JP2010101417A - フロントフォーク - Google Patents

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Abstract

【課題】 フロントフォークにおいて、圧側減衰力発生時の作動油の圧力を可及的に低くし、乗心地と応答性を向上すること。
【解決手段】 フロントフォーク10において、アウタチューブ11の内部のピストンロッド25まわりに設けられてアウタチューブ11側に支持されるスプリングカラー29と、インナチューブ12の内部のダンパシリンダ21まわりに設けられてインナチューブ12側に支持される懸架スプリング13との間に設けられるサブピストン51を、ピストンロッド25の外周に隙間なく添設するとともに、インナチューブ12の内周に摺動自在に嵌合し、サブピストン51に圧側減衰力発生装置50を設けたもの。
【選択図】 図5

Description

本発明は自動二輪車等に用いられるフロントフォークに関する。
フロントフォークとして、特許文献1に記載の如く、車体側のアウタチューブの内周に車輪側のインナチューブを摺動自在に嵌合し、インナチューブの内部にダンパシリンダを立設し、アウタチューブの内部に取付けたピストンロッドをダンパシリンダの内部に挿入し、その挿入端に設けたピストンをダンパシリンダの内周に摺動自在に嵌合し、ダンパシリンダの内部の作動油室をピストンによりピストン側油室とピストンロッド側油室に区画してなるものがある。
このフロントフォークでは、ダンパシリンダの底部のボトムピースに圧側減衰力発生装置を設けている。圧側減衰力発生装置は、フロントフォークの圧縮行程で、ダンパシリンダの内部のピストン側油室に進入するピストンロッドの進入容積分の作動油を、ピストン側油室からボトムピースに設けた油路経由でダンパシリンダの外部の環状空間に流出し、この油路に設けた圧側ディスクバルブ又は絞りの抵抗により圧側減衰力を発生する。
特開昭64-21236
特許文献1に記載のフロントフォークは、圧縮ストロークでピストン側油室の作動油を圧側ディスクバルブ又は絞りの抵抗に対して加圧する受圧面積をピストンロッドの断面積とする。そして、圧側減衰力を高くするためには、上記抵抗を大きくし、ピストンロッドの断面が受けるピストン側油室の圧力を高くする必要がある。ところが、この場合には、フロントフォークが高減衰力で硬くなって乗心地を損なう。また、作動油がダンパシリンダから流出するまでのピストン側油室の圧力を高める必要があって応答おくれを生じ易い。
ピストンロッドの断面積を大きくすることにより、圧縮ストロークにおけるフロントフォークの受圧面積を大きくし、ピストン側油室の圧力を高くしなくても、圧側減衰力を高くすることができるが、ピストンロッドの外径はダンパシリンダの内径より大きくすることができず、限界がある。
本発明の課題は、フロントフォークにおいて、圧側減衰力発生時の作動油の圧力を可及的に低くし、乗心地と応答性を向上することにある。
請求項1の発明は、車体側のアウタチューブの内周に車輪側のインナチューブを摺動自在に嵌合し、インナチューブの内部にダンパシリンダを立設し、アウタチューブの内部に取付けたピストンロッドをダンパシリンダの内部に挿入し、その挿入端に設けたピストンをダンパシリンダの内周に摺動自在に嵌合し、ダンパシリンダの内部の作動油室をピストンによりピストン側油室とピストンロッド側油室に区画してなるフロントフォークにおいて、アウタチューブの内部のピストンロッドまわりに設けられてアウタチューブ側に支持されるスプリングカラーと、インナチューブの内部のダンパシリンダまわりに設けられてインナチューブ側に支持される懸架スプリングとの間に設けられるサブピストンを、ピストンロッドの外周に隙間なく添設するとともに、インナチューブの内周に摺動自在に嵌合し、アウタチューブ及びインナチューブがダンパシリンダ及びピストンロッドの周囲に形成する環状空間を、サブピストンにより上環状油室と下環状油室に区画し、ダンパシリンダの内部のピストン側油室を下環状油室に連通し、サブピストンに圧側減衰力発生装置を設けたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記サブピストンが懸架スプリングの内周をガイドするスプリングガイド部を備え、アウタチューブの圧縮ストローク端側で、サブピストンのスプリングガイド部がダンパシリンダの外周に嵌挿するようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項2の発明において更に、前記サブピストンの外周に設けたシールリングが、アウタチューブの圧縮ストローク端側からの伸長行程で、上環状油室の油を下環状油室に戻すチェックバルブを構成するものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記上環状油室をスプリングカラーにより上内側室と上外側室に区画するとともに、サブピストンに設けた圧側減衰力発生装置の油路を上内側室に開口し、スプリングカラーの上端側に上内側室をシールするシール部材を設け、上内側室を上外側室に連通する油孔をスプリングカラーの下端側の油中に設けたものである。
(請求項1)
(a)フロントフォークは、サブピストンに圧側減衰力発生装置を設けている。圧側減衰力発生装置は、フロントフォークの圧縮行程で、(i)ダンパシリンダの内部のピストン側油室に進入するピストンロッドの進入容積分の作動油と、(ii)インナチューブの内部の下環状油室に進入するサブピストンの進入容積分の作動油の両方が、下環状油室からサブピストンの圧側油路を通って上環状油室に流出し、この圧側油路に設けた圧側ディスクバルブ(又は絞り)の抵抗による圧側減衰力を発生する。
このとき、フロントフォークは、圧縮ストロークでピストン側油室及び下環状油室の作動油を圧側ディスクバルブ(又は絞り)の抵抗に対して加圧する受圧面積を、ピストンロッドの断面積A1と、サブピストンの面積A2の合計面積Aとし、換言すればインナチューブの内径面積Aとする。フロントフォークが発生する圧側減衰力は、フロントフォークの受圧面積Aにピストン側油室及び下環状油室の作動油圧力pを乗じたものであるから、この受圧面積A(A1+A2)が従来のピストンロッドの断面積A1だけからなるものに比して大きくなった分、作動油圧力pを区画しなくても、高い圧側減衰力を得ることができる。従って、圧側減衰力発生時の作動油の圧力を可及的に低くし、高減衰力でも硬さ感が出ずに乗心地を向上できるし、圧側減衰力発生の応答性を向上できる。
(請求項2)
(b)サブピストンが懸架スプリングの内周をガイドするスプリングガイド部を備え、アウタチューブの圧縮ストローク端側で、サブピストンのスプリングガイド部がダンパシリンダの外周に嵌挿する。従って、圧縮ストローク端側で、サブピストンが下環状油室及びピストン側油室を閉じ込め、オイルロック効果を発生する。圧縮ストローク端でアウタチューブとインナチューブの底突きを緩和する。
(請求項3)
(c)サブピストンの外周に設けたシールリングが、アウタチューブの圧縮ストローク端側からの伸長行程で、上環状油室の油を下環状油室に戻すチェックバルブを構成するものとした。従って、圧縮ストローク端側のオイルロック効果を発生した後、伸長行程に移行するとき、上環状油室の油を下環状油室に戻し、下環状油室の負圧を解消し、スムースに伸長行程に移行できる。
(請求項4)
(d)上環状油室をスプリングカラーにより上内側室と上外側室に区画するとともに、サブピストンに設けた圧側減衰力発生装置の油路を上内側室に開口し、スプリングカラーの上端側に上内側室をシールするシール部材を設け、上内側室を上外側室に連通する油孔をスプリングカラーの下端側の油中に設けた。フロントフォークの圧縮の繰り返しで、サブピストンの圧側油路を通って上環状油室の上内側室に流入した油が、スプリングカラーの油孔を介して下内側室にも流入する。このとき、上内側室の上部がシール部材によりシールされ、上内側室の上部からの空気又は油のリークが阻止されるから、上内側室の上部に一定の空気室が確保される。これにより、フロントフォークの圧縮行程で下環状油室の側から流出する油を上記空気室の圧縮によって上環状油室に安定的に受容できる。従って、圧側減衰力発生装置において安定的に圧側減衰力を発生させることができる。また、上環状油室の油が油孔から瞬間的に下環状油室に流出して急激な衝撃を生ずることなく、路面の凹凸に対する安定的な衝撃吸収性能を維持できる。
図1は実施例1のフロントフォークを示す全体断面図、図2は図1の下部断面図、図3は図1の中間部断面図、図4は図1の上部断面図、図5は図3の要部拡大断面図、図6は実施例2のフロントフォークを示す全体断面図、図7は図6の下部断面図、図8は図6の中間部断面図、図9は図6の上部断面図である。
(実施例1)(図1〜図5)
自動二輪車等の倒立型フロントフォーク10は、図1〜図4に示す如く、車体側のアウタチューブ11の内周に、車輪側のインナチューブ12を摺動自在に嵌合して倒立にし、両チューブ11、12の間に懸架スプリング13を介装するとともに、単筒型ダンパ14を正立にして内装している。
アウタチューブ11の下端内周とインナチューブ12の上端外周の2位置には、アウタチューブ11とインナチューブ12の摺動をガイドするブッシュ15、16が嵌着されている。アウタチューブ11の下端内周部には、シール部材17が嵌着されている。
アウタチューブ11は不図示のアッパ及びロアのブラケットを介して車体側に支持され、インナチューブ12は車軸ブラケット19を介して車軸(不図示)に結合される。
インナチューブ12の内部の車軸ブラケット19の底部には、ダンパ14のダンパシリンダ21の下端部がボトムボルト22により車軸ブラケット19の側に引き寄せられるホルダ22Aにより止め輪22Bを介して固定されて立設している。アウタチューブ11の上端部にはキャップ23が螺着され、キャップ23の中心部に設けたばね荷重調整アジャスタ24に中空ピストンロッド25の上端部を螺着固定し、このピストンロッド25の先端部をダンパシリンダ21の上端開口部に設けたロッドガイド26の内周に摺接案内させて該ダンパシリンダ21の内部に挿入している。ばね荷重調整アジャスタ24はねじ筒24Aを外周に一体固定化され、ロックナット24Bによりピストンロッド25の上端部と螺着固定化される。ロッドガイド26はダンパシリンダ21の内周の軸方向にブッシュ押え26Aを介して螺着され、ピストンロッド25を摺接させるブッシュ26Bを備える。
ばね荷重調整アジャスタ24の外周に一体固定化されているねじ筒24Aにはばね荷重調整スライダ27が螺合され、スライダ27の外周突部27Aはキャップ23の内周の軸方向に設けられているガイド溝23Aに係合して回り止めされている。このスライダ27により押動される押動体28はスプリングカラー29の上端部を支持している。インナチューブ12の内部で、ダンパシリンダ21の外周部には止め輪31Aにより保持されるばね受31が設けられている。スプリングカラー29の下端部とばね受31の上端部の間に、後述するサブピストン51と前述の懸架スプリング13が直列的に介装される。ばね荷重調整アジャスタ24の回転操作により、スプリングカラー29を上下動し、懸架スプリング13の初期荷重を調整可能にする。
ダンパ14は、ピストンバルブ装置(伸側減衰力発生装置)40とサブバルブ装置(圧側減衰力発生装置)50を有する。ダンパ14は、ピストンバルブ装置40とサブバルブ装置50が発生する減衰力により、懸架スプリング13と後述する気体ばねによる衝撃力の吸収に伴なうアウタチューブ11とインナチューブ12の伸縮振動を制振する。
ピストンバルブ装置40は、アウタチューブ11の内部に取付けたピストンロッド25をダンパシリンダ21の内部に挿入し、その挿入端のピストンボルト25Aに設けたピストン41をダンパシリンダ21の内周に摺動自在に嵌合し、ダンパシリンダ21の内部の作動油室42をピストン41によりピストン側油室42Aとピストンロッド側油室42Bに区画する。
ピストン41は、ピストン側油室42Aとピストンロッド側油室42Bを連通可能にする伸側流路43と圧側流路44(不図示)を有し、それらの各流路を開閉する伸側ディスクバルブ43Aと圧側ディスクバルブ44Aを備える。
また、ピストンバルブ装置40は、ばね荷重調整アジャスタ24の内周側に減衰力調整アジャスタ45を螺合し、この減衰力調整アジャスタ45の下端部に固定される減衰力調整ロッド46をピストンロッド25の中空部に通し、減衰力調整ロッド46の先端ニードル46Aにより、ピストン41に設けてあるピストン側油室42Aとロッド側油室42Bのバイパス路47の流路面積を調整可能にする。
サブバルブ装置50は、図5に示す如く、アウタチューブ11の内部のピストンロッド25まわりに設けられてアウタチューブ11側に前述の如くに支持されるスプリングカラー29と、インナチューブ12の内部のダンパシリンダ21まわりに設けられてインナチューブ12側(ばね受31)に前述の如くに支持される懸架スプリング13との間に、サブピストン51を挟持して設ける。サブピストン51は本体52に、懸架スプリング13の内周をガイドするガイド部53Aを突設して備えたスプリングガイド53を嵌着一体化して備える。サブバルブ装置50は、サブピストン51の内周をピストンロッド25の外周に隙間なく液密に添設するとともに、サブピストン51の外周に設けたシールリング54をインナチューブ12の内周に摺動自在に液密に嵌合してある。
サブバルブ装置50は、アウタチューブ11及びインナチューブ12がダンパシリンダ21及びピストンロッド25の周囲に形成する環状空間55を、サブピストン51により、上環状油室55Aと下環状油室55Bに区画する。このとき、ダンパシリンダ21の内部のピストン側油室42Aが、ダンパシリンダ21に設けた油孔56により下環状油室55Bに常時連通する。
尚、環状空間55において、上環状油室55Aの上部は空気室55Cとされる。フロントフォーク10にあっては、懸架スプリング13と、空気室55Cの気体ばねが、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
サブピストン51は、上環状油室55Aと下環状油室55Bを連通可能にする伸側流路57と圧側流路58を有し、それらの各流路を開閉する伸側チェックバルブ57Aと圧側ディスクバルブ58Aを備える。このとき、サブピストン51の本体52の上面嵌合孔に圧側ディスクバルブ58A、バルブストッパ58B、スプリングカラー29の下端部が固定的に嵌合し、スプリングカラー29の下端部がバルブストッパ58Bを介して圧側ディスクバルブ58Aの外縁部を本体52の上面嵌合孔に保持する。
尚、フロントフォーク10において、スプリングカラー29は上環状油室55Aを、ピストンロッド25との間の上内側室55Aiと、アウタチューブ11及びインナチューブ12との間の上外側室55Aoに区画するものになり、サブピストン51に設けた伸側流路57、圧側流路58を上内側室55Aiに開口し、上内側室55Aiを上外側室55Aoに常時連通する油孔29Aをスプリングカラー29の下端側の油中に設ける。
また、サブピストン51の本体52の下面外周部にスプリングガイド53を固定的に嵌合し、スプリングガイド53のガイド部53Aの内周基部に設けた段差部が本体52との間に形成する溝上部に、伸側チェックバルブ57A及びバルブスプリング57Bの外縁部を保持する。
尚、伸側チェックバルブ57A、バルブスプリング57B、圧側ディスクバルブ58Aは、ドーナツ型をなし、それらの内周が流路になる。図5の右半部に記載の矢印が伸長時の油の流れを示し、左半部に記載の矢印が圧縮時の油の流れを示す。
従って、フロントフォーク10は以下の如くに減衰作用を行なう。
(伸長時)
フロントフォーク10の伸長時には、ピストンバルブ装置40において、ピストン41の伸側流路43の伸側ディスクバルブ43A或いはバイパス路47のニードル46Aを流れる油により伸側減衰力を生じ、サブバルブ装置50では殆んど減衰力を生じない。
フロントフォーク10の伸長ストローク端側では、ダンパシリンダ21の内部のピストンロッド25まわりで、ピストンボルト25Aの上端面に支持させてあるリバウンドスプリング61を、ダンパシリンダ21に固定してあるロッドガイド26のブッシュ押え26Aに衝合し、最伸長時の緩衝を行なう。
(圧縮時)
フロントフォーク10の圧縮時には、サブバルブ装置50において、サブピストン51の圧側流路58の圧側ディスクバルブ58Aを流れる油により圧側減衰力を生じ、ピストンバルブ装置40では殆んど減衰力を生じない。
フロントフォーク10の圧縮ストローク端側では、サブピストン51のスプリングガイド53のガイド部53Aがダンパシリンダ21の上端側の外周(本実施例ではダンパシリンダ21から突き出ているロッドガイド26の上端部)に嵌挿する。下環状油室55B及びピストン側油室42Aを閉じ込めてなるオイルロック油室を圧縮することで、最圧縮時の緩衝を行なう。
このとき、サブピストン51の外周に設けたシールリング54が、フロントフォーク10の圧縮ストローク端側からの伸長行程で、上環状油室55Aの油を下環状油室55Bに戻すチェックバルブ59になる。チェックバルブ59は、シールリング54の内周とサブピストン本体52の外周の間の隙間59Aと、シールリング54の下端面の径方向に設けた切欠き59Bからなる。フロントフォーク10の圧縮ストローク端側からの伸長行程で、シールリング54からなるチェックバルブ59は下方へ移動し、隙間59A、切欠き59Bを介して、上環状油室55Aと下環状油室55Bを連通し、上環状油室55Aの油を下環状油室55Bに戻すことにより、下環状油室55Bの負圧を解消する。
本実施例によれば、以下の作用効果を奏する。
(a)フロントフォーク10は、サブピストン51にサブバルブ装置50を設けている。サブバルブ装置50は、フロントフォーク10の圧縮行程で、(i)ダンパシリンダ21の内部のピストン側油室42Aに進入するピストンロッド25の進入容積分の作動油と、(ii)インナチューブ12の内部の下環状油室55Bに進入するサブピストン51の進入容積分の作動油の両方が、下環状油室55Bからサブピストン51の圧側流路58を通って上環状油室55Aに流出し、この圧側流路58に設けた圧側ディスクバルブ58A(又は絞り)の抵抗による圧側減衰力を発生する。
このとき、フロントフォーク10は、圧縮ストロークでピストン側油室42A及び下環状油室55Bの作動油を圧側ディスクバルブ58A(又は絞り)の抵抗に対して加圧する受圧面積を、ピストンロッド25の断面積A1と、サブピストン51の面積A2の合計面積Aとし、換言すればインナチューブ12の内径面積Aとする。フロントフォーク10が発生する圧側減衰力は、フロントフォーク10の受圧面積Aにピストン側油室42A及び下環状油室55Bの作動油圧力pを乗じたものであるから、この受圧面積A(A1+A2)が従来のピストンロッド25の断面積A1だけからなるものに比して大きくなった分、作動油圧力pを区画しなくても、高い圧側減衰力を得ることができる。従って、圧側減衰力発生時の作動油の圧力を可及的に低くし、高減衰力でも硬さ感が出ずに乗心地を向上できるし、圧側減衰力発生の応答性を向上できる。
(b)サブピストン51が懸架スプリング13の内周をガイドするスプリングガイド53のガイド部53Aを備え、アウタチューブ11の圧縮ストローク端側で、サブピストン51のスプリングガイド53のガイド部53Aがダンパシリンダ21の外周に嵌挿する。従って、圧縮ストローク端側で、サブピストン51が下環状油室55B及びピストン側油室42Aを閉じ込め、オイルロック効果を発生する。圧縮ストローク端でアウタチューブ11とインナチューブ12の底突きを緩和する。
(c)サブピストン51の外周に設けたシールリング54が、アウタチューブ11の圧縮ストローク端側からの伸長行程で、上環状油室55Aの油を下環状油室55Bに戻すチェックバルブ59を構成するものとした。従って、圧縮ストローク端側のオイルロック効果を発生した後、伸長行程に移行するとき、上環状油室55Aの油を下環状油室55Bに戻し、下環状油室55Bの負圧を解消し、スムースに伸長行程に移行できる。
(実施例2)(図6〜図9)
実施例2が実施例1と異なる点は、ダンパ14がボトムバルブ装置70を有すること、スプリングカラー29の上端側に上環状油室55Aの上内側室55Aiをシールするシール部材80を設けたことにある。
フロントフォーク10において、ボトムバルブ装置70は、ボトムボルト22に螺着されてダンパシリンダ21を前述の如くに車軸ブラケット19の底部に立設するホルダ22Aを有し、ホルダ22Aにボルト71Aにより取付けられるボトムピース71により、ピストン側油室42Aの下側の一部をボトムバルブ室42Cとして区画する。ボトムバルブ室42Cはダンパシリンダ21に設けた前述の油孔56により下環状油室55Bに連通する。ボトムピース71は、上側のピストン側油室42Aをボトムバルブ室42Cに連絡可能にする圧側流路72と伸側流路73(不図示)のそれぞれに、圧側ディスクバルブ72Aと伸側ディスクバルブ73Aを設ける。
また、ボトムバルブ装置70は、車軸ブラケット19、ボトムボルト22、ボトムピース71のボルト71Aに、ピストン側油室42Aと下環状油室55Bのバイパス路74を設け、車軸ブラケット19に螺着した減衰力調整アジャスタ75の先端ニードル75Aにより、バイパス路74の流路面積を調整可能にする。
そして、実施例2のフロントフォーク10にあっては、実施例1のフロントフォーク10における減衰作用に加え、圧縮時に、ボトムバルブ装置70において、圧側流路72の圧側ディスクバルブ72A或いはバイパス路74のニードル75Aを流れる油により圧側減衰力を生じ、伸長時にはボトムバルブ装置70では殆んど減衰力を生じない。
フロントフォーク10では、前述の如く、上環状油室55Aをスプリングカラー29により上内側室55Aiと上外側室55Aoに区画するとともに、サブピストン51に設けたサブバルブ装置50の伸側流路57、圧側流路58を上内側室55Aiに開口している。本実施例では、スプリングカラー29の上端側に上内側室55Aiをシールするシール部材80を設け、上内側室55Aiを上外側室55Aoに連通する油孔29Aをスプリングカラー29の下端側の油中に設けた。
シール部材80は、ピストンロッド25の外周とスプリングカラー29の内周の間に挿入される環状シールピース81を有し、シールピース81の内周の上端突部81Aをピストンロッド25の外周段差部に当て、これをばね荷重調整アジャスタ24のロックナット24Bにより保持される。シールピース81の内周環状溝に装填したシール材82がピストンロッド25の外周に液密に密着し、シールリング81の外周環状溝に装填したシール材83がスプリングカラー29の内周に液密に密着する。
従って、本実施例によれば、実施例1の(a)、(b)の作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。
上環状油室55Aをスプリングカラー29により上内側室55Aiと上外側室55Aoに区画するとともに、サブピストン51に設けたサブバルブ装置50の圧側流路58を上内側室55Aiに開口し、スプリングカラー29の上端側に上内側室55Aiをシールするシール部材80を設け、上内側室55Aiを上外側室55Aoに連通する油孔29Aをスプリングカラー29の下端側の油中に設けた。フロントフォーク10の圧縮の繰り返しで、サブピストン51の圧側流路58を通って上環状油室55Aの上内側室55Aiに流入した油が、スプリングカラー29の油孔29Aを介して下内側室にも流入する。このとき、上内側室55Aiの上部がシール部材80によりシールされ、上内側室55Aiの上部からの空気又は油のリークが阻止されるから、上内側室55Aiの上部に一定の空気室55Cが確保される。これにより、フロントフォーク10の圧縮行程で下環状油室の側から流出する油を上記空気室55Cの圧縮によって上環状油室55Aに安定的に受容できる。従って、サブバルブ装置50において安定的に圧側減衰力を発生させることができる。また、上環状油室55Aの油が油孔29Aから瞬間的に下環状油室に流出して急激な衝撃を生ずることなく、路面の凹凸に対する安定的な衝撃吸収性能を維持できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1は実施例1のフロントフォークを示す全体断面図である。 図2は図1の下部断面図である。 図3は図1の中間部断面図である。 図4は図1の上部断面図である。 図5は図3の要部拡大断面図である。 図6は実施例2のフロントフォークを示す全体断面図である。 図7は図6の下部断面図である。 図8は図6の中間部断面図である。 図9は図6の上部断面図である。
符号の説明
10 フロントフォーク
11 アウタチューブ
12 インナチューブ
13 懸架スプリング
21 ダンパシリンダ
25 ピストンロッド
29 スプリングカラー
29A 油孔
41 ピストン
42A ピストン側油室
42B ピストンロッド側油室
50 サブバルブ装置(圧側減衰力発生装置)
51 サブピストン
53 スプリングガイド
53A ガイド部
54 シールリング
55 環状空間
55A 上環状油室
55Ai 上内側室
55Ao 上外側室
55B 下環状油室
56 油孔
57 伸側流路
58 圧側流路
59 チェックバルブ
80 シール部材

Claims (4)

  1. 車体側のアウタチューブの内周に車輪側のインナチューブを摺動自在に嵌合し、
    インナチューブの内部にダンパシリンダを立設し、
    アウタチューブの内部に取付けたピストンロッドをダンパシリンダの内部に挿入し、その挿入端に設けたピストンをダンパシリンダの内周に摺動自在に嵌合し、ダンパシリンダの内部の作動油室をピストンによりピストン側油室とピストンロッド側油室に区画してなるフロントフォークにおいて、
    アウタチューブの内部のピストンロッドまわりに設けられてアウタチューブ側に支持されるスプリングカラーと、インナチューブの内部のダンパシリンダまわりに設けられてインナチューブ側に支持される懸架スプリングとの間に設けられるサブピストンを、ピストンロッドの外周に隙間なく添設するとともに、インナチューブの内周に摺動自在に嵌合し、
    アウタチューブ及びインナチューブがダンパシリンダ及びピストンロッドの周囲に形成する環状空間を、サブピストンにより上環状油室と下環状油室に区画し、
    ダンパシリンダの内部のピストン側油室を下環状油室に連通し、
    サブピストンに圧側減衰力発生装置を設けたことを特徴とするフロントフォーク。
  2. 前記サブピストンが懸架スプリングの内周をガイドするスプリングガイド部を備え、
    アウタチューブの圧縮ストローク端側で、サブピストンのスプリングガイド部がダンパシリンダの外周に嵌挿する請求項1に記載のフロントフォーク。
  3. 前記サブピストンの外周に設けたシールリングが、アウタチューブの圧縮ストローク端側からの伸長行程で、上環状油室の油を下環状油室に戻すチェックバルブを構成する請求項2に記載のフロントフォーク。
  4. 前記上環状油室をスプリングカラーにより上内側室と上外側室に区画するとともに、サブピストンに設けた圧側減衰力発生装置の油路を上内側室に開口し、
    スプリングカラーの上端側に上内側室をシールするシール部材を設け、上内側室を上外側室に連通する油孔をスプリングカラーの下端側の油中に設けた請求項1〜3のいずれかに記載のフロントフォーク。
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