JPH11280826A - フロントフォーク - Google Patents

フロントフォーク

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JPH11280826A
JPH11280826A JP9818698A JP9818698A JPH11280826A JP H11280826 A JPH11280826 A JP H11280826A JP 9818698 A JP9818698 A JP 9818698A JP 9818698 A JP9818698 A JP 9818698A JP H11280826 A JPH11280826 A JP H11280826A
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piston
oil chamber
rod
front fork
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フロントフォークにおいて、ジャンプ等の激
しい走行をしないライダーや体重の軽いライダーの使用
時にも、ダンパシリンダの開口部に設けたシール部材を
介してピストンロッドがダンパシリンダの外部からダン
パシリンダの内部に持ち込んだ余剰オイルを、ダンパシ
リンダの外部に確実に排出すること。 【解決手段】 フロントフォーク10において、ダンパ
シリンダ21のロッド側油室43Bの端部に該ロッド側
油室43Bを密封可能とするブローバルブ31を設け、
ピストンロッド22の伸切り衝合部41Aが押動するブ
ローバルブ31により開閉される透孔70をダンパシリ
ンダ21の開口部寄り側壁に設けてなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動二輪車等の車
体と車輪との間に介装されて路面からの衝撃を吸収する
フロントフォークに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フロントフォークとして、特開平
6-147248号公報に記載される如く、車体側チューブと車
輪側チューブとを摺動自在に嵌合し、車体側チューブに
ダンパシリンダを起立し、車輪側チューブにピストンロ
ッドを起立し、該ピストンロッドをダンパシリンダの開
口部の内周に設けたロッドガイドで支持しつつ該ダンパ
シリンダ内に挿入し、ピストンロッドに設けたピストン
により、ダンパシリンダの内部にロッド側油室とピスト
ン側油室とを区画形成し、ピストンに減衰力発生装置を
設けるとともに、ダンパシリンダのピストン側油室に圧
側減衰力発生装置を設け、ダンパシリンダ内の圧側減衰
力発生装置に対する反ピストン側に該ダンパシリンダの
内部の油室を加圧するフリーピストンを設け、車体側チ
ューブと車輪側チューブの間の下部に油室を、上部に気
体室を形成し、ダンパシリンダの開口部の内周とピスト
ンロッドの外周との間にダンパシリンダの内部の油室を
密封するシール部材を設けたものがある。
【0003】この従来技術では、ダンパシリンダにピス
トンロッドが進入、退出することにより、該ピストンロ
ッドの進入、退出容積分に相当する該ダンパシリンダ内
の油量変化をフリーピストンの上下動によって補償して
いる。そして、ピストンロッドがダンパシリンダ内に進
入した容積分だけ、フリーピストンを付勢するスプリン
グが圧縮されることにより、ダンパシリンダ内の作動油
が加圧されるので、ピストンの摺動時にダンパシリンダ
内の作動油にキャビテーションの発生がなく、伸長時に
続く圧縮時の減衰力発生の遅れ(さぼり)もなくなる。
【0004】また、この従来技術では、ダンパシリンダ
の開口部内周に設けたシール部材が、車体側チューブと
車輪側チューブの間の油室に位置するピストンロッドに
付着した作動油をダンパシリンダ内に持ち込んだ余剰オ
イルを、ダンパシリンダ外に排出するために、フリーピ
ストンの上下動を案内しているガイドパイプ外周に縮径
部を形成し、フリーピストン内周のシール部材がこの縮
径部に到達したときにダンパシリンダ内の余剰オイルを
シリンダ外に排出するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術において、フ
リーピストンは、ピストンロッドがダンパシリンダに最
大限進入する最圧縮時に、フリーピストン内周のシール
部材がガイドパイプ外周の縮径部に到達するように設定
され、この最圧縮時にダンパシリンダ内に経時的に溜ま
った前述の余剰オイルをダンパシリンダ外に排出する。
即ち、ダンパシリンダ内に経時的に溜まった余剰オイル
は、ピストンロッドがダンパシリンダ内に最も進入する
車両のジャンプ後の着地等の最圧縮時に、ダンパシリン
ダ外に排出されるので、余剰オイルがダンパシリンダ外
に排出されるまでの間は、ダンパシリンダ内に溜まった
余剰オイルの分だけ、上位にあるフリーピストンがスプ
リングを圧縮し、このスプリングの付勢力がダンパシリ
ンダ内の作動油を加圧し、ロッド反力が増す。
【0006】このため、ジャンプ等の激しい走行をしな
いライダーや、体重の軽いライダーは最圧縮するまでフ
ルストロークすることがないので、前述の余剰オイルが
常にダンパシリンダ内に溜まった状態で走行するものと
なり、上述のロッド反力が増した分だけフロントフォー
クの作動に硬さを感じるものとなる。
【0007】本発明の課題は、フロントフォークにおい
て、ジャンプ等の激しい走行をしないライダーや体重の
軽いライダーの使用時にも、ダンパシリンダの開口部に
設けたシール部材を介してピストンロッドがダンパシリ
ンダの外部からダンパシリンダの内部に持ち込んだ余剰
オイルを、ダンパシリンダの外部に確実に排出すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、車体側チューブと車輪側チューブとを摺動自在に嵌
合し、車体側チューブにダンパシリンダを起立し、車輪
側チューブにピストンロッドを起立し、該ピストンロッ
ドをダンパシリンダの開口部の内周に設けたロッドガイ
ドで支持しつつ該ダンパシリンダ内に挿入し、ピストン
ロッドに設けたピストンにより、ダンパシリンダの内部
にロッド側油室とピストン側油室とを区画形成し、ピス
トンに減衰力発生装置を設けるとともに、ダンパシリン
ダのピストン側油室に圧側減衰力発生装置を設け、ダン
パシリンダの圧側減衰力発生装置に対する反ピストン側
に該ダンパシリンダの内部の油室を加圧する可動隔壁部
材を設け、車体側チューブと車輪側チューブの間の下部
に油室を、上部に気体室を形成し、ダンパシリンダの開
口部の内周とピストンロッドの外周との間にダンパシリ
ンダの内部の油室を密封するシール部材を設けてなるフ
ロントフォークにおいて、ダンパシリンダのロッド側油
室の端部に該ロッド側油室を密封可能とするブローバル
ブを設け、このブローバルブとダンパシリンダの開口部
との間にリバウンドスプリングを設け、ピストンロッド
にはブローバルブに当接する伸切り衝合部を設け、ピス
トンロッドの伸切り衝合部が押動するブローバルブによ
り開閉される透孔をダンパシリンダの開口部寄り側壁に
設けてなるようにしたものである。
【0009】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記ダンパシリンダの内周
に、前記ブローバルブによる透孔の開放時にロッド側油
室とピストン側油室とを連通するバイパス路を設けてな
るようにしたものである。
【0010】
【作用】請求項1に記載の本発明によれば下記の作用
がある。 アスファルト路面等の比較的平坦で滑らかな走行をす
るオンロード車等に装着される油圧緩衝器では、ピスト
ンの 1G位置(車両が静止した状態で、乗員が1名乗車
した時の位置)を中心として、圧縮、伸張を繰り返す走
行をするが、荒れ地を走行するオフロード車に装着され
る油圧緩衝器では、ピストンの伸び切り位置を基準にし
て、この基準位置から圧縮を繰り返すという走行状態を
する。従って、本発明のフロントフォークが適用される
例えばオフロード車等では、どんなライダーの使用時に
も、フロントフォークは(最圧縮状態に到達することは
なくても)必ず伸切り状態(車輪が空中に浮く状態)に
はなる。そこで、本発明では、フロントフォークの最伸
長時に、ピストンロッドの伸切り衝合部がダンパシリン
ダの下端部を画成しているブローバルブを押動し、該ダ
ンパシリンダの開口部寄り側壁の透孔を開き、結果とし
てダンパシリンダ内の余剰オイルをその透孔から排出す
るものである。
【0011】請求項2に記載の本発明によれば下記の
作用がある。 フロントフォークの最伸長時に、ブローバルブが透孔
を開き、ダンパシリンダ内の余剰オイルをその透孔から
排出するとき、ダンパシリンダのロッド側油室から余剰
オイルを超えた量の油が余剰オイルの流れに乗って逃げ
出してしまうことは防止する必要がある。本発明では、
ブローバルブによる透孔の開放時に、ロッド側油室をバ
イパス路によってピストン側油室に連通し、伸長過程で
のロッド側油室の上昇圧力をピストン側油室の側に解放
することにて、上述の余剰オイルを超えた量の油の逃げ
出しを防止可能とした。
【0012】
【発明の実施の形態】図1はフロントフォークを示す模
式図、図2はフロントフォークの下部拡大図、図3はフ
ロントフォークの中間部拡大図、図4はフロントフォー
クの上部拡大図、図5はブローバルブによる透孔の開閉
動作を示す模式図である。
【0013】フロントフォーク10は、車体側チューブ
11内に車輪側チューブ12を摺動自在に挿入し、両チ
ューブ11、12の間に懸架スプリング13を介装する
とともに、単筒型ダンパ14を倒立にして内装してい
る。
【0014】車体側チューブ11の下端内周部には車輪
側チューブ12の外周部が摺接するブッシュ15が嵌着
され、車輪側チューブ12の上端外周部には車体側チュ
ーブ11の内周部が摺接するブッシュ16が嵌着されて
いる。
【0015】車体側チューブ11はアッパブラケット1
7Aとロアブラケット17Bを介して車体側に支持さ
れ、車輪側チューブ12は車軸ブラケット18を介して
車軸に結合される。
【0016】車体側チューブ11の上端部にはキャップ
19がOリングを介して液密に螺着され、キャップ19
にはダンパ14のダンパシリンダ21(上シリンダチュ
ーブ21A)の上端部が螺着されている。車輪側チュー
ブ12の下端部内周にはオイルロックカラー23がOリ
ングを介して液密に嵌装され、このオイルロックカラー
23をボトムボルト24で車軸ブラケット18にOリン
グを介して液密に固定してある。また、ボトムボルト2
4にはダンパ14のピストンロッド(中空ロッド)22
の基端部が螺着されるとともにロックナット24Aでロ
ックされ、このピストンロッド22の先端部をダンパシ
リンダ21に挿入してある。
【0017】懸架スプリング13は、オイルロックカラ
ー23の基端部外周面に装着したスプリング受け25
と、ダンパシリンダ21(下シリンダチューブ21B)
の中間部の外周面に固定したスプリング受け26との間
に介装されている。また、車体側チューブ11と車輪側
チューブ12の内部には油室27と気体室28とが設け
られ、気体室28に閉じ込められている気体が気体ばね
を構成する。これらの懸架ばね13と気体ばねの弾発力
が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
【0018】ダンパ14は、ピストンバルブ装置(伸側
減衰力発生装置)40と、ベースバルブ装置(圧側減衰
力発生装置)50とを有している。ダンパ14は、ピス
トンバルブ装置40とベースバルブ装置50の発生する
減衰力により、懸架スプリング13と気体ばねによる衝
撃力の吸収に伴う車体側チューブ11と車輪側チューブ
12の伸縮振動を抑制する。
【0019】尚、ダンパ14のダンパシリンダ21は、
ダンパシリンダ21へのベースバルブ装置50の組み込
み等のために、上下2つのシリンダチューブ21A、2
1Bに2分され、それらの接合体とされている。
【0020】また、ダンパシリンダ21の下シリンダチ
ューブ21Bの下端部内周にはロッドガイド29が螺着
され、更に下シリンダチューブ21Bの下端部にはオイ
ルロックカラー30を遊嵌し、このロッドガイド29の
内周部にはピストンロッド22が摺接するブッシュ29
Aを設けてある。
【0021】そして、ダンパシリンダ21の下シリンダ
チューブ21の下端部寄り内周には、後に詳述するブロ
ーバルブ31が配置されている。ブローバルブ31は、
ロッドガイド29に支持されるリバウンドスプリング3
2よりバックアップされるとともに、下シリンダチュー
ブ21Bの内周に設けられているストッパリング33に
制止されて定常位置に設定される。ブローバルブ31の
外周部には下シリンダチューブ21Bの内周部に摺接す
るOリング34が、内周部にはピストンロッド22の外
周部に摺接するブッシュ31A、オイルシール35、ス
トッパリング31Bが嵌着され、ダンパシリンダ21の
内部に作動油を封入している。但し、オイルシール35
は、フロントフォーク10がストロークするたびに、車
体側チューブ11と車輪側チューブ12の内部の油室2
7に位置するピストンロッド22の外周面に付着した作
動油をダンパシリンダ21の内部に持ち込む。
【0022】以下、フロントフォーク10の減衰機構に
ついて説明する。 (ピストンバルブ装置40)ピストンバルブ装置40
は、ピストンロッド22の先端部にピストンホルダ41
を装着し、このピストンホルダ41にピストン42を装
着している。ピストン42は、ダンパシリンダ21(下
シリンダチューブ21B)の内部を摺接し、ダンパシリ
ンダ21の内部をピストンロッド22が収容されないピ
ストン側油室43Aとピストンロッド22が収容される
ロッド側油室43Bとに区画する。ピストン42は、伸
側バルブ44Aを備えてピストン側油室43Aとロッド
側油室43Bとを連絡可能とする伸側流路44と、圧側
バルブ(チェックバルブ)45Aを備えてピストン側油
室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする圧側
流路45とを備える。
【0023】また、ピストンバルブ装置40は、アジャ
スタ46に結合されている減衰力調整ロッド47をピス
トンロッド22の中空部に通し、この減衰力調整ロッド
47の先端のニードル47Aにより、ピストンホルダ4
1に設けてあるピストン側油室43Aとロッド側油室4
3Bとのバイパス路48の流路面積を調整可能とする。
【0024】従って、フロントフォーク10の圧縮時に
は、ピストン側油室43Aの油が圧側流路45を通り圧
側バルブ45Aを開いてロッド側油室43Bへ導かれ
る。
【0025】また、フロントフォーク10の伸長時に
は、ダンパシリンダ21とピストンロッド22の相対速
度が低速のとき、ロッド側油室43Bの油がニードル4
7Aのあるバイパス路48を通ってピストン側油室43
Aへ導かれ、この間のニードル47Aによる絞り抵抗に
より伸側の減衰力を生ずる。この減衰力は、アジャスタ
46によるニードル47Aの位置調整により調整され
る。
【0026】また、フロントフォーク10の伸長時で、
ダンパシリンダ21とピストンロッド22の相対速度が
中高速のとき、ロッド側油室43Bの油が伸側流路44
を通り伸側バルブ44Aを撓み変形させてピストン側油
室43Aへ導かれ、伸側の減衰力を生ずる。
【0027】(ベースバルブ装置50)ベースバルブ装
置50は、上シリンダチューブ21Aの上端部に螺着さ
れている前述のキャップ19にガイドパイプ51を螺着
するとともに、このガイドパイプ51をロックナット1
9Aで固定し、ガイドパイプ51の先端部にハウジング
ホルダ51Aを螺着し、このハウジングホルダ51Aに
ナット51B等によりバルブハウジング52を保持して
いる。バルブハウジング52は上シリンダチューブ21
Aの内周部に液密に接し、前述のピストン側油室43A
の上方にベースバルブ室53を区画形成する。バルブハ
ウジング52は、圧側バルブ54Aを備えてピストン側
油室43Aとベースバルブ室53とを連絡可能とする圧
側流路54と、伸側バルブ55Aを備えてピストン側油
室43Aとベースバルブ室53とを連絡可能とする伸側
流路55とを備える。また、ハウジングホルダ51A
は、圧側流路54と伸側流路55とをバイパスしてピス
トン側油室43Aとベースバルブ室53とを連絡可能と
するバイパス流路56を備える。
【0028】キャップ51に螺合された減衰力調整ロッ
ド58は、アジャスタ59を備えるとともに、ガイドパ
イプ51に挿入され、先端のニードル58Aによりバイ
パス流路56の流路面積を調整可能とする。
【0029】また、ベースバルブ装置50は、上シリン
ダチューブ21Aの内部に、該上シリンダチューブ21
Aとガイドパイプ51に沿ってOリングを介して液密に
摺動するフリーピストン型の隔壁部材61を備える。隔
壁部材61は、ベースバルブ室53のバルブハウジング
52の側でピストン側油室43Aに連通している油室5
3Aと、キャップ19の側の気体室53B(気体室28
と連通)とを区画する。隔壁部材61はフロントフォー
クの最大伸張時にシリンダチューブ21Aの段部との間
にわずかな隙間を残すように配設され、且つ、スプリン
グ62が、この最大伸張時にわずかな初期荷重を有する
ように、隔壁部材61とキャップ19との間に介装され
る。
【0030】ダンパシリンダ内にピストンロッド22が
進入する圧縮時に、このスプリング62が収縮し、この
時のスプリング62のばね荷重分だけ、ダンパシリンダ
21内の油室が加圧され、伸張時におけるダンパシリン
ダ内油室のキャビテーションの発生を防止し、また伸長
時に続く圧縮時の減衰力発生の遅れ(さぼり)も回避す
る。
【0031】従って、フロントフォーク10の圧縮時に
は、ダンパシリンダ21に進入したピストンロッド22
の進入容積分の油が、ピストン側油室43Aからバルブ
ハウジング52のバイパス流路56、もしくは圧側流路
54を通ってベースバルブ室53の油室53Aに排出さ
れる。このとき、ダンパシリンダ21とピストンロッド
22の相対速度が低速のときには、バイパス流路56に
設けてあるニードル58Aによる絞り抵抗により圧側の
減衰力を得る。この減衰力は、アジャスタ59によるニ
ードル58Aの位置調整により調整される。また、ダン
パシリンダ21とピストンロッド22の相対速度が中高
速のときには、ピストン側油室43Aから圧側流路54
を通る油が圧側バルブ54Aを撓み変形させてベースバ
ルブ室53の油室53Aに導かれ、圧側の減衰力を生ず
る。
【0032】フロントフォーク10の伸長時には、ダン
パシリンダ21から退出するピストンロッド22の退出
容積分の油が、ベースバルブ室53の油室53Aからバ
ルブハウジング52の伸側流路55を通ってピストン側
油室43Aに還流される。
【0033】従って、フロントフォーク10は以下の如
くに減衰作用を行なう。 (圧縮時)フロントフォーク10の圧縮時には、ベース
バルブ装置50において、バルブハウジング52のニー
ドル58A或いは圧側バルブ54Aを流れる油により圧
側減衰力を生じ、ピストンバルブ装置40では殆ど減衰
力を生じない。
【0034】(伸長時)フロントフォーク10の伸長時
には、ピストンバルブ装置40において、ピストン42
のニードル47A或いは伸側バルブ44Aを流れる油に
より伸側減衰力を生じ、ベースバルブ装置50では殆ど
減衰力を生じない。
【0035】これらの圧側と伸側の減衰力により、フロ
ントフォーク10の伸縮振動が抑制される。
【0036】尚、フロントフォーク10の最圧縮時に
は、ダンパシリンダ21の下シリンダチューブ21Bの
下端部のオイルロックカラー31が、車輪側チューブ1
2の下端部に設けてあるオイルロックカラー23に嵌合
し、両者の間で圧縮した油によりオイルロック作用を生
ぜしめ、ダンパ20の底つきを防止する。
【0037】また、フロントフォーク10の最伸長時に
は、ピストンロッド22に設けているピストンホルダ4
1の下端面が形成する後述の伸切り衝合部41Aの、ダ
ンパシリンダ21の開口部に設けてあるロッドガイド2
9に支持されているリバウンドスプリング32にバック
アップされているブローバルブ31に衝合し、伸切りの
緩衝作用を果たす。
【0038】しかるに、フロントフォーク10にあって
は、ダンパシリンダ21の開口部に設けたオイルシール
35を介して、ピストンロッド22がダンパシリンダ2
1の外部の油室27から内部に持ち込んだ余剰オイル
を、ダンパシリンダ21の外部に逃がすため、前述のブ
ローバルブ31を備えたものである。
【0039】即ち、ブローバルブ31は、前述した如
く、ダンパシリンダ21のロッド側油室43Bの端部に
設けられて該ロッド側油室43Bを密封可能とし、ダン
パシリンダ21の開口部に設けてあるロッドガイド29
との間にリバウンドスプリング32を設けてある。ま
た、ピストンロッド22に設けてある前述のピストンホ
ルダ41の下端面を、このブローバルブ31に当接する
伸切り衝合部41Aとしている。そして、フロントフォ
ーク10の最伸長時に、ピストンロッド22の伸切り衝
合部41Aはブローバルブ31をスプリング32に抗し
て押込み、これによって押動されるブローバルブ31に
より開放可能とされる透孔70を、ダンパシリンダ21
(下シリンダチューブ21B)の開口部寄り側壁に設け
てある。
【0040】尚、ブローバルブ31の押動タイミングを
決定するリバウンドスプリング32のばね力(ばね係
数)は以下の如く決定される。 (a) リバウンドスプリング32のばね力は、ベースバル
ブ装置50の隔壁部材61を付勢しているスプリング6
2のばね力より例えば 6倍の如く大きく設定される。フ
ロントフォーク10の圧縮時には、ダンパシリンダ21
に進入したピストンロッド22の進入容積分の油をベー
スバルブ室53の油室53Aに排出して補償すべく、油
室53Aを区画する隔壁部材61を上動させる必要があ
る。即ち、圧縮時のダンパシリンダ21内の圧力によ
り、ブローバルブ31は移動させることなく、隔壁部材
61を移動させる必要があり、リバウンドスプリング3
2のばね力をスプリング62のばね力より大きく設定し
てある。
【0041】(b) リバウンドスプリング32のばね力
は、フロントフォーク10の伸長時にロッド側油室43
Bに生ずる圧力よりも大きく設定される。これは、最大
伸長時前にブローバルブ31が移動して透孔70が開い
てしまうと、ピストンバルブ装置40の伸側バルブ44
Aを油が流れることによる伸側減衰力が得られなくなる
からである。即ち、伸長時のピストンバルブ装置40に
よる伸側減衰力を確保するため、リバウンドスプリング
32のばね力を伸長時のロッド側油室43Bの圧力より
も大きく設定してある。
【0042】また、フロントフォーク10にあっては、
ダンパシリンダ21(下シリンダチューブ21B)の下
端部寄りの内周部で、定常位置にあるブローバルブ31
の直上部に、ダンパシリンダ21の内周部を拡径したバ
イパス路71を設けてある。バイパス路71は、ブロー
バルブ31による透孔70の開放時に、ロッド側油室4
3Bをピストン側油室43Aに連通するものである。
【0043】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。 本発明のフロントフォーク10が適用される例えばオ
フロード車等では、どんなライダーの使用時にも、フロ
ントフォーク10は(最圧縮状態に到達することはなく
ても)必ず伸切り状態(車輪が空中に浮く状態)には行
く。そこで、本発明では、フロントフォーク10の最伸
長時に、ピストンロッド22の伸切り衝合部41Aが図
5(A)〜図5(B)の如くに移動することにより、ダ
ンパシリンダ21の下端部を画成しているブローバルブ
31を押動し、該ダンパシリンダ21の開口部寄り側壁
の透孔70を開き、結果としてダンパシリンダ21内の
余剰オイルをその透孔70から排出するものである。
【0044】尚、ダンパシリンダ21内の余剰オイル
は、隔壁部材61がスプリング62の付勢力により最下
位置(原位置)に設定されるまで透孔70からダンパシ
リンダ21外に排出される。
【0045】フロントフォーク10の最伸長時に、ブ
ローバルブ31が透孔70を開き、ダンパシリンダ21
内の余剰オイルをその透孔70から排出するとき、ダン
パシリンダ21のロッド側油室43Bから余剰オイルを
超えた量の油が余剰オイルの流れに乗って逃げ出してし
まうことは防止する必要がある。本発明では、ブローバ
ルブ31による透孔70の開放時に、ロッド側油室43
Bをバイパス路71によってピストン側油室43Aに連
通し、伸長過程でのロッド側油室43Bの上昇圧力をピ
ストン側油室43Aの側に解放することにて、上述の余
剰オイルを超えた量の油の逃げ出しを防止可能とした
(図5(B))。
【0046】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、フロント
フォークにおいて、ジャンプ等の激しい走行をしないラ
イダーや体重の軽いライダーの使用時にも、ダンパシリ
ンダの開口部に設けたシール部材を介してピストンロッ
ドがダンパシリンダの外部からダンパシリンダの内部に
持ち込んだ余剰オイルを、ダンパシリンダの外部に確実
に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はフロントフォークを示す模式図である。
【図2】図2はフロントフォークの下部拡大図である。
【図3】図3はフロントフォークの中間部拡大図であ
る。
【図4】図4はフロントフォークの上部拡大図である。
【図5】図5はブローバルブによる透孔の開閉動作を示
す模式図である。
【符号の説明】
10 フロントフォーク 11 車体側チューブ 12 車輪側チューブ 21 ダンパシリンダ 22 ピストンロッド 27 油室 28 気体室 29 ロッドガイド 31 ブローバルブ 32 リバウンドスプリング 35 オイルシール(シール部材) 40 ピストンバルブ装置(減衰力発生装置) 41A 伸切り衝合部 42 ピストン 43A ピストン側油室 43B ロッド側油室 50 ベースバルブ装置(減衰力発生装置) 52 バルブハウジング 53A 油室 53B 気体室 61 隔壁部材 70 透孔 71 バイパス路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側チューブと車輪側チューブとを摺
    動自在に嵌合し、 車体側チューブにダンパシリンダを起立し、 車輪側チューブにピストンロッドを起立し、該ピストン
    ロッドをダンパシリンダの開口部の内周に設けたロッド
    ガイドで支持しつつ該ダンパシリンダ内に挿入し、 ピストンロッドに設けたピストンにより、ダンパシリン
    ダの内部にロッド側油室とピストン側油室とを区画形成
    し、 ピストンに減衰力発生装置を設けるとともに、ダンパシ
    リンダのピストン側油室に圧側減衰力発生装置を設け、 ダンパシリンダの圧側減衰力発生装置に対する反ピスト
    ン側に該ダンパシリンダの内部の油室を加圧する可動隔
    壁部材を設け、 車体側チューブと車輪側チューブの間の下部に油室を、
    上部に気体室を形成し、 ダンパシリンダの開口部の内周とピストンロッドの外周
    との間にダンパシリンダの内部の油室を密封するシール
    部材を設けてなるフロントフォークにおいて、 ダンパシリンダのロッド側油室の端部に該ロッド側油室
    を密封可能とするブローバルブを設け、このブローバル
    ブとダンパシリンダの開口部との間にリバウンドスプリ
    ングを設け、ピストンロッドにはブローバルブに当接す
    る伸切り衝合部を設け、ピストンロッドの伸切り衝合部
    が押動するブローバルブにより開閉される透孔をダンパ
    シリンダの開口部寄り側壁に設けてなることを特徴とす
    るフロントフォーク。
  2. 【請求項2】 前記ダンパシリンダの内周に、前記ブロ
    ーバルブによる透孔の開放時にロッド側油室とピストン
    側油室とを連通するバイパス路を設けてなる請求項1記
    載のフロントフォーク。
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