JP2009236196A - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】アウタチューブに取付けたピストンロッドに設けたピストンを、インナチューブの内部の作動油室に摺動させる油圧緩衝器において、減衰力の安定を図ること。
【解決手段】インナチューブ12内の軸方向に沿う上下2位置に上下の隔壁部材17、18を設け、上下の隔壁部材の間に作動油室21を、上隔壁部材の上部に油溜室22をそれぞれ区画し、アウタチューブ11側に取付けたピストンロッド23を上下の隔壁部材に貫通させてインナチューブ内の作動油室に挿入し、上下の隔壁部材に挟まれるピストンロッドの中間部にインナチューブ内の作動油室を摺動するピストン26を設け、インナチューブ内の作動油室をピストンにより上下の油室21A、21Bに区画し、ピストンの上下の油室を連絡する流路に減衰力発生部を設けてなるもの。
【選択図】図1

Description

本発明は油圧緩衝器に関する。
従来、油圧緩衝器として、特許文献1に記載の如く、車体側のアウタチューブ内に車軸側のインナチューブを摺動自在に挿入し、インナチューブに隔壁部材を設け、該隔壁部材の隔壁部の下部の該インナチューブの内部に作動油室を、上部に油溜室を区画し、アウタチューブ側に取付けたピストンロッドを、隔壁部材の隔壁部を貫通して作動油室に挿入し、該ピストンロッドの先端部に作動油室を摺動するピストンを設け、アウタチューブの内周とインナチューブの外周との間に環状の油室を区画し、この環状の油室をインナチューブに設けた油孔を介して作動油室に連通し、作動油室の内部をピストンによりピストン側油室とロッド側油室に区画し、ピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側減衰バルブと圧側減衰バルブを設けてなるものがある。
特許文献1に記載の油圧緩衝器において、環状油室は、油圧緩衝器の伸縮に伴なって容積を変化し、圧縮時には、拡大してピストンロッドの油室への進入分の作動油をピストンロッド側油室からインナチューブの油孔を介して吸収し、伸長時には、縮小してピストンロッドの油室から退出分の作動油をインナチューブの油孔を介してピストンロッド側油室に補給し、ピストンロッドの進入/退出分の体積補償室を構成する。このとき、アウタチューブとインナチューブの環状隙間からなる環状油室の断面積S1とピストンロッドの断面積S2を、S1=S2とする各部材の寸法管理の困難を回避するため、S1>S2とするとともに、圧側行程でΔS1>ΔS2になることに起因するインナチューブの作動油室から環状油室への油の補給不足分(ΔS1−ΔS2)を油溜室から作動油室に補給するためのチェック弁を隔壁部材に設けている。また、伸側行程でΔS1>ΔS2になることに起因する環状油室から作動油室への油の排出余剰分(ΔS1−ΔS2)を作動油室から油溜室に排出するための微小流路を隔壁部材に設けている。
このような特許文献1に記載の油圧緩衝器によれば、ピストンロッドが挿入される作動油室をインナチューブにより形成し、インナチューブ内に格別に設けたダンパシリンダにより形成するものでないから、構成を簡素化できる。また、作動油室を摺動するピストンの外径をインナチューブの内径と同一をなす大きい径に設定でき、作動油室の圧力を低減できるから、減衰バルブが発生する減衰力のばらつきを抑えることができる。
特開2003-269515
特許文献1に記載の油圧緩衝器では、インナチューブ内の作動油室へのピストンロッドの進入/退出分の体積補償を行なうために、隔壁部材にチェック弁と微小流路を設け、油溜室と作動油室の間での油の移動が必要になる。このため、作動油室の油に気泡が混入し易くなり、これが減衰力の不安定化を引き起こすおそれがある。
また、隔壁部材に設けた微小流路の絞り度合とピストンに設けた伸側減衰バルブの絞り度合の相互関係の設定にも困難を伴なう。微小流路の絞り度合が伸側減衰バルブの絞り度合より弱いと、ロッド側油室の油が微小流路を介して油溜室へ流れ易く、伸側減衰バルブを開いてピストン側油室へ流れる油量が少なくなるから、伸側減衰力が不足、不安定になるし、伸側行程から圧側行程への反転時にピストンロッドの移動の遊びを生じて圧側減衰力が不足、不安定になる。
本発明の課題は、アウタチューブに取付けたピストンロッドに設けたピストンを、インナチューブの内部の作動油室に摺動させる油圧緩衝器において、減衰力の安定を図ることにある。
請求項1の発明は、車体側のアウタチューブ内に車軸側のインナチューブを摺動自在に挿入し、インナチューブ内の軸方向に沿う上下2位置に上下の隔壁部材を設け、上下の隔壁部材の間に作動油室を、上隔壁部材の上部に油溜室をそれぞれ区画し、アウタチューブ側に取付けたピストンロッドを上下の隔壁部材に貫通させてインナチューブ内の作動油室に挿入し、上下の隔壁部材に挟まれるピストンロッドの中間部にインナチューブ内の作動油室を摺動するピストンを設け、インナチューブ内の作動油室をピストンにより上下の油室に区画し、ピストンの上下の油室を連絡する流路に減衰力発生部を設けてなるようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記上隔壁部材に、油溜室と上油室を連通する微小流路を設けるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記上隔壁部材に、油溜室から上油室への油の流れを許容する逆止弁を設けるようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記アウタチューブの内周とインナチューブの外周との間に環状の油室を区画し、この環状の油室をインナチューブに設けた油孔を介して油溜室に連通するようにしたものである。
(請求項1)
(a)アウタチューブ側に取付けたピストンロッドを上下の隔壁部材に貫通させてインナチューブ内の作動油室に挿入し、上下の隔壁部材に挟まれるピストンロッドの中間部にインナチューブ内の作動油室を摺動するピストンを設けた。従って、油圧緩衝器が伸縮するときに、インナチューブ内の作動油室に進入/退出するピストンロッドが両ロッド型になり、ピストンロッドの進入/退出分の体積補償を行なう必要がない。このため、ピストンロッドの体積補償用流路、又は体積補償の微調用流路となるチェック弁や微小流路を隔壁部材に設ける必要がなく、体積補償のための油を作動油室と油溜室の間で移動する必要がない。よって、作動油室の油に気泡が混入することがないし、ピストンに設けた減衰バルブの絞り度合の設定も容易になり、減衰力の安定化を図ることができる。
(請求項2)
(b)上隔壁部材に、油溜室と上油室を連通する微小流路を設けた。従って、インナチューブ内の作動油室の油の温度膨張分は、作動油室からこの微小流路を通って油溜室に排出され、温度補償される。
(請求項3)
(c)上隔壁部材に、油溜室から上油室への油の流れを許容する逆止弁を設けた。従って、インナチューブ内の作動油室の油の温度収縮分は、油溜室からこの逆止弁を通って直ちに作動油室に吸入され、温度補償される。
(請求項4)
(d)アウタチューブの内周とインナチューブの外周の間の環状油室を、インナチューブの油孔を介して油溜室に常時連通する潤滑用油室とし、インナチューブの先端側の摺動部、アウタチューブの開口端側の摺動部を潤滑できる。この環状油室(潤滑用油室)は、直に油溜室に連通するものであり、作動油室の容積に関与することがない。
図1は油圧緩衝器を示す全体断面図、図2は図1の拡大図、図3は図2の下部拡大図、図4は図2の上部拡大図、図5はキャップに設けた調整部を示す断面図、図6は減衰力調整構造を示す断面図である。
フロントフォーク(油圧緩衝器)10は、アウタチューブ11を車体側に、インナチューブ12を車輪側に配置する倒立型フロントフォークであり、図1〜図4に示す如く、アウタチューブ11の下端開口部の内周に固定したガイドブッシュ11Aと、インナチューブ12の上端開口部の外周に固定したガイドブッシュ12Aを介して、アウタチューブ11の内部にインナチューブ12を摺動自在に挿入する。11Bはオイルシール、11Cはダストシールである。アウタチューブ11の上端開口部にはキャップ13が液密に螺着されて封着され、アウタチューブ11の外周には車体側取付部材が設けられる。インナチューブ12の下端開口部には車軸ブラケット15が液密に挿着されて螺着されてインナチューブ12の底部を構成し、車軸ブラケット15には車軸取付孔15Aが設けられる。
フロントフォーク10は、アウタチューブ11の内周と、インナチューブ12の外周と、前記2つのガイドブッシュ11A、12Aにて区画される環状油室16を区画する。
フロントフォーク10はインナチューブ12内の軸方向に沿う上下2位置に上下の隔壁部材17、18を設ける。上隔壁部材17は、有底筒状の上端外周部をインナチューブ12の上端内周部に螺着するとともに、インナチューブ12の内周に添設され、その底部をロッドガイド部17Aとする。ロッドガイド部17AはOリング17Bを介してインナチューブ12の内周に液密に封着される。下隔壁部材18は、インナチューブ12の下端部と車軸ブラケット15の底部との間に挟持してインナチューブ12の内周に添設した支持筒19の上端内周部に螺着され、ロッドガイド部18Aを構成する。ロッドガイド部18AはOリング18Bを介してインナチューブ12の内周に液密に封着される。
フロントフォーク10は、インナチューブ12の内部で、上下の隔壁部材17、18のロッドガイド部17A、18Aの間に作動油室21を区画し、上隔壁部材17のロッドガイド部17Aの上部に油溜室22を区画する。油溜室22の中で、その下側領域は油室22A、上側領域は空気室22Bである。
フロントフォーク10は、アウタチューブ11側に取付けたピストンロッド23を上下の隔壁部材17、18のロッドガイド部17A、18Aに貫通させて、インナチューブ12内の作動油室21に挿入し、上下のロッドガイド部17A、18Aに挟まれるピストンロッド23の中間部にインナチューブ12内の作動油室21を摺動するピストン26を設ける。具体的には、ピストンロッド23を同一断面(同一径)の上下のロッド23A、23Bからなるものにしている。そして、キャップ13の中心部の下端部に螺着した取付カラー24に上ロッド23Aを螺着し、これをロックナット24Aで固定する。また、上隔壁部材17のロッドガイド部17Aが備えるブッシュ17Cを通して作動油室21に挿入した上ロッド23Aの先端部にピストンボルト25の上端部を螺着し、このピストンボルト25の中間部にピストン26を挿着して固定し、ピストンボルト25の下端部に下ロッド23Bを螺着して固定する。下ロッド23Bは下隔壁部材18のロッドガイド部18Aが備えるオイルシール18C、ブッシュ18Dを通って、下隔壁部材18の下部の空気室27に進入する。空気室27は、本実施例ではインナチューブ12の内部に車軸ブラケット15と下隔壁部材18が区画して形成したものであるが、外部空間に開放されても良い。但し、空気室27は外部空間に対し閉じられていても、圧縮性空気の容積変化により、フロントフォーク10の伸縮に伴なう下ロッド23Bの進入/退出に支障を生じない。
フロントフォーク10は、インナチューブ12内の作動油室21をピストン26により上下の油室21A、21Bに区画し、ピストン26に設けた上下の油室21A、21Bを連絡する流路(後述する圧側流路41、伸側流路42)に減衰力発生部(後述する圧側ディスクバルブ41A、伸側ディスクバルブ42A)を設ける。上油室21Aは上ロッド23Aを収容し、下油室21Bは下ロッド23Bを収容する。
フロントフォーク10は、前記環状油室16を、インナチューブ12に設けた油孔28、上隔壁部材17のロッドガイド部17Aに設けた油孔29を介して、油溜室22の油室22Aに常時連通する。環状油室16は、アウタチューブ11とインナチューブ12のガイドブッシュ11A、12Aのための潤滑用油室になる。
フロントフォーク10は、キャップ13に螺着した取付カラー24に取着した上ばね受31と、上隔壁部材17のロッドガイド部17Aの上面に支持させた下ばね受32の間に、メイン懸架スプリング33を介装している。尚、上ばね受31とメイン懸架スプリング33の上端部の間にはスプリングカラー34のフランジが挟持され、スプリングカラー34はピストンロッド23の外周に挿着されてメイン懸架スプリング33の内径をガイドする。フロントフォーク10は、車両走行時に路面から受ける衝撃力をメイン懸架スプリング33の伸縮振動により吸収する。
フロントフォーク10は、ピストン26に減衰力発生装置40を備える(図3、図4)。
減衰力発生装置40は、圧側流路41と伸側流路42を備える。圧側流路41は、バルブストッパ41Bにバックアップされる圧側ディスクバルブ41A(圧側減衰バルブ)により開閉される。伸側流路42は、バルブストッパ42Bにバックアップされる伸側ディスクバルブ42A(伸側減衰バルブ)により開閉される。尚、バルブストッパ41B、バルブ41A、ピストン26、バルブ42A、バルブストッパ42Bは、ピストンボルト25に挿着されるバルブ組立体を構成し、ピストンボルト25に螺着される下ロッド23Bに挟まれて固定される。
減衰力発生装置40は、キャップ13の中心部に後に詳述する減衰力調整装置40Aを設け、減衰力調整装置40Aのニードル弁85をピストンロッド23の中空部に挿入し、ピストンロッド23に設けたバイパス路45の開度をニードル弁85の上下動により調整する。バイパス路45は、ピストンボルト25と下ロッド23Bに穿設され、ピストン26をバイパスし、上油室21Aと下油室21Bを連絡する。46は下ロッド23Bの中空部を封止してバイパス路45を区画するプラグである。
減衰力発生装置40は、インナチューブ12にピストンロッド23(上ロッド23A)が進入する圧側行程では、低速域で、ニードル弁85により開度調整されたバイパス路45の通路抵抗により圧側減衰力を発生し、中高速域で、圧側ディスクバルブ41Aの撓み変形により圧側減衰力を発生する。また、インナチューブ12からピストンロッド23(上ロッド23A)が退出する伸側行程では、低速域で、ニードル弁85により開度調整されたバイパス路45の通路抵抗により伸側減衰力を発生し、中高速域で、伸側ディスクバルブ42Aの撓み変形により伸側減衰力を発生する。この圧側減衰力と伸側減衰力により、前述したメイン懸架スプリング33の伸縮振動を制振する。
フロントフォーク10は、キャップ13の下端面に、インナチューブ12に設けた上隔壁部材17の上端部が最圧縮ストロークで衝合するストッパラバー13A、ストッパ板13Bを設けており、このストッパラバー13Aによって最圧縮ストロークを規制する。
フロントフォーク10は、インナチューブ12の上端側の上隔壁部材17の上油室21Aに臨む下端面にストッパリング51Aを用いて固定したスプリングシート51と、ピストンロッド23(上ロッド23A)に設けたストッパリング52Aに係止させたスプリングシート52との間にリバウンドスプリング53を介装してある。フロントフォーク10の最伸長時に、上隔壁部材17がリバウンドスプリング53をスプリングシート52との間で加圧することにより、最伸長ストロークを規制する。
フロントフォーク10にあっては、上隔壁部材17のロッドガイド部17A及びスプリングシート51に、油溜室22から上油室21Aへの油の流れを許容する温度補償用チェック弁60を設けている。チェック弁60の下面とスプリングシート51の上面の間にはバルブスプリング60Aが介装され、チェック弁60を閉止位置に位置付けている。また、チェック弁60の内周に圧入してある前述のブッシュ17Cがピストンロッド23(上ロッド23A)の周囲に形成する微小間隙により、油溜室22と上油室21Aを連通する温度補償用微小流路(オリフィス)61(不図示)を構成する。
以下、減衰力調整装置40Aについて説明する。
減衰力調整装置40Aは、図3、図4に示す如く、同心状に挿通した2本のプッシュロッド71、72をピストンロッド23の中空部に挿通し(ピストンロッド23の中空部にプッシュロッド72を、プッシュロッド72の中空部にプッシュロッド71を挿通する)、プッシュロッド71を軸方向に移動させる第1調整部80と、プッシュロッド72を軸方向に移動させる第2調整部90を、フロントフォーク10の上部であるキャップ13に設ける。
第1調整部80は、ニードル弁85を移動させてバイパス路45の通路抵抗による減衰力を調整する。第2調整部90は、圧側ディスクバルブ41Aを閉じ方向に付勢するスプリング97のセット荷重を調整して圧側ディスクバルブ41Aのたわみ変形による減衰力を調整する。以下、第1調整部80と第2調整部90の構造、ニードル弁85を用いた減衰力調整構造、スプリング97を用いた減衰力調整構造について説明する。
(第1調整部80と第2調整部90の構造)(図3〜図6)
キャップ13の下端開口側に取付カラー24が螺着されてキャップ組立体100が構成される。キャップ組立体100のキャップ13がOリング101を介してアウタチューブ11の上端開口部に液密に螺着され、取付カラー24の下端部にピストンロッド23の上端部が螺着されてロックナット24Aで固定される。キャップ組立体100のキャップ13と取付カラー24が形成する環状凹部にはストッパラバー13Aが装填され、取付カラー24の外周にはストッパ板13Bが挿着されるとともに、このストッパ板13Bを係止するストッパリング13Cが係着される。
キャップ組立体100のキャップ13と取付カラー24にはアジャスト組立体110が装填される。アジャスト組立体110は、第1調整部80を第1アジャストボルト81により構成し、第2調整部90を第2アジャストボルト91により構成し、各アジャストボルト81、91毎に対応する、第1と第2のアジャストナット82、92を有する。第1アジャストナット82は対応する第1アジャストボルト81のねじ部81Aが螺合するねじ孔82Aと、他のアジャストボルト91のガイド部91Bが挿通するガイド孔82Bを備える。第2アジャストナット92は対応する第2アジャストボルト91のねじ部91Aが螺合するねじ孔92Aと、他のアジャストボルト81に嵌合したガイドカラー81Bが挿通するガイド孔92Bを備える。従って、第1アジャストボルト81の回転操作により、このアジャストボルト81が螺合している第1アジャストナット82は、当該アジャストナット82のガイド孔82Bと他のアジャストボルト91のガイド部91Bとの係合を介して回り止めかつ軸方向に移動ガイドされ、軸方向に上下動する。他方、第2アジャストボルト91の回転操作により、このアジャストボルト91が螺合している第2アジャストナット92は、当該アジャストナット92のガイド孔92Bと他のアジャストボルト81のガイドカラー81Bとの係合を介して回り止めかつ軸方向に移動ガイドされ、軸方向に上下動する。
アジャスト組立体110を構成する第1調整部80の第1アジャストボルト81と第2調整部90の第2アジャストボルト91は、キャップ組立体100を構成するキャップ13の平面視で、キャップ13の中心から外れる位置に並置されている2つの装填孔のそれぞれに、キャップ13の裏面側からOリング83、93を介して液密に挿着される。そして、第1アジャストボルト81と第2アジャストボルト91はアジャストナット82、92とともに、取付カラー24がキャップ13に螺着されて形成するキャップ組立体100の中心凹部102に納められ、アジャストボルト81、91のフランジ部81C、91Cをキャップ13の下面に当て、アジャストボルト81、91の下端面を取付カラー24が形成する中心凹部102の底面に近接される。アジャストナット82、92は取付カラー24が形成する中心凹部102の内周に摺接可能に納められる。ピストンロッド23及びプッシュロッド72の中空部から突出するプッシュッロッド71が第2アジャストナット92の中心孔92Cを貫通して第1アジャストナット82の下端面に突き当てられ、ピストンロッド23の中空部から突出するプッシュロッド72が第2アジャストナット92の中心孔92Cまわりの下端面に突き当てられる。
これにより、第1調整部80の第1アジャストボルト81の上端操作部80Aと、第2調整部90の第2アジャストボルト91の上端操作部90Aは、キャップ組立体100を構成するキャップ13の平面視で、キャップ13の中心から外れる位置にて、キャップ13の上面と面一をなすレベルにおいて互いに並置される。そして、第1調整部80の第1アジャストボルト81はキャップ13に回転だけして軸方向には移動しないように枢支され、第2調整部90の第2アジャストボルト91もキャップ13に回転だけして軸方向には移動しないように枢支される。従って、第1調整部80の第1アジャストボルト81が回転操作されると、この第1アジャストボルト81が螺合している第1アジャストナット82が軸方向に上下動し、第1アジャストナット82に突き当てられているプッシュロッド71を軸方向に移動させることができる。他方、第2調整部90の第2アジャストボルト91が回転操作されると、この第2アジャストボルト91が螺合している第2アジャストナット92が軸方向に上下動し、第2アジャストナット92に突き当てられているプッシュロッド72を軸方向に移動させることができる。
(ニードル弁85を用いた減衰力調整構造)(図3、図6)
ピストンロッド23の中空部の下端部にはインナベース84が挿着され、ピストンロッド23の下端面とピストンボルト25の内径段差部とがインナベース84の下端フランジを挟圧固定している。インナベース84はピストンロッド23の中空部に圧入されても良い。このようにしてピストンロッド23に固定されたインナベース84の内周にニードル弁85が液密に挿入され、ニードル弁85の中間フランジ部85Aとインナベース84の上端面との間に介装されるスプリング86がニードル弁85を軸方向の上方(開弁方向)に付勢し、ニードル弁85の上端面をプッシュロッド71の下端面に突き当てる。
第1調整部80の第1アジャストボルト81が、前述の如く、プッシュロッド71を軸方向に上下動させると、プッシュロッド71と軸方向に衝合しているニードル弁85がピストンボルト25に対して上下動し、ピストンボルト25に設けてあるバイパス路45の縦孔上端部の弁シートに対して進退し、バイパス路45の開度を調整し、ひいてはバイパス路45の通路抵抗による圧側と伸側の減衰力を調整可能にする。
(スプリング97を用いた減衰力調整構造)(図3、図6)
ピストンロッド23(上ロッド23A)の下端側の直径方向の両側には、軸方向に延びる長孔状のガイド孔94Aが設けられ、押動片94の両側突起がそれらのガイド孔94Aに概ね遊びなく軸方向にスライド可能に係入されている。ピストンロッド23の中空部に挿入されているプッシュロッド72の下端面が押動片94の上面に直に衝接し、プッシュロッド72の下端部に遊挿されているニードル弁85の断面部が押動片94の中心に設けた円形孔に軸方向移動自在に遊挿される。
ピストンロッド23の下端部(ピストンボルト25)まわりには、押動片94の両端突起に下方から衝合するばね受け95と、圧側ディスクバルブ41Aの上面(背面)に衝合するバルブ押え96が配置され、ばね受け95とバルブ押え96の間にバルブ押えスプリング97が介装される。ばね受け95はカップ状をなし、カップの内周下端にて押動片94の両側突起と衝合し、カップの上端外周フランジにスプリング97を着座させる。バルブ押え96は、圧側ディスクバルブ41Aの上面の適宜の外径位置に全周連続的(間欠的でも可)に衝接する円環状押え部96Aと、ピストンボルト25の上端外周にスライドガイドされるスライド部96Bと、上油室21Aを圧側流路41、伸側流路42、バイパス路45に連通する油路96Cを備え、外周段差部にスプリング97を着座させる。
第2調整部90のアジャストボルト91が、前述の如く、プッシュロッド72を軸方向に移動させると、プッシュロッド72の下端面が衝接している押動片94がばね受け95を上下に移動してバルブ押えスプリング97を伸縮し、スプリング97のセット荷重を調整する。これにより、スプリング97のセット荷重がバルブ押え96を介して圧側ディスクバルブ41Aを閉じる方向に付勢し、圧側ディスクバルブ41Aの撓み変形による圧側減衰力を調整可能にする。バルブ押え96は押え部96Aの径を異にするものに交換することができ、大径の押え部96Aを備えたバルブ押え96は圧側ディスクバルブ41Aの外周側を押え、ピストン速度の低速域から減衰力を大きくする。小径の押え部96Aを備えたバルブ押え96は圧側ディスクバルブ41Aの内周側を押え、ピストン速度が中〜高速域で減衰力を大きくする。
従って、本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)アウタチューブ11側に取付けたピストンロッド23を上下の隔壁部材17、18に貫通させてインナチューブ12内の作動油室21に挿入し、上下の隔壁部材17、18に挟まれるピストンロッド23の中間部にインナチューブ12内の作動油室21を摺動するピストン26を設けた。従って、フロントフォーク10が伸縮するときに、インナチューブ12内の作動油室21に進入/退出するピストンロッド23が両ロッド型になり、ピストンロッド23の進入/退出分の体積補償を行なう必要がない。このため、ピストンロッド23の体積補償用流路、又は体積補償の微調用流路となるチェック弁や微小流路を隔壁部材17に設ける必要がなく、体積補償のための油を作動油室21と油溜室22の間で移動する必要がない。よって、作動油室21の油に気泡が混入することがないし、ピストン26に設けた圧側ディスクバルブ41A、伸側ディスクバルブ42Aの絞り度合の設定も容易になり、減衰力の安定化を図ることができる。
(b)上隔壁部材17に、油溜室22と上油室21Aを連通する微小流路61を設けた。従って、インナチューブ12内の作動油室21の油の温度膨張分は、作動油室21からこの微小流路61を通って油溜室22に排出され、温度補償される。
(c)上隔壁部材17に、油溜室22から上油室21Aへの油の流れを許容するチェック弁60を設けた。従って、インナチューブ12内の作動油室21の油の温度収縮分は、油溜室22からこのチェック弁60を通って直ちに作動油室21に吸入され、温度補償される。
(d)アウタチューブ11の内周とインナチューブ12の外周の間の環状油室16を、インナチューブ12の油孔28を介して油溜室22に常時連通する潤滑用油室とし、インナチューブ12の先端側の摺動部(ガイドブッシュ12A)、アウタチューブ11の開口端側の摺動部(ガイドブッシュ11A)を潤滑できる。この環状油室16(潤滑用油室)は、直に油溜室22に連通するものであり、作動油室21の容積に関与することがない。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1は油圧緩衝器を示す全体断面図である。 図2は図1の拡大図である。 図3は図2の下部拡大図である。 図4は図2の上部拡大図である。 図5はキャップに設けた調整部を示す断面図である。 図6は減衰力調整構造を示す断面図である。
符号の説明
10 フロントフォーク(油圧緩衝器)
11 アウタチューブ
12 インナチューブ
16 環状油室
17 上隔壁部材
18 下隔壁部材
21 作動油室
21A 上油室
21B 下油室
22 油溜室
23 ピストンロッド
23A 上ロッド
23B 下ロッド
26 ピストン
28 油孔
41 圧側流路
41A 圧側ディスクバルブ(減衰力発生部)
42 伸側流路
42A 伸側ディスクバルブ(減衰力発生部)
60 チェック弁(逆止弁)
61 微小流路

Claims (4)

  1. 車体側のアウタチューブ内に車軸側のインナチューブを摺動自在に挿入し、
    インナチューブ内の軸方向に沿う上下2位置に上下の隔壁部材を設け、上下の隔壁部材の間に作動油室を、上隔壁部材の上部に油溜室をそれぞれ区画し、
    アウタチューブ側に取付けたピストンロッドを上下の隔壁部材に貫通させてインナチューブ内の作動油室に挿入し、上下の隔壁部材に挟まれるピストンロッドの中間部にインナチューブ内の作動油室を摺動するピストンを設け、
    インナチューブ内の作動油室をピストンにより上下の油室に区画し、ピストンの上下の油室を連絡する流路に減衰力発生部を設けてなる油圧緩衝器。
  2. 前記上隔壁部材に、油溜室と上油室を連通する微小流路を設ける請求項1に記載の油圧緩衝器。
  3. 前記上隔壁部材に、油溜室から上油室への油の流れを許容する逆止弁を設ける請求項1又は2に記載の油圧緩衝器。
  4. 前記アウタチューブの内周とインナチューブの外周との間に環状の油室を区画し、この環状の油室をインナチューブに設けた油孔を介して油溜室に連通する請求項1〜3のいずれかに記載の油圧緩衝器。
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