JP2021156296A - 油圧緩衝装置 - Google Patents

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大輔 池田
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Abstract

【課題】乗り心地を向上させることのできる油圧緩衝装置を提供すること。【解決手段】油圧緩衝装置10は、オイルの温度が所定の温度を超えた場合に、第1のガス室35内のガスが流入可能なバッファ装置40を備えている。バッファ装置40は、本体部41の内部に、軸線CL2に沿って設けられている中空の第1のシャフト部51と、第1のシャフト部51の内部を通過したガスが流入可能な第2のガス室47と、緩衝器本体20内のオイルと同じオイルが充填されている第2のオイル室46と、第2のオイル室46内のオイルが所定の温度を超えて膨張することにより進出する第2のピストン60と、第2のピストン60が進出した際に第2のガス室47へガスを通過可能に開放するシール部材70と、を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、オイルを用いて減衰力を発生させる油圧緩衝装置に関する。
多くの二輪車の後部にリヤクッションと称する油圧緩衝装置が搭載されている。油圧緩衝装置に関する従来技術として特許文献1に開示される技術がある。
特許文献1によれば、油圧緩衝器は、圧縮あるいは伸長過程におけるピストンロッドの容積変化分の作動油を補償するためのリザーバタンクを備えている。リザーバタンクは、タンクハウジング内に空気が充填されているガス室と、作動油が充填されている油室と、がフリーピストンによって区画されている。
圧縮過程では、作動油は、シリンダから油室へ流れ、伸長過程では、作動油は、油室からシリンダへ流れる。
特開平9−14323号公報
ところで、車両の走行中において、油圧緩衝装置内のオイルは、自己発熱やエンジンからの熱の影響で温度が上がり、膨張することがある。膨張したオイルはサブタンク内のガス室を加圧するため、当該ガス室の内圧が高くなる。ロッドが受ける抵抗は、サブタンク内の圧力に比例するため、加熱されることによりオイルが膨張すると、ロッドが受ける抵抗も大きくなる。その結果、乗り心地が悪化する。
本発明は、乗り心地性を向上させることのできる油圧緩衝装置の提供を課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、オイルが所定の温度を超え膨張した場合に、サブタンク内のガスを逃がす部位(バッファ装置)を油圧緩衝装置に設けることにより、バッファ装置を有しない形態と比較して、オイルの温度上昇時における乗り心地を向上させることが可能になることを知見した。本発明は、当該知見に基づいて完成させた。
以下、本発明について説明する。
本発明よれば、シリンダの内部にオイルが充填され、このシリンダの内部を第1のロッドに支持されている第1のピストンが移動することにより減衰力を発生させることが可能な緩衝器本体と、この緩衝器本体に接続され、前記緩衝器本体内からの前記オイルが流入可能な第1のオイル室及び前記オイルの圧力によって体積が変化すると共にガスが充填されている第1のガス室を有するサブタンクと、前記第1のガス室に接続され、前記オイルの温度が所定の温度を超えた場合に、前記第1のガス室内の前記ガスが流入するバッファ装置と、を備え、前記バッファ装置は、筒状に形成されている本体部の内部に、前記本体部の軸線に沿って設けられ、内部に前記第1のガス室からの前記ガスが通過可能に中空のシャフトによって構成された第1のシャフト部と、この第1のシャフト部の一部が臨み、前記第1のシャフト部の内部を通過した前記ガスが流入可能な第2のガス室と、前記第2のガス室に隣接した部位に形成され、前記オイルと同じオイルが充填されている第2のオイル室と、前記第1のシャフト部を囲むと共に前記第2のガス室に収納され、前記第2のオイル室内のオイルが前記所定の温度を超えて膨張することにより、前記第2のオイル室から前記第2のガス室へ向けて進出可能な第2のピストンと、この第2のピストンに設けられ、前記第2のピストンが進出した際に前記第1のシャフト部の内部から前記第2のガス室へ前記ガスを通過可能に開放し、前記第2のピストンが元の位置である待機位置に戻ることにより前記ガスを通過不能に遮断するシール部材と、を備えている、油圧緩衝装置が提供される。
また、前記軸線方向における第1端が前記第2のオイル室に収納され、前記第1端とは前記軸線方向における反対側の端である第2端が前記第2のピストンに当接している第2のロッドを有していても良い。
また、前記第1のシャフト部は、前記第1のガス室に接続される末端が開放されていると共に、先端が塞がれ、前記第1のシャフト部の内部と前記第2のガス室とを繋ぐ第1のガス通過穴と、この第1のガス通過穴よりも前記先端側において外径が小さく形成された第1の縮径部と、を有し、前記シール部材は、前記第1のシャフト部を囲むように設けられ、前記第2のピストンが前記待機位置に位置する場合には、前記第1の縮径部よりも前記末端側において前記第1のシャフト部の外周面に当接し、前記オイルが前記所定の温度を超えて前記第2のピストンが進出した場合には、前記第1の縮径部と対向する位置に配されることにより、前記第1のシャフト部の外周面に当接しないこととしても良い。
本発明によれば、乗り心地性を向上させることのできる油圧緩衝装置を提供することができる。
実施例による油圧緩衝装置を模式的に示した図である。 図1の2−2線断面図である。 図2の3部拡大図である。 図2に示したバッファ装置の作用について説明する図である。 図4の5部拡大図である。 図2に示した油圧緩衝装置の第1の変更例について説明する図である。 図2に示した油圧緩衝装置の第2の変更例について説明する図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、左右とは車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中、Upは上、Dnは下を示している。添付図に示した形態は本発明の一例であり、本発明は当該形態に限定されない。
<実施例>
図1を参照する。油圧緩衝装置10は、例えば、二輪車の後部に搭載されるリヤクッションである。以下、油圧緩衝装置10をリヤクッション10と言い換えて説明する。
リヤクッション10は、例えば、上端が車体に固定されていると共に下端が後輪の側部に固定され、内部に充填されているオイルによって減衰力を発生させる油圧式の緩衝器である。以下、詳細に説明する。
リヤクッション10は、内部にオイルが充填され後輪が段差に乗り上げた際等に減衰力を発生させることが可能な緩衝器本体20と、この緩衝器本体20に接続され緩衝器本体20に圧縮方向の力が加わった際にオイルが流入可能なサブタンク30と、これらの緩衝器本体20及びサブタンク30の間に設けられオイルが流れる際に減衰力を発生させる減衰力発生装置13と、サブタンク30に接続されオイルの温度が所定の温度を超えた場合にサブタンク30内の空気が流入するバッファ装置40と、サブタンク30とバッファ装置40とを接続し内部に空気(ガス)が通過可能なガス流路15と、を主な構成要素とする。
緩衝器本体20は、上端に位置し車体後部に固定される上部固定部21と、この上部固定部21に上端が固定され筒体によって構成されているシリンダ22と、下端に位置し後輪の側方に固定される下部固定部23と、を有している。また、緩衝器本体20は、下部固定部23からシリンダ22の内部まで延びている丸棒状の第1のロッド24と、この第1のロッド24の先端に支持されシリンダ22の軸線CL1に沿ってシリンダ22内を進退可能な第1のピストン25と、この第1のピストン25を下方に向かって付勢していると共にシリンダ22の周囲を囲むように設けられているばね26と、を有している。
以下、「第1のピストン25が前進する」とは、ばね26が縮む際に第1のピストン25が変位する方向をいい、「第1のピストン25が後退する」とは、ばね26が伸びる際に第1のピストン25が変位する方向をいう。換言すれば、第1のピストン25が前進する、と言った場合には、第1のピストン25がシリンダ22に対して上昇することをいい、第1のピストン25が後退する、と言った場合には、第1のピストン25がシリンダ22に対して下降することをいう。
上部固定部21には、オイルが通過可能な穴が開けられており、この穴に減衰力発生装置13が臨んでいる。つまり、シリンダ22内部のオイルは、上部固定部21を介して減衰力発生装置13に流入する。上部固定部21は、サブタンク30、及び、減衰力発生装置13と一体的に形成されている。
シリンダ22の内部は、オイルによって満たされている。シリンダ22の上端は、上部固定部21によって覆われており、シリンダ22の下端は、蓋体29によって閉じられている。シリンダ22の上部は、外周が雄ねじ状に形成されており、この雄ねじ状に形成された部位にばね26の上端を受ける上部ばね座27が設けられている。
下部固定部23の上方には、ばね26の下端を受けている下部ばね座28が設けられている。下部固定部23、第1のロッド24、第1のピストン25は、シリンダ22に対して軸線CL1に沿って移動可能に設けられている。
第1のピストン25は、前進時及び後退時においてオイルが内部を通過し、これにより減衰力を発生させる。第1のピストン25が発生させる減衰力は、前進時と後退時において異なるように設定することもできるし、同じになるように設定することもできる。
サブタンク30は、上部固定部21に一体的に形成されていると共に有底筒状を呈するケーシング31と、このケーシング31の開口を塞いでいる蓋体32と、この蓋体32に端部が固定されているバルーン状のブラダ33と、を有している。
ケーシング31の内部は、ブラダ33によって、緩衝器本体20内からのオイルが流入可能な第1のオイル室34と、空気(ガス)が充填されている第1のガス室35と、に区切られている。
シリンダ22内のオイルは、第1のピストン25が前進、すなわち、シリンダ22に対して上昇した際に、シリンダ22内に進入した第1のロッド24の体積分だけ、第1のオイル室34に流入する。第1のオイル室34内のオイルは、第1のピストン25が後退、すなわち、シリンダ22に対して下降した際に、シリンダ22内から後退した第1のロッド24の体積分だけ、シリンダ22内に流入する。
シリンダ22から第1のオイル室34にオイルが流入する際には、ブラダ33が変形し、第1のガス室35は、圧縮される。換言すれば、第1のガス室35は、オイルの圧力によって体積が変位可能である。
蓋体32は、バルーン状に形成されたブラダ33の口も閉じている。
なお、サブタンク30は、ケーシング31の内部に、ケーシング31の軸線方向(図1の紙面左右方向)に移動可能なフリーピストンを設ける構成としてもよい。この場合には、第1のオイル室34と、第1のガス室35とは、フリーピストンによって区切られる。
バッファ装置40は、内部に充填されているオイルの温度が第1のオイル室34内の温度と同じ温度になるよう、緩衝器本体20又はサブタンク30に隣接して設けられている。バッファ装置40を配置する方向は、図に示すように緩衝器本体20と平行であっても良いし、平行以外の方向に向けてもよい。
図2を参照する。バッファ装置40は、筒状に形成された本体部41と、この本体部41の第1端を塞いでいる第1蓋体42と、本体部41の軸線CL2の方向において第1端とは反対側の端部である第2端を塞いでいる第2蓋体43と、これらの第1蓋体42及び第2蓋体43によって両端が支持され内部に空気(ガス)を通過させることができるよう中空のシャフトによって構成されたガスシャフト50と、本体部41の軸線CL2に垂直に形成され本体部41の内部を2つの部屋に区切っている壁部45と、この壁部45よりも第1蓋体42側に形成され第1のオイル室34(図1参照)に充填されているオイルと同じオイルが充填されている第2のオイル室46と、壁部45よりも第2蓋体43側に形成されガス流路15からの空気(ガス)が流入可能な第2のガス室47と、第2のオイル室46に収納され第2のオイル室46内のオイルが膨張することにより第2のオイル室46から第2のガス室47に向かって押し出される複数の第2のロッド48と、これらの第2のロッド48の先端が当接していると共に第2のガス室47に収納され本体部41の内周面に沿って移動可能な第2のピストン60と、この第2のピストン60に収納されガスシャフト50の外周面に当接可能なシール部材70と、を備えている。
本体部41は、軸線Cl2方向両端の内周面がそれぞれ雌ねじ状に形成されている。この雌ねじ状に形成された部位には、外周面が雄ねじ状に形成されている第1蓋体42及び第2蓋体43がそれぞれ螺合されている。
第1蓋体42には、ガスシャフト50が差し込まれているシャフト差込孔42aが、軸線CL2に沿って開けられている。
第2蓋体43には、エアバルブ49が収納されているバルブ収納穴43aが形成されている。エアバルブ49は、第2のガス室47内のガス圧を調節する際に用いるチェック弁である。
また、第2蓋体43は、第2のガス室47に向かって延びる筒状の蓋筒部43bを有している。蓋筒部43bの内周面は、雌ねじ状に形成され、この雌ねじ状の部位に、ガスシャフト50の端部が螺合されている。
ガスシャフト50は、第1蓋体42側の端部がガス流路15に接続され開放されている第1のシャフト部51と、この第1のシャフト部51から連続して形成され外部から第2のガス室47にガスを供給するための第2のシャフト部52と、を有する。
第1のシャフト部51の先端は、第2のガス室47の内部に位置していると共に、徐々に外径が小さくなる第1の縮径部51aとされている。第1の縮径部51aは、空気が通過できないよう塞がれている。
さらに、第1のシャフト部51は、その内部から外周面に向かって延びた第1のガス通過穴51bを有している。
第2のシャフト部52における、第1のシャフト部51側の端は、第2のガス室47の内部に位置し、徐々に外径が小さくなる第2の縮径部52aとされている。第2の縮径部52aは、空気が通過できないよう塞がれている。第2の縮径部52aは、第1の縮径部51aから連続して一体的に形成されている。このため、ガスシャフト50は、第1のシャフト部51と第2のシャフト部52との境界において外径が最も小さい。
さらに、第2のシャフト部52は、その内部から外周面に向かって延びた第2のガス通過穴52bを有している。
壁部45は、本体部41に一体的に形成されている。壁部45には、第1のシャフト部51が貫通しているシャフト貫通孔45aと、第2のロッド48が進退可能なロッド貫通孔45bと、が開けられている。
第2のオイル室46の内部は、第1のオイル室34(図1参照)に充填されているオイルと同じオイルによって満たされている。
第2のガス室47の内部は、空気によって満たされている。第2のガス室47の内部に充填されるガスは、第1のガス室35(図1参照)に充填されているガスと同じガスである。第2のガス室47内のガス圧は、エアバルブ49から空気を充填し、又は外部に排出することにより、調整することができる。第2のガス室47内の圧力は、第1のガス室35内の圧力よりも高い。
第2のロッド48の本数や、体積は、第2のオイル室46内のオイルが膨張した際に必要な第2のロッド48の進出量によって決めることができる。ただし、第2のロッド48は、2本以上の複数本であることが好ましい。これにより、軸線CL2に対して径方向にオフセットされた位置に配置されている第2のロッド48によって、第2のピストン60を軸線CL2に沿って押しやすくなる。
図3を参照する。第2のピストン60は、本体部41の内周面に沿って、第2のガス室47内を移動可能である。図に示す状態において、第2のピストン60は、壁部45に当接している。
第2のピストン60は、第1のシャフト部51を囲むよう設けられた円筒状のピストン本体61と、このピストン本体61の外周面61aに設けられたOリングによって構成されている外周シール部62と、この外周シール部62に隣接してピストン本体61の外周面61aに設けられているピストンリング63、63と、内周面61bに沿って設けられワッシャ81を介してシール部材70が外れることを抑制する止め輪65と、を有している。
ピストン本体61には、内周面61bから軸線CL2に向かって延びるピストン壁部61cが周方向に亘って形成されている。ピストン本体61の内周面61bとピストン壁部61cとによって囲まれた部位に、シール部材70が、収納されている。
外周シール部62、ピストンリング63、63、及び、止め輪65は、それぞれピストン本体61の周方向に亘って形成されている溝に嵌め込まれている。
シール部材70は、図に示す状態において、第1のガス通過穴51bよりも第1の縮径部51aに近い部位において、第1のシャフト部51の外周面に当接している。
シール部材70は、ピストン本体61の内周面61b及びピストン壁部61cの両方に沿って周方向に亘って設けられているシール支持部71と、このシール支持部71に一体的に形成されていると共に先端が第1のシャフト部51の外周面に当接しているシール本体72と、を有する。図に示す状態において、シール本体72は、第1のシャフト部51の外周面に当接している。これにより、第1のガス通過穴51bから第2のガス室47への空気の流入を防いでいる。
シール支持部71は、例えば、シール部材70の形状を保持するために金属によって形成することができ、シール本体72は、ガスの流入を防ぐために樹脂によって形成することができる。
以上に説明したリヤクッション10の作用を説明する。
図1及び図2を参照する。前述したとおり、第2のオイル室46内のオイルの温度が第1のオイル室34(図1参照)内のオイルの温度と同じになるよう、バッファ装置40は、緩衝器本体20又はサブタンク30の近傍に設けられている。
図2に示す状態において、第2のオイル室46内のオイルの温度は、所定の温度以下である。この場合、第2のロッド48は、後退限に位置し、第2のピストン60は、待機位置に位置している。
つまり、オイルが所定の温度以下の場合に、第2のガス室47内の空気が壁部45に向かって第2のピストン60を押す力は、第2のオイル室46内のオイルが第2のロッド48を第2のガス室47に向かって押す力よりも大きい。換言すれば、オイルの温度が所定の温度以下の場合において、第2のピストン60が待機位置に位置するよう、第2のガス室47内部の気圧は調整されている。
図3を参照する。第2のピストン60が待機位置にある場合に、シール本体72は、第1のガス通過穴51bと第1の縮径部51aとの間において、第1のシャフト部51の外周面に当接している。これにより、第1のシャフト部51の内部から第2のガス室47への空気の流れは、遮断される。
図4を参照する。リヤクッション10が搭載される車両の走行中において、リヤクッション10内のオイルは、自己発熱やエンジンからの熱の影響等により温度が上がり、膨張することがある。
第2のオイル室46内のオイルが膨張することにより、第2のロッド48は、第2のガス室47内のガス圧に抗して第2のピストン60を押す。第2のロッド48によって押された第2のピストン60は、第2のガス室47内の所定の位置まで進出する。つまり、オイルの温度が所定の温度を超えることにより、第2のピストン60は、進出位置まで進出する。
図5を参照する。第2のピストン60が進出位置に位置する際に、シール本体72は、第1の縮径部51aと対向する位置に配されている。このとき、シール本体72は、第1のシャフト部51の外周面に当接しない。これにより、第1のシャフト部51の内部と、第2のガス室47とが連通される。リヤクッション10において、シール本体72の先端面は、略V字状を呈している。
図1を参照する。オイルの温度が所定の温度を超えることにより、第1のオイル室34内のオイルは膨張する。これにより、ブラダ33が押し潰され、第1のガス室35内の空気は、ガス流路15を介してバッファ装置40に向かって流れる。
図5も併せて参照する。ガス流路15を流れた空気は、矢印によって示されるように、第1のシャフト部51の中空部を流れ、その後、第1のガス通過穴51bを通過して第2のガス室47に至る。つまり、サブタンク30内において膨張したオイルの体積に合わせて、第1のガス室35内の空気をバッファ装置40に逃がすことができる。
オイルの温度が低下すると、オイルの体積は、収縮する。第2のガス室47には、第1のガス室35よりも高圧のガスが充填されているので、第1のオイル室34内のオイルが収縮することにより、第2のガス室47内の空気は、流入した際とは逆に第1のガス室35に向かって流れる。
図3を参照する。また、オイルの温度が低下し、第2のオイル室46内のオイルが収縮すると、第2のガス室47内の空気の圧力によって、第2のピストン60は、待機位置まで後退する。第2のピストン60が後退することにより、第2のロッド48は、第2のオイル室46内に後退する。第2のピストン60が待機位置まで後退することにより、シール本体72は、第1のガス通過穴51bと第1の縮径部51aの間において、第1のシャフト部51の外周面に当接する。これにより、第1のシャフト部51の内部から第2のガス室47への空気の流れ、又は、その逆の流れは、遮断される。
次に、リヤクッション10の変更例について説明する。すでに説明を行った部分については説明を省略し、符号を流用する。
図6を参照する。バッファ装置40は、第2のピストン60が待機位置に位置する際に、第2のロッド48の末端が当接すると共に、第2のロッド48の末端が臨む位置に穴91aが開けられている板状の穴あきプレート91を有していてもよい。穴あきプレート91は、第2のロッド48に当接可能な部位が、第1蓋体42に対して所定の隙間を空けて配置されている。
第2のロッド48の末端に臨む位置に穴91aが開いているため、第2のロッド48の末端に確実に油圧をかけることができる。第2のロッド48が第1蓋体42に密着している場合には、第2のロッド48を変位させるのに、所定の油圧よりも大きな油圧が必要になる場合がある。穴あきプレート91を用いることにより、オイルの温度が上昇した際に、第2のロッド48を確実に作動させることができる。
また、穴あきプレート91には、穴あきプレート91と第1蓋体42とによって囲まれた領域へのオイルの流入を促す補助穴91bが開けられている。これにより、より確実に第2のロッド48の末端に油圧を加えることができる。
図7を参照する。第2のロッド48の外周面は、末端に近づくにつれて外径が徐々に小さくなるテーパ面48aを含んでいても良い。第2のロッド48の進退方向に垂直な面に対して傾いた面を設けることにより、第2のロッド48の末端が第1蓋体42に密着している場合であっても、第2のロッド48を確実に作動させることができる。
以上に説明したリヤクッションについて、以下に纏める。
図1を参照する。リヤクッション10は、シリンダ22の内部にオイルが充填され、このシリンダ22の内部を第1のロッド24に支持されている第1のピストン25が移動することにより減衰力を発生させることが可能な緩衝器本体20と、この緩衝器本体20に接続され、緩衝器本体20内からのオイルが流入可能な第1のオイル室34及びオイルの圧力によって体積が変化すると共にガスが充填されている第1のガス室35を有するサブタンク30と、第1のガス室35に接続され、オイルの温度が所定の温度を超えた場合に、第1のガス室35内のガスが流入するバッファ装置40と、を備えている。
図2を参照する。バッファ装置40は、筒状に形成されている本体部41の内部に、本体部41の軸線CL2に沿って設けられ、内部に第1のガス室35(図1参照)からのガスが通過可能に中空のシャフトによって構成された第1のシャフト部51と、この第1のシャフト部51の一部が臨み、第1のシャフト部51の内部を通過したガスが流入可能な第2のガス室47と、第2のガス室47に隣接した部位に形成され、第1のオイル室(図1参照)に充填されているオイルと同じオイルが充填されている第2のオイル室46と、第1のシャフト部51を囲むと共に第2のガス室47に収納され、第2のオイル室46内のオイルが所定の温度を超えて膨張することにより、第2のオイル室46から第2のガス室47へ向けて進出可能な第2のピストン60と、この第2のピストン60に設けられ、第2のピストン60が進出した際に第1のシャフト部51の内部から第2のガス室47へガスを通過可能に開放し(図5参照)、第2のピストン60が元の位置である待機位置に戻ることによりガスを通過不能に遮断する(図3参照)シール部材70と、を備えている。
図1を併せて参照する。オイルが所定の温度を超え膨張した場合に、第1のガス室35内の空気(ガス)を第2のガス室47内に逃がすことができる。これにより、温度変化による乗り心地の悪化を抑制することができる。その結果、高い乗り心地性を確保することのできるリヤクッション10(油圧緩衝装置10)を提供することができる。
さらに、リヤクッション10は、軸線CL2方向における第1端(末端)が第2のオイル室46に収納され、当該第1端とは軸線CL2方向における反対側の端である第2端が第2のピストン60に当接している第2のロッド48を有する。第2のロッド48を介して第2のピストン60を作動させることにより、コンパクト且つ簡便な構成によって、第2のガス室47の開閉を行うことができる。
さらに、第1のシャフト部51は、ガス流路15を介して第1のガス室35に接続される末端が開放されていると共に、当該末端とは軸線CL2方向における逆側の端部である先端が塞がれ、第1のシャフト部51の内部と第2のガス室47とを繋ぐ第1のガス通過穴51bと、この第1のガス通過穴51bよりも先端側において外径が小さく形成された第1の縮径部51aと、を有する。
加えて、シール部材70は、第1のシャフト部51を囲むように設けられ、第2のピストン60が待機位置に位置する場合には、第1の縮径部51aよりも上記末端側において第1のシャフト部51の外周面に当接(図3参照)し、オイルが所定の温度を超えて第2のピストン60が進出した場合には、第1の縮径部51aと対向する位置に配されることにより、第1のシャフト部51の外周面に当接しない(図5参照)。リヤクッション10は、第1のシャフト部51に第1の縮径部51aを有し、この第1のシャフト部51に沿ってシール部材70を変位させることにより、第2のガス室47の開閉を行う。これにより、簡便な構成によって第2のガス室47の開閉を行うことができる。
尚、本発明による油圧緩衝装置は、二輪車のリヤクッションを例に説明したが、二輪車以外の鞍乗り型車両や、フロントフォークであっても適用可能であり、これらの形式のものに限られるものではない。即ち、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
本発明の油圧緩衝装置は、二輪車のリヤクッションに好適である。
10…リヤクッション(油圧緩衝装置)
20…緩衝器本体
22…シリンダ
24…第1のロッド
25…第1のピストン
30…サブタンク
34…第1のオイル室
35…第1のガス室
40…バッファ装置
41…本体部
46…第2のオイル室
47…第2のガス室
48…第2のロッド
51…第1のシャフト部、51a…第1の縮径部、51b…第1のガス通過穴
60…第2のピストン
70…シール部材
CL2…(バッファ装置の)軸線

Claims (3)

  1. シリンダの内部にオイルが充填され、このシリンダの内部を第1のロッドに支持されている第1のピストンが移動することにより減衰力を発生させることが可能な緩衝器本体と、
    この緩衝器本体に接続され、前記緩衝器本体内からの前記オイルが流入可能な第1のオイル室及び前記オイルの圧力によって体積が変化すると共にガスが充填されている第1のガス室を有するサブタンクと、
    前記第1のガス室に接続され、前記オイルの温度が所定の温度を超えた場合に、前記第1のガス室内の前記ガスが流入するバッファ装置と、を備え、
    前記バッファ装置は、筒状に形成されている本体部の内部に、
    前記本体部の軸線に沿って設けられ、内部に前記第1のガス室からの前記ガスが通過可能に中空のシャフトによって構成された第1のシャフト部と、
    この第1のシャフト部の一部が臨み、前記第1のシャフト部の内部を通過した前記ガスが流入可能な第2のガス室と、
    前記第2のガス室に隣接した部位に形成され、前記オイルと同じオイルが充填されている第2のオイル室と、
    前記第1のシャフト部を囲むと共に前記第2のガス室に収納され、前記第2のオイル室内のオイルが前記所定の温度を超えて膨張することにより、前記第2のオイル室から前記第2のガス室へ向けて進出可能な第2のピストンと、
    この第2のピストンに設けられ、前記第2のピストンが進出した際に前記第1のシャフト部の内部から前記第2のガス室へ前記ガスを通過可能に開放し、前記第2のピストンが元の位置である待機位置に戻ることにより前記ガスを通過不能に遮断するシール部材と、を備えている、油圧緩衝装置。
  2. 前記軸線方向における第1端が前記第2のオイル室に収納され、前記第1端とは前記軸線方向における反対側の端である第2端が前記第2のピストンに当接している第2のロッドを有する、請求項1に記載の油圧緩衝装置。
  3. 前記第1のシャフト部は、前記第1のガス室に接続される末端が開放されていると共に、先端が塞がれ、前記第1のシャフト部の内部と前記第2のガス室とを繋ぐ第1のガス通過穴と、この第1のガス通過穴よりも前記先端側において外径が小さく形成された第1の縮径部と、を有し、
    前記シール部材は、前記第1のシャフト部を囲むように設けられ、前記第2のピストンが前記待機位置に位置する場合には、前記第1の縮径部よりも前記末端側において前記第1のシャフト部の外周面に当接し、前記オイルが前記所定の温度を超えて前記第2のピストンが進出した場合には、前記第1の縮径部と対向する位置に配されることにより、前記第1のシャフト部の外周面に当接しない、請求項1又は請求項2に記載の油圧緩衝装置。
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