JP2004278764A - 車両用油圧緩衝器の減衰力調整装置 - Google Patents

車両用油圧緩衝器の減衰力調整装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シリンダ内に挿入されたピストンロッド内に、シリンダ内に侵入/退出するピストンロッドの体積分の作動油を補償するための油溜室を形成した油圧緩衝器において、圧側減衰力を調整可能にするとともに、伸側減衰力も調整可能にすること。
【解決手段】ピストンロッド側油室222Aとピストン側油室222Bを連通する第2のバイパス流路261をピストン221内に設け、第1の調整ロッド254及び第1の調整部材256の中空部に、第2の調整ロッド264を挿通し、中空ピストンロッド206内に設けた第2の調整ロッド264の先端部に、第2のバイパス流路261の流路面積を調整する第2の調整部材267を設けるとともに、第2の調整部材267に前記連通路222Cの一部を構成する流路267Aを形成したもの。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二輪車用フロントフォーク装置等の車両用油圧緩衝器に係り、特にシリンダ内に挿入されたピストンロッド内に体積補償用の油溜室を形成し、ロードレースに用いて好適な車両用油圧緩衝器の減衰力調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に記載の如く、シリンダ内に挿入されたピストンロッド内に、シリンダ内に侵入/退出するピストンロッドの体積分の作動油を補償するための油溜室を形成した油圧緩衝器がある。
【0003】
特許文献1の油圧緩衝器は、伸側の減衰力発生手段である弁装置5を有するとともに、圧側の減衰力発生手段である弁装置7、8を有する。弁装置8は、ニードル弁8Aとこれに相対するバルブシート8Bからなり、ニードル弁8Aの位置の設定替えにより圧側減衰力を調整可能にする。
【0004】
【特許文献1】
特許第2682618号(3頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の油圧緩衝器では、伸側減衰力を調整することができない。
【0006】
本発明の課題は、シリンダ内に挿入されたピストンロッド内に、シリンダ内に侵入/退出するピストンロッドの体積分の作動油を補償するための油溜室を形成した油圧緩衝器において、圧側減衰力を調整可能にするとともに、伸側減衰力も調整可能にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、シリンダ内にピストンを介して中空ピストンロッドを摺動自在に挿入し、該ピストンによりシリンダ内に、ピストンロッドを収容するピストンロッド側油室と、ピストンロッドを収容しないピストン側油室を区画し、ピストンの圧側流路に圧側バルブを設けるとともに、伸側流路に伸側バルブを設け、中空ピストンロッド内に隔壁部材を設け、該隔壁部材により中空ピストンロッド内に、ピストン側油室に連通する連通路と、油溜室を区画し、隔壁部材の圧側流路に圧側バルブを設けるとともに、伸側流路に伸側バルブを設け、隔壁部材の両側の、油溜室と連通路を連通する第1のバイパス流路を隔壁部材内に設け、中空ピストンロッド内に設けた第1の調整ロッドの先端部に、第1のバイパス流路の流路面積を調整する第1の調整部材を設けた油圧緩衝器の減衰力調整装置において、ピストンの両側の、ピストンロッド側油室とピストン側油室を連通する第2のバイパス流路をピストン内に設け、第1の調整ロッド及び第1の調整部材の中空部に、第2の調整ロッドを挿通し、中空ピストンロッド内に設けた第2の調整ロッドの先端部に、第2のバイパス流路の流路面積を調整する第2の調整部材を設けるとともに、第2の調整部材に前記連通路の一部を構成する流路を形成したものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記第1の調整ロッドが中空パイプからなるとともに、前記第1の調整部材が、該中空パイプの先端部に設けた環状のニードル弁からなり、該中空パイプ及び環状のニードル弁の中空部に、前記第2の調整ロッドを挿通したものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記第2の調整部材が、先端部に向かって縮径する環状のニードル弁からなり、該環状のニードル弁の中空部に、前記連通路の一部を構成する流路を形成したものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記第1の調整部材と第2の調整部材のそれぞれが、前記第1の調整ロッドと第2の調整ロッドに連動して軸方向に移動し、前記第1のバイパス流路と第2のバイパス流路の流路面積を調整するようにしたものである。
【0011】
請求項5の発明は、請求項3又は4の発明において更に、前記第2のバイパス流路が、前記中空ピストンロッドの中空部に挿入される第2の調整部材の外周側に、前記連通路に開口することのないように設けられ、第2のバイパス流路のピストン側油室への開口部に伸側サブバルブを設けたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1はフロントフォーク装置を示す全体断面図、図2はフロントフォークを示す断面図、図3は図2の下部拡大図、図4は図2の中間部拡大図、図5は図2の上部拡大図、図6は圧側減衰力調整装置を示す要部拡大図、図7は伸側減衰力調整装置を示す要部拡大図、図8は伸側減衰力調整装置の変形例を示す要部拡大図である。
【0013】
車両のフロントフォーク装置1は、図1に示す如く、自動二輪車、自転車等の車両の左右両側に設けられる左右のフロントフォーク(車両用油圧緩衝器)10、20からなる。フロントフォーク装置1は、そのフロントフォーク10、20の車軸ブラケット108、207に、前輪の共通の車軸の両端部が取付けられる。
【0014】
フロントフォーク装置1は、一方のフロントフォーク10に車両が路面から受ける衝撃力を緩衝する懸架スプリング11を内蔵し、他方のフロントフォーク20に懸架スプリング11の伸縮振動を制振するダンパユニット21を内蔵する。フロントフォーク装置1は、懸架スプリング11の設置とダンパユニット21の設置をフロントフォーク10とフロントフォーク20のそれぞれに分担させ、コスト低減を図るものである。
【0015】
(フロントフォーク10)(図1)
フロントフォーク10は、図1に示す如く、車体側に支持されるアウタチューブ101(車体側チューブ)に、車軸に結合されるインナチューブ102(車輪側チューブ)に摺動自在に嵌合し、両チューブ101、102の間に懸架スプリング11を介装している。
【0016】
フロントフォーク10は、アウタチューブ101に取付けたシリンダ104と、インナチューブ102に取付けたピストンロッド105を有する。ピストンロッド105はシリンダ104内にピストン111を介して摺動自在に挿入され、シリンダ104内に、ピストン111にて区画した上下の油室112A、112Bを形成する。また、フロントフォーク10は、シリンダ104とピストンロッド105の間で、最伸長時の伸び切りストロークを規制する伸び切り規制装置を備える。伸び切り規制装置は、シリンダ104の下端開口部に螺着したロッドガイド113と、ピストンロッド105のシリンダ104への挿入端に設けた上述のピストン111とからなり、本実施形態では、ピストン111とロッドガイド113の間に伸び切り端規制スプリング114を介装している。
【0017】
フロントフォーク10は、シリンダ104の外周に外側油室115を設けるとともに、外側油室115の上部に気体室116を設けている。
【0018】
(フロントフォーク20)(図1〜図7)
フロントフォーク20は、図1、図2に示す如く、車体側に支持されるアウタチューブ201(車体側チューブ)に、車軸に支持されるインナチューブ202(車輪側チューブ)を摺動自在に嵌合し、同チューブ201、202の内部にダンパユニット21を正立にして内装している。即ち、ダンパユニット21は、後に詳述する如く、ダンパシリンダ205とピストンロッド206を有して構成される。ダンパシリンダ205の基端部にはボトムピース205Aが液密に封着される。インナチューブ202の下端外周には車軸ブラケット207の螺着孔が螺着され、車軸ブラケット207に設けられるシリンダ取付機構部208により、ダンパシリンダ205がインナチューブ202の底部に着脱可能に取付けられている。また、アウタチューブ201の上端開口にはキャップ209が螺着され、キャップ209にピストンロッド206が吊下げ支持される。
【0019】
尚、アウタチューブ201の下端内周にはインナチューブ202の外周に摺接するブッシュ201Aが、インナチューブ202の上端外周にはアウタチューブ201の内周に摺接するブッシュ202Aが設けられる。アウタチューブ201の下端内周には、インナチューブ202の外周に摺接する、オイルシール(シール部材)203A、ダストシール203Bも設けられる。
【0020】
フロントフォーク20は上述のシリンダ取付機構部208を以下の如くに構成している。
【0021】
フロントフォーク20は、図3に示す如く、車軸ブラケット207とともにインナチューブ202の底部を構成する円形カップ状の底部メタル130を、該車軸ブラケット207に設けた嵌着孔(インナチューブ202のための螺着孔と同軸をなす孔)に液密に嵌着するとともに、該車軸ブラケット207に螺着されるインナチューブ202の下端面により該車軸ブラケット207の段差部との間にこの底部メタル130を挟み込み固定し、ダンパシリンダ205の基端部を構成しているボトムピース205Aに螺着した基端連結部材140を、底部メタル130に設けた凹部131に嵌合する。底部メタル130の凹部131と基端連結部材140の連結部141の、インナチューブ202の軸方向視における輪郭形状は半円状とされ、連結部141の平面141Aと円弧面141Bのそれぞれを凹部131の平面131Aと円弧面131Bのそれぞれに係合状態で嵌合することにより、ダンパシリンダ205の基端部を該ダンパシリンダ205の中心軸まわりに回り止めする。凹部131の平面131Aは底部メタル130の直径上、及び該底部メタル130が組付けられたインナチューブ202、車軸ブラケット207の嵌合孔の直径上に位置する。
【0022】
フロントフォーク20は、インナチューブ202の底部を構成する車軸ブラケット207及び底部メタル130に横孔207A、132を設け、横方向の外方から外部操作可能なボルト状取付部材150をこの横孔207A、132に外部から液密に挿通する。取付部材150は、操作部151を備えるとともに、先端側のねじ部152を底部メタル130の横孔132から凹部131の側に突き出し、凹部131に嵌合された基端連結部材140の連結部141のねじ部142に着脱可能に螺合する。
【0023】
取付部材150は、中間部にフランジ部153を備える。取付部材150のフランジ部153は、底部メタル130の横孔132の外面側に設けた該横孔132に対して大径段差状をなす前端部133に当接した状態で、取付部材150に螺合する基端連結部材140の連結部141(平面141A)を、底部メタル130の凹部131(平面131A)に引き寄せ状態で締結する。
【0024】
取付部材150は、車軸ブラケット207及び底部メタル130に抜け止め状態で設けられ、取付部材150のねじ部152とフランジ部153の間の中間軸154を底部メタル130の横孔132に設けてある液密シール部材134に常に封着せしめる。本実施形態では、車軸ブラケット207の横孔207Aの内周に抜け止めカラー160を螺着して固定し、取付部材150のフランジ部153を抜け止めカラー160のストッパ部161に当接させて抜け止め可能にする。車軸ブラケット207、底部メタル130及び抜け止めカラー160は、底部メタル130の前端部133と、抜け止めカラー160のストッパ部161との間に、取付部材150のフランジ部153を移動自在にする環状スペース162を形成する。尚、取付部材150の操作部151には、ワイヤ連結孔等が設けられ、取付部材150をワイヤ等にて車軸ブラケット207等に連結可能にする。
【0025】
フロントフォーク20にあっては、アウタチューブ201及びインナチューブ202からダンパユニット21を以下の如くに取外しできる。
【0026】
(1)インナチューブ202に螺着してある車軸ブラケット207の外部に露出している取付部材150を操作し、ダンパシリンダ205の基端部(ボトムピース205A)に螺着してある基端連結部材140の連結部141のねじ部142と取付部材150のねじ部152の螺着を解き、基端連結部材140の連結部141から取付部材150を取外す。尚、取付部材150は、基端連結部材140から取外されても、抜け止めカラー160の存在により、底部メタル130の横孔132から抜け止めされ、インナチューブ202の底部を封止し続ける。
【0027】
(2)キャップ209とアウタチューブ201の上端開口との螺着を解く。これにより、キャップ209をアウタチュー201から取外せば、キャップ209に吊下げ状態で組付けられているダンパユニット21がアウタチューブ201、インナチューブ202から取出し可能になる。
【0028】
フロントフォーク20は、アウタチューブ201とインナチューブ202の内部で、ダンパユニット21の外周に、油室211と気体室212からなる外側室213を設け、油室211と気体室212とは自由界面を介して接触し、外側室213に閉じ込めたエアが気体ばねを構成する。フロントフォーク装置1は、前述したフロントフォーク10における懸架スプリング11及び気体室116の気体ばねと、フロントフォーク20における気体室212の気体ばねが、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
【0029】
ダンパユニット21は、フロントフォーク20の減衰力発生装置を構成する、ピストンバルブ装置220と、ベースバルブ装置230とを有する。フロントフォーク装置1は、フロントフォーク20のピストンバルブ装置220とベースバルブ装置230が発生する減衰力により、フロントフォーク10の懸架スプリング11と、フロントフォーク10、20の気体ばねによる衝撃力の吸収に伴なう、フロントフォーク10のアウタチューブ101、インナチューブ102、フロントフォーク20のアウタチューブ201、インナチューブ202の伸縮振動を抑制する。
【0030】
(ピストンバルブ装置220)(図4)
ピストンバルブ装置220は、図4に示す如く、キャップ209に吊下げ支持される複数の中空筒状体の連結体であるピストンロッド206の先端部にピストン221を設けている。ピストン221は、ダンパシリンダ205の内部をピストンロッド206が収容されるロッド側油室222Aと、ピストンロッド206が収容されないピストン側油室222Bに区画し、ダンパシリンダ205の内部を摺動する。
【0031】
ピストン221は、ロッド側油室222Aとピストン側油室222Bをつなぐ伸側流路223に伸側板バルブ223Aを設け、ロッド側油室222Aとピストン側油室222Bをつなぐ圧側流路224に圧側板バルブ224Aを設けてある。伸側板バルブ223Aは伸長時にロッド側油室222Aからピストン側油室222Bに流れる油に抵抗を付与し、伸長時の減衰力を発生し、圧側板バルブ224Bは圧縮時にピストン側油室222Bからロッド側油室222Aに流れる油に抵抗を付与し、圧縮時の減衰力を発生する。
【0032】
(ベースバルブ装置230)(図5)
ベースバルブ装置230は、図5に示す如く、アウタチューブ201の上端開口に螺着されているキャップ209に回転可能に支持されている支持ロッド231の下端側にガイドパイプ232を固定し、ガイドパイプ232の先端側に隔壁部材233を設けている。このとき、ピストンロッド206を構成する1つの中空筒状体206Aの内周部に固定化されている中空支持部材233Aにガイドパイプ232の先端部を挿着し、隔壁部材233を中空支持部材233Aに支持し、隔壁部材233を中空筒状体206Aの内周部に液密に固定配置する。隔壁部材233はピストンロッド206内に、前述のピストン側油室222Bに連通する連通路222Cと、油溜室234の油室234Aを区画形成する。油溜室234は、シリンダ205内に侵入/退出するピストンロッド206の体積分の作動油を補償する。
【0033】
隔壁部材233は、ピストン側油室222Bに連通する連通路222Cと油室234Aをつなぐ圧側流路235に圧側板バルブ235Aを設け、ピストン側油室222Bに連通する連通路222Cと油室234Aをつなぐ伸側流路236に伸側板バルブ236Aを設けている。圧側板バルブ235Aは圧縮時にピストン側油室222Bから連通路222Cを介して油室234Aに流れる油に抵抗を付与し、圧縮時の減衰力を発生し、伸側板バルブ236Aは伸長時に油室234Aから連通路222Cを介してピストン側油室222Bに流れる油に抵抗を付与し、伸長時の減衰力を発生する。
【0034】
ベースバルブ装置230は、中空筒状体206Aとガイドパイプ232に沿って液密に摺動するフリーピストン241を備える。フリーピストン241は、油溜室234の油室234Aと、キャップ209の側の気体室234Bとを区画する。尚、スプリング242が、フロントフォーク20の最大伸長時にもばね荷重を有するように、フリーピストン241と、支持ロッド231に螺着されてキャップ209の内周に設けた直線動ガイドにガイドされて上下動するばね受け243との間に介装される。スプリング242は、フリーピストン241により油室234A、連通路222Cを介して、ダンパシリンダ205内のピストン側油室222Bを加圧し、ピストン側油室222Bにおけるキャビテーションの発生を防止し、減衰力発生の遅れを回避する。
【0035】
しかるに、ダンパユニット21では、ベースバルブ装置230に圧側減衰力調整装置250を備えるとともに、ピストンバルブ装置220に伸側減衰力調整装置260を備える。
【0036】
(圧側減衰力調整装置250)(図5、図6)
圧側減衰力調整装置250は、隔壁部材233の両側の、油溜室234の油室234Aと、ピストンロッド206の連通路222Cを連通する第1のバイパス流路251を隔壁部材233の内部、具体的には隔壁部材233の中空支持部材233Aの内部に設ける。
【0037】
圧側減衰力調整装置250は、キャップ209に中空状の低速圧側アジャスタ252を枢着し、圧側アジャスタ252と回転方向に一体結合した中空押動子253を前述の支持ロッド231の内周に螺合し、中空押動子253の螺動に伴なって該押動子253により軸方向に押動されて移動する第1の調整ロッド254を、支持ロッド231〜中空支持部材233Aに渡って設けてあるガイドパイプ232の内部に延在する。
【0038】
圧側減衰力調整装置250は、中空支持部材233Aの内部で圧縮ばね255により上向きに弾発されている第1の調整部材256を有し、中空支持部材233Aの内部に侵入する第1の調整ロッド254の先端部を第1の調整部材256の上端面に衝合する。第1の調整部材256は中空支持部材233Aの内部に設けてある環状の前述した第1のバイパス流路251の中間部に挿入され、第1の調整ロッド254の軸方向の移動に連動して軸方向に移動し、第1のバイパス流路251の流路面積を調整し、結果として、低速圧縮時にピストン側油室222Bの油が連通路222Cから第1のバイパス流路251を経由して油溜室234の油室234Aに流れるときに、第1のバイパス流路251がこの油の流れに付与する絞り抵抗を調整し、圧側減衰力を調整する。
【0039】
尚、第1の調整ロッド254は中空パイプからなり、第1の調整部材256は中空パイプの先端部に設けた環状のニードル弁からなる。
【0040】
また、第1のバイパス流路251は、中空支持部材233Aの中空部に挿入される第1の調整部材256の外周側に設けられ、第1のバイパス流路251の油溜室234の油室234Aへの開口部に圧側サブ板バルブ257を設けてある。
【0041】
(伸側減衰力調整装置260)(図5、図7)
伸側減衰力調整装置260は、ピストン221の両側の、ロッド側油室222Aとピストン側油室222Bを連通する第2のバイパス流路261をピストン221の内部、具体的にはピストンロッド206の先端部を構成する1つの中空筒状体206Bの内部に設ける。
【0042】
伸側減衰力調整装置260は、キャップ209の圧側アジャスタ252の中空部に低速伸側アジャスタ262を枢着し、伸側アジャスタ262と回転方向に一体結合した中空押動子263を圧側アジャスタ252の内周に螺合し、中空押動子263の螺動に伴なって該中空押動子263により軸方向に押動されて移動する第2の調整ロッド264(2本の直列をなすロッド264、264からなる)を、第1の調整ロッド254及び第1の調整部材256の中空部に挿通する。第2の調整ロッド264は、第1の調整ロッド254の中空パイプ、及び第1の調整部材256の環状のニードル弁の中空部に挿通される。第2の調整ロッド264は第1の調整ロッド254及び第1の調整部材256を貫通し、中空筒状体206Aと中空筒状体206Bの間の中空筒状体206Cの内部で、中空筒状体206Aと中空筒状体206Bに挟まれる中空ロッド265の内部に延在する。
【0043】
伸側減衰力調整装置260は、中空筒状体206Bの内部で圧縮ばね266により上向きに弾発されている第2の調整部材267を有し、中空筒状体206Bの内部に侵入する第2の調整ロッド264の先端部を第2の調整部材267の上端面に衝合する。第2の調整部材267は中空筒状体206Bの内部に設けてある環状の前述した第2のバイパス流路261の中間部に挿入され、第2の調整ロッド264の軸方向の移動に連動して軸方向に移動し、第2のバイパス流路261の流路面積を調整し、結果として、低速伸長時にロッド側油室222Aの油が第2のバイパス流路261を経由してピストン側油室222Bに流れるときに、第2のバイパス流路261がこの油の流れに付与する絞り抵抗を調整し、伸側減衰力を調整する。
【0044】
ここで、伸側減衰力調整装置260は、第2の調整部材267に、ピストン側油室222Bに連通する前述の連通路222Cの一部を構成する流路267Aを形成する。具体的には、第2の調整部材267は、先端部に向かって縮径する環状のニードル弁からなり、環状のニードル弁の中空部に、上記流路267Aを形成する。
【0045】
また、伸側減衰力調整装置260は、第2の調整部材267の先端部を中空筒状体206Bの先端側内周に液密にスライド可能となるように嵌合している。そして、第2のバイパス流路261は、中空筒状体206Bの中空部に挿入される第2の調整部材267の外周側に、前記連通路222Cに開口することのないように設けられ、第2のバイパス流路261のピストン側油室222Bへの開口部に伸側サブ板バルブ268を設けてある。
【0046】
以上により、フロントフォーク20の伸長時には、ピストンバルブ装置220の第2の調整部材267、伸側板バルブ223Aにおいて伸側減衰力を生じ、ベースバルブ装置230では殆ど減衰力を生じない。
【0047】
フロントフォーク20の圧縮時には、ベースバルブ装置230の第1の調整部材256、圧側板バルブ235Aにおいて圧側減衰力を生じ、ピストンバルブ装置220では殆ど減衰力を生じない。
【0048】
これらの圧側と伸側の減衰力により、フロントフォーク10とフロントフォーク20の伸縮振動が抑制される。
【0049】
本実施形態によれば以下の作用効果を奏する。
▲1▼第1の調整ロッド254及び第1の調整部材256の中空部に、第2の調整ロッド264を挿通し、第2の調整ロッド264の先端部に第2の調整部材267を設け、第2の調整部材267により、シリンダ205のロッド側油室222Aとピストン側油室222Bを連通する第2のバイパス流路261の流路面積を調整するようにした。従って、第2の調整ロッド264及び第2の調整部材267によって伸側減衰力を調整できる。
【0050】
▲2▼第2の調整部材267に、ピストン側油室222Bに連通する連通路222Cの一部(流路267A)を構成し、ピストン側油室222Bと油溜室234とを隔壁部材233に設けた圧側流路235と伸側流路236により連通可能にした。従って、シリンダ205内に侵入/退出するピストンロッド206の体積分の作動油を、ピストン側油室222Bと油溜室234の間で給排可能にし、ピストンロッド206の体積補償に支障を来たさない。
【0051】
▲3▼第1の調整ロッド254が中空パイプからなるとともに、第1の調整部材256が、該中空パイプの先端部に設けた環状のニードル弁からなるものとすることにより、伸側減衰力を調整するための第2の調整ロッド264を中空パイプ及び環状のニードル弁の中空部に挿通できる。
【0052】
▲4▼第2の調整部材267が第2の調整ロッド264に連動して軸方向に移動し、伸側減衰力を調整する。第2の調整ロッド264は軸方向に長くなるが、軸方向に移動して減衰力を調整するから、回転して減衰力を調整するものに比してねじれがなく、伸側減衰力を安定的に調整できる。
【0053】
▲5▼第2のバイパス流路261が第2の調整部材267の外周側に設けられて連通路222Cに開口しないから、第2のバイパス流路261を連通路222Cに開口するものに比して、第2のバイパス流路261が連通路222Cに干渉しない。これにより、第2のバイパス流路261の開口部に設けられる伸側サブ板バルブ268の作動の安定を図ることができる。
【0054】
図8は、伸側減衰力調整装置260の変形例である。図8の伸側減衰力調整装置260は、第2のバイパス流路261を、中空筒状体206Bの中空部に挿入される第2の調整部材267の外周側に、前記連通路222C(流路267A)に開口させる状態で設けた。伸側サブ板バルブ268は具備しない。
【0055】
尚、本発明においては、ダンパシリンダ205を備えず、アウタチューブ201の側に設けたピストンロッド206の先端部のピストン221をインナチューブ202に摺動自在に挿入し(インナチューブ202が本発明のシリンダに相当するものになる)、インナチューブ202の上端側の内周に設けたロッドガイドにピストンロッド206の中間部を液密に摺接可能にするものでも良い。
【0056】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、シリンダ内に挿入されたピストンロッド内に、シリンダ内に侵入/退出するピストンロッドの体積分の作動油を補償するための油溜室を形成した油圧緩衝器において、圧側減衰力を調整可能にするとともに、伸側減衰力も調整可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はフロントフォーク装置を示す全体断面図である。
【図2】図2はフロントフォークを示す断面図である。
【図3】図3は図2の下部拡大図である。
【図4】図4は図2の中間部拡大図である。
【図5】図5は図2の上部拡大図である。
【図6】図6は圧側減衰力調整装置を示す要部拡大図である。
【図7】図7は伸側減衰力調整装置を示す要部拡大図である。
【図8】図8は伸側減衰力調整装置の変形例を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
20 フロントフォーク(油圧緩衝器)
21 ダンパユニット
205 ダンパシリンダ
206 ピストンロッド
221 ピストン
222A ピストンロッド側油室
222B ピストン側油室
222C 連通路
223 伸側流路
223A 伸側板バルブ
224 圧側流路
224A 圧側板バルブ
233 隔壁部材
234 油溜室
235 圧側流路
235A 圧側板バルブ
236 伸側流路
236A 伸側板バルブ
250 圧側減衰力調整装置
251 第1のバイパス流路
254 第1の調整ロッド
256 第1の調整部材
260 伸側減衰力調整装置
261 第2のバイパス流路
264 第2の調整ロッド
267 第2の調整部材
267A 流路
268 伸側サブ板バルブ

Claims (5)

  1. シリンダ内にピストンを介して中空ピストンロッドを摺動自在に挿入し、該ピストンによりシリンダ内に、ピストンロッドを収容するピストンロッド側油室と、ピストンロッドを収容しないピストン側油室を区画し、
    ピストンの圧側流路に圧側バルブを設けるとともに、伸側流路に伸側バルブを設け、
    中空ピストンロッド内に隔壁部材を設け、該隔壁部材により中空ピストンロッド内に、ピストン側油室に連通する連通路と、油溜室を区画し、
    隔壁部材の圧側流路に圧側バルブを設けるとともに、伸側流路に伸側バルブを設け、
    隔壁部材の両側の、油溜室と連通路を連通する第1のバイパス流路を隔壁部材内に設け、
    中空ピストンロッド内に設けた第1の調整ロッドの先端部に、第1のバイパス流路の流路面積を調整する第1の調整部材を設けた油圧緩衝器の減衰力調整装置において、
    ピストンの両側の、ピストンロッド側油室とピストン側油室を連通する第2のバイパス流路をピストン内に設け、
    第1の調整ロッド及び第1の調整部材の中空部に、第2の調整ロッドを挿通し、中空ピストンロッド内に設けた第2の調整ロッドの先端部に、第2のバイパス流路の流路面積を調整する第2の調整部材を設けるとともに、第2の調整部材に前記連通路の一部を構成する流路を形成したことを特徴とする車両用油圧緩衝器の減衰力調整装置。
  2. 前記第1の調整ロッドが中空パイプからなるとともに、前記第1の調整部材が、該中空パイプの先端部に設けた環状のニードル弁からなり、該中空パイプ及び環状のニードル弁の中空部に、前記第2の調整ロッドを挿通した請求項1に記載の車両用油圧緩衝器の減衰力調整装置。
  3. 前記第2の調整部材が、先端部に向かって縮径する環状のニードル弁からなり、該環状のニードル弁の中空部に、前記連通路の一部を構成する流路を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用油圧緩衝器の減衰力調整装置。
  4. 前記第1の調整部材と第2の調整部材のそれぞれが、前記第1の調整ロッドと第2の調整ロッドに連動して軸方向に移動し、前記第1のバイパス流路と第2のバイパス流路の流路面積を調整する請求項1〜3のいずれかに記載の車両用油圧緩衝器の減衰力調整装置。
  5. 前記第2のバイパス流路が、前記中空ピストンロッドの中空部に挿入される第2の調整部材の外周側に、前記連通路に開口することのないように設けられ、第2のバイパス流路のピストン側油室への開口部に伸側サブバルブを設けた請求項3又は4に記載の車両用油圧緩衝器の減衰力調整装置。
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