JP2007146951A - フロントフォーク - Google Patents

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Abstract

【課題】 ダンパシリンダの油孔を備える内面に、Oリングを被着してある隔壁部材を挿着するフロントフォークにおいて、簡易な構成によりOリング切れを防止すること。
【解決手段】 ダンパシリンダ21の油孔58を備える内面に、Oリング53Aを被着してある隔壁部材53を挿着するフロントフォーク10において、ダンパシリンダ21の油孔58を囲む内面を、その余の内面に対して該ダンパシリンダ21の径方向外方に向けてへこむクレータ状へこみ部58Aとしてなるもの。
【選択図】 図3

Description

本発明はフロントフォークに関する。
フロントフォークとして、特許文献1に記載の如く、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に嵌合し、車体側チューブの底部にダンパシリンダを立設するに際し、ボトムピースの上部に固定した隔壁部材の外周にOリングを被着し、ボトムピースと隔壁部材をダンパシリンダの下端部の内周に挿着して固定し、ボトムピースの下部を車軸側チューブの底部に締結し、ダンパシリンダの内部を隔壁部材によりダンパ内油室とボトムバルブ室に区画し、ボトムバルブ室とダンパ外油溜室とをダンパシリンダに設けた油孔により連通してなるものがある。
特開2003-172392
特許文献1のフロントフォークでは、ボトムピースと隔壁部材をダンパシリンダの下端部の内周に挿着するとき、隔壁部材の外周に被着してあるOリングが通過するダンパシリンダの内面に油孔のエッジが存在し、この油孔のエッジがOリング切れを引き起こすおそれがある。
尚、ダンパシリンダの油孔が設けられている内面に環状溝を切削加工し、その内面から環状のエッジを除くことが考えられる。しかしながら、環状溝のエッジを滑らかに面取り加工する追加加工が必要になって一層コスト高になるし、環状溝を形成した部分の肉厚がダンパシリンダの通常の肉厚より薄肉になり、ダンパシリンダの強度が低下する。
本発明の課題は、ダンパシリンダの油孔を備える内面に、Oリングを被着してある隔壁部材を挿着するフロントフォークにおいて、簡易な構成によりOリング切れを防止することにある。
請求項1の発明は、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に嵌合し、車体側チューブの底部にダンパシリンダを立設するに際し、ボトムピースの上部に固定した隔壁部材の外周にOリングを被着し、ボトムピースと隔壁部材をダンパシリンダの下端部の内周に挿着して固定し、ボトムピースの下部を車軸側チューブの底部に締結し、ダンパシリンダの内部を隔壁部材によりダンパ内油室とボトムバルブ室に区画し、ボトムバルブ室とダンパ外油溜室とをダンパシリンダに設けた油孔により連通してなるフロントフォークにおいて、ダンパシリンダの油孔を囲む内面を、その余の内面に対して該ダンパシリンダの径方向外方に向けてへこむクレータ状へこみ部としてなるようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記ダンパシリンダのへこみ部の外周縁がその余の内面と滑らかな曲線のつなぎ目でつながれてなるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記ダンパシリンダのへこみ部における肉厚がその余の内面における肉厚と同一肉厚を維持するようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記ダンパシリンダのへこみ部及び油孔がプレス成形により該ダンパシリンダの内側から外側に向けて打抜きされるようにしたものである。
(請求項1)
(a)ボトムピースと隔壁部材をダンパシリンダの下端部の内周に挿着するとき、隔壁部材の外周に被着してあるOリングが通過するダンパシリンダの内面の油孔まわりをクレータ状へこみ部にしており、該へこみ部の奥底に位置する油孔のエッジがOリングに接することを回避でき、Oリング切れを防止できる。
(請求項2)
(b)ダンパシリンダの油孔まわりのへこみ部の外周縁がその余の内面と滑らかな曲線のつなぎ目でつながれるから、上述(a)のOリングがへこみ部の外周縁を通過するときに、このへこみ部の外周縁がOリング切れを引き起こすことがない。
(請求項3)
(c)ダンパシリンダの油孔まわりのへこみ部における肉厚がその余の内面における肉厚と同一肉厚を維持するから、ダンパシリンダの強度を低下させない。従って、ダンパシリンダの全体を薄肉化できる。
(請求項4)
(d)ダンパシリンダのへこみ部及び油孔がプレス成形により該ダンパシリンダの内側から外側に向けて打抜きされる。従って、単一打抜き工程で、ダンパシリンダの肉厚を維持したまま、油孔とへこみ部を同時に形成し、しかもへこみ部の外周縁を滑らかに成形できる。
図1はフロントフォークを示す断面図、図2は図1のフロントフォークの下部拡大断面図、図3は図2の要部拡大断面図、図4はダンパシリンダのへこみ部を示し、(A)は断面図、(B)は(A)のB−B線に沿う矢視図、図5はプレス装置を示し、(A)は孔あけ初期段階を示す断面図、(B)は孔あけ完了段階を示す断面図である。
フロントフォーク10は、図1、図2に示す如く、車体側のインナチューブ(車体側チューブ)11を車軸側のアウタチューブ(車軸側チューブ)12に摺動自在に嵌合して正立にし、両チューブ11、12の間に懸架スプリング13を介装するとともに、単筒型ダンパ14を正立にして内装している。
アウタチューブ12の上端内周部にはインナチューブ11の外周部が摺接するブッシュ15、オイルシール16、ダストシール17が嵌着され、インナチューブ11の下端外周部にはアウタチューブ12の内周部が摺接するブッシュ18が嵌着される。
インナチューブ11はアッパブラケット19A、ロアブラケット19Bを介して車体側に支持され、アウタチューブ12は車軸ブラケット20を介して車軸に結合される。
アウタチューブ12の底部にはダンパ14のダンパシリンダ21の下端部が取着されて立設している。このとき、ダンパシリンダ21は、後述のボトムピース51を介して、車軸ブラケット20に外側から係入させたボトムボルト24により後述する如くに固定保持される。
インナチューブ11の上端部にはキャップ25の円筒部25AがOリング26を介して液密に挿着されるとともに螺着され、キャップ25の蓋部25Bの下面中央にはピストンロッド29の基端部が螺着され、ロックナット30でロックされている。このピストンロッド29の先端部はダンパシリンダ21に挿入されている。
アウタチューブ12の内部のダンパシリンダ21の上端外周部にはばね受32が設けられている。他方、インナチューブ11の内部で、キャップ25の円筒部25Aの下面にはカラー33を介してばね受34が支持されている。ばね受34によって懸架スプリング13の上端を支持し、ばね受32によって懸架スプリング13の下端を支持する。
インナチューブ11とアウタチューブ12の内部で、ダンパシリンダ21の外周部には、油溜室35Aと気体室35Bとが設けられ、気体室35Bに閉じ込められている気体が気体ばねを構成する。油溜室35Aの作動油は、気体室35Bのばね定数の調整と、インナチューブ11とアウタチューブ12の摺接ブッシュ15、18の潤滑、アウタチューブ12の上端部のオイルシール16の湿潤に寄与する。そして、これらの懸架ばね13と気体ばねの弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
ダンパ14は、ピストンバルブ装置(伸側減衰力発生装置)40と、ボトムバルブ装置(圧側減衰力発生装置)50とを有する。ダンパ14は、ピストンバルブ装置40とボトムバルブ装置50の発生する減衰力により、懸架スプリング13と気体ばねによる衝撃力の吸収に伴うインナチューブ11とアウタチューブ12の伸縮振動を抑制する。
ダンパシリンダ21の上端開口部にはロッドガイド36が加締固定され、ロッドガイド36にはピストンロッド29を摺接案内するブッシュ36Aが圧入されている。
尚、ダンパシリンダ21の内周のロッドガイド36の直下には最伸長時に後述のピストンホルダ41との間で圧縮されて緩衝作用を果たすリバウンドスプリング37が保持されている。
また、インナチューブ11の下端内周部にはピースホルダ38Aとワッシャ38Bがかしめ固定され、ピースホルダ38Aとワッシャ38Bの間にオイルロックカラー38を保持している。アウタチューブ12の内部で、アウタチューブ12の底部の車軸ブラケット20とダンパシリンダ21の下端部が固定される後述のボトムピース51との間には、オイルロックピース39の下部が固定されている。最圧縮時にオイルロックカラー38をオイルロックピース39に進入させて緩衝作用を果たす。
以下、フロントフォーク10の減衰機構について説明する。
(ピストンバルブ装置40)
ピストンバルブ装置40は、図2に示す如く、ピストンロッド29の先端部にピストンホルダ41を装着し、このピストンホルダ41に螺着されるナット41A、バルブストッパ41Bによりピストン42、バルブストッパ41Cを装着している。ピストン42は、ダンパシリンダ21の内部を摺接し、ダンパシリンダ21の内部をピストンロッド29が収容されないピストン側油室43Aとピストンロッド29が収容されるロッド側油室43Bとに区画する。ピストン42は、伸側バルブ44Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする伸側流路44(不図示)と、圧側バルブ(チェックバルブ)45Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする圧側流路45とを備える。
また、ピストンバルブ装置40は、ピストンホルダ41に設けてあるピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとのバイパス路48にオリフィス48Aを備える。
従って、フロントフォーク10の圧縮時には、ピストン側油室43Aの油が圧側流路45を通り圧側バルブ45Aを開いてロッド側油室43Bへ導かれる。
また、フロントフォーク10の伸長時には、ダンパシリンダ21とピストンロッド29の相対速度が低速のとき、ロッド側油室43Bの油がバイパス路48を通ってピストン側油室43Aへ導かれ、この間のオリフィス48Aによる絞り抵抗により伸側の減衰力を生ずる。
また、フロントフォーク10の伸長時で、ダンパシリンダ21とピストンロッド29の相対速度が中高速のとき、ロッド側油室43Bの油が伸側流路44を通り伸側バルブ44Aを撓み変形させてピストン側油室43Aへ導かれ、伸側の減衰力を生ずる。
(ボトムバルブ装置50)
ボトムバルブ装置50は、ダンパシリンダ21が後述する如くに固定されるボトムピース51の上部に、ボルト52により圧側バルブ56A、バルブハウジング(隔壁部材)53、バルブストッパ54を保持している。バルブストッパ54は、バルブハウジング53との間に伸側バルブ(チェックバルブ)57A、ばね57Bを保持する。バルブハウジング53の外周環状溝にはOリング53Aが嵌着され、バルブハウジング53はOリング53Aを介してダンパシリンダ21の中間部に液密に密着し、ピストン側油室43Aの下方にボトムバルブ室55を区画形成する。バルブハウジング53は、圧側バルブ56Aを備えたピストン側油室43Aとボトムバルブ室55とを連絡可能とする圧側流路56と、伸側バルブ57Aを備えてピストン側油室43Aとボトムバルブ室55とを連絡可能とする伸側流路57(不図示)とを備える。ボトムバルブ室55はダンパシリンダ21の壁面に設けた油孔58により、ダンパシリンダ21の外部に設けてある油溜室35Aに連絡可能とされている。
また、アウタチューブ12の底部の車軸ブラケット20とオイルロックピース39の下部に外側から係入されるボトムボルト24が上述のボトムピース51に螺着され、このボトムピース51、ボルト52には、圧側流路56と伸側流路57とをバイパスしてピストン側油室43Aと油溜室35Aとを連絡可能とするバイパス流路59を有し、このバイパス流路59にオリフィス59Aを備える。
従って、フロントフォーク10の圧縮時には、ダンパシリンダ21に進入したピストンロッド29の進入容積分の油が、ピストン側油室43Aから、バイパス流路59を通って油溜室35A、或いは圧側流路56、ボトムバルブ室55、ダンパシリンダ21の壁面の油孔58を通って油溜室35Aに排出される。このとき、ダンパシリンダ21とピストンロッド29の相対速度が低速のときには、バイパス流路59のオリフィス59Aによる絞り抵抗により圧側の減衰力を得る。また、ダンパシリンダ21とピストンロッド29の相対速度が中高速のときには、ピストン側油室43Aから圧側流路56を通る油が圧側バルブ56Aを撓み変形させてボトムバルブ室55に導かれ、圧側の減衰力を生ずる。
フロントフォーク10の伸長時には、ダンパシリンダ21から退出するピストンロッド29の退出容積分の油が、油溜室35Aからボトムバルブ室55、伸側流路57を通ってピストン側油室43Aに還流される。
従って、フロントフォーク10は以下の如くに減衰作用を行なう。
(圧縮時)
フロントフォーク10の圧縮時には、ボトムバルブ装置50において、バルブハウジング53の圧側バルブ56A或いはオリフィス59Aを流れる油により圧側減衰力を生じ、ピストンバルブ装置40では殆ど減衰力を生じない。
(伸長時)
フロントフォーク10の伸長時には、ピストンバルブ装置40において、ピストン42の伸側バルブ44A或いはオリフィス48Aを流れる油により伸側減衰力を生じ、ボトムバルブ装置50では殆ど減衰力を生じない。
これらの圧側と伸側の減衰力により、フロントフォーク10の伸縮振動が抑制される。
しかるに、フロントフォーク10にあっては、(A)ダンパ14が立設構造、(B)ダンパシリンダ21の孔あけ構造を以下の如くに構成している。
(A)ダンパ14が立設構造
ダンパ14にあっては、ボトムピース51の上部に固定したバルブハウジング53の外周にOリング53Aを被着し、ボトムピース51とバルブハウジング53をダンパシリンダ21の下端部の内周に挿着し、ダンパシリンダ21の下端部をボトムピース51の外周に加締固定する。このとき、図3に示す如く、ボトムピース51の中間部外周に環状に連続する凹溝51Aを設けるとともに、下端部外周にダンパシリンダ21の板厚tより大きい段差51B(段差量h)を設ける。そして、ダンパシリンダ21の下端部をボトムピース51の凹溝51Aに加締部21Aにより加締固定するとともに、ダンパシリンダ21の最下端部をボトムピース51の段差51Bに加締部21Bにより加締固定することにより、ダンパシリンダ21の下端部をボトムピース51の外周に加締固定する。加締部21Aはダンパシリンダ21の周方向に沿う複数位置(又はダンパシリンダ21の全周に連続するものでも可)に設けられる。加締部21Bはダンパシリンダ21の全周に連続状をなすように設けられる。
インナチューブ12の内部にダンパ14を挿入し、ダンパ14を構成しているボトムピース51の下面を車軸ブラケット20の底面にオイルロックピース39の下部を介して乗せる状態で、車軸ブラケット20に外側から係入されるボトムボルト24をボトムピース51の下部ねじに螺着する。ボトムボルト24は、車軸ブラケット20の底部に設けた貫通孔に、シール材23を介して外側から係入せしめられる。これにより、ボトムピース51の下面がオイルロックピース39の下部を介して車軸ブラケット20の底面に圧接せしめられて締結される。
このとき、車軸ブラケット20はアルミ合金からなり、ダンパシリンダ21は鉄からなる。
(B)ダンパシリンダ21の孔あけ構造
ダンパシリンダ21にあっては、壁面の単一位置又は複数位置(本実施例では直径上の2位置)に、ボトムバルブ室55と油溜室35Aとを連通する油孔58を備える。ダンパシリンダ21において、油孔58を囲む内面21Cは、図3、図4に示す如く、その余の内面21Aに対して該ダンパシリンダ21の径方向外方に向けてへこむクレータ状へこみ部58Aとしている。このとき、へこみ部58Aの外周縁58Bはその余の内面21Aと滑らかな曲線のつなぎ目58B(丸味R部)でつながれている。また、へこみ部58Aにおける肉厚はその余の内面21Aにおける肉厚と同一肉厚を維持している。
ダンパシリンダ21の油孔58及びへこみ部58Aは、図5に示すプレス装置60を用いたプレス成形により、ダンパシリンダ21の内側から外側に向けて打抜きされる。具体的には以下の如くである。
(1)ダンパシリンダ21の中空部をプレス装置60のスライドガイド61に上下動可能に支持されている穿孔ヘッド62まわりに嵌める。穿孔ヘッド62の下向きに突出している打抜きピン63の根元周囲63Aは、へこみ部58Aと同一のクレータ状をなす。
(2)ダンパシリンダ21の外周を上型64と下型65で挟むことにて覆う。上型64はダンパシリンダ21の外周の上半部を覆い、下型65はダンパシリンダ21の外周の下半部を覆う。下型65は穿孔ヘッド62のピン63に、ダンパシリンダ21の肉厚を挟んで相対応する部分に孔66を有し、孔66の周囲66Aは、へこみ部58Aと同一のクレータ状をなす。
(3)上型64と下型65でダンパシリンダ21の外周を固定してダンパシリンダ21の変形を防止しながら、穿孔ヘッド62をスライドガイド61に沿って下動し、穿孔ヘッド62のピン63と下型65の孔66によって油孔58を打抜き、同時にへこみ部58Aを形成する。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)ボトムピース51とバルブハウジング53をダンパシリンダ21の下端部の内周に挿着するとき、バルブハウジング53の外周に被着してあるOリング53Aが通過するダンパシリンダ21の内面の油孔58まわりをクレータ状へこみ部58Aにしており、該へこみ部58Aの奥底に位置する油孔58のエッジがOリング53Aに接することを回避でき、Oリング切れを防止できる。
(b)ダンパシリンダ21の油孔58まわりのへこみ部58Aの外周縁58Bがその余の内面21Aと滑らかな曲線のつなぎ目58Bでつながれるから、上述(a)のOリング53Aがへこみ部58Aの外周縁58Bを通過するときに、このへこみ部58Aの外周縁58BがOリング切れを引きおこすことがない。
(c)ダンパシリンダ21の油孔58まわりのへこみ部58Aにおける肉厚がその余の内面21Aにおける肉厚と同一肉厚を維持するから、ダンパシリンダ21の強度を低下させない。従って、ダンパシリンダ21の全体を薄肉化できる。
(d)ダンパシリンダ21のへこみ部58A及び油孔58がプレス成形により該ダンパシリンダ21の内側から外側に向けて打抜きされる。従って、単一打抜き工程で、ダンパシリンダ21の肉厚を維持したまま、油孔58とへこみ部58Aを同時に形成し、しかもへこみ部58Aの外周縁58Bを滑らかに成形できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明は正立型フロントフォークにも適用できる。
図1はフロントフォークを示す断面図である。 図2は図1のフロントフォークの下部拡大断面図である。 図3は図2の要部拡大断面図である。 図4はダンパシリンダのへこみ部を示し、(A)は断面図、(B)は(A)のB−B線に沿う矢視図である。 図5はプレス装置を示し、(A)は孔あけ初期段階を示す断面図、(B)は孔あけ完了段階を示す断面図である。
符号の説明
10 フロントフォーク
11 インナチューブ(車体側チューブ)
12 アウタチューブ(車軸側チューブ)
21 ダンパシリンダ
35A 油溜室
51 ボトムピース
53 バルブハウジング(隔壁部材)
53A Oリング
55 ボトムバルブ室
58 油孔
58A へこみ部
58B つなぎ目(外周縁)

Claims (4)

  1. 車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に嵌合し、車体側チューブの底部にダンパシリンダを立設するに際し、
    ボトムピースの上部に固定した隔壁部材の外周にOリングを被着し、ボトムピースと隔壁部材をダンパシリンダの下端部の内周に挿着して固定し、ボトムピースの下部を車軸側チューブの底部に締結し、ダンパシリンダの内部を隔壁部材によりダンパ内油室とボトムバルブ室に区画し、ボトムバルブ室とダンパ外油溜室とをダンパシリンダに設けた油孔により連通してなるフロントフォークにおいて、
    ダンパシリンダの油孔を囲む内面を、その余の内面に対して該ダンパシリンダの径方向外方に向けてへこむクレータ状へこみ部としてなることを特徴とするフロントフォーク。
  2. 前記ダンパシリンダのへこみ部の外周縁がその余の内面と滑らかな曲線のつなぎ目でつながれてなる請求項1に記載のフロントフォーク。
  3. 前記ダンパシリンダのへこみ部における肉厚がその余の内面における肉厚と同一肉厚を維持する請求項1又は2に記載のフロントフォーク。
  4. 前記ダンパシリンダのへこみ部及び油孔がプレス成形により該ダンパシリンダの内側から外側に向けて打抜きされたものである請求項1〜3のいずれかに記載のフロントフォーク。
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