JP2000145864A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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JP2000145864A
JP2000145864A JP10323505A JP32350598A JP2000145864A JP 2000145864 A JP2000145864 A JP 2000145864A JP 10323505 A JP10323505 A JP 10323505A JP 32350598 A JP32350598 A JP 32350598A JP 2000145864 A JP2000145864 A JP 2000145864A
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JP
Japan
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shock absorber
spring
hydraulic shock
side tube
gas chamber
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JP10323505A
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English (en)
Inventor
Shinichi Oba
真一 大場
Masayoshi Konakai
誠良 小仲井
Kazumi Okazaki
和美 岡崎
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Honda Motor Co Ltd
Showa Corp
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Showa Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧側減衰力を増加させることができるととも
に、ストロークが進んだ位置での路面からの衝撃の吸収
性に優れた倒立型油圧緩衝器を得ること。 【解決手段】 倒立型油圧緩衝器10において、油圧緩
衝器本体9とは別体に、油圧緩衝器本体9の上部気体室
Bと連通する気体室Fを内部に形成したサブタンク80
を設け、サブタンク80内にフリーピストン83を摺動
自在に設けてサブタンク80内の気体室Fを密封区画
し、フリーピストン83をスプリング89にて付勢する
とともに、フリーピストンの背後の室Gを大気に開放
し、このスプリング89のセット荷重を油圧緩衝器10
内の気体室G、Fが圧縮されて一定の圧力に達した時に
撓むように設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動二輪車等の車
体と車輪との間に介装されて路面からの衝撃を吸収する
倒立型油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動二輪車等の車両の車体側と車
輪側の間に取り付けられる倒立型油圧緩衝器として、実
開平6−4442に開示されているものがある。この油
圧緩衝器は、車体側チューブ内に車輪側チューブが挿入
され、車体側チューブと車輪側チューブ内に、ダンパー
シリンダーと、このダンパーシリンダー内を摺動するピ
ストンを先端部に取り付けたピストンロッドからなるダ
ンパー装置を内蔵し、車輪側チューブにダンパーシリン
ダーを取付け、ピストンロッドを車体側チューブに正立
状態にして取付け、ダンパーシリンダーの外周にダンパ
ーシリンダー内の下部油室と連通する油室を設け、この
油室の上部に気体室を形成し、懸架スプリングを車輪側
チューブの底部と車体側チューブ側との間に、ダンパー
装置外周の油室中に浸漬させて配設している。
【0003】また、実開昭62−162185には、車
体側チューブ内に車輪側チューブが挿入され、車体側チ
ューブと車輪側チューブ内に、ダンパーシリンダーと、
このダンパーシリンダー内を摺動するピストンを先端部
に取り付けたピストンロッドからなるダンパー装置を倒
立状態にして取り付け、ダンパー装置の外周に油室を設
け、この油室の上部に気体室を形成し、懸河スプリング
をダンパーシリンダー外周と車輪側チューブ底部との間
に、ダンパー装置外周の油室中に浸漬させて配置した倒
立型油圧緩衝器が開示されている。
【0004】上記の2つの公報に開示されている懸架ス
プリングを油圧緩衝器内の下部油室に浸漬させて配置し
た、いわゆる、懸架スプリング下置きの倒立型油圧緩衝
器においては、前者の公報に開示された倒立型油圧緩衝
器においては、油圧緩衝器の圧縮時に、懸河スプリング
の上端を支持するスペーサーがダンパーシリンダー外周
と車輪側チューブ内周との間に形成される環状の油室内
に進入することにより、ばね受け内周とダンパーシリン
ダー外周との間に形成される環状の隙間で圧側の減衰力
が発生する。この圧側の減衰力はダンパーシリンダー内
の下部ベースバルブ機構で発生する圧側の減衰力に付加
される。また、油圧緩衝器の圧縮時に、ダンパーシリン
ダー内に進入したピストンロッドの体積相当分の作動油
が、ダンパシリンダー内の下部油室からダンパーシリン
ダー外周の油室に押出され、この押出された作動油が、
ばね受け内周とダンパーシリンダー外周との間に形成さ
れる環状の隙間を通るので、この押出された作動油の流
量も圧側減衰力の増加に寄与する。
【0005】又、後者の公報に開示の倒立型油圧緩衝器
では、圧縮時に、ダンパーシリンダーが車体側チューブ
と車輪側チューブ内の下部油室内に進入するに従い、ダ
ンパーシリンダー進入体積相当分の作動油が押し出され
て、ダンパーシリンダー外周と車輪側チューブの間の環
状隙間、又は、ダンパーシリンダー外周と車輪側チュー
ブの底部との間に介装されている懸架スプリングの素線
間の隙間を流動する際に、圧側の減衰力を発生する。
【0006】前者、及び、後者に開示されている、懸河
スプリングを車輪側チューブの内周下部に配置した、い
わゆる、懸河スプリング下置きの倒立型油圧緩衝器にお
いては、上記のようにベースバルブ部での圧側減衰力以
外に、ダンパーシリンダー外でも圧側減衰力を発生する
ので、圧側減衰力を増加させることができる、特に、作
動油が懸河スプリングの素線間を流動する場合には、位
置に依存した圧側減衰力が発生し、いわゆる、油圧緩衝
器の腰感に繋がり好ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術では、ダンパーシリンダー外での圧側減衰力の発生
が、圧側減衰力の増加、腰感の向上等に繋がり好ましい
が、大きくストロークした位置での路面からの衝撃の吸
収性が劣るという問題がある。
【0008】本発明の課題は、圧側減衰力を増加させる
ことができるとともに、大きくストロークした位置での
路面からの衝撃の吸収性に優れた倒立型油圧緩衝器を得
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、車体側チューブと車輪側チューブが摺動自在に嵌合
し、該車体側チューブと車輪側チューブ内に、ダンパー
シリンダーと、該ダンパーシリンダー内を摺動するピス
トンを先端部に取り付けたピストンロッドから成るダン
パー装置を内蔵し、該車体側チューブと車輪側チューブ
のいずれか一方のチューブに該ダンパーシリンダーを取
付け、他方のチューブに該ピストンロッドの基端部を取
付け、該ダンパー装置の外周に油室と、該油室の上部に
気体室を形成し、該車体側チューブ側と車輪側チューブ
側との間に、該車体側チューブと車輪側チューブを伸び
方向に付勢する懸架スプリングを該ダンパー装置外周の
油室内に浸漬させて配設した自動二輪車等の倒立型油圧
緩衝器において、該油圧緩衝器とは別体に、油圧緩衝器
内の上部気体室と連通する気体室を内部に形成したサブ
タンクを設け、該サブタンク内にフリーピストンを摺動
自在に設けてサブタンク内の該気体室を密封区画し、該
フリーピストンをスプリングにて付勢するとともに、該
フリーピストンの背後の室を大気に開放し、かつ、該ス
プリングのセット荷重を該油圧緩衝器内の気体室が圧縮
されて一定の圧力に達した時に撓むように設定したもの
である。
【0010】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記フリーピストンのセット
荷重を調整するアジャスターを前記サブタンクに設けた
ものである。
【0011】
【作用】請求項1の本発明によれば下記の作用がある。
油圧緩衝器が圧縮する場合の抵抗としては、懸架スプリ
ングのばね反力と油圧緩衝器上部気体室のエアー反力、
ベースバルブ機構およびダンパー装置外周の油室での作
動油の流動抵抗による圧側減衰力があるが、大きくスト
ロークして圧側減衰力が増加した分、エアー反力を下げ
ることにより油圧緩衝器全体としての圧縮時の抵抗を下
げることができる。
【0012】本案の場合、油圧緩衝器が圧縮されると、
ダンパーシリンダー内にピストンロッドが進入し、ベー
スバルブ機構で圧側の減衰力が発生するととともに、ダ
ンパー装置外周の油室でも圧側の減衰力を発生して、油
圧緩衝器全体としての圧側減衰力を増加させる。又、油
圧緩衝器が所定のストロークまで進むと、車体側チュー
ブと車輪側チューブ内の上部気体室が圧縮され上部気体
室の圧力が高くなり、この上部気体室と連通するサブタ
ンク内の気体室も圧力が高くなり、この圧力がサブタン
ク内のフリーピストンを付勢するスプリングのセット荷
重に達するとスプリングが撓みフリーピストンが摺動す
る、以後、車体側チューブと車輪側チューブ内の上部気
体室およびこれと連通するサブタンク内気体室のエアー
反力特性はフリーピストンを付勢するスプリングのばね
荷重特性となるので、このスプリングの最高ばね荷重を
エアーばねの最高荷重より低く設定することにより、ス
トローク後半で双曲線的に立ち上がるエアーばね特性を
抑制することができ、ストロークが進んだ位置でも路面
からの衝撃を吸収することができる。
【0013】請求項2の本発明によれば下記の作用があ
る。フリーピストンを付勢するスプリングのセット荷重
を調整するアジャスターを設けることによりフリーピス
トンが動き始めるストローク位置、すなはち、エアー反
力を下げるストローク位置を調整することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の油圧緩衝器の全体
構成を示す模式図、図2は本発明の油圧緩衝器の上半分
を示す模式図、図3は本発明の油圧緩衝器の下半分を示
す模式図、図4は図2における油圧緩衝器の本体部分上
部の要部模式図、図5はスライダーの突部とガイドケー
スの溝との係合状態を示す拡大横断平面図、図6は減衰
力調整アジャスターのマイナス突部とプッシュロッドの
マイナス溝の係合状態を示す拡大横断平面図である。
【0015】油圧緩衝器10は、車体側に取り付けられ
るアウターチューブ(車体側チューブ)1内に、車輪側
に取り付けられるインナーチューブ(車輪側チューブ)
2を摺動自在に挿入し、両チューブの間に懸架スプリン
グ3を介装するとともに、ダンパー装置4を正立状態に
して内装している。
【0016】アウターチューブ1の下端部内周にはイン
ナーチューブ2の外周部が摺接するブッシュ5、オイル
シール6が嵌着され、アウターチューブ1の上部内周に
はインナーチューブ2の外周が摺接するブッシュ7が嵌
着されている。
【0017】アウターチューブ1は図示しないアッパー
ブラケットとアンダーブラケットを介して車体側に支持
され、インナーチューブは車軸ブラケット8を介して車
軸に結合される。
【0018】車軸ブラケット8上面の最も深い凹部には
ダンパーシリンダー11がセンタリングカラー12を介
してボトムボルト13により液密に螺着してある。ま
た、アウターチューブ1の上端部にはキャップ14がO
リングを介して液密に螺着され、キャップ14内周に
は、ばねアジャストボルト15AがOリングを介して液
密に嵌装され、キャップ14の内周に圧入固定されたガ
イドケース16上部のフランジ部16Aと、上下のレー
ス17A、17Cの間にローラーべアリング17Bを挟
んだスラストベアリング17をナット18にて固定し、
キャップ14に対し回転可能に設けられている。
【0019】ばねアジャストボルト15Aの下部外周に
ジョイントロッド15Bが螺着固定され、更に、ジョイ
ントロッド15Bの下部内周にピストンロッド15Cの
上部が螺着固定され、ピストンロッド15Cはダンパー
シリンダー11の上端部内周に螺着されたロッドガイド
20内周を貫通してダンパーシリンダー11内に挿入さ
れている。ロッドガイド20内周にはピストンロッド1
5Cが摺接するブッシュ21が固定されている。ピスト
ンロッド15cの基端部は、ジョイントロッド15B、
ばねアジャストボルト15Aを介して、キャップ14に
回転可能に取り付けられる。
【0020】懸架スプリング3は、車軸ブラケット8上
面の下部ばね受け22と上部ばね受け23の間に図中O
ILで示した油中に浸漬して介装され、上部ばね受け2
3はスプリングカラー24の下端部外周に嵌装されたガ
イド25の下端面に当接している。ガイド25の外周に
は、4つの半円状の切欠部が軸方向に貫通して形成され
ている。スプリングカラー24の上部はジョイントカラ
ー26を介してばねアジャストボルト15A外周に螺合
されたスライダー27に支持されている。また、アウタ
ーチューブ1とインナーチューブ2の内部には油室Aと
上部に気体室Bとが設けられ、気体室Bに封入された気
体がエアーばねを構成する。これらの懸架ばね3と気体
ばねの弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収す
る。
【0021】ダンパー装置4は、ピストンロッド15C
の先端部に設けられたピストンバルブ機構(伸側減衰力
発生機構)30と、車軸ブラケット8の前面部に設けら
れたベースバルブ機構(圧側減衰力発生機構)40とを
有している。ダンパー装置4は、ピストンバルブ機構3
0の発生する伸側減衰力により懸架ばね3と上部気体室
Bのエアーばねの共振を抑制し、ベースバルブ機構40
の発生する圧側減衰力により油圧緩衝器10の圧縮速度
をコントロールする。
【0022】ピストンバルブ機構30は、公知の機構な
ので、 詳細な説明は省略するが、ピストンロッド15C
の先端部に圧側流路と伸側流路を設けたピストン31が
取り付けられ、 ピストン31はダンパーシリンダー内の
油室を上下の油室C、Dに区画する。ピストン31は、
油圧緩衝器10の伸張時に伸側の減衰力を発生する伸側
バルブと、圧縮時に比較的容易に開弁してピストン上側
の油室の負圧を解消する圧側チェックバルブを備える。
また、ピストンバルブ機構30は、ピストン上下の油室
をバイパスする流路を備え、このバイパス流路の開口面
積を調整するニードル38を備える。
【0023】ベースバルブ機構40は、車軸ブラケット
8の車体進行方向前面部に取り付けられたケース41内
に、圧側と伸側共通の流路を備えたべースピストン42
が設けられ、ケース41内の油室を上方室と下方室に区
画形成する。この共通の流路に圧側バルブと伸側チェッ
クバルブが設けられる。ベースピストン42は共通の流
路をバイパスする流路を備え、このバイパス流路にはニ
ードル43が臨んでいる。ベースピストン42下部の油
室は、ケース41と車軸ブラケット8に形成された下部
ポート44、ボトムボルト13に形成された横穴13を
介して、ダンパーシリンダー内の下部油室Dに連通し、
ベースピストン42上部の油室は、ケース41と車軸ブ
ラケットに形成された上部ポート45を介してダンパー
シリンダー11外周の油室Aに連通する。
【0024】油圧緩衝器10の圧縮時には、ダンパーシ
リンダー11内へ侵入するピストンロッド15Cの体積
相当分の作動油が、ボトムボルト13の横穴13A、下
部ポート44を通り、圧側バルブを撓めて、ダンパーシ
リンダー11外周の油室Aに流れる。作動油が圧側バル
ブを通過する時に圧側減衰力を発生する。
【0025】油圧緩衝器10の伸張時には、伸側チェッ
クバルブが容易に開弁して、ダンパーシリンダー11外
周の油室Aから、上部ポート45、伸側チェックバル
ブ、下部ポート44、ボトムボルト13の横穴13Aを
通り、ダンパーシリンダー下部油室Dに作動油が還流
し、ピストン下室Dの負圧を解消する。
【0026】ダンパーシリンダー11内のピストンロッ
ド15Cの外周には最伸張時にロッドガイド20の下端
面に当接するリバウンドラバー46が設けられ、ダンパ
ーシリンダー11外に位置するピストンロッド15Cの
外周、ジョイントロッド15Bの下端面に、最圧縮時に
ロッドガイド20の上端面に当接するストッパーラバー
47が焼き付け固定されている。
【0027】油圧緩衝器本体9内の上部には、気体室B
が形成され、この気体室Bは、後述するばね荷重調整機
構60と、減衰力調整機構70に形成されるエアー流路
を介して、油圧緩衝器本体9とは別体に設けられたサブ
タンク80内の気体室Fに連通する。以下ばね荷重調整
機構60と減衰力調整機構70に付いて説明する。
【0028】(ばね荷重調整機構)ばねアジャストボル
ト15Aの上端部には懸架ばね3の荷重調整用の操作ダ
イアル部15Dが一体に形成されている。キャップ14
と操作ダイアル部15Dとの間には、この操作ダイアル
部15Dをキャップ14に対して回転できるフリー状態
と、回転できないロック状態にするロック機構60が設
けられている。すなはち、キャップ14の上面に2つの
凹所14Aが形成され、この2つの凹所14A内に2つ
のスプリング61と2つの円筒状のロックキー62が挿
入され、ロックキー62は、隣接するばねアジャストボ
ルト15Aの外周に形成された2つの半円筒状の溝部1
5Fに係合し、2つのロックキー62と操作ダイアル部
15Dの下端面の間にはフランジ部の付いた円筒状のプ
ッシュ部材63が介装されている。
【0029】ばね荷重調整用の操作ダイアル部15Dの
外周に形成された六角部にスパナー等の工具をあてがう
とともに、このプッシュ部材63を下方に押すことによ
り、ばねアジャストボルト15A外周の半円筒状の溝部
15Fからロックキー62が外れ、キャップ14との係
合が解かれ、工具を外すとロックキー62がスプリング
61に押されてアジャストボル15Aの半円筒状の溝部
15Fに係合し、キャップ14にロックされる。
【0030】図5に示すように、キャップ14内周に圧
入された前記ガイドケース16の円筒部には径方向に貫
通する2つの溝16Aが軸方向に形成され、アジャスト
ボルト15A外周に螺合するスライダー27にはこの2
つの溝16Aに係合する突部27Aが形成され、(スラ
イダー突部27Aの径は、溝16Aの径より短く形成さ
れ、スライダー突部27Aとキャップ14内周との間の
隙間S1は後述する油圧緩衝器内の上部気体室Bとサブ
タンク80内の気体室Fを連通するエアー流路の一部を
形成する。)スライダー27はジョイントカラー26を
介してスプリングカラー24の上端を支持する。尚、キ
ャップ14の内周に溝16Aを形成したガイドケース1
6を別体に設けたのはキャップ14内周に形成する軸方
向の溝の加工を容易にするためである。
【0031】ばねアジャストボルト15Aの操作ダイア
ル部15Dを回転すると、アジャストボルト15Aの外
周に螺合するスライダー27が軸方向に進退し、懸架ば
ね3のセット荷重を調整する。ばねアジャストボルト1
5Aを回転すると、ばねアジャストボルト15Aの下部
に螺着固定されたジョイントボルト15B、ピストンロ
ッド15C、ピストンロッド15Cの先端に固定された
ピストン32、これらの内部に収納された後述する減衰
力調整機構70も一体に回転する。
【0032】(減衰力調整機構)ばねアジャストボルト
15Aの内周には、操作ダイアル71Aを上部外周に取
り付けた、減衰力調整用のアジャスター71がOリング
を介して液密に回転自在に挿入され、減衰力調整アジャ
スター71の下部には、マイナス形状をした突部71D
が形成されている、減衰力調整アジャスター71の下に
隣接して、前記減衰力調整アジャスター71のマイナス
突部71Dに係合するマイナス溝72Fを上部に形成し
たプッシュロッド72が設けられ、このプッシュロッド
72はばねアジャストボルト15Aの内周に螺合してい
る。(図6に示すように、減衰力調整アジャスター71
のマイナス突部71Dの径は、プッシュロッド72のマ
イナス溝72Fの径より短く形成され、マイナス突部7
1Dの径方向外側とばねアジャストボルト15A内周と
の間に隙間S2が形成され、この隙間S2が後述する油
圧緩衝器内の上部気体室Bとサブタンク80内の気体室
Fを連通するエアー流路の一部を形成する。)プッシュ
ロッド72の下端部は減衰力調整ロッド37の上端部を
支持するホルダー73に当接し、減衰力調整ロッド37
の下端部はピストン両側の油室C、Dをバイパスする流
路の流路面積を調整するニードル弁38に当接してい
る。ニードル弁38はスプリング39により上方に付勢
される。74はばねアジャストボルト15Aとの間に設
けられたクリック機構、75はストッパーリング、76
はホルダー73をガイドするブッシュである。
【0033】減衰力調整アジャスター71を回転する
と、プッシュロッド72がばねアジャストボルト15A
内を回転しながら軸方向に進退し、このプッシュロッド
72の下端面に当接するホルダー73を介して、減衰力
調整ロッド37、ニードル弁38が軸方向に進退して、
バイパス流路の開口面積を調整する。この時、ロック機
構を構成するプッシュ部材63とロックキー62は、上
動してばねアジャストボルト15Aをキャップ14に対
し回転できないロック状態に保持しているので、減衰力
調整アジャスター71のみが回転し、ばね荷重調整には
影響を与えない。
【0034】次に、本発明の特徴部分をなすエアーばね
反力機構について説明する。減衰力調整用のアジャスタ
ー71の上部には、エアーコネクター76が螺着され、
エアーコネクター76内にはエアーホース77を内周に
固定したシール部材78が回転可能に設けられ、エアー
ホース77の他端は油圧緩衝器本体9とは別体に設けら
れたサブタンク80内の上部キャップ81のエアーコネ
クター82を介してサブタンク80内の気体室Fに連通
している。減衰力調整アジャスター71に螺着されたエ
アーコネクター76内にシール部材78が回転可能に設
けられることにより、減衰力調整アジャスター71を回
転してもシール部材78は回転しないので、サブタンク
80を車体側フレーム等に固定して取り付けることがで
きる。サブタンク内の気体室Fはフリーピストン83外
周のOリングにて密封区画され、フリーピストン83背
後の室Gはサブタンク80の底部キャップ84に形成さ
れた孔85を介して大気に開放されている。サブタンク
80の底部キャップ84にアジャストボルト86が螺合
され、このアジャストボルト86の段部とナット87と
の間にばね受け88が固定され、ばね受け88とフリー
ピストン83との間にスプリング89が配設されフリー
ピストン83を上部キャップ81の端部に付勢してい
る。ナット90を緩めてアジャストボルト86を底部キ
ャップ84に対し螺進退させることによりスプリング8
9のセット荷重を調整することができる。91は、気体
封入バルブである。なお、サブタンク80は本実施例で
は左右の油圧緩衝器本体9にそれぞれ1つ設けられる
が、1つのサブタンクを左右の油圧緩衝器で共通にして
もよい。
【0035】油圧緩衝器内の油室A上部に形成された上
部気体室Bは、前記スライダー27の突部27A外周と
キャップ14内周との間に形成される隙間S1、ばねア
ジャストボルト15Aに形成した横孔15G、プッシュ
ロッド72に形成した斜孔72A、プッシュロッド72
のマイナス溝72F、図6に示す減衰力調整用アジャス
ター71のマイナス突部71Dの径方向外側とばねアジ
ャストボルト15Aの内周との間に形成される隙間S
2、減衰力調整アジャスター71の斜孔71B、減衰力
調整アジャスター71内の中空孔、エアーコネクター7
6、エアーホース77、サブタンク80側のエアーコネ
クター82からなるエアー流路を介しサブタンク80内
の気体室Fに連通している。
【0036】したがって、油圧緩衝器の上部気体室Bが
圧縮されると、油圧緩衝器本体9の上部気体室Bとサブ
タンク80内の気体室Fを連通する上記エアー流路を介
して、サブタンク80内の気体室Fの圧力も上昇し、フ
リーピストン83を付勢するスプリング89のセット荷
重に達すると、フリーピストン83が摺動し、以後のエ
アーばね特性はフリーピストン83を付勢するスプリン
グ89の荷重特性に移行する。このスプリング89の最
高荷重をエアーばねのみの場合の最高荷重よりも低く設
定することにより、ストローク奥での路面の吸収性を向
上することができる。
【0037】本発明の実施形態によれば、下記の作用が
ある。 油圧緩衝器10の圧縮時には、インナーチューブ2が
アウターチューブ1に対して摺動し、ピストンロッド1
5Cがダンパーシリンダー11内に進入し、ピストンロ
ッド15Cの進入容積分の作動油が、ダンパーシリンダ
ー11内底部の中空ボルト13、車軸ブラケット8、ケ
ース41にそれぞれ形成した下部ポート46を通り、ケ
ース41内のベースピストン42下方室に至り、圧縮速
度が低速時にはバイパス流路を通り、中高速時には圧側
バルブ50を撓めて上方室に至り、さらに、プラグボル
ト44に形成した孔47、ケース41、車軸ブラケット
8にそれぞれ形成した上部ポート47を通りダンパーシ
リンダー11外側の油室Aに至り、この油室Aの油面を
上昇させる。作動油が、このベースバルブ機構40を通
る時に圧側減衰力を発生するとともに、さらに、作動油
がばね受け23、ガイド25、スプリングカラー24の
内周とダンパーシリンダー11外周との間に形成される
環状の隙間を通る際にも、圧側減衰力が発生し、ベース
バルブ機構40で発生する圧側減衰力に付加され、油圧
緩衝器全体の圧側減衰力が増加する。ばね受け23、ガ
イド25、及び、スプリングカラー24内周とダンパー
シリンダー11外周との間の環状隙間は圧縮ストローク
が進むにつれて長くなるので、油圧緩衝器が速い速度、
又は、大きくストロークした場合に圧側減衰力が大きく
なる。
【0038】そして、インナーチューブ2がアウターチ
ューブ1に対して摺動することにより、アウターチュー
ブ1とインナーチューブ2内の上部気体室Bの容積が小
さくなるので、上部気体室Bが圧縮され、油圧緩衝器内
の上部気体室Bと連通するサブタンク80内の気体室F
の圧力も上昇し、この圧力がフリーピストン83を付勢
するスプリング89のセット荷重に達すると、フリーピ
ストン83が移動する。フリーピストン83が移動し始
めると、油圧緩衝器本体9の気体室Bとサブタンク80
の気体室Fのエアー反力特性は、フリーピストン83を
付勢するスプリング89のばね荷重特性となり、油圧緩
衝器10のエアー反力の最高荷重を低く抑えることがで
きる。
【0039】したがって、スプリングを下置きに配置し
た倒立型の油圧緩衝器10が、大きくストロークして圧
側減衰力が増加しても、エアー反力を低くすることがで
きるので、倒立型油圧緩衝器全体として圧縮抵抗が少な
くなり、路面の吸収性がよくなる。
【0040】サブタンク80の底部キャップ84に螺
合するアジャストボルト86を螺進退させることにより
フリーピストン80を付勢するスプリング89のセット
荷重を調整し、フリーピストン83のばね荷重特性に移
行するストローク位置を調整することができる。
【0041】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、圧側減衰
力を増加させることができるとともに、大きくストロー
クした位置での路面からの吸収性に優れた倒立型油圧緩
衝器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の油圧緩衝器の全体構成を示す模
式図である。
【図2】図2は本発明の油圧緩衝器の上半分を示す模式
図である。
【図3】図3は本発明の油圧緩衝器の下半分を示す模式
図である。
【図4】図4は図2における油圧緩衝器の本体部分上部
の要部模式図である。
【図5】図5はスライダーの突部とガイドケースの溝と
の係合状態を示す拡大横断平面図である。
【図6】図6は減衰力調整アジャスターのマイナス突部
とプッシュロッドのマイナス溝の係合状態を示す拡大横
断平面図である。
【符号の説明】
1 アウターチューブ 2 インナーチューブ 3 懸河スプリング 10 油圧緩衝器 11 ダンパーシリンダー 15C ピストンロッド 80 サブタンク 83 フリーピストン 89 スプリング A 油室 B 気体室 F サブタンク内気体室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小仲井 誠良 静岡県磐田郡浅羽町松原字駒川2601番地 株式会社ショーワ浅羽工場内 (72)発明者 岡崎 和美 埼玉県朝霞市泉水三丁目15番1号 株式会 社ホンダレーシング内 Fターム(参考) 3D014 DD02 DD03 DE04 DE08 DE13 DE15 DE27 3J069 AA46 AA53 CC33

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側チューブと車輪側チューブが摺動
    自在に嵌合し、 該車体側チューブと車輪側チューブ内に、ダンパーシリ
    ンダーと、該ダンパーシリンダー内を摺動するピストン
    を先端部に取り付けたピストンロッドから成るダンパー
    装置を内蔵し、 該車体側チューブと車輪側チューブのいずれか一方のチ
    ューブに該ダンパーシリンダーを取付け、他方のチュー
    ブに該ピストンロッドの基端部を取付け、 該ダンパー装置の外周に油室と、該油室の上部に気体室
    を形成し、 該車体側チューブ側と車輪側チューブ側との間に、該車
    体側チューブと車輪側チューブを伸び方向に付勢する懸
    架スプリングを該ダンパー装置外周の油室内に浸漬させ
    て配設した自動二輪車等の倒立型油圧緩衝器において、 該油圧緩衝器とは別体に、油圧緩衝器内の上部気体室と
    連通する気体室を内部に形成したサブタンクを設け、 該サブタンク内にフリーピストンを摺動自在に設けてサ
    ブタンク内の該気体室を密封区画し、 該フリーピストンをスプリングにて付勢するとともに、
    該フリーピストンの背後の室を大気に開放し、かつ、該
    スプリングのセット荷重を該油圧緩衝器内の気体室が圧
    縮されて一定の圧力に達した時に撓むように設定したこ
    とを特徴とする自動二輪車等の倒立型油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 前記フリーピストンのセット荷重を調整
    するアジャスターを前記サブタンクに設けたことを特徴
    とする請求項1に記載の自動二輪車等の倒立型油圧緩衝
    器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8196946B2 (en) 2007-04-20 2012-06-12 Honda Motor Co., Ltd. Suspension structure
CN110529544A (zh) * 2018-05-25 2019-12-03 新疆北方建设集团有限公司 工程机械上使用的发动机隔振器
CN112032238A (zh) * 2020-09-24 2020-12-04 福建金汉科技有限公司 一种铝合金双调节充气式倒置前减震器

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