JP2000018306A - フロントフォーク - Google Patents

フロントフォーク

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JP2000018306A
JP2000018306A JP10202889A JP20288998A JP2000018306A JP 2000018306 A JP2000018306 A JP 2000018306A JP 10202889 A JP10202889 A JP 10202889A JP 20288998 A JP20288998 A JP 20288998A JP 2000018306 A JP2000018306 A JP 2000018306A
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JP
Japan
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front fork
inner tube
receiving collar
spring receiving
spring
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JP10202889A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Yamauchi
敏昭 山内
Yuji Yokoi
裕治 横井
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Showa Corp
Original Assignee
Showa Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 懸架スプリングがインナチューブの内面を削
る摩耗粉の発生量を低減するとともに、フロントフォー
クの腰感を向上すること。 【解決手段】 フロントフォーク10において、懸架ス
プリング13をスプリング受カラー25の上端部とアウ
タチューブ11側との間に介装し、該懸架スプリング1
3の上端側部分をフロントフォーク10の最大伸長時に
インナチューブ12の上端部より上方に位置付け、スプ
リング受カラー25の内周がダンパシリンダ21の外周
との間に形成する隙間を作動油の絞り流路70としてな
るもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動二輪車等の車
体と車輪との間に介装されて路面からの衝撃を吸収する
フロントフォークに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フロントフォークとして、実公平
5-47877 号公報に記載の如く、車体側に結合されるアウ
タチューブに車輪側に取付けられるインナチューブを摺
動自在に嵌合し、アンタチューブにダンパシリンダを起
立するとともに、インナチューブにピストンロッドを起
立し、該ピストンロッドを該ダンパシリンダに挿入し、
ピストンロッドに設けたピストンに減衰力発生装置を設
け、アウタチューブ側とインナチューブ側との間に懸架
スプリングを介装し、アウタチューブとインナチューブ
の間の下部に油室を、上部に気体室を形成してなるもの
がある。
【0003】この従来技術では、懸架スプリングを、ダ
ンパシリンダの外周に保持した上部スプリングシート
と、インナチューブ底部の下部スプリングシートとの間
で、インナチューブの内周に沿って介装している。そし
て、懸架スプリングは、フロントフォークの最大伸長時
においても、インナチューブ内に収納されるように配設
されている。
【0004】即ち、従来技術では、懸架スプリングが常
にインナチューブ内に収納されているので、懸架スプリ
ングの全部が作動油中に没することになり、懸架スプリ
ングが作動油中で伸縮するに伴い、作動油の粘性抵抗に
よる圧縮反力を生ずる。また、圧縮行程では、ダンパシ
リンダがインナチューブ内の油室に進入するに従い、こ
のダンパシリンダの進入容積分の作動油がダンパシリン
ダの外周と懸架スプリング内周との間の隙間、及び懸架
スプリングの素線間の螺旋状の流路を通って上方へと押
し上げられる。そして、この素線間の螺旋状流路は圧縮
行程の進みにより徐々に狭くなり、圧縮量に比例して大
きな圧側減衰力を生ずる。この圧縮時の減衰力は、ダン
パシリンダ内の減衰力発生装置で発生する圧側減衰力以
外の付加的減衰力であり、結果として、フロントフォー
クの全体の圧側減衰力を高め、いわゆるフロントフォー
クの腰感を向上可能とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術
では、硬質な懸架スプリングがインナチューブに摺接す
る際に、インナチューブの内面を削って摩耗粉を生ぜし
める。この摩耗粉は、インナチューブとアウタチューブ
の摺動部に噛み込んでインナチューブの外周とアウタチ
ューブの内周に摺動傷を付け、ひいては、これらの摺動
傷がアウタチューブの下端内周に装着してあるオイルシ
ールを損傷し、作動油の漏洩を発生させる虞れがある。
従来技術では、懸架スプリングの全長が常にインナチュ
ーブに摺接するものであり、上述の摩耗粉の発生量は多
く、それに起因する上述の問題点は大きい。
【0006】本発明の課題は、懸架スプリングがインナ
チューブの内面を削る摩耗粉の発生量を低減するととも
に、フロントフォークの腰感を向上することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、車体側に結合されるアウタチューブに車輪側に取付
けられるインナチューブを摺動自在に嵌合し、アウタチ
ューブにダンパシリンダを起立するとともに、インナチ
ューブにピストンロッドを起立し、該ピストンロッドを
該ダンパシリンダに挿入し、ピストンロッドに設けたピ
ストンに減衰力発生装置を設け、アウタチューブ側とイ
ンナチューブ側との間に懸架スプリングを介装し、アウ
タチューブとインナチューブの間の下部に油室を、上部
に気体室を形成してなる倒立型フロントフォークにおい
て、インナチューブにスプリング受カラーを起立し、該
スプリング受カラーの上端部を常にダンパシリンダの外
周回りに位置付け、懸架スプリングをスプリング受カラ
ーの上端部とアウタチューブ側との間に介装し、該懸架
スプリングの上端側部分をフロントフォークの最大伸長
時にインナチューブの上端部より上方に位置付け、スプ
リング受カラーの内周がダンパシリンダの外周との間に
形成する隙間を作動油の絞り流路としてなるようにした
ものである。
【0008】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記スプリング受カラーの内
周を全長に渡り縮径させて前記絞り流路を形成してなる
ようにしたものである。
【0009】請求項3に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記スプリング受カラーの上
部の内周を縮径させて前記絞り流路を形成してなるよう
にしたものである。
【0010】請求項4に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記スプリング受カラーの内
周を下部に向けて徐々に縮径させて前記絞り流路を形成
してなるようにしたものである。
【0011】
【作用】請求項1の本発明によれば下記〜の作用が
ある。 懸架スプリングは、フロントフォークの最大伸長時
に、その上端側部分をインナチューブの上端部より上方
に位置付けられる。即ち、懸架スプリングの全長が常に
インチューブに摺接するものでないため、懸架スプリン
グはインナチューブの内面を削る摩耗粉の発生量を低減
できる。これにより、インナチューブとアウタチューブ
の摺動部の摩耗粉による摺動傷の発生を低減し、ひいて
はアウタチューブのオイルシールの損傷を防止し、作動
油の漏洩の発生を防止できる。
【0012】懸架スプリングの全長を常にインナチュ
ーブ内に収納させていないことから、圧縮行程で懸架ス
プリングの素線間の螺旋状流路を作動油が押し上げられ
ることによる圧側減衰力(腰感)は低下する。この腰感
の低下は、スプリング受カラーの内周とダンパシリンダ
の外周との間の隙間により形成される作動油の絞り流路
の存在により補われる。即ち、圧縮行程で、インナチュ
ーブ内の油室に進入するダンパシリンダの進入容積分の
作動油が、上述の絞り流路を通って上方へと押し上げら
れ、この絞り流路の絞り抵抗に起因する圧側減衰力がフ
ロントフォークの腰感を向上するものとなる。
【0013】スプリング受カラーの上端部が常にダン
パハウジングの外周回りに位置付けられる。従って、最
大伸長状態からの圧縮開始当初から、スプリング受カラ
ーはダンパシリンダとの間に上記の絞り流路を形成し
て腰感を向上できる。
【0014】また、最大伸長状態でも、スプリング受カ
ラーの上端部はダンパシリンダの外周回りにあり、従っ
て懸架スプリングの下端部はダンパシリンダの外周回り
にある。このため、フロントフォークが最大伸長状態で
作用するサイドホース(フロントフォークの軸直角方向
に作用する外力)によりインナチューブがアウタチュー
ブに対して大きく撓んでも、懸架スプリングの下端側部
分がダンパシリンダの下端部に干渉することなく、フロ
ントフォークの円滑な伸縮を妨げない。
【0015】請求項2の本発明によれば下記の作用が
ある。 絞り流路は、スプリング受カラーの内径を全長に渡っ
て縮径することにより形成できる。このとき、圧縮行程
が進むにつれ、スプリング受カラーの内周とダンパシリ
ンダの外周とのオーバーラップ長が大となり、結果とし
て、絞り流路の長さも大となり、フロントフォークの腰
感向上効果は圧縮量に比例してより大となる。
【0016】請求項3の本発明によれば下記の作用が
ある。 絞り流路は、スプリング受カラーの上部の内周を縮径
することにより形成できる。
【0017】請求項4の本発明によれば下記の作用が
ある。 絞り流路は、スプリング受カラーの内周を下部に向け
て徐々に縮径することにより形成できる。このとき、絞
り流路の絞り路は、圧縮行程が進むにつれて強くなり、
フロントフォークの腰感向上効果は圧縮量に比例して大
となる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1はフロントフォークの伸長状
態を示す模式図、図2はフロントフォークの圧縮状態を
示す模式図、図3はフロントフォークの下部拡大図、図
4はフロントフォークの上部拡大図、図5はスプリング
受カラーを示す縦断面図、図6はスプリング受カラーを
示す横断面図、図7はスプリング受カラーの変形例を示
す縦断面図である。
【0019】フロントフォーク10は、アウタチューブ
11内にインナチューブ12を摺動自在に挿入し、両チ
ューブ11、12の間に懸架スプリング13を介装する
とともに、単筒型ダンパ14を倒立にして内装してい
る。
【0020】アウタチューブ11の下端内周部にはイン
ナチューブ12の外周部が摺接するブッシュ15A、オ
イルシール15Bが嵌着され、インナチューブ12の上
端外周部にはアウタチューブ11の内周部が摺接するブ
ッシュ16が嵌着されている。
【0021】アウタチューブ11はアッパブラケット1
7Aとロアブラケット17Bを介して車体側に支持さ
れ、インナチューブ12は車軸ブラケット18を介して
車軸に結合される。
【0022】アウタチューブ11の上端部にはダンパ1
4のダンパシリンダ21(上シリンダチューブ21A)
の上端部がOリングを介して液密に螺着され、この上シ
リンダチューブ21Aの上端大径部101にはキャップ
19がOリングを介して液密に螺着されている。インナ
チューブ12の下端部内周にはオイルロックカラー23
がOリングを介して液密に嵌装され、このオイルロック
カラー23をボトムボルト24で車軸ブラケット18に
Oリングを介して液密に固定してある。また、ボトムボ
ルト24にはダンパ14のピストンロッド(中空ロッ
ド)22の基端部が螺着されるとともにロックナット2
4Aでロックされ、このピストンロッド22の先端部を
ダンパシリンダ21(下シリンダチューブ21B)に挿
入してある。
【0023】懸架スプリング13は、オイルロックカラ
ー23の基端部外周面に装着したカラー受け25Aに支
持して起立させたスプリング受カラー25のスプリング
受け25Bと、ダンパシリンダ21(上シリンダチュー
ブ21A)の上部の外周面に保持したスプリング受け2
6との間に介装されている。スプリング受け26は、上
シリンダチューブ21Aの中間中径部102と下端小径
部103との境界の段差部に保持されている。また、ア
ウタチューブ11とインナチューブ12の内部には油室
27と気体室28とが設けられ、気体室28に閉じ込め
られている気体が気体ばねを構成する。これらの懸架ば
ね13と気体ばねの弾発力が、車両が路面から受ける衝
撃力を吸収する。
【0024】ダンパ14は、ピストンバルブ装置(伸側
減衰力発生装置)40と、ベースバルブ装置(圧側減衰
力発生装置)50とを有している。ダンパ14は、ピス
トンバルブ装置40とベースバルブ装置50の発生する
減衰力により、懸架スプリング13と気体ばねによる衝
撃力の吸収に伴うアウタチューブ11とインナチューブ
12の伸縮振動を抑制する。
【0025】尚、ダンパ14のダンパシリンダ21は、
ダンパシリンダ21へのベースバルブ装置50の組み込
み等のために、上下 2つのシリンダチューブ21A、2
1Bに 2分され、それらの接合体とされている(上シリ
ンダチューブ21Aの下端内周に下シリンダチューブ2
1Bの上端部が挿入されて螺着され、ロックナット21
Cによりロックされている)。
【0026】また、ダンパシリンダ21の下シリンダチ
ューブ21Bの下端部内周にはロッドガイド29が螺着
され、更に下シリンダチューブ21Bの下端部にはオイ
ルロックカラー30を遊嵌し、このロッドガイド29の
内周部にはピストンロッド22が摺接するブッシュ29
A、オイルシール29Bを設けてある。オイルシール2
9Bは、下シリンダチューブ21Bの下端部寄り内周に
装着され、ストッパリング31Aで保持されるシールキ
ャップ31により保持されている。
【0027】また、ダンパシリンダ21の下シリンダチ
ューブ21Bの下端部寄りにはリバウンドスプリング3
2が設けられている。リバウンドスプリング32は、上
述のシールキャップ31によりバックアップ支持される
とともに、ストッパリング32Aに制止されて定常位置
に設定される。
【0028】以下、フロントフォーク10の減衰機構に
ついて説明する。 (ピストンバルブ装置40)ピストンバルブ装置40
は、ピストンロッド22の先端部にピストンホルダ41
を装着し、このピストンホルダ41にピストン42を装
着している。ピストン42は、ダンパシリンダ21(下
シリンダチューブ21B)の内部を摺接し、ダンパシリ
ンダ21の内部をピストンロッド22が収容されないピ
ストン側油室43Aとピストンロッド22が収容される
ロッド側油室43Bとに区画する。ピストン42は、伸
側バルブ44Aを備えてピストン側油室43Aとロッド
側油室43Bとを連絡可能とする伸側流路44と、圧側
バルブ(チェックバルブ)45Aを備えてピストン側油
室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする圧側
流路45とを備える。
【0029】また、ピストンバルブ装置40は、アジャ
スタ46に結合されている減衰力調整ロッド47をピス
トンロッド22の中空部に通し、この減衰力調整ロッド
47の先端のニードル47Aにより、ピストンホルダ4
1に設けてあるピストン側油室43Aとロッド側油室4
3Bとのバイパス路48の流路面積を調整可能とする。
【0030】従って、フロントフォーク10の圧縮時に
は、ピストン側油室43Aの油が圧側流路45を通り圧
側バルブ45Aを開いてロッド側油室43Bへ導かれ
る。
【0031】また、フロントフォーク10の伸長時に
は、ダンパシリンダ21とピストンロッド22の相対速
度が低速のとき、ロッド側油室43Bの油がニードル4
7Aのあるバイパス路48を通ってピストン側油室43
Aへ導かれ、この間のニードル47Aによる絞り抵抗に
より伸側の減衰力を生ずる。この減衰力は、アジャスタ
46によるニードル47Aの位置調整により調整され
る。
【0032】また、フロントフォーク10の伸長時で、
ダンパシリンダ21とピストンロッド22の相対速度が
中高速のとき、ロッド側油室43Bの油が伸側流路44
を通り伸側バルブ44Aを撓み変形させてピストン側油
室43Aへ導かれ、伸側の減衰力を生ずる。
【0033】(ベースバルブ装置50)ベースバルブ装
置50は、上シリンダチューブ21Aの上端部に螺着さ
れているキャップ19にガイドパイプ51を螺着すると
ともに、このガイドパイプ51をロックナット19Aで
固定し、ガイドパイプ51の先端部にハウジングホルダ
51Aを螺着し、このハウジングホルダ51Aにナット
51B等によりバルブハウジング52を保持している。
バルブハウジング52は下シリンダチューブ21Bの内
周部に液密に接し、前述のピストン側油室43Aの上方
にベースバルブ室53を区画形成する。バルブハウジン
グ52は、圧側バルブ54Aを備えてピストン側油室4
3Aとベースバルブ室53とを連絡可能とする圧側流路
54と、伸側バルブ55Aを備えてピストン側油室43
Aとベースバルブ室53とを連絡可能とする伸側流路5
5とを備える。また、ハウジングホルダ51Aは、圧側
流路54と伸側流路55とをバイパスしてピストン側油
室43Aとベースバルブ室53とを連絡可能とするバイ
パス流路56を備える。
【0034】キャップ19に螺合された減衰力調整ロッ
ド58は、アジャスタ59を備えるとともに、ガイドパ
イプ51に挿入され、先端のニードル58Aによりバイ
パス流路56の流路面積を調整可能とする。
【0035】また、ベースバルブ装置50は、上シリン
ダチューブ21Aの内部に、該上シリンダチューブ21
Aとガイドパイプ51のそれぞれにOリング60Aとオ
イルシール60Bのそれぞれを介して液密に摺動するフ
リーピストン型の隔壁部材61を備える。隔壁部材61
は、ベースバルブ室53のバルブハウジング52の側で
ピストン側油室43Aに連通している油室53Aと、キ
ャップ19の側の気体室53B(連通路104により気
体室28と連通)とを区画する。隔壁部材61はキャッ
プ39との間に介装されるスプリング62により付勢さ
れ、ダンパシリンダ21内の作動油を加圧し、圧縮時
に、バルブハウジング52の圧側流路54を経てピスト
ン側油室43Aから油室53Aに油が吹き上がるのを防
止し、これにより油中にエアが混入するキャビテーショ
ンの発生を防止、また伸長時に続く圧縮時の減衰力発生
の送れ(さぼり)も回避する。
【0036】尚、フロントフォーク10にあっては、油
室27に位置するピストンロッド22に付着した油を、
ダンパシリンダ21のロッドガイド29に設けたオイル
シール29Bがダンパシリンダ21内に徐々に持ち込む
余剰オイルを、ダンパシリンダ21の外に排出するた
め、上述の隔壁部材61の上下動を案内しているガイド
パイプ51の上端側外周に縮径部51Aを設け、隔壁部
材61の内周のオイルシール60Bがこの縮径部51A
に到達したときにダンパシリンダ21内の余剰オイルを
シリンダ21の外に排出するようにしてある。
【0037】従って、フロントフォーク10の圧縮時に
は、ダンパシリンダ21に進入したピストンロッド22
の進入容積分の油が、ピストン側油室43Aからバルブ
ハウジング52のバイパス流路56、もしくは圧側流路
54を通ってベースバルブ室53の油室53Aに排出さ
れる。このとき、ダンパシリンダ21とピストンロッド
22の相対速度が低速のときには、バイパス流路56に
設けてあるニードル58Aによる絞り抵抗により圧側の
減衰力を得る。この減衰力は、アジャスタ59によるニ
ードル58Aの位置調整により調整される。また、ダン
パシリンダ21とピストンロッド22の相対速度が中高
速のときには、ピストン側油室43Aから圧側流路54
を通る油が圧側バルブ54Aを撓み変形させてベースバ
ルブ室53の油室53Aに導かれ、圧側の減衰力を生ず
る。
【0038】フロントフォーク10の伸長時には、ダン
パシリンダ21から退出するピストンロッド22の退出
容積分の油が、ベースバルブ室53の油室53Aからバ
ルブハウジング52の伸側流路55を通ってピストン側
油室43Aに還流される。
【0039】従って、フロントフォーク10は以下の如
くに減衰作用を行なう。 (圧縮時)フロントフォーク10の圧縮時には、ベース
バルブ装置50において、バルブハウジング52のニー
ドル58A或いは圧側バルブ54Aを流れる油により圧
側減衰力を生じ、ピストンバルブ装置40では殆ど減衰
力を生じない。
【0040】(伸長時)フロントフォーク10の伸長時
には、ピストンバルブ装置40において、ピストン42
のニードル47A或いは伸側バルブ44Aを流れる油に
より伸側減衰力を生じ、ベースバルブ装置50では殆ど
減衰力を生じない。
【0041】これらの圧側と伸側の減衰力により、フロ
ントフォーク10の伸縮振動が抑制される。
【0042】尚、フロントフォーク10の最圧縮時に
は、ダンパシリンダ21の下端部のオイルロックカラー
30が、インナチューブ12の下端部に設けてあるオイ
ルロックカラー23に嵌合し、両者の間で圧縮した油に
よりオイルロック作用を生ぜしめ、ダンパ14の底つき
を防止する。
【0043】また、フロントフォーク10の最伸長時に
は、ピストンロッド22に設けているピストンホルダ4
1の下端面が形成する伸切り衝合部41Aが、ダンパシ
リンダ21の開口部に設けてあるロッドガイド29に支
持されているリバウンドスプリング32に衝合し、伸切
りの緩衝作用を果たす。
【0044】然るに、フロントフォーク10にあって
は、アウタチューブ11の側とインナチューブ12の側
との間に介装される懸架スプリング13が前述のスプリ
ング受カラー25に支持され以下の如く配置されてい
る。
【0045】スプリング受カラー25は、アウタチュー
ブ11の側のオイルロックカラー23の基端部に装着し
たカラー受け25Aに支持されて起立される。このと
き、スプリング受カラー25の上端部は常にダンパシリ
ンダ21の外周回りに位置付けられる。そして、懸架ス
プリング13は、スプリング受カラー25の上端部に設
けたスプリング受け25Bに載せたスラストレース25
Cと、アウタチューブ11に一体化してあるダンパシリ
ンダ21の上部に前述した如くに保持したスプリング受
け26に載せたスラストレース26Aとの間に介装さ
れ、懸架スプリング13の上端側部分をフロントフォー
ク10の最大伸縮時にインナチューブ12の上端部より
上方に位置付けることとしている。
【0046】即ち、フロントフォーク10の最大伸長状
態を示す図1において、懸架スプリング13は、略下半
分をインナチューブ12の内周に沿わせてガイドし、略
上半分をインナチューブ12の上端部より上方に位置さ
せ、ダンパシリンダ21の上シリンダチューブ21A
(下端小径部103)、ロックナット21Cの外周に沿
わせてガイドしている。このとき、懸架スプリング13
の中間部で、インナチューブ12の内周とダンパシリン
ダ21の上シリンダチューブ21A、ロックナット21
Cの外周とにガイドされない非ガイド部の長さLは、該
懸架スプリング13が座屈を起こさない程度の長さに設
定される。図1において、OILは最大伸長時における
油室27の油面レベルを示す。また、フロントフォーク
10の最大圧縮状態を示す図2において、懸架スプリン
グ13は、全長をインナチューブ12の内周に沿わせて
ガイドしている。図2において、OILは最大圧縮時に
おける油室27の油面レベルを示す。
【0047】また、スプリング受カラー25の内周がダ
ンパシリンダ21の外周との間に形成する隙間は、作動
油の絞り流路70としている。フロントフォーク10の
圧縮行程で、インナチューブ12内に進入するダンパシ
リンダ21の進入容積分の作動油が、この絞り流路70
を通って上方へと押し上げられる際の絞り抵抗が、フロ
ントフォーク10の付加的な圧側減衰力として作用する
ものとなる。
【0048】スプリング受カラー25は、図1〜図4、
図5、図6に示す如く、上端部の内周を縮径させた絞り
形成部71を備える。尚、スプリング受カラー25は、
絞り形成部71の内周の周方向複数位置において、内方
に突出するリブ72を備えるとともに、前述のスプリン
グ受け25Bをその上端部回りに加締固定され、スプリ
ング受け25Bをリブ72でバックアップ支持可能とし
ている。
【0049】スプリング受カラー25は、図7(A)に
示す如く、内周を長手方向の全長に渡り縮径させた絞り
形成部71Aを備えるものであっても良い。また、スプ
リング受カラー25は、図7(B)に示す如く、内周を
長手方向の一部もしくは全長に渡り、下部に向けて徐々
に縮径させたテーパ状絞り形成部71Bを備えるもので
あっても良い。
【0050】従って、本実施形態によれば以下の作用が
ある。 懸架スプリング13は、フロントフォーク10の最大
伸長時に、その上端側部分をインナチューブ12の上端
部より上方に位置付けられる。即ち、懸架スプリング1
3の全長が常にインチューブ12に摺接するものでない
ため、懸架スプリング13はインナチューブ12の内面
を削る摩耗粉の発生量を低減できる。これにより、イン
ナチューブ12とアウタチューブ11の摺動部の摩耗粉
による摺動傷の発生を低減し、ひいてはアウタチューブ
11のオイルシール15Bの損傷を防止し、作動油の漏
洩の発生を防止できる。
【0051】懸架スプリング13の全長を常にインナ
チューブ12内に収納させていないことから、圧縮行程
で懸架スプリング13の素線間の螺旋状流路を作動油が
押し上げられることによる圧側減衰力(腰感)は低下す
る。この腰感の低下は、スプリング受カラー25の内周
とダンパシリンダ21の外周との間の隙間により形成さ
れる作動油の絞り流路70の存在により補われる。即
ち、圧縮行程で、インナチューブ12内の油室に進入す
るダンパシリンダ21の進入容積分の作動油が、上述の
絞り流路70を通って上方へと押し上げられ、この絞り
流路70の絞り抵抗に起因する圧側減衰力がフロントフ
ォーク10の腰感を向上するものとなる。
【0052】スプリング受カラー25の上端部が常に
ダンパハウジングの外周回りに位置付けられる。従っ
て、最大伸長状態からの圧縮開始当初から、スプリング
受カラー25はダンパシリンダ21との間に上記の絞
り流路70を形成して腰感を向上できる。
【0053】また、最大伸長状態でも、スプリング受カ
ラー25の上端部はダンパシリンダ21の外周回りにあ
り、従って懸架スプリング13の下端部はダンパシリン
ダ21の外周回りにある。このため、フロントフォーク
10が最大伸長状態で作用するサイドホース(フロント
フォークの軸直角方向に作用する外力)によりインナチ
ューブ12がアウタチューブ11に対して大きく撓んで
も、懸架スプリング13の下端側部分がダンパシリンダ
21の下端部に干渉することなく、フロントフォーク1
0の円滑な伸縮を妨げない。
【0054】絞り流路70は、図7(A)に示す如
く、スプリング受カラー25の内径を全長に渡って縮径
することにより形成できる。このとき、圧縮行程が進む
につれ、スプリング受カラー25の内周とダンパシリン
ダ21の外周とのオーバーラップ長が大となり、結果と
して、絞り流路70の長さも大となり、フロントフォー
ク10の腰感向上効果は圧縮量に比例してより大とな
る。
【0055】絞り流路70は、スプリング受カラー2
5の上部の内周を縮径することにより形成できる。
【0056】絞り流路70は、図7(B)に示す如
く、スプリング受カラー25の内周を下部に向けて徐々
に縮径することにより形成できる。このとき、絞り流路
70の絞り路は、圧縮行程が進むにつれて広くなり、フ
ロントフォーク10の腰感向上効果は圧縮量に比例して
大となる。
【0057】尚、本発明者の具体的実施結果によれば、
インナチューブ12の内径を46mm、ダンパシリンダ21
(下シリンダチューブ21B)の外径を29mm、懸架スプ
リング13の内径を35mm、懸架スプリング13の素線径
を 5mmとするとき、スプリング受カラー25の絞り形成
部71の内径が40.5mmでは所望の腰感が得られず、スプ
リング受カラー25の絞り形成部71の内径が39mmでは
所望の腰感が得られた。
【0058】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、懸架スプ
リングがインナチューブの内面を削る摩耗粉の発生量を
低減するとともに、フロントフォークの腰感を向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はフロントフォークの伸長状態を示す模式
図である。
【図2】図2はフロントフォークの圧縮状態を示す模式
図である。
【図3】図3はフロントフォークの下部拡大図である。
【図4】図4はフロントフォークの上部拡大図である。
【図5】図5はスプリング受カラーを示す縦断面図であ
る。
【図6】図6はスプリング受カラーを示す横断面図であ
る。
【図7】図7はスプリング受カラーの変形例を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
10 フロントフォーク 11 アウタチューブ 12 インナチューブ 13 懸架スプリング 21 ダンパシリンダ 22 ピストンロッド 25 スプリング受カラー 27 油室 28 気体室 40 ピストンバルブ装置(減衰力発生装置) 42 ピストン 70 絞り流路 71、71A、71B 絞り形成部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側に結合されるアウタチューブに車
    輪側に取付けられるインナチューブを摺動自在に嵌合
    し、 アウタチューブにダンパシリンダを起立するとともに、
    インナチューブにピストンロッドを起立し、該ピストン
    ロッドを該ダンパシリンダに挿入し、ピストンロッドに
    設けたピストンに減衰力発生装置を設け、 アウタチューブ側とインナチューブ側との間に懸架スプ
    リングを介装し、 アウタチューブとインナチューブの間の下部に油室を、
    上部に気体室を形成してなる倒立型フロントフォークに
    おいて、 インナチューブにスプリング受カラーを起立し、該スプ
    リング受カラーの上端部を常にダンパシリンダの外周回
    りに位置付け、 懸架スプリングをスプリング受カラーの上端部とアウタ
    チューブ側との間に介装し、該懸架スプリングの上端側
    部分をフロントフォークの最大伸長時にインナチューブ
    の上端部より上方に位置付け、 スプリング受カラーの内周がダンパシリンダの外周との
    間に形成する隙間を作動油の絞り流路としてなることを
    特徴とするフロントフォーク。
  2. 【請求項2】 前記スプリング受カラーの内周を全長に
    渡り縮径させて前記絞り流路を形成してなる請求項1記
    載のフロントフォーク。
  3. 【請求項3】 前記スプリング受カラーの上部の内周を
    縮径させて前記絞り流路を形成してなる請求項1記載の
    フロントフォーク。
  4. 【請求項4】 前記スプリング受カラーの内周を下部に
    向けて徐々に縮径させて前記絞り流路を形成してなる請
    求項1記載のフロントフォーク。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011103749A1 (zh) * 2010-02-26 2011-09-01 中山市法斯特精密五金有限公司 一种避震器
JP2016136045A (ja) * 2015-01-23 2016-07-28 Kybモーターサイクルサスペンション株式会社 フロントフォーク

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