝撃を吸収する機能を有する。なお、前輪9は、本発明の「車輪」の一例であり、フロントフォーク11は、本発明の「懸架装置」の一例である。
また、フロントフォーク11は、アウターチューブ12と、アウターチューブ12に摺動可能に挿入されるインナーチューブ13とにより構成されている。そして、フロントフォーク11は、アウターチューブ12およびインナーチューブ13が軸方向に摺動することにより伸縮可能に設けられている。また、フロントフォーク11は、アウターチューブ12がヘッドパイプ2に連結されるとともに、インナーチューブ13が前輪9に連結されることにより、倒立型に構成されている。
また、フロントフォーク11のアウターチューブ12の上端部には、図2に示すように、ロッド固定部材14が嵌合されてアウターチューブ12の上端側の開口部が塞がれている。また、ロッド固定部材14のネジ穴14aには、ロッド部15のネジ山が形成された上端部15aが固定されている。また、ロッド部15には、後述する挿入部材31が設けられている。また、ロッド部15の下端部15bは、伸び減衰用のピストン部16に固定されている。なお、ロッド部15およびピストン部16は、本発明の「第1減衰機構」の一例である。また、上端部15aは、本発明の「一方端」の一例であり、下端部15bは、本発明の「他方端」の一例である。また、ピストン部16には、オイルを通過させるための複数のオリフィス16aおよび16bが形成されている。この複数のオリフィス16aは、ピストン部16よりも下側の中間オイル室22aのオイルを上側の上部オイル室22bに通過させる機能を有するとともに、複数のオリフィス16bは、ピストン部16よりも上側の上部オイル室22bのオイルを下側の中間オイル室22aに通過させる機能を有する。なお、中間オイル室22aおよび上部オイル室22bは、本発明の「第1オイル室」の一例である。また、複数のオリフィス16aおよび16bの上側には、オリフィス16aの上面を塞ぐとともに、オリフィス16bの上面を開口するように板状のワッシャ16cが配置されている。また、複数のオリフィス16aおよび16bの下側には、オリフィス16aの下面を開口するとともに、オリフィス16bの下面を塞ぐように板状のワッシャ16dが配置されている。
また、ピストン部16の上側には、圧縮コイルバネからなるバネ部材17が配置されている。このバネ部材17は、図3に示すように、フロントフォーク11が伸長した状態で、ピストン部16が後述する上部蓋体30に当接するのを抑制する機能を有する。
ここで、本実施形態では、ロッド部15のピストン部16よりも上側の部分には、ロッド部15の他の部分よりも直径の小さい小径部15cが形成されており、この小径部15cにより、ロッド部15の外周面に凹部15dが形成されている。なお、凹部15dは、本発明の「第1油圧調節部」および「第1凹部」の一例である。また、凹部15dは、フロントフォーク11が伸長した状態(図3の状態)で、上部蓋体30とロッド部15との間をシールするOリングからなるシール部材18の高さ位置に配置されるように構成されている。これにより、フロントフォーク11が伸長した状態(図3の状態)で、シール部材18とロッド部15との間に隙間が生じるので、上部オイル室22bから後述する上部蓋体30の凹部30aを介して外側オイル室11b側にオイルを通過させることが可能となる。すなわち、凹部15dは、上部オイル室22bから外側オイル室11bにオイルを通過させる機能を有する。また、凹部15dは、フロントフォーク11の組立時に、上部オイル室22bにオイルを充填する際に、シール部材18の高さ位置に配置されることにより外側オイル室11bから上部蓋体30の凹部30aを介して上部オイル室22bにオイルを通過させる機能も有する。なお、シール部材18は、本発明の「第1シール部材」の一例である。
また、フロントフォーク11のインナーチューブ13の下端部13aは、アクスルブラケット19の挿入穴19aに固定されている。このアクスルブラケット19の下部には、前輪9の車軸9aを支持する貫通穴19bが形成されている。また、アクスルブラケット19には、シリンダパイプ部20の下部が固定されている。なお、図示しないが、アクスルブラケット19に貫通穴を設け、その貫通穴にシリンダパイプ部20の下部をボルトなどにより固定することも可能である。また、シリンダパイプ部20の外側で、かつ、インナーチューブ13の内側の空間には、空気が充填されるガス室11aと、ガス室11aに接するように配置される外側オイル室11bとが設けられている。また、シリンダパイプ部20の下部には、複数の開口部20aが設けられている。このシリンダパイプ部20の複数の開口部20aは、外側オイル室11bの下部オイル室11cと、シリンダパイプ部20内の後述する下部オイル室22cとを連結する機能を有する。なお、下部オイル室11cは、本発明の「第2オイル室」の一例である。
また、シリンダパイプ部20の内部には、圧縮減衰用のベースバルブ21が設けられている。このベースバルブ21の下部には、蓋体部21aが設けられており、この蓋体部21aは、シリンダパイプ部20の下端側の開口部を塞ぐように配置されている。なお、シリンダパイプ部20、ベースバルブ21の蓋体部21aおよび上部蓋体30によって、シリンダ部22が構成されている。また、ロッド部15、シリンダ部22、ピストン部16およびベースバルブ21によって、減衰機構が構成されている。なお、シリンダ部22は、本発明の「第1減衰機構」の一例である。
また、ベースバルブ21には、オイルを通過するための複数のオリフィス21bおよび21cが形成されている。この複数のオリフィス21bは、ベースバルブ21よりも下側の下部オイル室22cのオイルを上側の中間オイル室22aに通過させる機能を有するとともに、複数のオリフィス21cは、ベースバルブ21よりも上側の中間オイル室22aのオイルを下側の下部オイル室22cに通過させる機能を有する。なお、下部オイル室22cは、本発明の「第1オイル室」の一例である。また、複数のオリフィス21bおよび21cの上側には、オリフィス21bの上面を塞ぐとともに、オリフィス21cの上面を開口するように板状のワッシャ21dが配置されている。また、複数のオリフィス21bおよび21cの下側には、オリフィス21bの下面を開口するとともに、オリフィス21cの下面を塞ぐように板状のワッシャ21eが配置されている。
また、本実施形態では、シリンダパイプ部20(シリンダ部22)には、シリンダパイプ部20の他の部分よりも直径が小さい小径部20bが形成されており、この小径部20bにより、シリンダパイプ部20の外周面に凹部20cが形成されている。なお、凹部20cは、本発明の「第2油圧調節部」および「第2凹部」の一例である。
また、本実施形態では、シリンダパイプ部20(シリンダ部22)の外周面と、インナーチューブ13の内周面との間には、筒形状の隔壁部材23が配置されている。この隔壁部材23は、シリンダパイプ部20の外周面に沿ってシリンダパイプ部20の軸方向に移動可能に形成されている。また、隔壁部材23は、シリンダパイプ部20の外側で、かつ、インナーチューブ13の内側に設けられた外側オイル室11bを、下部オイル室11cと、ガス室11aに接する上部オイル室11dとに仕切るように配置されている。なお、上部オイル室11dは、本発明の「第3オイル室」の一例である。また、隔壁部材23は、空気およびオイルが上部オイル室11dから下部オイル室11cに流入するのを抑制する機能を有する。また、隔壁部材23の外周面には、図4に示すように、凹部23aおよび23bが形成されており、隔壁部材23の内周面には、凹部23cが形成されている。この凹部23aには、図2に示すように、樹脂製の筒部材24が取り付けられている。この筒部材24は、隔壁部材23がインナーチューブ13の内周面に沿って移動する際の摩擦力を低減する機能を有する。また、凹部23bには、隔壁部材23とインナーチューブ13の内周面との間をシールするOリングからなるシール部材25が取り付けられている。また、凹部23cには、隔壁部材23とシリンダパイプ部20(シリンダ部22)の外周面との間をシールするOリングからなるシール部材26が取り付けられている。なお、シール部材25は、本発明の「第2シール部材」の一例であり、シール部材26は、本発明の「第3シール部材」の一例である。また、隔壁部材23は、隔壁部材23が上側に移動してシール部材26がシリンダパイプ部20の凹部20cの高さ位置に配置された状態(図2の状態)で、下部オイル室11cから上部オイル室11dにオイルを通過させる機能を有する。また、隔壁部材23は、圧縮コイルバネからなるバネ部材27により下側に付勢されている。なお、バネ部材27は、本発明の「圧縮バネ」の一例である。また、バネ部材27の上端部は、シリンダパイプ部20の外周面に固定された円環状の鍔部28の下面に当接されている。この鍔部28は、図6の状態から図7に示すように、シリンダパイプ部20の外周面に取り付けられたスナップリング29にかしめられることにより固定されている。なお、鍔部28を、ねじを用いてシリンダパイプ部20の外周面に取り付けることも可能である。
また、シリンダパイプ部20の上部には、図2に示すように、上部蓋体30が固定されている。なお、上部蓋体30は、本発明の「蓋部」および「第2減衰機構」の一例である。この上部蓋体30は、上部オイル室22bと外側オイル室11bの上部オイル室11dとを仕切る機能を有する。また、本実施形態では、上部蓋体30の外側オイル室11b側の部分には、凹部30aが形成されている。なお、凹部30aは、本発明の「第3凹部」の一例である。また、外側オイル室11bのオイル面50は、上部蓋体30の上面の高さ位置よりも上側に配置されており、上部蓋体30の凹部30aには、オイルが充填されている。また、上部蓋体30の凹部30aは、図2に示すように、フロントフォーク11の圧縮時に、ロッド部15に設けられた挿入部材31が挿入されるように構成されている。そして、フロントフォーク11の圧縮時に、挿入部材31が上部蓋体30の凹部30aに挿入された場合、上部蓋体30の凹部30aに充填されたオイルが挿入部材31の外周面と上部蓋体30の凹部30aの内周面との間を流れる抵抗により、減衰力が発生する。なお、挿入部材31は、本発明の「第2減衰機構」の一例である。また、上部蓋体30の上端部には、シリンダ部22のシリンダパイプ部20がインナーチューブ13内でガタつくのを抑制する機能を有する位置規制部材32が固定されている。この位置規制部材32の外周面には、図5に示すように、複数のスリット32aが形成されているとともに、中央部には、挿入部材31(図2参照)が通過可能な開口部32bが形成されている。
また、メインフレーム3の上側フレーム部3aの上方には、図1に示すように、メインフレーム3の上側フレーム部3aを跨ぐように、鞍形形状を有する樹脂製の燃料タンク33が配置されている。また、メインフレーム3の上側フレーム部3aの下方には、エンジン34が取り付けられている。また、エンジン34の後方には、エンジン34に空気を供給するためのスロットルボディ35と、エンジン34に燃料を供給するための燃料噴射装置36が配置されている。また、エンジン34には、図示しない排気管が取り付けられている。この排気管は、後方へ向かうとともに、マフラー37に連結されている。
また、メインフレーム3の後部に取り付けられたピボット軸支持部材4には、ピボット軸4aが設けられている。このピボット軸4aにより、リヤアーム38の前端部が上下に揺動可能に支持されている。このリヤアーム38の後端部には、後輪39が回転可能に取り付けられている。つまり、後輪39は、リヤアーム38およびピボット軸支持部材4を介してメインフレーム3に取り付けられている。また、シートレール5の上方には、シート40が配置されている。
次に、図2および図3を参照して、本実施形態による自動二輪車1のフロントフォーク11の動作について説明する。
まず、フロントフォーク11(図2参照)に圧縮する方向の力が作用した場合について説明する。フロントフォーク11に圧縮する方向の力が作用すると、フロントフォーク11が圧縮方向に動作することにより、減衰力が発生する。
具体的には、図2に示すように、シリンダ部22に対してピストン部16およびロッド部15が下降方向に動作されると、上部オイル室22bの体積が拡大するため、中間オイル室22a内のオイルが、ピストン部16のオリフィス16aを介してC方向に流れるとともに、ワッシャ16cを開いて、上部オイル室22bに流入する。この際、中間オイル室22aの圧力が上昇し、ベースバルブ21のワッシャ21eが開かれる。そして、中間オイル室22a内のオイルが、ベースバルブ21のオリフィス21cを介してA方向に流れて、下部オイル室22c内に流入するとともに、下部オイル室22cからシリンダパイプ部20の開口部20aを介して外側オイル室11bの下部オイル室11cに流出する。この場合、オイルが圧縮減衰用のベースバルブ21のオリフィス21cなどを流れる抵抗により、減衰力が発生することとなる。
また、本実施形態では、フロントフォーク11の伸縮によりシリンダ部22内にオイルが徐々に浸入して、シリンダ部22内の油圧が所定の値よりも大きくなった場合には、フロントフォーク11の圧縮時に、シール部材26(隔壁部材23)がシリンダパイプ部20の凹部20cの高さ位置まで上側に移動されて、下部オイル室11cから上部オイル室11dにオイルが通過される。これにより、下部オイル室11cに連結された下部オイル室22c(シリンダ部22)の油圧が所定の値よりも大きくなるのを抑制することが可能となる。
なお、本実施形態では、フロントフォーク11の圧縮時には、挿入部材31が上部蓋体30の凹部30aに挿入されるので、上部蓋体30の凹部30aに充填されたオイルが挿入部材31の外周面と上部蓋体30の凹部30aとの内周面との間を流れる。これによっても、減衰力が発生する。
次に、フロントフォーク11に伸長する方向の力が作用する場合について説明する。フロントフォーク11に伸長する方向の力が作用すると、フロントフォーク11が伸長方向に動作することにより、減衰力が発生する。
具体的には、図3に示すように、シリンダ部22に対してピストン部16およびロッド部15が上昇されると、上部オイル室22bの圧力が上昇し、ピストン部16のワッシャ16dが開かれる。そして、上部オイル室22b内のオイルが、ピストン部16のオリフィス16bを介してD方向に流れて、中間オイル室22a内に流入する。この際、中間オイル室22a内の体積が拡大するため、下部オイル室22c内のオイルが、ベースバルブ21のオリフィス21bを介してB方向に流れるとともに、ワッシャ21dを開いて、中間オイル室22aに流入するとともに、下部オイル室11c内のオイルがシリンダパイプ部20の開口部20aを介して下部オイル室22cに流入する。この場合、オイルが伸び減衰用のピストン部16のオリフィス16bなどを流れる抵抗により、減衰力が発生することとなる。
また、本実施形態では、フロントフォーク11の伸縮によりシリンダ部22内にオイルが徐々に浸入して、シリンダ部22内の油圧が所定の値よりも大きくなった場合には、フロントフォーク11の伸長時に、ロッド部15の凹部15dがシール部材18の高さ位置まで上側に移動されて、上部オイル室22bから外側オイル室11bの上部オイル室11dにオイルが通過される。これにより、上部オイル室22b(シリンダ部22)の油圧が所定の値よりも大きくなるのを抑制することが可能となる。
図8および図9は、本実施形態による自動二輪車のフロントフォークの組立工程を説明するための図である。次に、図3、図8および図9を参照して、本実施形態による自動二輪車1のフロントフォーク11の組立工程について説明する。
まず、図8に示すように、アクスルブラケット19の挿入穴19aにインナーチューブ13を固定する。そして、インナーチューブ13の外側にアウターチューブ12を配置する。
その後、図9に示すように、シリンダ部22を、ロッド部15が挿入された状態で、かつ、隔壁部材23およびバネ部材27が取り付けられた状態で、インナーチューブ13の内側に配置する。
次に、オイル面50が上部蓋体30の上面の高さ位置よりも上側になるまで、インナーチューブ13の内部および上部蓋体30の凹部30aにオイルを注ぎ込む。このとき、ロッド部15を、ロッド部15の凹部15dがシール部材18の高さ位置になるまで上側に移動させて、シール部材18とロッド部15との間に隙間を形成する。これにより、外側オイル室11bの上部オイル室11dから上部オイル室22bにオイルが充填される。
最後に、図3に示すように、ロッド固定部材14を、ロッド部15およびアウターチューブ12に固定する。このようにして、フロントフォーク11が組み立てられる。
本実施形態では、上記のように、フロントフォーク11に、空気およびオイルが上部オイル室11dから下部オイル室11cに流入するのを抑制する機能を有する隔壁部材23を設けることによって、走行中の激しい振動によりガス室11aの空気と上部オイル室11dのオイルとが撹拌され、オイル中に気泡が巻き込まれるエアレーションが発生した場合にも、隔壁部材23により、気泡が巻き込まれたオイルが上部オイル室11dから下部オイル室11cに流入するのを抑制することができるので、空気が上部オイル室11dから下部オイル室11cに流入するのを抑制することができる。これにより、空気が下部オイル室11cから下部オイル室22c(シリンダ部22)に流入するのを抑制することができるので、フロントフォーク11の圧縮時に、下部オイル室22c(シリンダ部22)の油圧をすぐに上昇させることができる。その結果、フロントフォーク11の減衰力の応答が遅くなるのを抑制することができるので、フロントフォーク11の減衰力の応答性が低下するのを抑制することができる。なお、隔壁部材23をシリンダ部22の外側に配置することによって、隔壁部材23を減衰機構(ロッド部15、シリンダ部22、ピストン部16およびベースバルブ21)の外側に配置することができるので、減衰機構の構造が複雑になるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、凹部15dを、フロントフォーク11の組立時に、シリンダ部22(下部オイル室22c、中間オイル室22aおよび上部オイル室22b)内にオイルを充填する際に、フロントフォーク11を伸長することにより上部オイル室11dからシリンダ部22(上部オイル室22b)にオイルが通過するように構成することによって、フロントフォーク11の組立時に、容易に、オイルをシリンダ部22(下部オイル室22c、中間オイル室22aおよび上部オイル室22b)内に充填させることができるので、フロントフォーク11の組立性を向上させることができる。
また、本実施形態では、ロッド部15に、フロントフォーク11が伸長した状態で、シリンダ部22の上部オイル室22bから外側オイル室11bの上部オイル室11dにオイルを通過させる機能を有する凹部15dを設けることによって、上部オイル室22b(シリンダ部22)内の油圧が所定の値よりも高くなった場合に、凹部15dを用いて、上部オイル室22bから上部オイル室11dにオイルを通過させることができるので、上部オイル室22b(シリンダ部22)内の油圧が所定の値よりも高くなるのを抑制することができる。これにより、フロントフォーク11の反力が変化するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、シリンダ部22の外周面に、フロントフォーク11が圧縮された状態で、下部オイル室11cから上部オイル室11dにオイルを通過させる機能を有する凹部20cを設けることによって、フロントフォーク11が圧縮されて下部オイル室22cからのオイルが下部オイル室11dに流出することにより下部オイル室11c内の油圧が所定の値よりも高くなった場合に、凹部20cを用いて、下部オイル室11cから上部オイル室11dにオイルを通過させることができるので、下部オイル室11c内の油圧が所定の値よりも高くなるのを抑制することができる。これにより、下部オイル室11cに連結される下部オイル室22c(シリンダ部22)内の油圧が所定の値よりも高くなるのを抑制することができるので、フロントフォーク11の反力が変化するのをより抑制することができる。
また、本実施形態では、隔壁部材23を、シリンダパイプ部20の外周面に沿ってシリンダパイプ部20の軸方向に移動可能に形成するとともに、フロントフォーク11に、シリンダ部22の外周面と、インナーチューブ13の内周面との間に配置され、下部オイル室11cが加圧されるように隔壁部材23を付勢するバネ部材27を設けることによって、バネ部材27のバネ力を大きく設定することにより、下部オイル室11cの油圧を高い状態で維持することができるので、下部オイル室11cに連結される下部オイル室22c(シリンダ部22)の油圧を高い状態で維持することができる。これにより、フロントフォーク11の反力を大きい状態で維持することができる。
また、本実施形態では、凹部30aおよび挿入部材31を、フロントフォーク11の圧縮時に挿入部材31が上部蓋体30の凹部30aに挿入されることにより減衰力を発生させるように構成することによって、フロントフォーク11の圧縮時に、上部蓋体30の凹部30aおよび挿入部材31によっても減衰力を発生させることができるので、フロントフォーク11が所定の量以上圧縮されるのを抑制することができる。これにより、アウターチューブ12とインナーチューブ13とが機械的に衝突するのを抑制することができるので、乗り心地を向上させることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、懸架装置を備えた車両の一例として自動二輪車を示したが、本発明はこれに限らず、懸架装置を備えた車両であれば、自転車、三輪車、ATV(All Terrain Vehicle;不整地走行車両)などの他の車両にも適用可能である。
また、上記実施形態では、車体と前輪との間に配置されるフロントフォークに本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限らず、車体と後輪との間に配置されるリヤサスペンションなどの懸架装置にも本発明を適用可能である。
また、上記実施形態では、シリンダパイプ部にシリンダパイプ部の他の部分よりも小さい直径を有する小径部を設けることにより、シリンダパイプ部の外周面に凹部(第2油圧調節部)を形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、図10に示した本実施形態の第1変形例のように、シリンダパイプ部20dの外周面に、シリンダパイプ部の軸方向に延びる凹部20eを形成することにより、第2油圧調節部を形成してもよい。なお、ロッド部の外周面に形成される凹部(第1油圧調節部)についても、同様に形成することが可能である。
また、上記実施形態では、シリンダ部の外周面に、凹部(第2油圧調節部)を形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、シリンダ部の外周面に凹部(第2油圧調節部)を設けず、インナーチューブの内周面に、凹部(第2油圧調節部)を形成してもよいし、図11に示した本実施形態の第2変形例のように、シリンダ部20の外周面、および、インナーチューブ43の内周面の両方に、凹部(第2油圧調節部)20cおよび43aをそれぞれ形成してもよい。
また、上記実施形態では、ガス室に充填される気体として、空気を用いた例について示したが、本発明はこれに限らず、ガス室に充填される気体として、空気以外の気体を用いてもよい。この場合、不活性ガスを用いるのが好ましい。
本発明の一実施形態による自動二輪車の全体構造を示した側面図である。 図1に示した一実施形態による自動二輪車のフロントフォークの圧縮時の構造を詳細に説明するための断面図である。 図1に示した一実施形態による自動二輪車のフロントフォークの伸長時の構造を詳細に説明するための断面図である。 図1に示した一実施形態による自動二輪車のフロントフォークの隔壁部材の構造を示した斜視図である。 図1に示した一実施形態による自動二輪車のフロントフォークの位置規制部材の構造を示した平面図である。 図1に示した一実施形態による自動二輪車のフロントフォークの鍔部の取付構造を説明するための断面図である。 図1に示した一実施形態による自動二輪車のフロントフォークの鍔部の取付構造を説明するための断面図である。 図1に示した一実施形態による自動二輪車のフロントフォークの組立工程を説明するための図である。 図1に示した一実施形態による自動二輪車のフロントフォークの組立工程を説明するための図である。 本発明の一実施形態の第1変形例による自動二輪車のフロントフォークのシリンダパイプ部の構造を示した断面図である。 本発明の一実施形態の第2変形例による自動二輪車のフロントフォークの構造を示した断面図である。
符号の説明
1 自動二輪車(車両)
2 ヘッドパイプ(車体)
3 メインフレーム(車体)
4 ピボット軸支持部材(車体)
5 シートレール(車体)
6 バックステー(車体)
9 前輪(車輪)
11 フロントフォーク(懸架装置)
11a ガス室
11c 下部オイル室(第2オイル室)
11d 上部オイル室(第3オイル室)
12 アウターチューブ
13、43 インナーチューブ
15 ロッド部(第1減衰機構)
15a 上端部(一方端)
15b 下端部(他方端)
15d、43a 凹部(第1油圧調節部、第1凹部)
16 ピストン部(第1減衰機構)
18 シール部材(第1シール部材)
20c 凹部(第2油圧調節部、第2凹部)
22 シリンダ部(第1減衰機構)
22a 中間オイル室(第1オイル室)
22b 上部オイル室(第1オイル室)
22c 下部オイル室(第1オイル室)
23 隔壁部材
25 シール部材(第2シール部材)
26 シール部材(第3シール部材)
27 バネ部材(圧縮バネ)
30 上部蓋体(蓋部、第2減衰機構)
30a 凹部(第3凹部)
31 挿入部材(第2減衰機構)

Claims (13)

  1. 車体と、
    車輪と、
    前記車体と前記車輪との間に設けられるとともに、前記車体と前記車輪とが相対的に移動するときの衝撃を吸収する懸架装置とを備え、
    前記懸架装置は、
    前記車体側に支持されるアウターチューブと、
    前記車輪側に支持され、前記アウターチューブに移動可能に挿入されるインナーチューブと、
    前記インナーチューブの内部に配置され、オイルが充填されている第1オイル室を有するシリンダ部と、
    前記インナーチューブの内側で、かつ、前記シリンダ部の外側の空間に配置され、気体が前記第1オイル室側に流入するのを抑制する機能を有する隔壁部材と
    前記インナーチューブの内側で、かつ、前記シリンダ部の外側の空間に配置され、前記第1オイル室に連結される第2オイル室と、
    前記第2オイル室と隣接するように形成された第3オイル室と、
    前記シリンダ部の内部に配置されるロッド部とを含み、
    前記ロッド部には、前記懸架装置が伸長した状態で、前記第1オイル室から前記第3オイル室に前記オイルを通過させる機能を有する第1油圧調節部が設けられている、車両。
  2. 前記隔壁部材は、前記シリンダ部の外周面に沿って前記シリンダ部の軸方向に移動可能に配置されている、請求項1に記載の車両。
  3. 前記懸架装置は、前記第3オイル室に隣接して形成されたガス室をさらに含み、
    前記隔壁部材は、前記第2オイル室と前記第3オイル室との間を区画して配置されている、請求項1に記載の車両。
  4. 前記懸架装置は、前記シリンダ部の内部に配置されるピストン部と、前記ロッド部とを有する第1減衰機構をさらに含み、
    前記ロッド部は、一方端が前記アウターチューブ側に固定され、他方端が前記ピストン部に取り付けられている、請求項に記載の車両。
  5. 前記第1油圧調節部は、前記懸架装置の組立時に、前記第1オイル室に前記オイルを充填する際に、前記第3オイル室から前記第1オイル室に前記オイルを通過させる機能をさらに有する、請求項に記載の車両。
  6. 前記第1油圧調節部は、前記ロッド部の外周面に設けられた第1凹部を含む、請求項に記載の車両。
  7. 前記シリンダ部の外周面および前記インナーチューブの内周面の少なくとも一方には、前記懸架装置が圧縮された状態で、前記第2オイル室から前記第3オイル室に前記オイルを通過させる機能を有する第2油圧調節部が設けられている、請求項3に記載の車両。
  8. 前記第2油圧調節部は、前記シリンダ部の外周面および前記インナーチューブの内周面の少なくとも一方に設けられた第2凹部を含む、請求項7に記載の車両。
  9. 前記隔壁部材は、前記シリンダ部の外周面に沿って前記シリンダ部の軸方向に移動可能であり、
    前記懸架装置は、前記シリンダ部の外周面と、前記インナーチューブの内周面との間に配置され、前記第1オイル室および前記第2オイル室が加圧されるように前記隔壁部材を付勢する圧縮バネをさらに含む、請求項3に記載の車両。
  10. 前記懸架装置は、前記シリンダ部の上部に固定され、前記第1オイル室と前記第3オイル室とを仕切る蓋部をさらに含み、
    前記蓋部には、前記第1オイル室と前記第3オイル室との間をシールする第1シール部材が設けられている、請求項3に記載の車両。
  11. 前記蓋部は、前記第3オイル室内に形成された第3凹部を有し、
    前記懸架装置は、前記蓋部と、前記懸架装置の圧縮時に前記蓋部の第3凹部に挿入される挿入部材とを有する第2減衰機構をさらに含み、
    前記第2減衰機構は、前記懸架装置の圧縮時に前記挿入部材が前記蓋部の前記第3凹部に挿入されることにより減衰力を発生させる、請求項10に記載の車両。
  12. 前記隔壁部材は、前記シリンダ部の外周面と、前記インナーチューブの内周面との間に配置され、
    前記懸架装置は、前記隔壁部材と前記インナーチューブの内周面との間をシールする第2シール部材と、前記隔壁部材と前記シリンダ部の外周面との間をシールする第3シール部材とをさらに含む、請求項1に記載の車両。
  13. 前記懸架装置は、フロントフォークである、請求項1に記載の車両。
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