JP2019168096A - フロントフォーク - Google Patents

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Abstract

【課題】 減衰力のチューニングを容易にできるとともに、コストの上昇を低減できるフロントフォークを提供する。【解決手段】 フロントフォークFが車輪側のアウターチューブ1内に設けられるシリンダ3と、車体側のインナーチューブ2に設けられてシリンダ3の外周の液室Lを伸側室L1と圧側室L2とに区画するピストン部21と、シリンダ3の内周に固定される第一バルブケース4及び第二バルブケース5と、第一バルブケース4に形成されて伸側室R1とシリンダ3の上側のリザーバ室Rとを連通する伸側通路4bと、伸側通路4bを開閉する伸側減衰バルブ40と、第一バルブケース4に形成されてリザーバ室Rと第一バルブケース4と第二バルブケース5との間の中間室Mとを連通する連通路4cと、第二バルブケース5に形成されて圧側室L2と中間室Mとを連通する圧側通路5cと、圧側通路5cを開閉する圧側減衰バルブ51とを備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、フロントフォークの改良に関する。
従来、鞍乗型車両の前輪を懸架するフロントフォークは、アウターチューブと、このアウターチューブ内に摺動自在に挿入されるインナーチューブとを有して構成されるテレスコピック型のチューブ部材を備えている。さらに、フロントフォークの中には、アウターチューブを車輪側に、インナーチューブを車体側に設けた、いわゆる正立型のフロントフォークがある(例えば、特許文献1)。
そして、そのような正立型のフロントフォークでは、アウターチューブの内側にシリンダを設けてこれらの間に形成される液室と、シリンダの内側からその上側にかけて形成されるリザーバ室とを仕切るとともに、インナーチューブの下端に設けたピストン部で液室を伸側室と圧側室とに区画している。また、シリンダには、伸側室とリザーバ室とを連通する伸側の絞り孔と、圧側室とリザーバ室とを連通する圧側の絞り孔が形成されている。
上記構成によれば、フロントフォークの伸長時には、伸側室の液体が伸側の絞り孔を通ってリザーバ室へ移動して、その液体の流れに付与される抵抗に起因する伸側の減衰力が発生する。反対に、フロントフォークの収縮時には、圧側室の液体が圧側の絞り孔を通ってリザーバ室へ移動して、その液体の流れに付与される抵抗に起因する圧側の減衰力が発生する。
特開平9−217780号公報
しかしながら、従来の正立型のフロントフォークのように、絞り孔を利用して減衰力を発生する場合、例えば、減衰力特性を速度に依存した特性にする等の、減衰力のチューニングが難しい。
そうかといって、チューブ部材内に、シリンダと、このシリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、このピストンに連結されてシリンダ外へ突出するピストンロッドと、伸側室と圧側室とを連通する通路と、この通路を開閉して通路を通過する液体の流れに抵抗を与える減衰バルブとを備えたダンパカートリッジを設け、そのダンパカートリッジで減衰力を発生するようにしたのでは、フロントフォークの部品数が増えてコストが格段に上昇してしまう。
そこで、本発明は、そのような問題を解決するために創案されたものであり、減衰力のチューニングを容易にできるとともに、コストの上昇を低減できるフロントフォークの提供を目的とする。
上記課題を解決するフロントフォークは、車輪側のアウターチューブ内に設けられるシリンダと、車体側のインナーチューブに設けられてシリンダの外周の液室を伸側室と圧側室とに区画するピストン部と、シリンダの内周に固定される第一バルブケース及び第二バルブケースと、第一バルブケースに形成されて伸側室とシリンダの上側のリザーバ室とを連通する伸側通路と、伸側通路を開閉する伸側減衰バルブと、第一バルブケースに形成されてリザーバ室と第一バルブケースと第二バルブケースとの間の中間室とを連通する連通路と、第二バルブケースに形成されて圧側室と中間室とを連通する圧側通路と、圧側通路を開閉する圧側減衰バルブとを備える。
上記構成によれば、フロントフォークの伸長時には、伸側室からリザーバ室へ向かう液体の流れに対して伸側減衰バルブによって抵抗が付与される。反対に、フロントフォークの収縮時には、圧側室からリザーバ室へ向かう液体の流れに対して圧側減衰バルブによって抵抗が付与される。このため、フロントフォークの伸縮時には、伸側減衰バルブ又は圧側減衰バルブの抵抗に起因する減衰力を発生できる。
このように、上記構成によれば、開閉する伸側減衰バルブ及び圧側減衰バルブを利用して減衰力を発生できるので、減衰力のチューニングを容易にできる。さらに、上記構成によれば、減衰力のチューニングを容易にしたとしても、チューブ部材内にダンパカートリッジを設ける場合と比較して、少なくともダンパカートリッジのピストンロッドを省略できるとともに、従来の正立型のフロントフォークの多くの構成を流用できるので、コストの上昇を低減できる。
また、上記フロントフォークは、リザーバ室から伸側室へ向かう液体の流れを許容する圧側チェックバルブと、中間室から圧側室へ向かう液体の流れを許容する伸側チェックバルブとを備えるとよい。当該構成によれば、フロントフォークの伸縮時に伸側室又は圧側室が負圧になるのを防止できる。
また、上記フロントフォークでは、第一バルブケースの外周と第二バルブケースの外周に、それぞれ周方向に沿う環状溝が形成されるとともに、これらの環状溝それぞれにシリンダに形成された上下の加締め部が嵌合しているとよい。当該構成によれば、第一バルブケースと第二バルブケースの両方をシリンダの内周に容易に固定できる。
また、上記フロントフォークでは、伸側通路が第一バルブケースの環状溝内に開口するとともに、上側の加締め部に伸側室と環状溝内とを連通する伸側連通孔が形成されているとよい。当該構成によれば、第一バルブケースをシリンダに加締め固定するに当たり、第一バルブケースとシリンダの周方向の位置合わせが不要になるので、第一バルブケースのシリンダへの取り付け作業を一層容易にできる。
本発明のフロントフォークによれば、減衰力のチューニングを容易にできるとともに、コストの上昇を低減できる。
本発明の一実施の形態に係るフロントフォークの取付状態を簡略化して示した側面図である。 本発明の一実施の形態に係るフロントフォークの縦断面図である。 図2の一部を拡大して示した縦断面図である。
以下に本発明の実施の形態のフロントフォークについて、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品を示す。また、フロントフォークが車両に取り付けられた状態での上下を、特別な説明がない限り、単に「上」「下」という。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るフロントフォークFは、鞍乗型車両Vにおいて前輪Wを懸架する懸架装置である。鞍乗型車両とは、鞍に跨るような姿勢で乗車するタイプの車両全般のことであり、オートバイ、スクータ、自転車等が含まれる。本発明に係るフロントフォークは、如何なる鞍乗型車両に搭載されていてもよい。
つづいて、本発明の一実施の形態に係るフロントフォークFの具体的な構造について説明する。フロントフォークFは、アウターチューブ1とインナーチューブ2とを有して構成されるテレスコピック型のチューブ部材Tを備えている。さらに、フロントフォークFは正立型であり、アウターチューブ1の上側開口からインナーチューブ2が摺動自在に挿入されている。
そして、アウターチューブ1には、車輪側ブラケットBWが一体に設けられており、アウターチューブ1は、その車輪側ブラケットBWを介して前輪Wの車軸に連結される。その一方、インナーチューブ2は、その上端部に連結される車体側ブラケットBBを介して車体Bに連結される。
このように、フロントフォークFは、アウターチューブ1を前輪(車輪)W側へ、インナーチューブ2を車体B側へ向けて配置され、車体Bと前輪Wの車軸との間に介装されている。そして、鞍乗型車両Vが凹凸のある路面を走行する等して前輪Wが上下に振動すると、インナーチューブ2がアウターチューブ1に出入りしてフロントフォークFが伸縮する。
図2に示すように、インナーチューブ2は、一対の軸受10,20を介してアウターチューブ1内に摺動自在に挿入されている。本実施の形態では、一方の軸受10がアウターチューブ1の上端部内周に保持されてインナーチューブ2の外周に摺接し、他方の軸受20がインナーチューブ2の下端部外周に保持されてアウターチューブ1の内周に摺接する。しかし、両方の軸受10,20がアウターチューブ1又はインナーチューブ2の片方に保持されていてもよい。
また、インナーチューブ2の上端開口は、キャップ(図示せず)で塞がれている。その一方、アウターチューブ1は、有底筒状であり、アウターチューブ1の下側開口はその底部1aで塞がれている。さらに、アウターチューブ1とインナーチューブ2の重複部の間は、オイルシール11とダストシール12により塞がれている。このようにしてチューブ部材T内は密閉空間とされており、そのチューブ部材T内に液体と気体が封入されている。
さらに、アウターチューブ1の底部1aには、シリンダ3がボルト30で連結されている。このシリンダ3は、筒状部3aと、この筒状部3aの先端から径方向外側へ張り出す環状のバルブケース部3bとを含み、筒状部3aがアウターチューブ1の中心部に軸方向に沿うように起立して、そのバルブケース部3bがインナーチューブ2の内側に挿入されている。
そして、バルブケース部3bの外周には、インナーチューブ2の内周に摺接する環状の圧側チェックバルブ31が装着されている。また、筒状部3aの上端部内周と下部内周には、それぞれ第一バルブケース4と第二バルブケース5が軸方向に間隔をあけて加締め固定されている。
これにより、チューブ部材T内には、インナーチューブ2の内周側であってバルブケース部3b及び第一バルブケース4の上側にリザーバ室Rが形成され、シリンダ3の内周側であって第一バルブケース4と第二バルブケース5との間に中間室Mが形成され、シリンダ3の外周側であってバルブケース部3bの下側に液室Lが形成される。
そして、液室Lと中間室Mには、それぞれ作動油等の液体が充填されている。その一方、リザーバ室Rには、液室L及び中間室Mと同じ液体が貯留されるとともに、その液面上方にエア等の気体が封入されている。さらに、液室Lは、インナーチューブ2の下端部に設けられたピストン部21によって上側の伸側室L1と下側の圧側室L2とに区画されている。
なお、本実施の形態では、ピストン部21の内周に嵌合されたブッシュ21aがシリンダ3の外周に摺接するようになっている。しかし、ピストン部21の構成は、液室L内を軸方向へ摺動するようになっていればよく、図示する限りではない。具体的には、ブッシュ21aを廃して、ピストン部21を直接シリンダ3の外周に摺接させてもよい。
また、ピストン部21の上側には、伸切ばね6が積層されている。そして、この伸切ばね6は、フロントフォークFの最伸長時にピストン部21とバルブケース部3bとの間で圧縮されて、最伸長時の衝撃を緩和する。
なお、図2に示す伸切ばね6は、コイルばねであるが、コイルばね以外のばねでもよい。また、伸切ばね6に替えて、クッションラバー等を設け、このクッションラバーでフロントフォークFの最伸長時の衝撃を緩和してもよい。
また、ピストン部21の下端部は、ロックピースとされるとともに、アウターチューブ1の底部1aには、筒状のロックケース13が起立している。そして、フロントフォークFの最収縮時にそのロックケース13とアウターチューブ1との間にロックピースが嵌入する。これにより、ロックケース13の外周側の部屋をロックピースで閉塞して液圧ロックを効かせ、フロントフォークFの最収縮時の衝撃を緩和する。
また、バルブケース部3bの上側には、懸架ばねSが積層されている。この懸架ばねSの上端は、インナーチューブ2の上端を塞ぐキャップ(図示せず)で支えられている。このため、本実施の形態の懸架ばねSは、シリンダ3とインナーチューブ2との間に介装されているといえる。
そして、インナーチューブ2がアウターチューブ1内へ侵入してフロントフォークFが収縮すると、懸架ばねSの圧縮量が大きくなり、当該圧縮に抗する懸架ばねSの弾性力が大きくなる。このように、懸架ばねSは、その圧縮量に見合った弾性力を発揮するようになっており、フロントフォークFを伸長方向へ附勢して車体Bを弾性支持するようになっている。
なお、懸架ばねSの配置は、図示する限りではなく、適宜変更できる。例えば、懸架ばねSは、インナーチューブ2の下端とアウターチューブ1の底部1aとの間に介装されていてもよい。さらに、本実施の形態の懸架ばねSは、コイルばねであるが、エアばね等のコイルばね以外のばねであってもよい。
つづいて、図3に示すように、シリンダ3の上端部内周に設けられた第一バルブケース4の外周には、周方向に沿う環状溝4aが形成されている。この環状溝4aには、シリンダ3に加締め加工により形成された加締め部3cが嵌合する。そして、この加締め部3cには、伸側室L1に通じる伸側連通孔3dが形成されている。
また、第一バルブケース4には、環状溝4aの内側に開口してリザーバ室Rに通じる伸側通路4bと、リザーバ室Rと中間室Mとを連通する連通路4cが形成されている。さらに、第一バルブケース4の上側(リザーバ室R側)には、伸側通路4bの出口を開閉する伸側減衰バルブ40が積層されている。その伸側減衰バルブ40は、連通路4cを塞がないように配慮されている。
このように、リザーバ室Rと中間室Mが連通路4cを介して連通されていて、一続きの部屋として機能するようになっている。換言すると、第一バルブケース4は、リザーバ室Rと中間室Mとを仕切らずに、伸側室L1とリザーバ室Rとを区画するようになっている。
本実施の形態では、伸側減衰バルブ40は、一枚以上のリーフバルブを有して構成されている。そして、フロントフォークFの伸長時に伸側減衰バルブ40がその外周部を上側へ撓ませて開弁し、伸側通路4bを伸側室L1からリザーバ室Rへ向かう液体の流れに抵抗を与える。反対に、フロントフォークFの収縮時には、伸側減衰バルブ40は閉弁した状態に維持される。
また、シリンダ3の上端部に設けられたバルブケース部3bとインナーチューブ2との間には、上下に開口する環状の圧側連通路3eが形成されている。前述のように、バルブケース部3bの外周に装着された環状の圧側チェックバルブ31は、バルブケース部3bの外周に周方向に沿って形成された環状溝3f内に挿入されて、圧側連通路3eを開閉する。
より具体的には、環状の圧側チェックバルブ31は、インナーチューブ2の内周に摺接しつつ環状溝3f内を上下に移動できるようになっている。そして、フロントフォークFの収縮時には、圧側チェックバルブ31が環状溝3f内を下側へ移動して圧側連通路3eを開放し、リザーバ室Rから伸側室L1へ向かう液体の流れを許容する。反対に、フロントフォークFの伸長時には、圧側チェックバルブ31が環状溝3f内を上側へ移動してバルブケース部3bに着座し、閉弁した状態に維持される。
つづいて、シリンダ3の下部内周に設けられた第二バルブケース5の外周には、周方向に沿う環状溝5aが形成されている。この環状溝5aには、シリンダ3に加締め加工により形成された加締め部3gが嵌合する。さらに、シリンダ3の第二バルブケース5よりも下側には、圧側室L2に通じる連通孔3hが形成されている。
このように、シリンダ3内における第二バルブケース5の下側の部屋(符示せず)は、連通孔3hを介して圧側室L2と連通されており、上記部屋と圧側室L2との間を液体が自由に行き来できる。このため、第二バルブケース5は、中間室Mと圧側室L2とを区画しているといえる。
そして、その第二バルブケース5には、中間室Mと圧側室L2とを連通する伸側連通路5bと圧側通路5cが形成されている。さらに、第二バルブケース5の下側(圧側室L2側)には、伸側連通路5bの出口を開閉する伸側チェックバルブ50が積層されており、第二バルブケース5の上側(中間室M側)には、圧側通路5cの出口を開閉する圧側減衰バルブ51が積層されている。
本実施の形態では、伸側チェックバルブ50は、一枚以上のリーフバルブを有して構成されている。そして、フロントフォークFの伸長時に伸側チェックバルブ50がその外周部を下側へ撓ませて開弁し、伸側連通路5bを中間室Mから圧側室L2へ向かう液体の流れを許容する。反対に、フロントフォークFの収縮時には、伸側チェックバルブ50は閉弁した状態に維持される。
その一方、圧側減衰バルブ51も一枚以上のリーフバルブを有して構成されている。そして、フロントフォークFの収縮時に圧側減衰バルブ51がその外周部を上側へ撓ませて開弁し、圧側通路5cを圧側室L2から中間室Mへ向かう液体の流れに抵抗を与える。反対に、フロントフォークFの伸長時には、圧側減衰バルブ51は閉弁した状態に維持される。
以下、本発明の一実施の形態に係るフロントフォークFの作動について説明する。
インナーチューブ2がアウターチューブ1から退出するフロントフォークFの伸長時には、インナーチューブ2がアウターチューブ1とシリンダ3との間の液室Lから退出し、ピストン部21がその液室L内を上方へ移動して伸側室L1を縮小するとともに圧側室L2を拡大する。
このフロントフォークFの伸長時には、伸側室L1の液体が伸側減衰バルブ40を押し開き、伸側連通孔3dと伸側通路4bを通ってリザーバ室Rへと移動する。また、フロントフォークFの伸長時には、伸側チェックバルブ50が開き、中間室Mの液体が伸側連通路5bと連通孔3hを通って圧側室L2へ供給されるとともに、リザーバ室Rの液体が連通路4cを通って中間室Mへと供給される。
このようなフロントフォークFの伸長時において、伸側室L1からリザーバ室Rへと向かう液体の流れに対しては、伸側減衰バルブ40により抵抗が付与される。このため、フロントフォークFの伸長時には伸側室L1の圧力が上昇し、フロントフォークFの伸長作動を妨げる伸側の減衰力が発生する。
反対に、インナーチューブ2がアウターチューブ1内へ侵入するフロントフォークFの収縮時には、インナーチューブ2がアウターチューブ1とシリンダ3との間の液室L内へ侵入し、ピストン部21がその液室L内を下方へ移動して圧側室L2を縮小するとともに伸側室L1を拡大する。
このフロントフォークFの収縮時には、圧側室L2の液体が圧側減衰バルブ51を押し開き、連通孔3hと圧側通路5cを通って中間室Mへと移動するとともに、この中間室Mの液体が連通路4cを通ってリザーバ室Rへと移動する。また、フロントフォークFの収縮時には、圧側チェックバルブ31が開き、リザーバ室Rの液体が圧側連通路3eを通って伸側室L1へと供給される。
このようなフロントフォークFの収縮時において、圧側室L2から中間室Mを経てリザーバ室Rへと向かう液体の流れに対しては、圧側減衰バルブ51により抵抗が付与される。このため、フロントフォークFの収縮時には圧側室L2の圧力が上昇し、フロントフォークFの収縮作動を妨げる圧側の減衰力が発生する。
以下、本発明の一実施の形態に係るフロントフォークFの作用効果について説明する。
本実施の形態のフロントフォークFは前輪(車輪)W側のアウターチューブ1と、このアウターチューブ1内に摺動自在に挿入される車体B側のインナーチューブ2と、アウターチューブ1内に設けられて上側にリザーバ室Rが形成されるとともに外周に液室Lが形成されるシリンダ3と、インナーチューブ2に設けられて液室Lを上側の伸側室L1と下側の圧側室L2とに区画するピストン部21とを備えている。
また、本実施の形態のフロントフォークFは、シリンダ3の内周に固定される第一バルブケース4と、シリンダ3の第一バルブケース4よりも下側の内周に固定される第二バルブケース5とを備え、第一バルブケース4と第二バルブケース5との間に中間室Mが形成されている。
そして、第一バルブケース4には、伸側室L1とリザーバ室Rとを連通する伸側通路4bと、リザーバ室Rと中間室Mとを連通する連通路4cが形成されるとともに、伸側通路4bを開閉し、伸側室L1からリザーバ室Rへ向かう液体の流れに抵抗を与える伸側減衰バルブ40が取り付けられている。
その一方、第二バルブケース5には、圧側室L2と中間室Mとを連通する圧側通路5cが形成されるとともに、圧側通路5cを開閉し、圧側室L2から中間室Mへ向かう液体の流れに抵抗を与える圧側減衰バルブ51が取り付けられている。
上記構成によれば、フロントフォークFの伸長時には、伸側室L1からリザーバ室Rへ向かう液体の流れに対して伸側減衰バルブ40によって抵抗が付与される。反対に、フロントフォークFの収縮時には、圧側室L2からリザーバ室Rへ向かう液体の流れに対して圧側減衰バルブ51によって抵抗が付与される。このため、フロントフォークFの伸縮時に伸側減衰バルブ40又は圧側減衰バルブ51の抵抗に起因する減衰力を発生できる。
このように、フロントフォークFの伸縮時に開閉する伸側減衰バルブ40と圧側減衰バルブ51を利用して減衰力を発生する場合、従来のように絞り孔を利用して減衰力を発生する場合と比較して、減衰力のチューニングを容易にできる。具体的には、フロントフォークFの伸縮速度の上昇に応じて伸側減衰バルブ40と圧側減衰バルブ51の開口面積を徐々に大きくできる。よって、発生する減衰力の特性を速度に比例する比例特性にできる。
また、伸側減衰バルブ40が閉じた状態で伸側室L1とリザーバ室Rとを連通するオリフィスを形成したり、圧側減衰バルブ51が閉じた状態で圧側室L2と中間室Mとを連通するオリフィスを形成したりすれば、フロントフォークFの伸縮速度が低く、伸側減衰バルブ40又は圧側減衰バルブ51が開かない低速域での減衰力特性をそのオリフィスによる二乗特性にできるとともに、伸側減衰バルブ40又は圧側減衰バルブ51が開弁する中高速域での減衰力特性を比例特性にできる。
つまり、上記構成によれば、減衰力特性を速度に依存した特性にする等の減衰力のチューニングも容易である。そして、このように減衰力のチューニングを容易にしたとしても、上記構成によれば、チューブ部材T内にダンパカートリッジを設ける場合と比較して、少なくともダンパカートリッジのピストンロッドを省略できるとともに、従来の正立型のフロントフォークの多くの構成を流用できるので、コストの上昇を低減できる。
また、本実施の形態の伸側減衰バルブ40と圧側減衰バルブ51のように、弁体としてリーフバルブを利用した場合、リーフバルブは薄い環状板であるので軸方向に嵩張らない。さらには、リーフバルブの板厚、径、積層枚数の変更等により、減衰力をチューニングできる。
しかし、伸側減衰バルブ40及び圧側減衰バルブ51の構成は、フロントフォークFの伸縮時に通路を開閉できればよく、その通路を開閉する弁体の構成はリーフバルブに限られない。例えば、伸側減衰バルブ40又は圧側減衰バルブ51の弁体として、附勢ばねで閉じ方向へ附勢されるポペットバルブを利用してもよい。このような場合には、ポペットバルブに付与されるイニシャル荷重の変更、又は、異なるばね定数の附勢ばねの利用により減衰力をチューニングできる。
また、本実施の形態のフロントフォークFは、リザーバ室Rから伸側室L1へ向かう液体の流れを許容する圧側チェックバルブ31と、中間室Mから圧側室L2へ向かう液体の流れを許容する伸側チェックバルブ50とを備える。このため、フロントフォークFの伸縮時に伸側室L1又は圧側室L2が負圧になるのを防止できる。
また、本実施の形態では、シリンダ3とインナーチューブ2との間に伸側室L1とリザーバ室Rとを連通する環状の圧側連通路3eが形成されている。そして、シリンダ3の外周に装着された環状の圧側チェックバルブ31でその圧側連通路3eを開閉するようになっている。当該構成によれば、第一バルブケース4に圧側チェックバルブ31を取り付ける場合と比較して、圧側チェックバルブ31を設けるのが容易である。
また、本実施の形態では、第二バルブケース5に圧側室L2と中間室Mとを連通する伸側連通路5bが形成されている。そして、伸側チェックバルブ50が第二バルブケース5に積層されていて、上記伸側連通路5bを開閉するようになっている。このため、伸側チェックバルブ50を設けるのが容易である。さらに、本実施の形態では、伸側チェックバルブ50の弁体としてリーフバルブを利用しているので、軸方向に嵩張らない。
しかし、圧側チェックバルブ31と伸側チェックバルブ50の構成及び配置は適宜変更できる。例えば、圧側チェックバルブ31の弁体をリーフバルブとして第一バルブケース4に装着してもよい。また、伸側チェックバルブ50の弁体として、ポペットバルブを利用してもよい。そして、このような変更は、伸側減衰バルブ40及び圧側減衰バルブ51の構成によらず可能である。
また、本実施の形態では、第一バルブケース4の外周と第二バルブケース5の外周に、それぞれ周方向に沿う環状溝4a,5aが形成されている。そして、これらの環状溝4a,5aに、それぞれシリンダ3に形成された上下の加締め部3c,3gが嵌合している。その加締め部3c,3gとは、加締め加工により形成された部分のことである。
上記構成によれば、シリンダ3を加締めて加締め部3c,3gを形成する際に第一バルブケース4と第二バルブケース5をシリンダ3に固定できる。このため、第一バルブケース4と第二バルブケース5の両方をシリンダ3の内周に容易に取り付けられる。
また、本実施の形態では、伸側通路4bが第一バルブケース4の環状溝4a内に開口している。そして、その環状溝4aに嵌合する上側の加締め部3cに、伸側室L1と環状溝4a内とを連通する伸側連通孔3dが形成されている。
上記構成によれば、環状溝4aを介して伸側連通孔3dと伸側通路4bが連通されるので、シリンダ3と第一バルブケース4の周方向の位置合わせが不要になり、第一バルブケース4のシリンダ3への取り付け作業を一層容易にできる。さらに、シリンダ3に伸側連通孔3dを形成してから加締め部3cを形成すれば、伸側連通孔3dを設けた分、加締め加工する部分の強度が低下するので、加締め加工も容易である。
なお、伸側連通孔3dを加締め部3c以外に形成してもよい。また、第一バルブケース4と第二バルブケース5を加締め以外の方法でシリンダ3に固定してもよい。例えば、シリンダ3の内側に固定したロッドの外周に第一バルブケース4と第二バルブケース5を保持させてもよい。そして、これらの変更は、伸側減衰バルブ40、圧側減衰バルブ51、伸側チェックバルブ50、圧側チェックバルブ31の構成によらず可能である。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、及び変更が可能である。
B・・・車体、F・・・フロントフォーク、L・・・液室、L1・・・伸側室、L2・・・圧側室、M・・・中間室、R・・・リザーバ室、W・・・前輪(車輪)、1・・・アウターチューブ、2・・・インナーチューブ、3・・・シリンダ、3c,3g・・・加締め部、3d・・・伸側連通孔、4・・・第一バルブケース、4a・・・環状溝、4b・・・伸側通路、4c・・・連通路、5・・・第二バルブケース、5a・・・環状溝、5c・・・圧側通路、21・・・ピストン部、31・・・圧側チェックバルブ、40・・・伸側減衰バルブ、50・・・伸側チェックバルブ、51・・・圧側減衰バルブ

Claims (4)

  1. 車輪側のアウターチューブと、
    前記アウターチューブ内に摺動自在に挿入される車体側のインナーチューブと、
    前記アウターチューブ内に設けられて上側にリザーバ室が形成されるとともに外周に液室が形成されるシリンダと、
    前記インナーチューブに設けられて前記液室を上側の伸側室と下側の圧側室とに区画するピストン部と、
    前記シリンダの内周に固定される第一バルブケースと、
    前記シリンダの前記第一バルブケースよりも下側の内周に固定されて前記第一バルブケースとの間に中間室が形成される第二バルブケースと、
    前記第一バルブケースに形成されて前記伸側室と前記リザーバ室とを連通する伸側通路と、
    前記伸側通路を開閉し、前記伸側室から前記リザーバ室へ向かう液体の流れに抵抗を与える伸側減衰バルブと、
    前記第一バルブケースに形成されて前記リザーバ室と前記中間室とを連通する連通路と、
    前記第二バルブケースに形成されて前記圧側室と前記中間室とを連通する圧側通路と、
    前記圧側通路を開閉し、前記圧側室から前記中間室へ向かう液体の流れに抵抗を与える圧側減衰バルブとを備える
    ことを特徴とするフロントフォーク。
  2. 前記リザーバ室から前記伸側室へ向かう液体の流れを許容する圧側チェックバルブと、
    前記中間室から前記圧側室へ向かう液体の流れを許容する伸側チェックバルブとを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載のフロントフォーク。
  3. 前記第一バルブケースの外周と前記第二バルブケースの外周には、それぞれ周方向に沿う環状溝が形成されており、
    前記環状溝には、それぞれ前記シリンダに形成された上下の加締め部が嵌合している
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフロントフォーク。
  4. 前記伸側通路は、前記第一バルブケースの前記環状溝内に開口しており、
    上側の前記加締め部には、前記伸側室と前記環状溝内を連通する伸側連通孔が形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のフロントフォーク。
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