JP2001310788A - フロントフォーク - Google Patents

フロントフォーク

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JP2001310788A
JP2001310788A JP2000128474A JP2000128474A JP2001310788A JP 2001310788 A JP2001310788 A JP 2001310788A JP 2000128474 A JP2000128474 A JP 2000128474A JP 2000128474 A JP2000128474 A JP 2000128474A JP 2001310788 A JP2001310788 A JP 2001310788A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両が沈み込んだ状態で走行する旋回時に、
エア反力の上昇を抑え、路面の吸収性を良くするととも
に、圧側減衰力を大きくして、車両が旋回中における安
定性を確保し、車体の無駄な動きを抑えることができる
フロントフォークを提供すること。 【解決手段】 倒立型フロントフォークにおいて、第1
隔壁部材55の下端にインナチューブ内周に摺接する第
2ピストン部53aを設けた第2隔壁部材56を連接
し、第2隔壁部材56の内周とピストンロッド14外周
に設けられた絞り部材としてのストッパ部材50との間
に環状の絞り流路Pを形成し、インナチューブ2の上部
の連通孔62が第1ピストン部52dより上方に位置し
たときに、下部連通孔63が第2ピストン部53aより
上方に位置するようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動二輪車のフロ
ントフォーク、特に、オンロードレース用のフロントフ
ォークに関し、コーナー旋回時のように、車両が大きく
沈み込んだ位置で走行する際に、エア反力を小さくする
ことができるとともに、圧側減衰力を大きくすることの
できるフロントフォークに関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車のオンロードレース用のフロ
ントフォークには、以下に述べるような性能が要求され
る。 (a)平坦な路面の高速直進走行時には、小さなエア反力
で路面振動の吸収性を上げること。
【0003】(b)コーナーに入る手前でブレーキをかけ
て減速をかけるブレーキング時のように、フロントフォ
ークが高速で大きく沈み込むときには、大きなエア反力
で、フロントフォークの沈み込みを抑えること。
【0004】(c)ブレーキング後のコーナリング中のよ
うに、フロントフォークが沈み込んだ状態で、一定の速
度で旋回走行するときには、エア反力の上昇を抑え、コ
ーナリング中の路面振動の吸収性を上げること。
【0005】(d)コーナリング中の加速時のように、フ
ロントフォークが圧縮された状態から伸長するときに
は、フロントフォークが伸びないようにしてアンダステ
アになるのを抑え、旋回性を向上させること。
【0006】しかしながら、従来のフロントフォークで
は、ストローク後半でエア反力が二乗カーブ的に上昇す
るので、エア反力を小さくすることに困難がある。ま
た、圧縮状態から伸長行程に移るときに、フロントフォ
ークの伸びを抑えることにも困難がある。
【0007】そこで、本出願人は、上記の要求性能を満
たすフロントフォークを開発し、特願平11-47133号によ
って出願したが、以下に述べる点で改良の余地があっ
た。
【0008】図5は、上記出願に係るフロントフォーク
の特性を示す線図であり、圧縮行程時には、a点のブレ
ーキング時に大きなエア反力を発生し、ブレーキング後
の旋回時には、エア反力を下げて旋回中の路面振動の吸
収性を上げている。また、伸長行程時は圧縮行程時より
小さなエア反力を発生し、エア反力にヒステリシス特性
を発生させている。しかしながら、b点を中心としたス
トロークSで示すように、長時間定常旋回の姿勢を保持
すると、エア反力のヒステリシス特性が小さくなり効果
がなくなるため、外乱に対し車体が動き過ぎて、車体の
安定性が損なわれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、車両
が沈み込んだ状態で走行する旋回時に、エア反力の上昇
を抑え、路面の吸収性を良くするとともに、圧側減衰力
を大きくして、車両が旋回中における安定性を確保し、
車体の無駄な動きを抑えることができるフロントフォー
クを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、車体側のアウタチューブ内に車軸側のインナチュー
ブが上下のブッシュを介して摺動自在に嵌合し、前記ア
ウタチューブと前記インナチューブの間に前記上下のブ
ッシュで区画される環状の油室を形成し、インナチュー
ブ内にダンパシリンダを立設し、ダンパシリンダ内をピ
ストンを介して摺動するピストンロッドの上端部をアウ
タチューブに取り付け、前記アウタチューブと前記イン
ナチューブ内に形成される室内に上部をエア室とした油
室を設け、端部外周を第1ピストン部を介して前記イン
ナチューブ内周に摺接する第1隔壁部材を、前記アウタ
チューブ側から垂設し、該第1隔壁部材にて前記アウタ
チューブとインナチューブ内の室を内側と外側の室に区
画した自動二輪車の倒立型フロントフォークにおいて、
前記第1隔壁部材の下端部に連設して、下端外周に第2
ピストン部を介してインナチューブ内周に摺接する第2
隔壁部材を設け、該第2隔壁部材の外側に中間室を区画
し、該第2隔壁部材の下端部と前記インナチューブ側と
の間に懸架スプリングを配設し、前記ピストンロッドの
外周に、該ピストンロッド外周と前記第2隔壁部材内周
との間で環状の絞り流路を形成する円筒状の絞り部材を
設け、前記第2隔壁部材の内側の室と外側の前記中間室
を連通する連通孔を前記ピストンロッド外周の絞り部材
より上方に位置するように設けるとともに、前記インナ
チューブに上下方向に間隔を置いて上部連通孔と下部連
通孔を設け、この上部連通孔と下部連通孔の位置を、上
部連通孔が前記第1ピストン部より上方に位置したとき
に、下部連通孔が前記第2ピストン部より上方に位置す
るように形成するようにしたものである。
【0011】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記円筒状の絞り部材が、最
圧縮時に、前記ダンパシリンダの上端面に衝当して最圧
縮時の緩衝をなすストッパ部材である請求項1記載の自
動二輪車の倒立型フロントフォーク。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るフロントフォ
ークを一部破断して示す正面図、図2は図1の上部拡大
図、図3は図1の要部を拡大して示す模式断面図、図4
はブレーキング時の圧縮位置を拡大して示す模式断面
図、図5は従来例におけるフロントフォークのエアばね
特性を示す線図、図6はスプリングジョイントと上部ス
プリングカラーが当接するテーパ面を示す拡大断面図で
ある。
【0013】図1は本発明に係るフロントフォークを一
部破断して示す正面図で、左側半分が乗車1G位置を示
し、右側半分が旋回開始時の圧縮位置を示す。
【0014】フロントフォーク100は、図1に示す如
く、アウタチューブ1内に、インナチューブ2が摺動自
在に挿入され、アウタチューブ1は上部ブラケット(不
図示)を介して車体側に結合され、インナチューブ2は
車軸ブラケット3を介して車軸側に結合される。アウタ
チューブ1の下部開口端の内周には、インナチューブ2
の外周に摺接する下部ブッシュ4が固定され、インナチ
ューブ2の上部外周には、アウタチューブ1の内周に摺
接する上部ブッシュ5が固定されている。そして、アウ
タチューブ1、インナチューブ2、及び、上下のブッシ
ュ5、4の間に環状の油室S1が形成されている。尚、
上部ブッシュ5はアウタチューブ1の内周に固定される
ものても良い。6はオイルシールである。
【0015】また、車軸ブラケット3の底部にボルト7
を介してダンパシリンダ10が固定され、ダンパシリン
ダ10上端のロッドガイド11の内周にOリングを介し
てブッシュ13が設けられ、ブッシュ13の内周を挿通
してピストンロッド14がダンパシリンダ10内に挿入
され、ピストンロッド14の先端にダンパシリンダ10
内を摺動するピストン12が固定されている。ダンパシ
リンダ10内には油室Aが設けられている。
【0016】ピストンロッド14の先端部には、伸長時
に減衰力を発生する伸側バルブと圧縮時に開くチェック
弁を備えた伸側減衰力発生装置17が設けられ、ダンパ
シリンダ10内の下部にはピストンロッド14の進入体
積分の作動油に対し圧側減衰力を発生する圧側バルブと
伸長時に開く伸側チェック弁を備えた圧側減衰力発生装
置22が設けられている。
【0017】23は、圧側減衰力発生装置22の圧側バ
ルブをバイパスする流路24、25、26に設けられた
ニードル弁で圧側バルブをバイパスする流路の開口面積
を調整する圧側減衰力調整装置27を構成する。尚、3
0は最伸長時の緩衝をなすリバウンドスプリングであ
る。
【0018】上述のダンパシリンダ10、ピストン1
2、ピストンロッド14、減衰力発生装置等がダンパ3
2を構成し、このダンパ32はいわゆる正立状態でアウ
タチューブ1とインナチューブ2内に内装されている。
【0019】ここで、図2に示すように、ピストンロッ
ド14の上端部には、円筒状のガイド部材33が螺合さ
れロックナット34にて固定されている。また、アウタ
チューブ1の上端部内周にはOリングを介して底部を有
する凹状のフォークキャップ36が液密に螺合され、こ
のフォークキャップ36の底部中央には段部36aを介
して下部が拡径するめねじ孔36bが設けられている。
一方、ピストンロッド14の上端部に固定されたガイド
部材33の下部外周には段部33aを介して大径のおね
じ部33bが設けられている。そして、フォークキャッ
プ36のめねじ孔36b内に、下方から円筒状のガイド
部材33のおねじ部33bが螺合され、所定のトルクを
かけることによりガイド部材33のおねじ部33bの段
部33aがフォークキャップ36のめねじ孔36bの段
部36aに締め付けられ、ガイド部材33及びピストン
ロッド14の上部がフォークキャップ36を介してアウ
タチューブ1側に固定されている。
【0020】フォークキャップ36の底部には、円周上
等分に3つの孔36cが軸方向に貫通して形成され、こ
の3つの孔36c内に、樹脂からなる環状のワッシャ部
37aに3本のピン37bが植設された押圧部材37が
軸方向に移動自在に挿入されている。また、ガイド部材
33とフォークキャップ36の間に形成される環状凹所
内には、上方からスプリングアジャスタ40が回転自在
に挿入され、スプリングアジャスタ40はガイド部材3
3の外周に螺合し、スプリングアジャスタ40の下端に
は前述の押圧部材37の環状ワッシャ部37aが当接し
ている。押圧部材37の3本のピン37bは、カップ状
のスプリングジョイント51の底部上面に当接し、スプ
リングアジャスタ40を回転すると、押圧部材37が上
下動して、後述する懸架スプリング41のばね荷重を調
整可能とする。
【0021】ガイド部材33の内周には調整ロッド42
を介してピストンロッド14先端のピストン12の伸側
減衰力を調整するアジャスタ43が回転自在に挿入され
ている。
【0022】アウタチューブ1とインナチューブ2内の
ダンパ32外側に形成される室の下部には、作動油が封
入されて油室Bが形成され、油室Bの上部に油面L1を
介して上部にエア室が形成され、このエア室は後述する
第1隔壁部材55にて、第1隔壁部材55の内側のエア
室C1と外側のエア室C2に区画されている。ダンパシ
リンダ10の下部側壁には連通孔44が設けられ、ダン
パシリンダ10内の油室Aと外側の油室Bを連通してい
る。
【0023】フロントフォーク100の圧縮時には、ピ
ストンロッド14がダンパシリンダ10内に進入して、
圧側チェック弁が開き、ダンパシリンダ10内へ進入し
たピストンロッド14の体積分の作動油が圧側減衰力発
生装置22の圧側バルブを撓めてダンパシリンダ10下
部の連通孔44を介して下部油室Bに流出し、圧側バル
ブで圧側減衰力を発生する。伸張時には、ピストンロッ
ド14がダンパシリンダ10内から退出して、伸側バル
ブが撓んで伸側減衰力を発生し、ピストンロッド14が
退出した体積分の作動油はシリンダ下部の連通孔44、
伸側チェックバルブを通り、ダンパシリンダ10内に戻
る。
【0024】図3に示すように、ピストンロッド14の
外周にはストッパリング45を介して、ナット46とホ
ルダー47が固定され、ナット46とホルダー47はね
じ結合され、ホルダー47の下端面には円筒状のストッ
パラバー48が焼き付け固定されている。
【0025】ストッパリング45とナット46とホルダ
47とストッパラバー48とで最圧縮時の緩衝をなすス
トッパ用のストッパ部材50を構成している。ストッパ
部材50は図3に破線で示すように、ストッパ部材50
の外周と後述の第2隔壁部材56の間で環状の絞り流路
Pを形成する絞り部材を兼ねている。
【0026】また、フォークキャップ36のアウタチュ
ーブ1側の下部外周Oリング49を介してカップ状のス
プリングジョイント51の筒状部51aが嵌挿され、ス
プリングジョイント51の下端面に突設して形成された
環状のボス部51bの外周に上部スプリングカラー52
の上端面が図6に示すようにテーパー面51c、52c
を介して当接している。上部スプリングカラー52の下
端部外周には第1ピストン部52dが嵌着され、さら
に、第1ピストン部52dの下端に下部スプリングカラ
ー53が連接して設けられ、下部スプリングカラー53
の下端部外周には第2ピストン部53aが嵌着されてい
る。第1ピストン部52dと第2ピストン部53aはそ
れぞれインナチューブ2の内周に摺接している。カップ
状のスプリングジョイト51、上部スプリングカラー5
2、第1ピストン部52dとで第1隔壁部材55を構成
し、アウタチューブ1とインナチューブ2内の上部の室
を第1隔壁部材55の内側の室C1と外側の室C2に区
画している。フォークキャップ36外周のOリング4
9、スプリングジョイト51と上部スプリングカラー5
2が当接するテーパー面51c、52c、第1ピストン
部52dはそれぞれ内側の室C1と外側の室C2を気密
に保持している。下部スプリングカラー53と第2ピス
トン部53aとで第2隔壁部材56を構成し、第2隔壁
部材56の外側に第1ピストン部52dと第2ピストン
部53aで区画される中間室Dを形成している。
【0027】第2ピストン部53aの下端部とダンパシ
リンダ10の下部外周にストッパリングで支持された下
部ばね受け57との間に懸架スプリング41がセット荷
重をかけられた状態で配設され、懸架スプリング41は
上下のスプリングカラー52,53、スプリングジョイ
ント51を介してアウタチューブ1とインナチューブ2
を伸長方向に付勢している。
【0028】第2隔壁部材56の内周とストッパ部材5
0である円筒状の絞り部材の外周には、図3に破線で示
すように環状の絞り流路Pが形成されている。そして、
第2隔壁部材56には内側の室C1と外側の中間室Dを
連通する連通孔61が絞り部材50より上方に位置して
形成されている。
【0029】第1ピストン部52dが摺接するインナチ
ューブ2の内周面は、先端部に向かって僅かに拡径する
テーパ状に形成されている。また、図1、図3に示すよ
うに、油室Bの油面L1は、乗車1G位置のときに、第
1ピストン部52dが油面L1上に位置するように設定
されている。これにより、乗車1G位置では、第1ピス
トン部52dの外周とインナチューブ2の内周との間に
僅かな隙間が形成され、第1隔壁部材55の内側のエア
室C1は、連通孔61、中間室D及び僅かな隙間を介し
て外側のエア室C2と連通する。そして、この乗車1G
位置より圧縮されたときには、この僅かな隙間が小さく
なること、また、第1ピストン部52dが油室B中に没
することにより、作動油の流動抵抗が大きくなって内側
と外側のエア室C1、C2の連通が閉じられる。
【0030】また、インナチューブ2には、上下方向に
間隔を置いて、上部連通孔62と下部連通孔63が穿設
され、上部連通孔62と下部連通孔63は、アウタチュ
ーブ1とインナチューブ2の間にある上下のブッシュ
5、4で区画形成される環状の油室S1と連通してい
る。
【0031】図3に一点鎖線で示すように、インナチュ
ーブ2の下部連通孔63、アウタチューブ1とインナチ
ューブ2の間の環状油室S1、上部連通孔62、中間室
D、下部スプリングカラー53の連通孔61は、絞り部
材50外周の絞り流路P(図3に破線で示す)をバイパ
スするバイパス流路Qを構成している。上下の連通孔6
2、63の間隔は、上下のスプリングカラー52、53
外周にそれぞれ嵌着された第1、第2ピストン部52
d、53aの間隔よりも小さく設定され、上部連通孔6
2が第1ピストン部52dより上方に位置した時に、下
部連通孔63が第2ピストン部53aより上方に位置す
るように設定されている。また、この間隔を小さく設定
することにより、上下の連通孔62、63がそれぞれ同
時に第1、第2ピストン部52d、53aで塞がれて、
環状の油室S1がロック状態になることを防いでいる。
【0032】本発明のフロントフォーク100は以下の
ように作用する。(直進走行時)図1及び図3の左側半
分の図は、乗車1G状態(ライダーが乗車して静止した
状態)におけるフロントフォーク100の圧縮位置を示
し、車両が平坦な直進路面を高速で走行するときには、
この乗車1G位置を中心として上下に小さくストローク
する。
【0033】この直進走行時には、第1ピストン部52
d外周とインナチューブ2の内周に形成されたテーパ面
との間の僅かな隙間を介して内側エア室C1と外側エア
室C2が連通している。従って、小さなエア反力が発生
し、路面振動の吸収性を良くしている。
【0034】また、この乗車1G状態時には、下部スプ
リングカラー53外周の第2ピストン部53aは、イン
ナチューブ2の上部連通孔62と下部連通孔63の間に
位置するので、インナチューブ2の下部連通孔63、イ
ンナチューブ2とアウタチューブ1の間の環状油室S
1、上部連通孔62、中間室D、及び、下部スプリング
カラー53の連通孔61から構成されるバイパス流路Q
(図3に一点鎖線で示す)が開いていて、絞り部材とし
てのストッパ部材50と下部スプリングカラー53との
間に形成される環状の絞り流路P(図3に破線で示す)
をバイパスしている。従って、下部油室Bの作動油は、
絞り流路Pとバイパス流路Qの2つの流路を通り、上方
の内側のエア室C1に流れるので、絞り流路部での圧側
減衰力の発生は小さい。
【0035】(ブレーキング時)図4は車両のブレーキ
ング時の状態を示し、車両がコーナーに差しかかる手前
で、ブレーキをかけて減速すると、前輪側のフロントフ
ォーク100は大きく沈み込む。この状態では、図4の
左側部分に示すように、第1隔壁部材55の下部外周に
設けられた第1ピストン部52dは下方に移動し、第1
ピストン部52d外周とインナチューブ2の内周の間の
隙間が小さくなるとともに、第1ピストン部52dは油
室B中に進入するので、作動油の流動抵抗が大きくなっ
て、第1ピストン部52d外周の隙間を介しての連通は
閉じられる。また、インナチューブ2の上部連通孔62
は、未だ第1ピストン部52dの下方に位置するので、
第1隔壁部材55の両側のエア室C1、C2は連通して
いない。そこで、第1隔壁部材55の内側のエア室C1
のみの油面L1が上昇し、第1隔壁部材55の内側のエ
ア室C1が大きく圧縮されて大きなエア反力を発生す
る。その結果、前輪側フロントフォーク100の沈み込
みを抑える。
【0036】また、このブレーキング時には、絞り流路
Pをバイパスするバイパス流路Qの入口となるインナチ
ューブ2の下部連通孔63は、第2ピストン部53aの
上方に移動するので、バイパス流路Qが閉じられて、作
動油は絞り部材50外周の絞り流路P(破線で示す)の
みを通って、上方に流れる。その結果、圧側減衰力も大
きくなり、フロントフォーク100の沈み込みを有効に
抑える。
【0037】(旋回状態)図1及び図3の右側半分の図
は、ブレーキング後の車両の旋回状態を示し、この旋回
状態時には、車両は前輪側、後輪側とも遠心力により大
きく沈み込んだ状態で走行する。
【0038】この旋回状態時には、第1隔壁部材55外
周に設けられた第1ピストン部52dが、インナチュー
ブ2の上部連通孔62の下方に移動して、上部連通孔6
2は第1隔壁部材55外側のエア室C2に開口する。そ
の結果、第1隔壁部材55の内側のエア室C1が、油室
Bを介して、下部スプリングカラー53の連通孔61、
インナチューブ2の下部連通孔63、インナチューブ2
とアウタチューブ1の間の環状油室S1及び上部連通孔
62を介して、外側のエア室C2に連通する。そして、
内側のエア室C1内の圧力が外側のエア室C2の圧力と
平衡するまで、内側のエア室C1内の作動油が外側のエ
ア室C2に流入し、エア反力は小さくなる。その結果、
大きく沈み込んだ圧縮位置でのエア反力の上昇を抑える
ことができ、この旋回状態時の路面振動の吸収性を上げ
ることができる。
【0039】この旋回状態時にも、インナチューブ2の
下部連通孔63は第2ピストン部53a上方に位置し、
バイパス流路Qが閉じられているので、下部油室の作動
油の流路は絞り流路P(図3の右側半分に破線で示す)
のみとなっている。従って、この旋回状態時に、路面ギ
ャップを通過して、路面側からの振動の伝達があった時
には、作動油の流路は絞り流路Pのみとなるので圧側減
衰力を上げることができ、路面からの振動に対し大きな
減衰力を発生し、外乱に対し車両が動き過ぎて安定性が
損なわれることを防ぐ。
【0040】尚、本実施形態では、ダンパシリンダ10
内の油室Aとダンパシリンダ10外側の油室Bが連通し
ている実施形態を述べたが、本発明はこれらが連通して
いないものにも適用できる。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ブレーキ
ング後のコーナー旋回時にフロントフォーク100が大
きく圧縮して、第1隔壁部材55外周の第1ピストン部
52dが下方に移動して、インナチューブ2の上部連通
孔62が第1隔壁部材55外周の第1ピストン部52d
より上方に移動すると、第1隔壁部材55両側のエア室
は、第2隔壁部材56の連通孔61、インナチューブ2
の下部連通孔63、アウタチューブ1とインナチューブ
2の間の環状の油室S1及びインナチューブ部の上部連
通孔62を介して連通する。その結果、エア室の容積が
大きくなりエア反力が下がる。このとき、インナチュー
ブ2の下部連通孔63は、下部スプリングカラー53外
周の第2ピストン部53aより上方に位置するように形
成されているので、インナチューブ2の下部連通孔6
3、アウタチューブ1とインナチューブ2の間の環状の
油室S1、上部連通孔62、及び、下部スプリングカラ
ー53の連通孔61よりなるバイパス流路Qが閉じる。
その結果、作動油の流路は円筒状の絞り部材としてのス
トッパ部材50と第2隔壁部材56との間の絞り流路P
のみとなり圧側減衰力が高くなる。従って、定常旋回時
のように車両が沈み込んだ状態で走行する際に、フロン
トフォーク100のエア反力が下がっても、圧側減衰力
が高くなるので、この旋回中における路面振動の衝撃吸
収性を向上することができるとともに、マシンの挙動安
定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係るフロントフォークを一部破
断して示す正面図である。
【図2】図2は図1の上部拡大図である。
【図3】図3は図1の要部を拡大して示す模式断面図で
ある。
【図4】図4はブレーキング時の圧縮位置を拡大して示
す模式断面図である。
【図5】図5は従来例におけるフロントフォークのエア
ばね特性を示す線図である。
【図6】図6はスプリングジョイントと上部スプリング
カラーが当接するテーパ面を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 アウタチューブ 2 インナチューブ 4 下ブッシュ 5 上ブッシュ 41 懸架スプリング 50 絞り部材 52d 第1ピストン部 53a 第2ピストン部 55 第1隔壁部材 56 第2隔壁部材 61 連通孔 62 上部連通孔 63 下部連通孔 100 フロントフォーク S1 環状の油室 B 油室 C1 内側の室 C2 外側の室 D 中間室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側のアウタチューブ内に車軸側のイ
    ンナチューブが上下のブッシュを介して摺動自在に嵌合
    し、 前記アウタチューブと前記インナチューブの間に前記上
    下のブッシュで区画される環状の油室を形成し、 インナチューブ内にダンパシリンダを立設し、ダンパシ
    リンダ内をピストンを介して摺動するピストンロッドの
    上端部をアウタチューブに取り付け、 前記アウタチューブと前記インナチューブ内に形成され
    る室内に上部をエア室とした油室を設け、 端部外周を第1ピストン部を介して前記インナチューブ
    内周に摺接する第1隔壁部材を、前記アウタチューブ側
    から垂設し、該第1隔壁部材にて前記アウタチューブと
    インナチューブ内の室を内側と外側の室に区画した自動
    二輪車の倒立型フロントフォークにおいて、 前記第1隔壁部材の下端部に連設して、下端外周に第2
    ピストン部を介してインナチューブ内周に摺接する第2
    隔壁部材を設け、該第2隔壁部材の外側に中間室を区画
    し、該第2隔壁部材の下端部と前記インナチューブ側と
    の間に懸架スプリングを配設し、 前記ピストンロッドの外周に、該ピストンロッド外周と
    前記第2隔壁部材内周との間で環状の絞り流路を形成す
    る円筒状の絞り部材を設け、 前記第2隔壁部材の内側の室と外側の前記中間室を連通
    する連通孔を前記ピストンロッド外周の絞り部材より上
    方に位置するように設けるとともに、前記インナチュー
    ブに上下方向に間隔を置いて上部連通孔と下部連通孔を
    設け、 この上部連通孔と下部連通孔の位置を、上部連通孔が前
    記第1ピストン部より上方に位置したときに、下部連通
    孔が前記第2ピストン部より上方に位置するように形成
    したことを特徴とする自動二輪車の倒立型フロントフォ
    ーク。
  2. 【請求項2】 前記円筒状の絞り部材が、最圧縮時に、
    前記ダンパシリンダの上端面に衝当して最圧縮時の緩衝
    をなすストッパ部材である請求項1記載の自動二輪車の
    倒立型フロントフォーク。
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JP2009191888A (ja) * 2008-02-13 2009-08-27 Kayaba Ind Co Ltd フロントフォーク
JP2010101417A (ja) * 2008-10-23 2010-05-06 Showa Corp フロントフォーク

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