JPH11278351A - フロントフォーク - Google Patents

フロントフォーク

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JPH11278351A
JPH11278351A JP10189398A JP10189398A JPH11278351A JP H11278351 A JPH11278351 A JP H11278351A JP 10189398 A JP10189398 A JP 10189398A JP 10189398 A JP10189398 A JP 10189398A JP H11278351 A JPH11278351 A JP H11278351A
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JP
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oil
damper cylinder
spring
front fork
piston
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JP10189398A
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Yuji Yokoi
裕治 横井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フロントフォークにおいて、ダンパシリンダ
内に設ける減衰力発生装置によることなく、圧縮時の腰
感を向上すること。 【解決手段】 フロントフォーク10において、基端部
をアウタチューブ12に立設し、先端部をインナチュー
ブ11とダンパシリンダ21の間に延在せしめたばね受
け25を設け、ばね受け25の先端部とインナチューブ
11側との間に第1懸架スプリング13Aを設けるとと
もに、ばね受け25の内周側で、アウタチューブ12側
とダンパシリンダ21側との間に第2懸架スプリング1
3Bを設けてなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動二輪車等の車
体と車輪との間に介装されて路面からの衝撃を吸収する
フロントフォークに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フロントフォークとして、車体側
に接合されるインナチューブを車輪側に接合されるアウ
タチューブ内に摺動自在に挿入し、インナチューブとア
ウタチューブとで挟圧する懸架スプリングを設けるとと
もに、インナチューブにダンパシリンダを取り付け、ア
ウタチューブにピストンロッドを起立し、該ピストンロ
ッドをダンパシリンダ内に挿入し、ピストンロッドに設
けたピストンによりダンパシリンダの内部にロッド側油
室とピストン側油室とを区画形成してなるものがある。
このフロントフォークでは、車両が路面から受ける衝撃
力を懸架スプリングの弾発力により吸収するとともに、
この懸架スプリングによる衝撃力の吸収に伴うインナチ
ューブとアウタチューブの伸縮振動を、ダンパシリンダ
内に設けた減衰力発生装置が発生する減衰力により抑制
することとしている。
【0003】また、従来のフロントフォークでは、基端
部をアウタチューブに立設し、先端部をインナチューブ
とダンパシリンダの間に延在せしめたばね受けを設け、
インナチューブの内周側で、このばね受けの先端部とイ
ンナチューブとの間に懸架スプリングを設けることとし
ている。これにより、懸架スプリングは、フロントフォ
ークの伸縮の全ストロークで、インナチューブの内周に
より外径規制されて胴曲がりを防止され、且つインナチ
ューブの下端開口縁部を干渉することなく、円滑に伸縮
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術では、懸架スプリングがフロントフォークの伸縮の全
ストロークでインナチューブの内周側に位置するものと
されているから、フロントフォーク内での懸架スプリン
グの設置高さが高位となり、懸架スプリングはアウタチ
ューブとインナチューブに囲まれるダンパシリンダまわ
りの油室と気体室の境界部で伸縮するものとなる。この
ため、懸架スプリングの全体が油中で圧縮される場合に
比べ、油の粘性抵抗等が懸架スプリングの撓み変形に及
ぼす抵抗に基づく圧側減衰力を十分に得ることができ
ず、圧縮時のフロントフォークの腰感の向上に限界があ
る。
【0005】尚、ダンパシリンダ内に設けた減衰力発生
装置が発生する圧側減衰力を大きくして圧縮時の腰感を
向上することも考えられるが、圧側減衰力は減衰力発生
装置の隔壁部材に設けた流路を通過する油量に比例して
大きくなり、この油量は該隔壁部材の支持ロッドの断面
積に比例して大きくなるから、この油量を大きくするに
は支持ロッドの断面積を大きくすることが必要であり、
フロントフォークのサイズ制限との関係で限界がある。
【0006】本発明の課題は、フロントフォークにおい
て、ダンパシリンダ内に設ける減衰力発生装置によるこ
となく、圧縮時の腰感を向上することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、車体側に結合されるインナチューブを車輪側に結合
されるアウタチューブ内に摺動自在に挿入し、インナチ
ューブにダンパシリンダを取り付け、アウタチューブに
ピストンロッドを起立し、該ピストンロッドをダンパシ
リンダ内に挿入し、ピストンロッドに設けたピストンに
よりダンパシリンダの内部にロッド側油室とピストン側
油室とを区画形成し、アウタチューブ内に作動油を封入
してなるフロントフォークにおいて、基端部をアウタチ
ューブに立設し、先端部をインナチューブとダンパシリ
ンダの間に延在せしめたばね受けを設け、上記ばね受け
の先端部とインナチューブ側との間に第1懸架スプリン
グを設けるとともに、上記ばね受けの内周側で、アウタ
チューブ側とダンパシリンダとの間に第2懸架スプリン
グを設けてなるようにしたものである。
【0008】
【作用】請求項1に記載の本発明によれば下記、の
作用がある。 インナチューブとアウタチューブを伸長方向に付勢す
る懸架スプリングを2つに分割し、第1懸架スプリング
をアウタチューブの底部側に設けたばね受けの先端部と
インナチューブ側との間に設け、第2懸架スプリングを
ばね受けの内周側で、アウタチューブ側とダンパシリン
ダとの間に設けた。従って、第2懸架スプリングは、フ
ロントフォークの伸縮の全ストロークで、フロントフォ
ーク内の低位に位置し、アウタチューブ内の油室の作動
油中に位置するものとなる。このため、懸架スプリング
の全体が常に油中で圧縮されるものとなり、この圧縮時
に、油の粘性抵抗、及び懸架スプリングの素線間を流動
する油の流動抵抗に基づく圧側減衰力を生じ、圧縮時の
フロントフォークの腰感が向上する。
【0009】フロントフォークが圧縮開始してから最
圧縮側に進むに従い、懸架スプリングの素線間の間隔は
より縮み、その素線間を流動する油の流動抵抗に基づく
圧側減衰力はより大きく、フロントフォークの腰感を圧
縮の進行に従ってより強くすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1はフロントフォークを示す模
式図、図2はフロントフォークの下部拡大図、図3はフ
ロントフォークの中間部拡大図、図4はフロントフォー
クの上部拡大図、図5はばね受けを示す模式図である。
【0011】フロントフォーク10は、車体側に接合さ
れるインナチューブ11を車輪側に接合されるアウタチ
ューブ12内に摺動自在に挿入し、両チューブ11、1
2の間に第1と第2の懸架スプリング13A、13Bを
介装するとともに、単筒型ダンパ14を倒立にして内装
している。
【0012】インナチューブ11の下端外周部にはアウ
タチューブ12の内周部が摺接するブッシュ15が嵌着
され、アウタチューブ12の上端内周部にはインナチュ
ーブ11の外周部が摺接するブッシュ16、オイルシー
ル16A、ダストシール16Bが嵌着されている。
【0013】インナチューブ11はアッパブラケット1
7Aとロアブラケット17Bを介して車体側に支持さ
れ、アウタチューブ12は車軸ブラケット18を介して
車軸に結合される。
【0014】インナチューブ11の上端部にはダンパ1
4のダンパシリンダ21(上シリンダチューブ21A)
の上端部がOリングを介して液密に螺着され、インナチ
ューブ11の下端内周部にはオイルロックピース20が
嵌着されている。アウタチューブ12の下端部にはキャ
ップ19がOリングを介して液密に装着され、このキャ
ップ19にOリングを介して液密に係着されるボトムボ
ルト24にはオイルロックカラー23が螺着され、この
オイルロックカラー23を車軸ブラケット18に固定し
てある。また、ボトムブラケット24にはダンパ14の
ピストンロッド(中空ロッド)22の基端部が螺着され
るとともにロックナット24Aでロックされ、このピス
トンロッド22の先端部をダンパシリンダ21に挿入し
てある。
【0015】アウタチューブ12の車軸ブラケット18
に固定されている上述のオイルロックカラー23にはば
ね受け25が後述する如くに立設され、他方、ダンパシ
リンダ21の中間部の外周部にはばね受け26が固定さ
れ、これらのばね受け25とばね受け26のばねシート
25A、26Aの間に第1懸架スプリング13Aが介装
されている。
【0016】インナチューブ11とアウタチューブ12
の内部には油室27と気体室28とが設けられ、気体室
28に閉じ込められている気体が気体ばねを構成する。
油室27の作動油は、気体室28のばね定数の調整と、
インナチューブ11とアウタチューブ12の摺接ブッシ
ュ15、16の潤滑、アウタチューブ12の上端部のオ
イルシール16Aの湿潤に寄与する。そして、これらの
懸架スプリング13A、13Bと気体ばねの弾発力が、
車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
【0017】ダンパ14は、ピストンバルブ装置(伸側
減衰力発生装置)40と、ベースバルブ装置(圧側減衰
力発生装置)50とを有している。ダンパ14は、ピス
トンバルブ装置40とベースバルブ装置50の発生する
減衰力により、懸架スプリング13A、13Bと気体ば
ねによる衝撃力の吸収に伴うインナチューブ11とアウ
タチューブ12の伸縮振動を抑制する。
【0018】尚、ダンパ14のダンパシリンダ21は、
ダンパシリンダ21へのベースバルブ装置50の組み込
み等のために、上下2つのシリンダチューブ21A、2
1Bに2分され、それらの接合体とされている。
【0019】また、ダンパシリンダ21の下シリンダチ
ューブ21Bの下端部内周にはロッドガイド29が螺着
され、このロッドガイド29の内周部にはピストンロッ
ド22が摺接するブッシュ29A、オイルシール29B
を設けてある。
【0020】そして、ダンパシリンダ21の下シリンダ
チューブ21Bの下端部に設けた上述のロッドガイド2
9の下端部にはばね受け30が螺着され、他方、アウタ
チューブ12の車軸ブラケット18に固定されている前
述のオイルロックカラー23の内周底部にはばね受け3
1が載置され、それらのばね受け30、31のばねシー
ト30A、31Aの間に第2懸架スプリング13Bが介
装されている。
【0021】アウタチューブ12の車軸ブラケット18
に固定されている前述のオイルロックカラー23は、油
室27の内部で、該オイルロックカラー23の内外周を
連通する油路32を穿設されている。この油路32の中
間部には、ストッパリング33で保持されたチェック弁
34が設けられている。インナチューブ11の先端のオ
イルロックピース20がオイルロックカラー23の外周
のオイルロック室に進入する最圧縮時に、このオイルロ
ック室でオイルロックピース20により加圧される油は
チェック弁34の逆止作用により該オイルロックピース
20とオイルロックカラー23の間の微小隙間を通って
オイルロックカラー23の外側の油室27に絞り出され
てオイルロック作用を行なう。他方、最圧縮からの戻り
行程では、オイルロックカラー23の内側の油室27の
油が前述のばね受け31の基部周方向複数位置に切欠形
成してある油道31Bから、チェック弁34を開いてオ
イルロックピース20の先端に臨むオイルロック室に流
入し、オイルロックカラー23からのオイルロックピー
ス20の抜け音発生を防止する。
【0022】また、ダンパシリンダ21の下シリンダチ
ューブ21Bに設けられているロッドガイド29の上部
には、リバウンドスプリング35が、ストッパリング3
6で固定保持されている。
【0023】以下、フロントフォーク10の減衰機構に
ついて説明する。 (ピストンバルブ装置40)ピストンバルブ装置40
は、ピストンロッド22の先端部にピストンホルダ41
を装着し、このピストンホルダ41にピストン42を装
着している。ピストン42は、ダンパシリンダ21(下
シリンダチューブ21B)の内部を摺接し、ダンパシリ
ンダ21の内部をピストンロッド22が収容されないピ
ストン側油室43Aとピストンロッド22が収容される
ロッド側油室43Bとに区画する。ピストン42は、伸
側バルブ44Aを備えてピストン側油室43Aとロッド
側油室43Bとを連絡可能とする伸側流路44と、圧側
バルブ(チェックバルブ)45Aを備えてピストン側油
室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする圧側
流路45とを備える。
【0024】また、ピストンバルブ装置40は、アジャ
スタ46に結合されている減衰力調整ロッド47をピス
トンロッド22の中空部に通し、この減衰力調整ロッド
47の先端のニードル47Aにより、ピストンホルダ4
1に設けてあるピストン側油室43Aとロッド側油室4
3Bとのバイパス路48の流路面積を調整可能とする。
【0025】従って、フロントフォーク10の圧縮時に
は、ピストン側油室43Aの油が圧側流路45を通り圧
側バルブ45Aを開いてロッド側油室43Bへ導かれ
る。
【0026】また、フロントフォーク10の伸長時に
は、ダンパシリンダ21とピストンロッド22の相対速
度が低速のとき、ロッド側油室43Bの油がニードル4
7Aのあるバイパス路48を通ってピストン側油室43
Aへ導かれ、この間のニードル47Aによる絞り抵抗に
より伸側の減衰力を生ずる。この減衰力は、アジャスタ
46によるニードル47Aの位置調整により調整され
る。
【0027】また、フロントフォーク10の伸長時で、
ダンパシリンダ21とピストンロッド22の相対速度が
中高速のとき、ロッド側油室43Bの油が伸側流路44
を通り伸側バルブ44Aを撓み変形させてピストン側油
室43Aへ導かれ、伸側の減衰力を生ずる。
【0028】(ベースバルブ装置50)ベースバルブ装
置50は、上シリンダチューブ21Aの上端部に螺着さ
れているキャップ39にガイドパイプ51を螺着すると
ともに、このガイドパイプ51をロックナット39Aで
固定し、ガイドパイプ51の先端部にハウジングホルダ
51Aを螺着し、このハウジングホルダ51Aにナット
51B等によりバルブハウジング52を保持している。
バルブハウジング52は上シリンダチューブ21Aの内
周部に液密に接し、前述のピストン側油室43Aの上方
にベースバルブ室53を区画形成する。バルブハウジン
グ52は、圧側バルブ54Aを備えてピストン側油室4
3Aとベースバルブ室53とを連絡可能とする圧側流路
54と、伸側バルブ55Aを備えてピストン側油室43
Aとベースバルブ室53とを連絡可能とする伸側流路5
5とを備える。また、ハウジングホルダ51Aは、圧側
流路54と伸側流路55とをバイパスしてピストン側油
室43Aとベースバルブ室53とを連絡可能とするバイ
パス流路56を備える。
【0029】ガイドパイプ51に螺合された減衰力調整
ロッド58は、アジャスタ59を備えるとともに、ガイ
ドパイプ51に挿入され、先端のニードル58Aにより
バイパス流路56の流路面積を調整可能とする。
【0030】また、ベースバルブ装置50は、上シリン
ダチューブ21Aの内部に、該上シリンダチューブ21
Aとガイドパイプ51のそれぞれにOリング60Aとオ
イルシール60Bのそれぞれを介して液密に摺動するフ
リーピストン型の隔壁部材61を備える。隔壁部材61
は、ベースバルブ室53のバルブハウジング52の側で
ピストン側油室43Aに連通している油室53Aと、キ
ャップ39の側の気体室53B(気体室28と連通)と
を区画する。隔壁部材61はキャップ39との間に介装
されるスプリング62により付勢され、ダンパシリンダ
21内の作動油を加圧し、圧縮時に、バルブハウジング
52の圧側流路54を経てピストン側油室43Aから油
室53Aに油が吹き上がるのを防止し、これにより油中
にエアが混入するキャビテーションの発生を防止、また
伸長時に続く圧縮時の減衰力発生の送れ(さぼり)も回
避する。
【0031】尚、フロントフォーク10にあっては、油
室27に位置するピストンロッド22に付着した油を、
ダンパシリンダ21のロッドガイド29に設けたオイル
シール29Bがダンパシリンダ21内に徐々に持ち込む
余剰オイルを、ダンパシリンダ21の外に排出するた
め、上述の隔壁部材61の上下動を案内しているガイド
パイプ51の上端側外周に縮径部51Aを設け、隔壁部
材61の内周のオイルシール60Bがこの縮径部51A
に到達したときにダンパシリンダ21内の余剰オイルを
シリンダ21の外に排出するようにしてある。
【0032】従って、フロントフォーク10の圧縮時に
は、ダンパシリンダ21に進入したピストンロッド22
の進入容積分の油が、ピストン側油室43Aからバルブ
ハウジング52のバイパス流路56、もしくは圧側流路
54を通ってベースバルブ室53の油室53Aに排出さ
れる。このとき、ダンパシリンダ21とピストンロッド
22の相対速度が低速のときには、バイパス流路56に
設けてあるニードル58Aによる絞り抵抗により圧側の
減衰力を得る。この減衰力は、アジャスタ59によるニ
ードル58Aの位置調整により調整される。また、ダン
パシリンダ21とピストンロッド22の相対速度が中高
速のときには、ピストン側油室43Aから圧側流路54
を通る油が圧側バルブ54Aを撓み変形させてベースバ
ルブ室53の油室53Aに導かれ、圧側の減衰力を生ず
る。
【0033】フロントフォーク10の伸長時には、ダン
パシリンダ21から退出するピストンロッド22の退出
容積分の油が、ベースバルブ室53の油室53Aからバ
ルブハウジング52の伸側流路55を通ってピストン側
油室43Aに還流される。
【0034】従って、フロントフォーク10は以下の如
くに減衰作用を行なう。 (圧縮時)フロントフォーク10の圧縮時には、ベース
バルブ装置50において、バルブハウジング52のニー
ドル58A或いは圧側バルブ54Aを流れる油により圧
側減衰力を生じ、ピストンバルブ装置40では殆ど減衰
力を生じない。
【0035】(伸長時)フロントフォーク10の伸長時
には、ピストンバルブ装置40において、ピストン42
のニードル47A或いは伸側バルブ44Aを流れる油に
より伸側減衰力を生じ、ベースバルブ装置50では殆ど
減衰力を生じない。
【0036】これらの圧側と伸側の減衰力により、フロ
ントフォーク10の伸縮振動が抑制される。
【0037】尚、フロントフォーク10の最圧縮時に
は、インナチューブ11の下端部のオイルロックピース
20が、アウタチューブ12の下端部に設けてあるオイ
ルロックカラー23に嵌合し、両者の間で圧縮した油に
よりオイルロック作用を生ぜしめ、ダンパ14の底つき
を防止する。
【0038】また、フロントフォーク10の最伸長時に
は、ピストンロッド22に設けているピストンホルダ4
1の下端面が形成する後述の伸切り衝合部41Aの、ダ
ンパシリンダ21の開口部に設けてあるロッドガイド2
9に支持されているリバウンドスプリング35に衝合
し、伸切りの緩衝作用を果たす。
【0039】しかるに、フロントフォーク10にあって
は、圧縮時の腰感を強くするため、前述した如く、第1
と第2の懸架スプリング13A、13Bを備えるものと
し、それらの懸架スプリング13A、13Bを以下の如
くに配置した。
【0040】アウタチューブ12の車軸ブラケット18
に固定されているオイルロックカラー23に前述のばね
受け25の基端部を立設し、このばね受け25の先端部
をインナチューブ11とアウタチューブ12の間に延在
せしめた。このとき、ばね受け25は、図5に示す如
く、下端外周部にリング状の凸条部71を備えるととも
に、下端部の周方向複数位置にすり割り72を設け、こ
のすり割り72の存在によってばね受け25の下端部を
縮径した状態で、このばね受け25の下端部をオイルロ
ックカラー23の内周部に差し込み、ばね受け25の凸
条部71をオイルロックカラー23の内周部のリング状
の凹条部(不図示)に係着することにより、両者を軸方
向に固定するものとしている。また、ばね受け25は、
上端部にばねシート25Aを加締等にて被着してある。
また、ばね受け25は、中間部の周方向と軸方向の複数
位置に、前述の油室27を遮断しないための切欠窓73
を備えている。
【0041】そして、ばね受け25の先端部と、インナ
チューブ11に固定されているダンパシリンダ21の外
周部に設けた前述のばね受け26との間に、第1懸架ス
プリング13Aを設けた。また、ばね受け25の内周側
で、アウタチューブ12の車軸ブラケット18に固定さ
れているオイルロックカラー23の載置したばね受け3
1と、ダンパシリンダ21のロッドガイド29に螺着し
たばね受け30との間に第2懸架スプリング13Bを設
けた。ダンパシリンダ21の下端部に設けたロッドガイ
ド29下部の油室はダンパシリンダ21が下降するに従
い、容積が縮小するので、ロッドガイド29下部油室内
の作動油の一部は、第2懸架スプリング13Bの素線間
の隙間、ばね受け25の切欠窓73、ばね受け25外周
の油室、ばね受け25の上部切欠窓73、ばね受け25
の先端部とダンパシリンダ21の間の隙間を通って上方
の油室に流れ、作動油の他の一部はダンパシリンダ下端
部のロッドガイド外周とばね受け25との間の隙間、ば
ね受け25の先端部とダンパシリンダとの間の隙間を通
って、上方の油室に流れる。このとき、インナーチュー
ブとアウタチューブ12の内部の油室27と気体室28
の境界部である油面(OIL)は、図1に示す如くであ
り、Aは最伸張時の油面を示し、Bは最圧縮時の油面を
示し、第1懸架スプリング13Aは油面Aと油面Bとの
間で伸縮し、第2懸架スプリング13Bは常に油室27
の作動油に浸漬されて伸縮するものとなる。
【0042】従って、本実施形態によれば以下の作用が
ある。 インナチューブ11とアウタチューブ12を伸長方向
に付勢する懸架スプリングを2つに分割し、第1懸架ス
プリング13Aをアウタチューブ12の底部側に設けた
ばね受け25の先端部とインナチューブ11側との間に
設け、第2懸架スプリング13Bをばね受け25の内周
側で、アウタチューブ12側とダンパシリンダとの間に
設けた。従って、第2懸架スプリング13Bは、フロン
トフォーク10の伸縮の全ストロークで、フロントフォ
ーク10内の低位に位置し、アウタチューブ12内の油
室27の作動油中に位置するものとなる。このため、第
2懸架スプリング13Bの全体が常に油中で圧縮される
ものとなり、この圧縮時に、油の粘性抵抗、及び第2懸
架スプリング13Bの素線間を流動する油の流動抵抗に
基づく圧側減衰力を生じ、圧縮時のフロントフォーク1
0の腰感が向上する。
【0043】フロントフォーク10が圧縮開始してか
ら最圧縮側に進むに従い、第2懸架スプリング13Bの
素線間の間隔はより縮み、その素線間を流動する油の流
動抵抗に基づく圧側減衰力はより大きく、フロントフォ
ーク10の腰感を圧縮の進行に従ってより強くすること
ができる。
【0044】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、フロント
フォークにおいて、ダンパシリンダ内に設ける減衰力発
生装置によることなく、圧縮時の腰感を向上することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はフロントフォークを示す模式図である。
【図2】図2はフロントフォークの下部拡大図である。
【図3】図3はフロントフォークの中間部拡大図であ
る。
【図4】図4はフロントフォークの上部拡大図である。
【図5】図5はばね受けを示す模式図である。
【符号の説明】
10 フロントフォーク 11 インナチューブ 12 アウタチューブ 13A 第1懸架スプリング 13B 第2懸架スプリング 21 ダンパシリンダ 22 ピストンロッド 25 ばね受け 27 油室 42 ピストン 43A ピストン側油室 43B ロッド側油室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側に結合されるインナチューブを車
    輪側に結合されるアウタチューブ内に摺動自在に挿入
    し、 インナチューブにダンパシリンダを取り付け、アウタチ
    ューブにピストンロッドを起立し、該ピストンロッドを
    ダンパシリンダ内に挿入し、ピストンロッドに設けたピ
    ストンによりダンパシリンダの内部にロッド側油室とピ
    ストン側油室とを区画形成し、 アウタチューブ内に作動油を封入してなるフロントフォ
    ークにおいて、 基端部をアウタチューブに立設し、先端部をインナチュ
    ーブとダンパシリンダの間に延在せしめたばね受けを設
    け、 上記ばね受けの先端部とインナチューブ側との間に第1
    懸架スプリングを設けるとともに、 上記ばね受けの内周側で、アウタチューブ側とダンパシ
    リンダとの間に第2懸架スプリングを設けてなることを
    特徴とするフロントフォーク。
JP10189398A 1998-03-31 1998-03-31 フロントフォーク Withdrawn JPH11278351A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008232325A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Kayaba Ind Co Ltd フロントフォーク
JP2011094710A (ja) * 2009-10-29 2011-05-12 Showa Corp 油圧緩衝器

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