JPH11117980A - フロントフォークの圧側減衰力発生装置 - Google Patents

フロントフォークの圧側減衰力発生装置

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JPH11117980A
JPH11117980A JP29793697A JP29793697A JPH11117980A JP H11117980 A JPH11117980 A JP H11117980A JP 29793697 A JP29793697 A JP 29793697A JP 29793697 A JP29793697 A JP 29793697A JP H11117980 A JPH11117980 A JP H11117980A
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JP
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cylinder
tube
valve housing
flow path
damping force
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JP29793697A
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Keiji Suzuki
啓司 鈴木
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Showa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧側減衰力発生装置を内蔵するダンパシリン
ダの組立性を向上し、減衰力調整ロッドの作動性を向上
し、該調整ロッドのためのガイド筒を短小化すること。 【解決手段】 単筒型ダンパ14のダンパシリンダ21
を上下2つのシリンダチューブ21A、21Bの接合体
としてなる、フロントフォーク10の圧側減衰力発生装
置50において、上シリンダチューブ21Aの上端にキ
ャップ51を固定し、ガイド筒57を植設したバルブハ
ウジング52を上シリンダチューブ21Aの下端に固定
し、キャップ51に支持した減衰力調整ロッド58をガ
イド筒57に挿入してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体側チューブ内
に車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブ
内に単筒型ダンパーを倒立にして内装したフロントフォ
ークの圧側減衰力発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車体側チューブ内に車軸側チュー
ブを摺動自在に挿入し、車体側チューブ内に単筒型ダン
パーを倒立にして内装したフロントフォークの圧側減衰
力発生装置として、実公平4-52502 号公報に記載のもの
がある。この従来技術は、単筒型ダンパのダンパシリン
ダを上下2つのシリンダチューブの接合体とし、上シリ
ンダチューブの上端部をキャップで閉じ、このキャップ
にねじ結合した中空パイプの下部にバルブハウジングを
結合支持してある。このバルブハウジングは、下シリン
ダチューブの内部に液密に嵌合支持され、圧側バルブを
備える圧側流路と、伸側バルブを備える伸側流路と、圧
側流路をバイパスするバイパス流路とを備える。そし
て、中空パイプに挿入してガイドされた減衰力調整ロッ
ドにより、バイパス流路の流路面積を調整可能としてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術には以下の問題点がある。 ダンパシリンダの組立てに際しては、上シリンダチュ
ーブに組付けたキャップに結合した中空パイプの下部に
バルブハウジングを結合した後、このバルブハウジング
を下シリンダチューブの内径部に嵌入しつつ、上シリン
ダチューブの下端部を下シリンダチューブの上端にねじ
結合する必要があり、組立性が悪い。
【0004】減衰力調整ロッドをガイドする中空パイ
プの上端側の中心はキャップを介して上シリンダチュー
ブの中心に調芯され、該中空パイプの下端側の中心はバ
ルブハウジングを介して下シリンダチューブの中心に調
芯される。即ち、中空パイプの上下両側の中心が2つの
シリンダチューブのそれぞれに支配され、それらの芯合
せに困難がある。このため、調整ロッドの作動性の確保
に困難がある。
【0005】中空パイプがキャップに固定されてバル
ブハウジングを支持するため、ダンパシリンダ内をキャ
ップからバルブハウジングまで延在している。一方、ダ
ンパシリンダ内のバルブハウジングより上方には、ダン
パシリンダへのピストンロッドの進入、退出に伴うシリ
ンダ内ロッド容積の変動を補償するための一定長の気体
室を備える必要がある。このため、中空パイプの全長は
相当に長くなり、材料コストを上げる。
【0006】圧縮時に、バルブハウジングの圧側流路
を経て上方に流出する油が吹き上がることによる油中へ
のエア等の混入を防止するため、ダンパシリンダ内のキ
ャップとバルブハウジングとの間に隔壁部材を設けるこ
とがある。ところが、隔壁部材が摺動する中空パイプの
芯合せが前述の如くに困難であり、結果として、隔壁
部材の摺動抵抗が大きくなり、その摺動性が悪い。
【0007】本発明の課題は、圧側減衰力発生装置を内
蔵するダンパシリンダの組立性を向上し、減衰力調整ロ
ッドの作動性を向上し、該調整ロッドのためのガイド筒
を短小化することにある。
【0008】また、本発明の課題は、ダンパシリンダの
油室と気体室とを隔てる隔壁部材の摺動性を向上するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、車体側チューブ内に車軸側チューブを摺動自在に挿
入し、車体側チューブ内に単筒型ダンパーを倒立にして
内装したフロントフォークの圧側減衰力発生装置におい
て、単筒型ダンパのダンパシリンダを上下2つのシリン
ダチューブの接合体とし、上シリンダチューブの上端を
キャップで閉じ、上シリンダチューブの内部の下端寄り
にバルブハウジングを固定し、バルブハウジングは圧側
バルブを備える圧側流路と、伸側バルブを備える伸側流
路と、圧側流路をバイパスするバイパス流路とを備え、
バルブハウジングのバイパス流路は該バルブハウジング
の中心に設けられ、キャップ側に向かうガイド筒を植設
され、キャップに支持された減衰力調整ロッドをガイド
筒に挿入し、該調整ロッドによりバイパス流路の流路面
積を調整可能とし、バルブハウジングを組み込んだ上シ
リンダチューブの下端を下シリンダチューブの上端に接
合してダンパシリンダを構成するようにしたものであ
る。
【0010】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記上シリンダチューブの内
部に該上シリンダチューブとガイド筒に沿って摺動する
隔壁部材を設け、隔壁部材のバルブハウジング側を油室
に、キャップ側を気体室にしてなるものである。
【0011】請求項3に記載の本発明は、請求項2に記
載の本発明において更に、前記隔壁部材がキャップ側に
所定以上移動したとき、バルブハウジング側の油室の油
をダンパシリンダの外側に流出するための油連通路を上
シリンダチューブに形成してなるものである。
【0012】
【作用】請求項1に記載の本発明によれば下記〜の
作用がある。 ダンパシリンダの組立てに際しては、上シリンダチュ
ーブの上端にキャップを固定し、ガイド筒を植設したバ
ルブハウジングを上シリンダチューブの下端に固定し、
キャップに支持した減衰力調整ロッドをガイド筒に挿入
することにより、上シリンダチューブのサブ組立てを完
了する。そして、この上シリンダチューブの下端を下シ
リンダチューブの上端に単にねじ結合等により接合する
ことにより、ダンパシリンダを構成でき、組立性が良
い。
【0013】調整ロッドの上端側を支持するキャップ
と、調整ロッドの下端側を支持するガイド筒が植設され
るバルブハウジングとが、共に同一の上シリンダチュー
ブに固定されて簡易且つ確実に芯合せされる。このた
め、調整ロッドの作動性が良い。
【0014】バルブハウジングは上シリンダチューブ
に固定される。このため、ガイド筒はバルブハウジング
側で調整ロッドをガイドする長さがあれば、キャップに
まで延在され結合されてバルブハウジングを支持する必
要がない。従って、ダンパシリンダ内のバルブハウジン
グより上方には、ダンパシリンダへのピストンロッドの
進入、退出に伴うシリンダ内ロッド容積の変動を補償す
るための一定長の気体室が設けられるものの、ガイド筒
はバルブハウジングからその気体室の中間にまで延びる
ものであれば足り、ガイド筒を短小化し、材料コストを
低減できる。
【0015】請求項2に記載の本発明によれば下記の
作用がある。 隔壁部材は、ダンパシリンダ内のキャップとバルブハ
ウジングとの間に設けられ、圧縮時に、バルブハウジン
グの圧側流路を経て上方に流出する油が吹き上がること
による油中へのエア等の混入を防止する。このとき、隔
壁部材が摺動するシリンダチューブとガイド筒は、バル
ブハウジングを介して芯合せされており、摺動性を向上
できる。
【0016】請求項3に記載の本発明によれば下記の
作用がある。ダンパシリンダは倒立に配置されている
ため、下シリンダチューブの下端のロッドガイドに設け
られるオイルシールは、ダンパシリンダ内の油が外部へ
流出しないように機能する。このオイルシールの構造
は、逆の作用として、ダンパシリンダ外のピストンロッ
ドに付着した油をダンパシリンダ内に持ち込んでダンパ
シリンダ内に蓄積せしめることとなる。これにより、ダ
ンパシリンダ内の油量は徐々に増加し、圧力が上昇する
ため、安全を図るため、ダンパシリンダのバルブハウジ
ング側の油室をダンパシリンダの外側に連通する油連通
路を上シリンダチューブに設けた。
【0017】
【発明の実施の形態】図1はフロントフォークを示す模
式図、図2は図1の圧側減衰力発生装置を示す模式図、
図3は図1の懸架スプリング係止部を示す模式図であ
る。
【0018】フロントフォーク10は、車体側チューブ
11内に車軸側チューブ12を摺動自在に挿入し、両チ
ューブ11、12の間に懸架スプリング13を介装する
とともに、単筒型ダンパ14を倒立にして内装してい
る。
【0019】車体側チューブ11の下端内周部には車軸
側チューブ12の外周部が摺接するブッシュ15が嵌着
され、車軸側チューブ12の上端外周部には車体側チュ
ーブ11の内周部が摺接するブッシュ16が嵌着されて
いる。
【0020】車体側チューブ11はアッパブラケット1
7Aとロアブラケット17Bを介して車体側に支持さ
れ、車軸側チューブ12は車軸ブラケット18を介して
車軸に結合される。
【0021】車体側チューブ11の上端部にはケース1
7が螺着され、ケース19にはダンパ14のダンパシリ
ンダ21(上シリンダチューブ21A)の上端部が螺着
されている。車軸側チューブ12の下端部内周にはオイ
ルロックカラー23が嵌装され、このオイルロックカラ
ー23をボトムボルト24で車軸ブラケット18に固定
してある。また、ボトムボルト24にはダンパ14のピ
ストンロッド(中空ロッド)22の基端部が螺着され、
このピストンロッド22の先端部をダンパシリンダ21
に挿入してある。
【0022】懸架スプリング13は、オイルロックカラ
ー23の上端部外周面に装着したスプリング受け25
と、ダンパシリンダ21の中間部の外周面に固定したス
プリング受け26との間に介装されている。13Aはリ
ターンスプリングである。また、車体側チューブ11と
車軸側チューブ12の内部には油室27と気体室28と
が設けられ、気体室28に閉じ込められている気体が気
体ばねを構成する。これらの懸架ばね13と気体ばねの
弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
【0023】ダンパ14は、ピストンバルブ装置(伸側
減衰力発生装置)40と、ベースバルブ装置(圧側減衰
力発生装置)50とを有している。ダンパ14は、ピス
トンバルブ装置40とベースバルブ装置50の発生する
減衰力により、懸架スプリング13と気体ばねによる衝
撃力の吸収に伴う車体側チューブ11と車軸側チューブ
12の伸縮振動を抑制する。
【0024】尚、ダンパ14のダンパシリンダ21は、
ダンパシリンダ21へのベースバルブ装置50の組み込
み等のために、上下2つのシリンダチューブ21A、2
1Bに2分され、それらの接合体とされている。
【0025】また、ダンパシリンダ21の下シリンダチ
ューブ21Bの下端部内周にはロッドガイド29が螺着
され、更に下シリンダチューブ21Bの下端部にはオイ
ルロックカラー31を遊嵌し、このロッドガイド29の
内周部にはピストンロッド22の外周部に摺接するオイ
ルシール32を嵌着し、ダンパシリンダ21の内部に作
動油を封入している。但し、オイルシール32は、フロ
ントフォーク10がストロークするたびに、車体側チュ
ーブ11と車軸側チューブ12の内部の油室27に位置
するピストンロッド22の外周面に付着した作動油をダ
ンパシリンダ21の内部に持ち込む。
【0026】以下、フロントフォーク10の減衰機構に
ついて説明する。 (ピストンバルブ装置40)ピストンバルブ装置40
は、ピストンロッド22の先端部にピストンホルダ41
を装着し、このピストンホルダ41にピストン42を装
着している。ピストン42は、ダンパシリンダ21(下
シリンダチューブ21B)の内部を摺接し、ダンパシリ
ンダ21の内部をピストンロッド22が収容されない上
室43Aとピストンロッド22が収容される下室43B
とに区画する。ピストン42は、伸側バルブ44Aを備
えて上室43Aと下室43Bとを連絡可能とする伸側流
路44と、圧側バルブ(チェックバルブ)45Aを備え
て上室43Aと下室43Bとを連絡可能とする圧側流路
45とを備える。
【0027】また、ピストンバルブ装置40は、アジャ
スタ46に結合されている減衰力調整ロッド47をピス
トンロッド22の中空部に通し、この減衰力調整ロッド
47の先端のニードル47Aにより、ピストンホルダ4
1に設けてある上室43Aと下室43Bとのバイパス路
48の流路面積を調整可能とする。
【0028】従って、フロントフォーク10の圧縮時に
は、上室43Aの油が圧側流路45を通り圧側バルブ4
5Aを開いて下室43Bへ導かれる。
【0029】また、フロントフォーク10の伸長時に
は、ダンパシリンダ21とピストンロッド22の相対速
度が低速のとき、下室43Bの油がニードル47Aのあ
るバイパス路48を通って上室43Aへ導かれ、この間
のニードル47Aによる絞り抵抗により伸側の減衰力を
生ずる。この減衰力は、アジャスタ46によるニードル
47Aの位置調整により調整される。
【0030】また、フロントフォーク10の伸長時で、
ダンパシリンダ21とピストンロッド22の相対速度が
中高速のとき、下室43Bの油が伸側流路44を通り伸
側バルブ44Aを撓み変形させて上室43Aへ導かれ、
伸側の減衰力を生ずる。
【0031】(ベースバルブ装置50)ベースバルブ装
置50は、上シリンダチューブ21Aの上端をキャップ
51で閉じ、上シリンダチューブ21Aの内部の下端寄
りにバルブハウジング52を液密に固定してある。バル
ブハウジング52は例えばスナップリングで上シリンダ
チューブ21Aの内周部に固定され、前述の上室43A
の上方にベースバルブ室53を区画形成する。バルブハ
ウジング52は、圧側バルブ54Aを備えて上室43A
とベースバルブ室53とを連絡可能とする圧側流路54
と、伸側バルブ55Aを備えて上室43Aとベースバル
ブ室53とを連絡可能とする伸側流路55と、圧側流路
54と伸側流路55とをバイパスして上室43Aとベー
スバルブ室53とを連絡可能とするバイパス流路56と
を備える。
【0032】バルブハウジング52のバイパス流路56
はバルブハウジング52の中心に設けられ、キャップ5
1の側に向かうガイド筒57を植設され、ガイド筒57
はバイパス流路56を形成するとともに該バイパス流路
56をベースバルブ室53に導く連通孔56Aを設けて
ある。
【0033】キャップ51に螺合された減衰力調整ロッ
ド58は、アジャスタ59を備えるとともに、ガイド筒
57に挿入され、先端のニードル58Aによりバイパス
流路56の流路面積を調整可能とする。
【0034】また、ベースバルブ装置50は、上シリン
ダチューブ21Aの内部に、該上シリンダチューブ21
Aとガイド筒57に沿って液密に摺動するフリーピスト
ン型の隔壁部材61を備える。隔壁部材61は、ベース
バルブ室53のバルブハウジング52の側で上室43A
に連通している油室53Aと、キャップ51の側の気体
室53Bとを区画する。隔壁部材61は、圧縮時に、バ
ルブハウジング52の圧側流路54を経て上室43Aか
ら油室53Aに油が吹き上がるのを防止し、これにより
油中にエア等が混入するのを防止するものである。
【0035】また、ベースバルブ装置50は、ダンパ1
4のピストンロッド22が前述の如くにダンパシリンダ
21の内部に持ち込んでダンパシリンダ21内に蓄積し
た油を、ダンパシリンダ21の外部に逃がすための油連
通路62を上シリンダチューブ21Aに備えている。即
ち、油連通路62は、上シリンダチューブ21Aの内周
面の軸方向に凹設した溝62Aと、上シリンダチューブ
21Aを貫通した孔62Bとからなり、隔壁部材61が
ベースバルブ室53をキャップ51の側に所定以上移動
したとき、油室53Aの油を上シリンダチューブ21A
の外側に逃がし、この油を車体側チューブ11と車軸側
チューブ12の内部の油室27に返すものとする。
【0036】従って、フロントフォーク10の圧縮時に
は、ダンパシリンダ21に進入したピストンロッド22
の進入容積分の油が、上室43Aからバルブハウジング
52のバイパス流路56、もしくは圧側流路54を通っ
てベースバルブ室53の油室53Aに排出される。この
とき、ダンパシリンダ21とピストンロッド22の相対
速度が低速のときには、バイパス流路56に設けてある
ニードル58Aによる絞り抵抗により圧側の減衰力を得
る。この減衰力は、アジャスタ59によるニードル58
Aの位置調整により調整される。また、ダンパシリンダ
21とピストンロッド22の相対速度が中高速のときに
は、上室43Aから圧側流路54を通る油が圧側バルブ
54Aを撓み変形させてベースバルブ室53の油室53
Aに導かれ、圧側の減衰力を生ずる。
【0037】フロントフォーク10の伸長時には、ダン
パシリンダ21から退出するピストンロッド22の退出
容積分の油が、ベースバルブ室53の油室53Aからバ
ルブハウジング52の伸側流路55を通って上室43A
に返送される。
【0038】従って、フロントフォーク10は以下の如
くに減衰作用を行なう。 (圧縮時)フロントフォーク10の圧縮時には、ベース
バルブ装置50において、バルブハウジング52のニー
ドル58A或いは圧側バルブ54Aを流れる油により圧
側減衰力を生じ、ピストンバルブ装置40では殆ど減衰
力を生じない。
【0039】(伸長時)フロントフォーク10の伸長時
には、ピストンバルブ装置40において、ピストン42
のニードル47A或いは伸側バルブ44Aを流れる油に
より伸側減衰力を生じ、ベースバルブ装置50では殆ど
減衰力を生じない。
【0040】これらの圧側と伸側の減衰力により、フロ
ントフォーク10の伸縮振動が抑制される。
【0041】尚、フロントフォーク10の最圧縮時に
は、ダンパシリンダ21の下シリンダチューブ21Bの
下端部のオイルロックカラー31が、車軸側チューブ1
2の下端部に設けてあるオイルロックカラー23に嵌合
し、両者の間で圧縮した油によりオイルロック作用を生
ぜしめ、ダンパ20の底つきを防止する。
【0042】従って、本実施形態によれば以下の作用が
ある。 ダンパシリンダ21の組立てに際しては、上シリンダ
チューブ21Aの上端にキャップ51を固定し、ガイド
筒57を植設したバルブハウジング52を上シリンダチ
ューブ21Aの下端に固定し、キャップ51に支持した
減衰力調整ロッド58をガイド筒57に挿入することに
より、上シリンダチューブ21Aのサブ組立てを完了す
る。そして、この上シリンダチューブ21Aの下端を下
シリンダチューブ21Bの上端に単にねじ結合等により
接合することにより、ダンパシリンダ21を構成でき、
組立性が良い。
【0043】調整ロッド58の上端側を支持するキャ
ップ51と調整ロッド58の下端側を支持するガイド筒
57が植設されるバルブハウジング52とが、共に同一
の上シリンダチューブ21Aに固定されて簡易且つ確実
に芯合せされる。このため、調整ロッド58の作動性が
良い。
【0044】バルブハウジング52は上シリンダチュ
ーブ21Aに固定される。このため、ガイド筒57はバ
ルブハウジング52側で調整ロッド58をガイドする長
さがあれば、キャップ51にまで延在され結合されてバ
ルブハウジング52を支持する必要がない。従って、ダ
ンパシリンダ21内のバルブハウジング52より上方に
は、ダンパシリンダ21へのピストンロッド22の進
入、退出に伴うシリンダ内ロッド容積の変動を補償する
ための一定長の気体室53Bが設けられるものの、ガイ
ド筒57はバルブハウジング52からその気体室53B
の中間にまで延びるものであれば足り、ガイド筒57を
短小化し、材料コストを低減できる。
【0045】隔壁部材61は、ダンパシリンダ21内
のキャップ51とバルブハウジング52との間に設けら
れ、圧縮時に、バルブハウジング52の圧側流路54を
経て上方に流出する油が吹き上がることによる油中への
エア等の混入を防止する。このとき、隔壁部材61が摺
動するシリンダチューブ21Aとガイド筒57は、バル
ブハウジング52を介して芯合せされており、摺動性を
向上できる。
【0046】ダンパシリンダ21は倒立に配置されて
いるため、下シリンダチューブ21Bの下端のロッドガ
イド29に設けられるオイルシール32は、ダンパシリ
ンダ21内の油が外部へ流出しないように機能する。こ
のオイルシール32の構造は、逆の作用として、ダンパ
シリンダ21外のピストンロッド22に付着した油をダ
ンパシリンダ21内に持ち込んでダンパシリンダ21内
に蓄積せしめることとなる。これにより、ダンパシリン
ダ21内の油量は徐々に増加し、圧力が上昇するため、
安全を図るため、ダンパシリンダ21のバルブハウジン
グ52側の油室をダンパシリンダ21の外側に連通する
油連通路62を上シリンダチューブ21Aに設けた。
【0047】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、ダ
ンパシリンダの上シリンダチューブ内に隔壁部材を設け
たとき、隔壁部材をバルブハウジング側に向けて弾発す
る弾発ばねを気体室内に設けるものであっても良い。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、圧側減衰
力発生装置を内蔵するダンパシリンダの組立性を向上
し、減衰力調整ロッドの作動性を向上し、該調整ロッド
のためのガイド筒を短小化することができる。
【0049】また、本発明によれば、ダンパシリンダの
油室と気体室とを隔てる隔壁部材の摺動性を向上するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はフロントフォークを示す模式図である。
【図2】図2は図1の圧側減衰力発生装置を示す模式図
である。
【図3】図3は図1の懸架スプリング係止部を示す模式
図である。
【符号の説明】
10 フロントフォーク 11 車体側チューブ 12 車軸側チューブ 14 ダンパ 21 ダンパシリンダ 21A 上シリンダチューブ 21B 下シリンダチューブ 51 キャップ 52 バルブハウジング 53A 油室 53B 気体室 54 圧側流路 54A 圧側バルブ 55 伸側流路 55A 伸側バルブ 56 バイパス流路 57 ガイド筒 58 減衰力調整ロッド 61 隔壁部材 62 油連通路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側チューブ内に車軸側チューブを摺
    動自在に挿入し、車体側チューブ内に単筒型ダンパーを
    倒立にして内装したフロントフォークの圧側減衰力発生
    装置において、 単筒型ダンパのダンパシリンダを上下2つのシリンダチ
    ューブの接合体とし、 上シリンダチューブの上端をキャップで閉じ、上シリン
    ダチューブの内部の下端寄りにバルブハウジングを固定
    し、 バルブハウジングは圧側バルブを備える圧側流路と、伸
    側バルブを備える伸側流路と、圧側流路をバイパスする
    バイパス流路とを備え、 バルブハウジングのバイパス流路は該バルブハウジング
    の中心に設けられ、キャップ側に向かうガイド筒を植設
    され、キャップに支持された減衰力調整ロッドをガイド
    筒に挿入し、該調整ロッドによりバイパス流路の流路面
    積を調整可能とし、 バルブハウジングを組み込んだ上シリンダチューブの下
    端を下シリンダチューブの上端に接合してダンパシリン
    ダを構成することを特徴とするフロントフォークの圧側
    減衰力発生装置。
  2. 【請求項2】 前記上シリンダチューブの内部に該上シ
    リンダチューブとガイド筒に沿って摺動する隔壁部材を
    設け、隔壁部材のバルブハウジング側を油室に、キャッ
    プ側を気体室にしてなる請求項1記載のフロントフォー
    クの圧側減衰力発生装置。
  3. 【請求項3】 前記隔壁部材がキャップ側に所定以上移
    動したとき、バルブハウジング側の油室の油をダンパシ
    リンダの外側に流出するための油連通路を上シリンダチ
    ューブに形成してなる請求項2記載のフロントフォーク
    の圧側減衰力発生装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012149712A (ja) * 2011-01-19 2012-08-09 Showa Corp 車両用の油圧緩衝器
JP2012202427A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Kyb Co Ltd フロントフォーク
JP2016187999A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 株式会社ショーワ フロントフォーク

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