JP2004044643A - 車両の油圧緩衝装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車輪の左右に油圧緩衝器を設けた油圧緩衝装置において、各油圧緩衝器の減衰バルブ構造を簡素化し、製造コストを低減すること。
【解決手段】車輪の作用両側に油圧緩衝器100、200を設けた車両の油圧緩衝装置1において、一方の油圧緩衝器100には、ピストン26の一方の油路41に圧側減衰バルブ43を設け、他方の油路42にチェックバルブ44を設け、かつピストンロッド側油室27Aに油溜室28と連通するピストンロッド24の体積補償用の油路50を設け、他方の油圧緩衝器200には、ピストン26の一方の油路61に伸側減衰バルブ63を設け、他方の油路62に伸張時に閉じ圧縮時に開くチェックバルブ64を設け、かつピストン側油室27Bに油溜室28とを連通し、ピストンロッド24の体積補償用の油路70を設けたもの。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の油圧緩衝装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の油圧緩衝装置として、車輪の左右に油圧緩衝器を設けたものがある。各油圧緩衝器は、実開昭64−41495に記載の如く、シリンダ内を摺動するピストンに2つの油路を設け、一方の油路に伸側の減衰力を発生する伸側減衰バルブを、他方の油路に圧縮時に容易に開いて圧側減衰力を殆ど又はあまり発生させない圧側チェックバルブを設けた伸側減衰力発生装置を有するとともに、また、シリンダの底部に固定したサブピストンに2つの油路を設け、一方の油路にピストンロッドの進入体積相当分の作動油に対し圧側減衰力を発生する圧側減衰バルブを設け、他方の油路に伸張時に容易に開き伸側減衰力を殆ど発生させない伸側チェックバルブを設けた圧側減衰力発生装置を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、車輪の両側に設ける油圧緩衝器の双方ともに、シリンダ内を摺動するピストンに設けた伸側減衰力発生装置と、シリンダの底部に固定したサブピストンに設けた圧側減衰力発生装置を有している。このため、各油圧緩衝器の減衰バルブ構造が複雑で部品点数が多くなり、製造コストを低減できない。
【0004】
本発明の課題は、車輪の左右に油圧緩衝器を設けた油圧緩衝装置において、各油圧緩衝器の減衰バルブ構造を簡素化し、製造コストを低減することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、車輪の左右に油圧緩衝器を設けた車両の油圧緩衝装置において、一方の油圧緩衝器に主に圧側減衰力を発生する圧側減衰力発生手段を設け、他方の油圧緩衝器に主に伸側減衰力を発生する伸側減衰力発生手段を設け、圧側減衰力と伸側減衰力の発生を左右の油圧緩衝器に分担させるようにし、前記一方の油圧緩衝器は、摺動自在に嵌合する車体側チューブと車輪側チューブと、ダンパシリンダと、該ダンパシリンダ内を摺動するピストンを先端部に取付けたピストンロッドからなり、該ダンパシリンダを車輪側チューブ内に取付け、該ピストンロッドを車体側チューブ内に取付けたダンパと、前記ダンパシリンダ内に前記ピストンにて区画されるピストンロッド側油室とピストン側油室と、前記ダンパシリンダの外周に設けた油溜室と、前記ピストンに設けた2つの油路と、該一方の油路に設けた圧側減衰バルブと、他方の油路に設けられ、圧縮時に閉じ伸張時に開くチェックバルブとを備え、前記ピストンロッド側油室と前記油溜室とを連通する前記ピストンロッドの体積補償用の油路を設けたものである。
【0006】
請求項2の発明は、車輪の左右両側に油圧緩衝器を設け、各油圧緩衝器が、車体側チューブと車輪側チューブを摺動自在に嵌合し、ダンパシリンダと、該ダンパシリンダ内を摺動するピストンを先端部に取付けたピストンロッドからなるダンパを有し、前記ダンパシリンダを車輪側チューブ内に取付け、該ピストンロッドを車体側チューブ内に取付け、前記ピストンの両側に前記ピストンロッドを収容するピストンロッド側油室と前記ピストンロッドを収容しないピストン側油室を区画し、前記ピストンに、前記2つの油室を連通する2つの油路を設け、前記ダンパシリンダの外周にピストンロッドの体積補償用の油溜室を設けるように構成された車両の油圧緩衝装置において、一方の油圧緩衝器には、前記ピストンの一方の油路に圧側減衰バルブを設け、他方の油路に圧縮時に閉じ伸張時に開くチェックバルブを設け、かつ、前記ピストンロッド側油室に前記油溜室と連通する前記ピストンロッドの体積補償用の油路を設け、他方の油圧緩衝器には、前記ピストンの一方の油路に伸側減衰バルブを設け、他方の油路に伸張時に閉じ圧縮時に開くチェックバルブを設け、かつ、前記ピストン側油室に前記油溜室と連通し、前記ピストンロッドの体積補償用の油路を設けたものである。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記各油圧緩衝器のピストンロッド内に、ピストン両側の油室を連通するバイパス油路を設け、該バイパス油路に減衰力調整バルブを設けたものである。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記一方の油圧緩衝器の油路を前記ダンパシリンダの側壁に形成したものである。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記一方の油圧緩衝器の油路を前記ピストンロッドをガイドするガイド部材に設けたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は左右一方の油圧緩衝器を示す全体図、図2は図1の要部拡大図、図3はロッドガイドに油路を設けた変形例を示し、(A)は断面図、(B)はブッシュの平面図、図4は左右他方の油圧緩衝器を示す全体図、図5は図4の要部拡大図である。
【0011】
車両の油圧緩衝装置1は、車両の左右両側に設けられる左右の油圧緩衝器100、200からなる。この油圧緩衝装置1は、2輪車等のフロントフォークのように、左右の油圧緩衝器の車輪側チューブが共通の車軸の両側に取付けられるもの、又は2輪車等の後輪側油圧緩衝装置のように、左右の油圧緩衝器が共通のスイングアームに取付けられて構成されるものであり、独立懸架式の油圧緩衝装置を除くものである。
【0012】
左右いずれか一方の油圧緩衝器100は図1〜図3に示す如く構成され、左右の他方の油圧緩衝器200は図4、図5に示す如くに構成される。油圧緩衝装置1は、一方の油圧緩衝器100に主に圧側減衰力を発生する圧側減衰力発生手段101を設け、他方の油圧緩衝器200に主に伸側減衰力を発生する伸側減衰力発生手段201を設け、圧側減衰力と伸側減衰力の発生を左右の油圧緩衝器100、200のそれぞれに分担させる。
【0013】
(油圧緩衝器100)(図1〜図3)
油圧緩衝器100は、図1に示す如く、車体側チューブ11と車輪側チューブ12を液密に摺動自在に嵌合して構成される。車体側チューブ11の下端外周にはブッシュ13が、車輪側チューブ12の上端側内周にはブッシュ14が設けられている。車体側チューブ11の下端側には、後述する油溜室28を車体側チューブ11と車輪側チューブ12の間でブッシュ13、14に挟まれる環状間隙に連通する油孔11Aが設けられる。
【0014】
車体側チューブ11は上端部の開口部15にキャップ16を液密に着脱自在に設け、車体側チューブ11に車体側取付部を備える。車軸側チューブ12は下端部にボトムブラケット18を一体に備え、ボトムブラケット18に車軸側取付部19を備える。
【0015】
油圧緩衝器100は、車体側チューブ11と車輪側チューブ12の内部に、ダンパ20を構成するダンパシリンダ21とピストンロッド24を収容している。
即ち、油圧緩衝器100は、ボトムブラケット18の内部に固定したダンパシリンダ21を車輪側チューブ12の内部に立設している。ボトムブラケット18の底部に挿着したセンターボルト22により、ダンパシリンダ21の下端内周に係着したストッパリング22Aを引き寄せ、ダンパシリンダ21を後述するオイルロックピース37のフランジ37Aの介在下でボトムブラケット18の底部に固定している。フロントフォーク10は、キャップ16の中央部にばね荷重調整スリーブ23を液密に螺着し、車体側チューブ11の内部に挿入されたばね荷重調整スリーブ23の下端部に中空ピストンロッド24とロックナット23Aを螺着し、ピストンロッド24を車体側チューブ11に対し固定的に支持する。ピストンロッド24は、ダンパシリンダ21の上端部に設けたロッドガイド25を摺動自在に貫通してダンパシリンダ21の内部の油室27に挿入され、その挿入先端部に設けたピストンボルト24Aにピストン26を備える。ピストンボルト24Aに螺着されるナット24Bによりピストン26を固定する。ピストン26はダンパシリンダ21の内面を上下に摺動する。油室27は、ピストン26により、ピストンロッド24が挿入されている側のピストンロッド側油室27Aと、ピストンロッド24が挿入されていない側のピストン側油室27Bに区画される。
【0016】
ロッドガイド25は、ダンパシリンダ21の上端部にかしめ固定される上下のワッシャ25A、25B、外カラー25Cの内部に、Oリング25Dを嵌着した内カラー25Eを設け、内カラー25Eに圧入したブッシュ25Fによりピストンロッド24を摺動自在に支持する。Oリング25Dはダンパシリンダ21とピストンロッド24の軸心ずれを吸収する。内カラー25E及びブッシュ25Fは上下のワッシャ25A、25Bの間で上下動しても良く、上下動不能に固定化されても良い。
【0017】
油圧緩衝器100は、車体側チューブ11と車輪側チューブ12の間で、ダンパシリンダ21の外周の空間を油溜室28とし、油溜室28の上部を気体室(空気室)29としている。
【0018】
油圧緩衝器100は、キャップ16に設けた前述のばね荷重調整スリーブ23に支持されて昇降する複数の部材の結合からなるスプリングカラー31を有し、スプリングカラー31によりバックアップされる上スプリングシート32と、ダンパシリンダ21の上端部の外周に固定した下スプリングシート33との間に懸架スプリング34を介装している。
【0019】
油圧緩衝器100は、懸架スプリング34のばね反力と、空気室29の空気ばねによるばね反力により、車両走行時に路面から受ける衝撃力を緩衝する。
【0020】
油圧緩衝器100は、懸架スプリング34と、空気室29の空気ばねの伸縮振動を制振するため、前述した圧側減衰力発生手段101を有している。
【0021】
圧側減衰力発生手段101は、図2に示す如く、ダンパシリンダ21の内面を摺接するピストン26に、ピストンロッド側油室27Aとピストン側油室27Bを連通可能にする圧側油路41と伸側流路42を有し、圧側油路41に圧側減衰バルブ43により開閉可能とし、伸側流路42をチェックバルブ44により開閉可能とする。圧側減衰バルブ43は、ピストンロッド24により係止されたバルブストッパ43Aによってバックアップ支持される。チェックバルブ44は、ナット24Bにより固定されたばね受け44Aに保持されたバルブスプリング44Bによりバックアップ支持され、圧縮時に閉じ、伸張時に開く。
【0022】
また、圧側減衰力発生手段101は、ピストンロッド24(ピストンボルト24A)の内部に、ピストン26をバイパスしてピストンロッド側油室27Aとピストン側油室27Bを連通可能とするバイパス流路46を有し、バイパス流路46をニードルバルブ47Aにより開閉可能とする。このとき、キャップ16に設けたばね荷重調整スリーブ23の中央に減衰力調整ロッド47を螺着し、減衰力調整ロッド47をピストンロッド24の中空部に挿通し、その挿通端に上述のニードルバルブ47Aを備える。
【0023】
油圧緩衝器100の圧側減衰力発生手段101に設けたニードルバルブ47Aは圧側減衰力調整装置として働く。
【0024】
圧側減衰力発生手段101は、ダンパシリンダ21の上端側の側壁に、ピストンロッド側油室27Aと油溜室28とを連通する、ピストンロッド24の体積補償用の孔状油路50を設けている。
【0025】
従って、油圧緩衝器100は以下の如くに動作する。
(圧縮工程)
油圧緩衝器100の圧縮時には、車体側チューブ11と車輪側チューブ12が相対的に圧縮され、懸架スプリング34が圧縮される。また、ピストンロッド24がダンパシリンダ21に進入し、ピストン側油室27Bの油が、低速時にはピストン26のバイパス油路46を通ってピストンロッド側油室27Aに流れ、この間のニードルバルブ47Aの絞り抵抗により圧側減衰力を得る。また、中高速時には、ピストン側油室27Bの油がピストン26の圧側油路41の圧側減衰バルブ43を通ってピストンロッド側油室27Aに流れ、この間の圧側減衰バルブ43のたわみ抵抗により圧側減衰力を得る。懸架スプリング34のばね力が圧縮時の衝撃を緩衝し、圧側減衰力が懸架スプリング34の圧縮速度をコントロールする。
【0026】
尚、油圧緩衝器100の最圧縮時には、車体側チューブ11の下端部に設けたオイルロックカラー36のチェック弁36Aが、車輪側チューブ12の底部に立設したオイルロックピース37の外周に嵌合し、車輪側チューブ12とオイルロックピース37の間にオイルロック油室を区画し、最圧縮ストロークを規制する。
【0027】
油圧緩衝器100の圧縮時には、ダンパシリンダ21へのピストンロッド24の進入体積分の油が、ピストンロッド側油室27Aからダンパシリンダ21の油路50を通って油溜室28に排出される。
【0028】
(伸張行程)
油圧緩衝器100の伸張時には、車体側チューブ11と車輪側チューブ12が相対的に伸張し、懸架スプリング34が伸びる。また、ピストンロッド24がダンパシリンダ21から退出し、ピストンロッド側油室27Aの油が、ピストン26の伸側油路42のチェックバルブ44を押し開いてピストン側油室27Bに流れる。
【0029】
尚、油圧緩衝器100の最伸張時には、ダンパシリンダ21の上端側外周部に係止したばね受け38によってバックアップ支持したリバウンドスプリング39をオイルロックカラー36の上端ワッシャによって圧縮し、最伸張ストロークを規制する。
【0030】
油圧緩衝器100の伸張時には、ダンパシリンダ21からのピストンロッド24の退出体積分の油が、油溜室28からダンパシリンダ21の油路50を通ってピストンロッド側油室27Aに補給される。
【0031】
尚、油圧緩衝器100において、ピストンロッド24の体積補償用として設ける油路50は、図3に示す如く、ピストンロッド24をガイドするようにダンパシリンダ21の上端部に設けたロッドガイド51(前述のロッドガイド25に相当)に形成しても良い。ロッドガイド51は、ダンパシリンダ21の上端部にかしめ固定される上下のワッシャ51A、51B、外カラー51Cの内部に、環状間隙を介してブッシュ51Dを収容し、ブッシュ51Dの上下端面の周方向複数位置に半径方向の全長に渡る油溝51E、51Fを備える。ブッシュ51Dは上下のワッシャ51A、51Bの間で上下動しても良く、上下動不能に固定化されても良い。油路50は、上下のワッシャ51A、51Bの内周がピストンロッド24の外周に対してなす間隙、上下の油溝51E、51F、外カラー51Cとブッシュ51Dの間の環状間隙によって形成される。
【0032】
(油圧緩衝器200)(図4、図5)
油圧緩衝器200が油圧緩衝器100と異なる点は、図4に示す如く、油圧緩衝器100における圧側減衰力発生手段101を伸側減衰力発生手段201に変えたことのみにある。
【0033】
即ち、油圧緩衝器200は、懸架スプリング34と空気室29の空気ばねの伸縮振動を制振するため、前述した伸側減衰力発生手段201を有している。
【0034】
伸側減衰力発生手段201は、図5に示す如く、ピストンロッド24のピストンボルト24Aに備えるピストン26を、油圧緩衝器101の圧側減衰力発生手段101におけると反転した。即ち、伸側減衰力発生手段201は、ダンパシリンダ21の内面を摺接するピストン26に、ピストンロッド側油室27Aとピストン側油室27Bを連通可能にする伸側油路61と圧側油路62を有し、伸側油路61を伸側減衰バルブ63により開閉可能とし、圧側油路62をチックバルブ64により開閉可能とする。伸側減衰バルブ63は、ナット24Bにより固定されたバルブストッパ63Aによりバックアップ支持される。チェックバルブ64は、ピストンロッド24により係止されたばね受け64Aに保持されたバルブスプリング64Bによりバックアップ支持され、伸張時に閉じ、圧縮時に開く。
【0035】
また、伸側減衰力発生手段201は、圧側減衰力発生手段101と同様に、ピストンロッド24(ピストンボルト24A)の内部にピストン26をバイパスしてピストンロッド側油室27Aとピストン側油室27Bを連通可能とするバイパス油路46を有し、バイパス油路46をニードルバルブ47Aにより開閉可能とする。このとき、キャップ16に設けたばね荷重調整スリーブ23の中央に減衰力調整ロッド47を螺着し、減衰力調整ロッド47をピストンロッド24の中空部に挿通し、その挿通端に上述のニードルバルブ47Aを備える。
【0036】
油圧緩衝器200の伸側減衰力発生手段201に設けたニードルバルブ47Aは伸側減衰力調整装置として働く。
【0037】
伸側減衰力発生手段201は、ダンパシリンダ21の下端側の側壁に、ピストン側油室27Bと油溜室28とを連通する、ピストンロッド24の体積補償用の孔状油路70を設けている。
【0038】
従って、油圧緩衝器200は以下の如くに動作する。
(圧縮工程)
油圧緩衝器200の圧縮時には、車体側チューブ11と車輪側チューブ12が相対的に圧縮され、懸架スプリング34が圧縮される。また、ピストンロッド24がダンパシリンダ21に進入し、ピストン側油室27Bの油が、ピストン26の圧側油路62のチェックバルブ64を押し開いてピストンロッド側油室27Aに流れる。
【0039】
尚、油圧緩衝器200の最圧縮時には、車体側チューブ11の下端部に設けたオイルロックカラー36のチェック弁36Aが、車輪側チューブ12の底部に立設したオイルロックピース37の外周に嵌合し、車輪側チューブ12とオイルロックピース37の間にオイルロック油室を区画し、最圧縮ストロークを規制する。
【0040】
油圧緩衝器200の圧縮時には、ダンパシリンダ21へのピストンロッド24の進入体積分の油が、ピストンロッド側油室27Bからダンパシリンダ21の油路70を通って油溜室28に排出される。
【0041】
(伸張工程)
油圧緩衝器200の伸張時には、車体側チューブ11と車輪側チューブ12が相対的に伸張し、懸架スプリング34が伸びる。また、ピストンロッド24がダンパシリンダ21から退出し、ピストンロッド側油室27Aの油が、低速時にはピストン26のバイパス油路46を通ってピストン側油室27Bに流れ、この間のニードルバルブ47Aの絞り抵抗により伸側減衰力を得る。また、中高速時には、ピストンロッド側油室27Aの油がピストン26の伸側油路61の伸側減衰バルブ63を通ってピストン側油室27Bに流れ、この間の伸側減衰バルブ63のたわみ抵抗により伸側減衰力を得る。伸側減衰力が懸架スプリング34の共振を防止する。
【0042】
尚、油圧緩衝器200の最伸張時には、ダンパシリンダ21の上端側外周部に係止したばね受け38によってバックアップ支持したリバウンドスプリング39をオイルロックカラー36の上端ワッシャによって圧縮し、最伸張ストロークを規制する。
【0043】
油圧緩衝器200の伸張時には、ダンパシリンダ21からのピストンロッド24の退出体積分の油が、油溜室28からダンパシリンダ21の油路70を通ってピストン側油室27Aに補給される。
【0044】
従って、油圧緩衝装置1にあっては、圧縮工程では油圧緩衝器100の圧側減衰力発生手段101が発生する圧側減衰力により、伸張工程では油圧緩衝器200の伸側減衰力発生手段201が発生する伸側減衰力により、懸架スプリング34の伸縮振動を制振する。
【0045】
本実施形態によれば以下の作用がある。
(請求項1に対応する作用)
▲1▼圧側減衰力を発生する側の油圧緩衝器100は、ダンパシリンダ21内を摺動するピストン26に設けた圧側減衰バルブ43で圧側減衰力を発生する。従って、圧側減衰力を発生する側の油圧緩衝器100には、ダンパシリンダ21の底部に固定したサブピストンに圧側減衰バルブや伸側チェックバルブを設けた圧側減衰力発生装置を有する必要がなく、製造コストを下げることができる。
【0046】
▲2▼油圧緩衝器100において、ダンパシリンダ21の内部のピストンロッド側油室27Aとダンパシリンダ21の外側の油溜室28を連通する、ピストンロッド24の体積補償用の油路50を設けた。従って、圧縮時に、ピストン側油室27Bの作動油は、全量、圧側減衰バルブ43を通って、ピストンロッド側油室27Aに至り、更に、油路50を経てダンパシリンダ21の外側の油溜室28に流れる。
【0047】
従って、体積補償用の油路50をピストン側油室27Bの側に設ける場合に比べ、作動油が全量圧側減衰バルブ43を通ることになり、安定した圧側減衰力を発生させることができる。
【0048】
体積補償用の油路50をピストン側油室27Bの側に設けた場合には、ピストン26の圧側減衰バルブ43とピストン側油室27Bの側の油路50が互いに並列流路を構成し、ピストン側油室27Bの側の油路50の大きさの設定が難しくなり、圧側減衰力の発生が安定しない。
【0049】
(請求項2に対応する作用)
▲3▼上述▲1▼、▲2▼に加え、伸側減衰力を発生する側の油圧緩衝器200も、ダンパシリンダ21の底部に固定したサブピストンに圧側減衰バルブや伸側チェックバルブを設けた圧側減衰力発生装置を有する必要がなく、製造コストを下げることができる。
【0050】
(請求項3に対応する作用)
▲4▼圧側減衰力を発生する側の油圧緩衝器100に設けた減衰力調整バルブ(ニードルバルブ47A)は圧側減衰力調整装置として働く。伸側減衰力を発生する側の油圧緩衝器200に設けた減衰力調整バルブ(ニードルバルブ47A)は伸側減衰力調整装置として働く。従って、各油圧緩衝器100、200の減衰力調整を互いに独立させることができる。
【0051】
従来技術では、左右の油圧緩衝器100、200の双方ともに、伸側減衰力調整装置と圧側減衰力調整装置の両方を設けているから、圧側減衰力調整する際には、左右の圧側減衰力調整装置を調整する必要があり、また左右で同量調整する必要があるし、伸側減衰力調整する際には、左右の伸側減衰力調整装置を調整する必要があり、また左右で同量調整する必要がある。
【0052】
(請求項4に対応する作用)
▲5▼油路50をダンパシリンダ21の側壁に形成したから、構造が簡単になり、コスト低減できる。
【0053】
(請求項5に対応する作用)
▲6▼油路50をピストンロッド24のガイド部材(ロッドガイド51)に設けたから、油路50の大きさの寸法精度を上げることができる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態を図面により記述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0055】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、車輪の左右に油圧緩衝器を設けた油圧緩衝装置において、各油圧緩衝器の減衰バルブ構造を簡素化し、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は左右一方の油圧緩衝器を示す全体図である。
【図2】図2は図1の要部拡大図である。
【図3】図3はロッドガイドに油路を設けた変形例を示し、(A)は断面図、(B)はブッシュの平面図である。
【図4】図4は左右他方の油圧緩衝器を示す全体図である。
【図5】図5は図4の要部拡大図である。
【符号の説明】
1 油圧緩衝装置
11 車体側チューブ
12 車輪側チューブ
20 ダンパ
21 ダンパシリンダ
24 ピストンロッド
26 ピストン
27A ピストンロッド側油室
27B ピストン側油室
28 油溜室
41 圧側油路
42 伸側油路
43 圧側減衰バルブ
44 チェックバルブ
46 バイパス油路
47A ニードルバルブ(減衰力調整バルブ)
50 油路
51 ロッドガイド(ガイド部材)
61 伸側油路
62 圧側油路
63 伸側減衰バルブ
64 チェックバルブ
70 油路
100 一方の油圧緩衝器
101 圧側減衰力発生手段
200 他方の油圧緩衝器
201 伸側減衰力発生手段

Claims (5)

  1. 車輪の左右に油圧緩衝器を設けた車両の油圧緩衝装置において、
    一方の油圧緩衝器に主に圧側減衰力を発生する圧側減衰力発生手段を設け、他方の油圧緩衝器に主に伸側減衰力を発生する伸側減衰力発生手段を設け、圧側減衰力と伸側減衰力の発生を左右の油圧緩衝器に分担させるようにし、
    前記一方の油圧緩衝器は、
    摺動自在に嵌合する車体側チューブと車輪側チューブと、
    ダンパシリンダと、該ダンパシリンダ内を摺動するピストンを先端部に取付けたピストンロッドからなり、該ダンパシリンダを車輪側チューブ内に取付け、該ピストンロッドを車体側チューブ内に取付けたダンパと、
    前記ダンパシリンダ内に前記ピストンにて区画されるピストンロッド側油室とピストン側油室と、
    前記ダンパシリンダの外周に設けた油溜室と、
    前記ピストンに設けた2つの油路と、該一方の油路に設けた圧側減衰バルブと、他方の油路に設けられ、圧縮時に閉じ伸張時に開くチェックバルブとを備え、前記ピストンロッド側油室と前記油溜室とを連通する前記ピストンロッドの体積補償用の油路を設けたことを特徴とする車両の油圧緩衝装置。
  2. 車輪の左右両側に油圧緩衝器を設け、
    各油圧緩衝器が、
    車体側チューブと車輪側チューブを摺動自在に嵌合し、
    ダンパシリンダと、該ダンパシリンダ内を摺動するピストンを先端部に取付けたピストンロッドからなるダンパを有し、前記ダンパシリンダを車輪側チューブ内に取付け、該ピストンロッドを車体側チューブ内に取付け、
    前記ピストンの両側に前記ピストンロッドを収容するピストンロッド側油室と前記ピストンロッドを収容しないピストン側油室を区画し、
    前記ピストンに、前記2つの油室を連通する2つの油路を設け、
    前記ダンパシリンダの外周にピストンロッドの体積補償用の油溜室を設けるように構成された車両の油圧緩衝装置において、
    一方の油圧緩衝器には、前記ピストンの一方の油路に圧側減衰バルブを設け、他方の油路に圧縮時に閉じ伸張時に開くチェックバルブを設け、かつ、前記ピストンロッド側油室に前記油溜室と連通する前記ピストンロッドの体積補償用の油路を設け、
    他方の油圧緩衝器には、前記ピストンの一方の油路に伸側減衰バルブを設け、他方の油路に伸張時に閉じ圧縮時に開くチェックバルブを設け、かつ、前記ピストン側油室に前記油溜室と連通し、前記ピストンロッドの体積補償用の油路を設けたことを特徴とする車両の油圧緩衝装置。
  3. 前記各油圧緩衝器のピストンロッド内に、ピストン両側の油室を連通するバイパス油路を設け、該バイパス油路に減衰力調整バルブを設けた請求項1又は2に記載の車両の油圧緩衝装置。
  4. 前記一方の油圧緩衝器の油路を前記ダンパシリンダの側壁に形成した請求項1〜3のいずれかに記載の車両の油圧緩衝装置。
  5. 前記一方の油圧緩衝器の油路を前記ピストンロッドをガイドするガイド部材に設けた請求項1〜3のいずれかに記載の車両の油圧緩衝装置。
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