JP6637806B2 - 懸架装置 - Google Patents

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Description

本発明は、懸架装置に関する。
例えば特許文献1には、ダンパ脚とスプリング脚を平行配置したフロントフォークであって、スプリング脚が、車体側チューブと車軸側チューブを互いに挿入し、ガイドシリンダを車体側チューブと車軸側チューブの一方の内部の中央に設け、車体側チューブと車軸側チューブの他方の内部の中央に設けたガイドロッドのガイドをガイドシリンダに挿入してなり、ガイドシリンダの内部にガイドロッドのガイドが区画する内側空気ばね室と、車体側チューブと車軸側チューブがガイドシリンダにおける少なくとも上記内側空気ばね室の外側に区画する外側空気ばね室とを有するフロントフォークが開示されている。
特開2012−92945号公報
ここで、フロントフォーク(懸架装置)では、ロッド部材によって貫通されたフリーピストン(移動部材)が、ロッド部材の軸方向に沿って移動する構成が採用されることがある。そして、このフリーピストンの内周面およびロッド部材の外周面との間で生じる摩擦力によって、フロントフォークの減衰力特性が変化し得る。
本発明は、移動部材が受ける摩擦力を移動部材の移動にともない変化させる懸架装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、車体側に位置する車体側部材と、車輪側に位置するとともに前記車体側部材に接続し、当該車体側部材に対して相対的に移動する車輪側部材と、前記車体側部材あるいは前記車輪側部材に設けられるシリンダ部材と、前記シリンダ部材の内部で前記車体側部材および前記車輪側部材の相対的な移動にともない移動する移動部材と、前記シリンダ部材の内部で前記移動部材を貫通して設けられ、当該移動部材を案内するロッド部材と、を有する緩衝器を備え、前記移動部材は、前記シリンダ部材および前記ロッド部材の一方の部材と対向する側に設けられ当該一方の部材との間を封止する封止部材を有し、前記一方の部材は、前記移動部材と対向する面であって前記封止部材が摺動する摺動領域に、当該移動部材から離間する向きに径が変化する径変化部を有し、前記封止部材は、前記移動部材の移動にともない前記径変化部を通過する際に前記一方の部材との接触を維持することを特徴とする懸架装置である。本構成では、シリンダ部材およびロッド部材の一方の部材が径変化部を有することで、移動部材が受ける摩擦力を低下させることができる。
本発明は、移動部材が受ける摩擦力を移動部材の移動にともない変化させる懸架装置を提供することができる。
本実施形態のフロントフォークの全体図である。 第1フロントフォークを説明するための図である。 図2に示す第1フロントフォークの車輪側の拡大図である。 図2に示す第1フロントフォークの車体側の拡大図である。 第2フロントフォークを説明するための図である。 図5に示す第2フロントフォークのVI部の拡大図である。 図5に示す第2フロントフォークのVII部の拡大図である。 図5に示す第2フロントフォークを矢印VIII方向からみた図である。 (a)〜(b)は、第2フロントフォークの圧側行程および伸側行程における動作を説明するための図である。 ロッド部材191を説明するための図である。 (a)および(b)は、ロッド部材に対するフリーピストンの配置を説明するための図である。 ダンパ部による反力とフリーピストンのストロークとの関係について説明するための概略図である。 リヤクッションに設けられる第2小径部を説明するための図である。 (a)および(b)は、第2フロントフォークに設けられる第2小径部を説明するための図である。 シリンダに設けられる拡径部を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
〔フロントフォークの全体説明〕
図1は、本実施形態のフロントフォーク1の全体図である。
本実施形態のフロントフォーク1(懸架装置)は、図1に示すように、倒立型フロントフォークである。フロントフォーク1は、第1フロントフォーク11Aと、第2フロントフォーク11Bと、ブラケット12と、ステアリングシャフト13とを有している。そして、フロントフォーク1は、例えば二輪車や三輪車等の車両のハンドル(不図示)と車輪14との間を接続するように設けられ、衝撃を緩衝するとともにハンドルの操舵を車輪14に伝達する。
第1フロントフォーク11Aと第2フロントフォーク11Bとは、車軸14Sを介し、車輪14の左右にそれぞれ取り付けられる。そして、第1フロントフォーク11Aおよび第2フロントフォーク11Bは、軸方向に伸縮可能である。
第1フロントフォーク11Aは、減衰装置の一例であり、オイルダンパなどの減衰機構を内蔵し、懸架ばねを内蔵しない。また、本実施形態では、第2フロントフォーク11Bは、懸架ばね装置の一例であり、例えば減衰機構と金属ばねからなる懸架ばねを内蔵せず、空気ばねからなる懸架ばねを内蔵する。また第1フロントフォーク11Aおよび第2フロントフォーク11Bは、双方とも懸架装置の一例として把握することができる。
ブラケット12は、第1フロントフォーク11Aおよび第2フロントフォーク11Bを接続する。そして、ブラケット12は車体に連結される。ステアリングシャフト13は、一端側がブラケット12に固定され、他端側にてハンドルに接続される。
本実施形態のフロントフォーク1(懸架装置)は、減衰機構を内蔵するとともに懸架ばねを内蔵しない第1フロントフォーク11A(減衰装置)と懸架ばねを内蔵するとともに減衰機構を内蔵しない第2フロントフォーク11B(懸架ばね装置)とを備え、車両のハンドルと車輪14(車輪)との間を接続する。
〔第1フロントフォーク11Aの構成および機能〕
図2は、第1フロントフォーク11Aを説明するための図である。
図3は、図2に示す第1フロントフォーク11Aの車輪側の拡大図である。
図4は、図2に示す第1フロントフォーク11Aの車体側の拡大図である。
第1フロントフォーク11A(懸架装置、減衰装置)は、管状に形成され車体側に位置するアウターチューブ部110(車体側部材)と、管状に形成されて車輪14(車輪)側に位置すると共にアウターチューブ部110に接続し、アウターチューブ部110の軸方向においてアウターチューブ部110に対して相対的に移動するインナーチューブ部120(車輪側部材)と、アウターチューブ部110及びインナーチューブ部120の内側に設けられ、軸方向において、外周側に脆弱部を有する筒状のシリンダ151(シリンダ)と、アウターチューブ部110及びインナーチューブ部120の内側に位置し、アウターチューブ部110とインナーチューブ部120との移動に伴ってシリンダ151の軸方向に相対的に移動するロッド部材181(ロッド部材)と、ロッド部材181の端部に固定されると共にシリンダ151の軸方向に移動可能にシリンダ151に接触して設けられ、シリンダ151内の空間を区画するピストン182(第1の区画部材)と、を備える。
また他の観点からは、第1フロントフォーク11A(懸架装置、減衰装置)は、管状に形成され車体側に位置するアウターチューブ部110(車体側部材)と、管状に形成されて車輪14(車輪)側に位置すると共にアウターチューブ部110に接続し、アウターチューブ部110の軸方向においてアウターチューブ部110に対して相対的に移動するインナーチューブ部120(車輪側部材)と、アウターチューブ部110及びインナーチューブ部120の内側に設けられ、軸方向において、外周側に脆弱部を有する筒状のシリンダ151(シリンダ)と、アウターチューブ部110及びインナーチューブ部120の内側に位置し、アウターチューブ部110とインナーチューブ部120との移動に伴ってシリンダ151の軸方向に相対的に移動するロッド部材181(ロッド部材)と、ロッド部材181の端部に固定されると共にシリンダ151の軸方向に移動可能にシリンダ151に接触して設けられ、シリンダ151内の空間を区画し、アウターチューブ部110とインナーチューブ部120とが相対的に移動することで生ずる振動を減衰させる減衰機構を有するピストン182(第1の区画部材)と、ピストン182に対し軸方向においてシリンダ151が配される側に配され、シリンダ151内の空間を区画し、減衰機構を有するピストン192(第2の区画部材)と、ピストン192に対し軸方向においてシリンダ151が配される側に配され、シリンダ151内の空間を区画するとともに、ロッド部材181の移動に伴ってシリンダ151内を軸方向に移動するフリーピストン194(第3の区画部材)と、を備える。
第1フロントフォーク11Aは、図2に示すように、外筒部20Aと、車軸ブラケット部40Aと、ダンパ部50Aと、を備えている。なお、本実施形態において、以下の説明では、第1フロントフォーク11Aの長手方向を「軸方向」と呼び、軸方向において車軸ブラケット部40Aが位置する側の車輪14側の端部を「一端」と呼び、逆側の車体側の端部を「他端」と呼ぶ。またこれは、第2フロントフォーク11Bでも同様である。
(外筒部20A)
外筒部20Aは、図2に示すように、車体側部材の一例としてのアウターチューブ部110と、車輪側部材の一例としてのインナーチューブ部120と、フォークボルト部130とを備えている。
(アウターチューブ部110)
アウターチューブ部110は、図2に示すように、アウターチューブ111と、ブッシュ112と、シール部材113とを有する。
アウターチューブ111は、管状の部材であって、本実施形態では車体側に位置する。
(インナーチューブ部120)
インナーチューブ部120は、図2に示すように、インナーチューブ121と、ボトムピース122とを有する。
インナーチューブ121は、管状の部材であって、本実施形態では車輪14側に位置する。インナーチューブ121は、アウターチューブ111に接続し、アウターチューブ111の内側に挿入され、軸方向においてアウターチューブ111に対して相対的に移動する。
ボトムピース122は、インナーチューブ121の一端側に配置される。ボトムピース122は、内側にロッド部材181(後述)が貫通する開口を有する環形状をしている。
(フォークボルト部130)
フォークボルト部130は、図4に示すように、フォークボルト131と、シリンダ保持部132とを有する。
フォークボルト131は、シリンダ保持部132の他端側を閉塞する。
シリンダ保持部132は、円筒形状をなし、アウターチューブ111の内周に挿入されて螺着される。
なおシリンダ保持部132には、貫通孔132Kが設けられ、気体室T1と後述するフリーピストン60の背後の気体室T6とを連通している。
上述したように本実施形態の第1フロントフォーク11Aは、倒立型フロントフォークである。よってアウターチューブ111は、インナーチューブ121の半径方向外側に配置されている。
(車軸ブラケット部40A)
車軸ブラケット部40Aは、図3に示すように、チューブ保持部141と、車軸連結部142と、ロッド保持部143とを有する。
チューブ保持部141は、インナーチューブ121の外径よりも小さな内径を有し、インナーチューブ121の一端部が挿入される。
車軸連結部142は、車輪14の車軸14S(図1参照)が挿入される車軸孔142Hを有し、車輪14の車軸14Sを締め付け可能である。
ロッド保持部143は、ボトムボルト143Aとボトムボルト孔143Bとを有し、ボトムボルト孔143Bは、ボトムボルト143Aと接続する。
(ダンパ部50A)
ダンパ部50Aは、減衰機構の一例であり、図2に示すように、シリンダ部150と、メインバルブ装置160と、サブバルブ装置190とを有している。ダンパ部50Aは、メインバルブ装置160とサブバルブ装置190の発生する減衰力により、第1フロントフォーク11Aによる衝撃力の吸収に伴うアウターチューブ111とインナーチューブ121の伸縮振動を抑制する。
(シリンダ部150)
シリンダ部150は、図2に示すように、シリンダ151を備える。
シリンダ151は、筒状の部材であって、本実施形態では、車体側に配され、アウターチューブ111及びインナーチューブ121の内側に設けられる。シリンダ151は、シリンダ保持部132の内周に挿入されて螺着されることで保持される。シリンダ151については、後で詳述する。
またアウターチューブ111およびインナーチューブ121と、シリンダ151との間は、空気が充填される気体室T1とオイルが充填される油室T2とが設けられる。気体室T1内の空気と油室T2内のオイルとは、自由界面を介して接触している。
(メインバルブ装置160)
メインバルブ装置160は、図3に示すように、下シリンダ部170と、ロッド部180とを備えている。
(下シリンダ部170)
下シリンダ部170は、図3に示すように、ロッドガイド171と、オイルロックカラー172と、ブッシュ173と、リバウンドスプリング174と、ばね受け175とを有する。
ロッドガイド171は、シリンダ151の一端部に位置し、シリンダ151の端部に固定される。また、ロッドガイド171は、貫通孔176にロッド部材181(後述)が貫通して設けられ、軸方向にスライド可能に支持する。
ロッドガイド171は、油室T2とロッド側油室T3とを区画する。
リバウンドスプリング174は、例えば、金属コイルばねである。リバウンドスプリング174のばね力は、アウターチューブ111とインナーチューブ121とを収縮させる方向に付勢する。
(ロッド部180)
ロッド部180は、図3に示すように、ロッド部材181と、ピストン182と、ピストンリング183とを備える。
ロッド部材181は、本実施形態では、車輪14側に配され、軸方向に沿って延びる棒状の部材である。また、ロッド部材181は、内側に、軸方向の一端から他端まで延びた貫通孔であるロッド内室181Rが形成され、中空状となっている。
ロッド部材181は、ボトムボルト143Aを介して車軸ブラケット部40Aに固定される。
ロッド部材181は、アウターチューブ111及びインナーチューブ121の内側に位置する。ロッド部材181は、アウターチューブ111とインナーチューブ121との移動に伴ってシリンダ151の軸方向に相対的に移動する。
ピストン182は、減衰機構を有する第1の区画部材の一例であり、ロッド部材181の他端側端部(車輪14側の端部)に位置し、ロッド部材181の他端側に固定される。
またピストン182は、伸側減衰バルブ182NBを備えてロッド側油室T3とピストン側油室T4とを連絡可能とする伸側流路182NRと、圧側チェックバルブ182PBを備えてロッド側油室T3とピストン側油室T4とを連絡可能とする圧側流路182PRとを備える。
ピストン182は、シリンダ151の軸方向に移動可能にシリンダ151に接触して設けられ、シリンダ151内の空間を区画する。即ち、ピストン182は、ロッド部材181が収容されるロッド側油室T3とシリンダ部150の内部をロッド部材181が収容されないピストン側油室T4とに区画する。
(サブバルブ装置190)
サブバルブ装置190は、図4に示すように、ロッド部材191と、ピストン192と、加圧スプリング193と、フリーピストン194とを備える。
ロッド部材191は、軸方向に沿って延びる棒状の部材である。ロッド部材191は、他端側端部においてフォークボルト131の内周に挿入されて螺着される。さらにロッド部材191は、内側に、軸方向の他端から一端まで延びた貫通孔であるロッド内室191Rが形成され、中空状となっている。
ピストン192は、ロッド部材191の一端側端部に位置し、保持される。これによりピストン192は、ピストン側油室T4とサブ油室T5とを区画する。
またピストン192は、圧側減衰バルブ192PBを備えてピストン側油室T4とサブ油室T5とを連絡可能とする圧側流路192PRと、伸側チェックバルブ192NBを備えてピストン側油室T4とサブ油室T5とを連絡可能とする伸側流路192NRとを備える。
これによりピストン192は、ピストン182に対し軸方向においてシリンダ151が配される側に配され、シリンダ151内の空間を区画し、アウターチューブ部110とインナーチューブ部120とが相対的に移動することで生ずる振動を減衰させる減衰機構を有する第2の区画部材として機能する。
加圧スプリング193は、圧縮コイルばねである。そして加圧スプリング193は、フリーピストン60をピストン192の側に向けて付勢する。
フリーピストン194は、底部194Aと筒部194Bを有する有底筒状体をなす。フリーピストン194は、底部194Aの外周部に、サブ油室T5に臨む側に突き出る外周スカート部194Cを備える。フリーピストン194は、第1フロントフォーク11Aの伸縮に伴なってシリンダ151に進入、退出するロッド部材181の容積を補償するために、フリーピストン194は、シリンダ151の内径部を液密に摺動する。
これによりフリーピストン194は、ピストン192の側でピストン側油室T4に連通しているサブ油室T5と、フリーピストン194の背後の気体室(体積補償室)T6とを区画する。
フリーピストン194は、ピストン182に対し軸方向においてシリンダ151が配される側に配され、シリンダ151内の空間を区画するとともに、ロッド部材181の移動に伴ってシリンダ151内を軸方向に移動する第3の区画部材として機能する。
上記構成の第1フロントフォーク11Aは、以下のように動作する。
(圧側行程)
第1フロントフォーク11Aの圧側行程においては、アウターチューブ111とインナーチューブ121とが軸方向において相対的に近づく方向に移動する。このときピストン182と下シリンダ部170とは、軸方向に相対的に遠ざかる方向に移動する。またピストン182とピストン192とは、軸方向に相対的に近づく方向に移動する。
ピストン182と下シリンダ部170とが遠ざかることで、ロッド側油室T3の容積が広がる。一方、ピストン182とピストン192とが近づくことでピストン側油室T4の容積が狭まる。これによりピストン側油室T4のオイルは、圧側チェックバルブ182PBを開き、圧側流路182PRを通り、ロッド側油室T3に移動する。
またこのときロッド部材181が、ロッド側油室T3に侵入する。そのためロッド部材181がロッド側油室T3に侵入した容積分のオイルが、ピストン側油室T4からサブ油室T5へ移動する。この場合、ピストン側油室T4のオイルは、圧側減衰バルブ192PBを開き、圧側流路192PRを通り、サブ油室T5に移動する。このときさらに減衰力が生じる。
そしてサブ油室T5にオイルが移動すると、フリーピストン194が軸方向他端側に移動する。その結果、気体室T6の容積が狭まる。この容積分の気体は、貫通孔132Kを通り、気体室T6から気体室T1へ移動する。
(伸側行程)
第1フロントフォーク11Aの伸側行程においては、アウターチューブ111とインナーチューブ121とが軸方向において相対的に遠ざかる方向に移動する。このときピストン182と下シリンダ部170とは、軸方向に相対的に近づく方向に移動する。またピストン182とピストン192とは、軸方向に相対的に遠ざかる方向に移動する。
ピストン182と下シリンダ部170とが近づくことで、ロッド側油室T3の容積が狭まる。一方、ピストン182とピストン192とが遠ざかることでピストン側油室T4の容積が広がる。これによりロッド側油室T3のオイルは、伸側減衰バルブ182NBを開き、伸側流路182NRを通り、ピストン側油室T4に移動する。このとき減衰力が生じる。
またこのときロッド部材181が、ロッド側油室T3から退出する。そのためロッド部材181がロッド側油室T3から退出した容積分のオイルが、サブ油室T5からピストン側油室T4へ移動する。この場合、サブ油室T5のオイルは、伸側チェックバルブ192NBを開き、伸側流路192NRを通り、ピストン側油室T4に移動する。
そしてピストン側油室T4にオイルが移動すると、フリーピストン194が軸方向一端側に移動する。その結果、気体室T6の容積が広がる。この容積分の気体は、貫通孔132Kを通り、気体室T1から気体室T6へ移動する。
〔第2フロントフォーク11Bの構成および機能〕
図5は、第2フロントフォーク11Bを説明するための図である。
図6は、図5に示す第2フロントフォーク11BのVI部の拡大図である。
図7は、図5に示す第2フロントフォーク11BのVII部の拡大図である。
図8は、図5に示す第2フロントフォークを矢印VIII方向からみた図である。
第2フロントフォーク11B(懸架装置、懸架ばね装置)は、管状に形成され車体側に位置するアウターチューブ部210(車体側部材)と、管状に形成されて車輪14(車輪)側に位置すると共にアウターチューブ部210に接続し、アウターチューブ部210の軸方向においてアウターチューブ部210に対して相対的に移動するインナーチューブ部220(車輪側部材)と、アウターチューブ部210及びインナーチューブ部220の内側に設けられ、軸方向において、外周側に脆弱部を有する筒状のシリンダ311(シリンダ)と、アウターチューブ部210及びインナーチューブ部220の内側に位置し、アウターチューブ部210とインナーチューブ部220との移動に伴ってシリンダ311の軸方向に相対的に移動するロッド部材321(ロッド部材)と、ロッド部材321の端部に固定されると共にシリンダ311の軸方向に移動可能にシリンダ321に接触して設けられ、シリンダ321内の空間を区画するピストン322(第1の区画部材)と、を備える。
第2フロントフォーク11Bは、図5に示すように、外筒部20Bと、内筒部30Bと、車軸ブラケット部40Bと、サブタンク部50Bとを備えている。
(外筒部20B)
外筒部20Bは、図5に示すように、車体側部材の一例としてのアウターチューブ部210と、車輪側部材の一例としてのインナーチューブ部220とを備えている。
(アウターチューブ部210)
アウターチューブ部210は、アウターチューブ211と、ブッシュ212と、シール部材213とを有する。
アウターチューブ211は、管状の部材であって、本実施形態では車体側に位置する。
(インナーチューブ部220)
インナーチューブ部220は、図5に示すように、インナーチューブ221と、ブッシュ222と、ボトムピース223とを有する。
インナーチューブ221は、管状の部材であって、本実施形態では車輪14側に位置する。インナーチューブ221は、アウターチューブ211の内側に挿入されてアウターチューブ211と接続する。そして、インナーチューブ221は、軸方向においてアウターチューブ211に対して相対的に移動する。
ボトムピース223は、図7に示すように、インナーチューブ221の一端側に配置される。ボトムピース223は、内側にロッド部材321(後述)が貫通する開口を有する環形状をしている。
上述したように本実施形態の第2フロントフォーク11Bは、倒立型フロントフォークである。よってアウターチューブ部210は、インナーチューブ部220の半径方向外側に配置されている。
(内筒部30B)
内筒部30Bは、図5に示すように、シリンダ部310と、ロッド部320とを備えている。
(シリンダ部310)
シリンダ部310は、シリンダ311、ロッドガイド312、ブッシュ313、ストッパ314、およびフォークボルト部315を有する。そして、シリンダ部310は、アウターチューブ211およびインナーチューブ221の間にガスを収容する外側室R3(第3室)を形成する。
シリンダ311は、アウターチューブ211及びインナーチューブ221の半径方向内側に設けられ、筒状の形状をとる。本実施形態では、シリンダ311は、車体側に配され、後述するシリンダ保持部315Cの内周に挿入されて螺着されることで保持される。シリンダ311については、後で詳述する。
ロッドガイド312は、図6に示すように、シリンダ311の一端側の端部に位置し、シリンダ311の端部に固定される。また、ロッドガイド312は、貫通孔312Hにロッド部材321(後述)が貫通して設けられ、軸方向にスライド可能に支持する。
フォークボルト部315は、図5に示すように、フォークボルト315Bと、シリンダ保持部315Cとを有する。さらに図8に示すように、フォークボルト部315は、内側ガス圧調整部315A1と外側ガス圧調整部315A2とを有する。
フォークボルト315Bは、シリンダ保持部315Cの他端側を閉塞する。
シリンダ保持部315Cは、円筒形状をなし、アウターチューブ211の内周に挿入されて螺着される。
内側ガス圧調整部315A1は、内側第2室R2(後述)に連通する。内側ガス圧調整部315A1は、基本的には内側から第2フロントフォーク11Bの外側へのガスの流出を阻止するとともに、調整時においては内側第2室R2(後述)の封入ガス圧を調整可能にする。外側ガス圧調整部315A2は、外側室R3に連通する。外側ガス圧調整部315A2は、基本的には内側から第2フロントフォーク11Bの外側へのガスの流出を阻止するとともに、調整時においては外側室R3の封入ガス圧を調整可能にする。
(ロッド部320)
ロッド部320は、図6に示すように、ロッド部材321と、ピストン322と、ピストンリング323と、シール部材324とを備える。
ロッド部材321は、軸方向に沿って延びる棒状の部材である。本実施形態では、ロッド部材321は、インナーチューブ221側に固定される。また、ロッド部材321は、内側に、軸方向の一端から他端まで延びた貫通孔であるロッド内室321R(第1の空間部)が形成され、中空状となっている。
ロッド部材321は、ボトムボルト431を介して車軸ブラケット部40Bに固定される。
ロッド部材321は、図6に示すように、他端側にピストン322を保持する。さらに、ロッド部材321は、内側にてロッド内室321Rの他端側においてピストン322の孔部322H(後述)に接続する。また、ロッド部材321のロッド内室321Rは、後述するように、孔部322Hおよび連絡孔322Rを介して内側第1室R1に連通する。この内側第1室R1は、シリンダ311、ロッド部材321、ピストン322およびロッドガイド312の間の空間であり、第2の空間部として機能する。
ロッド部材321は、アウターチューブ211及びインナーチューブ221の半径方向内側に位置し、アウターチューブ211とインナーチューブ221との移動に伴ってシリンダ311の軸方向に相対的に移動する。
ピストン322は、図6に示すように、ロッド部材321に保持される。そして、ピストン322は、内側に孔部322Hおよび連絡孔322Rを有している。
連絡孔322Rは、一方の開口がロッド内室321Rに接続し、他方の開口がピストン322の他端側にてピストン322の外周部まで延びて形成される。そして、連絡孔322Rは、ロッド内室321Rと後述の内側第1室R1とを連通する。
本実施形態では、ピストン322、ピストンリング323およびシール部材324によって、シリンダ311内の気室を区画する。具体的には、ピストン322の一端側であるロッド部材321側に内側第1室R1(第1室)を形成し、ピストン322の他端側に内側第2室R2(第2室)を形成する。
ピストン322は、ロッド部材321の車体側の端部に固定されると共にシリンダ311の軸方向に移動可能にシリンダ311に接触して設けられ、シリンダ311内の空間を区画する第1の区画部材として機能する。
(車軸ブラケット部40B)
車軸ブラケット部40Bは、図7に示すように、チューブ保持部41と、車軸連結部42と、ロッド保持部43と、サブタンク装着部44とを有する。
チューブ保持部41は、インナーチューブ221の外径と略同じ内径を有し、インナーチューブ221の一端側の端部が挿入される。
車軸連結部42は、車輪14の車軸14S(図1参照)が挿入される車軸孔42Hを有し、車軸ボルト42Bによって、車輪14の車軸14Sを締め付け可能である。
ロッド保持部43は、ボトムボルト431、ボトムボルト孔432およびカバー433を有する。
ボトムボルト431は、肉厚の円筒形状を有する。
ボトムボルト孔432は、ボトムボルト431と接続する。
カバー433は、ロッド保持部43の一端側の端部に位置して、ボトムボルト431を覆う。カバー433は、ボトムボルト孔432の内側に固定される。またカバー433には、連絡孔433Hが形成されており、この連絡孔433Hによりロッド部材321の一端側と後述する下部タンク室SLとが接続される。即ち、連絡孔433Hによりロッド内室321Rと下部タンク室SLとが連通する。
サブタンク装着部44は、円筒状部441と、接続部442とを有する。
円筒状部441は、他端側においてサブタンク部50Bを装着し保持する。
接続部442は、後述するサブタンク部50B内部の空間部をロッド保持部43の連絡孔433Hに接続する。
(サブタンク部50B)
サブタンク部50Bは、アウターチューブ211およびインナーチューブ221の外部に設けられる。サブタンク部50Bは、図7に示すように、円筒部材51とバルブ部52とを有する。
円筒部材51は、円筒形状を有し、サブタンク装着部44の内側に保持される。
バルブ部52は、円筒部材51の内側に配置される。
以上のようなサブタンク部50Bは、円筒部材51およびバルブ部52の内部の空間である上部タンク室SU(第3の空間部)を形成する。そして接続部442の内部の空間である下部タンク室SL(第4の空間部)とともにサブタンク室Sを形成する。
下部タンク室SLは、上述のように連絡孔433Hによりロッド内室321Rと連通する。さらにロッド内室321Rは、連絡孔322Rおよび孔部322Hを介して、内側第1室R1と連通する。すなわち、内側第1室R1、ロッド内室321Rおよびサブタンク室Sとは全てガスが相互に流通可能に接続している。
バルブ部52は、基本的には内側から第2フロントフォーク11Bの外側へのガスの流出を阻止するとともに、調整時においてはロッド内室321Rを介して内側第1室R1の封入ガス圧を調整可能にする。
上記構成の第2フロントフォーク11Bは、以下のように動作する。
図9(a)〜(b)は、第2フロントフォーク11Bの圧側行程および伸側行程における動作を説明するための図である。
(圧側行程)
第2フロントフォーク11Bの圧側行程においては、図9(a)に示すように、アウターチューブ211とインナーチューブ221とが軸方向において相対的に近づく方向に移動する。また、シリンダ311の他端側に向けてピストン322およびロッド部材321が軸方向に相対的に近づく方向に移動する。
アウターチューブ211とインナーチューブ221とが近づくことで、外側室R3の容積が狭まって外側室R3における空気が圧縮される。このとき、外側室R3は、密封されているため空気ばねとして作用する。そして、外側室R3において、アウターチューブ211とインナーチューブ221とを伸張させる方向の反力が発生する。
同様に、シリンダ311の他端側に向けてピストン322が挿入されることで、内側第2室R2の容積が狭まって内側第2室R2における空気が圧縮される。このとき、内側第2室R2は、密封されているため空気ばねとして作用する。そして、内側第2室R2においてもアウターチューブ211とインナーチューブ221とを伸張させる方向の反力が発生する。
(伸側行程)
第2フロントフォーク11Bの伸側行程においては、図9(b)に示すように、アウターチューブ211とインナーチューブ221とが軸方向において相対的に遠ざかる方向に移動する。また、シリンダ311の一端側に向けてピストン322およびロッド部材321の他端側が軸方向に相対的に近づく方向に移動する。
シリンダ311の一端側に向けてピストン322が近づく方向に移動することにより、ピストン322とロッドガイド312とが相対的に近づく。これによって、内側第1室R1の容積が狭まって内側第1室R1における空気が圧縮される。また、内側第1室R1は、ピストン322の連絡孔322Rおよび孔部322Hを介してロッド内室321Rと接続し、ロッド内室321Rは、連絡孔433Hを介して、サブタンク室Sと接続している。そのため、これら内側第1室R1、ロッド内室321Rおよびサブタンク室Sが空気ばねとして作用する。そして、内側第1室R1、ロッド内室321Rおよびサブタンク室Sにおいて、アウターチューブ211とインナーチューブ221とを収縮させる方向の反力が発生する。
本実施形態では、内側第1室R1に加えてロッド内室321Rやサブタンク室Sを設けることによって、内側第1室R1の容積を従来の構成と比較して拡大されるため、より安定した反力を確保することができる。
以上のように、本実施形態が適用される第2フロントフォーク11Bにおいては、第2フロントフォーク11Bの伸縮ストロークに対し、アウターチューブ211とインナーチューブ221とを伸長させる方向に付勢する外側室R3および内側第2室R2により形成される空気ばねのばね力と、アウターチューブ211とインナーチューブ221とを収縮させる方向に付勢する内側第1室R1等により形成される空気ばねのばね力が発生する。
〔ロッド部材191〕
(ロッド部材191の詳細構成)
図10は、ロッド部材191を説明するための図である。
ここで、本実施形態に係るフロントフォーク1の概略構成を説明する。
フロントフォーク1(懸架装置の一例)は、車体側に位置するアウターチューブ部110(車体側部材の一例)と、車輪側に位置するとともにアウターチューブ部110に接続し、アウターチューブ部110に対して相対的に移動するインナーチューブ部120(車輪側部材の一例)と、アウターチューブ部110あるいはインナーチューブ部120に設けられるシリンダ151(シリンダ部材の一例)と、シリンダ151の内部でアウターチューブ部110およびインナーチューブ部120の相対的な移動にともない移動するフリーピストン194(移動部材の一例)と、シリンダ151の内部でフリーピストン194を貫通して設けられ、フリーピストン194を案内するロッド部材191(ロッド部材の一例)と、を有するダンパ部50A(緩衝器の一例)を備え、フリーピストン194は、シリンダ151およびロッド部材191の一方の部材と対向する側に設けられこの一方の部材との間を封止する内周シール部材194T(封止部材の一例)を有し、一方の部材は、フリーピストン194と対向する面であって内周シール部材194Tが押し当てられる領域、すなわち内周シール部材194Tが摺動(接触を維持しながらスライド移動)する摺動領域に、フリーピストン194から離間する向きに径が変化する第2小径部1915(径変化部の一例)を有する。
さて、上記では説明を省略したが、図10に示すように、ロッド部材191は、軸方向における異なる位置に、他の部分よりも外径が小さい第1小径部1911および第2小径部1915を有している。
第1小径部1911は、外径が略一定の領域である底部1912と、軸方向において底部1912と連続し他端側に進むに従い外径が大きくなる第1テーパ部1913と、軸方向において底部1912と連続し一端側に進むに従い外径が大きくなる第2テーパ部1914とを有する。なお、第1小径部1911は、ロッド部材191の外周に設けられた環状の溝部として捉えることができる。
第1小径部1911は、第1フロントフォーク11A(図2参照)の収縮状態におけるフリーピストン194(図2参照)と対向する位置に設けられている。ここで、上述のようにフリーピストン194は、ロッド部材191の軸方向に沿って移動する。ここで、ダンパ部50A(図2参照)の伸縮動作にともないこのフリーピストン194が移動する範囲を、フリーピストン194の可動領域とすると、第1小径部1911は、フリーピストン194の可動領域における他端側に形成されている。
なお、詳細は後述するが、フリーピストン194は、筒部194Bの外周の環状溝に設けられたオイルシール等の外周シール部材194S(図4参照)と、筒部194Bの内周の環状溝に設けられたオイルシール等の内周シール部材194T(図4参照)とを有する。
そして、外周シール部材194Sはシリンダ151の内周面に押し当てられる。また、内周シール部材194Tはロッド部材191の外周面に押し当てられる。そして、フリーピストン194が軸方向において移動することにともない、外周シール部材194Sとシリンダ151との間で摩擦力が生じるとともに、内周シール部材194Tとロッド部材191との間で摩擦力が生じる。
ここで、図3および図4を参照しながら、外周シール部材194Sおよび内周シール部材194T周辺のオイルの流れについて説明をする。まず、図示の例においては、ロッドガイド171に設けた圧側流路182PRからオイルを吸い込むため、シリンダ151内のオイルが増える。このシリンダ151内のオイルが増えることにともない、気体室T6側へと流れるオイルも増える。そして、この気体室T6側へと流れるオイルが一定量を超えると、内周シール部材194Tと底部1912との間を通じてブローすることにより、気体室T6側へオイルが流れる。なお、内周シール部材194T側は、外周シール部材194S側よりもオイルが流れ易い構造である。また、内周シール部材194T側でブローする際に、外周シール部材194S側ではブローしない。
さて、再び図10を参照しながら、第2小径部1915について説明をする。第2小径部1915は、一端側に進むに従い外径が小さくなる第3テーパ部1916と、軸方向において第3テーパ部1916と連続するフランジ部1917とを有する。なお、第3テーパ部1916における最も径が小さい部分を最小径部1918とする。また、第2小径部1915は、ロッド部材191の外周に設けられた環状の溝部として捉えることができる。
ここで、第2小径部1915は、第1フロントフォーク11A(図2参照)の伸長状態におけるフリーピストン194(図2参照)と対向する位置に設けられている。また、第2小径部1915は、軸方向において第1小径部1911よりも一端側に設けられている。さらに説明をすると、第2小径部1915は、フリーピストン194の可動領域における一端側に形成されている。なお、第2小径部1915は、フリーピストン194の可動領域に形成されていればよく、一端に形成されていなくてもよい。
すなわち、第2小径部1915(径変化部の一例)は、フリーピストン194(移動部材の一例)の移動領域における一端側に設けられる。
また、第2小径部1915(径変化部の一例)は、一端側に進むに従いフリーピストン194(移動部材の一例)から離間する第3テーパ部1916(テーパ形状の一例)を有する。
ここで、ロッド部材191に形成された第1小径部1911および第2小径部1915の寸法について説明をする。
まず、第1小径部1911の底部1912における外径D1は、ロッド部材191の外周面1910における外径D0よりも小さい。同様に、第2小径部1915における最小径部1918の外径D2は、外周面1910の外径D0よりも小さい。また、最小径部1918の外径D2は、底部1912の外径D1よりも大きい。より具体的には、例えば外周面1910の外径D0は12mmであり、底部1912の外径D1は10mmであり、最小径部1918の外径D2は10.5mmである。
ここで、図10に示すように、フリーピストン194の可動領域の軸方向における長さを、例えば軸方向における最小径部1918から底部1912までの長さL1とする。この可動領域の長さL1と比較して、第2小径部1915の軸方向における長さL2は、より短い。
具体的には、例えば第2小径部1915の長さL2は、可動領域の長さL1の3分の1以下である。仮に可動領域の長さL1が30mmである場合、第2小径部1915の長さL2は10mm以下となる。付言すると、この例のように可動領域の長さL1が30mmである場合、第2小径部1915の長さL2は30mm以下であればよく、10mm以下に限定されるものではない。
なお、図示の例においては、第2小径部1915の長さL2は、第1小径部1911の第2テーパ部1914の長さL3よりも長くなるように構成されている。
(ロッド部材191に対するフリーピストン194の配置)
図11(a)および(b)は、ロッド部材191に対するフリーピストン194の配置を説明するための図である。より具体的には、図11(a)はフリーピストン194が第1小径部1911と対向する配置を示し、図11(b)はフリーピストン194が第2小径部1915と対向する配置を示す。
次に、図11(a)および(b)を参照しながら、ロッド部材191に対するフリーピストン194の配置について説明をする。
なお、フリーピストン194は、本体1940と外周シール部材194Sと内周シール部材194Tとを有する。また、フリーピストン194は、サブ油室T5と気体室T6とを区画する。
また、図11(a)における破線で示すフリーピストン194のように、フリーピストン194が外周面1910と対向する領域においては、内周シール部材194Tは外周面1910と接触する(外周面1910に押圧される)。このことにより、内周シール部材194Tは、オイルがサブ油室T5から気体室T6側へと流れることを抑制する。
また、以下の図11(a)および(b)の説明においては、フリーピストン194は、初期状態として、軸方向において第1小径部1911および第2小径部1915の間に位置するものとする。
さて、図11(a)を参照しながら、ロッド部材191の軸方向に移動可能なフリーピストン194が第1小径部1911と対向する配置について説明をする。
まず、第1フロントフォーク11A(図2参照)が収縮することにともなってサブ油室T5の油圧が上昇すると、図11(a)における破線で示すフリーピストン194が摺動しながら他端側(図中上側)へと移動する。
そして、図11(a)における実線で示すフリーピストン194のように、フリーピストン194が第1小径部1911に到達する。具体的にはフリーピストン194の内周シール部材194Tが、第1小径部1911の第2テーパ部1914を通過して、底部1912と対向する位置に到達する。
この位置において、内周シール部材194Tは、底部1912(ロッド部材191)から離間する。言い替えると、内周シール部材194Tは、締めしろを失う。このことにより、内周シール部材194Tと底部1912との間を通じて、オイルがサブ油室T5から気体室T6側へと流れることが許容される(図中矢印参照)。
このように、フリーピストン194が第1小径部1911に到達することにともない、オイルがサブ油室T5から気体室T6側へと流れ、サブ油室T5の内圧が過剰に上昇することが抑制される。なお、気体室T6側へと流れたオイルは、貫通孔132K(図4参照)および気体室T1(図2参照)を通り、油室T2(図2参照)へと流れる。
すなわち、ロッド部材191(ロッド部材の一例)は、フリーピストン194(移動部材の一例)の移動領域にて他の部分よりも外径が小さい第1小径部1911(小径部の一例)を有し、内周シール部材194T(封止部材の一例)は、第1小径部1911を通過する際に第1小径部1911の外周面から離間する。
次に、図11(b)を参照しながら、フリーピストン194が第2小径部1915と対向する配置について説明をする。
まず、第1フロントフォーク11A(図2参照)が伸長することにともなって、サブ油室T5の油圧が減少すると、初期状態として軸方向において第1小径部1911および第2小径部1915の間に位置するフリーピストン194が、摺動しながら一端側(図中下側)へと移動する。
そして、図11(b)に示すように、フリーピストン194が第2小径部1915に到達する。このとき、フリーピストン194の内周面が第3テーパ部1916と対向するようになるため、フリーピストン194における本体1940の内周面と、ロッド部材191の外周面との間隙が大きくなる。
このことにより、本体1940の内周面に設けられた内周シール部材194Tが圧縮される力は小さくなる。言い替えると、内周シール部材194Tがロッド部材191に対して押しつけられる力が小さくなる。その結果、内周シール部材194Tとロッド部材191との間で生じる摩擦抵抗(摩擦力)が低減される。
付言すると、ロッド部材191は、内周シール部材194Tとの間で生じる摩擦力がロッド部材191の軸方向において位置依存特性を持つように構成されている。また、図示の例では、内周シール部材194Tが第3テーパ部1916と接触している状態のうち、内周シール部材194Tが一端側(図中下側)の位置の方が、他端側(図中上側)と比較して内周シール部材194Tとロッド部材191との間で生じる摩擦力が小さい。
ここで、内周シール部材194Tは、軸方向において移動することにともない、内径を変化させながら第3テーパ部1916と接触する状態を維持する。さらに説明をすると、内周シール部材194Tの内径は、最小径部1918の外径D2と接触可能な寸法である。言い替えると、最小径部1918の外径D2は、内周シール部材194Tの締めしろの範囲内である。
このことにより、内周シール部材194Tが第3テーパ部1916と対向する配置においても、内周シール部材194Tは第3テーパ部1916(ロッド部材191)と接触している(押しつけられている)状態となる。よって、内周シール部材194Tは、オイルがサブ油室T5から気体室T6側へと流れることを抑制する。
すなわち、内周シール部材194T(封止部材の一例)は、フリーピストン194(移動部材の一例)の移動にともない第2小径部1915(径変化部の一例)を通過する際に一方の部材との接触を維持する。
(フリーピストン194の動作)
図12は、ダンパ部50Aによる反力とフリーピストン194のストロークとの関係について説明するための概略図である。
次に、図11および図12を参照しながら、ダンパ部50Aによる反力と、フリーピストン194のストロークとの関係について説明をする。
なお、図12におけるフリーピストン194のストロークとは、ロッド部材191の軸方向一端側に配置されたフリーピストン194が、他端側に向けて移動した距離とする。
まず、本実施の形態とは異なる比較例として、図中破線で示すグラフを参照しながら、ロッド部材191が第2小径部1915を備えない場合について説明をする。
また、初期状態においては、ダンパ部50Aによる反力およびフリーピストン194のストロークはゼロであるものとする(符号12a参照)。
初期状態においてダンパ部50Aに荷重がかかると、ダンパ部50Aに反力が生じる。また、ダンパ部50Aの反力が予め定めた大きさを超えると、フリーピストン194のストロークが増加し始める(符号12b参照)。
そして、ダンパ部50Aへの荷重の増加にともない、ダンパ部50Aの反力およびフリーピストン194のストロークが増加する(符号12c参照)。
そして、ダンパ部50Aへの荷重の増加が停止(符号12d参照)した後に減少すると、所定の期間、ストロークが一定となる(符号12e参照)。その後、ダンパ部50Aへの荷重の減少にともないダンパ部50Aの反力およびフリーピストン194のストロークが減少する(符号12f参照)。
そして、ダンパ部50Aの反力がゼロとなると、フリーピストン194は停止する(符号12g参照)。このとき、フリーピストン194とロッド部材191との間の摩擦力の影響により、ストロークがゼロよりも大きい位置でフリーピストン194は停止する。
次に、本実施の形態として、図中実線で示すグラフを参照しながら、ロッド部材191が第2小径部1915を備える場合について説明をする。
また、上記比較例の場合と同様に、初期状態においては、ダンパ部50Aによる反力およびフリーピストン194のストロークがゼロであるものとする(符号12a参照)。また、初期状態において、フリーピストン194の内周シール部材194Tは、第3テーパ部1916と接触している状態とする(図11(b)参照)。
この状態において、ダンパ部50Aに荷重がかかると、ダンパ部50Aに反力が生じる。また、ダンパ部50Aの反力が予め定めた大きさを超えると、フリーピストン194が動き出し、ストロークが増加し始める(符号12j参照)。このとき、本実施の形態においては第2小径部1915が形成されているため、上述の比較例と比べて、フリーピストン194とロッド部材191との間の摩擦力が低い。このことから、ストロークが増加し始める荷重(符号12j参照)、言い替えるとフリーピストン194が動き出すための荷重が、上述の比較例よりも小さい(符号12b参照)。
そして、ダンパ部50Aへの荷重の増加にともない、ダンパ部50Aの反力およびフリーピストン194のストロークが増加する(符号12c参照)。このとき、本実施の形態においては第2小径部1915が形成されているため、ダンパ部50Aの反力の増加量に対するフリーピストン194ストローク増加量の割合が変化する第1変曲点12kが形成される。なお、図示の第1変曲点12kは、フリーピストン194の内周シール部材194Tが、第2小径部1915の第3テーパ部1916を通過し終わる位置に対応する。
そして、ダンパ部50Aへの荷重の増加が停止(符号12d参照)した後に荷重が減少すると、所定の期間、ストロークが一定となる(符号12e参照)。その後、ダンパ部50Aへの荷重の減少にともないダンパ部50Aの反力およびフリーピストン194のストロークが減少する(符号12f参照)。このとき、本実施の形態においては第2小径部1915が形成されているため第2変曲点12nが形成される。なお、図示の第2変曲点12nは、内周シール部材194Tが、第3テーパ部1916に到達する位置に対応する。
そして、ダンパ部50Aの反力がゼロとなると、フリーピストン194は停止する(符号12m参照)。このとき、フリーピストン194とロッド部材191との間の摩擦力の影響により、ストロークがゼロよりも大きい位置でフリーピストン194は停止する。ここで、本実施の形態においては第2小径部1915が形成されているため、上述の比較例と比べて摩擦力が低い。このことから、停止したフリーピストン194のストローク(符号12m)は、上述の比較例(符号12g参照)と比べて小さい。
上記のように、本実施の形態においては、停止しているフリーピストン194がより低荷重で移動を開始する。すなわち、フロントフォーク1(図1参照)の始動時(収縮開始時)におけるフリーピストン194の動き出しが滑らかになる。
また、ストロークが減少する側に向けて移動しているフリーピストン194は、より小さなストロークで停止する。すなわち、フロントフォーク1(図1参照)の動作終了時(伸長終了時)におけるフリーピストン194の停止が滑らかになる。
これらのことにより、フロントフォークの減衰力特性が向上する。言い替えると、フロントフォーク1を備えた例えば二輪車等の車両の乗り心地が向上する。
付言すると、図12に示すように、破線で示す比較例でダンパ部50Aの反力が減少し停止したフリーピストン194(符号12g参照)を、一旦ストロークがゼロとなる位置に戻した後、再びストロークを増加させるまでには、反力Lgが必要となる。一方、実線で示す実施の形態において、比較例と同様に再びストロークを増加させるには、反力Lhが必要となる。そして、この反力Lhは、反力Lgよりも小さくなる。その結果、フリーピストン194が再び動き出す際のフリーピストン194の動きがより滑らかになる。
また、第2小径部1915(径変化部の一例)は、アウターチューブ部110(車体側部材の一例)およびインナーチューブ部120(車輪側部材の一例)の相対位置がずれてダンパ部50A(緩衝器の一例)が伸びた状態において、内周シール部材194T(封止部材の一例)と対峙する位置に設けられ、第1小径部1911(小径部の一例)は、アウターチューブ部110(車体側部材の一例)およびインナーチューブ部120(車輪側部材の一例)の相対位置がずれてダンパ部50A(緩衝器の一例)が縮んだ状態において、内周シール部材194T(封止部材の一例)と対峙する位置に設けられる。
また、フロントフォーク1(懸架装置の一例)は、車体側に位置するアウターチューブ部110(車体側部材の一例)と、車輪側に位置するとともにアウターチューブ部110に接続し、アウターチューブ部110に対して相対的に移動するインナーチューブ部120(車輪側部材の一例)と、アウターチューブ部110あるいはインナーチューブ部120に設けられるシリンダ151(シリンダ部材の一例)と、シリンダ151の内部でアウターチューブ部110およびインナーチューブ部120の相対的な移動にともない移動するフリーピストン194(移動部材の一例)と、シリンダ151の内部でフリーピストン194を貫通して設けられ、フリーピストン194を案内するロッド部材191(ロッド部材の一例)と、を有するダンパ部50A(緩衝器の一例)を備え、フリーピストン194は、シリンダ151およびロッド部材191の一方の部材と対向する側に設けられこの一方の部材との間を封止する内周シール部材194T(封止部材の一例)を有し、一方の部材は、フリーピストン194と対向する面であって内周シール部材194Tが摺動する摺動領域に、他の部分よりも内周シール部材194Tが受ける摩擦力が小さくなる第2小径部1915(低摩擦領域の一例)を有する。
また、フロントフォーク1(懸架装置の一例)は、車体側に位置するアウターチューブ部110(車体側部材の一例)と、車輪側に位置するとともにアウターチューブ部110に接続し、アウターチューブ部110に対して相対的に移動するインナーチューブ部120(車輪側部材の一例)と、アウターチューブ部110あるいはインナーチューブ部120に設けられるシリンダ151(シリンダ部材の一例)と、シリンダ151の内部でアウターチューブ部110およびインナーチューブ部120の相対的な移動にともない移動するフリーピストン194(移動部材の一例)と、シリンダ151の内部でフリーピストン194を貫通して設けられ、フリーピストン194を案内するロッド部材191(ロッド部材の一例)と、を有するダンパ部50A(緩衝器の一例)を備え、フリーピストン194は、ロッド部材191の軸方向に移動する外周スカート部194C(本体の一例)と、外周スカート部194Cの内周面とロッド部材191の外周面との間を封止する内周シール部材194T(封止部材の一例)を有し、ロッド部材191は、フリーピストン194の移動領域であって、アウターチューブ部110およびインナーチューブ部120の相対位置がずれてダンパ部50Aが伸びた状態において内周シール部材194Tと対峙する位置にて、移動領域における他の部分よりも外径が小さく、かつ内周シール部材194Tが押し付けられる第2小径部1915(第1小径領域の一例)と、フリーピストン194の移動領域であって、アウターチューブ部110およびインナーチューブ部120の相対位置がずれてダンパ部50Aが縮んだ状態において内周シール部材194Tと対峙する位置にて、第2小径部1915よりも外径が小さく、かつ内周シール部材194Tから離間する第1小径部1911(第2小径領域の一例)とを有する。
〔他の実施形態〕
(他の実施形態1)
図13は、リヤクッション101に設けられる第2小径部5915を説明するための図である。
さて、上記実施の形態においては、第2小径部1915がフロントフォーク1に設けられることを説明したが、ロッド部材191と、ロッド部材191の軸方向に移動可能なフリーピストン194とを有する構成であれば、ロッド部材191およびフリーピストン194の構成や機能は特に限定されない。
したがって、第2小径部1915は、フロントフォーク1以外の懸架装置に設けられてもよい。例えば、二輪車の後輪用の懸架装置(リヤクッション)や、三輪車用や四輪車用の懸架装置に第2小径部1915が設けられてもよい。
さらに説明をすると、例えば図13に示すように、車体と後輪の間に設けられるリヤクッション101に第2小径部5915を設けてもよい。
ここで、本実施形態に係るリヤクッション101の概略構成を説明する。
リヤクッション101(懸架装置の一例)は、車体側に位置するシリンダ部10(車体側部材の一例)と、車輪側に位置するとともにシリンダ部10に接続し、シリンダ部10に対して相対的に移動するピストンロッド部20(車輪側部材の一例)と、シリンダ部10あるいはピストンロッド部20に設けられる空間形成部401(シリンダ部材の一例)と、空間形成部401の内部でシリンダ部10およびピストンロッド部20の相対的な移動にともない移動するフリーピストン403(移動部材の一例)と、空間形成部401の内部でフリーピストン403を貫通して設けられ、フリーピストン403を案内するロッド部材402(ロッド部材の一例)とを有する緩衝器を備え、フリーピストン403は、空間形成部401およびロッド部材402の一方の部材と対向する側に設けられこの一方の部材との間を封止する内周シール部材404(封止部材の一例)を有し、一方の部材は、フリーピストン403と対向する面であって内周シール部材404が摺動する摺動領域に、フリーピストン403から離間する向きに径が変化する小径部5915(径変化部の一例)を有する。
図13に示すリヤクッション101は、シリンダ部10と、一端がシリンダ部10の外部に延出されるとともに他端がシリンダ部10の内部に摺動可能に設けられるピストンロッド部20と、シリンダ部10およびピストンロッド部20を外側から覆うように配置されるスプリング部30とを備える。また、リヤクッション101は、サブタンク40と、減衰力調整機構50とを備える。そして、リヤクッション101は、車体と後輪との間に設けられ、車体の重量を支えるとともに衝撃の吸収及び減衰を行う。
ここで、サブタンク40は、外側シリンダ11の車体側端部の近傍に設けられる。そして、サブタンク40は、中空の略円筒形状であり一方が開放された空間形成部401と、空間形成部401の内側に設けられるロッド部材402と、ロッド部材402の外周に設けられ空間形成部401を区画するフリーピストン403と、フリーピストン403の内周面に設けられる内周シール部材404と、空間形成部401の開放された端部を覆うキャップ405と、を備える。
フリーピストン403は、シリンダ部10及びピストンロッド部20の相対位置の変化にともない、ロッド部材402の軸方向に沿って移動する。
また、本実施の形態においては、フリーピストン403の移動領域における一端側(図中上側)に、小径部5915が形成されている。この小径部5915が形成されていることにより、フリーピストン403が移動する際、フリーピストン403の内周シール部材404とロッド部材402の外周面との間で生じる摩擦力が低減される。
(他の実施形態2)
図14(a)および(b)は、第2フロントフォーク11Bに設けられる第2小径部4915を説明するための図である。
ここで、フロントフォーク1(図1参照)におけるロッド部材191以外の箇所に第2小径部1915を設けてもよい。
例えば図14に示すように、フロントフォーク1(図1参照)の第2フロントフォーク11Bが有するロッド部材321に、第2小径部4915を設けてもよい。この例においては、ロッド部材321の軸方向に移動するロッドガイド312の摩擦力が、第2小径部4915が形成されていることにより低減される。
(他の実施形態3)
図15は、シリンダ151に設けられる拡径部1511を説明するための図である。
さて、上記実施の形態においては、ロッド部材191に第2小径部1915を設けることを説明したが、ロッド部材191の軸方向に移動可能なフリーピストン194が受ける抵抗力が低減される態様であれば、これに限定されない。
例えば、図15に示すシリンダ151は、内周面に、フリーピストン194の移動領域にて移動領域における他の部分よりも内径が大きい拡径部1511を有する。この拡径部1511は、シリンダ151の内周に設けられた環状の溝部として捉えることができる。また、拡径部1511は、上記第2小径部1915と同様に、第1フロントフォーク11A(図2参照)の伸長状態におけるフリーピストン194と対向する位置に設けられている。
そして、外周シール部材194Sが、シリンダ151の内周面に押し付けられる力が、拡径部1511において小さくなる。その結果、外周シール部材194Sとシリンダ151との間で生じる摩擦力が低減される。
〔変形例〕
次に、ロッド部材191に形成される第2小径部1915の変形例について説明をする。
上記の実施の形態においては、図10などを参照しながら、第2小径部1915が第3テーパ部1916を有することを説明したが、内周シール部材194Tが離間しない外径であれば、第2小径部1915の形状は特に限定されない。
また、第2小径部1915が軸方向において複数設けられる構成や、湾曲面を有する構成であってもよい。
また、ロッド部材191の軸方向に移動可能なフリーピストン194との間で生じる摩擦力が低減される領域が、ロッド部材191の外周面に設けられる構成であれば、第2小径部1915を備えない構成であってもよい。
例えば、図10における第2小径部1915が形成されている位置に、ロッド部材191の外周面1910よりも内周シール部材194Tとの間で生じる摩擦力が低くなるように構成された低摩擦領域を設けてもよい。例えば、ロッド部材191の外周面1910と一致する外径で、ロッド部材191の外周面1910よりも摩擦係数が小さい樹脂部材を設けてもよい。あるいは、ロッド部材191の外周面1910に複数の凹凸(ディンプル)を設けてもよい。
以上、本書にてロッド部材191、ロッド部材402、およびロッド部材321における種々の構造について説明したが、説明した内容の全部または一部を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。また、種々の変形例についても言及したが、かかる変形例の内容を他の構造や制御等に応用ないし組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。
1…フロントフォーク(懸架装置の一例)、110…アウターチューブ部(車体側部材の一例)、120…インナーチューブ部(車輪側部材の一例)、191…ロッド部材(ロッド部材の一例)、194…フリーピストン(移動部材の一例)、1911…第1小径部(小径部、第2小径領域の一例)、1915…第2小径部(径変化部、低摩擦領域、第1小径領域の一例)、1916…第3テーパ部(テーパ部の一例)、1940…本体(本体の一例)、194T…内周シール部材(封止部材の一例)

Claims (6)

  1. 車体側に位置する車体側部材と、
    車輪側に位置するとともに前記車体側部材に接続し、当該車体側部材に対して相対的に移動する車輪側部材と、
    前記車体側部材あるいは前記車輪側部材に設けられるシリンダ部材と、
    前記シリンダ部材の内部で前記車体側部材および前記車輪側部材の相対的な移動にともない移動する移動部材と、
    前記シリンダ部材の内部で前記移動部材を貫通して設けられ、当該移動部材を案内するロッド部材と、
    を有する緩衝器を備え、
    前記移動部材は、前記シリンダ部材および前記ロッド部材の一方の部材と対向する側に設けられ当該一方の部材との間を封止する封止部材を有し、
    前記一方の部材は、前記移動部材と対向する面であって前記封止部材が摺動する摺動領域に、当該移動部材から離間する向きに径が変化する径変化部を有し、
    前記封止部材は、前記移動部材の移動にともない前記径変化部を通過する際に前記一方の部材との接触を維持する
    ことを特徴とする懸架装置。
  2. 前記径変化部は、前記移動部材の移動領域における一端側に設けられる
    ことを特徴とする請求項1記載の懸架装置。
  3. 前記径変化部は、前記一端側に進むに従い前記移動部材から離間するテーパ形状を有する
    ことを特徴とする請求項2記載の懸架装置。
  4. 前記ロッド部材は、前記移動部材の移動領域にて当該移動領域の他の部分よりも外径が小さい小径部を有し、
    前記封止部材は、前記小径部を通過する際に当該小径部の外周面から離間する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の懸架装置。
  5. 前記径変化部は、前記車体側部材および前記車輪側部材の相対位置がずれて前記緩衝器が伸びた状態において、前記封止部材と対峙する位置に設けられ、
    前記小径部は、前記車体側部材および前記車輪側部材の相対位置がずれて前記緩衝器が縮んだ状態において、前記封止部材と対峙する位置に設けられる
    ことを特徴とする請求項記載の懸架装置。
  6. 車体側に位置する車体側部材と、
    車輪側に位置するとともに前記車体側部材に接続し、当該車体側部材に対して相対的に移動する車輪側部材と、
    前記車体側部材あるいは前記車輪側部材に設けられるシリンダ部材と、
    前記シリンダ部材の内部で前記車体側部材および前記車輪側部材の相対的な移動にともない移動する移動部材と、
    前記シリンダ部材の内部で前記移動部材を貫通して設けられ、当該移動部材を案内するロッド部材と、
    を有する緩衝器を備え、
    前記移動部材は、
    前記ロッド部材の軸方向に移動する本体と、
    前記本体の内周面と前記ロッド部材の外周面との間を封止する封止部材と、
    を有し、
    前記ロッド部材は、
    前記移動部材の移動領域であって、前記車体側部材および前記車輪側部材の相対位置がずれて前記緩衝器が伸びた状態において前記封止部材と対峙する位置にて、当該移動領域における他の部分よりも外径が小さく、かつ当該封止部材が押し付けられる第1小径領域と、
    前記移動部材の移動領域であって、前記車体側部材および前記車輪側部材の相対位置がずれて前記緩衝器が縮んだ状態において前記封止部材と対峙する位置にて、前記第1小径領域よりも外径が小さく、かつ当該封止部材から離間する第2小径領域と、
    を有する
    ことを特徴とする懸架装置。
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